JP2017116629A - 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター - Google Patents

波長変換装置、照明装置及びプロジェクター Download PDF

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Abstract

【課題】波長変換層を効率よく冷却できる波長変換装置、照明装置及びプロジェクターを提供すること。【解決手段】回転装置と、回転装置により回転する基材と、を備え、基材は、基材の第1面に環状に設けられた波長変換層と、基材において第1面と第1面とは反対側の面である第2面とを結ぶ方向に貫通する貫通孔と、を有し、貫通孔は、波長変換層において環状の中心側の縁である内縁と、環状の中心側とは反対側の縁である外縁との少なくとも一方に沿って配置されている波長変換装置。【選択図】図4

Description

本発明は、波長変換装置、照明装置及びプロジェクターに関する。
従来、固体光源から出射された励起光を波長変換し、蛍光として出射する光源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の光源装置は、蛍光発光板と、半導体レーザーを備える。これらのうち、蛍光発光板は、当該蛍光発光板上に形成された蛍光体層と、当該蛍光体層を回転させるモーターとを備える。この蛍光体層は、半導体レーザーから出射された励起光の一部を励起光とは異なる波長の光に変換して蛍光を生成する。
特開2012−137744号公報
ところで、蛍光体層の温度が上昇した場合に、固体光源から入射された光の波長変換効率が低下することが知られている。このため、上記特許文献1に記載の波長変換装置では、円板状の蛍光発光板を回転させることにより、当該蛍光発光板上に形成された蛍光体層を冷却している。
しかしながら、例えば半導体レーザーの出力が比較的大きい場合等に、当該蛍光発光板を回転させても、蛍光体層の熱を十分に放熱できない可能性がある。すなわち、上記特許文献1に記載の波長変換装置では、蛍光体層を十分に冷却できない可能性があり、当該蛍光体層による波長変換効率が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題の少なくとも1つを解決するものであり、波長変換効率の低下を抑制できる波長変換装置、照明装置及びプロジェクターを提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係る波長変換装置は、回転装置と、前記回転装置により回転する基材と、を備え、前記基材は、前記基材の第1面に環状に設けられた波長変換層と、前記基材において前記第1面と前記第1面とは反対側の面である第2面とを結ぶ方向に貫通する貫通孔と、を有し、前記貫通孔は、前記波長変換層において前記環状の中心側の縁である内縁と、前記環状の中心側とは反対側の縁である外縁との少なくとも一方に沿って配置されていることを特徴とする。
なお、上記波長変換層としては、蛍光体を含んで構成され、入射された光の波長を変換する波長変換層を例示できる。
上記第1態様によれば、基材を回転装置の回転軸に沿う方向に貫通する貫通孔が形成されている。これにより、回転装置の駆動により基材が回転すると、冷却気体が当該貫通孔を流通して、当該貫通孔の端縁、ひいては、波長変換層の内縁又は外縁の少なくともいずれかの近傍を効率よく冷却できるので、波長変換層を効率よく冷却できる。従って、基材を効率よく冷却できることから、当該基材に位置する波長変換層を効率よく冷却でき、熱による波長変換層の波長変換効率の低下を抑制できる。
上記第1態様では、前記基材は、前記貫通孔を複数有していることが好ましい。
上記第1態様によれば、基材の波長変換層の内縁及び外縁の少なくとも一方に沿って複数の貫通孔が基材に形成されているので、例えば、基材に貫通孔が1つ設けられている場合に比べて、貫通孔を流通する冷却気体の流量を多くできる。従って、波長変換装置の波長変換効率の低下をより抑制できる。
上記第1態様では、前記貫通孔は、前記波長変換層において前記環状の中心側の縁である内縁と、前記環状の中心側とは反対側の縁である外縁との少なくとも一方に沿う形状であることが好ましい。
上記第1態様によれば、基材の波長変換層の内縁及び外縁の少なくとも一方に沿った形状の貫通孔が当該基材に形成されているので、基材における波長変換層近傍の略全領域を冷却気体が流通する。これによれば、基材の波長変換層の近傍を効率よく冷却できるので、波長変換層を効率よく冷却できる。従って、波長変換装置の波長変換効率の低下をより抑制できる。
上記第1態様では、前記貫通孔は、前記回転装置による前記基材の回転軸に沿う方向に対して傾斜していることが好ましい。
上記第1態様によれば、貫通孔が上記回転軸に沿う方向に対して傾斜しているので、当該貫通孔が回転軸に沿う方向に対して傾斜していない場合に比べて、当該貫通孔の表面積を拡大できる。これによれば、冷却気体が貫通孔を流通する際に基材が冷却される領域を拡大できるので、波長変換層をより効率よく冷却できる。
上記第1態様では、前記貫通孔は、前記基材において、前記第1面から前記第1面の反対側の第2面に向かうに従って、前記波長変換層側に傾斜していることが好ましい。
なお、上記波長変換層側とは、第1面における貫通孔の開口部よりも第2面における貫通孔の開口部が上記第1面の開口部に最も近い波長変換層の一端側を意味する。
上記第1態様によれば、貫通孔が第1面から第2面に向かうに従って波長変換層側に傾斜しているので、波長変換層近傍の領域に貫通孔を形成できることから、基材における波長変換層近傍の領域に冷却気体を確実に流通させることができるので、波長変換層の冷却効率を更に高めることができる。
上記第1態様では、前記貫通孔は、前記回転軸を中心とする円周方向における当該回転軸の回転方向とは反対方向に傾斜していることが好ましい。
上記第1態様によれば、貫通孔が上記回転軸を中心とする円周方向における回転軸の回転方向とは反対方向に傾斜しているので、基材がファンにおける羽根のように機能して、当該基材の回転時に基材近傍の冷却気体を貫通孔において掻き出すことにより、当該気体を貫通孔内に確実に流通させることができる。これによれば、貫通孔内を確実に冷却気体が流通するので、波長変換層を確実に冷却できる。
本発明の第2態様に係る照明装置は、上記波長変換装置と、前記波長変換装置の前記波長変換層に入射される励起光を出射する光源と、を備え、前記波長変換層は、入射される前記励起光を異なる波長の光に変換することを特徴とする。
上記第2態様によれば、上記第1態様に係る波長変換装置と同様の効果を奏することができる。また、波長変換装置の波長変換効率の低下を抑制できるので、波長変換層によって生じる蛍光光の光量の低下を抑制でき、光源からの光の利用効率を向上させることができる。従って、上記波長変換装置を備えた照明装置は、信頼性が高く、温度影響を受けない安定した拡散特性及び位相差特性を得ることができるので、当該照明装置の信頼性及び安定性を高くできる。
上記第2態様では、前記波長変換装置に冷却気体を流通させる冷却装置を備えることが好ましい。
上記第2態様によれば、波長変換装置を冷却した冷却気体を冷却装置により流通させるので、確実に冷却気体が波長変換装置の貫通孔を流通する。これによれば、波長変換装置、ひいては、照明装置を確実に冷却できる。
本発明の第3態様に係るプロジェクターは、上記照明装置と、前記照明装置から出射された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とする。
上記第3態様によれば、上記第1態様に係る波長変換装置及び上記第2態様に係る照明装置と同様の効果を奏することができる。また、上記波長変換装置を備えた照明装置は、信頼性が高く、温度影響を受けない安定した拡散特性及び位相差特性を得ることができるので、当該照明装置を備えたプロジェクターの信頼性及び安定性を高くできる。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクターの概略図。 上記第1実施形態に係るプロジェクターの照明装置の概略図。 上記第1実施形態に係る照明装置における波長変換装置を光の入射側から見た平面図。 上記第1実施形態に係る波長変換装置の断面図。 上記第1実施形態に係る波長変換装置の冷却装置を示す概略図。 本発明の第2実施形態に係るプロジェクターの照明装置における波長変換装置の断面図。 本発明の第3実施形態に係るプロジェクターの照明装置における波長変換装置を光の入射側から見た平面図。 本発明の第4実施形態に係るプロジェクターの照明装置における波長変換装置を光の入射側から見た平面図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、内部に設けられた光源から出射された光束を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーンSC1等の被投射面上に拡大投射する表示装置である。
このプロジェクター1は、図1に示すように、外装筐体2と、当該外装筐体2内に収納される光学ユニット3、当該プロジェクター1を制御する制御装置CUの他、図示を省略するが、冷却対象を冷却する冷却装置、及び当該プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置を備える。また、プロジェクター1は、色合成装置に入射される光の成分比率に応じて、投射光学装置から投射される画像の色域を変化させる機能を有する。
[光学ユニットの構成]
光学ユニット3は、照明装置31、色分離装置32、平行化レンズ33、複数の光変調装置34、色合成装置35、及び投射光学装置36を備える。
照明装置31は、照明光WLを出射する。なお、照明装置31の構成については、後述する。
色分離装置32は、照明装置31から入射された照明光WLを赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBの3つの色光に分離する。この色分離装置32は、ダイクロイックミラー321,322、全反射ミラー323,324,325及びリレーレンズ326,327を備える。
ダイクロイックミラー321は、照明装置31からの照明光WLから青色光LB及びその他の色光(緑色光LG及び赤色光LR)を含む光を分離する。ダイクロイックミラー321は、青色光LBを透過させるとともに、緑色光LG及び赤色光LRを含む上記光を透過させる。
ダイクロイックミラー322は、ダイクロイックミラー321により分離された上記光から緑色光LG及び赤色光LRを分離する。具体的に、ダイクロイックミラー322は、緑色光LGを反射するとともに、赤色光LRを透過させる。
全反射ミラー323は、青色光LBの光路中に配置され、ダイクロイックミラー321にて透過された青色光LBを光変調装置34(34B)に向けて反射させる。一方、全反射ミラー324,325は、赤色光LRの光路中に配置され、ダイクロイックミラー322を透過した赤色光LRを光変調装置34(34R)に向けて反射させる。また、緑色光LGは、ダイクロイックミラー322にて、光変調装置34(34G)に向けて反射される。
リレーレンズ326,327は、赤色光LRの光路の、ダイクロイックミラー322の下流に配置されている。これらリレーレンズ326,327は、赤色光LRの光路長が青色光LBや緑色光LGの光路長よりも長くなることによる赤色光LRの光損失を補償する機能を有する。
平行化レンズ33は、後述する光変調装置34に入射する光を平行化する。なお、赤、緑及び青の各色光用の平行化レンズを、それぞれ33R,33G,33Bとする。また、赤、緑及び青の各色光用の光変調装置を、それぞれ34R,34G,34Bとする。
複数の光変調装置34(34R,34G,34B)は、ダイクロイックミラー321及びダイクロイックミラー322により分離され、それぞれ入射される各色光LR,LG,LBを変調して、画像情報に応じた色画像を形成する。これら光変調装置34は、入射される光を変調する液晶パネルにより構成される。なお、光変調装置34R,34G,34Bの入射側及び出射側にはそれぞれ、入射側偏光板341(341R,341G,341B)及び出射側偏光板342(342R,342G,342B)が配置されている。
色合成装置35には、各光変調装置34R,34G,34Bからの画像光が入射される。この色合成装置35は、各色光LR,LG,LBに対応した画像光を合成し、この合成された画像光を投射光学装置36に向けて出射させる。本実施形態では、色合成装置35は、クロスダイクロイックプリズムにより構成される。
投射光学装置36は、色合成装置35にて合成された画像光をスクリーンSC1等の被投射面に投射する。このような構成により、スクリーンSC1に拡大された画像が投射される。
[照明装置の構成]
図2は、本実施形態のプロジェクター1における照明装置31の構成を示す概略図である。
照明装置31は、前述したように照明光WLを色分離装置32に向けて出射する。この照明装置31は、図2に示すように、光源装置4及び均一化装置5を備える。この光源装置4は、均一化装置5に向けて青色光及び蛍光を出射させ、均一化装置5は、当該入射された青色光及び蛍光を均一化し、照明光WLとして色分離装置32に向けて出射させる。
[光源装置の構成]
光源装置4は、図2に示すように、光源部41、アフォーカルレンズ42、ホモジナイザー光学系43、第1位相差板44、偏光分離装置45、第2位相差板46、第3位相差板47、蛍光反射装置6及び青色光反射装置8を備える。
光源部41は、アレイ光源411及びコリメータ光学系412を備える。このアレイ光源411は、本発明の光源に相当する複数の半導体レーザー4111により構成される。具体的に、アレイ光源411は、当該アレイ光源411から出射される光束の照明光軸Ax1に直交する一平面内に複数の半導体レーザー4111がアレイ状に配列されることにより形成される。なお、詳しくは後述するが、蛍光反射装置6にて反射された光束の照明光軸をAx2としたとき、照明光軸Ax1と照明光軸Ax2とは同一平面内にあり、且つ互いに直交している。照明光軸Ax1上においては、アレイ光源411と、コリメータ光学系412と、アフォーカルレンズ42と、ホモジナイザー光学系43と、第1位相差板44と、偏光分離装置45と、第2位相差板46と、青色光反射装置8とが、この順に並んで配置されている。
一方、照明光軸Ax2上においては、蛍光反射装置6(波長変換装置7及びピックアップ光学系61)と、偏光分離装置45と、均一化装置5(アフォーカル装置51、第1レンズアレイ52、第2レンズアレイ53及び重畳レンズ54)とが、この順に並んで配置されている。
アレイ光源411を構成する半導体レーザー4111は、例えば、445nmの波長領域にピーク波長を有する励起光(青色光BL)を出射する。また、半導体レーザー4111から出射される青色光BLは、s偏光及びp偏光を含むランダムな直線偏光であり、アフォーカルレンズ42に向けて出射される。そして、このアレイ光源411から出射された青色光BLは、コリメータ光学系412に入射される。
コリメータ光学系412は、アレイ光源411から出射された青色光BLを平行光に変換する。このコリメータ光学系412は、例えば各半導体レーザー4111に対応してアレイ状に配置された複数のコリメータレンズ4121を備える。このコリメータ光学系412を通過することにより平行光に変換された青色光BLは、アフォーカルレンズ42に入射される。
アフォーカルレンズ42は、コリメータ光学系412から入射された青色光BLの光束径を調整する。このアフォーカルレンズ42は、レンズ421と、レンズ422とを備え、青色光BLは、レンズ421により集光され、レンズ422により平行化されて、ホモジナイザー光学系43に入射する。
ホモジナイザー光学系43は、被照明領域における青色光BLによる照度分布を均一化する。このホモジナイザー光学系43は、一対のマルチレンズアレイ431,432を備える。このホモジナイザー光学系43から出射された青色光BLは、第1位相差板44に入射される。
第1位相差板44は、ホモジナイザー光学系43と偏光分離装置45との間に配置され、入射される青色光BLの偏光方向を略90°回転させる。本実施形態では、第1位相差板44は、λ/2波長板により構成される。この第1位相差板44に入射された青色光BLは、偏光方向が略90°回転され、p偏光成分の青色光BLp及びs偏光成分の青色光BLsに分離され、偏光分離装置45に入射される。
[偏光分離装置の構成]
偏光分離装置45は、いわゆるプリズム型の偏光ビームスプリッターであり、p偏光及びs偏光のうち、一方の偏光光を通過させ、他方の偏光光を反射させる。この偏光分離装置45は、プリズム451,452及び偏光分離層453を備える。これらプリズム451,452は、略三角柱形状に形成され、それぞれ照明光軸Ax1に対して45°の角度をなす傾斜面を有し、かつ、照明光軸Ax2に対して45°の角度をなしている。
偏光分離層453は、上記傾斜面に設けられ、当該偏光分離層453に入射した青色光BLp,BLsをp偏光成分の青色光BLpとs偏光成分の青色光BLsとに分離する偏光分離機能を有する。この偏光分離層453は、s偏光成分の青色光BLsを反射させ、p偏光成分の青色光BLpを透過させる。また、偏光分離層453は、当該偏光分離層453に入射した光のうち、第1の波長帯(青色光BLs,BLpの波長帯)とは異なる第2の波長帯(蛍光YL)の光を、その偏光状態にかかわらず透過させる色分離機能を有する。なお、偏光分離装置45は、プリズム型のものに限らず、プレート型の偏光分離装置を用いてもよい。
そして、偏光分離層453に入射した青色光BLp,BLsのうち、s偏光成分の青色光BLsは、励起光BLsとして、蛍光反射装置6に向けて反射される。
[蛍光反射装置の構成]
蛍光反射装置6は、偏光分離装置45から入射されたs偏光成分の青色光(励起光)BLsを蛍光YLに変換し、当該偏光分離装置45に向けて反射させる。この蛍光反射装置6は、ピックアップ光学系61及び波長変換装置7を備える。これらのうち、ピックアップ光学系61は、励起光BLsを波長変換装置7の波長変換層72に向けて集光させる。このピックアップ光学系61は、レンズ611、レンズ612及びレンズ613を備える。具体的に、ピックアップ光学系61は、入射された複数の光束(励起光BLs)を後述する波長変換層72に向けて集光させるとともに、当該波長変換層72上で互いに重畳させる。
この波長変換層72により青色光BLsは、蛍光YLに変換され、再度ピックアップ光学系61に入射され、当該ピックアップ光学系61を介して偏光分離装置45に入射される。
なお、波長変換装置7の構成については、後述する。
一方、偏光分離層453に入射した青色光BLp,BLsのうち、p偏光成分の青色光BLpは、当該偏光分離層453を透過し、第2位相差板46に入射される。
第2位相差板46は、青色光反射装置8と偏光分離装置45との間に配置され、入射されるp偏光成分の青色光BLpを円偏光に変換させる。本実施形態では、この第2位相差板46は、λ/4波長板により構成される。そして、第2位相差板46により円偏光に変換された青色光BLpは、青色光反射装置8に入射される。
[青色光反射装置の構成]
青色光反射装置8は、偏光分離装置45から入射されたp偏光成分の青色光BLpを拡散させて、当該偏光分離装置45に向けて反射させる。この青色光反射装置8は、ピックアップ光学系81と、拡散反射装置82とを備える。これらのうち、ピックアップ光学系81は、励起光BLpを拡散反射装置82の拡散反射層822に向けて集光させる。このピックアップ光学系81は、レンズ811、レンズ812及びレンズ813を備える。具体的に、ピックアップ光学系81は、入射された複数の光束(励起光BLp)を後述する拡散反射層822に向けて集光させるとともに、当該拡散反射層822上で互いに重畳させる。
拡散反射装置82は、入射された青色光BLpを拡散させて反射させる機能を有する。この拡散反射装置82は、基材821、拡散反射層822及びモーター823を備える。基材821は、略円板状の基材により構成され、当該基材821のピックアップ光学系81側の面には、拡散反射層822が形成されている。この拡散反射層822は、入射された光を散乱させて反射させる機能を有する。
モーター823は、基材821の上記拡散反射層822が設けられた側とは反対方向側に取り付けられ、当該モーター823の駆動により基材821が回転する。これにより、拡散反射層822が冷却される。
このような構成により、拡散反射装置82に入射された青色光BLpは、拡散反射層822に入射され、当該拡散反射層822により拡散(散乱)され、ピックアップ光学系81に向けて出射される。そして、上記青色光BLpは、ピックアップ光学系81により集光されて、第2位相差板46に再度入射される。これにより、青色光BLpは、拡散反射層822により回転方向が反転されて、第2位相差板46に入射され、偏光方向が円偏光から直線偏光に変換される。このため、拡散反射層822により反射された青色光BLpは、s偏光成分の青色光BLsとして出射される。そして、青色光BLsは、偏光分離装置45に入射される。
拡散反射装置82及びピックアップ光学系81を介して偏光分離装置45に入射された青色光BLsは、偏光分離層453に反射され、当該偏光分離装置45のプリズム452側から出射され、第3位相差板47に入射される。
一方、偏光分離装置45に入射された蛍光YLは、偏光分離層453を介して、当該偏光分離装置45のプリズム452側から出射され、上記第3位相差板47に入射される。
第3位相差板47は、偏光分離装置45と均一化装置5との間に配置され、入射される青色光BLs及び蛍光YLの偏光方向を略90°回転させる。本実施形態では、第3位相差板47は、λ/2波長板により構成される。この第3位相差板47に入射された青色光BLsは、偏光方向が略90°回転され、p偏光成分の青色光BLpとして、均一化装置5に向けて出射される。また、蛍光YLは、励起光BLsに基づく光であるため、s偏光成分の光である。このため、第3位相差板47に入射された蛍光YLは、p偏光成分の蛍光YLとして、均一化装置5に向けて出射される。
[均一化装置の構成]
均一化装置5は、光源装置4から出射された青色光BL及び蛍光YLを均一化する機能を有する。この均一化装置5は、図2に示すように、アフォーカル装置51、第1レンズアレイ52、第2レンズアレイ53及び重畳レンズ54を備える。
これらのうち、アフォーカル装置51は、光源装置4から入射された蛍光YL及び青色光BLのビーム系を拡大する機能を有する。具体的に、このアフォーカル装置51は、光源装置4を介して入射された蛍光YL及び青色光BLに基づいて、第2レンズアレイ53の第2レンズ531上に表示される光源像の大きさを調整する。
このアフォーカル装置51は、凹レンズ511及び凸レンズ512からなるアフォーカルレンズにより構成される。凹レンズ511は、入射された蛍光YL及び青色光BLを拡散させ、凸レンズ512に向けて出射させる。凸レンズ512は、凹レンズ511から拡散されて入射された蛍光YL及び青色光BLを平行化して第1レンズアレイ52に向けて出射させる。
第1レンズアレイ52は、アフォーカル装置51から出射された光(光束)の中心軸(上記照明光軸Ax2)に対する直交面内にアレイ状に配列された複数の第1レンズ521を有する。この第1レンズアレイ52は、第1レンズアレイ52の複数の第1レンズ521により、当該第1レンズアレイ52に入射された光束を複数の部分光束に分割する。
第2レンズアレイ53は、上記照明光軸Ax1に対する直交面内にアレイ状に配列された第1レンズアレイ52の複数の第1レンズ521に応じた複数の第2レンズ531を有する。この第2レンズアレイ53は、複数の第2レンズ531により、第1レンズ521により分割された部分光束を被照明領域としての重畳レンズ54に重畳させる。
重畳レンズ54は、照明光WLを被照明領域において重畳させることにより、被照明領域の照度分布を均一化する。このようにして、蛍光YL及び青色光BLは、重畳レンズ54により合成され、照度分布が均一化された照明光WLとして、照明装置31からダイクロイックミラー321に向けて出射される。
[波長変換装置の構成]
図3は、波長変換装置7を偏光分離装置45側から見た平面図である。
波長変換装置7は、図2及び図3に示すように、基材71及びモーター75を備える。
基材71は、略円板状に形成されている。この基材71は、当該基材71の偏光分離装置45側(ピックアップ光学系61)の第1面711と、当該第1面711に対向する第2面712と、を有する。また、基材71の略中央部分には、開口部713が形成されている。この開口部713には、モーター75の一部が嵌め込まれる。なお、上記基材71は、アルミニウムにより構成され、当該基材71の厚さ寸法は、略1mmに設定されている。
また、上記第1面711及び第2面712のうち、ピックアップ光学系61に対向する面である第1面711には、波長変換層72が配置されている。
波長変換層72は、上述したように基材71の第1面711に配置される。具体的に、波長変換層72は、例えば、マスク印刷法により環状に印刷され、基材71の開口部713の外側に形成される。この波長変換層72は、例えば、YAG蛍光体を含む波長変換素子であり、当該波長変換層72に入射された青色光BLsを蛍光YLに変換する。
また、基材71は、当該基材71を光入射側から見た場合に、波長変換層72より内側に位置する第1領域73と、当該波長変換層72より外側に位置する領域である第2領域74を有する。
なお、図2及び図3においては、図示を省略するが、当該波長変換層72と基材71との間には、反射層が形成されている。
本発明の回転装置は、モーター75により構成され、回転軸Pを中心に基材71を図4の回転方向S1に回転させる機能を有する。具体的に、モーター75の一部は、基材71の開口部713に嵌めこまれ、当該モーター75の駆動により基材71が回転する。これにより、ピックアップ光学系61から出射された青色光BLsは、回転状態の基材71における波長変換層72に入射され、蛍光YLに変換されて上記反射層により反射される。
なお、基材71の回転軸は、上記回転軸Pと同一である。
[貫通孔の構成]
図4は、波長変換装置7の断面図である。
基材71における第1領域73には、図3及び図4に示すように、複数の貫通孔714が形成されている。この複数の貫通孔714は、環状に形成された波長変換層72において環状の中心側の縁である内縁に沿うように一定の間隔にて配置され、基材71をモーター75の回転軸Pに沿う方向に貫通している。また、複数の貫通孔714は、図4に示すように、回転軸Pに沿う方向に対して傾斜している。具体的に、複数の貫通孔714における第1面711側の開口7141は、第2面712側の開口7142よりも波長変換層72側に配置されている。換言すると、複数の貫通孔714は、第1面711から第2面712に向かうに従って、波長変換層72側、すなわち、回転軸Pから離れる方向に傾斜している。
[冷却装置の構成]
図5は、蛍光反射装置6(冷却装置9)を示す概略図である。なお、図5においては、蛍光反射装置6を構成するピックアップ光学系61の図示を省略している。
蛍光反射装置6は、上述したように、ピックアップ光学系61、波長変換装置7及び冷却装置9を備える。
これらのうち、冷却装置9は、ダクト91及び冷却ファン92を備える。ダクト91は、波長変換装置7を収納する機能を有する。具体的に、波長変換装置7は、ダクト91の延出方向と上記回転軸Pに沿う方向が略一致するようにダクト91内に配置され、基材71の端とダクト91の側壁とは、若干の隙間G1,G2を開けた状態で配置される。
ダクト91は、略L字状に形成され、第1開口部911、第2開口部912及び第3開口部913を備える。
第1開口部911は、L字状のダクト91の一方の端部に形成され、当該第1開口部911は、ピックアップ光学系61に対向する位置に形成される。また、第2開口部912は、上記ダクト91の他方の端部に形成され、当該第2開口部912に対向する位置には、冷却ファン92が配置される。
第3開口部913は、外装筐体2内の冷却気体を当該ダクト91内に流入させる機能を有する。この第3開口部913は、ピックアップ光学系61が配置される方向とは異なる方向に設けられている。例えば、図5に示すように、第3開口部913は、ダクト91内に配置される波長変換装置7の回転軸Pに沿う方向に略直交する方向に設けられている。
なお、詳しくは後述するが、冷却ファン92の吸気面921と第2開口部912とは対向する位置に配置されているので、当該冷却ファン92の駆動により、第1開口部911及び第3開口部913から第2開口部912に向けて冷却気体が流通する。
冷却ファン92は、ダクト91内の冷却気体を流通させて波長変換装置7を冷却する冷却装置(吸引装置)であり、当該波長変換装置7に供給された冷却気体を吸引し、ダクト91外に吐出する。この冷却ファン92は、波長変換装置7における基材71の側面側、すなわち、基材71から見て回転軸Pに略直交する方向に配置されている。
また、冷却ファン92の吸気面921は、図5に示すように、ダクト91内に配置される波長変換装置7に対向するように配置されている。このため、冷却ファン92が駆動すると、ダクト91内の冷却気体は、吸気面921から排気面922側に流れる。
なお、この冷却ファン92は、軸流ファンにより構成されている。しかしながら、これに限らず、冷却ファン92は、シロッコファンにより構成されていてもよい。
[波長変換装置に対する冷却気体の流れ]
まず、波長変換装置7のモーター75が駆動されると、当該モーター75の駆動により基材71が回転する。この状態において、冷却ファン92が駆動すると、第1開口部911及び第3開口部913から冷却気体がダクト91内に流入し、波長変換装置7に供給される。この波長変換装置7に供給された冷却気体は、回転軸Pから離れる方向に波長変換装置7の基材71の表面に沿って流通し、基材71の第1面711及び波長変換層72を冷却する。この基材71の表面に沿って流通した冷却気体の一部は、上記隙間G1,G2を介して第2開口部912に向けて流通する。
また、上記隙間G1,G2を介して第2開口部912に流通した冷却気体以外の冷却気体は、基材71に設けられた複数の貫通孔714を介して第2開口部912に流通する。このように、複数の貫通孔714及び上記隙間G1,G2を介して冷却気体が流通し、第2開口部912から波長変換装置7を冷却した冷却気体が冷却ファン92の吸気面921により吸引される。そして、吸気面921から吸引された冷却気体は、冷却ファン92の排気面922から外装筐体2外に排出される。
[第1実施形態の効果]
本実施形態に係るプロジェクター1は、以下の効果を有する。
基材71をモーター75の回転軸Pに沿う方向に貫通する貫通孔714が形成されているので、モーター75の駆動により基材が回転すると、冷却気体が当該貫通孔714を流通して、当該貫通孔714の端縁、ひいては、基材71を効率よく冷却できる。また、上記貫通孔714は、波長変換層72の内縁に沿って配置されていることから、波長変換層72の内縁近傍を効率よく冷却できるので、波長変換層72を効率よく冷却できる。従って、基材71を効率よく冷却できることから、当該基材71に位置する波長変換層72を効率よく冷却でき、熱による波長変換装置7の波長変換効率の低下を抑制できる。
基材71の波長変換層72の内縁に沿って当該基材71を上記回転軸Pに沿う方向に貫通する複数の貫通孔714が形成されているので、例えば、基材71に1つの貫通孔が形成されている場合に比べて、複数の貫通孔714を流通する冷却気体の流量を多くできる。従って、波長変換装置7の波長変換効率の低下をより抑制できる。
また、複数の貫通孔714が上記モーター75による基材71の回転軸Pに沿う方向に対して傾斜しているので、当該複数の貫通孔714が回転軸Pに沿う方向に対して傾斜していない場合に比べて、当該複数の貫通孔714の表面積を大きくできる。これによれば、冷却気体が複数の貫通孔714を流通する際に基材71が冷却される領域を拡大できるので、波長変換層72をより効率よく冷却できる。
更に、複数の貫通孔714が第1面711から第2面712に向かうに従って波長変換層72側に傾斜しているので、波長変換層72近傍の領域に複数の貫通孔714を形成できることから、基材71における波長変換層72近傍の領域に冷却気体を確実に流通させることができる。従って、基材71における波長変換層72の冷却効率を更に高めることができる。
また、波長変換装置7の波長変換効率の低下を抑制できるので、波長変換層72によって生じる蛍光光の光量の低下を抑制でき、アレイ光源411からの光の利用効率を向上させることができる。従って、上記波長変換装置7を備えた照明装置31は、信頼性が高く、温度影響を受けない安定した拡散特性及び位相差特性を得ることができるので、当該照明装置31、ひいてはプロジェクター1の信頼性及び安定性を高くできる。
更に、波長変換装置7を冷却した冷却気体を冷却ファン92により吸気するので、確実に冷却気体が波長変換装置7の複数の貫通孔714を流通する。これによれば、波長変換装置7ひいては、照明装置31を確実に冷却できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記第1実施形態に係るプロジェクター1と略同一の構成を備える他、上記プロジェクター1と波長変換装置の基材の形状が一部異なる。具体的に、上記プロジェクター1の波長変換装置7は、複数の貫通孔714を有する基材71を備えるのに対し、本実施形態の波長変換装置は、上記複数の貫通孔714とは異なる貫通孔を有する基材を備えている点で相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同様の符号を付して説明を省略する。
図6は、本実施形態に係るプロジェクターの波長変換装置を示す断面図である。
波長変換装置7Aは、図6に示すように、基材71A及びモーター75を備える。
基材71Aは、略円板状に形成され、当該基材71Aにおける第1面711Aの波長変換層72の外側に位置する第2領域74Aには、複数の貫通孔71A1が形成されている。この複数の貫通孔71A1は、環状に形成された波長変換層72において環状の中心側とは反対側の縁である外縁に沿うように一定の間隔にて配置され、基材71Aをモーター75の回転軸Pに沿う方向に貫通している。また、複数の貫通孔71A1は、図6に示すように、回転軸Pに沿う方向に対して傾斜している。具体的に、複数の貫通孔71A1における第2面712A側の開口71A3は、第1面711A側の開口71A2よりも波長変換層72側に配置されている。換言すると、複数の貫通孔71A1は、第1面711Aから第2面712Aに向かうに従って、波長変換層72側、すなわち、回転軸Pに近接する方向に傾斜している。
[第2実施形態の効果]
本実施形態に係るプロジェクターは、上記第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
ここで、モーター75の駆動により基材71Aが回転すると、回転軸Pから離れる方向に基材71Aの表面に沿って流通し、基材71Aの第1面711及び波長変換層72を冷却する。このため、例えば、複数の貫通孔71A1が第1領域73Aに形成されている場合、波長変換層72の表面を冷却気体が流通することなく、当該冷却気体が当該複数の貫通孔71A1を流通する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、複数の貫通孔71A1が波長変換層72より外側の第2領域74Aに形成されているので、上記波長変換層72を冷却した冷却気体が複数の貫通孔71A1を流通するので、冷却気体により波長変換層72を確実に冷却し、かつ、複数の貫通孔71A1を上記冷却気体が流通するので、確実に基材71Aを冷却できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記第1実施形態に係るプロジェクター1と略同一の構成を備える他、上記プロジェクター1と波長変換装置の基材の形状が一部異なる。具体的に、上記プロジェクター1の波長変換装置7は、複数の貫通孔714を有する基材71を備えるのに対し、本実施形態の波長変換装置は、上記複数の貫通孔714とは異なる貫通孔を有する基材を備えている点で相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同様の符号を付して説明を省略する。
図7は、本実施形態に係るプロジェクターの波長変換装置7Bを光入射側から見た平面図である。
波長変換装置7Bは、図7に示すように、基材71B及びモーター75を備える。
基材71Bにおける第1領域73Bには、複数の貫通孔71B1が形成されている。この複数の貫通孔71B1は、環状に形成された波長変換層72の内縁に沿うように一定の間隔にて配置され、基材71Bをモーター75の回転軸Pに沿う方向に貫通している。また、複数の貫通孔71B1は、図7に示すように、回転軸Pに沿う方向に対して傾斜し、かつ、回転軸P(基材71B)の円周方向にも傾斜している。具体的に、複数の貫通孔71B1における第1面711B側の開口71B2は、第2面712B側の開口71B3よりも波長変換層72側で、かつ、基材71Bの回転方向S1とは反対方向側に配置されている。換言すると、複数の貫通孔71B1は、第1面711Bから第2面712Bに向かうに従って回転軸Pから離れる方向(波長変換層72側)で、かつ、上記回転方向S1とは反対方向に傾斜している。
[第3実施形態の効果]
本実施形態に係るプロジェクターは、上記第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
複数の貫通孔71B1が上記回転軸Pを中心とする円周方向にも傾斜しており、当該円周方向と基材の回転方向S1が反対方向であるため、基材71Bがファンにおける羽根のように機能して、当該基材71Bの回転時に基材71B近傍の冷却気体を貫通孔71B1において掻き出すことができる。これによれば、確実に複数の貫通孔71B1内を冷却気体が流通するので、確実に波長変換層72を効率よく冷却できる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記第1実施形態に係るプロジェクター1と略同一の構成を備える他、上記プロジェクター1と波長変換装置の基材の形状が一部異なる。具体的に、上記プロジェクター1の波長変換装置7は、複数の貫通孔714を有する基材71を備えるのに対し、本実施形態の波長変換装置は、1つの貫通孔を有する基材を備えている点で相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同様の符号を付して説明を省略する。
図8は、本実施形態に係るプロジェクターの波長変換装置7Cを光入射側から見た平面図である。
波長変換装置7Cは、図8に示すように、基材71C及びモーター75を備える。
基材71Cにおける第1領域73Cには、1つの貫通孔71C1が形成されている。この貫通孔71C1は、環状に形成された波長変換層72の内縁に沿うC字状に形成され、基材71Cをモーター75の回転軸Pに沿う方向に貫通している。また、貫通孔71C1は、図8に示すように、回転軸Pに沿う方向に対して傾斜している。具体的に、貫通孔71C1における第1面711C側の開口71C2は、第2面712C側の開口71C3よりも波長変換層72側に配置されている。換言すると、貫通孔71C1は、第1面711Cから第2面712Cに向かうに従って回転軸Pから離れる方向(波長変換層72側)に傾斜している。
[第4実施形態の効果]
本実施形態に係るプロジェクターは、上記第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
基材71Cの波長変換層72の内縁に沿った形状(略C字状)の貫通孔71C1が当該基材71Cに形成されているので、モーター75の駆動により基材71Cが回転すると、冷却気体が上記貫通孔71C1を流通する。これにより、基材71Cの波長変換層72の近傍を効率よく冷却できるので、波長変換層72を効率よく冷却できる。従って、波長変換装置7Cの波長変換効率の低下をより抑制できる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、基材71,71A〜71Cは、アルミニウムにより構成されていることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、透過型の波長変換装置であれば、当該基材は、ガラス等の透光性部材により構成されることとすればよい。
上記各実施形態では、波長変換層72は、環状に形成されることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、円弧状の波長変換層が一定の間隔を持って環状に配置される構成であってもよい。
上記各実施形態では、複数の貫通孔714,71A1,71B1及び貫通孔71C1は、回転軸Pに対して傾斜していることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、複数の貫通孔714,71A1,71B1及び貫通孔71C1は、上記回転軸Pに沿う方向、すなわち、回転軸Pに対して傾斜していなくてもよい。この場合であっても、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記第1〜第3実施形態において、複数の貫通孔714,71A1,71B1が渦巻状に形成されていてもよい。この場合においても、上記第1〜第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記第1実施形態では、複数の貫通孔714は、第1面711から第2面712に向かうに従って、回転軸Pから離れる方向(波長変換層72側)に傾斜していることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、複数の貫通孔714が第1面711から第2面712に向かうに従って、回転軸Pに近接する方向に傾斜していることとしてもよい。
上記第2実施形態では、複数の貫通孔71A1は、第1面711Aから第2面712Aに向かうに従って、回転軸Pに近接する方向(波長変換層72側)に傾斜していることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、複数の貫通孔71A1が第1面711Aから第2面712Aに向かうに従って、回転軸Pから離れる方向に傾斜していてもよい。
上記第3実施形態では、複数の貫通孔71B1は、第1面711Bから第2面712Bに向かうに従って、回転軸Pに沿う方向に対して、当該回転軸Pに近接する方向(波長変換層72側)かつ回転軸Pの円周方向(上記回転方向S1とは反対方向)に傾斜していることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、複数の貫通孔71B1は、第1面711Bから第2面712Bに向かうに従って、回転軸Pの円周方向にのみ傾斜していることとしてもよい。また、複数の貫通孔71B1は、回転方向S1とは反対方向側に傾斜していることとしたが、例えば、回転方向S1と同方向側に傾斜していてもよい。
上記第4実施形態では、貫通孔71C1は、略C字状であることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、貫通孔71C1は、U字状に形成されてもよいし、円弧状に形成されてもよい。すなわち、貫通孔71C1は、波長変換層72の内縁及び外縁の少なくとも一方に沿う形状であれば、どのような形状であってもよい。
上記第1、第3及び第4実施形態では、複数の貫通孔714,71B1及び貫通孔71C1は、基材71,71B,71Cの第1領域73,73B,73Cに設けられることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、複数の貫通孔714,71B1及び71C1は、基材71,71B,71Cの第2領域74,74B,74Cに設けられることとしてもよい。
上記第2実施形態では、複数の貫通孔71A1は、基材71Aの第2領域74Aに設けられることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、複数の貫通孔71A1は、基材71Aの第1領域73Aに設けられることとしてもよい。
すなわち、基材71,71A〜71Cの第1領域73,73A〜73Cに複数の貫通孔714,71B1及び貫通孔71C1のいずれかを設け、第2領域74,74A〜74Cに複数の貫通孔71A1を設けることとしてもよい。
上記各実施形態では、冷却装置9は、冷却ファン92を備えることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、冷却装置9は、冷却ファン92を備えなくてもよい。このような場合であっても、モーター75の駆動により、基材71,71A,71Bが回転することにより、冷却気体が回転軸Pから離れる方向に当該基材71,71A,71Bの第1面711,711A,711Bの表面に沿って流通し、当該冷却気体の一部が複数の貫通孔714,71A1,71B1を流通する。これによれば、冷却ファン92を備えなくても、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
特に、第3実施形態の基材71Bに設けられた複数の貫通孔71B1は、回転軸Pに対して傾斜し、かつ、基材71Bの円周方向にも傾斜しているので、上記第1及び第2実施形態の基材71,71Aの複数の貫通孔714,71A1よりも、冷却気体を掻くことができ、より多くの冷却気体が当該複数の貫通孔71B1を流通する。従って、冷却ファン92を備えていない場合であっても、基材71B及び波長変換層72を確実に冷却できる。
上記各実施形態では、冷却装置9の冷却ファン92は、ダクト91内の冷却気体を吸気することとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、冷却ファン92の排気面922をダクト91の第2開口部912に対向して配置してもよい。また、冷却ファン92の排気面922を第3開口部913に対向する位置に配置してもよい。これによれば、冷却ファン92から外装筐体2内の冷却気体がダクト91内に流通し、当該ダクト91内に配置される波長変換装置7,7A〜7Cに冷却気体を流通させることができる。すなわち、当該構成においても、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記各実施形態では、冷却装置9のダクト91は、略L字状に形成されることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、ダクト91は直状に形成されてもよく、この場合、波長変換装置7の第2面712と冷却ファン92の吸気面921とが対向するように当該冷却ファン92を配置すればよい。
また、上記ダクト91は、第3開口部913を備えることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、ダクト91は、第3開口部913を備えなくてもよい。
上記各実施形態では、基材71,71A,71Bに複数の貫通孔714,71A1,71B1を設けることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、これら複数の貫通孔714,71A1,71B1のいずれかを拡散反射装置82の基材821に設けることとしてもよい。これによれば、拡散反射装置82の基材821及び拡散反射層822を効率よく冷却できる。
上記各実施形態では、光変調装置として透過型の光変調装置を用いることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、光変調装置として反射型の光変調装置を用いてもよい。この場合、色分離装置32を設けることなく、当該色合成装置35により、色分離及び色合成を実行するようにしてもよい。
上記各実施形態では、プロジェクター1は、3つの光変調装置34(34R,34G,34B)を備えるとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、光変調装置は、1つでもよいし、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
また、光変調装置として、デジタルマイクロミラーデバイス等、液晶パネル以外の光変調装置を用いてもよい。
1…プロジェクター、31…照明装置、34…光変調装置、36…投射光学装置、4111…半導体レーザー(光源)、7,7A,7B,7C…波長変換装置、71,71A,71B,71C…基材、711,711A,711B,711C…第1面、712,712A,712B,712C…第2面、713…開口部、714,71A1,71B1…複数の貫通孔(貫通孔)、71C1…貫通孔、72…波長変換層、75…モーター(回転装置)、73…第1領域、74…第2領域、9…冷却装置。

Claims (9)

  1. 回転装置と、
    前記回転装置により回転する基材と、を備え、
    前記基材は、
    前記基材の第1面に環状に設けられた波長変換層と、
    前記基材において前記第1面と前記第1面とは反対側の面である第2面とを結ぶ方向に貫通する貫通孔と、を有し、
    前記貫通孔は、前記波長変換層において前記環状の中心側の縁である内縁と、前記環状の中心側とは反対側の縁である外縁との少なくとも一方に沿って配置されていることを特徴とする波長変換装置。
  2. 請求項1に記載の波長変換装置において、
    前記基材は、前記貫通孔を複数有していることを特徴とする波長変換装置。
  3. 請求項1に記載の波長変換装置において、
    前記貫通孔は、前記波長変換層において前記環状の中心側の縁である内縁と、前記環状の中心側とは反対側の縁である外縁との少なくとも一方に沿う形状であることを特徴とする波長変換装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の波長変換装置において、
    前記貫通孔は、前記回転装置による前記基材の回転軸に沿う方向に対して傾斜していることを特徴とする波長変換装置。
  5. 請求項4に記載の波長変換装置において、
    前記貫通孔は、前記基材において、前記第1面から前記第1面の反対側の第2面に向かうに従って、前記波長変換層側に傾斜していることを特徴とする波長変換装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の波長変換装置において、
    前記貫通孔は、前記回転軸を中心とする円周方向における当該回転軸の回転方向とは反対方向に傾斜していることを特徴とする波長変換装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の波長変換装置と、
    前記波長変換装置の前記波長変換層に入射される励起光を出射する光源と、を備え、
    前記波長変換層は、入射される前記励起光を異なる波長の光に変換することを特徴とする照明装置。
  8. 請求項7に記載の照明装置において、
    前記波長変換装置に冷却気体を流通させる冷却装置を備えることを特徴とする照明装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の照明装置と、
    前記照明装置から出射された光を変調する光変調装置と、
    前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
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