JP2005299756A - 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに転がり接触する第1および第2のピンを用い、これら各ピンの一方のみをプーリに接触させて動力伝達を行う動力伝達チェーンにおいて、許容伝達荷重の向上および耐久性の向上を達成すること。
【解決手段】短リンク21および長リンク22は、対応する第1および第2のピン3,4を用いて相互に連結される。第2のピン4は浸炭鋼によって形成され、ロックウェル硬度HRCが58以上の表面層と、ロックウェル硬度HRCが35以上且つ50以下の内部層とを備えている。これにより、第2のピン4の強度および耐久性を十分に確保しつつ、第2のピン4の薄型化を達成できる。その結果、連結ピッチP1,P2をより短くしてより多くの第1および第2のピン3,4を設けることができ、シーブ面に一時に接触する第1のピン3の数をより多くして許容伝達荷重を格段に向上できる。
【選択図】 図3
【解決手段】短リンク21および長リンク22は、対応する第1および第2のピン3,4を用いて相互に連結される。第2のピン4は浸炭鋼によって形成され、ロックウェル硬度HRCが58以上の表面層と、ロックウェル硬度HRCが35以上且つ50以下の内部層とを備えている。これにより、第2のピン4の強度および耐久性を十分に確保しつつ、第2のピン4の薄型化を達成できる。その結果、連結ピッチP1,P2をより短くしてより多くの第1および第2のピン3,4を設けることができ、シーブ面に一時に接触する第1のピン3の数をより多くして許容伝達荷重を格段に向上できる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置に関する。
自動車のプーリ式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等の動力伝達装置に用いられる無端状の動力伝達チェーンは、通例、複数のリンクをチェーン進行方向に並べ、チェーン進行方向に隣接するリンク同士をピンで連結し、ピンの端面をプーリに接触させて動力の伝達を行うようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、プーリと動力伝達可能に係合するピンの端面に浸炭窒化層を設けたものがある(例えば、特許文献2参照)。
実開昭64−15840号公報
特開2002−147542号公報
また、プーリと動力伝達可能に係合するピンの端面に浸炭窒化層を設けたものがある(例えば、特許文献2参照)。
ところで、互いに転がり接触する一対のピンを含む連結手段を用いる動力伝達チェーンには、一対のピンの一方のみをプーリに接触させて動力伝達を行うものがある。
このような動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置において、許容伝達荷重の向上および耐久性の向上が要請されている。本発明は、これを目的とする。
このような動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置において、許容伝達荷重の向上および耐久性の向上が要請されている。本発明は、これを目的とする。
本願発明者は、上記動力伝達チェーンにおいて、許容伝達荷重を向上するために、隣接する連結手段のピッチをより短くして(ショートピッチ化して)より多くのピンを設け、プーリに一時に接触するピンの数をより多くすることを考えた。そして、これを実現するためにピンの厚みを薄くすることを試みた。しかしながら、プーリに接触するピンは、プーリとの接触面積をある程度確保する必要があり、薄型化が困難である。また、プーリに接触しないほうのピンを薄型にするにしても、耐久性の向上に限界があった。
そこで、本発明は、チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクを備え、対応するリンクが互いに転がり摺動接触する第1および第2のピンを含む連結手段を用いて相互に連結され、これら各ピンのうち第1のピンのみが動力伝達対象に係合する動力伝達チェーンにおいて、上記第2のピンは浸炭鋼により形成され、上記浸炭鋼により形成された第2のピンは、ロックウェル硬度HRCが35以上且つ50以下の内部層と、ロックウェル硬度HRCが58以上の表面層とを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、第2のピンの表面層のロックウェル硬度HRCを58以上とすることで、表面層を十分に硬くして磨耗を防止できる。さらに、内部層のロックウェル硬度HRCを35以上且つ50以下にすることで、内部層の強度を確保しつつ靭性を持たせて緩衝作用を発揮することができ、第1のピン等から受ける衝撃を吸収して第2のピンに損傷が生じることを防止できる。これにより、第2のピンの強度を十分に確保して優れた耐久性を確保しつつ、第2のピンの薄型化を達成できる。その結果、連結手段の連結ピッチをより短くしてより多くの連結手段を設けることができ、動力伝達対象に一時に接触する第1のピンの数をより多くして許容伝達荷重を格段に向上できる。
また、本発明において、上記複数のリンクは浸炭鋼により形成され、浸炭鋼により形成された複数のリンクはそれぞれ、ロックウェル硬度HRCが35以上且つ50以下の内部層と、ロックウェル硬度HRCが58以上の表面層とを含む場合がある。この場合、リンクの表面層のロックウェル硬度HRCを58以上とすることで、表面層を十分に硬くして磨耗を防止できる。さらに、内部層のロックウェル硬度HRCを35以上且つ50以下にすることで、内部層の強度を確保しつつ靭性を持たせて緩衝作用を発揮することができ、第1のピン等から受ける衝撃を吸収してリンクに損傷が生じることを防止できる。これにより、リンクの耐久性をより高めてチェーン全体としての耐久性をより向上できる。
また、本発明において、上記複数のリンクの各リンクの表面層の厚みは50μm以上で且つ各リンクの厚みの1/4以下である場合がある。この場合、表面層の厚みを50μm以上にすることで表面層の厚みを十分に確保して磨耗を確実に防止でき、また、表面層の厚みをリンクの厚みの1/4以下とすることで、内部層の厚みを十分に確保して緩衝作用を確実に発揮することができる。
また、本発明において、上記複数のリンクは、連結ピッチの相異なる複数のリンクを含む場合がある。この場合、動力伝達対象にピンが接触する際の接触音が共鳴することを防止でき、チェーン駆動音を極めて小さくできる。
また、本発明は、相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に接触して動力を伝達する上記動力伝達チェーンとを備える場合がある。この場合、極めて大きな動力を伝達できると共に、耐久性に優れた動力伝達装置を実現することができる。
また、本発明は、相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に接触して動力を伝達する上記動力伝達チェーンとを備える場合がある。この場合、極めて大きな動力を伝達できると共に、耐久性に優れた動力伝達装置を実現することができる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の動力伝達チェーンの一実施の形態に係るチェーン式無段変速機用の動力伝達チェーン(以下では、単にチェーンという)の要部の構成を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示すチェーンの要部の断面平面図である。図3(a)は、図2のII−II線に沿う断面図であり、図3(b)は、図2のIII−III線に沿う断面図である。なお、図3(a)および図3(b)は、チェーン1の直線部分を示している。
図1は、本発明の動力伝達チェーンの一実施の形態に係るチェーン式無段変速機用の動力伝達チェーン(以下では、単にチェーンという)の要部の構成を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示すチェーンの要部の断面平面図である。図3(a)は、図2のII−II線に沿う断面図であり、図3(b)は、図2のIII−III線に沿う断面図である。なお、図3(a)および図3(b)は、チェーン1の直線部分を示している。
図1および図2を参照して、チェーン1は、連結ピッチの相異なる複数のリンクとしての短リンク21および長リンク22と、チェーン進行方向X(以下では、単に「進行方向」ともいう)に並ぶ複数のリンク列としての第1の列51、第2の列52および第3の列53と、互いに転がり接触する第1および第2のピン3,4を含む連結手段20とを備えている。
短リンク21および長リンク22はそれぞれ、互いに略同一の厚みを有する板状をなしている。図3(a)および図3(b)を参照して、短リンク21および長リンク22はそれぞれ、進行方向Xの前後に並ぶ一対の端部としての前端部7,14および後端部8,15を含み、対応する前端部7,14および後端部8,15には、それぞれ対応する前貫通孔9および後貫通孔10が形成されている。
平面視において、短リンク21の連結ピッチP1は、この短リンク21において隣り合う連結手段20間の距離をいい、具体的には、チェーン1の直線部分において、前貫通孔9内の第1および第2のピン3,4が互いに接触している接触線T1(図3(a)に示す断面において、接触線T1は点として表される)と、後貫通孔10内の第1および第2のピン3,4が互いに接触している接触線T2(図3(a)に示す断面において、接触線T2は点として表される)との間の距離として定義される。
また、平面視において、長リンク22の連結ピッチP2は、この長リンク22において隣り合う連結手段20間の距離をいい、具体的には、チェーン1の直線部分において、前貫通孔9内の第1および第2のピン3,4が互いに接触している接触線T3(図3(b)に示す断面において、接触線T3は点として表される)と、後貫通孔10内の第1および第2のピン3,4が互いに接触している接触線T4(図3(b)に示す断面において、接触線T4は点として表される)との間の距離として定義される。
進行方向Xに関して、短リンク21の全長L1は、長リンク22の全長L2よりも短く(L1<L2)されている。具体的には、短リンク21の連結ピッチP1は長リンク22の連結ピッチP2よりも短く(P1<P2)されており、進行方向Xに関して、短リンク21の各貫通孔9,10間の柱部11の幅が、長リンク22の各貫通孔9,10間の柱部12の幅よりも短くされている。
また、進行方向Xに関して、短リンク21の前端部7の端面7aとこの短リンク21の前貫通孔9の周面との間の距離L3は、長リンク22の前端部14の端面14aとこの長リンク22の前貫通孔9の周面との間の距離L4よりも短く(L3<L4)されている。さらに、進行方向Xに関して、短リンク21の後端部8の端面8aとこの短リンク21の後貫通孔10の周面との間の距離L5は、長リンク22の後端部15の端面15aとこの長リンク22の後貫通孔10の周面との間の距離L6よりも短く(L5<L6)されている。
図4(a)は、図3(a)のIV−IV線に沿う短リンク21の一部断面正面図であり、図4(b)は、図3(b)のV−V線に沿う長リンク22の一部断面正面図である。
図4(a)を参照して、短リンク21は浸炭鋼によって形成されており、表面層23と、内部層24とを含んでいる。
表面層23は、母材(鋼)を浸炭、焼入れおよび焼戻しすることで硬化した浸炭層に相当し、ロックウェル硬度HRCが58以上且つ63以下に設定されている。表面層23のロックウェル硬度HRCをこの範囲に設定した理由は、以下の通りである。すなわち、表面層23のロックウェル硬度HRCが58未満であれば、短リンク21の表面25の耐摩耗性を十分に確保し難く、63を超えると、通常の焼入れ焼戻し処理では製造困難であり、且つ靭性の低下も著しくなるため、上記の範囲に設定した。
図4(a)を参照して、短リンク21は浸炭鋼によって形成されており、表面層23と、内部層24とを含んでいる。
表面層23は、母材(鋼)を浸炭、焼入れおよび焼戻しすることで硬化した浸炭層に相当し、ロックウェル硬度HRCが58以上且つ63以下に設定されている。表面層23のロックウェル硬度HRCをこの範囲に設定した理由は、以下の通りである。すなわち、表面層23のロックウェル硬度HRCが58未満であれば、短リンク21の表面25の耐摩耗性を十分に確保し難く、63を超えると、通常の焼入れ焼戻し処理では製造困難であり、且つ靭性の低下も著しくなるため、上記の範囲に設定した。
チェーン製造時における短リンク21の表面25からの表面層23の厚みL7(有効硬化層深さ。全硬化層深さでもよい)は、50μm以上で且つこの短リンク21の厚みL8の1/4以下に設定されている。表面層23の厚みL7をこの範囲に設定した理由は、以下の通りである。すなわち、表面層23の厚みL7が50μm未満であれば、表面層23が薄くて耐摩耗性を十分に確保し難くなり、短リンク21の厚みL8の1/4を超えれば内部層24が薄くなって内部層24の緩衝作用を十分に発揮し難いため、上記の範囲に設定した。例えば、短リンク21の厚みL8は、0.8〜1mmに設定され、表面層23の厚みL7は、0.1〜0.2mmに設定される。
内部層24は、短リンク21のうち表面層23以外の部分(中心部を含む)に相当する。換言すれば、内部層24は、浸炭、焼入れおよび焼戻しする前の母材(鋼)と概ね同等のロックウェル硬度HRCを有する部分に相当し、ロックウェル硬度HRCが35以上且つ50以下に設定されている。内部層24のロックウェル硬度HRCをこの範囲に設定した理由は、以下のとおりである。すなわち、内部層24のロックウェル硬度HRCが35未満であれば、短リンク21の強度の確保に限界があり、50を超えると内部層24の靭性を十分に確保し難くなって必要な緩衝作用を得難いため、上記の範囲に設定した。
図4(a)および図4(b)を参照して、長リンク22は、短リンク21と同様浸炭鋼によって形成されており、表面層26と、内部層27とを含んでいる。
表面層26は、母材(鋼)を浸炭、焼入れおよび焼戻しすることで硬化した浸炭層に相当し、ロックウェル硬度HRCが58以上且つ63以下に設定されている。表面層26のロックウェル硬度HRCをこの範囲に設定した理由は、短リンク21の表面層23のロックウェル硬度HRCを設定する場合と同様である。
表面層26は、母材(鋼)を浸炭、焼入れおよび焼戻しすることで硬化した浸炭層に相当し、ロックウェル硬度HRCが58以上且つ63以下に設定されている。表面層26のロックウェル硬度HRCをこの範囲に設定した理由は、短リンク21の表面層23のロックウェル硬度HRCを設定する場合と同様である。
チェーン製造時における長リンク22の表面28からの表面層26の厚みL9(有効硬化層深さ。全硬化層深さでもよい)は、50μm以上で且つこの長リンク22の厚みL10の1/4以下に設定されている。表面層26の厚みL9をこの範囲に設定した理由は、短リンク21の表面層23の厚みL7を設定する場合と同様である。例えば、長リンク22の厚みL10は、0.8〜1mmに設定され、表面層26の厚みL9は、0.1〜0.2mmに設定される。
内部層27は、長リンク22のうち表面層26以外の部分(中心部を含む)に相当する。換言すれば、内部層27は、浸炭、焼入れおよび焼戻しする前の母材(鋼)と概ね同等のロックウェル硬度HRCを有する部分に相当し、ロックウェル硬度HRCが35以上且つ50以下に設定されている。内部層27のロックウェル硬度HRCをこの範囲に設定した理由は、短リンク21の内部層24のロックウェル硬度HRCを設定する場合と同様である。
図2、図3(a)および図3(b)を参照して、第1〜第3の列51〜53はそれぞれ、短リンク21または長リンク22を含んでいる。具体的には、これら第1〜第3の列51〜53はそれぞれ、チェーン幅方向Wに並ぶ複数(例えば、8個)の短リンク21または長リンク22を含んでおり、同一列の短リンク21および長リンク22は、進行方向Xの位置が互いに揃えられている。例えば、第1の列51は長リンク22を含んでおり、第2の列52は短リンク21を含んでおり、第3の列53は長リンク22を含んでいる。
連結手段20は進行方向Xに沿って複数設けられている。各連結手段20の第1のピン3の両端は、チェーン幅方向Wの両端に配置されるリンク(例えば、第2の列52のチェーン幅方向Wの両端の短リンク21)からチェーン幅方向Wに突出しており、これら第1のピン3の両端面には、シーブ面接触用の動力伝達面5,6がそれぞれ設けられている。各第1のピン3はその動力伝達面5,6によって直接動力伝達に寄与するため、例えば軸受用鋼(例えばSUJ2)等の高強度材料で形成されている。
各連結手段20の第2のピン4(ストリップ、またはインターピースともいう)は、第1のピン3よりも若干短く形成された棒状体であり、シーブ面と接触しないようになっている。すなわち、第1および第2のピン3,4のうち第1のピン3のみが動力伝達対象としてのシーブ面と係合するようになっている。側面視において、第2のピン4は、第1のピン3よりも薄肉の扁平小判形形状をなしている。
図5は、第2のピン4の断面側面図である。図5を参照して、この第2のピン4は、浸炭鋼によって形成されており、表面層29と、内部層30とを含んでいる。
表面層29は、母材(鋼)を浸炭、焼入れおよび焼戻しすることで硬化した浸炭層に相当し、ロックウェル硬度HRCが58以上で且つ63以下に設定されている。表面層29のロックウェル硬度HRCをこの範囲に設定した理由は、以下の通りである。すなわち、表面層29のロックウェル硬度HRCが58未満であれば、第2のピン4の耐摩耗性を十分に確保し難く、63を超えると、通常の焼入れ焼戻し処理では製造困難であり、且つ靭性の低下も著しくなるため、上記の範囲に設定した。また、この表面層29は所定の厚みを有しており、第2のピン4の耐摩耗性が十分に確保されている。
表面層29は、母材(鋼)を浸炭、焼入れおよび焼戻しすることで硬化した浸炭層に相当し、ロックウェル硬度HRCが58以上で且つ63以下に設定されている。表面層29のロックウェル硬度HRCをこの範囲に設定した理由は、以下の通りである。すなわち、表面層29のロックウェル硬度HRCが58未満であれば、第2のピン4の耐摩耗性を十分に確保し難く、63を超えると、通常の焼入れ焼戻し処理では製造困難であり、且つ靭性の低下も著しくなるため、上記の範囲に設定した。また、この表面層29は所定の厚みを有しており、第2のピン4の耐摩耗性が十分に確保されている。
内部層30は、第2のピン4のうち表面層29以外の部分(中心部を含む)に相当する。換言すれば、内部層30は、浸炭、焼入れおよび焼戻しする前の母材(鋼)と概ね同等のロックウェル硬度HRCを有する部分に相当し、ロックウェル硬度HRCが35以上且つ50以下に設定されている。内部層30のロックウェル硬度HRCをこの範囲に設定した理由は、以下のとおりである。すなわち、内部層30のロックウェル硬度HRCが35未満であれば、第2のピン4の強度の確保に限界があり、50を超えると内部層30の靭性を十分に確保し難くなって必要な緩衝作用を得難いため、上記の範囲に設定した。また、この内部層30は所定の厚みを有しており、緩衝効果を十分に発揮できるようにされている。
再び図2、図3(a)および図3(b)を参照して、対応する第1〜第3の列51〜53の対応する短リンク21および長リンク22は、対応する連結手段20の第1および第2のピン3,4を用いて相互に連結されるようになっている。
具体的には、第1の列51の長リンク22の前貫通孔9と第2の列52の短リンク21の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの各貫通孔9,10を挿通する第1および第2のピン3,4によって、第1および第2の列51,52の対応する長リンク22および短リンク21が互いに長さ方向に屈曲可能に連結されている。
具体的には、第1の列51の長リンク22の前貫通孔9と第2の列52の短リンク21の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの各貫通孔9,10を挿通する第1および第2のピン3,4によって、第1および第2の列51,52の対応する長リンク22および短リンク21が互いに長さ方向に屈曲可能に連結されている。
第1のピン3は、対応する短リンク21および長リンク22の前貫通孔9に圧入固定(嵌合)されてこれらの短リンク21および長リンク22に対する相対回転が規制されると共に、対応する短リンク21および長リンク22の後貫通孔10に例えばルーズフィットによって微小な隙間を設けて遊嵌され、これらの短リンク21および長リンク22に対する相対移動(摺動)が可能とされている。
第1のピン3は、例えば第1の列51の各長リンク22の前貫通孔9に圧入固定されて、第1の列51の各長リンク22に対する相対回転が規制されると共に、第2の列52の各短リンク21の後貫通孔10に遊嵌されて、第2の列52の各短リンク21に対する相対移動が可能とされている。
同様に、第2の列52の短リンク21の前貫通孔9は、第3の列53の長リンク22の後貫通孔10とチェーン幅方向Wに並び、これらの各貫通孔9,10を挿通する第1のピン3によって、第2および第3の列52,53の対応する短リンク21および長リンク22が相互に連結されている。この場合、第1のピン3は、第2の列52の各短リンク21の前貫通孔9に圧入固定されると共に、第3の列53の各長リンク22の後貫通孔10に遊嵌されている。
同様に、第2の列52の短リンク21の前貫通孔9は、第3の列53の長リンク22の後貫通孔10とチェーン幅方向Wに並び、これらの各貫通孔9,10を挿通する第1のピン3によって、第2および第3の列52,53の対応する短リンク21および長リンク22が相互に連結されている。この場合、第1のピン3は、第2の列52の各短リンク21の前貫通孔9に圧入固定されると共に、第3の列53の各長リンク22の後貫通孔10に遊嵌されている。
第2のピン4は、対応する短リンク21および長リンク22の後貫通孔10に圧入固定(嵌合)されてこれらの短リンク21および長リンク22に対する相対回転が規制されると共に、対応する短リンク21および長リンク22の前貫通孔9に例えばルーズフィットにより微小な隙間を設けて遊嵌され、これらの短リンク21および長リンク22に対する相対移動(摺動)が可能とされている。
これにより、側面視において、第2のピン4の表面31(外周面)は、対応する短リンク21および長リンク22の対応する前貫通孔9および後貫通孔10、ならびに進行方向Xに隣り合う第1のピン3の外周面に接触している。
第2のピン4は、例えば、第1の列51の各長リンク22の前貫通孔9に遊嵌されて、第1の列51の各長リンク22に対する相対移動が可能とされると共に、第2の列52の各短リンク21の後貫通孔10に圧入固定されて、第2の列52の各短リンク21に対する相対回転が規制されている。
第2のピン4は、例えば、第1の列51の各長リンク22の前貫通孔9に遊嵌されて、第1の列51の各長リンク22に対する相対移動が可能とされると共に、第2の列52の各短リンク21の後貫通孔10に圧入固定されて、第2の列52の各短リンク21に対する相対回転が規制されている。
同様に、第2のピン4は、第2の列52の各短リンク21の前貫通孔9に遊嵌されて、第2の列52の各短リンク21に対する相対移動が可能とされると共に、第3の列53の各長リンク22の後貫通孔10に圧入固定されて、第3の列53の各長リンク22に対する相対回転が規制されている。
上記第1〜第3の列51〜53によって、無端状のチェーン1のためのモジュールとしてのリンクユニット13が形成されている。このリンクユニット13は、チェーン進行方向Xに並んで複数配置されるようになっている(図2において、1つのリンクユニット13のみを図示)。そして、進行方向Xに隣接する2つのリンクユニット13の、対応する第1〜第3の列51〜53の対応する短リンク21および長リンク22が互いに連結されるようになっている。リンクユニット13が進行方向Xに沿って順次に連結され、全体として無端状をなすチェーン1が形成される。
上記第1〜第3の列51〜53によって、無端状のチェーン1のためのモジュールとしてのリンクユニット13が形成されている。このリンクユニット13は、チェーン進行方向Xに並んで複数配置されるようになっている(図2において、1つのリンクユニット13のみを図示)。そして、進行方向Xに隣接する2つのリンクユニット13の、対応する第1〜第3の列51〜53の対応する短リンク21および長リンク22が互いに連結されるようになっている。リンクユニット13が進行方向Xに沿って順次に連結され、全体として無端状をなすチェーン1が形成される。
具体的には、リンクユニット13の第3の列53の各長リンク22の前貫通孔9と、進行方向Xの一方(図2において、左側)に隣接する図示しない他のリンクユニット13の第1の列51の各長リンク22の後貫通孔10とを対応するように配置する。そして、第1のピン3を、対応する第3の列53の各長リンク22の前貫通孔9に圧入固定すると共に、対応する第1の列51の各長リンク22の後貫通孔10に遊嵌する。さらに、第2のピン4を、上記の前貫通孔9に遊嵌すると共に、上記の後貫通孔10に圧入固定する。
また、リンクユニット13の第1の列51の各長リンク22の後貫通孔10と、チェーン進行方向Xの他方(図2において、右側)に隣接する図示しないさらに他のリンクユニット13の第3の列53の各長リンク22の前貫通孔9(図示せず)とを対応するように配置する。そして、第1のピン3を、対応する第1の列51の各長リンク22の後貫通孔10に遊嵌すると共に、対応する第3の列53の各長リンク22の前貫通孔9に圧入嵌合する。さらに、第2のピン4を、上記の後貫通孔10に圧入嵌合すると共に、上記の前貫通孔9に遊嵌する。
上記の構成により、チェーン駆動時において、第2のピン4は、進行方向Xに隣接する対応する第1のピン3と相対的に転がり摺動接触(転がり接触およびすべり接触の少なくとも一方を含む接触)するようになっている。転がり接触成分が多く、すべり接触成分が少なく、プーリのシーブ面に対して第1のピン3が殆ど回転しないようにでき、摩擦損失を低減して高い伝動効率を確保することができる。
さらに、リンクとして長リンクのみを用いた従来のチェーンと比較して、本実施の形態のチェーン1は、連結ピッチのより短い短リンク21を一部に用いることで、チェーン1全体における連結ピッチの平均値をより短くしており、プーリのシーブ面に一時に係合する第1のピン3の数をより多くすることができる。これにより、上記従来のチェーンと比較して、本実施の形態のチェーン1は、第1のピン3(シーブ面に接触するピン)一本当たりの負荷を低減でき、許容伝達荷重をより大きくすることができると共に、第1のピン3とシーブ面との接触によるチェーン駆動音を格段に低減できる。
また、上記従来のチェーンと比較して、本実施の形態のチェーン1では、各短リンク21の全長L1を、各長リンク22の全長L2より短く(L1<L2)しているので、短リンク21をより軽量にしてチェーン1をより軽量にでき、チェーン駆動時にチェーン1に生じる遠心力を格段に低減することができる。その結果、チェーン1に作用する負荷を低減でき、耐久性をより向上できる。
以上の次第で、本実施の形態によれば、第2のピン4の表面層29のロックウェル硬度HRCを58以上とすることで、この表面層29を十分に硬くして磨耗を防止できる。さらに、第2のピン4の内部層29のロックウェル硬度HRCを35以上且つ50以下にすることで、この内部層30の強度を確保しつつ靭性を持たせて緩衝作用を発揮することができ、第1のピン3等から受ける衝撃を吸収して第2のピン4に損傷が生じることを防止できる。これにより、第2のピン4の強度を十分に確保して優れた耐久性を確保しつつ、第2のピン4の薄型化を達成できる。
その結果、第2のピンが厚肉であった従来のチェーンと比較して、本実施の形態のチェーン1では、各短リンク21および各長リンク22の連結ピッチP1,P2の平均値をより短くしてより多くの連結手段20を設けることができ、動力伝達対象としてのシーブ面に一時に接触する第1のピン3の数をより多くして許容伝達荷重を格段に向上できる。
また、各短リンク21および各長リンク22の表面層23,26のロックウェル硬度HRCを58以上とすることで、これらの表面層23,26を十分に硬くして各短リンク21および各長リンク22の磨耗を確実に防止できる。
また、各短リンク21および各長リンク22の表面層23,26のロックウェル硬度HRCを58以上とすることで、これらの表面層23,26を十分に硬くして各短リンク21および各長リンク22の磨耗を確実に防止できる。
さらに、各短リンク21および各長リンク22の対応する内部層24,27のロックウェル硬度HRCを35以上且つ50以下にすることで、これらの内部層24,27の強度を確保しつつ靭性を持たせて緩衝作用を発揮することができ、第1のピン3等から受ける衝撃を吸収してリンクに損傷が生じることを防止できる。これにより、各短リンク21および各長リンク22の耐久性をより高めてチェーン1全体としての耐久性をより向上できる。
また、各短リンク21および各長リンク22の対応する表面層23,26の厚みL7,L9を50μm以上にすることで、これらの表面層23,26の厚みL7,L9を十分に確保して磨耗を確実に防止でき、また、これらの表面層23,26の厚みL7,L9を対応する短リンク21および長リンク22の厚みL8,L10の1/4以下とすることで、上記各内部層24,27の厚みを十分に確保して緩衝作用を確実に発揮することができる。
さらに、相異なる連結ピッチP1,P2を有する短リンク21および長リンク22を用いることで、シーブ面に第1のピン3が接触する際の接触音が共鳴することを防止でき、チェーン駆動音を極めて小さくできる。
なお、第2のピン4の表面層29のロックウェル硬度HRCは、63より大きくてもよい。また、短リンク21および長リンク22は、上記したものに限定されない。具体的には、各短リンク21および各長リンク22の対応する表面層23,26のロックウェル硬度HRCは、58未満であってもよいし、63より大きくてもよい。さらに、各短リンク21および各長リンク22の対応する表面層23,26の厚みL7,L9は、50μm未満であってもよいし、対応する短リンク21および長リンク22の厚みL8,L10の1/4より大きくてもよい。
なお、第2のピン4の表面層29のロックウェル硬度HRCは、63より大きくてもよい。また、短リンク21および長リンク22は、上記したものに限定されない。具体的には、各短リンク21および各長リンク22の対応する表面層23,26のロックウェル硬度HRCは、58未満であってもよいし、63より大きくてもよい。さらに、各短リンク21および各長リンク22の対応する表面層23,26の厚みL7,L9は、50μm未満であってもよいし、対応する短リンク21および長リンク22の厚みL8,L10の1/4より大きくてもよい。
さらにまた、各短リンク21および各長リンク22の対応する内部層24,27のロックウェル硬度HRCは、35未満であってもよいし、50より大きくてもよい。また、各短リンク21および各長リンク22を、浸炭鋼以外の材料で形成してもよい。
また、上記各実施の形態において、短リンク21は、第1および第3の列51,53の何れか一列にのみ配置されていてもよいし、第1〜第3の列51〜53の何れか2列に配置されていてもよい。さらに、進行方向Xに関する短リンク21の配列パターンは、規則的なパターンおよび不規則的なパターンの少なくとも一方を含む。すなわち、短リンク21の配列パターンは、規則的なパターンのみを含む場合と、規則的なパターンおよび不規則的なパターンを含む場合と、不規則的なパターンのみを含む場合とがある。長リンク22の配列パターンについても同様である。
また、上記各実施の形態において、短リンク21は、第1および第3の列51,53の何れか一列にのみ配置されていてもよいし、第1〜第3の列51〜53の何れか2列に配置されていてもよい。さらに、進行方向Xに関する短リンク21の配列パターンは、規則的なパターンおよび不規則的なパターンの少なくとも一方を含む。すなわち、短リンク21の配列パターンは、規則的なパターンのみを含む場合と、規則的なパターンおよび不規則的なパターンを含む場合と、不規則的なパターンのみを含む場合とがある。長リンク22の配列パターンについても同様である。
また、第1〜第3の列51〜53の対応する短リンク21および長リンク22の数はそれぞれ、7個以下でもよいし、9個以上でもよい。この場合、第1〜第3の列51〜53のそれぞれのリンクの個数は、相等しくされてもよいし相異なるようにされてもよい。さらに、短リンク21および長リンク22の何れか一方のみを用いてもよいし、連結ピッチの相異なる3種類以上のリンクを設けてもよい。
図6は、本発明の動力伝達装置の一実施の形態に係るいわゆるチェーン式無段変速機(以下では、単に無段変速機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。図6を参照して、本実施の形態に係る無段変速機は、自動車等の車両に搭載されるものであり、第1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ60と、第2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ70と、これらの両プーリ60,70間に巻き掛けられた無端状のチェーン1とを備えている。なお、図6中のチェーン1は、理解を容易にするために一部断面を示している。
図7は、図6に示すチェーン式無段変速機のドライブプーリ60(ドリブンプーリ70)およびチェーン1の部分的な拡大断面図である。図6および図7を参照して、ドライブプーリ60は、車両の駆動源に動力伝達可能に連なる入力軸61に取り付けられるものであり、固定シーブ62と可動シーブ63とを備えている。固定シーブ62および可動シーブ63は、動力伝達対象としての相対向する一対のシーブ面62a,63aをそれぞれ有している。シーブ面62a,63aは円錐面状の傾斜面を含む。これらシーブ面62a,63a間に溝が区画され、この溝によってチェーン1を強圧に挟んで保持するようになっている。
また、可動シーブ63には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、入力軸61の軸方向(図7の左右方向)に可動シーブ63を移動させることにより溝幅を変化させ、それにより、入力軸61の径方向(図7の上下方向)にチェーン1を移動させて入力軸61に対するチェーン1の巻き掛け半径(有効半径)を変化できるようになっている。
一方、ドリブンプーリ70は、駆動輪(図示せず)に動力伝達可能に連なる出力軸71に一体回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ60と同様に、チェーン1を強圧で挟む溝を形成するための動力伝達対象としてのシーブ面72a,73aをそれぞれ有する固定シーブ72および可動シーブ73を備えている。ドリブンプーリ70の可動シーブ73には、ドライブプーリ60の可動シーブ63と同様に油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、この可動シーブ73を移動させることにより溝幅を変化させ、それによりチェーン1を移動させて出力軸71に対するチェーン1の巻き掛け半径(有効半径)を変化できるようにしてある。
上記のように構成された本実施の形態に係る無段変速機では、例えば、以下のようにして無段階の変速を行うことができる。すなわち、出力軸71の回転を減速する場合、ドライブプーリ60の溝幅を可動シーブ63の移動によって拡大させ、チェーン1の第1のピン3の両端の動力伝達面5,6を円錐面状のシーブ面62a,63aの内側方向(図7の下方向)に向けて境界潤滑(接触面内の一部が微小突起の直接接触で、残部が潤滑油膜を介して接触する潤滑状態)条件下ですべり接触しながらチェーン1の入力軸61に対する巻き掛け半径を小さくする。一方、ドリブンプーリ70では、可動シーブ73の移動によって溝幅を縮小させ、チェーン1の第1のピン3の動力伝達面5,6を円錐面状のシーブ面72a,73aの外側方向(図7の上方向)に向けて境界潤滑条件下ですべり接触させながらチェーン1の出力軸71に対する巻き掛け半径を大きくする。
逆に、出力軸71の回転を増速する場合には、ドライブプーリ60の溝幅を可動シーブ63の移動によって縮小させ、チェーン1の第1のピン3の動力伝達面5,6を円錐面状のシーブ面62a,63aの外側方向に向けて境界潤滑条件下ですべり接触しながらチェーン1の入力軸61に対する巻き掛け半径を大きくする。一方、ドリブンプーリ70では、可動シーブ73の移動によって溝幅を拡大させ、チェーン1の動力伝達面5,6を円錐面状のシーブ面72a,73aの内側方向に向けて境界潤滑条件下ですべり接触させながらチェーン1の出力軸71に対する巻き掛け半径を小さくする。
以上の次第で、本実施の形態によれば、伝動効率に優れ、極めて大きな動力を伝達できると共に耐久性に優れ、さらには静粛性に優れた動力伝達装置を実現することができる。
なお、本発明の動力伝達装置は、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であっても良い。また、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、段階的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用しても良い。さらに、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の対応する可動シーブ63,73を油圧式以外のアクチュエータによって移動させるようにしてもよい。
なお、本発明の動力伝達装置は、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であっても良い。また、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、段階的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用しても良い。さらに、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の対応する可動シーブ63,73を油圧式以外のアクチュエータによって移動させるようにしてもよい。
また、第1のピン3の動力伝達面5,6(端面)が対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに接触して動力伝達する例を示したが、本発明は、動力伝達面を有する動力伝達ブロック等、他の動力伝達部材を備えるタイプのチェーンにも適用できる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
1 チェーン(動力伝達チェーン)
3 第1のピン
4 第2のピン
20 連結手段
21 短リンク(連結ピッチの相異なる複数のリンクの1つ)
22 長リンク(連結ピッチの相異なる複数のリンクの1つ)
23 (短リンクの)表面層
24 (短リンクの)内部層
26 (長リンクの)表面層
27 (長リンクの)内部層
29 (第2のピンの)表面層
30 (第2のピンの)内部層
60 ドライブプーリ(第1のプーリ)
70 ドリブンプーリ(第2のプーリ)
62a,63a,72a,73a シーブ面(動力伝達対象)
L7 (短リンクの表面層の)厚み
L8 (短リンクの)厚み
L9 (長リンクの表面層の)厚み
L10 (長リンクの)厚み
P1 (短リンクの)連結ピッチ
P2 (長リンクの)連結ピッチ
X チェーン進行方向
3 第1のピン
4 第2のピン
20 連結手段
21 短リンク(連結ピッチの相異なる複数のリンクの1つ)
22 長リンク(連結ピッチの相異なる複数のリンクの1つ)
23 (短リンクの)表面層
24 (短リンクの)内部層
26 (長リンクの)表面層
27 (長リンクの)内部層
29 (第2のピンの)表面層
30 (第2のピンの)内部層
60 ドライブプーリ(第1のプーリ)
70 ドリブンプーリ(第2のプーリ)
62a,63a,72a,73a シーブ面(動力伝達対象)
L7 (短リンクの表面層の)厚み
L8 (短リンクの)厚み
L9 (長リンクの表面層の)厚み
L10 (長リンクの)厚み
P1 (短リンクの)連結ピッチ
P2 (長リンクの)連結ピッチ
X チェーン進行方向
Claims (5)
- チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクを備え、対応するリンクが互いに転がり摺動接触する第1および第2のピンを含む連結手段を用いて相互に連結され、これら各ピンのうち第1のピンのみが動力伝達対象に係合する動力伝達チェーンにおいて、
上記第2のピンは浸炭鋼により形成され、
上記浸炭鋼により形成された第2のピンは、ロックウェル硬度HRCが35以上且つ50以下の内部層と、ロックウェル硬度HRCが58以上の表面層とを含むことを特徴とする動力伝達チェーン。 - 請求項1において、上記複数のリンクは浸炭鋼により形成され、
浸炭鋼により形成された複数のリンクはそれぞれ、ロックウェル硬度HRCが35以上且つ50以下の内部層と、ロックウェル硬度HRCが58以上の表面層とを含むことを特徴とする動力伝達チェーン。 - 請求項2において、上記複数のリンクの各リンクの表面層の厚みは50μm以上で且つ各リンクの厚みの1/4以下であることを特徴とする動力伝達チェーン。
- 請求項1,2または3において、上記複数のリンクは、連結ピッチの相異なる複数のリンクを含むことを特徴とする動力伝達チェーン。
- 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に接触して動力を伝達する請求項1,2,3または4記載の動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置。
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JP2004114499A JP2005299756A (ja) | 2004-04-08 | 2004-04-08 | 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 |
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JP2009222104A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Jtekt Corp | 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 |
US7775030B2 (en) | 2005-12-26 | 2010-08-17 | Jtekt Corporation | Power transmission chain, method for manufacturing the same, and power transmission apparatus |
JP2020158244A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | 住友金属鉱山株式会社 | 搬送コンベア |
-
2004
- 2004-04-08 JP JP2004114499A patent/JP2005299756A/ja active Pending
Cited By (4)
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