JP6775217B1 - 排水桝の施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、床版を構成するコンクリートの内、排水桝の周囲で排水桝の外壁面と界面を構成する部分(以下、界面近傍部と呼ぶことがある。)が砕ける破壊現象が散見される。
これにより、本開示の排水桝の施工方法によれば、潜在的に、上記破壊現象の発生を防止することができる。
すなわち、上部開口104の上縁104aと界面近傍部101の上面とは、同じ高さとなるように、つまり、面一となるように、施工者の手作業により仕上げられる。しかし、厳密に面一に仕上げることは極めて困難であり、上縁104aの方が界面近傍部101の上面よりも極僅かに上に突き出ている部位が存在すると考えられる。
以上により、上縁104aの方が界面近傍部101の上面よりも上に突き出ていた部位では、剥離隙間105に水が滞留しやすく、上記の破壊現象が発生しやすいものと推定した。
これにより、上縁7dの方が界面近傍部3aの上面よりも上に突き出ている部位が存在しなくなるので、排水桝1の上縁7d近傍の外壁により水が堰き止められる現象が発生しなくなる。また、排水桝1と床版3のコンクリートとの界面Xの端は、上部開口4の内周側に存在するので、仮に剥離隙間が発生しても、剥離隙間は、上部開口4の内周側に開口する。このため、剥離隙間に水が浸入する可能性は大幅に低減する。
また、上縁7dを外気に触れないようにコンクリートで覆うことは、施工者に過大な負担をかけないので、上記破壊現象を防止する上で極めて現実的な方法である。
これにより、上縁7dの内、壁高欄6側の部分を、壁高欄6を打設するときにコンクリートで覆うことができる。
以上により、上記破壊現象が発生する可能性をさらに下げることができる。
まず、実施例の排水桝1の構成を、図面を用いて説明する。
排水桝1は、高速道路や橋梁などの路面から排水するため、例えば、アスファルトからなる舗装2の下側の床版3に埋設されている。ここで、排水桝1は、水が流入する上部開口4、および、流入した水が流出する下部開口5を有し、例えば、床版3を構成するコンクリートを打設するときに、上部開口4が空中に開放されるように埋設される。また、排水桝1は、壁高欄6に沿って配置される。
以下、排水桝1の構成について詳述する。
まず、上部筒体7は、上部開口4を形成する矩形の扁平な筒体であり、上部開口4も、矩形である。そして、上部筒体7の外側面は、床版3のコンクリートと界面Xを構成する。さらに、上部開口4の短手方向が道路の進行方向に平行であり、長手方向が道路の幅方向に平行である。
また、本体8は、次のような上部8a、中部8bおよび下部8cを有する。
また、傾斜面21、および、下部8cの内周は、2つの台部22の間に設けられている。また、中部8bとグレーチング受け13との間には飛散防止用のチェーン23が架け渡されている。さらに、中部8bの外面には、排水桝1を床版3の鉄筋に固定するためのアンカーバー24が外側に向かって突出している。
実施例の排水桝1の施工方法によれば、排水桝1において上部開口4を形成する上縁(つまり、上部筒体7の上縁7d)を、外気に触れないようにコンクリートで覆う。より具体的には、上部筒体7の4つの辺部の内、壁高欄6側の辺部7SH以外の3つの辺部7SLの上縁7dに関し、型枠9の上端が上縁7dよりも上側に位置するように、型枠9を3つの辺部7SLの内周側に固定してコンクリートを打設する(図13および図14参照。)。
これにより、3つの辺部7SLの上縁7dは、床版3を設けることにより、外気に触れないようにコンクリートで覆われる。
なお、床版3の上には、塗装またはシート掛けにより防水層が設けられ、防水層の上に舗装2が設けられる。
実施例の施工方法では、排水桝1を床版3に埋設するときに、上部開口4の上縁7dを外気に触れないようにコンクリートで覆う。
これにより、従来、見られた排水桝1の上端部による水の堰き止め現象が発生しなくなる。また、排水桝1の外壁面と床版3のコンクリートとの界面Xに剥離隙間が発生しても、剥離隙間は、上縁7dの上側を経由して上部開口4の内周側に開口する。このため、剥離隙間に水分が浸入する可能性は大幅に低減する。
また、上縁7dを外気に触れないようにコンクリートで覆うことは、施工者に過大な負担をかけないので、破壊現象を防止する上で極めて現実的な方法である。
これにより、上縁7dの内、壁高欄6側の部分を、壁高欄6を打設するときにコンクリートで覆うことができる。また、壁高欄6側の上縁7dを、従来のようにコンクリートで覆わない場合、角ができてしまい、床版3の上に防水層を施工する際のコンクリートの研磨を施しにくい。これに対し、壁高欄6側の上縁7dをコンクリートで覆うことにより、角をなくすことがでるので、研磨を容易に施すことができる。
本願発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形例を考えることができる。
例えば、実施例の排水桝1によれば、上部筒体7はコンクリート製であり、本体8は樹脂製であったが、上部筒体7および本体8の材料は、このような態様に限定されない。例えば、上部筒体7を樹脂製にしてもよく、金属製にしてもよい。
また、実施例の排水桝1によれば、グレーチング受け13と上部筒体7とが別体として設けられていたが、グレーチング受け13と上部筒体7とを一体物として設けてもよい。
さらに、実施例の排水桝1の施工方法によれば、上部筒体7に孔10を設けて孔10にボルトの軸部を通すことによりネジ締結によって型枠9を上部筒体7に固定していたが、上部筒体7に孔10を設けずに、上部筒体7とのネジ締結によらずに型枠9を配置してもよい。
Claims (3)
- コンクリートからなる床版(3)に排水桝(1)を施工するときに、この排水桝において排水が流入する上部開口(4)が空中に開放されるように、前記排水桝を前記床版に埋設する排水桝の施工方法において、
前記排水桝において前記上部開口を形成する上縁(7d)を、外気に触れないようにコンクリートで覆うことを特徴とする排水桝の施工方法。 - 請求項1に記載の排水桝の施工方法において、
前記上部開口を形成する上縁の内、道路の反対側に存在する部分を、壁高欄(6)を構成するコンクリートで覆うことを特徴とする排水桝の施工方法。 - 請求項1または請求項2に記載の排水桝の施工方法において、
前記排水桝は、
前記上部開口を形成するとともに、前記床版のコンクリートと界面(X)を構成する上部筒体(7)と、
この上部筒体の下側に接続され、前記上部筒体に流入した排水を受け入れる本体(8)とを備え、
前記上部筒体はコンクリートからなることを特徴とする排水桝の施工方法。
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