JP6776630B2 - 光源装置及びプロジェクター - Google Patents
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しかしながら、フィンが密に配置されている等して、フィン間の寸法が適切な値でないと、フィンを冷却した冷却気体が基材の回転中心側から外周側に排出されにくくなり、冷却効率が低下するという問題がある。
上記第1態様によれば、光学素子の回転方向において隣り合う2つのフィン間の回転方向に沿う寸法(すなわち、当該フィン間を流通する冷却気体の流路の延出方向に平面視で直交する方向に沿うフィン間の流路幅)は、所定の寸法範囲内に設定されている。このことから、当該寸法範囲内に流路幅が設定された部位においては、光学素子の回転に伴ってフィンにより、冷却気体の渦(フィンの延出方向に沿う回転軸を有する渦)を発生させやすくすることができ、発生させた渦を、上記隣り合う2つのフィンにおいて互いに対向する端面に衝突させやすくすることができる。これにより、フィンに冷却気体を効果的に衝突させることができ、当該フィンの熱を冷却気体に伝導させやすくすることができる。従って、光学素子層にて生じた熱を効率よく冷却でき、光学素子の冷却効率を向上させることができる。この他、光学素子が安定することにより、安定して光を出射できる光源装置を構成できる。
ここで、光学素子層において熱が生じる場合、当該熱は、光学素子層から基板に伝導された後、当該基板において光学素子層に対する内周側領域(回転中心側の領域)と外周側領域とに伝導される。このような光学素子が回転されると、外周側領域を流通する冷却気体の流速は、内周側領域を流通する冷却気体の流速より高いことから、基板においては外周側領域の方が冷却されやすく、上記熱も伝導されやすい。
これに対し、上記第1態様によれば、少なくとも光学素子層に対する外周側の部位(外周側領域)において、上記流路幅が、上記寸法範囲内に設定されることから、当該外周側の部位の冷却効率を確実に向上させることができる。従って、上記流路幅が上記寸法範囲内に設定された領域が、光学素子層に対する内周側領域のみである場合に比べて、光学素子の冷却効率を確実に向上させることができる。
このような構成によれば、上記流路幅は、上記内周側領域及び上記外周側領域において上記寸法範囲内に設定される。このため、外周側領域のみ流路幅が当該寸法範囲内に設定されている場合に比べて、フィンから冷却気体に熱を更に伝導させやすくすることができる。従って、光学素子の冷却効率を一層確実に向上させることができる。
ここで、上記流路幅が比較的狭い場合、例えば、渦の大きさより小さい場合には、光学素子が回転されてもフィン間に渦が生じにくい。一方、上記流路幅が当該渦の大きさより著しく広い場合には、フィン間に渦が発生しても、回転方向とは反対方向側に位置するフィンに渦が衝突しづらく、冷却効率がそれほど高くならない。
これに対し、上記構成によれば、上記寸法範囲が渦の大きさに応じて設定されることにより、発生する渦が、当該渦を挟む2つのフィンに衝突するように、当該寸法範囲を設定できる。そして、このような寸法範囲内に流路幅が設定されることにより、光学素子の冷却効率を確実に向上させることができる。
このような構成によれば、光学素子の回転に伴って複数のフィンのそれぞれの間に上記渦を確実に発生させることができるだけでなく、発生した渦を挟む2つのフィンに、当該渦を確実に衝突させることができる。従って、光学素子の冷却効率を確実に向上させることができる。
ここで、例えば3000rpm以上、9000rpm以下の実用回転速度で光学素子を回転させた場合、上記回転軸に沿う方向におけるフィンの寸法(基板からの起立寸法)が3mm未満であると、渦が基板の底面(フィンが起立する面)に衝突しやすくなり、当該渦が継続して発生しにくくなる。
これに対し、上記フィンの寸法が3mm以上であることにより、渦が基板の底面に衝突しにくくなり、当該渦を継続して発生させやすくすることができる。従って、光学素子の冷却効率をより一層確実に向上させることができる。
これに対し、上記第1仮想円の外周側に、第1フィンより小さい第2フィンが当該第1フィンの間に位置するように設けられることにより、第1仮想円から第3仮想円までの領域においては、第1フィン間の上記寸法を上記寸法範囲内に設定しやすくなり、第3仮想円から第2仮想円までの領域においては、第1フィンと第2フィンとの間の寸法を上記寸法範囲内に設定しやすくすることができる。従って、流路幅が上記のように設定されるフィンの形成を切削によって確実に実施できる他、冷却効率が向上される光学素子を確実に構成できる。
なお、上記交差角が0°の場合は、上記接線が規定される位置において、基板の回転方向に対してフィンが直交することを示す。また、当該交差角が負数(−の値)である場合、フィンは、例えば回転中心側から外周側に向かうに従って回転方向側に反る形状となり、当該交差角が正数(+の値)である場合、フィンは、例えば回転中心側から外周側に向かうに従って回転方向とは反対方向側に反る形状となる。
ここで、上記交差角によっては、外周側に流通する冷却気体へのフィンからの熱伝達率が変化する。例えば、当該交差角が上記角度範囲外であると、回転方向に対してフィンが沿いやすくなり、渦が発生しにくくなって上記効果が薄れる。
これに対し、上記構成によれば、上記交差角が上記角度範囲内に設定されていることにより、渦を発生させやすくすることができ、光学素子の冷却効率を確実に向上させることができる。
ここで、上記交差角が負数(−の値)であり、フィンの形状が、回転中心側から外周側に向かうに従って回転方向側に反る形状である場合、上記光学素子が回転されると、冷却気体を外周側から回転中心側に流通させる圧力が生じる。このような場合、冷却気体が滞留しやすくなり、光学素子の冷却効率が低下する。
一方、上記交差角が0°であり、基板の回転方向に対してフィンが直交すると、光学素子の回転抵抗(空気抵抗)が大きくなり、回転装置の負荷が大きくなる。
これに対し、上記角度範囲が0°より大きく、+60°以下であることにより、これらの問題点が解消され、冷却効率がより向上された光学素子を構成できる。
上記第2態様によれば、上記第1態様に係る光源装置と同様の効果を奏することができる。この他、光源装置が安定して光を出射できるので、信頼性の高いプロジェクターを構成できる。
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、後述する光源装置5から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射型画像表示装置である。このプロジェクター1は、図1に示すように、外観を構成する外装筐体2と、当該外装筐体2内に収容配置される装置本体3(図2参照)と、を備える。
このようなプロジェクター1は、詳しくは後述するが、光源装置5を構成する波長変換素子61が有する放熱部65が複数のフィン66を有し、当該複数のフィン66の間を流通する冷却気体の流路幅が適正化されている点を、特徴の1つとしている。
以下、プロジェクター1の構成について説明する。
外装筐体2は、それぞれ合成樹脂により形成されたアッパーケース2A、ロアーケース2B、フロントケース2C及びリアケース2Dが組み合わされて、略直方体形状に構成されている。このような外装筐体2は、天面部21、底面部22、正面部23、背面部24、左側面部25及び右側面部26を有する。
正面部23の中央部分には、後述する投射光学装置46の端部461を露出させ、当該投射光学装置46により投射される画像が通過する開口部231が形成されている。
また、正面部23において左側面部25側の位置には、外装筐体2内の熱を帯びた冷却気体が排出される排気口232が形成され、当該排気口232には、複数のルーバー233が設けられている。
一方、正面部23において右側面部26側の位置には、プロジェクター1の動作状態を示す複数のインジケーター234が設けられている。
右側面部26には、外部の空気を冷却気体として内部に導入する導入口261が形成され、当該導入口261には、フィルター(図示省略)が設けられたカバー部材262が取り付けられている。
図2は、装置本体3の構成を示す模式図である。
装置本体3は、図2に示すように、画像投射装置4を備える。更に、図示を省略するが、装置本体3は、プロジェクター1の動作を制御する制御装置、プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置、及び、冷却対象を冷却する冷却装置を備える。
画像投射装置4は、上記制御装置から入力される画像信号に応じた画像を形成して、上記被投射面PS上に投射する。この画像投射装置4は、照明装置41、色分離装置42、平行化レンズ43、光変調装置44、色合成装置45及び投射光学装置46を備える。
これらのうち、照明装置41は、光変調装置44を均一に照明する照明光WLを出射する。この照明装置41の構成については、後に詳述する。
ダイクロイックミラー421は、上記照明光WLに含まれる青色光LBを透過させ、緑色光LG及び赤色光LRを反射させる。このダイクロイックミラー421を透過した青色光LBは、反射ミラー423にて反射され、平行化レンズ43(43B)に導かれる。
ダイクロイックミラー422は、上記ダイクロイックミラー421にて反射された緑色光LG及び赤色光LRのうち、緑色光LGを反射させて平行化レンズ43(43G)に導き、赤色光LRを透過させる。この赤色光LRは、リレーレンズ426、反射ミラー424、リレーレンズ427及び反射ミラー425を介して、平行化レンズ43(43R)に導かれる。
平行化レンズ43(赤、緑及び青の各色光用の平行化レンズを、それぞれ43R,43G,43Bとする)は、入射される光を平行化する。
色合成装置45は、各光変調装置44R,44G,44Bから入射される色光LR,LG,LBに基づく画像を合成する。この色合成装置45は、本実施形態では、クロスダイクロイックプリズムにより構成されているが、複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
投射光学装置46は、色合成装置45にて合成された画像を上記被投射面PSに拡大投射する。このような投射光学装置46として、例えば、鏡筒と、当該鏡筒内に配置される複数のレンズとにより構成される組レンズを採用できる。
図3は、照明装置41の構成を示す模式図である。
照明装置41は、上記のように、照明光WLを色分離装置42に向けて出射する。この照明装置41は、図3に示すように、光源装置5及び均一化装置7を有する。
光源装置5は、均一化装置7に光束を出射する。この光源装置5は、光源部51、アフォーカル光学素子52、第1位相差素子53、ホモジナイザー光学装置54、光合成装置55、第2位相差素子56、第1集光素子57、拡散装置58、第2集光素子59及び波長変換装置6を備える。
これらのうち、光源部51、アフォーカル光学素子52、第1位相差素子53、ホモジナイザー光学装置54、第2位相差素子56、第1集光素子57及び拡散装置58は、第1照明光軸Ax1上に配置されている。一方、第2集光素子59及び波長変換装置6は、第1照明光軸Ax1に直交する第2照明光軸Ax2上に配置されている。そして、光合成装置55は、第1照明光軸Ax1と第2照明光軸Ax2との交差部分に配置されている。
光源部51は、アフォーカル光学素子52に向けて青色光である励起光を出射する光源である。この光源部51は、第1光源部511、第2光源部512及び光合成部材513を有する。
第1光源部511は、LD(Laser Diode)である固体光源SSがマトリクス状に複数配列された固体光源アレイ5111と、各固体光源SSに応じた複数の平行化レンズ(図示省略)と、を有する。また、第2光源部512も同様に、固体光源SSがマトリクス状に複数配列された固体光源アレイ5121と、各固体光源SSに応じた複数の平行化レンズ(図示省略)と、を有する。これら固体光源SSは、例えばピーク波長が440nmの励起光を射出するが、ピーク波長が446nmの励起光を出射してもよい。また、ピーク波長が440nm及び446nmの励起光をそれぞれ出射する固体光源を、各光源部511,512に混在させてもよい。これら固体光源SSから出射された励起光は、平行化レンズにより平行化されて光合成部材513に入射される。本実施形態では、各固体光源SSから出射される励起光は、S偏光である。
アフォーカル光学素子52は、光源部51から入射される励起光の光束径を調整する。具体的に、アフォーカル光学素子52は、光源部51から平行光として入射される励起光を集光して光束径を縮小させるレンズ521と、当該レンズ521から入射される励起光を平行化して出射するレンズ522と、を有する。
第1位相差素子53は、1/2波長板である。すなわち、アフォーカル光学素子52から入射されるS偏光の励起光は、第1位相差素子53を通過することによって一部がP偏光の励起光に変換されてS偏光とP偏光とが混在した励起光となり、ホモジナイザー光学装置54に入射される。
ホモジナイザー光学装置54は、第1集光素子57及び第2集光素子59とともに、拡散装置58及び波長変換装置6における被照明領域に入射される励起光の照度分布を均一化する。このホモジナイザー光学装置54を通過した励起光は、光合成装置55に入射される。このようなホモジナイザー光学装置54は、第1マルチレンズ541及び第2マルチレンズ542を備える。
第2マルチレンズ542は、第1照明光軸Ax1に対する直交面内に、上記複数の第1レンズ5411に応じた複数の第2レンズ5421がマトリクス状に配列された構成を有する。そして、第2マルチレンズ542は、分割された複数の部分光束を、各第2レンズ5421及び各集光素子57,59と協同して、上記被照明領域に重畳させる。これにより、当該被照明領域に入射される励起光の中心軸に直交する面内の照度が均一化される。
光合成装置55は、略直角二等辺三角柱状に形成されたプリズム551を有するPBS(Polarizing Beam Splitter)であり、斜辺に応じた面552が、第1照明光軸Ax1及び第2照明光軸Ax2のそれぞれに対して略45°傾斜し、各隣辺に応じた面553,554のうち、面553が、第2照明光軸Ax2に略直交し、面554が第1照明光軸Ax1に略直交する。そして、面552には、波長選択性を有する偏光分離層555が形成されている。
このような光合成装置55により、ホモジナイザー光学装置54から入射された励起光のうち、P偏光は、第1照明光軸Ax1に沿って第2位相差素子56側に通過され、S偏光は、第2照明光軸Ax2に沿って第2集光素子59側に反射される。
また、詳しくは後述するが、光合成装置55は、第2位相差素子56を介して入射される励起光(青色光)と、第2集光素子59を介して入射される蛍光とを合成する。
第2位相差素子56は、1/4波長板であり、光合成装置55から入射されるP偏光の励起光を円偏光に変換し、第1集光素子57から入射される励起光(当該円偏光とは反対方向の円偏光)をS偏光に変換する。
第1集光素子57は、第2位相差素子56を通過した励起光を拡散装置58に集光(集束)させる光学素子であり、本実施形態では、3つのレンズ571〜573により構成されている。しかしながら、第1集光素子57を構成するレンズの数は3に限らない。
拡散装置58は、波長変換装置6にて生成及び出射される蛍光光と同様の拡散角で、入射される励起光を拡散反射させる。この拡散装置58は、回転中心を中心とする環状の反射層が形成された円板状の拡散反射素子581と、当該拡散反射素子581を回転させる回転装置582と、を有する。なお、反射層は、入射光をランバート反射させる。
このような拡散装置58にて拡散反射された励起光は、第1集光素子57を介して再び第2位相差素子56に入射される。この拡散装置58にて反射される時に、当該拡散装置58に入射された円偏光は逆廻りの円偏光となり、第2位相差素子56を通過する過程にて、光合成装置55から入射されたP偏光の励起光に対して偏光方向が90°回転されたS偏光の励起光に変換される。このS偏光の励起光は、上記偏光分離層555によって反射され、第2照明光軸Ax2に沿って均一化装置7に青色光として入射される。
第2集光素子59には、ホモジナイザー光学装置54を通過して上記偏光分離層555にて反射されたS偏光の励起光が入射される。この第2集光素子59は、上記のように、入射される励起光を波長変換装置6の被照明領域(波長変換素子61の蛍光体層63)に集光(集束)させる他、当該波長変換装置6から出射された蛍光を平行化して、上記偏光分離層555に出射する。この第2集光素子59は、本実施形態では、3つのピックアップレンズ591〜593により構成されているが、上記第1集光素子57と同様に、当該第2集光素子59が有するレンズの数は3に限らない。
波長変換装置6は、入射された青色光の励起光を、緑色光及び赤色光を含む蛍光に波長変換する。この波長変換装置6は、回転装置60及び波長変換素子61を備える。
これらのうち、回転装置60は、平板状に形成された波長変換素子61を回転させるモーター等により構成されている。
蛍光体層63は、光学素子層に相当する。この蛍光体層63は、入射された励起光により励起されて非偏光光である蛍光(例えば500〜700nmの波長域にピーク波長を有する蛍光)を出射する蛍光体を含む層であり、上記ホモジナイザー光学装置54及び第2集光素子59によって照明される被照明領域である。この蛍光体層63にて生じる蛍光の一部は、第2集光素子59側に出射され、他の一部は、反射層64側に出射される。
反射層64は、蛍光体層63と基板62との間に配置され、当該蛍光体層63から入射される蛍光を第2集光素子59側に反射させる。
均一化装置7は、光源装置5から入射される照明光の中心軸に対する直交面(光軸直交面)における照度を均一化し、ひいては、上記光変調装置44(44R,44G,44B)における被照明領域である画像形成領域(変調領域)の照度分布を均一化する。この均一化装置7は、第1レンズアレイ71、第2レンズアレイ72、偏光変換素子73及び重畳レンズ74を備える。これら構成71〜74は、それぞれの光軸が第2照明光軸Ax2と一致するように配置される。
第2レンズアレイ72は、第1レンズアレイ71と同様に、複数の小レンズ721が第2照明光軸Ax2に対する直交面内にマトリクス状に配列された構成を有し、各小レンズ721は、対応する小レンズ711と1対1の関係にある。これら小レンズ721は、各小レンズ711により分割された複数の部分光束を、重畳レンズ74とともに各光変調装置44の上記画像形成領域に重畳させる。
偏光変換素子73は、第2レンズアレイ72と重畳レンズ74との間に配置され、入射される複数の部分光束の偏光方向を揃える機能を有する。
図4は、波長変換素子61を面62B側から見た斜視図である。
波長変換素子61は、上記のように、基板62の面62Bに位置する放熱部65を有する。この放熱部65は、図4に示すように、複数のフィン66を有し、各フィン66は、基板62の回転中心Cから外周に向かう方向に沿ってそれぞれ延出している。
具体的に、フィン66は、当該回転中心Cから基板62の外周側に向かって放射状に延出しており、円形状の基板62の周方向、すなわち、当該基板62の回転方向である+D方向に沿って等間隔に配置されている。
なお、各フィン66の延出方向に対する直交方向の寸法(厚さ寸法)は、フィン66全体で略一定であるが、回転中心C側から外周側に向かうに従って大きくなってもよい。
更に、これらフィン66は、当該フィン66間の+D方向に沿う寸法、すなわち、フィン66間を回転中心C側から外周側に向かって流通する冷却気体の流路の延出方向に対して平面視で直交する方向のフィン66間の流路幅Sが所定の範囲内に収まるように形成されている。
ここで、波長変換素子61が回転中心Cを中心として+D方向に回転された場合、フィン66に対して+D方向とは反対方向側(−D方向側)が負圧になることから、上記流路幅Sが所定値以上であると、図5に示すように、冷却気体の渦VTが生じる。この場合、冷却気体は、フィン66間において渦VTを生じさせつつ回転中心C側から外周側に流通する。このような渦VTが、+D方向に隣り合う2つのフィン66(渦VTを挟む2つのフィン66)において互いに対向する端面(+D方向側のフィン66における−D方向側の端面66T、及び、−D方向側のフィン66における+D方向側の端面66S)に衝突するように、フィン66の延出方向に沿う軸を中心として旋回することにより、これらフィン66に伝導された熱が冷却気体に伝導されやすくなり、当該フィン66が冷却されやすくなる。すなわち、フィン66、ひいては、波長変換素子61の冷却効率が向上する。
図6は、上記流路幅と熱伝達率比との関係を波長変換素子61の回転速度(単位時間当たりの回転数)毎に示すグラフである。なお、熱伝達率比は、同一の回転速度で最も高い熱伝達率を1とした場合のそれぞれの流路幅での熱伝達率の比率を示す値である。
ここで、実用回転速度である3000rpm、6000rpm及び9000rpmにて波長変換素子61を回転させた場合、フィン66から冷却気体への上記熱伝達率比は、図6に示すように、上記フィン66間の流路幅によって変化する。この熱伝達率の変化は、当該波長変換素子61が、3000rpm(図6における実線)、6000rpm(図6における点線)及び9000rpm(図6において細く間隔が短い点線)のそれぞれの回転速度で同様である。
すなわち、上記熱伝達率比、ひいては、フィン66から冷却気体への熱伝達率は、上記流路幅が3mm以上、6mm以下である場合に高く、より詳しくは、当該流路幅が4mm以上、5mm以下である場合に、熱伝達率は最も高くなる。
なお、図6に示すグラフを生成する際のシミュレーションでは、基板62からのフィン66の起立寸法(基板62の回転軸に沿う方向の寸法)は、上記渦VTが生じるように3mm以上に設定されており、より詳しくは10mmに設定されている。また、当該シミュレーションでは、基板62の直径は100mmに設定され、フィン66は、回転中心Cを中心とする直径90mmの範囲内に形成されている。
一方、流路幅が1mmであると、当該流路幅が狭すぎて上記渦VTが発生しにくいため、熱伝達率が比較的低くなっていると考えられる。
他方、流路幅が6mmを超えると、当該流路幅が広すぎて、フィン66間に発生した渦VTが、−D方向側のフィン66に衝突しにくくなるため、熱伝達率が一定となったと考えられる。
このような流路幅と熱伝達率との関係は、基板62の直径に依存しない。
上記のように、波長変換素子61が回転された際に渦VTが発生することによって、当該波長変換素子61の冷却効率は向上される。このような渦VTが発生するフィン66間の流路幅は、必ずしもフィン66の回転中心C側の端部から外周側の端部までの全体に亘って上記適正流路幅範囲内でなくてもよい。
ここで、上記蛍光体層63及び反射層64は、図7に示すように、基板62の光入射面62Aにおいて外縁より内側の領域に、当該回転中心Cを中心とする環状に位置している。このような蛍光体層63にて生じる熱は、当該基板62において蛍光体層63に対する内周側領域62A1に伝導される他、外周側領域62A2にも伝導される。この基板62の回転に伴ってフィン66間を流通する冷却気体の流速は、回転中心C側から外周側に向かうに従って高くなることから、内周側領域62A1に比べて外周側領域62A2の方が冷却されやすく、蛍光体層63にて生じた熱も、内周側領域62A1に比べて外周側領域62A2に伝導されやすい。
なお、外周側領域62A2だけでなく、内周側領域62A1に応じた部位の流路幅も、上記適正流路幅範囲内に設定すれば、波長変換素子61の冷却効率を一層向上させることができる。一方、内周側領域62A1に応じた部位の流路幅や、フィン66間の一部の流路幅のみを上記適正流路幅範囲内に設定しても、全体の流路幅が当該適正流路幅範囲外に設定された波長変換素子に比べて冷却効率を向上させることができることは言うまでもない。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果がある。
+D方向において隣り合う2つのフィン66間の当該+D方向に沿う寸法(すなわち上記流路幅)は、上記適正流路幅範囲内に設定されている。これによれば、波長変換素子61の回転に伴ってフィン66間に、冷却気体の渦VTを生じやすくすることができ、更に、渦VTを挟む2つのフィン66において互いに対向する端面66S,66Tに、当該渦VTを衝突させやすくすることができる。これにより、フィン66に冷却気体を効果的に衝突させることができ、当該フィン66の熱を冷却気体に伝導させやすくすることができる。従って、蛍光体層63にて生じた熱を効率よく冷却でき、波長変換素子61の冷却効率を向上させることができる。この他、波長変換素子61が安定することにより、光源装置5は、安定して光を出射できるので、プロジェクター1の信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有するが、波長変換素子が有するフィンの形状が異なる点で、当該プロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るプロジェクターは、波長変換素子61に代えて波長変換素子61Aを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。また、波長変換素子61Aは、図8及び図9に示すように、上記複数のフィン66に代えて複数のフィン67を有する他は、上記波長変換素子61と同様の構成及び機能を有する。
一方、フィン67は、回転中心C側から外周側に向かうに従って−D方向側(波長変換素子61Aの回転方向である+D方向とは反対方向側)に反る湾曲形状(円弧形状)を有する。また、フィン67の延出方向に直交する方向の寸法(厚さ寸法)も、回転中心C側の端部から外周側の端部に向かうに従って大きくなっている。これは、フィン67間の流路幅Sを一定にするための形状である。
上記波長変換素子61Aにおいても、フィン67から冷却気体への熱伝達率比は、図10に示すように、上記流路幅が3mm以上、6mm以下の範囲(適正流路幅範囲)で高くなり、当該流路幅が4mm以上、5mm以下の範囲で最も高くなる。これは、図示を省略するが、3000rpm及び9000rpmのそれぞれの回転速度で波長変換素子61Aが回転される場合でも同様の傾向を示す。
従って、上記フィン67のようなフィン形状であっても、フィン67間の流路幅が上記適正流路幅範囲内に設定されることにより、当該フィン67から冷却気体への熱伝導を効率よく行うことができ、波長変換素子61Aの冷却効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、上記を踏まえ、フィン67間の流路幅は、回転中心C側の端部から外周側の端部まで4mmで一定となっている。しかしながら、これに限らず、フィン67間の流路幅は、他の値で一定となっていてもよく、所定の流路幅の範囲(例えば上記適正流路幅範囲)内で変動していてもよい。この場合、フィン67の上記厚さ寸法は、回転中心C側の端部から外周側の端部に向かうに従って大きくなっていなくてもよい。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記プロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
フィン67は、回転中心C側から外周側に向かうに従って−D方向側に反る湾曲形状(円弧形状)を有する。これにより、フィン67が+D方向に対して直交しないことから、フィン66が放射状に延出する波長変換素子61に比べて、波長変換素子61Aの回転抵抗(空気抵抗)を低減できる。従って、回転装置60に加わる負荷が低減できる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有するが、波長変換素子が有するフィンが、寸法が異なる2種類のフィンによって構成されている点で、当該プロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るプロジェクターは、波長変換素子61に代えて波長変換素子61Bを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。また、波長変換素子61Bは、図11及び図12に示すように、複数のフィン66に代えて複数のフィン68を有する他は、上記波長変換素子61と同様の構成を有する。
各第1フィン681について、基板62の回転中心Cから外周に向かう方向に沿ってそれぞれ延出している点、基板62の外周(換言すると+D方向)に沿って等間隔に配置されている点、及び、回転中心C側から外周側に向かうに従って−D方向側に反る湾曲形状(円弧形状)を有する点は、フィン67と同様である。なお、第1フィン681の延出方向に直交する方向の寸法(厚さ寸法)は、略一定となっている。
これら第1フィン681における回転中心C側の端部は、図12に示すように、当該回転中心Cを中心とする第1仮想円VC1上に位置する。一方、第1フィン681における外周側の端部は、回転中心Cを中心とし、かつ、直径が第1仮想円VC1より大きく基板62の直径より小さい第2仮想円VC2上に位置する。例えば、基板62の直径が上記のように100mmである場合には、第2仮想円VC2の直径は90mmである。
これら第2フィン682における回転中心C側の端部は、当該回転中心Cを中心とし、かつ、直径が第1仮想円VC1より大きく第2仮想円VC2より小さい第3仮想円VC3上に位置する。一方、各第2フィン682における外周側の端部は、上記第2仮想円VC2上に位置する。
また、第2フィン682の延出方向に直交する方向の寸法(厚さ寸法)は、第2フィン682を+D方向において挟む2つの第1フィン681との間の+D方向に沿う寸法(流路幅)を、上記適正流路幅範囲内に設定するために、外周側に向かうに従って大きくなるように設定されている。
このように、波長変換素子61Bにおいては、フィン68間の流路幅は、上記適正流路幅範囲内に設定されている。
なお、上記外周側領域62A2に対応する第1フィン681及び第2フィン682間の流路幅が上記適正流路幅範囲内に設定されていれば、上記内周側領域62A1に対応する第1フィン681間の流路幅、並びに、第1フィン681及び第2フィン682間の流路幅は、上記適正流路幅範囲外であってもよい。一方、上記渦VTの発生による効果に着目すれば、第1フィン681間の流路幅、或いは、第1フィン681及び第2フィン682間の流路幅が上記適正流路幅範囲内に設定された部位があれば、上記渦VTの発生による効果を奏することができる。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記第1及び第2実施形態にて示したプロジェクターと同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
例えば切削によって基板にフィンを形成する際に、切削治具の大きさによっては、フィン間の流路幅を上記適正流路幅範囲内の値に設定しづらい場合がある。換言すると、当該流路幅が上記適正流路幅範囲を超えて大きくなってしまう可能性がある。
これに対し、第1フィン681及び第2フィン682を含むフィン68が基板62に切削によって形成される場合、各第1フィン681の回転中心C側の端部間の寸法を上記適正流路幅範囲内で大きくとることができるので、切削治具を通しやすくすることができる。従って、切削治具によってフィン68を形成しやすくすることができるので、基板62を加工しやすくすることができ、波長変換素子61Bの製造コストの増大を抑制できる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有するが、波長変換素子(基板)の直径方向に対するフィンの角度が適正化されている点で、当該プロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るプロジェクターは、波長変換素子61に代えて波長変換素子61Cを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。また、波長変換素子61Cは、図13及び図14に示すように、複数のフィン66に代えて複数のフィン69を有する他は、上記波長変換素子61と同様の構成を有する。
これらフィン69は、上記のように湾曲形状を有するが、当該フィン69は、部位によって曲率半径を異ならせることにより、当該フィン69上の全ての位置において、フィン69の接線方向と回転中心Cを中心とする直径方向との交差角が一定となっている。詳述すると、フィン69は、回転中心C側から外周側に向かうに従って曲率半径が大きくなるように形成されている。
具体的に、図15に示すように、1つのフィン69の−D方向側の端縁において、回転中心C側の点P1、略中央の点P2、及び、外周側の点P3のそれぞれにおけるフィン69の接線を、それぞれ接線T1,T2,T3とし、各点P1〜P3を通り、かつ、回転中心Cを中心とする直径方向の直線を、それぞれ直線L1,L2,L3とした場合、接線T1と直線L1との交差角α1、接線T2と直線L2との交差角α2、及び、接線T3と直線L3との交差角α3は、それぞれ略同じ角度となる。すなわち、フィン69は、当該フィン69の−D方向側の端縁のどの位置においても上記交差角が一定となり、当該端縁のどの位置においてもフィン69の接線と回転方向の接線との交差角が一定となるように形成されている。
以下、このような交差角を、フィン69の接線交差角という。
ここで、曲率半径が一定となるように形成されたフィン69Xを有する波長変換素子61Xについて説明する。
波長変換素子61Xは、図16に示すように、複数のフィン69に代えて複数のフィン69Xを有する他は、波長変換素子61Cと同様の構成を有する。
これらフィン69Xは、基板62の回転中心Cから外周に向かう方向に沿ってそれぞれ延出している点、基板62の外周(換言すると+D方向)に沿って等間隔に配置されている点、回転中心C側から外周側に向かうに従って−D方向側に反る湾曲形状(円弧形状)を有する点は、及び、フィン69Xの延出方向に直交する方向の寸法(厚さ寸法)が略一定となっている点は、上記フィン69と同様である。
しかしながら、フィン69は、当該フィンの接線交差角が一定となるように形成されているのに対し、フィン69Xは、一定の曲率(一定の曲率半径)にて円弧状に形成され、接線交差角が一定とはならない点で、フィン69と相違する。
この場合、フィン69X間を外周側に向かって流通する冷却気体は、フィン69X間の流路における−D方向側の領域を主に流通することになり、基板62外に排出される冷却気体の流速及び流量が低下してしまう。このため、波長変換素子61Xの冷却効率は、それほど高くならない。
図17は、フィン69の接線交差角と熱伝達率との関係を、上記流路幅毎に示すグラフである。また、図18は、当該接線交差角と上記熱伝達率比との関係を、上記流路幅毎に示すグラフである。
ここで、図17及び図18に示すように、回転中心Cを中心として回転される波長変換素子に位置するフィンの上記接線交差角に応じて、当該フィンによる冷却気体への熱伝達率及び熱伝達率比は変化する。
具体的に、−80°以上、+80°以下の範囲の上記接線交差角を有する複数のフィンを、当該フィン間の上記流路幅が2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mmとなるように形成した複数の波長変換素子の熱伝達率及び熱伝達率比は、−45°以上、+60°の範囲で高い値を示した。なお、接線交差角が負の値である場合には、フィンの湾曲方向が、上記とは反対方向側、すなわち、回転中心C側から外周側に向かうに従って+D方向側に反る形状であることを示す。
一方、上記適正角度範囲外の接線交差角となる場合では、フィンが+D方向に沿う形状となるため、上記渦VTが生じにくくなり、冷却気体への熱伝達率が低下すると考えられる。
これに対し、フィンの直径方向に対する交差角が0°より大きく、+60°以下の範囲のフィン、すなわち、回転中心C側から外周側に向かうに従って−D方向側に反るフィンであれば、冷却気体が回転中心C側に巻き込まれることがないため、外周側に流通して排出される冷却気体の流速及び流量の低下を抑制できる。
一方、フィンの接線交差角が0°の場合、すなわち、フィンが回転中心Cを中心とする放射状に延出する場合では、各フィンが+D方向に対して直交する。このため、上記のように、波長変換素子の回転抵抗が大きくなり、回転装置60に加わる負荷が大きくなる。
なお、波長変換素子61Cでは、フィン69間の流路幅が上記適正流路幅範囲に含まれるように、当該フィン69は形成されている。このため、上記第1及び第2実施形態にて示した効果を奏することができる波長変換素子61Cを構成できる。しかしながら、これに限らず、フィン69間の流路幅が上記適正流路幅範囲外となる波長変換素子61Cを構成してもよい。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記第1及び第2実施形態にて示したプロジェクターと同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
各フィン69の接線交差角が、上記適正角度範囲内に設定されていることにより、波長変換素子61Cが回転されると、当該波長変換素子61Cにおいて+D方向に隣り合う2つのフィン69間に上記渦VTを生じさせやすくすることができる。この渦VTが、上記のように、当該渦VTを挟む2つのフィン69において互いに対向する端面に衝突することにより、フィン69から冷却気体への熱伝導を促進させることができる。従って、蛍光体層63にて生じた熱が基板62を介して伝導されるフィン69の冷却効率、ひいては、波長変換素子61Cの冷却効率を向上させることができる。そして、これにより、波長変換素子61Cの長寿命化を図ることができる。
一方、上記接線交差角が−45°以上、0°未満のフィンは、回転中心C側から基板62の外周側に向かうに従って+D方向側に反る形状となるが、このようなフィンの形状では、上記波長変換素子が回転されると、冷却気体を外周側から回転中心C側に流通させる圧力が生じる。このような場合、回転中心C側から外周側に向かって流通する冷却気体がフィン間にて滞留しやすくなり、波長変換素子の冷却効率が低下する。
これに対し、0°より大きく、+60°以下の最適角度範囲に上記接線交差角が含まれるように各フィン69を形成することにより、フィン69間を流通する冷却気体が回転中心C側から外周側に流通しやすくなることから、当該冷却気体の流速及び流量を増加させることができる。従って、フィン69から熱が伝導された冷却気体がフィン69間に滞留することを抑制できるので、波長変換素子61Cの冷却効率をより一層向上させることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、フィン66〜69間の+D方向に沿う寸法、すなわち、フィン66〜69間を流通する冷却気体の流路の延出方向に平面視で直交する方向における幅寸法(流路幅)は、当該フィン66〜69の全域に亘って上記適正流路幅範囲内に設定されているとした。しかしながら、これに限らず、フィン間に形成される流路のうち、一部の流路の幅のみが上記適正流路幅範囲内に設定されていてもよい。例えば、上記のように、外周側領域62A2に応じた部位のみ、流路幅が適正流路幅範囲内に設定されていてもよく、内周側領域62A1に応じた部位のみ、流路幅が適正流路幅範囲内に設定されていてもよい。
また、基板62からのフィン66〜69の起立寸法も3mm以上としたが、これに限らず、3mm未満としてもよい。
また、第2フィン682は、回転中心C側から外周側に向かうに従って上記厚さ寸法が大きくなるとした。しかしながら、これに限らず、厚さ寸法は一定であってもよく、第1フィン681の厚さ寸法が、回転中心C側から外周側に向かうに従って大きくなってもよい。すなわち、フィン間の流路幅に応じて、これらフィンの厚さ寸法は調整可能である。
また、蛍光体層63及び反射層64は、回転中心Cを中心とする環状に配置されるとした。しかしながら、これに限らず、少なくとも蛍光体層63は、回転中心Cを中心とする円形状に形成されてもよい。
上記各実施形態では、プロジェクターは、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルを有する光変調装置44を備えるとした。しかしながら、これに限らず、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の液晶パネルを有する光変調装置を採用してもよい。また、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を採用してもよい。
また、光学素子として波長変換素子61,61A,61B,61Cを挙げた。しかしながら、これに限らず、本発明の構成を拡散反射素子581に適用してもよい。
Claims (6)
- 光源と、
前記光源から出射された光が入射される光学素子と、
前記光学素子を回転させる回転装置と、を備え、
前記光学素子は、
前記回転装置によって3000rpm以上、9000rpm以下の回転速度で回転される基板と、
前記基板において前記光源から出射された光が入射される第1面に位置し、前記基板の外縁より内側に、前記基板の回転方向に沿って配置される光学素子層と、
前記第1面、及び、前記第1面とは反対側の第2面の少なくともいずれかに位置する放熱部と、を有し、
前記放熱部は、前記光学素子の回転中心側から外周側に向かってそれぞれ延出し、前記回転方向に沿って配列された複数のフィンを有し、
前記光学素子の回転軸に沿う方向における前記複数のフィンの寸法は、3mm以上であり、
前記複数のフィンは、前記回転中心を中心とする直径90mm以下の範囲内に設けられ、
前記複数のフィンは、
前記回転方向に沿って配列された複数の第1フィンと、
前記複数の第1フィンのうち隣り合う2つの第1フィンの間にそれぞれ配置され、前記回転方向に沿って配列された複数の第2フィンと、を含み、
前記複数の第1フィンのそれぞれの前記回転中心側の端部は、前記回転中心を中心とし、かつ、所定の直径を有する第1仮想円上に位置し、
前記複数の第1フィンのそれぞれの前記外周側の端部は、前記回転中心を中心とし、かつ、直径が前記第1仮想円より大きい第2仮想円上に位置し、
前記複数の第2フィンのそれぞれの前記回転中心側の端部は、前記回転中心を中心とし、かつ、直径が前記第1仮想円より大きく前記第2仮想円より小さい第3仮想円上に位置し、
前記複数のフィンのうち前記回転方向において隣り合う前記第1フィン及び前記第2フィンの間の前記回転方向に沿う寸法は、少なくとも前記光学素子層に対する前記外周側の部位において、前記隣り合う第1フィン及び第2フィンのうち前記回転方向側のフィンの延出方向に沿う軸を中心として旋回する気体の渦が、前記隣り合う第1フィン及び第2フィンのそれぞれに衝突するように、3mm以上、6mm以下の寸法範囲内に設定され、
前記複数の第2フィンのそれぞれの延出方向に直交する方向の寸法は、前記隣り合う第1フィン及び第2フィンの間の寸法が前記寸法範囲内に設定されるように、前記外周側に向かうに従って大きくなることを特徴とする光源装置。 - 請求項1に記載の光源装置において、
前記隣り合う第1フィン及び第2フィンの間の前記回転方向に沿う寸法は、前記回転中心側から前記基板の外周側までの範囲において、前記寸法範囲内に設定されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の光源装置において、
前記複数の第2フィンのそれぞれの前記外周側の端部は、前記第2仮想円上に位置し
ていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光源装置において、
前記第2仮想円は、前記光学素子層よりも前記外周側に位置することを特徴とする光源装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光源装置において、
前記フィンにおける前記回転方向とは反対方向側の端縁における接線と、前記回転中心を中心とする直径方向との交差角は、−45°以上、+60°以下の角度範囲内に設定されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
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