JP6768079B2 - カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側壁に沿って膨張展開するクッションを備えたカーテンエアバッグ装置に関するものである。
カーテンエアバッグ装置は、緊急時にガスによって膨張展開して乗員を受け止め保護する袋状のクッションを備える。クッションは、車両が側面衝突からロールオーバに移行した場合であっても、乗員の頭部や上半身が衝突する可能性のある領域をすべてカバーするように、車室内の側壁に沿って展開する必要がある。
このため、クッションは、車室内の側壁上部に車両前後方向にわたって収納されている。すなわちクッションは、ルーフサイドレールとルーフサイドレールを車内側から覆うカバーとの間から、ルーフサイドレールの車両前側に連続するフロントピラーとフロントピラーを車内側から覆うピラートリム(以下、ピラーガーニッシュ)との間にまで延びて収納されている。このような限られた収納スペースにクッションを収納可能にするため、クッションは通常、ロール状に巻き回された状態や折り畳まれた状態でルーフサイドレールやフロントピラーに取り付けられている。
特許文献1には、ルーフサイドレールを覆うトップシーリング(カバー)と、ピラーガーニッシュとの隣接部すなわち境目に、折り畳み状態のカーテンエアバッグを包囲する包囲部材を設けた車両の内装材構造が記載されている。特許文献1では、ピラーガーニッシュの後端部の変形を抑制可能なように、包囲部材をピラーガーニッシュの後端部に近接して設けることで、エアバッグの展開時でのピラーガーニッシュの破損を防止できる、としている。
特許文献2には、ルーフサイドレールとピラーガーニッシュとの境目に展開補助プレートが配置されたカーテンエアバッグの展開補助構造が記載されている。展開補助プレートは、エアバッグとピラーガーニッシュとの間で、非展開時のエアバッグに沿って配置され、エアバッグの展開挙動に伴って変形する。特許文献2では、変形した展開補助プレートが、ピラーガーニッシュを押し広げて、ピラーインナパネルとピラーガーニッシュの間に形成される隙間を広げることで、エアバッグの展開時でのピラーガーニッシュの破損を防止できる、としている。
特開2010−137753号公報 特開2008−239127号公報
しかし特許文献1、2に記載の技術は、ルーフサイドレールとピラーガーニッシュとの境目に補助部材を設け、補助部材自体でピラーガーニッシュの変形を調整するものに過ぎず、クッションの各部位の膨張展開のタイミングを考慮していない。
クッションにガスを供給するインフレータは、通常、車両前後方向にわたって収納されているクッションの中央またはそれよりも後方の位置からクッションにガスを供給する。したがって、膨張展開の初期には、通常、クッションのうち、ルーフサイドレールとカバーとの間に収納されている部位が、それよりも前側のフロントピラーとピラーガーニッシュとの間に収納されているクッション前端の部位よりも先に膨張展開する。すると、遅れて膨張するクッション前端の部位を収納しているピラーガーニッシュの例えば後端部が、先に膨張する部位によって割れたり欠けたりする現象が発生することがある。このような現象は、乗員の安全性を損なうことになり得るため、クッションの展開時にピラーガーニッシュの破損を防止する必要がある。
本発明は、このような課題に鑑み、クッションの膨張展開時に、ピラーガーニッシュが破損することを防止できるカーテンエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるカーテンエアバッグ装置の代表的な構成は、ガスを利用して車室内で車体側壁に沿って膨張展開するカーテンエアバッグ装置において、車両側方の窓を覆うように膨張展開する袋状のクッションと、クッションの上端部からガスを供給するインフレータとを備え、クッションは、クッション内部の上部に車両前後方向にわたって形成されインフレータからのガスを受けて膨張展開するダクトと、インフレータよりも車両前方側でダクトから下方に分岐し、ダクトからガスが流入して膨張するメインチャンバとを含み、ダクトは、ダクトがメインチャンバに分岐した箇所よりも車両前方側に位置するダクト前端部を有し、収納状態のクッションは、メインチャンバと少なくとも一部が重なる位置で巻き付けられる帯状の包囲部材であり、膨張展開時のダクトの車幅方向断面の外周長さ以上の長さを有する包囲部材をさらに備え、包囲部材は、膨張展開の初期において、ダクトを通ってメインチャンバに流入するガスのガス圧により切断可能な脆弱部を有することを特徴とする。
上記構成によれば、包囲部材は、収納された状態のクッションに、ダクトと連通して設けられたメインチャンバと少なくとも一部が重なる位置で巻き付けられている。包囲部材は、膨張展開時のダクトの車幅方向断面の外周長さ以上の長さを有するため、膨張展開の初期においてダクトの膨張展開を許容する。そのため、ガスは、膨張展開したダクトを通って、メインチャンバよりも前側に位置するダクト前端部に流れ込むことが可能である。ここでダクト前端部は、例えば車両のフロントピラーの車体側壁と、フロントピラーを覆うように車内側に取付けられるピラーガーニッシュとの間に収納されている。
一方、メインチャンバは、膨張展開の初期において、包囲部材が脆弱部により切断されるまでの間、ガスが流入し難くなり、膨張展開が抑制される。その結果、ピラーガーニッシュに収納されるダクト前端部が、メインチャンバよりも先に膨張展開し、ピラーガーニッシュを確実に押し開くことができる。すなわちピラーガーニッシュは、メインチャンバの膨張によって押し開かれることがない。その後、包囲部材の脆弱部がガス圧により切断されると、メインチャンバにガスが流入し、メインチャンバがダクト前端部に遅れて膨張展開する。したがって本発明によれば、ピラーガーニッシュの例えば後端部が、膨張展開するメインチャンバによって割れたり欠けたりする現象を防止できる。
上記のダクト前端部は、車両のフロントピラーの車体側壁とフロントピラーを覆うように車内側に取り付けられるピラーガーニッシュとの間に収納されるとよい。これにより、メインチャンバの膨張展開より先に生じるダクト前端部の膨張展開により、ピラーガーニッシュを押し開くことができる。
上記のメインチャンバは、ダクト前端部に遅れて膨張展開するとよい。これにより、膨張展開するダクト前端部がピラーガーニッシュを押し開いた後、メインチャンバが遅れて膨張展開することになる。このため、膨張展開するメインチャンバによってピラーガーニッシュが破損することがない。
上記の包囲部材は、布材で形成されていて、脆弱部は、収納形態のクッションの長手方向に沿って設けられた複数のスリットであるとよい。これにより、スリット同士の間隔を狭く、あるいはスリットの長さを長くすると、包囲部材が脆弱部によって切断されるタイミングを早めることができる。またスリット同士の間隔を広く、あるいはスリットの長さを短くすると、包囲部材が脆弱部によって切断されるタイミングを遅らせることができる。このように脆弱部としてスリットを採用することで、メインチャンバの膨張展開をどの程度遅らせるかを、容易に調整できる。
上記のクッションはさらに、収納状態のクッションを包囲する包囲部材に貼り付けられる貼付部材を備え、貼付部材は、包囲部材をクッションにたるみなく固定し、膨張展開の初期のガス圧で破断可能であるとよい。これにより、包囲部材にテープなどの貼付部材を貼り付けて折り畳むなどして、包囲部材をクッションの外周に巻き付けて固定できる。このため、包囲部材により包囲されたクッションを、車体側壁に車両前後方向にわたって容易に収納でき、作業性も損なわれない。また貼付部材は、膨張展開の初期のガス圧で破断可能であるので、クッションの展開挙動を阻害することもない。
上記のクッションは、メインチャンバの車両前方側に位置するフロントチャンバを備え、フロントチャンバの上部は、ダクト前端部と連通し、フロントチャンバの下部は、メインチャンバと連通しているとよい。これにより、フロントチャンバには、ダクトの膨張展開後、ダクト前端部からガスが流れ込み、多少は膨張するものの、さらに包囲部材の切断後、メインチャンバからもガスが流れ込むことで、十分に膨張展開できる。よってフロントチャンバは、メインチャンバよりも遅延して膨張展開するディレイチャンバとして機能できる。
上記のクッションのダクト前端部は、車両のフロントピラーの車体側壁と、フロントピラーを覆うように車内側に設けられるピラーガーニッシュとの間に収容可能な位置に設けられるとよい。このように、ダクト前端部は、ダクトがメインチャンバに分岐した箇所よりも車両前方側に位置し、車体側壁とピラーガーニッシュとの間に収納されている。一方、包囲部材は、メインチャンバと少なくとも一部が重なる位置で巻き付けられている。このため、包囲部材は、ダクト前端部よりも車両後方側に位置している。
本発明によれば、クッションの膨張展開時に、ピラーガーニッシュが破損することを防止できるカーテンエアバッグ装置を提供することができる。
本発明の実施形態におけるカーテンエアバッグ装置を例示する概略図である。 図1のクッションがロールされる前の状態を例示する図である。 図1のクッションの部位およびその断面を例示する図である。 図3の包囲部材を例示する図である。 図3のクッションの展開挙動を例示する断面図である。 図1のクッションの膨張展開に伴うピラーガーニッシュの状態を例示する図である。 図4の包囲部材の変形例を例示する図である。
100…カーテンエアバッグ装置、102…インフレータ、104…クッション、106…車両、108……前部座席、110…後部座席、112、114…サイドウィンドウ、116…フロントピラー、118…センタピラー、120…リアピラー、122…ルーフサイドレール、124…ピラーガーニッシュ、126…カバー、128…ピラーガーニッシュの後端部、130…クリップ、132…台座、134…クッションの一部、136…クッションの部位、138、138A、138B…包囲部材、140…タブ、142…ストラップ、144…ダクト、146…メインチャンバ、148…フロントチャンバ、149…ダクト前端部、150、152…シーム部、154、156…連通口、157…余り部、158a、158b…テープ、160…縫製ライン、162、162A、162B…スリット
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態におけるカーテンエアバッグ装置を例示する概略図である。図中では、カーテンエアバッグ装置の非展開時(収納時)を例示している。なお図中で例示するカーテンエアバッグ装置は、車両の右側面用のものであるが、図示を省略する左側面用のカーテンエアバッグ装置も同様の対称な構造を有する。
カーテンエアバッグ装置100は、ガス発生装置であるインフレータ102を備えている。カーテンエアバッグ装置100のクッション104は、側面衝突などの緊急時にインフレータ102から供給されるガスの圧力により膨張展開して乗員を拘束する。クッション104は、例えば、その表面を構成する基布を表裏で縫製したり、OPW(One−Piece Woven)を用いて紡織したりすることにより袋状に形成される。
車両106は、車両前方から前部座席108および後部座席110が配置された2列シートの車両である。車両106の側壁には、車両前方からサイドウィンドウ112、114が設置されている。各サイドウィンドウ112、114の車両前後方向には、ルーフ(天井)を支えるピラー(柱)が設けられている。これらのピラーは、車両106の前方からフロントピラー116、センタピラー118、リアピラー120と呼ばれる。
車両106は、フロントピラー116の車両後側に連続するルーフサイドレール122を有する。ルーフサイドレール122は、車両106の車両室内の側壁上部に位置していて、フロントピラー116とともに車体側壁を形成する。車両106はさらに、図中二点鎖線で示すピラーガーニッシュ124およびカバー126を有する。
ピラーガーニッシュ124は、フロントピラー116を車内側から覆う樹脂製の部材である。フロントピラー116とルーフサイドレール122との間には明確な境界は無いものの、本実施形態では、ピラーガーニッシュ124の後端部128を、便宜上、フロントピラー116とルーフサイドレール122との境目とする。またピラーガーニッシュ116は、車内側から挿入されるクリップ130(図6参照)が、フロントピラー116に設けられた台座132と嵌合するなどして、フロントピラー116に取付けられている。なおカバー126は、ルーフサイドレール122を車内側から覆っている。
カーテンエアバッグ装置100のクッション104は、車両前後方向の全体にわたって巻回(ロール)されたまたは折り畳まれた状態で収納されている。具体的には、クッション104の一部134は、フロントピラー116とピラーガーニッシュ124との間に収納されている。クッション104の一部134よりも車両後側となる部位136は、ルーフサイドレール122とカバー126との間に収納されている。
これらの限られた収納スペースに収納されたクッション104は、さらに複数のタブ140によって車室内の側壁上部に取り付けられている。なおフロントピラー116とピラーガーニッシュ124との間には、クッション104の一部134だけでなく、ストラップ142も収納されている。ストラップ142は、紐状の部材であって、先端部がフロントピラー116に取り付けられ、後端部がクッション104の一部134の前端に取り付けられている。なお袋状のクッション104は、車両側方のサイドウィンドウ112、114を覆うように膨張展開する。
図2は、図1のクッション104がロールされる前の状態を例示する図である。カーテンエアバッグ装置100はさらに、ダクト144と、メインチャンバ146と、フロントチャンバ148とを備える。ダクト144は、クッション104内部の上部あるいは上端部に車両前後方向にわたって形成されていて、インフレータ102からのガスを受けて膨張展開する。なおインフレータ102は、クッション104の上端部からガスを供給する。
メインチャンバ146は、インフレータ102よりも車両前方側でダクト144から下方に分岐し、ダクト144からガスが流入して膨張する。膨張したメインチャンバ146は、乗員を拘束する。メインチャンバ146は、図1で示したクッションの一部134よりも車両後側の部位136に含まれる。さらにクッション104の部位136には、メインチャンバ146だけでなく、メインチャンバ146の上側に位置するダクト144も含まれる。
メインチャンバ146よりも車両前方側では、フロントピラー116とピラーガーニッシュ124との間にクッション104の一部134が収納される。図2では図示の明確化のため、ダクト144のうち、クッション104の一部134に含まれている前端部(以下「ダクト前端部149」と称する)にハッチングを施している。図示のようにダクト前端部149は、ダクト144がメインチャンバ146に分岐した箇所より車両前方側に位置している。なおクッション104の一部134には、ダクト前端部149だけでなく、フロントチャンバ148も含まれる。
フロントチャンバ148は、メインチャンバ146の車両前方側に位置していて、ダクト前端部149とともに、フロントピラー116とピラーガーニッシュ124との間に収納される。これらダクト前端部149、メインチャンバ146およびフロントチャンバ148は、図示のようにシーム部150、152によって区画されている。シーム部150、152は、クッション104の表裏の基布を接合する等により形成される。フロントチャンバ148の上部は、クッション104の前端付近の連通口154にてダクト前端部149と連通している。またフロントチャンバ148の下部は、クッション104の下端付近の連通口156にてメインチャンバ146と連通している。
図3は、図1のクッション104の部位136およびその断面を例示する図である。図3(a)は、包囲部材138が巻き付けられたクッション104の部位136を拡大して示す図である。図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。ここでの断面は、クッション104の車幅方向断面を示している。
図3(b)に示すように、収納状態のクッション104の部位136を構成するメインチャンバ146と少なくとも一部が重なる位置に、帯状の包囲部材138が巻き付けられている。包囲部材138は、図3(b)に示すように、クッション104に巻き付けられた状態で余り部157を有し、その分、たるみがある。そのため、包囲部材138は、図3(a)に示す貼付部材であるテープ158a、158bが貼り付けられることで、余り部157が折り畳まれるなどして、クッション104にたるみなく固定される。
テープ158a、158bは、膨張展開前の包囲部材138をクッション104にたるみなく固定するものの、膨張展開の初期においてガス圧により容易に破断可能である脆弱なものであり、後述する包囲部材138およびクッション104の展開挙動を阻害することはない。
図4は、図3の包囲部材138を例示する図である。図4(a)は、収納状態のクッション104に巻き付けられる前の包囲部材138を示している。図4(b)は、図4(a)のB矢視図である。
包囲部材138は、例えば布材で形成されていて、その両端同士が縫製ライン160で示すように縫製されている。縫製された包囲部材138は、ロールされた状態のクッション104に通されて、クッション104の部位136を構成するメインチャンバ146と少なくとも一部が重なる位置で巻き付けられ、さらにテープ158a、158bによって固定される。
包囲部材138は、脆弱部としてのスリット162を有する。スリット162は、布材に所定間隔および所定長さで設けられていて、ダクト144を通ってメインチャンバ146に流入するガスのガス圧により切断可能である。
以下、クッション104の展開挙動について説明する。図5は、図3のクッション104の展開挙動を例示する断面図である。図5(a)は、図3(b)のA−A断面に後続するクッション104の膨張展開の初期の状態を示す断面図である。図5(b)は、図5(a)に後続する膨張展開の状態を示す断面図である。ここでの断面は、クッション104の車幅方向断面を示している。
膨張展開の初期では、インフレータ102から供給されるガスが、クッション104内部の上部に形成されたダクト144を通って車両前方に流れ込む。このため、まずダクト144が膨張展開しようとする。ここで包囲部材138は、図5(a)に示すように膨張展開時のダクト144の車幅方向断面の外周長さ以上の長さを有している。このため、クッション104の膨張展開の初期において、ダクト144は、包囲部材138に包囲されている状態であっても、十分に膨張展開できる。なお図3に示したテープ158a、158bは、ダクト144の膨張展開に伴って容易に破断する。
ダクト144を膨張させたガスは、まず、インフレータ102に近いメインチャンバ146に流れ込もうとする。しかしメインチャンバ146は、図5(a)に示すように膨張展開の初期において、包囲部材138に包囲されているため、ガスが流入し難くなり、膨張展開が抑制される。そのため、ガスは、膨張展開したダクト144を通って、メインチャンバ146よりも車両前方側に位置するフロントピラー116とピラーガーニッシュ124との間に収納されたクッション104の一部134(図2参照)、すなわちダクト前端部149に優先的に流れ込む。
続いて図5(b)に示すように、ガス圧が高くなると、ダクト144がさらに膨張して包囲部材138のスリット162が破断し包囲部材138が切断される。包囲部材138が切断されることで、ガスは、ダクト前端部149に遅れて、メインチャンバ146に流れ込む。つまり、メインチャンバ146は、包囲部材138がガス圧により切断されるまでの間、包囲部材138によって膨張展開が抑制され、膨張展開のタイミングが遅くなる。その結果、フロントピラー116とピラーガーニッシュ124との間に収納されるダクト前端部149が、メインチャンバ146よりも先に膨張展開する。
図6は、図1のクッション104の展開に伴うピラーガーニッシュ124の状態を例示する図である。なお図中では、図2と同様にピラーガーニッシュ124に収納されるダクト前端部149にハッチングを施している。
ダクト前端部149は、上記したように、メインチャンバ146よりも先に膨張展開する。このため、クッション104の一部134は、膨張展開することでクリップ130を台座132(図1参照)から引き抜いて、ピラーガーニッシュ124を確実に押し開くことができる。
メインチャンバ146は、包囲部材138がガス圧により切断された後、ダクト前端部149に遅れて膨張展開する。すなわち、ピラーガーニッシュ124は、メインチャンバ146の膨張によって押し開かれることがない。したがって本実施形態によれば、ピラーガーニッシュ124の例えば後端部128が、膨張展開するメインチャンバ146によって割れたり欠けたりする現象を防止でき、乗員の安全性を確保できる。
またフロントチャンバ148には、ダクト前端部149から連通口154を通ってガスが流れ込み、多少は膨張するものの、包囲部材138の切断後、連通口156を通ってメインチャンバ146からもガスが流れ込むことで、十分に膨張展開する。よって本実施形態によれば、フロントチャンバ148は、メインチャンバ146よりも遅延して膨張展開するディレイチャンバとして機能できる。
さらに本実施形態では、布製の包囲部材138を、ロールされたクッション104に通してテープ158a、158bを貼り付けて、クッション104にたるみなく固定する。このため、包囲部材138も含めたクッション104のサイズが大きくなることもない。またクッション104に包囲部材138を巻き付けて固定する際、治具なども必要ないため、作業性が向上する。
図7は、図4の包囲部材138の変形例を例示する図である。図7(a)に示す包囲部材138Aは、包囲部材138のスリット162に比べて、スリット162Aの数が少なく、スリット162A同士の間隔が広くなっている。このような包囲部材138Aは、包囲部材138に比べてガス圧によって切断され難くなり、膨張展開の初期において切断されるタイミングを遅らせることができる。つまり、包囲部材134Aによれば、メインチャンバ146の膨張展開をより遅らせることができる。
図7(b)に示す包囲部材138Bは、包囲部材138のスリット162に比べて、スリット162Bの長さが長く、スリット162B同士の間隔が狭くなっている。このような包囲部材138Bは、包囲部材138に比べてガス圧によって切断され易く、膨張展開の初期において切断されるタイミングを早めることができる。つまり、包囲部材134Bによれば、包囲部材134を用いる場合に比べて、メインチャンバ146の膨張展開のタイミングを早めることができる。
このように包囲部材134、134A、134Bの脆弱部としてスリット162、162A、162Bを採用することで、メインチャンバ146の膨張展開をどの程度遅らせるかを、容易に調整できる。ただし、メインチャンバ146の膨張展開のタイミングは、スリット162、162A、162Bに限らず、包囲部材134、134A、134Bの材質や幅を変更することで適宜調整してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態においては本発明にかかるカーテンエアバッグを自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側壁に沿って膨張展開するクッションを備えたカーテンエアバッグ装置に利用することができる。

Claims (7)

  1. ガスを利用して車室内で車体側壁に沿って膨張展開するカーテンエアバッグ装置において、
    車両側方の窓を覆うように膨張展開する袋状のクッションと、
    前記クッションの上端部からガスを供給するインフレータとを備え、
    前記クッションは、
    前記クッション内部の上部に車両前後方向にわたって形成され前記インフレータからのガスを受けて膨張展開するダクトと、
    前記インフレータよりも車両前方側で前記ダクトから下方に分岐し、該ダクトからガスが流入して膨張するメインチャンバとを含み、
    前記ダクトは、該ダクトが前記メインチャンバに分岐した箇所よりも車両前方側に位置するダクト前端部を有し、
    収納形態の前記クッションは、前記メインチャンバと少なくとも一部が重なる位置で巻き付けられる帯状の包囲部材であり、前記クッションに巻き付けられた状態で余り部を有し、膨張展開時の前記ダクトの車幅方向断面の外周長さ以上の長さを有する包囲部材をさらに備え、
    前記メインチャンバは、膨張展開の初期において、前記包囲部材によって包囲されることで膨張展開が抑制され、前記ガスが前記ダクト前端部に優先的に流れ込み、
    前記包囲部材は、前記クッションの膨張展開の初期の後に前記ダクトを通って前記メインチャンバに流入するガスのガス圧により切断可能な脆弱部を有することを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  2. 前記ダクト前端部は、車両のフロントピラーの車体側壁と該フロントピラーを覆うように車内側に取り付けられるピラーガーニッシュとの間に収納されることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ装置。
  3. 前記メインチャンバは、前記ダクト前端部に遅れて膨張展開することを特徴とする請求項2に記載のカーテンエアバッグ装置。
  4. 前記包囲部材は、布材で形成されていて、
    前記脆弱部は、前記収納形態の前記クッションの長手方向に沿って設けられた複数のスリットであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ装置。
  5. 前記クッションはさらに、前記収納形態の前記クッションを包囲する前記包囲部材に貼り付けられる貼付部材を備え、
    前記貼付部材は、前記包囲部材を前記クッションにたるみなく固定し、膨張展開の初期のガス圧で破断可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ装置。
  6. 前記クッションは、前記メインチャンバの車両前方側に位置するフロントチャンバを備え、
    前記フロントチャンバの上部は、前記ダクト前端部と連通し、該フロントチャンバの下部は、前記メインチャンバと連通していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ装置。
  7. 前記クッションの前記ダクト前端部は、車両のフロントピラーの車体側壁と、該フロントピラーを覆うように車内側に設けられるピラーガーニッシュとの間に収容可能な位置に設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ装置。
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