JP2007107634A - 動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】端部のリンクに大きな荷重が負荷されることを緩和し、耐久性を向上させることができる動力伝達チェーンを提供する。
【解決手段】第1、第2および第3のリンク列A,B,Cを1組として、これを複数組連続して備えている。各リンク列A,B,Cはチェーン幅方向に並ぶ複数枚のリンク11,12,13を有している。第1のリンク列Aは、当該リンク列A内のチェーン幅方向に隣り合う2枚のリンク11間のすべてにおいて、他の2つのリンク列B,Cのそれぞれのリンク12,13を1枚ずつ挟んで配列されている。第2と第3のリンク列B,Cについても、隣り合うすべての2枚のリンク間に、他のリンク列のそれぞれのリンクを1枚ずつ挟んでいる配列とされている。
【選択図】 図8
【解決手段】第1、第2および第3のリンク列A,B,Cを1組として、これを複数組連続して備えている。各リンク列A,B,Cはチェーン幅方向に並ぶ複数枚のリンク11,12,13を有している。第1のリンク列Aは、当該リンク列A内のチェーン幅方向に隣り合う2枚のリンク11間のすべてにおいて、他の2つのリンク列B,Cのそれぞれのリンク12,13を1枚ずつ挟んで配列されている。第2と第3のリンク列B,Cについても、隣り合うすべての2枚のリンク間に、他のリンク列のそれぞれのリンクを1枚ずつ挟んでいる配列とされている。
【選択図】 図8
Description
この発明は、車両などに採用されるチェーン式無段変速機などに用いられる動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置に関する。
自動車の無段変速機としては、例えば、エンジン側に設けられたドライブプーリと、駆動輪側に設けられたドリブンプーリと、前記両プーリ間に架け渡された無端状の動力伝達チェーン(以下、単にチェーンともいう)とを備えたものがある。このチェーンは、複数枚のリンクを有する複数のリンク列、及び、これらリンク列を相互に連結する複数のピン部材を有している。このチェーン式無段変速機(CVT)は、各プーリの円錐面状のシーブ面と動力伝達チェーンのピン部材の端面とが、シーブ面の周方向に若干の滑り接触をすることによりトラクションを発生させ、このトラクションによって動力を伝達している。そして、ドライブプーリ及びドリブンプーリのうちの少なくとも一方の溝幅を連続的に変えることにより、従来のギア式とは異なるスムーズな動きで、無段の変速を行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
図10はこのような無段変速機に用いられている従来の動力伝達チェーンについての一般的なリンクの配置パターンを示している。このチェーンは第1、第2および第3の3種のリンク列A,B,Cを複数組備え、各リンク列A,B,Cはチェーン幅方向に並ぶ複数枚のリンク50,51,52を有している。第1のリンク列Aにおいて、チェーン幅方向の最端部のリンク50aとその隣のリンク50bとの間には、他の第2と第3のリンク列B,Cがそれぞれ有しているリンク51b,52a,52bの合計3枚が存在している。
そして、前記無段変速機に用いられているチェーンは、リンク列を貫通してリンクを連結させているピン部材53の両端面を前記プーリのシーブ面に接触させることにより、動力伝達が行われている。したがって、動力伝達対象面となるピン部材53の端面に近いチェーン幅方向の最端部に存在しているリンク50aには、中央部に存在しているリンクよりも大きな荷重が作用する。さらに、第1リンク列Aのチェーン幅方向の最端部のリンク50aとその隣のリンク50bとの間には、3枚のリンク51b,52a,52bが存在しており、リンク50a,50bの間隔が広いために、最端部のリンク50aに作用する荷重がさらに大きくなるという問題点がある。つまり、従来のチェーンでは、1つのリンク列内において2枚のリンク間の間隔が広くなっている部分では、1枚のリンクに大きな荷重が負荷されてしまうおそれがある。特にこのようなチェーンは大きな負荷が作用して使用されるため、従来の構成では耐久性が低下してしまうという問題点がある。
そして、前記無段変速機に用いられているチェーンは、リンク列を貫通してリンクを連結させているピン部材53の両端面を前記プーリのシーブ面に接触させることにより、動力伝達が行われている。したがって、動力伝達対象面となるピン部材53の端面に近いチェーン幅方向の最端部に存在しているリンク50aには、中央部に存在しているリンクよりも大きな荷重が作用する。さらに、第1リンク列Aのチェーン幅方向の最端部のリンク50aとその隣のリンク50bとの間には、3枚のリンク51b,52a,52bが存在しており、リンク50a,50bの間隔が広いために、最端部のリンク50aに作用する荷重がさらに大きくなるという問題点がある。つまり、従来のチェーンでは、1つのリンク列内において2枚のリンク間の間隔が広くなっている部分では、1枚のリンクに大きな荷重が負荷されてしまうおそれがある。特にこのようなチェーンは大きな負荷が作用して使用されるため、従来の構成では耐久性が低下してしまうという問題点がある。
この発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、1枚のリンクに大きな荷重が負荷されることを防止し、耐久性を向上させることができる動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するためのこの発明の動力伝達チェーンは、第1、第2および第3のリンク列を1組としてこれを複数組備え、各リンク列はチェーン幅方向に並ぶ複数枚のリンクを有し、チェーン進行方向に隣り合う前記リンク列がピン部材を用いて連結され、このピン部材の端面が動力伝達対象面に接触する動力伝達チェーンにおいて、前記1組のリンク列のそれぞれは、1つのリンク列内のチェーン幅方向に隣り合う2枚のリンク間のすべてにおいて、他の2つの前記リンク列のそれぞれのリンクを1枚ずつ挟んで配列されている。
これによれば、1つのリンク列内において、チェーン幅方向に隣り合う2枚のリンク間のすべてにおいて、他の2つのリンク列のそれぞれのリンクを1枚ずつ挟んだ配列とされており、合計2枚が存在している。さらに、第1、第2および第3のリンク列のすべてが、この配列とされている。したがって、1つのリンク列のチェーン幅方向で隣り合う2枚のリンク間には、他の2つのリンク列の2枚のリンクしか存在していないために、すべてのリンク間の間隔を均等にすることできる。これにより1枚のリンクに偏った大きな荷重が負荷されることを緩和できる。これにより耐久性を向上させることができる。
これによれば、1つのリンク列内において、チェーン幅方向に隣り合う2枚のリンク間のすべてにおいて、他の2つのリンク列のそれぞれのリンクを1枚ずつ挟んだ配列とされており、合計2枚が存在している。さらに、第1、第2および第3のリンク列のすべてが、この配列とされている。したがって、1つのリンク列のチェーン幅方向で隣り合う2枚のリンク間には、他の2つのリンク列の2枚のリンクしか存在していないために、すべてのリンク間の間隔を均等にすることできる。これにより1枚のリンクに偏った大きな荷重が負荷されることを緩和できる。これにより耐久性を向上させることができる。
また、本発明の動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、
円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1及び第2のプーリ間に架け渡された動力伝達チェーンと、を備えた動力伝達装置であって、前記動力伝達チェーンが、上記の動力伝達チェーンである。
この場合、上記の動力伝達チェーンによればチェーンの耐久性を向上させることができるため、長期にわたり安定して動力伝達を行える動力伝達装置とすることができる。
円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1及び第2のプーリ間に架け渡された動力伝達チェーンと、を備えた動力伝達装置であって、前記動力伝達チェーンが、上記の動力伝達チェーンである。
この場合、上記の動力伝達チェーンによればチェーンの耐久性を向上させることができるため、長期にわたり安定して動力伝達を行える動力伝達装置とすることができる。
本発明によれば、1つのリンク列内でチェーン幅方向に並ぶ2枚のリンク間の間隔を均等にでき、1枚のリンクに大きな荷重が負荷されることを緩和できる。これにより、大きな負荷が作用して使用されても、耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の動力伝達チェーンの一実施形態に係るチェーン式無段変速機用の動力伝達チェーン(以下単に「チェーン」ともいう)の要部構成を示す斜視図である。この実施の形態に係るチェーン1は、チェーン進行方向(矢印G)に沿って、第1のリンク列A、第2のリンク列Bおよび第3のリンク列Cの3種のリンク列を1組としてこれを複数組備えており、リンク列同士がピン部材によって連結されることで無端状とされている。なお、チェーン1は全体で3の倍数の数についてのリンク列を有している。そして、図2〜図7はそれぞれ、チェーン1の正面図、背面図、右側面図、左側面図、平面図、及び底面図である。
図1は本発明の動力伝達チェーンの一実施形態に係るチェーン式無段変速機用の動力伝達チェーン(以下単に「チェーン」ともいう)の要部構成を示す斜視図である。この実施の形態に係るチェーン1は、チェーン進行方向(矢印G)に沿って、第1のリンク列A、第2のリンク列Bおよび第3のリンク列Cの3種のリンク列を1組としてこれを複数組備えており、リンク列同士がピン部材によって連結されることで無端状とされている。なお、チェーン1は全体で3の倍数の数についてのリンク列を有している。そして、図2〜図7はそれぞれ、チェーン1の正面図、背面図、右側面図、左側面図、平面図、及び底面図である。
第1〜第3の各リンク列A,B,Cはそれぞれチェーン幅方向に並ぶ複数枚のリンク11,12,13を有している。そして、チェーン進行方向に隣り合うリンク列同士はピン部材を用いて連結されている。具体的には、第1のリンク列Aと第2のリンク列Bとがピン部材P1によって連結されており、この第2のリンク列Bと第3のリンク列Cとが別のピン部材P2によって連結されており、この第3のリンク列Cに次の第1のリンク列Aがさらに別のピン部材P3によって連結されており、以下同様にしてリンク列A,B,Cの順で、これらリンク列A,B,Cは連続して連結されている。なお、チェーン幅方向とチェーン進行方向とは相互に直交する方向である。また、チェーン幅方向はピン部材の長手方向と同方向である。
ピン部材は、チェーン進行方向に隣り合うリンク列を連結しているとともに、同じリンク列内でチェーン幅方向に並んでいるリンク同士を連結している。ピン部材は、ピン(第1ピン)14と、ストリップ(第2ピン)15との一組により構成されている。ピン14及びストリップ15はともに棒状体からなり、軸受鋼等の金属製とされている。ストリップ15はピン14よりもピン長手方向長さが若干短くされている。そして、このピン部材のうちの第1ピン14の端面16がプーリ2,3(図9参照)のシーブ面(動力伝達対象面)と接触することによって、摩擦力によりこのチェーン1は動力の伝達を行う。
各リンク列A,B,Cがそれぞれ有しているリンク11,12,13はそれぞれ、外形線(輪郭線)がなだらかな曲線となった略矩形状の板部材とされ、これらはすべて実質的に同一の外形となるように形成されている。また、リンク11,12,13は全て同じ厚さとされ、軸受鋼等の金属製とされている。図2において、リンク11,12,13には、1枚につき第1の貫通孔17及び第2の貫通孔18が、リンク長手方向に所定間隔離して設けられている。リンク11,12,13のそれぞれにおいて、チェーン進行方向(矢印G方向)の前部に第1の貫通孔17が形成され、後部に第2の貫通孔18が形成されている。第1の貫通孔17及び第2の貫通孔18は互いに形状が相違しており、いずれの貫通孔17,18においても一組のピン14とストリップ15が挿入される。そして、一組のピン3とストリップ5とは、一のリンク列が有しているリンクの第1の貫通孔17と他のリンク列が有しているリンクの第2の貫通孔18とを貫通している。
図2に示しているように、チェーン進行方向に隣接している第1のリンク列Aと第2のリンク列Bとについて見ると、第2のリンク列Bが有しているリンク12の第2の貫通孔18に圧入固定され且つ第1のリンク列Aのリンク11の第1の貫通孔(図示せず)に回動可能に遊嵌されたピン14と、第2のリンク列Bのリンク12の第2の貫通孔18に回動可能に遊嵌され第1のリンク列Aのリンク11の第1の貫通孔(図示せず)に圧入固定されたストリップ15とによって、第1のリンク列Aと第2のリンク列Bとが連結されている。そして、同一の貫通孔(第1の貫通孔17又は第2の貫通孔18)に挿入されたピン14及びストリップ15の組が相対的に転がり接触移動することにより、前記第1のリンク列A(リンク11)と第2のリンク列B(リンク12)とが屈曲可能に連結されることとなる。
図8は、本発明のチェーン1が有している複数枚のリンクの配置を模式的に示した平面図であり、図6と対応している。なお、この図ではピン部材を省略しており、ピン部材の位置を二点鎖線によって示している。本発明のチェーン1は、第2のリンク列Bが奇数枚のリンク12を有し、第2リンク列のチェーン進行方向の後方と前方にそれぞれ位置ずれして配置された第1のリンク列Aと第3のリンク列Cがそれぞれ偶数枚のリンク11,13を有している。なお、図8に示した実施の形態のチェーン1は、第1のリンク列Aは8枚のリンク11(11a〜11h)を有し、第2のリンク列Bは9枚のリンク12(12a〜12i)を有し、第3のリンク列Cは8枚のリンク13(13a〜13h)を有している。なお、図8では、リンク11をクロスハッチ、リンク12を(間隔の広い)シングルハッチ、そして、リンク13を(間隔の狭い)シングルハッチで示している。
そして、本発明のチェーン1が有しているリンクの配列は、3種のリンク列A,B,Cのそれぞれが、1つのリンク列内のチェーン幅方向に隣り合う2枚のリンク間のすべてにおいて、他の2つのリンク列のそれぞれのリンクを1枚ずつ挟んで配列されている。また、リンク列A,B,Cにおけるすべてのリンクの厚さは同一とされていることより、リンク列A,B,Cのそれぞれにおいて、1つのリンク列のチェーン幅方向で隣り合う2枚のリンク間は、すべて一定の間隔とされている。つまり、第1のリンク列Aが有している2枚のリンク11間の間隔g1はすべて同一であり、第2のリンク列Bが有している2枚のリンク12間の間隔g2はすべて同一であり、第3のリンク列Cが有している2枚のリンク13間の間隔g3はすべて同一であり、さらにそれぞれの間隔g1,g2,g3はすべて同一の値とされている。
この配置について具体的に説明すると、まず、第1のリンク列Aにおいて、この第1のリンク列A内のチェーン幅方向の一端部で隣り合う2枚のリンク11a,11bは、他の第3のリンク列Cが有している1枚のリンク13aと第2のリンク列Bが有している1枚のリンク12bとを挟んでいる。そしてこの配置は、第1のリンク列A内においてチェーン幅方向の他端部へ向かうすべてのリンク11間においても同様とされており、他端部で隣り合う2枚のリンク11g,11hが、他の第3のリンク列Cが有している1枚のリンク13gと第2のリンク列Bが有している1枚のリンク12hとを挟んでいる。この第1のリンク列Aにおいて、隣り合う2枚のリンク11間には、同じ厚さの2枚のリンク12,13のみが存在しており、このリンク11間の間隔g1はすべて同一とされている。
次に、第2のリンク列Bにおいて、この第2のリンク列B内のチェーン幅方向の一端部で隣り合う2枚のリンク12a,12bは、他の第1のリンク列Aが有している1枚のリンク11aと第3のリンク列Cが有している1枚のリンク13aとを挟んでいる。そしてこの配置は、第2のリンク列B内においてチェーン幅方向の他端部へ向かうすべてのリンク12間においても同様とされており、他端部で隣り合う2枚のリンク12h,12iが、他の第1のリンク列Aが有している1枚のリンク11hと第3のリンク列Cが有している1枚のリンク13hとを挟んでいる。この第2のリンク列Bにおいて、隣り合う2枚のリンク12間には、同じ厚さの2枚のリンク11,13のみが存在しており、このリンク間12の間隔g2はすべて同一とされている。また、9枚のリンク12のうちの中心のリンク12eは、チェーン幅方向の中心線c上に配置されている。
また、第3のリンク列Cにおいて、この第3のリンク列C内のチェーン幅方向の一端部で隣り合う2枚のリンク13a,13bは、他の第2のリンク列Bが有している1枚のリンク12bと第1のリンク列Aが有している1枚のリンク11bとを挟んでいる。そしてこの配置は、第3のリンク列C内においてチェーン幅方向の他端部へ向かうすべてのリンク13間においても同様とされており、他端部で隣り合う2枚のリンク13g,13hが、他の第2のリンク列Bが有している1枚のリンク12hと第1のリンク列Aが有している1枚のリンク11hとを挟んでいる。この第3のリンク列Cにおいて、隣り合う2枚のリンク13間には、同じ厚さの2枚のリンク11,12のみが存在し、このリンク間13の間隔g3はすべて同一とされている。
このチェーン1が有しているリンクの全体的な配列についてさらに説明する。
このチェーン1において、第1のリンク列Aが有する1枚のリンク11と、第2のリンク列Bが有する1枚のリンク12と、第3のリンク列Cが有する1枚のリンク13とは、チェーン幅方向の一端側から他端側へ向かって同じ順で連続して並んでいる。図8の実施の形態では、チェーン幅方向の一端側から、第2のリンク列Bが有する1枚のリンク12、その次に第1のリンク列Aが有する1枚のリンク11、その次に第3のリンク列Cが有する1枚のリンク13が並び、この順が他端側へ向かって規則的に繰り返されている。
また、このチェーン1は、チェーン幅方向の中心線cを挟んで非対称とされている。つまり、第2のリンク列Bについてはそのリンク12を、中心線cを挟んで対称として配置しているが、第1と第3のリンク列A,Cについては、非対称としている。このようにチェーン1が非対称とされているが、全体として無端状とされていることによって、この非対称によって生じるモーメントは全体として飽和する。
このチェーン1において、第1のリンク列Aが有する1枚のリンク11と、第2のリンク列Bが有する1枚のリンク12と、第3のリンク列Cが有する1枚のリンク13とは、チェーン幅方向の一端側から他端側へ向かって同じ順で連続して並んでいる。図8の実施の形態では、チェーン幅方向の一端側から、第2のリンク列Bが有する1枚のリンク12、その次に第1のリンク列Aが有する1枚のリンク11、その次に第3のリンク列Cが有する1枚のリンク13が並び、この順が他端側へ向かって規則的に繰り返されている。
また、このチェーン1は、チェーン幅方向の中心線cを挟んで非対称とされている。つまり、第2のリンク列Bについてはそのリンク12を、中心線cを挟んで対称として配置しているが、第1と第3のリンク列A,Cについては、非対称としている。このようにチェーン1が非対称とされているが、全体として無端状とされていることによって、この非対称によって生じるモーメントは全体として飽和する。
また、本発明のチェーン1は、1つのリンク列におけるチェーン幅方向で隣り合う2枚のリンク間に、他のリンク列が有しているチェーン幅方向で隣り合う2枚のリンクを挟んでいない配置となる。これを具体的に説明すると、図10に示している従来のチェーンでは、例えば、第1のリンク列Aにおけるチェーン幅方向で隣り合うリンク50a,50b間に、第3のリンク列Cが有しているチェーン幅方向で隣り合う2枚のリンク52a,52bを挟んでいる。したがって、従来のチェーンでは、潤滑面で不利となり、第1のリンク列Aと第3のリンク列Cとの間における摩擦損失が大きくなり動力伝達のロスが生じるが、本発明によればリンク列間における摩擦損失は低減され、このようなロスの発生を抑制できる。
以上の実施の形態によれば、1組のリンク列A,B,Cのそれぞれにおいて、1つのリンク列内のチェーン幅方向で隣り合う2枚のリンク間の間隔が均等とされているため、チェーン1にチェーン走行方向の荷重が作用した場合、その荷重を1つのリンク列内において均等化させることができる。特に第1リンク列Aと第3リンク列Bは第2リンク列Bよりもリンクの枚数が少ないために、1枚のリンクが負担する荷重が大きくなるが、本発明のようにリンク間の間隔を均等にすることによって、1枚のリンクにおける荷重の負担割合が偏るのを防ぐことができる。
以上より、チェーン1の回転によるリンクの疲労が有効に防止され、チェーン1の耐久性が向上し、長期にわたり安定して動力伝達を行うことができる。
以上より、チェーン1の回転によるリンクの疲労が有効に防止され、チェーン1の耐久性が向上し、長期にわたり安定して動力伝達を行うことができる。
次に、図9は本発明の動力伝達装置の一実施形態に係るチェーン式無段変速機(以下、単に「無段変速機」ともいう)の要部構成を示す模式的な斜視図である。本実施形態に係る無段変速機は、例えば自動車に搭載され、第1のプーリとしての金属製ドライブプーリ2と、第2のプーリとしての金属製ドリブンプーリ3と、その間に架け渡された無端状の動力伝達チェーン1とを備えている。なお、図9中のチェーン1は一部において断面を示している。
ドライブプーリ2は、エンジン側に接続された入力軸4に一体回転可能に取り付けられたものであり、円錐面状のシーブ面6aを有する固定シーブ6と、そのシーブ面6aに対向して配置される円錐面状のシーブ面7aを有する可動シーブ7とを備えている。そして、これらシーブ面6a,7aによりV型溝が形成され、この溝を構成するシーブ面6a,7aがチェーン1のピン部材(第1ピン14)の両端を強圧で挟んで、当該端面とシーブ面との摩擦力により、第1と第2のプーリ間で動力伝達する。なお、ピン部材の前記端面は、ピン部材のうちの中央の本体部の両端部に前記摩擦接触のための接触部材を取り付けた場合の、当該接触部材の端面を含む意味である。
また、可動シーブ7には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、可動シーブ7を移動させることにより溝幅が変化し、これにより入力軸4に対する当該チェーン1の巻掛け半径を変化させる。
また、可動シーブ7には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、可動シーブ7を移動させることにより溝幅が変化し、これにより入力軸4に対する当該チェーン1の巻掛け半径を変化させる。
一方、ドリブンプーリ3は、駆動輪側に接続された出力軸5に一体回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ2と同様に、固定シーブ8と可動シーブ9とを備え、これらはチェーン1を強圧で挟む溝を形成するためのシーブ面8a,9aをそれぞれ有している。また、このプーリ3の可動シーブ9には、ドライブプーリ2の可動シーブ7と同様に、油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、可動シーブ9を移動させることにより溝幅が変化し、これにより出力軸5に対するチェーン1の巻掛け半径を変化させる。
上記ドライブプーリ2とドリブンプーリ3との間に架け渡されるチェーン1は、本発明に係るチェーンである。なお、当該チェーンの詳細については、上述したとおりであるので、その説明は省略する。
上記のように構成された本実施形態に係る無段変速機は、以下のようにして無段階の変速が行える。出力軸5の回転を減速する場合、ドライブプーリ2側の溝幅を可動シーブ7の移動によって拡大させ、チェーン1の入力軸11に対する巻き掛け径を小さくする一方、ドリブンプーリ3側では可動シーブ9の移動によって溝幅を縮小させ、チェーン1の出力軸21に対する巻き掛け径を大きくする。これにより、出力軸21の回転を減速することができる。逆に、出力軸21の回転を増速する場合、ドライブプーリ2とドリブンプーリ3とにおいて、前記の動作と反対の動作を行えばよい。
上記のように構成された本実施形態に係る無段変速機は、以下のようにして無段階の変速が行える。出力軸5の回転を減速する場合、ドライブプーリ2側の溝幅を可動シーブ7の移動によって拡大させ、チェーン1の入力軸11に対する巻き掛け径を小さくする一方、ドリブンプーリ3側では可動シーブ9の移動によって溝幅を縮小させ、チェーン1の出力軸21に対する巻き掛け径を大きくする。これにより、出力軸21の回転を減速することができる。逆に、出力軸21の回転を増速する場合、ドライブプーリ2とドリブンプーリ3とにおいて、前記の動作と反対の動作を行えばよい。
上記のように構成された本実施形態に係る無段変速機によれば、図1〜図8に示した動力伝達チェーン1の採用により、その耐久性を向上させることができるため、長期にわたり安定して動力伝達を行える無段変速機とすることができる。
また、このような無断変速機では、チェーン1が有しているピン14の端面16が、ドライブプーリ2とドリブンプーリ3のそれぞれのシーブ面に接触することで、動力伝達が行われている。したがって、チェーン1において、1つのリンク列のうちのチェーン幅方向の端部のリンクに中央部のリンクよりも大きな荷重が作用する。しかし、本発明のチェーン1によれば、1つのリンク列においてチェーン幅方向の端部で隣り合う2枚のリンク間には、他の2つのリンク列の2枚のリンクのみが存在しているため、この端部のリンク間の間隔が狭くされ、チェーン幅方向の最端部のリンクに大きな荷重が偏って作用してしまうことを防ぐことができる。
また、このような無断変速機では、チェーン1が有しているピン14の端面16が、ドライブプーリ2とドリブンプーリ3のそれぞれのシーブ面に接触することで、動力伝達が行われている。したがって、チェーン1において、1つのリンク列のうちのチェーン幅方向の端部のリンクに中央部のリンクよりも大きな荷重が作用する。しかし、本発明のチェーン1によれば、1つのリンク列においてチェーン幅方向の端部で隣り合う2枚のリンク間には、他の2つのリンク列の2枚のリンクのみが存在しているため、この端部のリンク間の間隔が狭くされ、チェーン幅方向の最端部のリンクに大きな荷重が偏って作用してしまうことを防ぐことができる。
なお、本発明の動力伝達装置は、ドライブプーリ及びドリブンプーリの両方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、いずれか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であってもよい。また、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、有段的に変動することや、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用してもよい。
また、本発明の動力伝達チェーンは、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良く、各リンク列A,B,Cのそれぞれが有しているリンクの枚数は変更可能である。
また、本発明の動力伝達チェーンは、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良く、各リンク列A,B,Cのそれぞれが有しているリンクの枚数は変更可能である。
1 動力伝達チェーン
2 ドライブプーリ(第1のプーリ)
3 ドリブンプーリ(第2のプーリ)
11 リンク
12 リンク
13 リンク
14 ピン
15 ストリップ
16 端面
A 第1のリンク列
B 第2のリンク列
C 第3のリンク列
c 中心線
2 ドライブプーリ(第1のプーリ)
3 ドリブンプーリ(第2のプーリ)
11 リンク
12 リンク
13 リンク
14 ピン
15 ストリップ
16 端面
A 第1のリンク列
B 第2のリンク列
C 第3のリンク列
c 中心線
Claims (2)
- 第1、第2および第3のリンク列を1組としてこれを複数組備え、各リンク列はチェーン幅方向に並ぶ複数枚のリンクを有し、チェーン進行方向に隣り合う前記リンク列がピン部材を用いて連結され、このピン部材の端面が動力伝達対象面に接触する動力伝達チェーンにおいて、
前記1組のリンク列のそれぞれは、1つのリンク列内のチェーン幅方向に隣り合う2枚のリンク間のすべてにおいて、他の2つの前記リンク列のそれぞれのリンクを1枚ずつ挟んで配列されていることを特徴とする動力伝達チェーン。 - 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、
円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、
これら第1及び第2のプーリ間に架け渡された動力伝達チェーンと、を備えた動力伝達装置であって、
前記動力伝達チェーンが、請求項1に記載の動力伝達チェーンであることを特徴とする動力伝達装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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