JP6777059B2 - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、非水電解質二次電池の製造方法に関する。
特開2003−297353号公報(特許文献1)には、X線回折(XRD)測定により得られる(002)面のピーク強度と、(110)面のピーク強度との比とが、所定の関係を満たす二次電池用負極が開示されている。
特開2003−297353号公報
黒鉛に加えて、アモルファス炭素により被覆された珪素(Si)またはアモルファス炭素により被覆された酸化珪素(SiO)を負極に含ませることが知られている。アモルファス炭素により被覆されたSi(以下、「CコートSi」とも記載される)またはアモルファス炭素により被覆されたSiO(以下、「CコートSiO」とも記載される)を負極に含ませることにより、電池容量の増加が期待される。また、電池の性能は、用いられる負極の性能に依存することが知られている。
黒鉛に加えてCコートSiまたはCコートSiOを含む負極を用い、非水電解質二次電池(以下、単に「電池」とも記される)を製造した場合、用いた負極に起因して、たとえば電池容量等の電池性能がばらつくことがある。好適な電池性能を有する電池を効率的に製造するために、黒鉛に加えてCコートSiまたはCコートSiOを含む負極を用いて電池を製造する際、当該負極を備えた電池の性能を予測し得る、電池の製造方法の開発が望まれている。
黒鉛に加えてCコートSiまたはCコートSiOを含む負極を用い、電池を製造した場合、電池性能は、黒鉛とCコートSiまたはCコートSiOとの接点情報から予測し得るものと考えられる。しかしながら、黒鉛とCコートSiまたはCコートSiOを含んだ負極をXRD測定により分析した場合、黒鉛に起因するピークは観測されるものの、黒鉛とCコートSiまたはCコートSiOとの接点情報を得ることは困難であった。
本開示の目的は、黒鉛に加えてアモルファス炭素により被覆された珪素またはアモルファス炭素により被覆された酸化珪素を含む負極を用いた電池の性能を予測し得る、非水電解質二次電池の製造方法を提供することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、本開示の範囲が限定されるべきではない。
〔1〕本開示は、非水電解質二次電池の製造方法に係る。本製造方法は、黒鉛と、アモルファス炭素により被覆された珪素(Si)またはアモルファス炭素により被覆された酸化珪素(SiO)とを含有する負極を準備する工程と、該負極をX線回折(XRD)測定し、X線回折パターンを得る工程と、該X線回折パターンに基づき、負極を選別する工程と、選別された負極を用い、非水電解質二次電池を製造する工程とを含む。負極を選別する工程において、X線回折パターンは、半値幅0.05のX線回折パターンと、半値幅0.5のX線回折パターンとに分離される。該半値幅0.05のX線回折パターンにおけるピーク値aと、該半値幅0.5のX線回折パターンにおけるピーク値bとの比b/aが、0.05以上の負極が選別され、非水電解質二次電池の製造に用いられる。
黒鉛と、CコートSiまたはCコートSiOとを含む負極を、CuKα線を用いてXRD測定した場合、たとえば図1に示すように25〜27°(2θ)の範囲にピークを有するX線回折パターンが観測される。該X線回折パターンは、半値幅0.05のX線回折パターンと半値幅0.5のX線回折パターンとに分離することができる。なお、本明細書において「半値幅」とは、ピーク強度に対して1/2の強度となるX線回折パターンの2点間の距離をいう。
半値幅0.05のX線回折パターンにおけるピークは、負極に含まれる黒鉛に起因するピークであると考えられる。半値幅0.5のX線回折パターンにおけるピークは、黒鉛とCコートSiおよび/またはCコートSiOとの接点に起因するピークであると考えられる。
しかしながら、CuKα線を用いたXRD測定によって、黒鉛とCコートSiおよび/または黒鉛とCコートSiOとの接点に起因するピークを得ることは通常困難であると考えられていた。SiまたはSiO(以下、「SiO等」とも記される)を被覆するアモルファス炭素はXRD測定によって観測される結晶性を有さないため、技術常識的には上述の接点においてCuKα線を用いたXRD測定によってピークが発現しないと考えられる。しかしながら、黒鉛とSiO等を被覆するアモルファス炭素とは、後述するように負極を製造する過程において、所定の圧力でプレスされる。プレスされることにより、SiO等を被覆するアモルファス炭素に結晶性が生じるものと考えられる。加えて、SiO等に接する黒鉛には、プレスによりクラックが生じるものと考えられる。SiO等を被覆するアモルファス炭素に生じた結晶性およびSiO等に接する黒鉛に生じたクラックに起因して、半値幅0.5のピークが発現するものと考えられる。
上記半値幅0.05のX線回折パターンにおけるピーク値aおよび上記半値幅0.5のX線回折パターンにおけるピーク値bとの比b/aと、XRD測定された負極を用いて製造した電池の性能との間には、関連性があると考えられる。具体的には、b/aが0.05以上の場合、係る負極を用いて製造された電池は、b/aが0.05未満の負極を用いて製造された電池と比較して、電池性能が優れているものと考えられる。これは、b/aの値が大きいほど、黒鉛とCコートSiまたはCコートSiOとの接点が確保されることに起因すると考えられる。したがって、負極における黒鉛とCコートSiまたはCコートSiOとの接点情報を得ることにより、製造される非水電解質二次電池の性能が予測可能であると期待される。なお、b/aの閾値が上がるほど得られる電池の性能は向上するが、b/aの閾値を上げすぎると、選別されない電池が増えて歩留まりが下がるため、b/aの閾値は電池の使われ方・必要性能を考慮し、適宜決定されるべきである。
図1は、実施例1で用いた負極のX線回折パターンである。 図2は、図1に示すX線回折パターンから分離された、半値幅0.05のX線回折パターンである。 図3は、図1に示すX線回折パターンから分離された、半値幅0.5のX線回折パターンである。
以下、本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池の構成>
本開示の電池は、以下で説明する負極を備える限り、従来公知の構成を備えることができる。従来公知の構成とは、たとえば正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータとを有する電極群とを備え、この電極群が非水電解質と共に電池ケースに配置される構成などをいう。電極群は、積層(スタック)型とすることができる。
<非水電解質二次電池の製造方法>
非水電解質二次電池の製造方法は、黒鉛とアモルファス炭素により被覆された珪素(Si)またはアモルファス炭素により被覆された酸化珪素(SiO)とを含有する負極を準備する工程(負極準備工程)と、負極をX線回折(XRD)測定し、X線回折パターンを得る工程(XRD測定工程)と、X線回折パターンに基づき、負極を選別する工程(負極選別工程)と、選別された負極を用い、電池を製造する工程とを含む。負極選別工程において、XRD測定工程により得られたX線解析パターンは、半値幅0.05のX線回折パターンと半値幅0.5のX線回折パターンとに分離される。半値幅0.05のX線回折パターンにおけるピーク値aと、半値幅0.5のX線回折パターンにおけるピーク値bとの比b/aが0.05以上の負極が選別され、電池の製造に用いられる。これらの工程を含む限り、他の工程を含むことができる。以下、非水電解質二次電池用負極(以下単に「負極」とも記される)の構成を説明した後、それぞれの工程について説明する。
《負極》
負極は、負極合材層および負極集電体を含む。負極集電体は、たとえば銅(Cu)箔等でよい。負極集電体は、たとえば5〜20μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極集電体の表面に形成されている。負極合材層は、たとえば10〜150μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極活物質およびバインダ等を含有する。負極合材層は、たとえば95〜99質量%の負極活物質、および1〜5質量%のバインダを含有する。
本開示においては、負極活物質として少なくとも黒鉛と、アモルファス炭素により被覆された珪素(Si)またはアモルファス炭素により被覆された酸化珪素(SiO)とを含む。アモルファス炭素により被覆された珪素(Si)と、アモルファス炭素により被覆された酸化珪素(SiO)とを両方含んでいてもよい。これらに加えて、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、錫、酸化錫等をさらに含んでもよい。バインダは特に限定されるべきではない。バインダは、たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい
《負極準備工程》
本工程は、黒鉛とアモルファス炭素により被覆された珪素(Si)またはアモルファス炭素により被覆された酸化珪素(SiO)とを含有する負極を準備する工程である。本工程は、以下の(A)負極合材ペーストの調製、(B)負極合材ペーストの塗布、および、(C)負極合材ペーストの乾燥を含む。
(A)負極合材ペーストの調製
黒鉛と、CコートSiまたはCコートSiOとを少なくとも含む負極合材ペーストを調製する。負極負極合材ペースト全体の固形分における、CコートSiまたはCコートSiOの量(固形分)は、たとえば3〜40質量%とされる。黒鉛、CコートSiまたはCコートSiOおよび溶媒が混合されることにより、負極合材ペーストが調製され得る。溶媒は、たとえば水でよい。負極ペーストの調製には、一般的な混合装置が使用され得る。
(B)負極合材ペーストの塗布
調製された負極合材ペーストが、Cu箔等の負極集電体の表面に塗布される。負極合材ペーストの塗布には、たとえば、ダイコータ等が使用され得る。
(C)負極合材ペーストの乾燥
塗工された負極合材ペーストが乾燥されることにより、負極集電体の表面に負極合材層が形成される。これにより、負極が製造される。なお、負極は、所定の寸法に圧縮(圧延)され、その後電池の仕様に合わせて、裁断され得る。圧延には、たとえばローラ圧延機等が使用され得る。以上により、黒鉛とCコートSiまたはCコートSiOとを含有する負極が準備される。
《XRD測定工程》
本工程は、CuKα線を用いたX線回折装置により、負極準備工程において準備された負極を測定し、X線回折パターンを得る工程である。XRDの測定方法は、後述する実施例に記載の方法により行うことができる。
《負極選別工程》
本工程は、XRD測定工程にて得られたX線回折パターンに基づき、負極を選別する工程である。該X線回折パターンは、半値幅0.05のX線回折パターンと半値幅0.5のX線回折パターンとに分離される。X線回折パターンの分離は、たとえばMicrosoft Excel(登録商標)2013において以下に示す式(1)を入力し、ソルバー機能によるフィッティングを用いて行うことができる。たとえば、ピーク位置aおよびピーク位置bを26.25とし、半値幅aを0.05とし、半値幅bを0.5とし、回折角を20−30°(2θ)の範囲とする。得られたX線回折パターンのピーク強度の実測値と、以下に示す式(1)で得られる強度との差が最少となるように、ピーク値a、ピーク値b、およびベースをパラメータとしてフィッティングを行う。これにより、ピーク値aおよびピーク値bを求めることができる。また、一般に用いられる波形解析によっても行うことができる。
Figure 0006777059
本開示においては、半値幅0.05のX線回折パターンにおけるピーク値aと、半値幅0.5のX線回折パターンにおけるピーク値bとの比b/aが0.05以上の負極が選別され、該負極が電池の製造に用いられる。b/aが0.05未満の負極は、たとえばリサイクルすることができる。
<正極>
正極は、正極集電体と、正極集電体の主面上に形成された正極合材層とを含む。正極集電体は、たとえばアルミニウム(Al)箔等であってもよい。正極集電体は、たとえば10〜30μmの厚さを有してもよい。
《正極合材層》
正極合材層は、正極活物質、導電材およびバインダを含む。正極合材層は、たとえば80〜98重量%の正極活物質、1〜15重量%以下の導電材および1〜5重量%以下のバインダを含んでもよい。正極合材層は、たとえば100〜200μmの厚さを有してもよい。
(正極活物質、導電材およびバインダ)
正極活物質、導電材およびバインダは特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえばLiCoO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)、LiMnO、LiMn、LiFePO等であってもよい。導電材は、たとえばアセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。バインダは、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってもよい
<セパレータ>
セパレータは、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータは、正極と負極とを電気的に隔離する。セパレータは、たとえば5〜30μmの厚さを有してもよい。セパレータは、たとえば多孔質ポリエチレン(PE)膜、多孔質ポリプロピレン(PP)膜等により構成され得る。セパレータは、多層構造を含んでもよい。たとえば、セパレータは、多孔質PP膜、多孔質PE膜、および多孔質PP膜がこの順序で積層されることにより構成されていてもよい。セパレータは、その表面に耐熱層を含んでいてもよい。耐熱層は、耐熱材料を含む。耐熱材料としては、たとえばアルミナ等の金属酸化物粒子、ポリイミド等の高融点樹脂等が挙げられる。
<非水電解質>
非水電解質は、非水溶媒および支持塩を含む。非水溶媒は、たとえばエチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の環状あるいは鎖状の炭酸エステル類でよい。支持塩は、たとえばヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF)等のLi塩でよい。Li塩の濃度は、たとえば0.5〜2.0mоl/L程度でよい。非水電解質は、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等の添加剤を含んでいてもよい。
<電池ケース>
電池ケースは、たとえば角形(扁平直方体)であってもよいし、円筒形であってもよいし、袋状であってもよい。たとえば、アルミニウム(Al)、Al合金等の金属が電池ケースを構成する。ただし、電池ケースが所定の密閉性を有する限り、たとえば金属および樹脂の複合材が電池ケースを構成してもよい。金属および樹脂の複合材としては、たとえばアルミラミネートフィルム等が挙げられる。電池ケースは、外部端子、注液孔、ガス排出弁、電流遮断機構(CID)等を備えていてもよい。
<用途>
本開示に係る製造方法により製造された電池は、たとえばハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等の動力電源として用いられる。ただし、本開示に係る製造方法により製造された電池の用途は、車載用途に限定されるべきではなく、あらゆる用途に適用可能である。
<非水電解質二次電池の製造>
《実施例1》
1.正極の製造
以下の材料が準備された。
正極活物質:NCM(平均粒子径10μm)
導電材:AB
バインダ:PVdF
溶媒:N−メチル−2ピロリドン(NMP)
正極集電箔:Al箔(厚さ15μm)
プラネタリミキサにより、NCM、AB、PVdFおよびNMPが混合された。これにより、ペースト状の正極合材(以下、「正極合材ペースト」と記載する)が調製された。正極合材ペーストの固形分組成は、質量比で「NCM:AB:PVdF=87:10:3」とされた。正極合材層用ペーストが正極集電体の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥された。これにより正極合材層が形成された。以上より、正極が形成された。正極は圧延され、シート状に裁断され、シート状の正極(正極シート)が製造された。
2.負極の製造
以下の材料が準備された。
負極活物質:天然黒鉛(平均粒子径20μm)、CコートSiO(平均粒子径5μm)
増粘材:CMC
バインダ:SBR
溶媒:水
負極集電箔:Cu箔(厚さ10μm)
攪拌装置の攪拌槽に、天然黒鉛、CコートSiO、CMC、SBRおよび水を投入し、攪拌することにより、ペースト状の負極合材(以下、「負極合材ペースト」と記載する)が調製された。負極合材ペーストにおいて固形分の配合は、質量比で「天然黒鉛:CコートSiO:CMC:SBR=76:20:2:2」とされた。負極合材層用ペーストが負極集電体の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥された。これにより負極合材層が形成された。以上により、負極が形成された。負極は圧延され、シート状に裁断され、シート状の負極(負極シート)が製造された。
3.XRD測定
負極シートをホルダーに貼り付け、以下の条件でXRD測定を行った。これにより、X線回折パターンを得た。
モノクロメータ:グラファイト単結晶
カウンタ:シンチレーションカウンタ
X線:CuKα線(波長1.54051Å,管電圧50kV,管電流300mA)
測定範囲:2θ=10°〜90°
スキャンスピード:10°/min
ステップ幅:0.02°
測定温度:室温(25℃)
4.負極の選別
Microsoft Excel(登録商標)2013に上述した式(1)を入力した。Microsoft Excel(登録商標)2013のソルバー機能によるフィッティングを用いることにより、上述した式(1)における強度と、得られたX線回折パターンのピーク強度の実測値との差が最少となる、ピーク値aおよびピーク値bが算出された。算出されたピーク値aは151783であり、算出されたピーク値bは7748であった。すなわち、b/aは、0.051であった。
5.非水電解質二次電池の製造
上記の負極(負極シート)21枚と、上記の正極(正極シート)20枚と、セパレータ42枚と、が準備された。セパレータは、PP製の多孔質膜、PE製の多孔質膜、およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより、構成されている。複数の負極の各々と複数の正極の各々とが、積層方向の両方の外縁に負極が位置するように、セパレータを挟んで交互に積層され、積層型電極群が作製された。
以下の成分を含む電解液が準備された。
溶媒: [EC:EMC:DMC=3:4:3(質量比)]
リチウム塩: LiPF6 (1.0mоl/L)
上記の積層型電極群が、ラミネートフィルム製の袋(外装体)内に収納された。電解液が袋内に注入され、袋が真空封止された。なお、外装体は、正極端子および負極端子を備える。正極端子および負極端子は、それぞれ、正極(正極集電体)および負極(負極集電体)と電気的に接続された。このようにして、実施例1の電池が製造された。
<実施例2〜5、比較例1〜5>
下記表1に示されるように、b/aが異なる負極が用いられたことを除いては、実施例1と同様に電池が製造された。
<評価>
1.電池の活性化および初期容量の測定
25℃において、以下の定電流−定電圧方式充電(CCCV充電)により、電池が満充電にされた。次いで以下の定電流方式放電(CC放電)により、電池が放電された。このときの放電容量が初期容量とされた。なお「1C」は、満充電容量を1時間で放電する電流を示す。
CCCV充電:CC電流=1/5C、CV電圧=4.2V、終止電流=1/20C
CC放電 :電流=1/5C、終止電圧=2.5V
2.電池特性(サイクル耐久性)の評価
電池特性の評価として、サイクル耐久性の評価を行った。
60℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。以下の充電と放電との一巡が1サイクルとされ、200サイクルが実施された。充電および放電は、いずれも定電流方式(CC)とされた。
CC充電:電流=2C、終止電圧=4.2V
CC放電:電流=2C、終止電圧=2.5V
200サイクル後、初期容量と同様に、サイクル後の電池容量が測定された。サイクル後容量が初期容量で除されることにより、容量維持率が算出された。結果は下記表1の「電池特性」の欄に示されている。電池特性が高い程、サイクル耐久性に優れることを示している。
Figure 0006777059
<結果>
上記表1に示されるように、半値幅0.05のX線回折パターンにおけるピーク値aと、半値幅0.5のX線回折パターンにおけるピーク値bとの比b/aが0.05以上である実施例1〜5は、b/aが0.05未満である比較例1〜5と比較して、電池特性(サイクル耐久性)が優れていた。この結果から、黒鉛に加えてCコートSiまたはCコートSiOを含む負極を用いる場合、b/aが0.05以上である負極を用いて電池を製造することにより、優れた電池特性(サイクル耐久性)を有する電池が得られるものと考えられる。すなわち、黒鉛に加えてアモルファス炭素により被覆された珪素またはアモルファス炭素により被覆された酸化珪素を含む負極を用いた電池の性能を予測し得る、非水電解質二次電池の製造方法が提供されることが示された。
比較例1〜5は、電池特性(サイクル耐久性)に改善の余地があった。b/aが0.05未満であったため、負極において黒鉛とCコートSiOとの接点が少なかったものと考えられる。そのため、電池特性(サイクル耐久性)に改善の余地が生じたものと考えられる。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。

Claims (1)

  1. 非水電解質二次電池の製造方法であって、
    黒鉛と、アモルファス炭素により被覆された珪素またはアモルファス炭素により被覆さ
    れた酸化珪素とを含有する負極を準備する工程と、
    前記負極をCuKα線を用いてX線回折測定し、X線回折パターンを得る工程と、
    20−30°(2θ)の範囲にピークを有する前記X線回折パターンに基づき、前記負極を選別する工程と、
    選別された負極を用い、非水電解質二次電池を製造する工程とを含み、
    前記負極を選別する工程において、前記X線回折パターンを、半値幅0.05のX線回折パターンと半値幅0.5のX線回折パターンとに分離し、前記半値幅0.05のX線回折パターンにおけるピーク値aと、前記半値幅0.5のX線回折パターンにおけるピーク値bについて、下記式1で求められる強度と、得られたX線回折パターンのピーク強度の実測値との差が最少となる、ピーク値aおよびピーク値bを算出し、比b/aが0.05以上の負極を選別する、
    非水電解質二次電池の製造方法。
    Figure 0006777059
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