以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の建材向き変更装置を、玄関ドアを構成する矩形板状のドア本体を横向きから縦向きに変更する際に用いられるドア向き変更装置として具体化している。図1はそのドア向き変更装置を示す正面図であり、図2は右側面図、図3は背面図、図4は左側面図である。以下においては、これら図1〜図4に基づいて、ドア向き変更装置10の構成について説明する。
図1〜図4に示すように、ドア向き変更装置10は、床面上に設置される本体部11と、その本体部11により支持されドア本体Wを保持するドア保持部12とを備える。本体部11とドア保持部12とは前後に並んで配置され、ドア保持部12が前側、本体部11が後側に位置している。なお、ドア保持部12が建材保持部に相当し、ドア本体Wが矩形板状の建材に相当する。
本体部11は、ベース部14と、そのベース部14上に立設された柱部15とを備える。ベース部14は、金属材料により所定の厚みを有する矩形板状に形成されている。ベース部14の下面側には、その四隅に複数の車輪16(キャスタ)が取り付けられている。これらの車輪16は床面上に載置されるようになっている。これにより、本体部11ひいてはドア向き変更装置10を床面上で移動させることが可能となっている。また、ベース部14上には、その後端部にハンドル17が設けられ、ドア向き変更装置10を移動させる際は、そのハンドル17を持ちながら移動させることが可能となっている。
また、ベース部14の下面には重り部材18が固定されている。重り部材18は、密度の大きい金属板により形成され、ベース部14において柱部15よりも後側に配置されている。これにより、ドア保持部12にドア本体Wを保持させた際にドア向き変更装置10が前方に倒れることが防止されている。
柱部15は、上下に延びる角形鋼管よりなる。柱部15は、その下端部に設けられた柱脚プレート19を介してベース部14上に固定されている。柱部15は、ベース部14の前端部において、ベース部14の左右幅方向の中央部に配置されている。
柱部15には、その柱部15に沿って上下に延びる案内レール21が設けられている。案内レール21は、柱部15の前面側に固定されている。案内レール21には、その案内レール21に沿って昇降可能な昇降部22が設けられている。昇降部22は、金属材料により板状に形成されている。なお、案内レール21が案内部材に相当する。
本体部11には、昇降部22を昇降させるための駆動機構25が設けられている。駆動機構25は、一端が昇降部22に接続されたワイヤ27と、そのワイヤ27の他端が接続された昇降装置28とを備える。ワイヤ27の一端部にはフック29が取り付けられている。このフック29は、昇降部22の上端部に取り付けられたリング状の引っ掛け部31に引っ掛けられている。
昇降装置28は、先端にフック28aが取り付けられたワイヤ等からなる線状部28bと、その線状部28bの巻き取り又は引き出しを行う巻取部28cとを有する巻取装置からなる。具体的には、昇降装置28は、圧縮空気を動力源として線状部28bの巻き取り及び引き出しを行うエアーホイストからなる。昇降装置28は、ベース部14上に設けられた支持部33に支持され、柱部15の後方に配置されている。
昇降装置28のフック28aには、ワイヤ27の他端が取り付けられている。ワイヤ27は、昇降部22との接続部から上方に延び、柱部15の上端高さに配置された複数(具体的には2つ)の滑車34を経由して後方に延びている。これらの滑車34は前後に配され、柱部15の上端部に設けられた滑車支持部35により上方から支持されている。ワイヤ27は、後側の滑車34からさらに下方に延びて昇降装置28に至り、フック28aに接続されている。
上記の駆動機構25において、昇降装置28(巻取部28c)により線状部28bが巻き取られると、ワイヤ27を介して昇降部22が上方に引っ張られ、それにより昇降部22が上昇する。一方、昇降装置28により線状部28bが引き出されると、それに応じて昇降部22が自重により下降する。このようにして、昇降装置28により昇降部22が昇降されるようになっている。なお、昇降装置28が昇降駆動部に相当する。
また、本体部11には、昇降部22に作用する下向き荷重の一部を支えるバランサ37が設けられている。昇降部22には後方に延びる接続部材38が固定され、その接続部材38にバランサ37が接続されている。バランサ37は、柱部15の上端側に取り付けられている。後述するように、昇降部22にはドア保持部12が連結され、その昇降部22にはドア保持部12さらにはそれにより保持されるドア本体Wの荷重(下向き荷重)が作用するようになっている。この点、それらの荷重の一部がバランサ37により支持されるため、昇降部22を昇降装置28により昇降させる際の駆動力低減が図られている。ちなみに、上述した滑車34も、昇降部22に作用する下向き荷重の一部を支えているため、昇降装置28の駆動力低減に寄与している。
続いて、ドア保持部12について説明する。
ドア保持部12は、矩形枠状(長方形枠状)の保持フレーム41と、その保持フレーム41の外周側に設けられた複数の載置部42,43とを有する。ドア保持部12は、保持フレーム41の厚み方向を前後方向に向けた状態で昇降部22に支持されている。
保持フレーム41は、複数の鋼材により矩形枠状に形成された外枠を有し、その外枠が一対の長辺部41aと一対の短辺部41bとを有している。また、保持フレーム41は、外枠の内側にさらに内側枠部41cを有している。内側枠部41cは、長辺部41aの長手方向の中間部(詳しくは略中央部)にて一対の長辺部41a間に架設され、詳しくは各長辺部41a間に架設された一対の鋼材とそれら鋼材間に架設された一対の鋼材とからなる。なお、保持フレーム41が保持本体部に相当する。
各載置部42,43のうち、載置部42(以下、第1載置部42という)は保持フレーム41の各長辺部41aのうち一方の長辺部41aに沿って所定間隔で複数(具体的には3つ)設けられ、それら各第1載置部42がそれぞれ当該長辺部41aに連結材45を介して固定されている。第1載置部42は、保持フレーム41よりも前側に突出した状態で配置され、その保持フレーム41側の面がドア本体Wが載置される載置面となっている。
各第1載置部42は、矩形の枠部42aと、その枠部42aの内側に配設されたローラ(コロコンローラ)42bとを有している。この場合、枠部42aが連結材45を介して長辺部41aに固定され、その枠部42aの内側にローラ42bが回転可能に支持されている。ローラ42bは、その回転軸が保持フレーム41の厚み方向(換言すると前後方向)に延びる向きで配置されている。なお、ローラ42bが回転体に相当する。
一方、載置部43(以下、第2載置部43という)は、保持フレーム41の各短辺部41bのうち一方の短辺部41bに沿って所定間隔で複数(具体的には2つ)設けられ、それら各第2載置部43がそれぞれ当該短辺部41bに固定されている。詳しくは、各第2載置部43は、短辺部41bの両端部に固定されている。第2載置部43は板状をなし、保持フレーム41よりも前側に突出した状態で配置されている。第2載置部43の保持フレーム41側の面はドア本体Wが載置される載置面となっている。
保持フレーム41には、ドア本体Wの転倒を防止する転倒防止バー46(図7参照)を取り付けるためのバー取付部47が設けられている。バー取付部47は、前後に延びる角形の鋼材よりなり、保持フレーム41の短辺方向において保持フレーム41を挟んで第1載置部42とは反対側に配置されている。バー取付部47は、上記短辺方向に延びる連結材48を介して保持フレーム41(長辺部41a)に固定されている。
バー取付部47には、保持フレーム41よりも前側において転倒防止バー46を挿入するための挿入孔47aが形成されている。挿入孔47aは、バー取付部47を保持フレーム41の短辺方向に貫通しており、この挿入孔47aに転倒防止バー46が挿入されることで当該転倒防止バー46が取り付けられるようになっている。なお、挿入孔47aは、保持フレーム41の厚み方向において複数配置されている。
続いて、ドア保持部12が昇降部22に連結されている連結部分の構成について図1乃至図4に加え図5を用いながら説明する。図5は、ドア保持部12が昇降部22に連結されている連結部分を拡大して示す正面図である。図5において(a)がドア保持部12が第2向きとされた状態を示しており、(b)がドア保持部12が第1向きとされた状態を示している。
図5(a)及び(b)に示すように、ドア保持部12には、昇降部22に連結される連結部51が設けられている。連結部51は、金属材料により板状に形成され、保持フレーム41詳しくは内側枠部41cの背面側に固定されている。この連結部51は昇降部22の前面側に連結され、それによりドア保持部12が連結部51を介して昇降部22に連結されている。このため、ドア保持部12は昇降部22とともに案内レール21に沿って昇降可能とされている。
また、連結部51は、後方(昇降部22側)に向けて延びる軸部51aを有しており、この軸部51aを介して昇降部22に回動可能に連結されている。このため、ドア保持部12は、連結部51(軸部51a)を介して昇降部22に回動可能に設けられている。なお、この場合、軸部51aは保持フレーム41の厚み方向に延びており、換言すると保持フレーム41が軸部51aの直交する方向に拡がっている。
ドア保持部12は、昇降部22に対して回動することで、その向きを、図5(b)に示す第1向きと、図5(a)に示す第2向き(図1〜図4も参照)とに変えることが可能となっている。第1向きでは、保持フレーム41が横向きとされて第1載置部42が保持フレーム41の下方に配置される。この場合、第1載置部42の載置面が上方に向けられる。一方、第2向きでは、保持フレーム41が縦向きとされて第2載置部43が保持フレーム41の下方に配置される。この場合、第2載置部43の載置面が上方に向けられる。
昇降部22には、ドア保持部12が第1向きから第2向き側とは反対側(反第2向き側)に回動するのを規制する規制部22aが設けられている。この規制部22aに関する構成について説明すると、ドア保持部12の保持フレーム41には、同保持フレーム41よりも後方へ延び昇降部22の規制部22aと係合可能な係合部53が設けられている。係合部53は、鋼材よりなり、保持フレーム41における長辺部41a(詳しくは第1載置部42側の長辺部41a)と内側枠部41cとの隅部に固定されている。一方、昇降部22の規制部22aは、昇降部22の一部を側方に突出させることで形成されている。この場合、ドア保持部12が第2向き側から第1向きへ回動されると、ドア保持部12の係合部53が規制部22aに係合する(図5(b)参照)。そして、その係合により、ドア保持部12が第1向きよりも反第2向き側へ回動するのが規制される。
ドア保持部12には、当該ドア保持部12を第2向き側から第1向き側へ回動するよう付勢する付勢手段としての重り部材55が設けられている。重り部材55は、密度の大きい金属材料により板状(詳しくは台形板状)に形成されている。重り部材55は、ドア保持部12が第2向きとされている状態において、保持フレーム41の上端側における第1載置部42側の側部(詳しくは長辺部41aの外側面)に固定されている。詳しくは、重り部材55は、互いに直角をなして隣り合う二つの端辺のうち一方の端辺が保持フレーム41の長辺部41aに固定され、他方の端辺が連結材45に固定されている。この場合、重り部材55を保持フレーム41の側部に設けた構成にあって、重り部材55を安定した状態で支持固定することが可能となっている。
また、ドア保持部12が第2向きとされている状態において、重り部材55は、ドア保持部12の回動中心である連結部51の軸部51aよりも保持フレーム41の短辺方向における第1載置部42側に配置され、かつ軸部51aよりも上方に配置されている。これにより、ドア保持部12は、重り部材55の重みによって第2向きから第1向き側へ回動するよう付勢されている。
続いて、ドア保持部12を第1向きから第2向きへと回動させるための構成について図1乃至図4に加え図6を用いながら説明する。図6は、ドア保持部12が第1向きから第2向きへ回動する際の様子を示す正面図である。
図6(a)では、ドア保持部12が、その昇降方向における最も下降側の位置である載置位置に第1向きで配置されている。この載置位置は、ドア保持部12の第1載置部42にドア本体Wを横向き状態で載置させる際の位置となっている。この載置位置では、第1載置部42が床面Fと当接又は近接させて配置され、その載置面が床面Fとほぼ同じ高さレベルに位置するようになっている。
図6(a)及び図1〜図4に示すように、載置位置におけるドア保持部12の上方には、ドア保持部12が第1向きで上昇する際に当該ドア保持部12と当接する当接部56が設けられている。当接部56は、円形状をなす車輪等の回転体からなり、本体部11のベース部14上に立設された支柱部57に取り付けられている。支柱部57は、その上端部に前方へ延びる軸部57aを有し、その軸部57aに当接部56が回転可能に取り付けられている。また、当接部56は、第1向きにおけるドア保持部12の左右方向(保持フレーム41の長辺方向)において、ドア保持部12の軸部51aよりも第2載置部43側に配置されている。なお、支柱部57は、柱部15と左右に並んで配置され、その柱部15に連結材58を介して連結されている。
ドア保持部12の保持フレーム41には、その背面側に当接部56と当接する被当接部59が設けられている。被当接部59は鋼材よりなり、ドア保持部12が第1向きとされている場合において保持フレーム41のフレーム上端部を構成する長辺部41aの背面側に固定されている。詳しくは、被当接部59は、当接部56の下方となる位置で長辺部41aに沿って延びる向きで固定されている。なお、図6では、被当接部59の位置をわかり易くするために、被当接部59が設けられている範囲にドットハッチを付して示している。
また、被当接部59は前後方向において当接部56と同じ位置に配置されているのに対し、保持フレーム41は当接部56よりも前側に配置されている(図2参照)。このため、ドア保持部12を上昇させた際、被当接部59は当接部56に当たるのに対し、保持フレーム41は当接部56に当たらないようになっている。
続いて、ドア保持部12が第1向きから第2向きへ移行する際の作用について説明する。
図6(a)に示すように、ドア保持部12が載置位置に第1向きで配置されている場合において、昇降装置28により昇降部22が上昇されると、ドア保持部12が昇降部22とともに上昇し、その後、ドア保持部12の被当接部59が当接部56に対して下方から当接する。この当接状態で、昇降部22がさらに上昇されると、図6(b)に示すように、ドア保持部12が当接部56の外周部に沿って第1向き側から第2向き側へと回動する。詳しくは、ドア保持部12は重り部材55により第2向き側から第1向き側へ回動するよう付勢されているため、この際、ドア保持部12は重り部材55による付勢力に抗しながら第2向き側へ回動する。そして、最終的に、ドア保持部12は図6(c)に示す第2向きとなる。このようにして、ドア保持部12は第1向きから第2向きへ移行するようになっている。
ドア保持部12が第2向きとされている場合には、被当接部59の外側面が当接部56に当接している。この場合、ドア保持部12の軸部51aが当接部56よりも上方に位置している。そのため、ドア保持部12は重り部材55により第1向き側へ回動するよう付勢されているものの、第1向き側へ回動することが当接部56により規制された状態となっている。これにより、ドア保持部12が第2向きの状態で保持されるようになっている。
続いて、ドア保持部12が第2向きから第1向きへ移行する際の流れについて説明する。
ドア保持部12が第2向きとされている状態で昇降装置28により昇降部22が下降されると、ドア保持部12が昇降部22とともに下降する。この下降に際し、ドア保持部12の軸部51aが当接部56よりも下方に位置すると、当接部56によるドア保持部12の第1向き側への回動規制が解除され、図6(b)に示すように、ドア保持部12が重り部材55の付勢力により当接部56の外周部に沿って第2向きから第1向き側へ回動する。そして、最終的に、ドア保持部12は第1向きとなり、その第1向きのままさらに下降して、図6(a)に示す載置位置へ戻る。このようにして、ドア保持部12は第2向きから第1向きへと移行し、その後載置位置へ戻るようになっている。
次に、上述したドア向き変更装置10を用いて玄関ドアのドア本体Wを横向き状態から縦向き状態に変更する際の作業の流れについて図6に加え図7を用いながら説明する。図7は、ドア保持部12にドア本体Wを横向き状態で保持させる際の様子を示す図である。なお、図6では便宜上、ドア本体Wを二点鎖線で示している。
本実施形態では、ドア向き変更装置10が、ユニット式建物を構成する建物ユニットの製造工場に設けられている。製造工場には、資材メーカからドア本体Wがトラックにより搬送されてくる。この搬送に際し、ドア本体Wは台車内にその短辺方向が上下方向となる横向き状態で保持され、その保持状態でトラックにより搬送される。なお、念のため付言すると、ドア本体Wは短辺部と長辺部とを有する矩形板状をなしており、その短辺方向とは短辺部の延びる方向をいい、その長辺方向とは長辺部の延びる方向をいう。
製造工場では、搬送されたドア本体Wが台車ごとドア向き変更装置10の近くまで運搬される。運搬後、ドア本体Wは横向き状態のままドア向き変更装置10におけるドア保持部12の第1載置部42に載置される。この載置に際しては、図7(a)に示すように、ドア保持部12が予め載置位置に配置(待機)されており、その載置位置におけるドア保持部12の第1載置部42上にドア本体Wが側方(詳しくは反第2載置部43側)から載置される。この際、ドア本体Wはまず横向き状態で、その一部が第1載置部42のローラ42b上に載置され、その後ローラ42bの回転によりドア本体Wの長辺方向に沿って所定位置までスライド移動される。この所定位置では、ドア本体Wの短辺部が第2載置部43に隣接配置され、詳しくは第2載置部43(の載置面)に当接状態で配置される。
ドア本体Wが所定位置まで移動された後、ドア本体Wが第1載置部42に載置された状態で保持フレーム41に対して立てかけられる。この場合、ドア本体Wの背面(板面)が保持フレーム41により支持された状態となる。これにより、ドア本体Wがドア保持部12に横向き状態で保持される。その後、図7(b)に示すように、ドア保持部12のバー取付部47に転倒防止バー46が取り付けられる。この転倒防止バー46はドア本体Wを挟んで保持フレーム41とは反対側に配置されるため、この場合、ドア本体Wが前方に倒れることが防止される。
次に、図6(a)〜(c)に示すように、昇降装置28により昇降部22が上昇されることで、ドア保持部12が第1向きから第2向きに回動される。これにより、ドア本体Wが横向き状態から、その長辺方向が上下方向となる縦向き状態とされる。そして、ドア本体Wは、その縦向き状態で第2載置部43上に載置される(図6(c)参照)。
次に、転倒防止バー46がバー取付部47から取り外され、ドア本体Wが縦向き状態のままドア保持部12から降ろされる。そして、ドア本体Wは縦向き状態のままドア部品取付用の台車に載せられる。また、ドア保持部12からドア本体Wが降ろされた後、昇降装置28により昇降部22が下降される。これにより、ドア保持部12は重り部材55の付勢力により第2向きから第1向きへと回動し、その後載置位置へ戻る(下降する)。
ドア部品取付用の台車に載せられたドア本体Wには取っ手やヒンジ等のドア部品が取り付けられる。これにより、玄関ドアが完成(製造)され、その製造された玄関ドアが建物ユニットの製造ラインに運ばれ建物ユニットに組み付けられる。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
上述したように、ドア保持部12の第1載置部42に横向き状態でドア本体Wを載置し、その後ドア保持部12を昇降装置28により第1向きから第2向きに回動させることで、ドア本体Wを縦向き状態にし第2載置部43に載置させるようにした。この場合、昇降装置28の駆動力を利用してドア本体Wの向きを横向きから縦向きに容易に変更することが可能となる。
上下に延びる案内レール21に沿って昇降可能な昇降部22にドア保持部12を軸部51aを介して回動可能に連結したため、昇降装置28により昇降部22が昇降されることでドア保持部12が昇降される。また、本体部11には、第1向きとされたドア保持部12の上昇時に、当該ドア保持部12と当接する当接部56を設けたため、その当接部56にドア保持部12が当接した状態で昇降部22が昇降装置28により上昇されると、ドア保持部12が第1向きから第2向きへと回動するようになっている。つまり、かかる構成では、昇降装置28によりドア保持部12を上昇させる力を当接部56を利用してドア保持部12を回動させる力に変換しており、それによりドア保持部12の向き変更を実現している。かかる構成では、ドア保持部12に第1向きから第2向きへの回転力を駆動部により直接付与する場合と比べて、駆動部(昇降装置28)に必要な駆動力(トルク)が小さくて済むため、駆動部のコスト低減等の効果を得ることができる。
載置位置では、第1向きとされたドア保持部12の第1載置部42を床面Fに当接させて配置したため、第1載置部42上に横向き状態のドア本体Wを載置する際、ドア本体Wを大きく持ち上げなくても済む。そのため、ドア本体Wを横向き状態でドア保持部12に保持させる作業を容易に行うことができる。また、ドア本体Wをドア保持部12に保持させてからはドア保持部12を当接部56に当接する位置まで上昇させ、その上昇位置でドア保持部12を回動させて第2向きにすることができる。そのため、ドア本体Wを床面F高さ付近で第1載置部42に載置可能とした構成にあっても、ドア保持部12を床面Fに干渉させることなく第2向きに回動させてドア本体Wを縦向き状態にすることができる。
ドア保持部12を第2向き側から第1向き側へ回動するよう付勢する付勢手段(おもり部材55)を設けたため、第2向きとされたドア保持部12が当接部56に当接した状態で昇降部22が下降されると、ドア保持部12が付勢手段による付勢力により第2向きから第1向きへと回動される。これにより、縦向き状態とされたドア本体Wをドア保持部12から降ろし、その後ドア保持部12を下降させてその向きを第2向きから第1向きに戻すにあたり、ドア保持部12を手作業で第1向きへ戻す必要がなく、その戻す作業を容易とすることができる。
また、付勢手段として重り部材55を用いたため、付勢手段としてコイルばね等の弾性部材を用いる場合と比べ、重り部材55をドア保持部12に取り付けるといった簡素な構成で付勢手段による上述の効果を得ることができる。
保持フレーム41におけるドア本体Wが支持される側とは反対側(保持フレーム41の背面側)に被当接部59を設け、その被当接部59を当接部56に当接させるようにした。この場合、保持フレーム41からはみ出た状態でドア本体Wがドア保持部12に保持されている場合において、そのはみ出た部分が当接部56に接触するのを回避することができる。そのため、その接触に伴うドア本体Wの傷付き等を防止することができる。
当接部56を回転可能な回転体により構成したため、ドア保持部12を当接部56に当接させた状態で第1向きから第2向き(又は第2向きから第1向き)に回動させる際、当接部56が回転することでドア保持部12の回動を円滑に行うことができる。
第1載置部42に設けたローラ42bの上に横向き状態でドア本体Wを載置し、そのローラ42bの回転によりドア本体Wを横向き状態のまま所定位置までスライド移動可能とした。これにより、ドア本体Wを横向き状態でドア保持部12に保持させる作業を容易に行うことが可能となる。
玄関ドアのドア本体Wは比較的重量が大きいため、横向きから縦向きにする作業が重筋作業となり易い。その点、かかるドア本体Wをドア向き変更装置10により横向きから縦向きに変更するようにしているため、重量の大きいドア本体であってもその向きを容易に変更することができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、ドア保持部12を第2向き側から第1向き側へ回動するよう付勢する付勢手段として重り部材55を用いたが、例えばかかる付勢手段としてコイルばね等の弾性部材を用いてもよい。この場合、弾性部材の弾性力によりドア保持部12が第2向き側から第1向き側へ回動するよう付勢されるようにすればよい。
なお、付勢手段を設けないようにしてもよい。その場合でも、ドア保持部12を第2向きから第1向きに手作業(手動)により回動させて戻すことができる。但し、かかる作業を行うのは面倒であるため、その点を鑑みると付勢手段を設けるのが望ましい。
(2)上記実施形態では、保持フレーム41の背面側に被当接部59を設け、その被当接部59を当接部56に当接させるようにしたが、例えば被当接部59を設けずに保持フレーム41を当接部56に当接させるようにしてもよい。この場合でも、保持フレーム41が当接部56に当接した状態で、昇降部22を昇降装置28により上昇させることでドア保持部12を第1向きから第2向きに回動させることができる。
(3)上記実施形態では、当接部56を回転可能な回転体により構成したが、当接部56は必ずしもかかる回転体により構成する必要はない。その場合でも、ドア保持部12の上昇時にドア保持部12を当接部56に当接させることでドア保持部12を第1向きから第2向きへ回動させることが可能である。
(4)上記実施形態では、ドア保持部12の載置位置を第1載置部42が床面Fに当接又は近接される位置としたが、ドア保持部12の載置位置を第1載置部42が床面Fから上方に比較的離れた位置となるように設定してもよい。そうすれば、ドア保持部12を載置位置から第1向きのまま当接部56に当接する位置まで上昇させるに際し、その上昇距離を短くすることができるため、その分だけ、その上昇(及び下降)に要する時間を短縮化することができ、ひいてはドア保持部12を第1向きから第2向きに回動させてドア本体Wを横向きから縦向きにする際の作業時間を短縮化することができる。
(5)上記実施形態では、第1載置部42を保持フレーム41の長辺部41aに沿って複数設けたが、これに代えて、第1載置部42を長辺部41aに沿って延びる長尺状に形成し1つだけ設けるようにしてもよい。また、これと同様に、第2載置部43についても、短辺部41bに沿って複数設けることに代え、短辺部41bに沿った長尺状に形成し1つだけ設けるようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、第1載置部42にローラ42bを設けたが、第2載置部43にもこれと同様のローラを設けるようにしてもよい。そうすれば、ドア本体Wが縦向き状態とされた際に、そのローラ上にもドア本体Wが載置されるため、そのローラの回転によりドア本体Wを短辺方向にスライド移動させることが可能となる。そのため、縦向き状態のドア本体Wをドア保持部12から降ろす際に、ドア本体Wを短辺方向にスライド移動させながら側方に降ろすといったことが可能となり、ドア本体Wを降ろす作業を容易にすることが可能となる。
なお、第1載置部42にローラ42bを設けることは必須ではなく、ローラ42bを設けないようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、保持本体部としての保持フレーム41を矩形枠状に形成したが、保持本体部を矩形板状に形成してもよい。
(8)上記実施形態では、ドア保持部12の上昇時にドア保持部12を当接部56に当接させることで第1向きから第2向きへ回動させるようにしたが、ドア保持部12を第1向きから第2向きへ回動させるための構成は必ずしもこれに限らない。例えば、ドア保持部12を回動駆動するモータ等の回動駆動部を設け、その回動駆動部によりドア保持部12を第1向きから第2向きへ回動させることが考えられる。但し、かかる構成とすると、回動駆動部として、そのトルク(回転力)の大きなものを用いる必要があるため、駆動部のコスト増大等の問題を招くおそれがある。そのため、この点を鑑みると、上記実施形態の構成によりドア保持部12の向きを変えるようにするのが望ましい。
(9)上記実施形態では、玄関ドアを構成するドア本体Wの向きをドア向き変更装置10により変更する場合を説明したが、隣り合う部屋間の出入口に配設される出入口ドア等、他のドアを構成するドア本体の向きを本装置10(建材向き変更装置)により変更してもよい。また、ドアに限らず、壁やサッシ戸等、他の建材の向きを変更するに際し、本発明の建材向き変更装置を用いてもよい。