JP5824584B2 - カーテンエアバッグ - Google Patents

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Description

本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグに関するものである。
近年、車両には高い安全性が求められている。この傾向は世界各国に共通していて、現在では世界各国でエアバッグが車両の安全装置としてほぼ標準装備されている。そして、車両開発に関係する事業者ではさらなる安全性向上が重要な開発テーマとして掲げられていて、これに伴って日々新たなエアバッグが開発されている。
カーテンエアバッグは、ドア上方に設置されていて、衝撃発生時に車両のサイドウィンドウに沿って膨張展開して乗員の保護を行うエアバッグである。通常のカーテンエアバッグは、膨張展開した際の圧力持続時間がフロントエアバッグ等よりも長くなっている。側面衝突に続いてロールオーバが発生した場合などは衝撃が発生し得る時間が長いからである。このように、カーテンエアバッグはロールオーバ時にまで膨張状態を維持することで、乗員を拘束して車外放出防止を図っている。
膨張したカーテンエアバッグに乗員が衝突すると、カーテンエアバッグは車外側に凸にたわむように変形する。これに伴い、カーテンエアバッグからの荷重が乗員に作用し、乗員への傷害値が高くなる可能性がある。近年のカーテンエアバッグには、このようなカーテンエアバッグ自体による乗員への加害性の低減が強く求められている。
特許文献1には、膨張領域となるエアバッグ袋体(クッション部)の車内側に、別体の展開誘導布を取り付けた頭部保護エアバッグ装置(カーテンエアバッグ)が記載されている。展開誘導布は、上端がクッション部とともにルーフサイドレールに固定されていて、折り畳まれたクッション部の外周を車内方向から袋状に包んでいる。
展開誘導布は、クッション部の外周を袋状に包んだ後、下方から上方へ折り返され、クッション部とレールインナパネルとの間でロール状に折り畳まれて挟持されている。特許文献1では、かかる展開誘導布がクッション部の膨張力により、クッション部より先に展開し、クッション部と乗員頭部との間に介在することで、クッション部による乗員頭部の保護性能を向上させるとしている。
特開2000−62562号公報
しかし、特許文献1に記載のカーテンエアバッグの展開誘導布は、折り畳まれたクッション部の周囲を袋状に覆うカバーとなっている。展開誘導布は、その下端がクッション部とレールインナパネルとの間でロール状に折り畳まれて収納されている。かかる状態で収納された展開誘導布は、都合よくほどけずに、クッション部の展開挙動そのものを阻害し、かえって乗員頭部の保護性能を損なう場合がある。また、予定通り展開誘導布がほどけても、この布のある部分の展開が他の部分よりも相対的に遅れて開くことは物理的に当然のことである。したがって、特許文献1に記載のカーテンエアバッグでは、ファーストインパクトに対する乗員保護性能を十分に満足するものを得ることは難しい。
本発明は、このような課題に鑑み、クッション部の膨張展開を阻害することなく、乗員の傷害値を低減できるカーテンエアバッグを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるカーテンエアバッグの代表的な構成は、車両室内の側面部上方に収納されて側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグにおいて、袋状のクッション部であり、ガスを利用して膨張展開するチャンバ部と、膨張展開時にチャンバ部の上側に位置する上縁部とを有するクッション部と、膨張展開時にチャンバ部の車内側に位置するクッション部とは別体の保護布であり、クッション部の上縁部またはその近傍に保護布の上端部が接合される保護布とを備え、保護布は、クッション部の車内側の表面に沿った状態でクッション部とともに折り畳まれていることを特徴とする。
上記構成によれば、保護布がクッション部とともに折り畳まれているので、保護布は、クッション部と同時に確実に展開し、クッション部の膨張展開を阻害することがない。よって、クッション部は、ファーストインパクトの展開スピードが保護布によって阻害されることもなく、ディレーチャンバがある場合にはその部分を除いて、全体が均一に展開する。保護布は、クッション部とは別体の布であり、膨張展開時にチャンバ部の車内側に位置し、チャンバ部と乗員との間に介在することになる。このため、側突時など乗員が正常な着座位置から外れた位置にある、いわゆるOOP(out of position)時に、乗員が保護布に接触し、さらに保護布がチャンバ部に接触する。
さらに、保護布は、上端部がクッション部に接合されている。このため、保護布は、例えば下端部などはクッション部から離間可能とするなど、クッション部に対して部分的に接合してよい。このようにすれば、保護布は、OOP時にチャンバ部および乗員に対してそれぞれの接触箇所で滑るように動いて位置がずれる。その結果、保護布によって、乗員とクッション部との間の摩擦が緩和されることになり、乗員の傷害値を低減できる。
上記の保護布の一部分は、収納状態に折り畳まれたクッション部の間に挟み込まれているとよい。これにより、保護布の一部分は、折り畳まれたクッション部が膨張展開するとき同時に展開し、クッション部の膨張展開を阻害しない。
上記の保護布の少なくとも車内側表面は、非コーティング面であるとよい。なお保護布の車内側表面は、乗員に接する側となる。また、非コーティング面とは、シリコン等のコーティングが施されていない面である。これにより、乗員と保護布との接触抵抗がより小さくなり、保護布のよりスムーズな展開が可能となり、OOP時の乗員への傷害値を確実に低減できる。なお保護布の両面が非コーティング面であれば、さらにスムーズな展開を実現できるので、より好ましい。
上記の保護布の上端部は、非膨張部であるとよい。言い換えると、保護布の上端部がクッション部の上縁部またはその近傍の非膨張部で接合されている。このため、クッション部の膨張展開時、クッション部に対する保護布の位置が安定する。よって、保護布は、膨張展開時にチャンバ部の車内側の所定範囲を確実に覆うことが可能となる。なお所定範囲とは、クッション部の膨張展開時に乗員との接触が想定される範囲をいう。
保護布の上端部以外の部分は、クッション部に対して非接合部であるとよい。これにより、保護布は、上端部のみがクッション部に接合され、それ以外の部分がクッション部から離間可能となる。このため、保護布は、OOP時にチャンバ部および乗員に対してそれぞれの接触箇所で滑り易くなり、その結果、乗員とクッション部との間の摩擦が緩和される。したがって、保護布によって乗員の傷害値を確実に低減できる。
保護布の上端部の接合は、タブと同時縫製によって形成されるとよい。これにより、保護布の上端部だけでなく、上端部が接合されるクッション部の上縁部またはその近傍もタブとともに縫製することができる。そしてクッション部および保護布は、例えばルーフサイドレールに固定されるブラケットなどにタブを介して取付可能となる。
上記の保護布の下端部は、クッション部の膨張展開時に、チャンバ部の下端近傍に位置するとよい。このようにすれば、保護布は、上端部から下端部に至る範囲でチャンバ部の車内側のほぼ全面を覆うことができる。このため、クッション部が乗員に向かって展開した際に、チャンバ部と乗員との間に保護布が確実に介在し、より確実に乗員の傷害値を低減できる。
上記の保護布は、クッション部とともにロール状に折り畳まれているとよい。これにより、クッション部が膨張展開するときの抵抗が小さくなる。よって、クッション部のうち保護布の位置する部分の展開が、クッション部の他の部分の展開よりも遅くなることがなくなる。このため、クッション部は、ディレーチャンバがある場合は、その部分を除き、クッション部の全体がほぼ同一のタイミングでよりスムーズに展開可能となる。
本発明によれば、クッション部の膨張展開を阻害することなく、乗員の傷害値を低減できるカーテンエアバッグを提供することができる。
本発明の実施形態におけるカーテンエアバッグを例示する概略図である。 図1のカーテンエアバッグの展開状態を示す図である。 図2のカーテンエアバッグの概略断面図である。 図3(c)の膨張展開時でのカーテンエアバッグに乗員が接触した状態を示す図である。 図4の乗員が接触した状態のカーテンエアバッグを車両の一部とともに示す概略的な上面図である。 図1のカーテンエアバッグと保護布のない比較例とにおけるNij波形を例示するグラフである。 本発明の他の実施形態におけるカーテンエアバッグを例示する概略図である。
100、100A…カーテンエアバッグ、102…車両、104…インフレータ、106…クッション部、108…ルーフサイドレール、110…前部座席、112…後部座席、114、116…サイドウィンドウ、118…フロントピラー、120…センタピラー、122…リアピラー、124…ストラップ、126…ブラケット、126a…スリット、126b…孔部、128…シーム部、130…チャンバ、132、132A…保護布、134…上端部、136…上縁部、138…縫製ライン、140、140A…下端部、142…タブ、144…ボルト、146…ナット、148…ダミー、150、152…接触箇所
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態におけるカーテンエアバッグを例示する概略図である。図1(a)、図1(b)は、カーテンエアバッグの非展開時、展開時をそれぞれ例示している。以下、カーテンエアバッグ100は、車両102の右側面用のものであるが、図示を省略する左側面用のカーテンエアバッグも同様の対称な構造を有する。
カーテンエアバッグ100は、図示のように、ガス発生装置であるインフレータ104を備えている。カーテンエアバッグ100は、インフレータ104から供給されるガスの圧力によって、図1(b)に示すようにクッション部106が膨張展開し、乗員を拘束する。
カーテンエアバッグ100は、図1(a)に示すように巻回された状態(または折り畳まれた状態)で、車両室内の側面部上方の仮想線で示すルーフサイドレール108に取り付けられて収納されている。カーテンエアバッグ100のクッション部106は、例えば、その表面を構成する基布を表裏で縫製したり、OPW(One-Piece Woven)を用いて紡織したりすることにより袋状に形成される。
車両102は、図1に示すように、車両前方から前部座席110および後部座席112が配置された2列シートの車両である。車両102の側面部には、図1(a)に示すように、車両前方からサイドウィンドウ114、116が設置されている。各サイドウィンドウの車両前後方向には、ルーフ(天井)を支えるピラー(柱)が設けられている。これらのピラーは、車両102の前方からフロントピラー118、センタピラー120、リアピラー122と呼ばれる。
クッション部106には、図1(a)に示すように、紐状の部材であるストラップ124が取付けられている。ストラップ124は、図1(b)に示すように、前端がフロントピラー118に取り付けられ、後端がクッション部106の前端部に取り付けられている。なおクッション部106は、図1(a)および図1(b)で概略的に示す複数(ここでは、7つ)のブラケット126を介して、上記ルーフサイドレール108に固定される。
図2は、図1のカーテンエアバッグ100の展開状態を示す図である。クッション部106は、ガスの流れやすさ等を考慮して、例えばシーム部128などにより膨張領域となる複数の小部屋(チャンバ)に区画されている。シーム部128は、非膨張領域であり、例えばクッション部106の表裏の基布を接合する等により形成されている。チャンバ130は、乗員との接触が想定される位置にあり、その車内側には図示のように、クッション部106とは別体の布(以下、保護布132)が取付けられている。
図3は、図2のカーテンエアバッグ100の概略断面図である。図3(a)は、図2のカーテンエアバッグ100の収納状態を示す断面図である。図中、矢印X、Yは、車内側、車外側をそれぞれ示している。図3(b)は、図2のカーテンエアバッグ100が収納状態から展開状態に移行する途中の状態を示す断面図である。図3(c)は、図2のカーテンエアバッグ100の展開状態を示すA−A断面図である。なお、これらの断面図は、カーテンエアバッグ100の長手方向に直交する方向に沿った断面を示している。ここで長手方向とは、図1に示す車両102にカーテンエアバッグ100が取付けられた状態では車両前後方向に相当する。
保護布132は、図2および図3に示すように、その上端部134がクッション部106の上縁部136あるいはその近傍に縫製ライン138で示されるように縫製されている。なお、縫製は例示に過ぎず、接着などの他の方法を適用して接合してもよい。保護布132は、クッション部106の車内側に部分的に取付けられていて、例えば下端部140など上端部134以外の部分がクッション部106に縫製されていない。クッション部106の上縁部134は、図2に示すように膨張展開時にチャンバ130上側に位置している。また、上縁部134の近傍は、図2に示すように、縫製ライン138によって表裏の基布が縫製された非膨張領域である。
また上記ブラケット126は、金属製の部材であって、図3に示すようにスリット126aと孔部126bとが形成されている。スリット126aには、タブ142が通されて折り返された状態となっている。タブ142は、上記縫製ライン138で示されるようにクッション部106および保護布132とともに同時縫製されている。これにより、クッション部106および保護布132は、タブ124を介してブラケット126に取付けられる。
ブラケット126の孔部126bには、図3に示すように、車内側からボルト144が挿通される。ボルト144は、さらにルーフサイドレール108に挿通され、ナット146と締結される。このようにして、ブラケット126は、ルーフサイドレール108に固定される。
以下、クッション部106および保護布132の非展開時での収納状態、膨張展開時での展開状態について説明する。まず、保護布132は、図3(a)に示すように、クッション部106の非展開時に、クッション部106の車内側に位置する基布106aの表面に沿った状態で、クッション部106とともにロール状に折り畳まれている。このため、保護布132の一部分は、図3(a)に示す収納状態で折り畳まれたクッション部106の間に挟み込まれている。
続いて、車両102に側面衝突などが発生しクッション部106がガスを利用して展開を開始すると、保護布132は、上記収納状態でクッション部106とともに折り畳まれているので、図3(b)に示すように、クッション部106と同時に展開を開始する。特に、保護布132は、クッション部106とともにロール状に折り畳まれていることから、クッション部106が膨張展開するときの抵抗が小さくなる。よって、クッション部106のうち保護布132の位置する部分の展開が、クッション部106の他の部分の展開よりも遅くなることがない。つまり、保護布132は、クッション部106の膨張展開を阻害しない。このため、クッション部106は、保護布132が取り付けられていても、全体がほぼ同一のタイミングでよりスムーズに展開可能となる。ただし、クッション部106にディレーチャンバがある場合は、その部分だけは展開のタイミングが遅くなる。なお、ディレーチャンバとは、いわゆるメインチャンバに続いてその後に膨張する領域である。
さらに、保護布132は、上端部134のみクッション部106に取付けられているので、クッション部106が膨張展開すると、図3(c)に示すように下端部140など上端部134以外の部分がクッション部106から離間可能となる。
また、保護布132は、例えば図3(c)に示すクッション部106の膨張展開時に、下端部140がチャンバ130の下端に至る途中まで位置している。このため、保護布132は、上端部134から下端部140に至る範囲でチャンバ130の車内側を確実に覆うことができる。
つぎに、図4および図5を参照して、側突時など乗員が正常な着座位置から外れた位置にあるOOP(out of position)時での、カーテンエアバッグ100の挙動について説明する。図4は、図3(c)の膨張展開時でのカーテンエアバッグ100に乗員が接触した状態を示す図である。図5は、図4の乗員が接触した状態のカーテンエアバッグ100を車両102の一部とともに示す概略的な上面図である。図中では、乗員を模したダミー148を示している。
カーテンエアバッグ100は、側突時などに、図4および図5に示すようにダミー148が膨張展開したクッション部106のチャンバ130に向かって車外側に移動し、保護布132に接触する。さらに、保護布132は、チャンバ130とダミー148との間に介在しているので、ダミー148だけでなく、チャンバ130にも接触する。
保護布132は、上記したように上端部134のみがクッション部106に縫製され、下端部140などはクッション部106から離間可能となっていることから、チャンバ130およびダミー148に対して滑るようにして動く。
一例として、保護布132は、チャンバ130との接触箇所150で図4に示す車両上下方向の矢印Bや、図5に示す車両前後方向の矢印Cに沿って、チャンバ130に対して滑るように動く場合が考えられる。接触箇所150は、クッション部106の車内側の基布106aと保護布132との接触で形成される領域であり、側突時の状況に応じてその位置や範囲などは適宜変化することになる。
また、保護布132は、ダミー148との接触箇所152で図4に示す車両上下方向の矢印Dや、図5に示す車両前後方向の矢印Eに沿って、ダミー148に対して滑るように動く場合が考えられる。接触箇所152は、車外側に移動したダミー148と保護布132との接触で形成される領域であり、側突時の状況に応じてその位置や範囲などは適宜変化する。さらに、保護布132がチャンバ130およびダミー148に対して接触箇所150、152で滑る方向は、車両上下方向あるいは車両前後方向に限られず、側突時の状況に応じて他の方向に移動することもあり得る。
このように、カーテンエアバッグ100では、OOP時に膨張展開したクッション部106とダミー148との間に介在する保護布132が、クッション部106およびダミー148に対して滑ることで、クッション部106とダミー148との間の摩擦が緩和される。その結果、カーテンエアバッグ100では、乗員への傷害値を低減できる。
なお保護布132は、例えばクッション部106を形成する基布と同一材質で形成してもよく、クッション部106および乗員に対してOOP時に滑ることが可能であれば、ナイロンやポリエステルなど適宜の材質で形成してもよい。保護布132の乗員に接する側(車内側)の表面は、非コーティング面となっている。なお、少なくとも乗員に接する側が非コーティング面であれば良いが、両面とも非コーティング面であっても良い。通常カーテンエアバッグには、展開後の内圧保持のために、エアバッグの内側または外側にシリコン樹脂などによりコーティングが施されている。例えば、OPW(One-Piece Woven)により紡織されたカーテンエアバッグでは、特に、バッグの内側にシリコンコーティングを施すことができず、バッグの外側がシリコンコーティングされている。このように、カーテンエアバッグ自体の表面がシリコンコーティングされていると、表面が粘着質となり、乗員と布の表面の間の摩擦力が増大する。保護布132の表面を非コーティング面とすることは、この摩擦力を低減する上で有効である。また、保護布132は、滑り易さを考慮して、繊維からなる糸の太さや織り方など適宜選択可能である。
図6は、図1のカーテンエアバッグ100と保護布132のない比較例におけるNij波形を例示するグラフである。なおNijとは、首傷害値(Neck Injury)をいう。図中横軸を時間(msec)、縦軸を首傷害値とした。図中、グラフF、Gは、NCE(Neck compression/extension)に関して得られたNij波形である。
実線で示すグラフFは、本実施形態のカーテンエアバッグ100のように保護布132をクッション部106に部分的に取付けた場合での首傷害値の推移を示している。一方、点線で示すグラフGは、保護布132を取付けていない比較例のカーテンエアバッグでの首傷害値の推移を示している。
グラフFは、図示のように、全体的にグラフGよりも首傷害値が小さくなっている。具体的には、グラフF上の点Hは、(32.3、0.71)に位置し、より詳しくは首傷害値が71.40%であった。一方、比較例のグラフG上の点Iは、(43.2、0.88)に位置し、より詳しくは首傷害値が88.48%となった。つまり、本実施形態のカーテンエアバッグ100では、比較例に比べて、首傷害値が17.08%も低減されている。
このように、本実施形態のカーテンエアバッグ100では、OOP時に膨張展開したクッション部106とダミー148との間に上記保護布132が介在し、クッション部106およびダミー148に対して保護布132が滑ることで、乗員への傷害値を低減できることが明らかとなった。
また、保護布132の一部分は、図3(a)に示すように収納状態で折り畳まれたクッション部106の間に挟み込まれているので、折り畳まれたクッション部106が膨張展開するとき同時に確実に展開し、クッション部106の膨張展開を阻害しない。このため、クッション部106は、保護布132によってファーストインパクトの展開スピードが阻害されることもなく、ディレーチャンバがある場合にはその部分を除く全体が均一に展開する。なお、ファーストインパクトとは、車両に側面衝突が生じて、乗員が車室側面に衝突する第1段の衝撃をいう。
また、保護布132の上端部134は、クッション部106の上縁部136またはその近傍の非膨張領域で接合されている。このため、クッション部106の膨張展開時に、クッション部106に対する保護布132の位置が安定する。よって、保護布132は、膨張展開時にチャンバ130の車内側の所定範囲を確実に覆うことが可能となる。
また、保護布132の乗員に接する側の表面は、非コーティング面となっている。このため、乗員と保護布132との接触抵抗(摩擦力)がより小さくなり、保護布132のよりスムーズな展開を可能とし、OOP時の乗員への傷害値を確実に低減できる。なお保護布132は、片面のみを非コーティング面としたが、これに限られず、両面を非コーティング面とすれば、さらにスムーズな展開を実現できる。
さらに、保護布132の上端部134の接合は、タブ142と同時縫製によって形成され、また、上端部134が接合されるクッション部106の上縁部136またはその近傍もタブ142とともに縫製されている。このため、クッション部106および保護布132は、上記ルーフサイドレール108に固定されるブラケット126などにタブ142を介して取付可能となる。
図7は、本発明の他の実施形態におけるカーテンエアバッグ100Aを例示する概略図である。カーテンエアバッグ100Aは、保護布132Aの上下方向の長さが上記保護布132よりも長い点で、上記カーテンエアバッグ100と異なる。
保護布132Aでは、下端部140Aが図示のようにチャンバ130の下端近傍に位置している。このため、保護布132Aは、上端部134から下端部140Aに至る範囲でチャンバ130の車内側のほぼ全面を覆うことができる。したがって、カーテンエアバッグ100Aでは、OOP時にチャンバ130と乗員との間に保護布132Aが確実に介在し、より確実に乗員の傷害値を低減できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態においては本発明にかかるカーテンエアバッグを自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグに利用することができる。

Claims (8)

  1. 車両室内の側面部上方に収納されて該側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグにおいて、
    袋状のクッション部であり、ガスを利用して膨張展開するチャンバ部と、膨張展開時に該チャンバ部の上側に位置する上縁部とを有するクッション部と、
    膨張展開時に前記チャンバ部の車内側に位置する前記クッション部とは別体の保護布であり、前記クッション部の前記上縁部またはその近傍に前記保護布の上端部が接合される保護布とを備え、
    前記保護布は、該クッション部の車内側の表面に沿った状態で該クッション部とともに折り畳まれていることを特徴とするカーテンエアバッグ。
  2. 前記保護布の一部分は、収納状態に折り畳まれた前記クッション部の間に挟み込まれていることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ。
  3. 前記保護布の少なくとも車内側表面は、非コーティング面であることを特徴とする請求項1または2に記載のカーテンエアバッグ。
  4. 前記保護布の前記上端部は、非膨張部であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  5. 前記保護布の前記上端部以外の部分は、前記クッション部に対して非接合部であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  6. 前記保護布の前記上端部の接合は、タブの接合部と同一の縫製糸を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  7. 前記保護布の下端部は、前記クッション部の膨張展開時に、前記チャンバ部の下端近傍に位置することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  8. 前記保護布は、前記クッション部とともにロール状に折り畳まれていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
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