JP6798531B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は非水電解質二次電池に関する。
特開2017−199657号公報(特許文献1)は、酸化珪素材料、黒鉛材料、導電材およびバインダを含む負極合材層を開示している。
特開2017−199657号公報
一般に負極合材層の主成分は負極活物質である。従来、黒鉛材料が負極活物質として使用されている。近年、酸化珪素材料も負極活物質として検討されている。酸化珪素材料は、黒鉛材料よりも大きい比容量を有し得る。酸化珪素材料と黒鉛材料とが混合されて使用されることにより、黒鉛材料の単独使用に比して、電池容量の増大が期待される。
ただし酸化珪素材料は充放電に伴う体積変化が大きい傾向がある。そのため酸化珪素材料と黒鉛材料との混合系では、充放電の都度、酸化珪素材料と黒鉛材料との間の距離が大きく変化する。当初の負極合材層では、酸化珪素材料と黒鉛材料との間に導電パスが形成されていると考えられる。しかし酸化珪素材料と黒鉛材料との間の距離が大きくなることにより、導電パスが引き伸ばされる。これにより導電パスが失われる可能性がある。導電パスが失われることにより、容量劣化が促進されると考えられる。すなわち充放電サイクル特性が低下すると考えられる。
本開示の目的は、負極合材層に酸化珪素材料および黒鉛材料を含む非水電解質二次電池において、充放電サイクル特性を向上させることである。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により特許請求の範囲が限定されるべきではない。
非水電解質二次電池は負極合材層を少なくとも含む。負極合材層は負極活物質、導電材およびバインダを含む。負極活物質は酸化珪素材料および黒鉛材料を含む。負極合材層がその厚さ方向と直交する一方向に1%ずつ引き伸ばされ、その都度、負極合材層の電気抵抗が測定され、負極合材層の伸び率が横軸であり、負極合材層の電気抵抗が縦軸である直交座標系に測定点群がプロットされたとき、測定点群において電気抵抗が0.4Ωであるとき、伸び率が13.5%以上である。
図1は負極合材層の伸び率が横軸であり、負極合材層の電気抵抗が縦軸である直交座標系である。本開示では、負極合材層の伸び率に対する、負極合材層の電気抵抗の変化が測定される。負極合材層の伸び率が大きくなるにつれて、負極合材層の電気抵抗も大きくなる。負極合材層が引き伸ばされることにより、負極合材層の内部において、負極活物質間の導電パスが徐々に失われるためと考えられる。
本開示の新知見によれば、電気抵抗が0.4Ωであるときの伸び率の大きさ(以下「0.4Ω時の伸び率」とも記される)は、導電パスの伸びに対する強さを示すと考えられる。0.4Ω時の伸び率が大きい程、導電パスが失われ難くなると考えられる。0.4Ω時の伸び率が13.5%以上になることにより、酸化珪素材料の体積変化に伴う引き伸ばしに対して、導電パスが耐性を有し得る。すなわち酸化珪素材料と黒鉛材料との混合系においても、充放電サイクル時、導電パスが存続しやすくなると考えられる。
以上より本開示の非水電解質二次電池によれば、充放電サイクル特性の向上が期待される。
図1は負極合材層の伸び率が横軸であり、負極合材層の電気抵抗が縦軸である直交座標系である。 図2は本実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。 図3は本実施形態の電極群の構成の一例を示す概略図である。 図4は本実施形態の負極の構成の一例を示す概略図である。 図5は試験片を示す概略断面図である。 図6は本実施形態の正極の構成の一例を示す概略図である。 図7は本実施形態の負極合材層の評価方法の概略を示すフローチャートである。 図8は本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法の概略を示すフローチャートである。 図9は0.4Ω時の伸び率と、1000サイクル時の放電容量との関係を示すグラフである。
以下、本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」と記される)が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池>
図2は本実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。
電池100は非水電解質二次電池である。電池100はケース101を含む。ケース101は密閉されている。ケース101は角形(扁平直方体)である。ただしケース101は例えば円筒形等であってもよい。ケース101は例えばアルミニウム(Al)合金製であってもよい。ケース101は例えばアルミラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。すなわち電池100はラミネート電池であってもよい。
ケース101は容器102および蓋103を含む。蓋103は例えばレーザ溶接により容器102と接合されている。蓋103に正極端子91および負極端子92が設けられている。蓋103に、注液口、ガス排出弁、電流遮断機構(current interrupt device,CID)等がさらに設けられていてもよい。ケース101は電極群50および非水電解質(不図示)を収納している。
図3は本実施形態の電極群の構成の一例を示す概略図である。
電極群50は巻回型である。電極群50は、正極10、セパレータ30、負極20およびセパレータ30がこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回されることにより形成されている。
電極群50は積層(スタック)型であってもよい。すなわち電極群50は、正極10および負極20が交互にそれぞれ1枚以上積層されることにより形成されていてもよい。正極10および負極20の各間にはセパレータ30がそれぞれ配置される。
《負極》
図4は本実施形態の負極の構成の一例を示す概略図である。
負極20はシート状である。負極20は負極合材層22を少なくとも含む。すなわち電池100が負極合材層22を少なくとも含む。負極20は例えば負極集電体21をさらに含んでいてもよい。
負極集電体21は例えば銅(Cu)箔等であってもよい。負極集電体21は例えば5μm以上50μm以下の厚さを有していてもよい。図4のx軸方向において、負極集電体21が負極合材層22から突出している部分は、負極端子92(図2)との接続に利用され得る。
《負極合材層》
負極合材層22は負極集電体21の表面に配置されていてもよい。負極合材層22は、例えば負極活物質等を含む塗料が、負極集電体21の表面に塗布されることにより形成され得る。負極合材層22は、負極集電体21の片面のみに配置されていてもよい。負極合材層22は、負極集電体21の表裏両面に配置されていてもよい。負極合材層22は例えば10μm以上200μm以下の厚さを有していてもよい。
〈0.4Ω時の伸び率〉
本実施形態の負極合材層22は、0.4Ω時の伸び率が13.5%以上である。0.4Ω時の伸び率が13.5%以上であることにより、充放電サイクル特性の向上が期待される。酸化珪素材料と黒鉛材料との間の導電パスが失われ難いためと考えられる。
0.4Ω時の伸び率は以下の手順により測定される。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが準備される。PETフィルムは50μmの厚さを有する。PETフィルムは例えば東レ株式会社製の製品名「ルミラー」等であってもよい。これと同等品質のPETフィルムが準備されてもよい。
両面テープが準備される。両面テープは例えばニチバン株式会社製の製品名「ナイスタック」等であってもよい。これと同等品質の両面テープが準備されてもよい。両面テープは第1接着面および第2接着面を含む。第2接着面は第1接着面の反対側の面である。第1接着面がPETフィルムに貼り付けられる。第2接着面が負極合材層22の表面に貼り付けられる。PETフィルムと共に、負極合材層22が負極集電体21から引き剥がされる。これにより試験片原反が得られる。試験片原反から規定の平面寸法(長さ 140mm×幅 15mm)の試験片が切り出される。
引張試験機が準備される。引張試験機は万能試験機であってもよい。万能試験機は、引張試験以外の試験(例えば圧縮試験等)も実施可能である試験機を示す。引張試験機は、例えばミネベアミツミ株式会社製の引張圧縮試験機(製品名「テクノグラフ」)等であってもよい。これと同等の機能を有する引張試験機等が使用されてもよい。
図5は試験片を示す概略断面図である。
試験片200はPETフィルム201、両面テープ202および負極合材層22を含む。試験片200において長手方向(図5のz軸方向)の両端の20mmが、引張試験機のチャック(つかみ治具)にそれぞれ固定される。負極合材層22のうち、チャックに固定されていない部分の長さは100mmである。
負極合材層22の厚さ方向と直交する一方向に試験片200が引っ張られる。厚さ方向は図5のy軸方向である。厚さ方向と直交する一方向は図5のz軸方向である。なお「直交」は実質的に直交していることを示す。「直交」は幾何学的に完全な直交のみを示すものではない。引張方向は、厚さ方向と直交する一方向から例えば±10°程度ずれていてもよい。
引張動作は室温環境(20℃±5℃)で実施される。引張速度は5mm/minである。負極合材層22が1mm伸びた時点(すなわち負極合材層22の伸び率が1%になった時点)で、引張動作が一旦停止される。なお引張荷重は一定ではない。伸び率が大きくなる程、引張荷重も大きくなると考えられる。
引張動作の停止後、室温環境において負極合材層22の電気抵抗が測定される。電気抵抗は四端子法により測定される。例えば四探針プローブ300を備える抵抗測定装置が好適である。例えば株式会社三菱ケミカルアナリテック製の「ロレスタ」シリーズ等により電気抵抗が測定されてもよい。これと同等の抵抗測定装置により電気抵抗が測定されてもよい。電気抵抗は少なくとも3回測定される。少なくとも3回の算術平均が採用される。
電気抵抗の測定後、引張動作が再開される。負極合材層22が累計で2mm伸びた時点(すなわち負極合材層22の伸び率が累計で2%になった時点)で、引張動作が一旦停止される。引張動作の停止後、電気抵抗が測定される。
以降、上記と同様に引張動作と電気抵抗の測定とが繰り返される。すなわち負極合材層22が1%ずつ引き伸ばされ、その都度、負極合材層22の電気抵抗が測定される。負極合材層22の電気抵抗が0.4Ωになった時点、または負極合材層22の電気抵抗が0.4Ωを超えた時点で測定が終了される。
測定結果は、負極合材層22の伸び率が横軸であり、負極合材層22の電気抵抗が縦軸である直交座標系(図1)にプロットされる。これにより測定点群が得られる。測定点が直線でつながれることにより折れ線が描かれてもよい。測定点群において「0.4Ω時の伸び率」が決定される。最終測定点の電気抵抗が実質的に0.4Ωであるとき、最終測定点の伸び率が「0.4Ω時の伸び率」とされる。最終測定点の電気抵抗が0.4Ωを超えているとき、最終測定点と直前の測定点とを結ぶ直線と、「電気抵抗=0.4Ω」の直線(横軸に平行な直線)との交点における伸び率が「0.4Ω時の伸び率」とされる。
少なくとも3個の試験片において0.4Ω時の伸び率がそれぞれ測定される。少なくとも3個の試験片における算術平均が採用される。
0.4Ω時の伸び率が大きい程、充放電サイクル特性の向上が期待される。0.4Ω時の伸び率は例えば14.5%以上であってもよい。0.4Ω時の伸び率は例えば16.1%以上であってもよい。0.4Ω時の伸び率は例えば17.7%以上であってもよい。0.4Ω時の伸び率の上限は特に限定されるべきではない。0.4Ω時の伸び率は例えば20.0%以下であってもよい。
〈負極合材層の組成〉
負極合材層22は負極活物質、導電材およびバインダを含む。例えば負極合材層22の組成により、0.4Ω時の伸び率が調整され得る。
(負極活物質)
負極活物質は酸化珪素材料および黒鉛材料を含む。酸化珪素材料は充放電に伴う体積変化が大きい傾向がある。すなわち、酸化珪素材料はリチウム(Li)イオンとの合金化反応により大きく膨張し、Liイオンとの脱合金化反応により大きく収縮する。
酸化珪素材料は典型的には粒子群(粉体)である。酸化珪素材料は例えば1μm以上30μm以下のD50を有していてもよい。「D50」は、体積基準の粒度分布において微粒側からの積算粒子体積が全粒子体積の50%になる粒径を示す。D50は例えばレーザ回折式粒度分布測定装置等により測定され得る。酸化珪素材料は例えば1μm以上10μm未満のD50を有していてもよい。
酸化珪素材料は、珪素(Si)および酸素(O)を必須成分として含む化合物を示す。酸化珪素材料は例えば下記式(I):
SiOx …(I)
(ただし式中、xは0<x<2を満たす。)
により表されてもよい。
上記式(I)中、「x」はSiの原子濃度に対するOの原子濃度の比を示す。xは例えばオージェ電子分光法、グロー放電質量分析法、誘導結合プラズマ発光分析法等により測定され得る。xは少なくとも3回測定され得る。少なくとも3回の算術平均が採用され得る。
上記式(I)中、xは例えば0.5≦x≦1.5を満たしてもよい。xは例えば0.8≦x≦1.2を満たしてもよい。酸化珪素材料は実質的にSiおよびOのみからなる化合物であってもよい。酸化珪素材料はSiおよびO以外の元素を微量に含んでいてもよい。「微量」とは例えば1mоl%以下の量を示す。微量に含まれる元素は、例えば酸化珪素材料の合成時に不可避的に混入する元素等であり得る。
黒鉛材料はLiイオンを吸蔵し、かつLiイオンを放出する。黒鉛材料は典型的には粒子群である。黒鉛材料は例えば1μm以上30μm以下のD50を有していてもよい。黒鉛材料は例えば酸化珪素材料よりも大きいD50を有していてもよい。黒鉛材料は例えば10μm以上20μm以下のD50を有していてもよい。
黒鉛材料は黒鉛結晶および黒鉛類似の結晶を含む炭素材料を示す。黒鉛材料は例えば黒鉛、易黒鉛化性炭素および難黒鉛化性炭素からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。黒鉛は例えば天然黒鉛であってもよい。黒鉛は例えば人造黒鉛であってもよい。黒鉛材料は黒鉛結晶および黒鉛類似の結晶を含む限り、例えば無定形炭素等をさらに含んでいてもよい。例えば黒鉛材料は、天然黒鉛(粒子)の表面が無定形炭素により被覆されたものであってもよい。
酸化珪素材料および黒鉛材料は、質量比で例えば「酸化珪素材料:黒鉛材料=1:99〜99:1」の関係を満たしてもよい。酸化珪素材料および黒鉛材料は、質量比で例えば「酸化珪素材料:黒鉛材料=1:99〜50:50」の関係を満たしてもよい。酸化珪素材料および黒鉛材料は、質量比で例えば「酸化珪素材料:黒鉛材料=1:99〜20:80」の関係を満たしてもよい。酸化珪素材料および黒鉛材料は、質量比で例えば「酸化珪素材料:黒鉛材料=5:99〜10:90」の関係を満たしてもよい。
負極活物質は実質的に酸化珪素材料および黒鉛材料のみからなっていてもよい。負極活物質は酸化珪素材料および黒鉛材料を含む限り、その他の負極活物質をさらに含んでいてもよい。その他の負極活物質としては、例えば珪素、珪素基合金、錫、酸化錫、錫基合金、チタン酸リチウム等が考えられる。その他の負極活物質は、負極活物質全体に対して例えば1質量%以上50質量%以下含まれていてもよい。
(導電材)
導電材は負極合材層22内に導電パスを形成する材料を示す。導電材は例えばCNT、グラフェン、カーボンブラック等であってもよい。カーボンブラックは例えばアセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、サーマルブラック等であってもよい。負極合材層22に1種の導電材が単独で含まれていてもよい。負極合材層22に2種以上の導電材が含まれていてもよい。
導電材は例えばCNTおよびグラフェンからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。導電材は例えばCNTおよびグラフェンを含んでいてもよい。グラフェンは薄片状である。グラフェンは粒子(負極活物質)間を架橋するように導電パスを形成することが期待される。CNTは微細管状である。CNTは粒子表面に付着し、粒子とグラフェンとの接点となることが期待される。負極合材層22において、CNTおよびグラフェンが共存することにより、伸びに強い導電パスが形成されることが期待される。導電材は実質的にCNTおよびグラフェンのみからなっていてもよい。
導電材がCNTおよびグラフェンを含む場合、CNTおよびグラフェンは質量比で例えば「CNT:グラフェン=3:7〜7:3」の関係を満たしてもよい。CNTおよびグラフェンは質量比で例えば「CNT:グラフェン=5:5〜7:3」の関係を満たしてもよい。これにより伸びに強い導電パスが形成されることが期待される。
CNTは微細管状である。CNTは例えば0.4nm以上40nm以下の平均直径を有していてもよい。CNTは例えば10nm以上15μm以下の平均長さを有していてもよい。平均直径および平均長さの各々は、例えば10個のCNTの平均値であり得る。直径および長さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)等により測定され得る。
グラフェンは薄片状である。グラフェンは例えば2μm以上20μm以下のD50を有していてもよい。グラフェンは例えば1層のグラフェンシートからなっていてもよい。グラフェンは、例えば2層以上30層以下のグラフェンシートが積層されることにより形成されていてもよい。グラフェンは例えば150以上700以下のアスペクト比を有していてもよい。ここでのアスペクト比は、D50が平均厚さで除された値を示す。平均厚さは、例えば10個のグラフェンの平均値であり得る。グラフェンの厚さは、例えば原子間力顕微鏡(AFM)等により測定され得る。
導電材は、負極合材層22内に十分導電パスを形成し得る量であることが望ましい。導電材は100質量部の負極活物質に対して例えば0.1質量部以上含まれていてもよい。また導電材は、負極合材層22内に適度に分散し得る量であることが望ましい。導電材は100質量部の負極活物質に対して例えば2質量部以下含まれていてもよい。導電材は100質量部の負極活物質に対して例えば0.5質量部以上2質量部以下含まれていてもよい。導電材は100質量部の負極活物質に対して例えば0.5質量部以上1質量部以下含まれていてもよい。
(バインダ)
バインダは負極合材層22の構成要素を結着する材料を示す。バインダは例えばCMC、SBR、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸エステル、ポリイミド等であってもよい。負極合材層22に1種のバインダが単独で含まれていてもよい。負極合材層22に2種以上のバインダが含まれていてもよい。
バインダは例えばPAA、CMCおよびSBRを含んでいてもよい。PAA、CMCおよびSBRの組み合わせにより、0.4Ω時の伸び率が大きくなりやすい傾向がある。バインダがPAA、CMCおよびSBRを含むことにより、負極活物質の体積変化に対する追従性が向上するためと考えられる。バインダは実質的にPAA、CMCおよびSBRのみからなっていてもよい。
バインダは導電材よりも大きい質量部を有していてもよい。バインダが導電材よりも多いことにより、0.4Ω時の伸び率が大きくなる傾向がある。バインダは100質量部の負極活物質に対して例えば1質量部以上10質量部以下含まれていてもよい。バインダは100質量部の負極活物質に対して例えば3質量部以上5質量部以下含まれていてもよい。バインダが3質量部以上5質量部以下含まれていることにより、0.4Ω時の伸び率が大きくなる傾向がある。
〈製造方法〉
塗料(負極合材層22の前駆体)の調製条件によっても、0.4Ω時の伸び率が調整され得る。0.4Ω時の伸び率を大きくするために、塗料の調製時、導電材の分散性を高めることが考えられる。
例えば、負極活物質、導電材、PAA、CMCおよび水が混合されることにより、分散液が調製される。混合操作には、例えばホモディスパ、プラネタリミキサ等が使用され得る。分散液にSBRが追加投入される。SBRの追加投入後、分散液がさらに混合されることにより、塗料が調製される。塗料が負極集電体21の表面に塗布され、乾燥されることにより、負極合材層22が形成され得る。
0.4Ω時の伸び率は、例えば分散液の調製時の混合時間により調整され得る。分散液の調製時の混合時間が長い程、0.4Ω時の伸び率が大きくなることが期待される。混合時間は例えば30min以上であってもよい。混合時間は例えば45min以上であってもよい。混合時間は例えば60min以上であってもよい。混合時間は例えば80min以上であってもよい。混合時間の上限は特に限定されるべきではない。混合時間は例えば120min以下であってもよい。
《正極》
図6は本実施形態の正極の構成の一例を示す概略図である。
正極10はシート状である。正極10は正極合材層12を少なくとも含む。正極10は例えば正極集電体11をさらに含んでいてもよい。
正極集電体11は例えばAl箔等であってもよい。正極集電体11は例えば5μm以上50μm以下の厚さを有していてもよい。図6のx軸方向において、正極集電体11が正極合材層12から突出している部分は、正極端子91(図2)との接続に利用され得る。
正極合材層12は正極集電体11の表面に配置されていてもよい。正極合材層12は、例えば正極活物質等を含む塗料が、正極集電体11の表面に塗布されることにより形成され得る。正極合材層12は、正極集電体11の片面のみに配置されていてもよい。正極合材層12は、正極集電体11の表裏両面に配置されていてもよい。正極合材層12は例えば10μm以上200μm以下の厚さを有していてもよい。
正極合材層12は正極活物質を少なくとも含む。正極活物質は典型的には粒子群である。正極活物質は例えば1μm以上30μm以下のD50を有していてもよい。正極活物質は特に限定されるべきではない。正極活物質は例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(例えばLiMnO2、LiMn24等)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.5Co0.2Mn0.32等)、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム(例えばLiNi0.82Co0.15Al0.032等)、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)等であってもよい。正極合材層12に1種の正極活物質が単独で含まれていてもよい。正極合材層12に2種以上の正極活物質が含まれていてもよい。
正極合材層12は導電材をさらに含んでいてもよい。導電材は特に限定されるべきではない。導電材は例えばカーボンブラック等であってもよい。導電材は、100質量部の正極活物質に対して例えば1質量部以上10質量部以下含まれていてもよい。
正極合材層12はバインダをさらに含んでいてもよい。バインダは特に限定されるべきではない。バインダは例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等であってもよい。バインダは、100質量部の正極活物質に対して例えば1質量部以上10質量部以下含まれていてもよい。
《セパレータ》
電池100はセパレータ30を含んでいてもよい。セパレータ30は正極10と負極20との間に配置される。正極10と負極20とは、セパレータ30によって互いに隔離される。セパレータ30は多孔質膜である。セパレータ30は電気絶縁性である。セパレータ30は例えば5μm以上50μm以下の厚さを有していてもよい。
セパレータ30は例えばポリオレフィン製であってもよい。セパレータ30は例えばポリエチレン(PE)製であってもよい。セパレータ30は例えばポリプロピレン(PP)製であってもよい。セパレータ30は例えば単層構造を有していてもよい。セパレータ30は例えばPE製の多孔質膜のみからなっていてもよい。セパレータ30は多層構造を有していてもよい。セパレータ30は、例えばPP製の多孔質膜、PE製の多孔質膜およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより形成されていてもよい。セパレータ30はその表面に耐熱膜を含んでいてもよい。耐熱膜は耐熱材料を含む。耐熱材料は例えばアルミナ、ベーマイト、チタニア、シリカ、ポリイミド等であってもよい。
なお非水電解質(後述)が固体である場合(例えば電池100が全固体電池である場合)、セパレータ30が実質的に不要であることもあり得る。
《非水電解質》
電池100は非水電解質を含む。非水電解質はLiイオン伝導体である。非水電解質は例えば液体であってもよい。非水電解質は例えばゲルであってもよい。非水電解質は例えば固体であってもよい。非水電解質が液体である場合、非水電解質は例えば電解液、イオン液体等であってもよい。本明細書では非水電解質の一例として電解液が説明される。
電解液はLi塩および溶媒を少なくとも含む。Li塩は溶媒に溶解している。Li塩の濃度は例えば0.5mоl/L以上2mоl/L以下(0.5M以上2M以下)であってもよい。Li塩は、例えばLiPF6、LiBF4、LiN(FSO22、LiN(CF3SO22等であってもよい。電解液に1種のLi塩が単独で含まれていてもよい。電解液に2種以上のLi塩が含まれていてもよい。
溶媒は非プロトン性である。溶媒は例えば環状カーボネートおよび鎖状カーボネートの混合物であってもよい。混合比は例えば「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5(体積比)」であってもよい。
環状カーボネートは、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等であってもよい。溶媒に1種の環状カーボネートが単独で含まれていてもよい。溶媒に2種以上の環状カーボネートが含まれていてもよい。
鎖状カーボネートは、例えばジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。溶媒に1種の鎖状カーボネートが単独で含まれていてもよい。溶媒に2種以上の鎖状カーボネートが含まれていてもよい。
溶媒は、例えばラクトン、環状エーテル、鎖状エーテル、カルボン酸エステル等を含んでいてもよい。ラクトンは、例えばγ−ブチロラクトン(GBL)、δ−バレロラクトン等であってもよい。環状エーテルは、例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等であってもよい。鎖状エーテルは、例えば1,2−ジメトキシエタン(DME)等であってもよい。カルボン酸エステルは、例えばメチルホルメート(MF)、メチルアセテート(MA)、メチルプロピオネート(MP)等であってもよい。
電解液はLi塩および溶媒に加えて、各種の添加剤をさらに含んでいてもよい。電解液は例えば0.005mоl/L以上0.5mоl/L以下の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えばガス発生剤(「過充電添加剤」とも称されている)、SEI(solid electrolyte interface)膜形成剤、難燃剤等が挙げられる。
ガス発生剤は、例えばシクロヘキシルベンゼン(CHB)、ビフェニル(BP)等であってもよい。SEI膜形成剤は、例えばビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、LiB(C242、LiPO22、プロパンサルトン(PS)、エチレンサルファイト(ES)等であってもよい。難燃剤は例えばリン酸エステル、ホスファゼン等であってもよい。
<負極合材層の評価方法>
図7は本実施形態の負極合材層の評価方法の概略を示すフローチャートである。
本実施形態の負極合材層の評価方法は「(a)負極合材層の準備」および「(b)負極合材層の評価」を少なくとも含む。本実施形態の負極合材層の評価方法によれば、酸化珪素材料の体積変化に伴う引き伸ばしに対して、導電パスがどの程度の耐性を有するかが評価され得る。
《(a)負極合材層の準備》
本実施形態の負極合材層の評価方法は、負極合材層22を準備することを含む。負極合材層22の詳細は前述のとおりである。すなわち負極合材層22は負極活物質、導電材およびバインダを含む。負極活物質は酸化珪素材料および黒鉛材料を含む。負極合材層22は従来公知の方法により準備され得る。
《(b)負極合材層の評価》
本実施形態の負極合材層の評価方法は、負極合材層22を評価することを含む。評価手順は前述のとおりである。
すなわち負極合材層22がその厚さ方向と直交する一方向に1%ずつ引き伸ばされ、その都度、負極合材層22の電気抵抗が測定される。
負極合材層22の伸び率が横軸であり、負極合材層22の電気抵抗が縦軸である直交座標系(図1)に測定点群がプロットされる。
測定点群において電気抵抗が0.4Ωであるときの伸び率の大きさにより、負極合材層22が評価される。
0.4Ω時の伸び率は、導電パスの伸びに対する強さを示すと考えられる。例えば0.4Ω時の伸び率の大小によって、負極合材層22(負極20)が選別されてもよいと考えられる。
<非水電解質二次電池の製造方法>
図8は本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法の概略を示すフローチャートである。本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法は「(A)負極合材層の評価」および「(B)非水電解質二次電池の製造」を少なくとも含む。
《(A)負極合材層の評価》
本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法は、本実施形態の負極合材層の評価方法により、負極合材層22を評価することを含む。本実施形態の負極合材層の評価方法の詳細は前述のとおりである。
《(B)非水電解質二次電池の製造》
本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法は、負極合材層22を少なくとも含む電池100を製造することを含む。電池100の詳細は前述のとおりである。電池100は従来公知の方法により製造され得る。
負極合材層22は0.4Ω時の伸び率が13.5%以上である。すなわち上記「(A)負極合材層の評価」において、0.4Ω時の伸び率が13.5%以上である負極合材層22が選別されている。選別後の負極合材層22が電池100に使用されている。
したがって本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法によれば、充放電サイクル特性が向上するように、電池100が製造され得ると考えられる。なお例えば電極原反(切断前の負極20)において選別が行われてもよい。選別後の電極原反から、負極合材層22(負極20)が切り出され、電池100に使用されてもよい。
前述のように0.4Ω時の伸び率は、塗料の調製条件によっても調整され得る。よって本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法は、例えば0.4Ω時の伸び率が13.5%以上となるように、塗料を調製することを含んでいてもよい。
さらに本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法は、例えば0.4Ω時の伸び率が13.5%以上となるように、負極活物質、導電材、バインダおよび溶媒の混合時間を決定することを含んでいてもよい。
以下、本開示の実施例が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
1.負極の製造
以下の材料が準備された。
負極活物質:SiO、黒鉛
導電材:CNT、グラフェン
バインダ:PAA、CMC、SBR
溶媒:イオン交換水
負極集電体:Cu箔(厚さ 10μm)
「SiO」は上記式(I)においてx=1である化合物を示す。SiO、黒鉛、CNT、グラフェン、PAA、CMCおよびイオン交換水が混合されることにより分散液が調製された。混合時間は120minである。分散液にSBRが追加投入された。SBRの投入後、分散液がさらに混合されることにより塗料が調製された。固形分の混合比は、質量比で「SiO:黒鉛:CNT:グラフェン:PAA:CMC:SBR=10:90:0.5:0.5:1:1:1」である。
塗料が負極集電体21の表面に塗布され、乾燥されることにより、負極合材層22が形成された。負極合材層22が圧縮されることにより、電極原反が製造された。電極原反が切断されることにより、負極20が製造された。負極20の寸法は以下のとおりである。
負極20の厚さ(図4のy軸方向の寸法):144μm
負極合材層22の幅(図4のx軸方向の寸法):122mm
負極20の長さ(図4のz軸方向の寸法):5835mm
前述の測定方法に従って、0.4Ω時の伸び率が測定された。測定結果は下記表1に示される。
2.正極の製造
以下の材料が準備された。
正極活物質:ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(NCM)
導電材:AB
バインダ:PVdF
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
正極集電体:Al箔(厚さ 15μm)
NCM、AB、PVdFおよびNMPが混合されることにより塗料が調製された。固形分の混合比は、質量比で「NCM:AB:PVdF=93:4:3」である。塗料が正極集電体11の表面に塗布され、乾燥されることにより、正極合材層12が形成された。正極合材層12が圧縮されることにより、電極原反が製造された。電極原反が切断されることにより、正極10が製造された。正極10の寸法は以下のとおりである。
正極10の厚さ(図6のy軸方向の寸法):142μm
正極合材層12の幅(図6のx軸方向の寸法):117mm
正極10の長さ(図6のz軸方向の寸法):5681mm
3.セパレータの準備
基材が準備された。基材は多孔質膜である。基材は、PP製の多孔質膜、PE製の多孔質膜およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより形成されている。基材は20μmの厚さを有する。
耐熱材料としてアルミナ(粉体)が準備された。耐熱材料、バインダおよび溶媒が混合されることにより、塗料が調製された。塗料が基材の表面に塗布され、乾燥されることにより、耐熱膜が形成された。耐熱膜は4μmの厚さを有する。以上よりセパレータ30が準備された。
4.非水電解質の準備
非水電解質として電解液が準備された。電解液は以下の成分からなる。
Li塩:LiPF6(濃度 1mоl/L)
溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
5.組み立て
正極10、セパレータ30、負極20およびセパレータ30がこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回された。これにより電極群50が形成された。平板プレス機により、電極群50が扁平状に成形された。成形条件は以下のとおりである。
成形温度:室温
成形圧力:4kN/cm2
成形時間:2min
ケース101が準備された。ケース101は角形である。電極群50に正極端子91および負極端子92が接続された。電極群50がケース101に収納された。120mLの電解液がケース101に注入された。ケース101が密閉された。
以上より電池100(非水電解質二次電池)が製造された。本開示の実施例では、電池100が35Ahの定格容量を有する。
<実施例2〜5>
下記表1に示されるように、混合時間が変更されることを除いては実施例1と同様に、電池100が製造された。
<実施例6>
下記表1に示されるように、導電材およびバインダの配合が変更されることを除いては、実施例3と同様に電池100が製造された。
<実施例7〜10>
下記表1に示されるように、導電材の配合が変更されることを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<比較例1>
下記表1に示されるように、導電材が使用されないことを除いては、実施例5と同様に電池100が製造された。
<比較例2>
下記表1に示されるように、混合時間が変更されることを除いては、比較例1と同様に電池100が製造された。
<比較例3>
下記表1に示されるように、導電材の配合が変更されることを除いては、実施例5と同様に電池100が製造された。
<比較例4および5>
下記表1に示されるように、導電材の配合が変更されることを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<評価:サイクル試験>
室温環境において、充放電サイクルが1000サイクル繰り返された。1サイクルは下記の「CC充電」と「CC放電」とからなる。
CC充電:電流レート=2CA、カット電圧=4.1V
CC放電:電流レート=2CA、カット電圧=3.0V
「CC」は定電流(constant current)モードを示す。「1CA」は定格容量を1時間で放電する電流レートを示す。例えば2CAの電流レートでは定格容量が30分で放電される。
下記表1に1000サイクル目の放電容量が示される。下記表1の「1000cyc 放電容量」の欄に示される値は、各例における1000サイクル目の放電容量が、比較例1の1000サイクル目の放電容量で除された値である。本開示の実施例では、1000サイクル目の放電容量が1.10以上であれば、充放電サイクル特性が向上していると考えられる。
Figure 0006798531
<結果>
比較例1〜5は充放電サイクル特性が低い。比較例1〜5は、0.4Ω時の伸び率が13.5%未満である。そのため充放電サイクル時、酸化珪素材料と黒鉛材料との間の導電パスが失われやすいと考えられる。
比較例1では導電材が使用されていないため、0.4Ω時の伸び率が小さくなっていると考えられる。比較例2も導電材が使用されていない。導電材が存在しない場合、混合時間が長くなっても、0.4Ω時の伸び率は実質的に変化しないと考えられる。
実施例1〜10は充放電サイクル特性が向上している。実施例1〜10は、0.4Ω時の伸び率が13.5%以上である。そのため充放電サイクル時、酸化珪素材料と黒鉛材料との間の導電パスが存続しやすいと考えられる。実施例1〜10の負極合材層22では、100質量部の負極活物質に対して、バインダが3質量部以上5質量部以下含まれている。
実施例1〜5において、混合時間が長くなる程、0.4Ω時の伸び率が大きくなる傾向が認められる。導電材の分散性が向上するためと考えられる。
図9は0.4Ω時の伸び率と、1000サイクル時の放電容量との関係を示すグラフである。0.4Ω時の伸び率が大きくなる程、1000サイクル時の放電容量が大きくなる傾向が認められる。メカニズムの詳細は不明ながら、0.4Ω時の伸び率が13%付近であるときの放電容量と、0.4Ω時の伸び率が13.5%であるときの放電容量との間には、顕著な差が認められる。
実施例6は、実施例3に比して導電材が少ない。よって実施例6は、実施例3よりも導電パスが少ないと考えられる。導電材の減量は、0.4Ω時の伸び率を小さくする方向に働くと考えられる。実施例6は、実施例3に比してバインダが多い。バインダの増量により、導電パスが負極活物質の体積変化に追従しやすくなると考えられる。バインダの増量は、0.4Ω時の伸び率を大きくする方向に働くと考えられる。実施例6では、導電材の減量による影響と、バインダの増量による影響とが相殺することにより、0.4Ω時の伸び率が実施例3と同等になっていると考えられる。
実施例1、7および比較例5の結果から、導電材が過度に多くなると、0.4Ω時の伸び率が小さくなる傾向が認められる。この理由としては、例えば導電材が過度に多い場合、導電材の分散が困難であること、過剰分の導電材がLiイオンの移動を阻害すること等が考えられる。実施例1、7および比較例5の結果から、導電材の含量は2質量部以下であってもよいと考えられる。導電材の含量は1質量部以下であってもよいとも考えられる。
実施例1、8および比較例4の結果から、導電材が過度に少なくなると、0.4Ω時の伸び率を13.5%以上にすることが困難であると考えられる。実施例1、8および比較例4の結果から、導電材は0.1質量部以上であってもよいと考えられる。
実施例1、9および10の結果から、CNTの含量がグラフェンの含量以上であることにより、0.4Ω時の伸び率が大きくなる傾向が認められる。よってCNTおよびグラフェンは質量比で「CNT:グラフェン=5:5〜7:3」の関係を満たしてもよいと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
10 正極、11 正極集電体、12 正極合材層、20 負極、21 負極集電体、22 負極合材層、30 セパレータ、50 電極群、91 正極端子、92 負極端子、100 電池、101 ケース、102 容器、103 蓋、200 試験片、201 PETフィルム、202 両面テープ、300 四探針プローブ。

Claims (3)

  1. 負極合材層を少なくとも含み、
    前記負極合材層は負極活物質、導電材およびバインダを含み、
    前記負極活物質は酸化珪素材料および黒鉛材料を含み、
    前記導電材は、カーボンナノチューブおよびグラフェンを含み、
    前記負極合材層がその厚さ方向と直交する一方向に1%ずつ引き伸ばされ、その都度、四端子法によって前記負極合材層の表面抵抗率が測定され、
    前記負極合材層の伸び率が横軸であり、前記負極合材層の表面抵抗率が縦軸である直交座標系に測定点群がプロットされたとき、
    前記測定点群において表面抵抗率が0.4Ωであるとき、伸び率が13.5%以上であり、
    前記バインダは、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースおよびスチレンブタジエンゴムを含み、
    前記負極合材層には、前記バインダが前記導電材よりも多く含まれており、
    100質量部の前記負極活物質に対して、前記バインダは3質量部以上5質量部以下であり、
    100質量部の前記負極活物質に対して、前記導電材は0.1質量部以上2質量部以下である、
    非水電解質二次電池。
  2. 前記カーボンナノチューブおよび前記グラフェンは、質量比で、
    カーボンナノチューブ:グラフェン=3:7〜7:3
    の関係を満たす、
    請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 100質量部の前記負極活物質に対して、前記導電材は0.5質量部以上2質量部以下である、
    請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
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