JP6764565B2 - 動力伝達チェーン - Google Patents

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Description

本発明は動力伝達チェーンに関する。
チェーン式無断変速機のチェーンとして、クレードルピン(動力伝達ピン)に固定されて端部リンクプレート(最外側のリンクプレート)に係止するリテーナピンを用いて、クレードルピンからの端部リンクプレートの抜脱が防止されている(例えば特許文献1を参照)。
特許文献1では、リテーナピンの耐久性を向上する目的で、端部リンクプレートの径方向内端に、軸方向外側に突出する突起部が設けられている。具体的には、端部リンクプレートがクレードルピンに対して軸方向外側へ移動するときに、突起部がプーリ面と先に接触することで、端部リンクプレートがリテーナピンと接触することが回避されている。
2015−129566号公報
一方、特許文献1のようなリテーナピンを用いないで、リンク(プレート)を動力伝達ピンに圧入保持する動力伝達チェーンがある。その場合、圧入保持により十分な保持力が得られていても、万一、圧入保持が緩んだ場合に、動力伝達ピンからのリンクの抜けを抑制するフェールセーフ構造が要望されている。
本発明の目的は、ピンからのリンクの抜けを抑制するフェールセーフ効果の高い動力伝達チェーンを提供することである。
請求項1の発明は、相対向する一対のシーブ面(72a,73a;82a,83a)をそれぞれ有する一対のプーリ(70,80)間に巻き掛けられ、前記シーブ面に接触して動力を伝達する無端状の動力伝達チェーン(1)であって、チェーン進行方向(X)に並ぶ一対の貫通孔(5,6)をそれぞれ含み、前記チェーン進行方向および前記チェーン進行方向と直交するチェーン幅方向(W)に並ぶ複数のリンク(2)と、前記チェーン幅方向に延びて各前記リンクの前記一対の貫通孔に挿通され、前記複数のリンクを相互に連結するピン(3,4)と、を備え、前記複数のリンクは、前記チェーン幅方向の最も外側に配置され、前記チェーン幅方向に関して前記ピンの正規位置に圧入保持される最外側リンク(22;22P)を含み、前記最外側リンクは、前記チェーン幅方向の外側へ突出し、前記チェーン進行方向に離隔し、且つ弾性舌片で形成される複数の突起(30,40;50,60)を含み、前記突起は、前記最外側リンクが前記ピンの前記正規位置から前記チェーン幅方向の外側へずれた状態で、前記一対のシーブ面間に進入するときに、対応するシーブ面と当接して前記最外側リンクを前記正規位置側へ押し戻すカム面(36,46;53,63)をそれぞれみ、前記複数の突起は、それぞれ当該突起の先端部側に向かうにしたがって前記チェーン進行方向の反対側に変位する前記カム面としての傾斜面を含む動力伝達チェーン(1)を提供する。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2のように、前記複数の突起は、前記最外側リンクに接続された基端部と、先端部と、前記基端部から延びる第1片部と、前記先端部から延びる第2片部と、前記第1片部と前記第2片部とを屈曲状に接続する屈曲部と、を有し、前記カム面は、前記第2片部の外面によって形成されていてもよい。
求項のように、前記弾性舌片は、弾性変形可能な屈曲部(35,45)または湾曲部を含んでいてもよい。
請求項1の発明では、万一、最外側リンクの圧入保持が緩んでピンの正規位置からチェーン幅方向の外側へずれても、その状態で、当該動力伝達チェーンが一対のシーブ面間に進入するときに、最外側リンクの突起のカム面が、対応するシーブ面と当接して、最外側リンクを正規位置側へ押し戻す。特に、突起が弾性舌片で形成されるので、シーブ面と衝突するときに、弾性舌片が弾性変形される。このため、カム面である傾斜面の働きに付加して、弾性舌片の弾性復元力で、最外側リンクが、正規位置側へ押し戻される。このため、フェールセーフ効果が高い
求項の発明では、弾性舌片の屈曲部または湾曲部の弾性変形を用いて、最外側リンクが、正規位置側へ押し戻される。
本発明の第1実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機の要部構成を模式的に示す斜視図である。 図1のドライブプーリ(ドリブンプーリ)および動力伝達チェーンの部分的な拡大断面図である。 第1実施形態の動力伝達チェーンの要部の断面図である。 図3のIV−IV断面図であり、リンクおよび各ピンの断面を示している。 第1実施形態において、最外側リンクの概略正面図である。 第1実施形態において、圧入保持が緩んだ最外側リンクがシーブ面と接触する状態を示す模式図である。 (a)は本発明の第2実施形態において、最外側リンクの正面図であり、(b)はチェーン外径側の大突起の正面図であり,(c)はチェーン内径側の小突起の正面図である。 第2実施形態において、通常時の最外側リンクとシーブ面との関係を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機(以下では、単に無段変速機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、無段変速機100は、第1プーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ70と、第2プーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ80と、両プーリ70,80間に巻き掛けられた無端状の動力伝達チェーン1とを備えている。無段変速機100は、自動車等の車両に搭載される。なお、図1中の動力伝達チェーン1は、理解を容易にするために一部断面を示してある。
図2は、図1のドライブプーリ70(ドリブンプーリ80)およびチェーン1の部分的な拡大断面図である。図1および図2に示すように、ドライブプーリ70は、車両の駆動源に動力伝達可能に連なる入力軸71に取り付けられる。ドライブプーリ70は、固定シーブ72と可動シーブ73とを備えている。
固定シーブ72および可動シーブ73は、入力軸71の軸方向に対向する一対のシーブ面72a,73aをそれぞれ有している。一対のシーブ面72a,73aは、互いに逆向きに傾斜する円錐面状の傾斜面を含む。一対のシーブ面72a,73a間に、動力伝達チェーン1が嵌まる断面V字形形状の溝が区画される。動力伝達チェーン1は、一対のシーブ面72a,73aによって強圧に挟まれる。
可動シーブ73には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されている。変速時に、入力軸71の軸方向(図2の左右方向)に可動シーブ73を移動させることにより、溝幅が変化される。それにより、入力軸71の径方向(図2の上下方向)に動力伝達チェーン1が移動され、ドライブプーリ70に対する動力伝達チェーン1の巻き掛け半径(有効半径)が変化される。
一方、ドリブンプーリ80は、図1および図2に示すように、駆動輪( 図示せず)に動力伝達可能に連なる出力軸81に一体回転可能に取り付けられている。ドリブンプーリ80は、固定シーブ82と可動シーブ83とを備えている。固定シーブ82および可動シーブ83は、出力軸81の軸方向に対向する一対のシーブ面82a,83aをそれぞれ有している。一対のシーブ面82a,83a間に、動力伝達チェーン1が嵌まる断面V字形形状の溝が区画される。動力伝達チェーン1は、一対のシーブ面82a,83aによって強圧に挟まれる。
ドリブンプーリ80の可動シーブ83には、ドライブプーリ70の可動シーブ73と同様に油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されている。変速時に、この可動シーブ83を移動されて溝幅が変化される。その結果、動力伝達チェーン1が、出力軸81の径方向に移動されて、ドリブンプーリ80に対するチェーン1の巻き掛け半径が変化される。
図3は、動力伝達チェーン1の要部の断面図である。動力伝達チェーン1のチェーン進行方向に沿う方向を「チェーン進行方向X」と言い、チェーン進行方向Xと直交し、且つ動力伝達チェーン1の幅方向に沿う方向を「チェーン幅方向W」と意う。
図2に示すように、チェーン進行方向X(図2において紙面と直交する方向)およびチェーン幅方向Wの双方に直交する方向を「直交方向V」と言う。直交方向Vの一方がチェーン内径側V1となり、直交方向Vの他方がチェーン外径側V2となる。
図3に示すように、動力伝達チェーン1は、チェーン進行方向Xおよびチェーン幅方向Wに並ぶ複数のリンク2と、これらのリンク2を屈曲可能に連結しチェーン幅方向Wに延びる第1連結部材11および第2連結部材12とを備えている。
図4は、図3のIV−IV断面図である。図4に示すように、各リンク2は、概ね矩形状に形成された例えば鋼製の板状の部材からなる。各リンク2は、チェーン進行方向Xに並ぶ第1貫通孔5および第2貫通孔6を形成している。第1貫通孔5は、第2貫通孔6よりもチェーン進行方向X側に配置されている。
各リンク2は、両貫通孔5,6をチェーン進行方向Xの前後に挟んで配置された第1外柱7および第2外柱8と、第1貫通孔5および第2貫通孔6間を仕切る中間柱9とを含む。第1外柱7は、第2外柱8よりもチェーン進行方向X側に配置されている。
第1連結部材11は、第1貫通孔5に挿通されている。第2連結部材12は、第2貫通孔6に挿通されている。第1連結部材11および第2連結部材12のそれぞれは、対をなす第1ピン3および第2ピン4を含んでいる。
図3に示すように、各連結部材11,12の第1ピン3および第2ピン4は、第2ピン4が前側(チェーン進行方向X側)に配置され、第1ピン3が後側(チェーン進行方向Xの反対側XB)に配置された状態で、互いに対向している。これら第1ピン3および第2ピン4は、対応するリンク2同士の屈曲に伴い互いに転がり摺動接触する。転がり摺動接触とは、転がり接触およびすべり接触の少なくとも一方を含む接触のことをいう。
第1ピン3は、チェーン幅方向Wに延びる長尺(板状)の部材である。第2ピン4(ストリップ、またはインターピースともいう)は、第1ピン3と同様の材料により形成された、チェーン幅方向Wに延びる長尺の(板状の)部材である。
第1ピン3の長手方向(チェーン幅方向W)の一対の端部17および 第2ピン4の長手方向(チェーン幅方向W)の一対の端部19が、チェーン幅方向Wの一対の端部に配置されるリンク2からチェーン幅方向Wにそれぞれ突出している。長手方向(チェーン幅方向W)に関して、第1ピン3は、第2ピン4よりも長くされている。また、チェーン進行方向Xに関して、第2ピン4は、第1ピン3よりも薄肉に形成されている。
第2ピン4よりも長い第1ピン3は、プーリ70,80と動力伝達する動力伝達ピンを構成している。すなわち、図2に示すように、動力伝達ピンとしての第1ピン3のチェーン幅方向Wの一対の端部17の端面18が、各プーリ70,80に接触している。
具体的には、第1ピン3の端面18の一部に設けられる接触領域Eが、各プーリ70,80のシーブ面72a,73a(82a,83a)に潤滑油膜を介して動力伝達可能に摩擦係合する。第1ピン3は、シーブ面72a,73a(82a,83a)間に挟持され、これにより、第1ピン3と各プーリ70,80との間で動力が伝達される。第1ピン3は、その端面18によって直接動力伝達に寄与するため、例えば、軸受用鋼(SUJ2)等の高強度耐摩耗材料で形成されている。
動力伝達チェーン1は、いわゆる圧入タイプのチェーンとされている。具体的には、第1ピン3は、各リンク2の第1貫通孔5に相対移動可能に遊嵌されていると共に、各リンク2の第2貫通孔6に相対移動を規制されるようにして圧入嵌合されている。また、第2ピン4は、各リンク2の第1貫通孔5に相対移動を規制されるようにして圧入嵌合されていると共に、各リンク2の第2貫通孔6に相対移動可能に遊嵌されている。
換言すれば、各リンク2の第1貫通孔5には、第1ピン3が相対移動可能に遊嵌されているとともに、この第1ピン3とは対をなす第2ピン4が相対移動を規制されるようにして圧入嵌合されている。また、各リンク2の第2貫通孔6には、第1ピン3が相対移動を規制されるように圧入嵌合されているとともに、この第1ピン3とは対をなす第2ピン4が相対移動可能に遊嵌されている。
具体的には、図4を参照して、リンク2の第1貫通孔5の内周5aは、第2ピン4が圧入固定される第2ピン固定部13を含む。第1貫通孔5において、第2ピン固定部13に圧入固定された第2ピン4によって占められている部分を除く空間が、第1ピン3が移動可能に嵌め合わされる第1ピン可動部14とされている。
第2貫通孔6の内周6aは、第1ピン3が圧入固定される第1ピン固定部15を含む。第2貫通孔6において、第1ピン固定部15に圧入固定された第1ピン3によって占められている部分を除く空間が、第2ピン4が移動可能に嵌め合わせられる第2ピン可動部16とされている。
図3を参照して、一のリンクモジュール90のリンク2の第1貫通孔5と、チェーン進行方向Xに関して当該一のリンクモジュール90に隣接するリンク2の第2貫通孔6とが、チェーン幅方向Wに並んで配置されている。第1貫通孔5および第2貫通孔6にそれぞれ挿通される第1連結部材11および第2連結部材12によって、チェーン進行方向Xに隣り合うリンク2同士が連結されている。これにより、無端状をなすチェーン1が形成されている。
図4を参照して、第1ピン3は、チェーン進行方向X側の前部3aと、チェーン進行方向Xの反対側XBの後部3bとを含む。第2ピン4は、チェーン進行方向X側の前部4aと、チェーン進行方向Xの反対側XBの後部4bとを含む。第1貫通孔5内に遊嵌された第1ピン3の後部3bが、中間柱9の前縁部9aに対向している。また、第2貫通孔6内に遊嵌された第2ピン4の前部4aが、中間柱9の後縁部9bに対向している。
各連結部材11,12において、第1ピン3の前部3aと第2ピン4の後部4bとが、チェーン進行方向Xに隣接するリンク2間の屈曲に伴って、互いに転がり摺動接触することにより、両ピン3,4の接触部Aは変位する。
第1ピン3を基準とした第1ピン3(の前部3a)と第2ピン4(の後部4b)との接触部Aの軌跡は、円のインボリュートとされている。本実施形態では、第1ピン3の接触面が、インボリュート形状を有し、第2ピン4の接触面が平坦面(断面形状が直線)とされている。なお、接触部Aの軌跡は、インボリュートに限定されるものではなく、インボリュート以外の他の曲線であってもよい。
これにより、各リンク2が動力伝達チェーン1の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、第1貫通孔5においては、第1ピン3が固定状態の第2ピン4に対して接触部Aで転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら第1ピン可動部14内を移動し、第2貫通孔6においては、第2ピン4が第2ピン可動部16内を固定状態の第1ピン3に対して接触部Aで第1ピン3の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
なお、各貫通孔5,6において、第1ピン3の前部3aと第2ピン4の後部4bとの接触部Aは、動力伝達チェーン1が、正側(プーリ70,80のシーブ面72a,73a;82a,83a間に侵入するときの屈曲方向)に屈曲すると、チェーン外径側V2へ移動し、動力伝達チェーン1が負側に屈曲すると、チェーン内径側V1へ移動する。
図3に示すように、動力伝達チェーン1は、チェーン進行方向Xに関する同位相でチェーン幅方向Wに並ぶ複数のリンク2でそれぞれ構成される第1リンク列91、第2リンク列92および第3リンク列93をこの順でチェーン進行方向Xに並べて1つのリンクモジュール90としている。リンクモジュール90をチェーン進行方向Xに複数連結して、無端状をなす動力伝達チェーン1が形成されている。
第1リンク列91、第2リンク列92および第3リンク列93は、それぞれ1つしか図示されていないが、チェーン進行方向Xに沿って、第1リンク列91、第2リンク列92および第3リンク列93が繰り返すように配置されている。すなわち、リンクモジュール90が、チェーン進行方向Xに繰り返すように配置されている。そして、チェーン進行方向Xに互いに隣接する2つのリンク列のリンク2同士が、対応する第1ピン3および第2ピン4によって順次に連結され、無端状をなす動力伝達チェーン1が形成されている。
第1リンク列91は、チェーン幅方向Wの最も外側に配置された一対の第1外側リンク21を含む。また、第2リンク列92は、チェーン幅方向Wの最も外側に配置された一対の第2外側リンクである最外側リンク22を含む。また、第3リンク列93は、チェーン幅方向Wの最も外側に配置された一対の第3外側リンク23を含む。
リンクモジュール90において、一対の第1外側リンク21は、一対の第3外側リンク23よりもチェーン幅方向Wの内側に配置されている。一対の第3外側リンク23は、一対の第2外側リンク(最外側リンク22)よりも、チェーン幅方向Wの内側に配置されている。このため、リンクモジュール90において、最外側リンク22(第2外側リンク)のピン3,4からの抜脱を抑制することにより、リンクモジュール90の全リンク2の抜脱の抑制が可能である。
図5は、最外側リンク22(第2外側リンク)の正面図である。図3および図5に示すように、最外側リンク22(第2外側リンク)は、チェーン幅方向Wの外側へ突出する第1突起30および第2突起40を含む。第1突起30および第2突起40は、最外側リンク22の外面22aから突出形成されている。第1突起30は、チェーン進行方向X側の第1外柱7に設けられており、第2突起40は、チェーン進行方向Xの反対側XBの第2外柱8に設けられている。
各突起30,40は、プレス成形品からなる最外側リンク22と単一の材料で一体に形成された折り曲げ突起であり、弾性舌片を構成している。
図3に示すように、第1突起30は、第1外柱7に例えば直交状に接続された基端部31と、先端部32と、基端部31から延びる第1片部33と、先端部32から延びる第2片部34と、第1片部33と第2片部34とを屈曲状に接続する屈曲部35と、第2片部34の外面によって形成されたカム面36とを含む。カム面36は、屈曲部35から先端部32側に向かうにしたがってチェーン進行方向Xの反対側XBに変位する傾斜面である。
第2突起40は、第2外柱8に例えばチェーン進行方向X側に傾く傾斜状に接続された基端部41と、先端部42と、基端部41から延びる第1片部43と、先端部42から延びる第2片部44と、第1片部43と第2片部44とを屈曲状に接続する屈曲部45と、第2片部44の外面によって形成されたカム面46とを含む。カム面46は、屈曲部45から先端部42側に向かうにしたがってチェーン進行方向Xの反対側XBに変位する傾斜面である。
弾性舌片からなる各突起30,40は、屈曲部35,45の屈曲角度の変化を伴って弾性変形可能である。換言すると、各突起30,40は、最外側リンク22の外面22aからの突出量を増減するように弾性伸縮可能である。
各突起30,40のカム面36,46は、最外側リンク22がピン3,4の正規位置からチェーン幅方向Wの外側へずれた状態で、一対のシーブ面72a,73a(又は82a,83a)間に進入するときに、対応するシーブ面72a,73a(又は82a,83a)と当接して最外側リンク22を正規位置側へ押し戻す働きをする。
本実施形態では、万一、最外側リンク22の圧入保持が緩んでピン3,4の正規位置からチェーン幅方向Wの外側へずれても、その状態で、動力伝達チェーン1が一対のシーブ面72a,73a(又は82a,83a)間に進入するときに、模式図である図6に示すように、最外側リンク22の突起30,40のカム面36,46が、対応するシーブ面72a,73a(又は82a,83a)と当接して、最外側リンク22を正規位置側へ押し戻す。このため、フェールセーフ効果が高い。
また、突起30,40がシーブ面72a,73a(又は82a,83a)と接触するときに発生する打音によって、動力伝達チェーン1に異常が発生したことを、例えば車両の運転者に報知することができる。これにより、車両の修理を促すことができる。
また、突起30,40がリンク2に一体で設けられるので、部品点数の増加を抑制して製造コストを安くすることができる。
また、図3および図5に示すように、チェーン進行方向Xに離隔する一対の突起30,40を設けているので、一対の突起30,40のカム面36,46によって、最外側リンク22が、チェーン進行方向Xに対する傾斜を抑制されつつ、正規位置側へ押し戻される。
また、各突起30,40が、弾性舌片で形成されるので、シーブ面72a,73a(又は82a,83a)と衝突するときに、弾性舌片が弾性変形される。カム面36,46の働きに付加して、弾性舌片の弾性復元力で、最外側リンク22が、正規位置側へ押し戻される。このため、フェールセーフ効果が高い。
また、突起30,40を構成する弾性舌片の屈曲部35,45の弾性変形を用いたばね効果により、最外側リンク22が、正規位置側へ押し戻される。このため、フェールセーフ効果が高い。
なお、本実施形態において、屈曲部に代えて、湾曲部を用いてもよい。また、カム面36,46は、チェーン進行方向Xに対して傾斜するだけでなく、対応するシーブ面の傾斜と同じ傾斜角度で直交方向Vに対して傾斜していてもよい。また、第1突起30および第2突起40の少なくとも一方が、各外側リンク22に複数設けられてもよい。また、各外側リンク22において第1突起30および第2突起40の何れか一方が無くてもよい。
(第2実施形態)
図7(a)は本発明の第2実施形態に係る最外側リンク22Pの正面図である。本実施形態では、最外側リンク22Pの外面22Paに、チェーン進行方向Xおよびチェーン幅方向Wの双方と直交する直交方向Vに離隔する大突起50および小突起60が設けられている。大突起50はチェーン外径側V2に配置され、小突起60はチェーン内径側V1に配置されている。大突起50および小突起60は、中間柱9を直交方向Vに挟んだ両側に配置されている
各突起50,60は、チェーン進行方向Xに延びる板部である。各突起50,60は、プレス成形品からなる最外側リンク22Pと単一の材料で一体に形成された折り曲げ突起であり、台形板状をしている。
図7(b)に示すように、大突起50は、外面22Paに直交状に接続された基端部51と、先端部52と、先端部52の端面に設けられたカム面53とを含む。図7(c)に示すように、小突起60は、外面22Paに直交状に接続された基端部61と、先端部62と、先端部62の端面に設けられたカム面63とを含む。カム面53,63は、チェーン進行方向Xの反対側XBに向かうにしたがって突起高さが高くなるように、チェーン進行方向Xに対して傾斜する傾斜面である。
外面22Paからの大突起50の突出量(突起高さに相当)が、外面22Paからの小突起60の突出量よりも大きくされている。具体的には、図8に示すように、チェーン進行方向Xから見て、大突起50の先端部52と小突起60の先端部62とを結ぶラインの直交方向Vに対する傾斜角度が、シーブ面72a,73a(82a,83a)の傾斜角度と等しくされている。
本実施形態では、チェーン進行方向Xおよびチェーン幅方向Wの双方と直交する直交方向Vに離隔する複数の突起(大突起50および小突起60)のカム面53,63によって、最外側リンク22Pが、直交方向Vに対する傾斜を抑制されつつ、正規位置側へ押し戻される。このため、フェールセーフ効果が高い。
具体的には、大突起50と小突起60とを用いることで、傾斜状のシーブ面72a,73a(82a,83a)と各突起50,60との距離が均一化されるので、各突起50,60のカム面53,63がシーブ面72a,73a(82a,83a)と当接することで、最外側リンク22Pが、直交方向Vに対する傾斜を抑制されつつ、正規位置側へ押し戻される。
なお、本実施形態において、大突起50および小突起60の少なくとも一方が、各外側リンク22Pに複数設けられてもよい。また、各外側リンク22Pにおいて、大突起50および小突起60の何れか一方が無くてもよい。
本発明は各前記実施形態に限定されるものではなく、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせてもよい。また、第1ピン3および第2ピン4の双方が、シーブ面72a,73a;82a,83aに接触する動力伝達ピンとして機能してもよい。その他、本発明は特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…動力伝達チェーン、2…リンク、3…第1ピン、4…第2ピン、5…第1貫通孔、6…第2貫通孔、7…第1外柱、8…第2外柱、9…中間柱、11…第1連結部材、12…第2連結部材、21…第1外側リンク、22;22P…最外側リンク(第2外側リンク)、22a;22Pa…外面、23…第3外側リンク、30…第1突起、31…基端部、32…先端部、33…第1片部、34…第2片部、35…屈曲部、36…カム面、40…第2突起、41…基端部、42…先端部、43…第1片部、44…第2片部、45…屈曲部、46…カム面、50…大突起、51…基端部、52…先端部、53…カム面、60…小突起、61…基端部、62…先端部、63…カム面、70…ドライブプーリ、72…固定シーブ、73…可動シーブ、72a,73a…シーブ面、80…ドリブンプーリ、82…固定シーブ、83…可動シーブ、82a,83a…シーブ面、90…リンクモジュール、91…第1リンク列、92…第2リンク列、93…第3リンク列、100…無段変速機、V…直交方向、W…チェーン幅方向、X…チェーン進行方向、XB…チェーン進行方向の反対側

Claims (3)

  1. 相対向する一対のシーブ面をそれぞれ有する一対のプーリ間に巻き掛けられ、前記シーブ面に接触して動力を伝達する無端状の動力伝達チェーンであって、
    チェーン進行方向に並ぶ一対の貫通孔をそれぞれ含み、前記チェーン進行方向および前記チェーン進行方向と直交するチェーン幅方向に並ぶ複数のリンクと、
    前記チェーン幅方向に延びて各前記リンクの前記一対の貫通孔に挿通され、前記複数のリンクを相互に連結するピンと、を備え、
    前記複数のリンクは、前記チェーン幅方向の最も外側に配置され、前記チェーン幅方向に関して前記ピンの正規位置に圧入保持される最外側リンクを含み、
    前記最外側リンクは、前記チェーン幅方向の外側へ突出し、前記チェーン進行方向に離隔し、且つ弾性舌片で形成される複数の突起を含み、
    前記複数の突起は、前記最外側リンクが前記ピンの前記正規位置から前記チェーン幅方向の外側へずれた状態で、前記一対のシーブ面間に進入するときに、対応するシーブ面と当接して前記最外側リンクを前記正規位置側へ押し戻すカム面をそれぞれみ、
    前記複数の突起は、それぞれ当該突起の先端部側に向かうにしたがって前記チェーン進行方向の反対側に変位する前記カム面としての傾斜面を含む動力伝達チェーン。
  2. 請求項1に記載の動力伝達チェーンにおいて、前記複数の突起は、前記最外側リンクに接続された基端部と、先端部と、前記基端部から延びる第1片部と、前記先端部から延びる第2片部と、前記第1片部と前記第2片部とを屈曲状に接続する屈曲部と、を有し、
    前記カム面は、前記第2片部の外面によって形成されている動力伝達チェーン。
  3. 請求項に記載の動力伝達チェーンにおいて、前記弾性舌片は、弾性変形可能な屈曲部または湾曲部を含む動力伝達チェーン。
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