JP5276557B2 - 光情報記録媒体用記録層および光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体用記録層および光情報記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、光情報記録媒体用の記録層、光情報記録媒体、および該記録層の形成に有用なスパッタリングターゲットに関するものである。
光情報記録媒体(光ディスク)は、CD、DVD、BDといった光ディスクに代表され、記録再生方式により、再生専用型、追記型および書換え型の3種類に大別される。このうち追記型の光ディスクの記録方式は、主に、記録層を相変化させる相変化方式、複数の記録層を反応させる層間反応方式、記録層を構成する化合物を分解させる方式、記録層に孔やピットなどの記録マークを局所的に形成させる孔開け方式に大別される。
前記相変化方式では、記録層の結晶化による光学特性の変化を利用した材料が、記録層の材料として提案されている。例えば特許文献1では、Te−O−M(Mは金属元素、半金属元素及び半導体元素から選ばれる少なくとも1種の元素)を含む記録層が提案され、特許文献2ではSbおよびTeを含む記録層が提案されている。
前記層間反応方式の光情報記録媒体の記録層としては、例えば特許文献3に、第一記録層をIn−O−(Ni、Mn、Mo)を含む合金からなるものとし、かつ第二記録層をSe及び/又はTe元素、O(酸素)、及びTi、Pd、Zrの中から選ばれた一つの元素を含む合金からなるものとした記録層が提案されている。また特許文献4では、第一記録層:In主成分とする金属、第二記録層:5B族または6B族に属する少なくとも1種類の元素を含む、酸化物以外の金属あるいは非金属を積層して、加熱による反応または合金化により記録を行うことが提案されている。
前記記録層を構成する化合物を分解する方式の記録層として、例えば特許文献5には、窒化物を主成分とした記録層が示されており、該窒化物を加熱により分解することで記録を行う材料や、有機色素材料が検討されている。
前記孔開け方式の記録層としては、低融点金属材料からなるものが検討されている。例えば特許文献6では、Sn合金に3B族、4B族、5B族の元素を添加した合金からなるものが提案されている。また特許文献7では、Niおよび/またはCoを1〜50原子%の範囲で含有するSn基合金からなる記録層が提案されている。更に特許文献8には、Coを20〜65原子%含有するIn合金、さらにこれにSn、Bi、Ge、Siから選ばれる1種類以上の元素を19原子%以下含有するIn合金からなる記録層が示されている。
特開2005−135568号公報 特開2003−331461号公報 特開2003−326848号公報 特許第3499724号公報 国際公開第2003/101750パンフレット 特開2002−225433号公報 特開2007−196683号公報 特許第4110194号公報
光情報記録媒体に求められる要求特性として、主に、再生に十分な反射率を有すること、実用的な記録レーザーパワーで記録が可能なこと(高記録感度を有すること)、記録信号が再生に十分な信号振幅を有すること(高変調度であること)、および信号強度が高いこと(高C/N比であること)などが求められる。
しかし、従来技術として開示されている記録材料は、これらの要求特性を記録材料単体で満たすことが難しく、前記相変化方式では、記録層単独での反射率が低いため、光ディスク状態での反射率を高めるべく反射膜が必要であり、かつ変調度を増加させるため、記録層の上下にZnS−SiOなどの誘電体層を設ける必要があり、光ディスクを構成する層数が多くなる。また、前記層間反応方式でも複数の記録層が必要であることから、光ディスクを構成する層数が多くなる。このため膜層数が多くなり生産性が低下するという課題がある。これに対し前記孔開け方式は、記録層自体の反射率が高く、且つ、大きな変調度も確保できるため、光ディスクを構成する層の数を低減できるが、より高い記録感度を達成するにあたっては、更なる検討が必要である。
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、光ディスクの層数を低減しながら上記要求特性を満たして、光情報記録媒体の生産性を高めることのできる光情報記録媒体用記録層と、該記録層を備えた光情報記録媒体、および該記録層の形成に有用なスパッタリングターゲットを提供することにある。
本発明に係る光情報記録媒体用記録層とは、レーザー光の照射により記録が行われる記録層であって、酸素1molに対する酸化物の標準生成自由エネルギーの絶対値がPdよりも大きい金属(以下、X金属という)の酸化物と、酸化Pdとを含み、該酸化Pdが一酸化Pdと二酸化Pdを含むものであり、かつ、記録層に含まれるX金属原子とPd原子の合計に対するPd原子の比率が4〜85原子%であるところに特徴を有する。
前記X金属は、Sn、Zn、Bi、Ge、Co、W、CuおよびAlよりなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
前記一酸化Pdと二酸化Pdの合計に対する二酸化Pdの比率は、5〜70モル%であることが好ましい。
前記記録層の膜厚は5〜100nmの範囲内にあることが好ましい。
本発明の記録層は、レーザー光の照射された部分に気泡が生成し、体積変化することにより記録が行われる記録方式の光情報記録媒体の記録層に適している。
本発明には、上記記録層を備えている点に特徴を有する光情報記録媒体も含まれる。
更に本発明には、上記記録層形成用のスパッタリングターゲットであって、X金属の酸化物とPdを含み、かつ、スパッタリングターゲットに含まれるX金属原子とPd原子の合計に対するPd原子の比率が4〜85原子%であるところに特徴を有するスパッタリングターゲットも含まれる。また本発明には、上記記録層形成用の別のスパッタリングターゲットであって、X金属原子とPd原子の合計に対するPd原子の比率で4〜85原子%のPdを含む、X金属を基とする合金からなるところに特徴を有するスパッタリングターゲットも含まれる。
前記スパッタリングターゲットにおいて、X金属は、Sn、Zn、Bi、Ge、Co、W、CuおよびAlよりなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
本発明によれば、実用的な記録レーザーパワーでの記録感度に優れた光情報記録媒体用記録層(特には、追記型光情報記録媒体用記録層)、および該記録層を備えた光情報記録媒体(特には、追記型光情報記録媒体)を提供することができる。また、本発明によれば、上記記録層の形成に有用なスパッタリングターゲットを提供することができる。
尚、本明細書において、「記録感度に優れる」とは、後記する実施例の欄で詳述する通り、比較的低い記録レーザーパワーで高変調度を実現できることを意味する。
実施例におけるPdの状態分析結果(Pd 3d5/2光電子スペクトル)である。
本発明者らは、従来の記録層よりも、実用的な記録レーザーパワーでの記録感度に優れた光情報記録媒体用記録層を実現すべく鋭意研究を行った。その結果、従来の記録層とは異なり、酸素1molに対する酸化物の標準生成自由エネルギーの絶対値がPdよりも大きい金属(X金属)の酸化物と、酸化Pdとを含み、該酸化Pdが一酸化Pdと二酸化Pdを含む記録層とすれば、該記録層にレーザーが照射したときに、前記酸化Pdが、レーザー照射により加熱され、分解して酸素を放出し、レーザーが照射された部分に気泡を生成させて不可逆的な記録を行う方式が、従来よりも記録感度を格段に高めうることを見出した。
上記記録層による記録方式では、レーザー照射前の記録層の構造はアモルファスであり、レーザー照射後もアモルファスである点で、アモルファスがレーザー照射により結晶に変化することを利用した相変化方式と相違する。
本発明の記録層が記録感度に優れている理由として、レーザー照射により気泡が発生した部分では、気泡の発生していない部分と比べて透過率が増加(即ち、反射率が低下)することで、変調度を大きくすることができたことが考えられる。
また、上記の通り酸化Pdを含有させることにより、酸化Pdを含まない場合に比べて屈折率を大きくすることができ、高い反射率を得ることができる。更には、膜の光吸収率を大きくすることができるため、信号記録のためのレーザーのエネルギーを効率的に熱に変えることができ、結果として、実用的な記録レーザーパワーで上記酸化Pdの分解が促進されて、記録感度を十分に向上させることができる。
これらの効果を十分発現させるには、記録層に含まれる、酸素1molに対する酸化物の標準生成自由エネルギーの絶対値がPdよりも大きい金属原子とPd原子との合計に対する、Pd原子の比率(以下「Pd量」ということがある)を4原子%以上とする必要がある。Pd量が4原子%を下回ると、レーザー照射時に分解する酸化Pdが少ないため、放出される酸素量が十分でなく生成する気泡が少なくなり、結果として信号強度が小さくなる。また記録層の光吸収率も小さくなるため、記録に必要なレーザーパワーが大きくなり好ましくない。前記Pd量は、好ましくは8原子%以上、より好ましくは10原子%以上である。一方、前記Pd量が85原子%を超えると、変調度が小さくなるため、本発明ではPd量の上限を85原子%とした。前記Pd量の上限は、好ましくは50原子%、より好ましくは45原子%である。
ところで、記録層が2層以上存在する多層光ディスクでは、レーザー入射面から最も遠い記録層以外は透過率が要求されるが、この透過率は、Pd量の低減により高めることができる。よって、ある程度の透過率が必要とされる記録層は、Pd量を4〜30原子%の範囲内とすることが好ましい。一方、一層ディスクや多層ディスクの一番下の層(レーザー入射面から最も遠い記録層)は、ある程度の反射率が必要とされることから、Pd量は30〜85原子%とすることが好ましい。
上記酸化Pdが、特に一酸化Pdと二酸化Pdを含むものとすれば、記録感度をより十分に向上させることができる。その理由として、一酸化Pdよりも不安定な二酸化Pdが、レーザー照射により容易に分解して酸素を放出すること、および、二酸化Pdに比べて安定な一酸化Pd中に二酸化Pdを存在させることで、この二酸化Pdの自然分解が抑制されて、安定な記録層が得られることが考えられる。
上記二酸化Pdの分解による酸素放出量を高めて、記録による十分な反射率変化を得るには、前記一酸化Pdと二酸化Pdの合計に対する二酸化Pdの比率を、5モル%以上とすることが好ましい。一方、一酸化Pdに対し二酸化Pdが多過ぎると、二酸化Pdは安定的に存在することができず、記録層の作製が困難となるため、前記一酸化Pdと二酸化Pdの合計に対する二酸化Pdの比率は70モル%以下とすることが好ましい。より好ましくは60モル%以下である。
本発明の記録層は、上記酸化Pdと共に、酸素1molに対する酸化物の標準生成自由エネルギーの絶対値がPdよりも大きい金属(X金属)の酸化物を含むものである。この様に、酸化Pdよりも安定な金属酸化物を酸化Pdと共に含有させることによって、該酸化Pdが分解したときの酸素放出による形態変化を明瞭かつ大きくすることができ、記録による十分な反射率変化を得ることができる。
前記酸素1molに対する酸化物の標準生成自由エネルギーの絶対値が、Pdよりも大きい金属(X金属)としては、Sn、Zn、Bi、Ge、Co、W、Cu、Alが挙げられる(室温における酸素1molに対する酸化物の標準生成自由エネルギーは、Pdが約−150kJ/molであるのに対し、Sn、Zn、Bi、Ge、Co、W、Cu、Alが、それぞれ−520、−640、−330、−420、−420、−500、−270、−1050kJ/molである)。ここで、酸素1molに対する酸化物の標準生成自由エネルギーとは、
例えばAlの場合、
4/3Al+O=2/3Al
の反応における値であり、Znの場合、
2Zn+O=2ZnO
で表される反応における値である。
本発明の記録層は、上記の通りX金属の酸化物を含むものであり、好ましくはX金属の酸化物を50モル%以上含むものである。尚、本発明の記録層には、前記X金属の酸化物と、前記酸化Pdとを含む他、作製時に不可避的に混入する不可避不純物が含まれ得る。更に、吸収率の向上や屈折率の制御を目的として、Sn、Al、Bi、Cu、Nb、Ti、Si、Taを、酸化物または金属の状態で合計約30原子%以下の範囲内で含んでいてもよい。
記録層の膜厚は、記録層の上下に金属化合物層や金属層等の他の層を挿入するなど、光情報記録媒体の構造にもよるが、記録層を単層で使用する場合(誘電体層や光学調整層を設けない場合)には、記録層の膜厚を5〜100nmとすることが好ましい。記録層の膜厚が5nmより小さいと、記録による十分な反射率変化が得られにくいからである。より好ましくは10nm以上、更に好ましくは20nm以上、特に好ましくは25nm以上である。一方、記録層の膜厚が100nmより大きいと、膜の形成に時間がかかり、生産性が低下すると共に、記録に必要なレーザーパワーが大きくなる。より好ましくは70nm以下、更に好ましくは60nm以下である。
本発明の記録層は、上記の通り、酸化Pd(例えば、PdO、PdO、PdO等)を含むものであるが、この様な形態の記録層を得るには、スパッタリング法で記録層を形成することが好ましい。スパッタリング法によれば、ディスク面内での膜厚分布均一性も確保できるため好ましい。
上記酸化Pdを含む記録層をスパッタリング法で形成するには、スパッタリング条件として、特に、Ar(アルゴン)流量に対する酸素流量の比を0.5〜10.0とすることが好ましい。スパッタリング法におけるその他の条件は特に限定されず、汎用される方法を採用することができ、ガス圧を例えば0.1〜1.0Paの範囲、スパッタ電力を例えば0.5〜20W/cmの範囲に制御すれば良い。
前記スパッタリング法で用いるスパッタリングターゲット(以下、単に「ターゲット」ということがある)としては、
(A)X金属(好ましくは、Sn、Zn、Bi、Ge、Co、W、CuおよびAlよりなる群から選択される1種以上)の酸化物(具体的には、例えばX金属の酸化物を50モル%以上含む)と、Pd(例えば酸化Pdおよび/または金属Pd)とを含み、かつ、スパッタリングターゲットに含まれるX金属原子とPd原子の合計に対するPd原子の比率が4〜85原子%である点に特徴を有するスパッタリングターゲットや、
(B)X金属(好ましくは、Sn、Zn、Bi、Ge、Co、W、CuおよびAlよりなる群から選択される1種以上)原子とPd原子の合計に対するPd原子の比率で4〜85原子%のPd(例えば金属Pd)を含む、X金属を基とする合金からなる点に特徴を有するスパッタリングターゲットを用いることが挙げられる。また、
(C)X金属ターゲット(純X金属ターゲット)と金属Pdターゲット(純Pd金属ターゲット)を用い、これらを同時放電させて多元スパッタリングを行うことが挙げられる。
なお、上記(A)のスパッタリングターゲットとしては、特に、X金属の酸化物と金属Pdの粉末を混合し、焼結させたものを用いることが、生産性や形成された薄膜の組成の面内均一性や厚み制御の点で好ましい。上記スパッタリングターゲットの製造に当たり、微量ながら不純物としてスパッタリングターゲット中に混入することがある。しかし、本発明のスパッタリングターゲットの成分組成は、それら不可避に混入してくる微量成分まで規定するものではなく、本発明の上記特性が阻害されない限り、それら不可避不純物の微量混入は許容される。
本発明の光情報記録媒体は、上記記録層を備えている点に特徴を有しており、上記記録層以外の構成は特に限定されず、光情報記録媒体の分野に公知の構成を採用することができる。
光情報記録媒体(光ディスク)として、その構造が、レーザーのガイド用の溝が刻まれた基板上に記録層が積層され、更にその上に光透過層を積層したものが挙げられる。
例えば、前記基板の素材としては、ポリカーボネート樹脂、ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン系共重合体、非晶質ポリオレフィンなどが挙げられる。また、前記光透過層としては、ポリカーボネートや紫外線硬化樹脂を用いることができる。光透過層の材質としては記録再生を行うレーザーに対して高い透過率を持ち、光吸収率が小さいことが好ましい。前記基板の厚さは、例えば0.5〜1.2mmとすることが挙げられる。また前記光透過層の厚さは、例えば0.1〜1.2mmとすることが挙げられる。
本発明の記録層は、高い反射率を示し、記録層単独で優れた記録特性を示すものであるが、必要に応じて、記録層の耐久性向上のため、記録層の上および/または下に、酸化物層や硫化物層、金属層等を設けても良い。これらの層を積層することにより、記録層の経時劣化である酸化や分解を抑制することができる。また、光ディスクとしての反射率をより高めるべく、基板と記録層との間に光学調整層や誘電体層を設けてもよい。また記録層と光透過層との間に誘電体層を設けてもよい。前記光学調整層の素材としては、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Cr、Ti等やそれらの合金などが例示され、前記誘電体層の素材としては、ZnS−SiO、In、Sn、Si、Al、Ti、Ta、Zr、Crなどの酸化物、In、Sn、Ge、Cr、Si、Al、Nb、Mo、Ti、Znなどの窒化物、In、Sn、Ge、Cr、Si、Al、Ti、Zr、Taなどの炭化物、Si、Al、Mg、Ca、Laなどのフッ化物、或いはそれらの混合物などが例示される。
なお、上記では、記録層および光透過層がそれぞれ1層ずつ形成された1層光ディスクを示しているが、これに限定されず、記録層および光透過層が複数積層された2層以上の光ディスクであってもよい。
前記2層以上の光ディスクの場合、記録層と必要に応じて積層される光学調整層や誘電体層からなる記録層群と別の記録層群との間に、例えば紫外線硬化樹脂またはポリカーボネートなどの透明樹脂等からなる透明中間層を有していてもよい。
本発明の特徴は、前述した記録層を採用した点にあり、記録層以外の基板や光透過層、更には、光学調整層や誘電体層、透明中間層などの形成方法については特に限定されず、通常行われている方法で形成して、光情報記録媒体を製造すればよい。
光情報記録媒体としてCD、DVD、またはBDが挙げられ、例えば波長が約380nmから450nm、好ましくは約405nmの青色レーザー光を記録層に照射し、データの記録および再生を行うことが可能なBD−Rが具体例として挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは本発明の技術的範囲に包含される。
(1)光ディスクの作製
ディスク基板として、ポリカーボネート基板(厚さ:1.1mm、直径:120mm、トラックピッチ:0.32μm、溝深さ:25nm)を用い、該基板上に、DCマグネトロンスパッタリング法により、X金属の酸化物と酸化Pd(一酸化Pdおよび二酸化Pdの合計に占める、一酸化Pd、二酸化Pdの各モル比は表1に示す通りである)の含有量が種々の記録層を形成した。記録層の膜厚は40nmとした。スパッタリングは、純X金属(Sn,Zn,Bi,In,Ge,Co,W,Cu)ターゲット、純Pd金属ターゲットの複数のターゲットの同時放電による多元スパッタリングを行った。上記記録層形成のためのスパッタリング条件は、Ar流量:10sccmまたは15sccm、かつ酸素流量:15sccmまたは24sccmとした。また、ガス圧:0.3〜0.6Pa、DCスパッタリングパワー:100〜200W、基板温度:室温とした。
成膜した記録層の成分組成(Pd量)は、ICP発光分析法、蛍光X線分析法、またはX線光電子分光法により測定した。
次いで、得られた記録層の上に、紫外線硬化性樹脂(日本化薬社製「BRD−864」)をスピンコートした後、紫外線を照射して膜厚約0.1mmの光透過層を成膜し、光ディスクを得た。
Pdの状態分析は次の様にして行った。即ち、X線光電子分光法(装置は、Physical Electronics社製 Quantera SXM)で記録層の最表面スペクトルを測定し、Pd 3d5/2光電子スペクトルのピーク分離を行い、ピーク面積比から、記録層中に存在するPdの存在形態:金属Pd、一酸化Pd、二酸化Pdのモル比(モル%)を求めた。帯電の補正にはC1s準位からの光電子を基準として行った。上記分析は、上記光ディスクの光透過層(カバー層)を剥離してポリカーボネート基板上に記録層が形成された状態で行い、分析領域は約φ200μmとした。上記スペクトルの一例として、表1におけるNo.2のPd 3d5/2光電子スペクトルを図1に示す。
(2)光ディスクの評価
作製した光ディスクについて下記の通り評価した。即ち、光ディスク評価装置(パルステック工業社製「ODU−1000」)を用い、記録レーザー中心波長は405nmとし、NA(開口数):0.85のレンズを用いた。下記に示す反射率は、上記装置を用い、レーザーをトラック上に照射し、光ディスクにおける未記録部分のレーザー光の戻り光強度から求めた。
上記光ディスク評価装置を用いて、線速:4.92m/s、基準クロック:66MHzの条件で、2Tから8Tのランダム信号を種々の記録レーザーパワー(記録パワー)で記録した。そして、横河電機製タイムインターバルアナライザーTA810を用いて測定したジッター値(再生レーザーパワー0.3mWでの記録再生時の再生信号の時間軸上のゆらぎを示す値)が最小となる記録レーザーパワー(記録パワー)を求め(値は表1に示す通りである)、このジッター値が最小となる記録パワーでの変調度(反射率の変化率)を下記式(1)から求めた。そして、この変調度が0.40以上であるものを合格とした。
変調度(反射率の変化率)=(未記録部分の反射率−記録部分の反射率)/(未記録部分の反射率) …(1)
表1より、酸化Zn、酸化Sn等の、酸素1molに対する酸化物の標準生成自由エネルギーの絶対値がPdよりも大きい金属(X金属)の酸化物と、酸化Pdとを含むものであって、かつ該酸化Pdが一酸化Pdと二酸化Pdを含む記録層とすれば、変調度が高く、実用的な記録レーザーパワーでの記録感度に優れていることがわかる。

Claims (6)

  1. レーザー光の照射により記録が行われる記録層であって、
    酸素1molに対する酸化物の標準生成自由エネルギーの絶対値がPdよりも大きい金属(以下、X金属という)の酸化物と、酸化Pdとを含み、該酸化Pdが一酸化Pdと二酸化Pdを含むものであり、かつ、記録層に含まれるX金属原子とPd原子の合計に対するPd原子の比率が4〜85原子%であることを特徴とする光情報記録媒体用記録層。
    [但し、下記組成(モル比)のIn−Sn−Pd−O膜の単層の記録層と、酸化In、酸化Pdおよび金属Pdからなる記録層と、酸化Inおよび酸化Pdからなる記録層とを除く。
    In :SnO =9:1、
    (In +SnO ):Pd=8:2]
  2. 前記X金属が、Sn、Zn、Bi、Ge、Co、W、CuおよびAlよりなる群から選択される1種以上である請求項1に記載の光情報記録媒体用記録層。
  3. 前記一酸化Pdと二酸化Pdの合計に対する二酸化Pdの比率が、5〜70モル%である請求項1または2に記載の光情報記録媒体用記録層。
  4. 膜厚が5〜100nmである請求項1〜3のいずれかに記載の光情報記録媒体用記録層。
  5. レーザー光の照射された部分に気泡が生成し、体積変化することにより記録が行われる請求項1〜4のいずれかに記載の光情報記録媒体用記録層。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光情報記録媒体用記録層を備えていることを特徴とする光情報記録媒体。
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