JP6762730B2 - たこ焼粉、及びたこ焼の製造方法 - Google Patents

たこ焼粉、及びたこ焼の製造方法 Download PDF

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本発明は、たこ焼粉、及びたこ焼の製造方法に関し、特に良好な食感を有するたこ焼を、一定の品質で効率良く製造できるたこ焼粉、及びたこ焼の製造方法に関する。
たこ焼は、通常、小麦粉等の原料粉、調味料、水等を混合して調製した生地を、複数の半球状の窪みを有する専用焼き器に流し入れ、たこ等の具材を加え、専用ピック等で返しながら球状に焼成して製造される。一般に、たこ焼は、表面がカリッと香ばしく、内部はとろみがあり、滑らかで口溶けが良い食感が好ましいとされている。しかしながら、たこ焼の食感は、生地を構成する原料粉や水の量、具材の量、調理者の技量等によって大きな差が生じ、上述のような良好な食感のたこ焼を効率良く製造することは困難であった。また、内部にとろみがあるたこ焼を製造することを意図して、単に生地に含まれる水の量を多くした場合は、焼成時間が長く、焼成し難く作業性が悪い;焼成時に球状に成形できない;保形性が低く焼成後に収縮する;焼成に長時間掛かるため内部の滑らかなとろみが得難い;といった問題が生じる。
従来から、たこ焼の食感を改良するために種々の開発が行われている。例えば、特許文献1では、焼き色が良好で、且つ風味に優れ、食感は表面がカリッと香ばしくその内部がなめらかで口溶けがよい食感のたこ焼きやお好み焼きが得られるミックスを提供することを目的とし、穀粉類100質量部に対して0.01〜1質量部の麦芽粉末を含有することを特徴とするたこ焼き用またはお好み焼き用ミックスが開発されている。また、特許文献2では、焼きたて時だけでなく、冷めた後や冷蔵・冷凍保存後の再加熱時でも表面がカリッと、中身はふわっとクリーミーで、口溶けがよい食感のたこ焼き又はお好み焼きを提供することを目的とし、穀粉類100質量部に対して、アセチル化酸化でん粉1〜30質量部を含有することを特徴とするたこ焼き又はお好み焼きミックスが開発されている。さらに特許文献3では、液卵、出し汁、水などを多く配合したバッター液を用いてたこ焼きを製造しても作業効率が悪くならず、中身がとろっとしたたこ焼きを提供することを目的とし、セルロースエーテルを含んでなることを特徴とするたこ焼き用プレミックスが開発されている。
特開2012−191915号公報 特開2013−85524号公報 特開2013−252104号公報
特許文献1〜3に開示された、たこ焼の製造条件においては、生地を調製する際の水又は出し汁、及び液卵の配合量が、穀粉100gに対して、350g〜450g程度であるが、たこ焼の内部にとろみを付与するため、さらに水の配合量を多くした方が望ましい。しかしながら、上述の通り、生地に含まれる水の量を多くした場合は、焼成時間が長く、焼成時の成形性、焼成後の保形性が低下する問題が生じ、このことは、上記特許文献のたこ焼粉を用いた場合でも同様である。また、焼成時間については、例えば、特許文献3に開示された例では、上記の比較的少ない水の量でも、20分間の焼成時間であるが、時間、及びエネルギーコストを考慮すると、より短時間で焼成できることが望ましい。
したがって、本発明の目的は、たこ焼の内部にとろみを付与するため、生地に含まれる水の量を多くした場合であっても、具材の種類や量、調理者の技量に係わらず、表面がカリッと香ばしく、内部はとろみがあり、滑らかで口溶けが良い食感で、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性に優れるたこ焼を一定の品質で得られる上、短時間で焼成、製造することができるたこ焼粉、及びたこ焼の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、数多くの材料をたこ焼粉に配合して鋭意検討した結果、原料粉として大麦粉を所定量配合することで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、上記目的は、小麦粉及び大麦粉(レーザー回折型粒度分布測定による平均粒子径が20μm以下であり、正規分布又は正規分布に近い粒度分布を示すものを除く)を含有する原料粉を含むたこ焼粉であって、前記大麦粉の含有率が、前記原料粉の総質量に基づいて15〜70質量%であることを特徴とするたこ焼粉によって達成される。大麦粉を上記の含有率で含有する原料粉を含むたこ焼粉を用いて生地を調製することにより、生地に含まれる水の量を多くしても、短時間での焼成が可能で、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性や得られるたこ焼に悪影響が生じないため、具材の種類や量、調理者の技量に係わらず、表面がカリッと香ばしく、内部はとろみがあり、滑らかで口溶けが良いたこ焼を一定の品質で効率良く製造することができる。
また、上記目的は、小麦粉及び大麦粉(レーザー回折型粒度分布測定による平均粒子径が20μm以下であり、正規分布又は正規分布に近い粒度分布を示すものを除く)を含有する原料粉であり、前記大麦粉の含有率が、前記原料粉の総質量に基づいて15〜70質量%である原料粉、並びに水を含む生地材料を混合してたこ焼用生地を調製する工程、及び前記たこ焼用生地を、必要に応じて具材と共に焼成する工程を含むたこ焼の製造方法によって達成される。上述の通り、大麦粉を上記の含有率で含有する原料粉を含む生地を調製することにより、生地に含まれる水の量を多くしても、具材の種類や量、調理者の技量に係わらず、良好な食感で、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性に優れるたこ焼を一定の品質で得られる上、短時間で効率良く製造することができる。
本発明のたこ焼の製造方法における好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記たこ焼用生地を、本発明のたこ焼粉、及び水を含む生地材料を混合して調製する。これにより、容易に本発明の製造方法を実施することができる。
(2)前記水の量が、前記原料粉100質量部に対して400〜600質量部である。これにより、内部にとろみが十分にあり、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性に優れるたこ焼を、効率良く製造することができる。
本発明により、具材の種類や量、調理者の技量に係わらず、表面がカリッと香ばしく、内部はとろみがあり、滑らかで口溶けが良い食感で、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性に優れるたこ焼を、一定の品質で効率良く製造することができる。また、本発明のたこ焼の製造方法は、たこ焼の内部にとろみを付与するため、生地に含まれる水の量を多くしても、良好な食感を有するたこ焼を一定の品質で得られる上、短時間での焼成が可能なので、時間、及びエネルギーコスト的にも有利である。
[たこ焼粉]
本発明のたこ焼粉は、小麦粉及び大麦粉(レーザー回折型粒度分布測定による平均粒子径が20μm以下であり、正規分布又は正規分布に近い粒度分布を示すものを除く)を含有する原料粉を含み、大麦粉の含有率が、前記原料粉の総質量に基づいて15〜70質量%であることを特徴とする。大麦粉を上記の含有率で含有する原料粉を含むたこ焼粉を用いて生地を調製することにより、生地に含まれる水の量を多くしても、短時間での焼成が可能であり、焼成時に球状に成形できなくなったり、保形性が悪く焼成後に収縮したり、滑らかなとろみが得難くなったりする悪影響が生じないため、具材の種類や量、調理者の技量に係わらず、表面がカリッと香ばしく、内部はとろみがあり、滑らかで口溶けが良い食感で、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性に優れるたこ焼を一定の品質で効率良く製造することができる。後述する実施例で示す通り、小麦粉のみを原料粉として含む場合や、大麦粉の含有率が前記原料粉の総質量に基づいて10質量%以下の場合は、生地に含まれる水の量を多くすると、作業性、焼成時の成形性、焼成後の保形性に悪影響が生じ、良好な品質のたこ焼を効率良く製造することができない。また、大麦粉のみを原料粉として含む場合も、焼成後の保形性が低下し、良好な品質のたこ焼を効率良く製造することができない。本発明のたこ焼粉において、大麦粉の含有率は、前記原料粉の総質量に基づいて、好ましくは20〜50質量%であり、さらに好ましくは30〜50質量%である。
本発明のたこ焼粉において、小麦粉は、特に制限はなく、通常たこ焼粉に使用する小麦粉を用いることができる。小麦粉としては、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、全粒粉、デュラム小麦粉等が挙げられる。本発明において、小麦粉は、薄力粉、及び中力粉が好ましい。また、大麦粉は、大麦を適当な製粉方法により粉状に調製したものである。大麦の種類は、食用であれば特に制限はなく、二条大麦、六条大麦、裸大麦等何れの種類でもよく、それらの内の何れの品種でもよく、複数の種類又は品種を混合したものでもよい。
本発明のたこ焼粉において、原料粉は、本発明の効果を損なわない限り、小麦粉及び大麦粉以外の穀粉、でん粉等を含有してもよい。小麦粉及び大麦粉以外の原料粉としては、大豆粉、そば粉、ライ麦粉、米粉、トウモロコシ粉等の穀粉類;コーンスターチ、馬鈴薯でん粉、タピオカでん粉、これらのでん粉に物理的、化学的な加工を単独又は複数組み合わせて施した加工でん粉等のでん粉類等が挙げられる。原料粉における小麦粉及び大麦粉の合計の含有率は、原料粉の総質量に基づいて、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
本発明のたこ焼粉は、本発明の効果を損なわない限り、たこ焼粉に一般に用いられている他の副材料を適宜含有させてもよい。副材料としてはデキストリン、オリゴ糖、ぶどう糖、粉末水あめ、砂糖等の糖質;グアガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム等の増粘剤;粉末油脂やショートニング等の油脂;卵白粉、卵黄粉、全卵粉、小麦たん白、乳たん白、大豆たん白等のたん白素材;食塩、グルタミン酸ナトリウム、だしパウダー、粉末醤油等の調味料;昆布粉末、鰹節粉末等の風味原料;酵母エキス、畜肉又は魚介由来エキス等のエキス類;その他、山芋粉、長芋粉、膨張剤、乳化剤、色素、香料、香辛料、種々の品質改良剤等が挙げられる。
[たこ焼の製造方法]
本発明のたこ焼の製造方法は、小麦粉及び大麦粉(レーザー回折型粒度分布測定による平均粒子径が20μm以下であり、正規分布又は正規分布に近い粒度分布を示すものを除く)を含有する原料粉であり、大麦粉の含有率が、前記原料粉の総質量に基づいて15〜70質量%である原料粉、並びに水を含む生地材料を混合してたこ焼用生地を調製する工程、及び前記たこ焼用生地を、必要に応じて具材と共に焼成する工程を含む。上述の通り、大麦粉を上記の含有率で含有する原料粉を含むたこ焼用生地を調製することにより、具材の種類や量、調理者の技量に係わらず、表面がカリッと香ばしく、内部はとろみがあり、滑らかで口溶けが良い食感で、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性に優れるたこ焼を一定の品質で得られる上、短時間で効率良く製造することができる。生地を調製する工程は、特に制限は無く、従来公知の方法で行うことができる。例えば、混合機又はボールに生地材料を投入して撹拌して生地を調製する。たこ焼を焼成する工程も、特に制限は無く、従来公知の方法で行うことができる。例えば、専門店や家庭で製造する場合は、生地を複数の半球状の窪みを有する専用焼き器に流し入れ、たこ等の具材を加え、専用ピック、串等で返しながら、具材を内部に封入して球状に焼成する。また、食品工場で製造する場合は、たこ焼製造装置に、生地及び具材をセットし、連続的に焼成する。本発明のたこ焼の製造方法において、必要に応じて加える具材は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はない。例えば、たこ、いか、桜えび等の魚介類又はその加工品;キャベツ、ネギ、紅しょうが等の野菜類又はその加工品;ひき肉、ハム等の肉類又はその加工品;その他、揚げ玉、チーズ等が挙げられる。また、焼成されるたこ焼の形状は、球状でなくてもよく、特に制限はない。例えば、専用焼き器、又は製造装置の焼き型によって、半球状、釣鐘型等に成形され得る。
本発明のたこ焼の製造方法における生地材料としては、上述の本発明のたこ焼粉の各材料、及び水又は出し汁、並びに卵液、食用油等の液状の材料が挙げられる。本発明のたこ焼の製造方法における生地材料の好ましい態様は、上述の本発明のたこ焼粉における好ましい態様と同様である。本発明のたこ焼の製造方法においては、たこ焼用生地の調製工程を、本発明のたこ焼粉、水又は出し汁、及び必要に応じてその他の液状の材料を含む生地材料を混合して行なってもよく、生地材料として、上述の本発明のたこ焼粉に含まれる各材料、水又は出し汁、及び必要に応じてその他の液状の材料を、原料粉における大麦粉の含有率が上記の範囲になるように、それぞれ個別に、又は一部が予め混合されたものを用いて、混合して行なってもよい。容易に生地を調製できる点で、本発明のたこ焼粉、及び水を含む生地材料を混合して調製することが好ましい。なお、水以外の生地材料の内、水に可溶又は分散可能な材料を、予め溶解又は分散させて用いてもよい。
本発明のたこ焼の製造方法において、生地材料における水の量は、本発明の効果を得ることができれば、特に制限はなく、生地材料に応じて適宜調節することができる。本発明のたこ焼の製造方法は、たこ焼の内部にとろみを付与するため、生地に含まれる水の量を多くしても、具材の種類や量、調理者の技量に係わらず、良好な食感で、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性に優れるたこ焼を一定の品質で得られる上、短時間での焼成が可能なので、時間、及びエネルギーコスト的にも有利である。生地材料における水の量は、内部にとろみが十分にあり、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性に優れるたこ焼を効率良く製造するために、原料粉100質量部に対して、400〜600質量部であることが好ましく、400〜500質量部がさらに好ましい。
本発明のたこ焼の製造方法によって製造されるたこ焼は、たこ焼用専用焼き器、又はたこ焼製造装置を用いて製造されるものであれば、特に制限はない。例えば、家庭や専門店で焼き立てを喫食されるものでもよく、食品工場で大量に製造され、冷蔵又は冷凍で流通され、レンジアップされて喫食されるものでもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
1.たこ焼粉の調製
表1〜3に示した各実施例、比較例、参考例のたこ焼粉の配合で、各材料を混合し、各たこ焼粉を調製した。
2.たこ焼用生地の調製
表1〜3に示した配合で調製した各実施例、比較例、参考例のたこ焼粉に、表1〜3に示した配合で、卵液、水を加え、撹拌混合し、各たこ焼用生地を調製した。
3.たこ焼の製造試験
200℃に加熱した複数の半球状の窪み(穴径:45mm、深さ:20mm)を有するたこ焼器にサラダ油を引き、各生地を流し入れた後、各窪みに茹で蛸(4g)を加え、竹串を用いて球状に形を整えながら8分間焼成し、たこ焼を製造した。
4.たこ焼の評価
(1)焼成時成形性
焼成時成形性は、焼成時にたこ焼を成形する際の、竹串による返し易さ、及び球状への成形状況について、5名のパネラーで、以下の評価基準で評価した。パネラーの評価点の平均値を評価結果として表1〜3に示す。なお、評価点は小数点第2位を四捨五入して示した。
5:非常に良好。
4:良好。
3:普通。
2:悪い。
1:非常に悪い。
(2)焼成後保形性
焼成時成形性は、焼成されたたこ焼を2〜3分室温で放置して冷ました際の、焼成時の形状の保持状況(収縮が生じないか)について、5名のパネラーで、以下の評価基準で目視評価した。パネラーの評価点の平均値を評価結果として表1〜3に示す。なお、評価点は小数点第2位を四捨五入して示した。
5:非常に良好。
4:良好。
3:普通。
2:悪い。
1:非常に悪い。
(3)食感(とろみ)
食感(とろみ)は、焼成されたたこ焼を2〜3分室温で放置して冷ました後、試食し、食感として、内部のとろみを、10名のパネラーで、以下の評価基準で評価した。パネラーの評価点の平均値を評価結果として表1〜3に示す。なお、評価点は小数点第2位を四捨五入して示した。
5:非常に良好。
4:良好。
3:普通。
2:悪い。
1:非常に悪い。
Figure 0006762730
表1においては、原料粉として、小麦粉以外の種々の材料を配合して、本発明の目的が達成できるか評価した。その結果、表1に示した通り、原料粉として小麦粉のみを用い、水の量が、原料粉100質量部に対して300質量部である参考例1(以下、コントロールという)の生地と比較して、単に水の量を原料粉100質量部に対して500質量部とした参考例2は、焼成時成形性、焼成後保形性が非常に悪く、8分間では焼成できず、食感の評価はできなかった。これに対し、原料粉として、大麦粉を、前記原料粉の総質量に対して30質量%含有し、水の量が、原料粉100質量部に対して500質量部の実施例1の生地では、コントロールと比較して、得られたたこ焼の食感(とろみ)が非常に良好で、焼成時成形性、焼成後保形性も非常に良好であった。一方、大豆粉、小麦外皮、ポリデキストロース、セルロースを、実施例1の大麦粉と置き換えた比較例1〜4の生地では、小麦粉のみの参考例2と同様に、コントロールより焼成時成形性、焼成後保形性が非常に悪く、8分間では焼成できず、食感の評価はできなかった。また、酸化でん粉を実施例1の大麦粉と置き換えた比較例5の生地では、小麦粉のみの参考例2と同様に、焼成時成形性、焼成後保形性が非常に悪く、得られたたこ焼の内部にとろみはあったものの、全体的に軟らかい食感で好ましいものではなかった。したがって、本発明の効果は、大麦粉を用いることで、初めて得られるものと示唆された。
Figure 0006762730
次に、本発明の効果に対する大麦粉の含有量の影響について調べた。表2に示した通り、原料粉として、大麦粉を、前記原料粉の総質量に対して15〜70質量%含有する実施例2〜19の生地では、水の量が、原料粉100質量部に対して300質量部の場合(実施例2、及び17)は、全ての評価でコントロールと同程度であったが、水の量が原料粉100質量部に対して400〜600質量部の場合(実施例3〜16、18、及び19)は、コントロールと比較して、得られたたこ焼の食感(とろみ)が良好で、焼成時成形性、焼成後保形性も良好であった。特に原料粉として、大麦粉を、前記原料粉の総質量に対して20〜50質量%含有し、水の量が原料粉100質量部に対して400〜500質量部の実施例7〜9、11、12、15及び16の生地が良好であった。また、小麦粉として、薄力粉のみを用いた実施例4、8、及び13と、薄力粉の一部を中力粉に置き換えた実施例5、9、及び14とをそれぞれ比較すると、いずれも一部を中力粉に置き換えた実施例の方が、焼成時成形性、焼成後保形成が良好であった。一方、原料粉として、大麦粉を、前記原料粉の総質量に対して10質量%含有する比較例6〜9の生地では、水の量が原料粉100質量部に対して400質量部の場合(比較例7)は、コントロールと比較して、食感(とろみ)が向上したが、焼成時成形性、焼成後保形性が悪く、水の量が原料粉100質量部に対して500質量部の場合(比較例8)は、焼成時成形性、焼成後保形性が非常に悪く、8分間では焼成できず、食感の評価はできなかった。なお、比較例8と同様な条件で、小麦粉として、中力粉を用いた比較例9では、8分間で焼成が可能であり、コントロールと比較して、食感(とろみ)が向上したが、焼成時成形性、焼成後保形性が非常に悪かった。一方、原料粉として、大麦粉のみを用い、水の量が原料粉100質量部に対して400〜500質量部の比較例10、及び11の生地は、粘度が高すぎるために焼成時成形性、焼成後保形性が非常に悪く、食感の評価もコントロールと同程度であった。したがって、原料粉として、大麦粉を、小麦粉及び大麦粉の合計質量に基づいて15〜70質量%含む生地の場合に、良好な焼成時成形性、焼成後保形性で、良好な食感を有するたこ焼が得られることが示唆された。
Figure 0006762730
次に、小麦粉及び大麦粉以外の原料粉が含まれる場合の本発明の効果に与える影響を調べるため、酸化でん粉が配合されたたこ焼粉について調べた。表3に示した通り、原料粉の総質量に対して、酸化でん粉を10質量%含む比較例12及び13の生地では、水の量が原料粉100質量部に対して300〜400質量部の場合、コントロールと比較して、食感(とろみ)が向上したが、焼成時成形性、焼成後保形性は、同等以下であった。これに対し、原料粉の総質量に対して、酸化でん粉を7質量%含み、大麦粉を30質量%含む実施例20及び21の生地は、水の量が、原料粉100質量部に対して400〜500質量部で、食感(とろみ)が非常に良好であり、焼成時成形性、焼成後保形性も良好であった。したがって、原料粉として、酸化でん粉等が含まれていても、本発明の効果が得られることが示唆された。
以上の実施例の結果により、本発明によって、表面がカリッと香ばしく、内部はとろみがある良好な食感で、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性に優れるたこ焼を一定の品質で得られる上、短時間の焼成で効率良く製造することができることが示唆された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、たこ焼の内部にとろみを付与するため、生地に含まれる水の量を多くした場合であっても、具材の種類や量、調理者の技量に係わらず、表面がカリッと香ばしく、内部はとろみがあり、滑らかで口溶けが良い食感で、焼成時の成形性、及び焼成後の保形性に優れるたこ焼を一定の品質で得られる上、短時間で効率良く製造することができるたこ焼粉、及びたこ焼の製造方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 小麦粉及び大麦粉(レーザー回折型粒度分布測定による平均粒子径が20μm以下であり、正規分布又は正規分布に近い粒度分布を示すものを除く)を含有する原料粉を含むたこ焼粉であって、
    前記大麦粉の含有率が、前記原料粉の総質量に基づいて15〜70質量%であることを特徴とするたこ焼粉。
  2. 小麦粉及び大麦粉(レーザー回折型粒度分布測定による平均粒子径が20μm以下であり、正規分布又は正規分布に近い粒度分布を示すものを除く)を含有する原料粉であり、前記大麦粉の含有率が、前記原料粉の総質量に基づいて15〜70質量%である原料粉、並びに水を含む生地材料を混合してたこ焼用生地を調製する工程、及び
    前記たこ焼用生地を、必要に応じて具材と共に焼成する工程を含むたこ焼の製造方法。
  3. 前記たこ焼用生地を、請求項1に記載のたこ焼粉、及び水を含む生地材料を混合して調製する請求項2に記載のたこ焼の製造方法。
  4. 前記水の量が、前記原料粉100質量部に対して400〜600質量部である請求項2又は3に記載のたこ焼の製造方法。
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