JP6761224B2 - プリント配線板、半導体装置及び樹脂シートセット - Google Patents

プリント配線板、半導体装置及び樹脂シートセット Download PDF

Info

Publication number
JP6761224B2
JP6761224B2 JP2014029832A JP2014029832A JP6761224B2 JP 6761224 B2 JP6761224 B2 JP 6761224B2 JP 2014029832 A JP2014029832 A JP 2014029832A JP 2014029832 A JP2014029832 A JP 2014029832A JP 6761224 B2 JP6761224 B2 JP 6761224B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin composition
printed wiring
wiring board
solder resist
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014029832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015154064A (ja
Inventor
中村 茂雄
茂雄 中村
玄迅 真子
玄迅 真子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP2014029832A priority Critical patent/JP6761224B2/ja
Priority to TW108126622A priority patent/TWI708528B/zh
Priority to TW104100717A priority patent/TWI674043B/zh
Priority to CN202110325291.1A priority patent/CN113038700A/zh
Priority to CN201510070892.7A priority patent/CN104853538A/zh
Priority to CN202110326144.6A priority patent/CN113068320A/zh
Priority to KR1020150023589A priority patent/KR102290572B1/ko
Publication of JP2015154064A publication Critical patent/JP2015154064A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6761224B2 publication Critical patent/JP6761224B2/ja
Priority to KR1020210103608A priority patent/KR20210100574A/ko
Priority to KR1020220132207A priority patent/KR102572916B1/ko
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0373Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement containing additives, e.g. fillers
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/0271Arrangements for reducing stress or warp in rigid printed circuit boards, e.g. caused by loads, vibrations or differences in thermal expansion
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • H05K3/28Applying non-metallic protective coatings
    • H05K3/285Permanent coating compositions
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K2201/00Indexing scheme relating to printed circuits covered by H05K1/00
    • H05K2201/02Fillers; Particles; Fibers; Reinforcement materials
    • H05K2201/0203Fillers and particles
    • H05K2201/0206Materials
    • H05K2201/0209Inorganic, non-metallic particles

Description

本発明は、プリント配線板に関する。
プリント配線板の最外層には、半導体チップ(以下、「部品」ともいう。)の実装工程において半田が不要な部分に付着するのを防止すると共に、回路基板が腐食するのを防止するために、通常、保護膜としてソルダーレジスト層が設けられる。ソルダーレジスト層は、一般に、回路基板上に光硬化性樹脂組成物の層を設け、該層を露光・現像して形成される(例えば、特許文献1)。
特開2009−258613号公報
近年の含鉛半田から鉛フリー半田への代替に伴い、部品の実装工程における半田リフロー温度は上昇している。また近年、電子機器の小型化を達成すべく、プリント配線板の更なる薄型化が進められている。
プリント配線板の薄型化が進むにつれて、部品の実装工程においてプリント配線板に反りが生じ、回路歪みや部品の接触不良等の問題が生じることを本発明者らは見出した。
本発明は、部品の実装工程における反りを抑制することのできる、薄型のプリント配線板を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討した結果、特定の厚さと弾性率を有する2つのソルダーレジスト層を組み合わせて用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 第1及び第2のソルダーレジスト層を含むプリント配線板であって、
第1のソルダーレジスト層の厚さをt(μm)、硬化後の弾性率(23℃)をG(GPa)とし、第2のソルダーレジスト層の厚さをt(μm)、硬化後の弾性率(23℃)をG(GPa)とし、プリント配線板の厚さをZ(μm)とするとき、下記条件(1)〜(3):
(1) Z≦250;
(2) (t+t)/Z≧0.1;及び
(3) G×[t/(t+t)]+G×[t/(t+t)]≧6
を満たし、Gが6以上である、プリント配線板。
[2] 第1のソルダーレジスト層の硬化後のガラス転移温度(Tg)が150℃以上である、[1]に記載のプリント配線板。
[3] 第1のソルダーレジスト層が、無機充填材含有量が60質量%以上である樹脂組成物を硬化して形成される、[1]又は[2]に記載のプリント配線板。
[4] 条件(2)について、0.1≦(t+t)/Z≦0.5である、[1]〜[3]のいずれかに記載のプリント配線板。
[5] Gが6以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載のプリント配線板。
[6] 第1のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(200℃)をG’(GPa)、第2のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(200℃)をG’(GPa)とするとき、下記条件(4):
(4) G’×[t/(t+t)]+G’×[t/(t+t)]≧0.2
をさらに満たす、[1]〜[5]のいずれかに記載のプリント配線板。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載のプリント配線板を含む半導体装置。
[8] プリント配線板のソルダーレジスト層用樹脂シートセットであって、
第1の支持体と、該第1の支持体と接合している第1の樹脂組成物層とを含む第1の樹脂シートと、
第2の支持体と、該第2の支持体と接合している第2の樹脂組成物層とを含む第2の樹脂シートと
を含み、第1の樹脂組成物層の厚さをt1p(μm)、硬化後の弾性率(23℃)をG(GPa)とし、第2の樹脂組成物層の厚さをt2p(μm)、硬化後の弾性率(23℃)をG(GPa)とし、プリント配線板の厚さをZ(μm)とするとき、下記条件(1’)〜(3’):
(1’) Z≦250;
(2’) (t1p+t2p)/Z≧0.1;及び
(3’) G×[t1p/(t1p+t2p)]+G×[t2p/(t1p+t2p)]≧6
を満たし、Gが6以上である、樹脂シートセット。
本発明によれば、部品の実装工程における反りを抑制することのできる、薄型のプリント配線板を提供することができる。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、第1及び第2のソルダーレジスト層を含み、第1のソルダーレジスト層の厚さをt(μm)、硬化後の弾性率(23℃)をG(GPa)とし、第2のソルダーレジスト層の厚さをt(μm)、硬化後の弾性率(23℃)をG(GPa)とし、プリント配線板の厚さをZ(μm)とするとき、下記条件(1)〜(3):
(1) Z≦250;
(2) (t+t)/Z≧0.1;及び
(3) G×[t/(t+t)]+G×[t/(t+t)]≧6
を満たし、Gが6以上であることを特徴とする。
斯かる特定の厚さと弾性率を有する第1及び第2のソルダーレジスト層を組み合わせて含む本発明のプリント配線板は、高い半田リフロー温度を採用する部品の実装工程においても反りを抑えることができ、回路歪みや部品の接触不良等の問題の発生を抑制することができる。
−条件(1)−
条件(1)は、本発明のプリント配線板の厚さZ(μm)に関する。プリント配線板の厚さZとは、回路基板と、該回路基板の両側に設けられた第1及び第2のソルダーレジスト層とを含むプリント配線板全体の厚さをいう。本発明のプリント配線板の厚さ(Z)は、薄型化の観点から、250μm以下であり、好ましくは240μm以下、より好ましくは230μm以下、さらに好ましくは220μm以下、さらにより好ましくは210μm以下、特に好ましくは200μm以下、190μm以下、180μm以下、170μm以下、160μm以下又は150μm以下である。本発明のプリント配線板では、このように厚さが薄い場合であっても、実装工程における反りを抑えることができる。厚さ(Z)の下限は、特に限定されないが、通常、20μm以上、又は30μm以上とし得る。
−条件(2)−
条件(2)は、本発明のプリント配線板に含まれる第1及び第2のソルダーレジスト層の厚さt(μm)及びt(μm)に関する。ここで、第1及び第2のソルダーレジスト層の厚さt(μm)及びt(μm)は、回路基板のベース面(回路基板の表面のうち、表面回路のない部分)からの厚さである。実装工程におけるプリント配線板の反りを抑える観点から、プリント配線板の厚さZに対する第1及び第2のソルダーレジスト層の厚さの和(t+t)の比、すなわち(t+t)/Z比は、0.1以上であり、条件(3)の右辺の値にもよるが、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以上、0.22以上、0.24以上、0.26以上、0.28以上又は0.3以上である。(t+t)/Z比の上限は、所期の配線密度を有するプリント配線板を得る観点から、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.45以下、さらに好ましくは0.4以下、0.39以下、0.38以下、0.37以下、0.36以下、0.36以下又は0.34以下である。
第1のソルダーレジスト層の厚さtは、上記特定の(t+t)/Z比を満たす限り特に限定されないが、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上、20μm以上又は25μm以上である。厚さtの上限は、特に限定されないが、上記特定の(t+t)/Z比を満たす限り特に限定されないが、好ましくは120μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下又は30μm以下である。
第2のソルダーレジスト層の厚さtは、上記特定の(t+t)/Z比を満たす限り特に限定されず、第1のソルダーレジスト層の厚さtとプリント配線板の厚さZとを考慮して決定すればよい。第2のソルダーレジスト層の厚さtの上限は、通常、120μm以下又は100μm以下とすることができ、厚さtの下限は、通常、5μm以上又は10μm以上とすることができる。
−条件(3)−
条件(3)は、本発明のプリント配線板に含まれる第1及び第2のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(23℃)に関する。第1及び第2のソルダーレジスト層は、後述するように、樹脂組成物を硬化して形成される。硬化後の弾性率(23℃)とは、樹脂組成物を硬化させた後の、23℃におけるソルダーレジスト層の弾性率を表す。第1及び第2のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(23℃)をそれぞれG(GPa)及びG(GPa)とするとき、式:G×[t/(t+t)]+G×[t/(t+t)]の値(以下、「G及びGの厚さ加重平均値」ともいう。)は、実装工程におけるプリント配線板の反りを抑える観点から、6以上であり、好ましくは6.2以上、より好ましくは6.4以上、さらに好ましくは6.6以上、さらにより好ましくは6.8以上である。G及びGの厚さ加重平均値が6.8以上であると、プリント配線板の厚さZが200μm以下とさらに薄い場合であっても、実装工程におけるプリント配線板の反りを抑えることができる。G及びGの厚さ加重平均値は、プリント配線板の厚さZを小さくしつつ(t+t)/Z比をさらに低くする場合であっても実装工程におけるプリント配線板の反りを抑え得る観点から、7以上、7.5以上、8以上、8.5以上、9以上、9.5以上、10以上、10.5以上、11以上、11.5以上、12以上、12.5以上又は13以上であることが特に好ましい。G及びGの厚さ加重平均値の上限は、特に限定されないが、通常、40以下、30以下などとし得る。第1及び第2のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(23℃)は、引張試験機を用いて引張加重法により23℃において測定することができる。引張試験機としては、例えば、(株)オリエンテック製「RTC−1250A」が挙げられる。
第1のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(23℃)、すなわちG(GPa)は、6以上である。Gの値は、6以上であり且つG及びGの厚さ加重平均値が上記特定の範囲にある限り特に限定されないが、実装工程におけるプリント配線板の反りを十分に抑える観点から、好ましくは6.2以上、より好ましくは6.4以上、さらに好ましくは6.6以上、さらにより好ましくは6.8以上、特に好ましくは7以上、7.5以上、8以上、8.5以上、9以上、9.5以上、10以上、10.5以上、11以上、11.5以上、12以上、12.5以上又は13以上である。Gの上限は、特に限定されないが、通常、40以下、30以下などとし得る。
第2のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(23℃)、すなわちG(GPa)は、G及びGの厚さ加重平均値が上記特定の範囲にある限り特に限定されない。例えば、Gの値は、G及びGの厚さ加重平均値が上記特定の範囲にある限りにおいて、1〜30の範囲において決定すればよい。プリント配線板の厚さZを小さくしつつ(t+t)/Z比をさらに低くする場合であっても実装工程におけるプリント配線板の反りを容易に抑え得る観点から、Gの値は、6以上であることが特に好ましい。
実装工程におけるプリント配線板の反りをさらに抑え得る観点から、第1及び第2のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(200℃)をそれぞれG’(GPa)及びG’(GPa)とするとき、下記条件(4):
(4) G’×[t/(t+t)]+G’×[t/(t+t)]≧0.2
を満たすことが好ましい。
’×[t/(t+t)]+G’×[t/(t+t)]の値(以下、「G’及びG’の厚さ加重平均値」ともいう。)は、0.22以上であることがより好ましく、0.24以上であることがさらに好ましい。G’及びG’の厚さ加重平均値が0.24以上であると、プリント配線板の厚さZが200μm以下とさらに薄い場合であっても、実装工程におけるプリント配線板の反りを抑えることができる。G’及びG’の厚さ加重平均値は、プリント配線板の厚さZを小さくしつつ(t+t)/Z比をさらに低くする場合であっても実装工程におけるプリント配線板の反りを抑え得る観点から、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.0以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上又は1.4以上であることが特に好ましい。G’及びG’の厚さ加重平均値の上限は、特に限定されないが、通常、15以下、10以下などとし得る。なお、硬化後の弾性率(200℃)とは、樹脂組成物を硬化させた後の、200℃におけるソルダーレジスト層の弾性率を表し、引張試験機を用いて引張加重法により200℃において測定することができる。
第1のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(200℃)、すなわちG’(GPa)は、実装工程におけるプリント配線板の反りを十分に抑える観点から、0.2以上であることが好ましく、0.22以上であることがより好ましく、0.24以上であることがさらに好ましく、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.0以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上又は1.4以上であることが特に好ましい。G’の上限は、特に限定されないが、通常、15以下、10以下などとし得る。
第2のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(200℃)、すなわちG’(GPa)は、G’との関係においてG’及びG’の厚さ加重平均値が上記特定の範囲となるような値であることが好ましい。例えば、G’の値は、G’及びG’の厚さ加重平均値が上記特定の範囲にある限りにおいて、0.1〜10の範囲にあることが好ましい。プリント配線板の厚さZを小さくしつつ(t+t)/Z比をさらに低くする場合であっても実装工程におけるプリント配線板の反りを容易に抑え得る観点から、G’の値は、0.2以上であることが特に好ましい。
上記条件(1)、(2)及び(3)を満たす本発明のプリント配線板においては、高い半田リフロー温度を採用する実装工程においても反りを抑えることができる。一実施形態において、本発明のプリント配線板は、ピーク温度が260℃と高い半田リフロー温度を採用する実装工程において、プリント配線板の反りを、50μm以下に抑えることができる。本発明において、プリント配線板の反りは、プリント配線板中央の25mm角部分の反り挙動をシャドウモアレ装置にて観察した際の、変位データの最大高さと最小高さの差の値である。測定に際しては、IPC/JEDEC J−STD−020C(「Moisture/Reflow Sensitivity Classification For Nonhermetic Solid State Surface Mount Devices」、2004年7月)に記載されるリフロー温度プロファイル(鉛フリーアセンブリ用プロファイル;ピーク温度260℃、25℃からピーク温度までの昇温所要時間5分間)を再現するリフロー装置にプリント配線板を1回通した後、上記IPC/JEDEC J−STD−020Cに準拠したリフロー温度プロファイルにてプリント配線板の片面を加熱処理して、プリント配線板の他方の面に設けた格子線につき変位データを求めた。なお、リフロー装置としては、例えば、日本アントム(株)製「HAS−6116」が挙げられ、シャドウモアレ装置としては、例えば、Akrometrix製「TherMoire AXP」が挙げられる。条件(3)における右辺の値を上記の好適な値とすることにより、プリント配線板の厚さZを小さくしつつ(t+t)/Z比をさらに低くする場合であっても実装工程におけるプリント配線板の反りを、48μm以下、46μm以下、44μm以下、42μm以下又は40μm以下にまで抑えることができる。
[プリント配線板のソルダーレジスト層用樹脂シートセット]
本発明のプリント配線板は、特定の厚さ及び弾性率を有する第1及び第2のソルダーレジスト層を回路基板の両面に設けて製造することができる。
以下、本発明のプリント配線板を製造するに際して好適に使用し得る一組の樹脂シート(「樹脂シートセット」ともいう。)について説明する。
本発明のプリント配線板のソルダーレジスト層用樹脂シートセットは、
第1の支持体と、該第1の支持体と接合している第1の樹脂組成物層とを含む第1の樹脂シートと、
第2の支持体と、該第2の支持体と接合している第2の樹脂組成物層とを含む第2の樹脂シートと
を含み、第1の樹脂組成物層の厚さをt1p(μm)、硬化後の弾性率(23℃)をG(GPa)とし、第2の樹脂組成物層の厚さをt2p(μm)、硬化後の弾性率(23℃)をG(GPa)とし、プリント配線板の厚さをZ(μm)とするとき、下記条件(1’)〜(3’):
(1’) Z≦250;
(2’) (t1p+t2p)/Z≧0.1;及び
(3’) G×[t1p/(t1p+t2p)]+G×[t2p/(t1p+t2p)]≧6
を満たし、Gが6以上であることを特徴とする。
斯かる樹脂シートセットを用いて第1及び第2のソルダーレジスト層を形成することにより、条件(1)、(2)及び(3)を満たす本発明のプリント配線板を簡便に製造することができる。
条件(1’)は、上記条件(1)と対応する。Zの好適な範囲は、条件(1)について説明したとおりである。
条件(2’)は、上記条件(2)と対応する。回路基板上に樹脂組成物層を積層しソルダーレジスト層を形成する場合、回路基板の表面回路の存在に起因して、通常、得られるソルダーレジスト層の厚さは樹脂組成物層の厚さよりも厚くなる。したがって条件(2’)を満たすことにより、回路基板の表面回路の厚さや表面回路の密度によらず、条件(2)を容易に満たすことができる。条件(2’)において、(t1p+t2p)/Z比の好適な範囲を決定するに際しては、条件(2)における「t」及び「t」をそれぞれ「t1p」及び「t2p」に読み替えて適用することができる。同様に、t1p及びt2pの好適な範囲を決定するに際しては、上記条件(2)に付随して説明したt及びtの好適な範囲の説明において、「t」及び「t」をそれぞれ「t1p」及び「t2p」に読み替えて適用することができる。なお、t1p及びt2pの決定に際しては、それらが回路基板の表面回路の厚さと同じかより厚くなるように決定することが好ましい。
条件(3’)は、上記条件(3)と対応する。ソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(23℃)が、ソルダーレジスト層を構成するのに使用した樹脂組成物の硬化後の弾性率(23℃)を表すことは先述のとおりであり、G及びGの好適な範囲は、条件(3)について説明したとおりである。また、条件(3’)の右辺の値の好適な範囲は、条件(3)について記載したとおりである。
実装工程におけるプリント配線板の反りをさらに抑え得る観点から、第1及び第2の樹脂組成物層の硬化後の弾性率(200℃)をそれぞれG’(GPa)及びG’(GPa)とするとき、下記条件(4’):
(4’) G’×[t1p/(t1p+t2p)]+G’×[t2p/(t1p+t2p)]≧0.2
を満たすことが好ましい。条件(4’)の右辺の値の好適な範囲については、条件(4)について記載したとおりであり、G’及びG’の好適な範囲は、条件(4)について説明したとおりである。
<樹脂組成物>
第1及び第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は、硬化後に上記特定の弾性率を示すと共に十分な耐薬品性と絶縁性を有するものであればよく、熱硬化性樹脂組成物であっても光硬化性樹脂組成物であってもよい。例えば、熱硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂及び硬化剤を含む樹脂組成物が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、プリント配線板のソルダーレジスト層を形成する際に使用される従来公知の熱硬化性樹脂を用いることができ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。したがって一実施形態において、第1及び第2の樹脂組成物層に使用される熱硬化性樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂及び(b)硬化剤を含む。また、好適な光硬化性樹脂組成物は、上記の熱硬化性樹脂組成物にさらに光硬化性樹脂を加えることにより形成することができる。光硬化性樹脂としては、プリント配線板のソルダーレジスト層を形成する際に使用される従来公知の光硬化性樹脂を用いることができ、露光・現像(フォトリソグラフィー)による開口形成を容易に実施し得る観点から、光硬化型アルカリ可溶性樹脂が好ましい。したがって一実施形態において、第1及び第2の樹脂組成物層に使用される光硬化性樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、及び(c)光硬化型アルカリ可溶性樹脂を含む。光硬化性樹脂組成物は、さらに(d)光重合開始剤、(e)光増感剤及び(f)希釈剤からなる群から選択される1種以上を含んでもよい。なお本発明においては、光硬化性樹脂を含み、フォトリソグラフィーにより開口形成が可能な樹脂組成物は、それが熱硬化性を有する場合であっても「光硬化性樹脂組成物」と称する。第1及び第2の樹脂組成物層に使用し得る樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物、光硬化性樹脂組成物の別を問わず、必要に応じて、さらに、(g)無機充填材、(h)熱可塑性樹脂、(i)硬化促進剤、(j)難燃剤及び(k)有機充填材等の添加剤を含んでいてもよい。
以下、第1及び第2の樹脂組成物層において、樹脂組成物の材料として使用し得るエポキシ樹脂、硬化剤、光硬化型アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、光増感剤、希釈剤及び添加剤について説明する。
−(a)エポキシ樹脂−
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂及びトリメチロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるのが好ましい。中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」という。)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下、「固体状エポキシ樹脂」という。)とを含むことが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有する樹脂組成物が得られる。また、樹脂組成物を硬化して形成されるソルダーレジスト層の破断強度も向上する。特に、樹脂組成物が熱硬化性樹脂組成物である場合に、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することが好ましい。樹脂組成物が光硬化性樹脂組成物である場合、エポキシ樹脂として固体状エポキシ樹脂を使用することが好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びナフタレン型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、ナガセケムテックス(株)製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、又はナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、又はナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がより好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がさらに好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP−4700」、「HP−4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」、「EXA7311−G3」、「EXA7311−G4」、「EXA7311−G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN−502H」(トリスフェノールエポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラックエポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ESN475」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「ESN485V」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル(株)製の「PG−100」、「CG−500」、三菱化学(株)製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:4の範囲が好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比を斯かる範囲とすることにより、i)樹脂シートの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)樹脂シートの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)十分な破断強度を有するソルダーレジスト層を得ることができるなどの効果が得られる。上記i)〜iii)の効果の観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂の量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.3〜1:3.5の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:3の範囲がさらに好ましく、1:0.8〜1:2.5の範囲が特に好ましい。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上又は9質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらにより好ましくは40質量%以下又は35質量%以下である。
なお、本発明において、樹脂組成物を構成する各成分の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分の合計を100質量%としたときの値である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜3000、より好ましくは80〜2000、さらに好ましくは110〜1000である。この範囲となることで、硬化物の架橋密度が十分となり耐熱性に優れたソルダーレジスト層をもたらすことができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
−(b)硬化剤−
硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性に優れるソルダーレジスト層を得る観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、回路基板との密着性に優れるソルダーレジスト層を得る観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び回路基板との密着性を高度に満足するソルダーレジスト層を得る観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂が好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、東都化成(株)製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」、「SN395」、DIC(株)製の「LA7052」、「LA7054」、「LA3018」等が挙げられる。
耐熱性に優れるソルダーレジスト層を得る観点から、活性エステル系硬化剤も好ましい。活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン−ジシクロペンタレン−フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」(DIC(株)製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416−70BK」(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2〜1:2の範囲が好ましく、1:0.3〜1:1.5がより好ましく、1:0.4〜1:1.2がさらに好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。エポキシ樹脂と硬化剤との量比を斯かる範囲とすることにより、得られるソルダーレジスト層の耐熱性がより向上する。
−(c)光硬化型アルカリ可溶性樹脂−
光硬化型アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ可溶基(例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基等)を含む光硬化性樹脂である限り特に限定されず、プリント配線板のソルダーレジスト層を形成する際に使用される従来公知の光硬化型アルカリ可溶性樹脂を使用してよい。中でも、光硬化型アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ可溶基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂が好ましく、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂、フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂がより好ましい。光硬化型アルカリ可溶性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
カルボキシル基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂に不飽和カルボン酸を反応させ、さらに酸無水物を反応させて形成される酸ペンダント型不飽和エポキシエステル樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、(a)成分と同様のものを使用すればよく、良好な現像性、絶縁信頼性が得られる観点から、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。エポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸等が挙げられ、良好な光硬化特性が得られる観点から、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。不飽和カルボン酸は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、良好な現像性、絶縁信頼性が得られる観点から、無水コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸が好ましい。酸無水物は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
酸ペンダン卜型不飽和エポキシエステル樹脂は、触媒の存在下、不飽和カルボン酸とエポキシ樹脂とを反応させて不飽和エポキシエステル樹脂を形成し、該不飽和エポキシエステル樹脂を酸無水物と反応させることにより得ることができる。斯かる反応は公知であり、反応温度、反応時間、触媒の種類や使用量等の反応条件は当業者が適宜決定してよい。
酸ペンダント型不飽和エポキシエステル樹脂は市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、日本化薬(株)製「ZFR−1533H」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アクリル酸、及び無水テトラヒドロフタル酸の反応物)、「ZAR−2000」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アクリル酸、及び無水コハク酸の反応物)、昭和電工(株)製「PR−3000」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アクリル酸、及びカルボン酸無水物の反応物)等が挙げられる。
フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基と含む樹脂は、例えば、フェノール性水酸基を含む樹脂に、ラジカル重合性不飽和基とイソシアネート基とを含む化合物を反応させて合成することができる。
フェノール性水酸基を含む樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂が挙げられ、良好な現像性、絶縁信頼性が得られる観点から、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂が好ましい。フェノール性水酸基を含む樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性不飽和基とイソシアネート基とを含む化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルイソシアネート;イソシアネートエチル(メタ)アクリレート;及びポリイソシアネート化合物と、イソシアネート基と反応し得る官能基(例えば、水酸基)を有する(メタ)アクリレート化合物とを部分的に付加反応させて得られる反応生成物等が挙げられる。ここで、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、3−イソシアネート−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられ、イソシアネート基と反応し得る官能基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂は、触媒の存在下、フェノール性水酸基を含む樹脂に、ラジカル重合性不飽和基とイソシアネート基とを含む化合物を反応させることにより得ることができる。斯かる反応は公知であり、反応温度、反応時間、触媒の種類や使用量等の反応条件は当業者が適宜決定してよい。
光硬化型アルカリ可溶性樹脂のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、良好な解像性が得られる観点から、好ましくは500〜1000000、より好ましくは1000〜50000、さらに好ましくは1500〜35000である。光硬化型アルカリ可溶性樹脂のMnは、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定される。Mnは、例えば、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
光硬化型アルカリ可溶性樹脂の固形分酸価は、良好な絶縁信頼性を示すソルダーレジスト層が得られる観点から、好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは90mgKOH/g以下、さらに好ましくは80mgKOH/g以下又は70mgKOH/g以下である。十分な現像性が得られる限りにおいて固形分酸価はさらに低いことが好ましく、斯かる観点から、光硬化型アルカリ可溶性樹脂としては、フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂が特に好ましい。
樹脂組成物中の光硬化型アルカリ可溶性樹脂の含有量は、良好な現像性を得る観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。光硬化型アルカリ可溶性樹脂の含有量の上限は、耐熱性に優れるソルダーレジスト層を得る観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
−(d)光重合開始剤−
光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−モルホリノ−1−プロパノン、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸、ベンゾイルエチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアルキルフェノン系光重合開始剤;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]及びエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系光重合開始剤;及びスルホニウム塩系光重合開始剤等が挙げられ、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、BASFジャパン(株)製「イルガキュア819」(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド)、「イルガキュア907」(2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−モルホリノ−1−プロパノン)、「OXE−01」(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、「OXE−02」(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))等が挙げられる。
樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量は、良好な光硬化特性、絶縁信頼性が得られる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上である。光重合開始剤の含有量の上限は、感度過多による寸法安定性の低下を防止し得る観点から、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
−(e)光増感剤−
光増感剤としては、例えば、三級アミン類、ピラリゾン類、アントラセン類、クマリン類、キサントン類、チオキサントン類等が挙げられ、チオキサントン類が好ましく、2,4−ジエチルチオキサントンがより好ましい。光増感剤は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。光増感剤の市販品としては、例えば、日本化薬(株)製「DETX−S」(2,4−ジエチルチオキサントン)が挙げられる。
樹脂組成物中の光増感剤の含有量は、良好な光硬化特性が得られる観点から、好ましくは0.01質量%〜1質量%、より好ましくは0.05質量%〜0.5質量%である。
−(f)希釈剤−
希釈剤は、樹脂組成物の光硬化反応を促進するために使用される。希釈剤としては、例えば、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する、室温で液体、固体又は半固形の感光性(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
代表的な感光性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリシクロデカンジメタノールなどのジオール化合物のモノ若しくはジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド若しくはε−カプロラクトンの付加物の多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等のフェノール類又はそのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイド付加物などのアクリレート類;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテルから誘導されるエポキシアクリレート類;メラミンアクリレート類;及び/又は上記のアクリレートに対応するメタクリレート類などが挙げられる。中でも、ジオール化合物のモノ若しくはジ(メタ)アクリレート類、多価(メタ)アクリレート類が好ましい。
希釈剤は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。希釈剤の市販品としては、例えば、日本化薬(株)「DPHA」(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、共栄社化学工業(株)製「DCPA」(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)等が挙げられる。
樹脂組成物中の希釈剤の含有量は、光硬化反応を促進させる観点、硬化物のべたつきを防止する観点から、好ましくは0.5質量%〜10質量%、より好ましくは2質量%〜8質量%である。
−(g)無機充填材−
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等のシリカが特に好適である。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。市販されている球状溶融シリカとしては、たとえば、(株)アドマテックス製「SOC1」、「SOC2」、「SOC3」及び「SOC4」、電気化学工業(株)製「UFP−30」、「UFP−80」が挙げられる。
無機充填材の平均粒径は特に限定されず、所望される特性に応じて適宜決定してよい。無機充填材の分散性を高める観点から、無機充填材の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上である。十分な絶縁信頼性を得る観点から、無機充填材の平均粒径は、好ましくは4μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下、さらにより好ましくは1μm以下である。なお、樹脂組成物が光硬化性樹脂組成物である場合、無機充填材の平均粒径の上限は、良好な光硬化特性を得る観点から、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.8μm以下、さらに好ましくは0.6μm以下又は0.4μm以下である。無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA−500」等を使用することができる。
無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤などの1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA−320V」等を使用することができる。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、所望の弾性率を示すソルダーレジスト層が得られる限りにおいて特に限定されない。エポキシ樹脂や硬化剤の種類にもよるが、樹脂組成物中の無機充填材の含有量を高めると、該樹脂組成物の硬化後の弾性率は高くなる傾向にある。例えば、硬化後に6GPa以上の高い弾性率(23℃)を示す樹脂組成物層、ひいては、ソルダーレジスト層を形成するに際しては、樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、60質量%以上であることが好ましい。硬化後の弾性率(23℃)がさらに高い樹脂組成物層、ひいてはソルダーレジスト層を形成するに際しては、樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上又は75質量%以上であることがさらに好ましい。
一実施形態において、第1の樹脂組成物層、ひいては第1のソルダーレジスト層に使用される樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上又は75質量%以上である。第1の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限は、特に限定されないが、得られるソルダーレジスト層の機械強度の観点から、通常、95質量%以下、90質量%以下などとし得る。
第2の樹脂組成物層、ひいては第2のソルダーレジスト層に使用される樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、所望の弾性率を示す第2のソルダーレジスト層が得られる限りにおいて所望される特性に応じて適宜決定すればよく、好ましくは0質量%〜95質量%の範囲、より好ましくは20質量%〜85質量%の範囲において適宜決定することが好ましい。
好適な一実施形態において、第1の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は熱硬化性樹脂組成物であり、上述の(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、及び(g)無機充填材を含む。斯かる実施形態において、第1の樹脂組成物層に使用される熱硬化性樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は1:0.1〜1:4の範囲が好ましく、1:0.3〜1:3.5の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:3の範囲がさらに好ましく、1:0.8〜1:2.5の範囲がさらにより好ましい)を、(b)硬化剤としてフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上(好ましくはフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤及び活性エステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上)を、(g)無機充填材としてシリカを、それぞれ含むことが好ましい。斯かる特定の成分を組み合わせて含む熱硬化性樹脂組成物に関しても、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤及び(g)無機充填材の好適な含有量は上述のとおりである。
好適な他の実施形態において、第1の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は光硬化性樹脂組成物であり、上述の(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)光硬化型アルカリ可溶性樹脂及び(g)無機充填材を含む。斯かる実施形態において、第1の樹脂組成物層に使用される光硬化性樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は1:0.1〜1:4の範囲が好ましく、1:0.3〜1:3.5の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:3の範囲がさらに好ましく、1:0.8〜1:2.5の範囲がさらにより好ましい)あるいは固体状エポキシ樹脂のみを、(b)硬化剤としてフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上(好ましくはフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤及び活性エステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上)を、(c)光硬化型アルカリ可溶性樹脂としてアルカリ可溶基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂(好ましくはカルボキシル基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂、フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂、より好ましくはフェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂)を、(g)無機充填材としてシリカを、それぞれ含むことが好ましい。斯かる特定の成分を組み合わせて含む熱硬化性樹脂組成物に関しても、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)光硬化型アルカリ可溶性樹脂、及び(g)無機充填材の好適な含有量は上述のとおりであるが、良好な耐熱性、絶縁信頼性及び現像性が得られる観点から、(a)エポキシ樹脂は、(c)光硬化型アルカリ可溶性樹脂の不揮発成分を100質量%とするとき、好ましくは5〜100質量%、より好ましくは10〜85質量%であることが好ましい。なお、第1の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物が光硬化性樹脂組成物である場合、該光硬化性樹脂組成物は、さらに(d)光重合開始剤、(e)光増感剤及び(f)希釈剤からなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。
実装工程におけるプリント配線板の反りをさらに抑え得る観点から、第1の樹脂組成物層、ひいては第1のソルダーレジスト層に使用される樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物、光硬化性樹脂組成物の別を問わず、硬化後のガラス転移温度(Tg)が150℃以上であることが好ましく、155℃以上であることがより好ましい。該Tgの上限は特に限定されないが、通常、300℃以下、250℃以下などとし得る。硬化後の樹脂組成物のTgは、引張加重法で熱機械分析することにより測定することができる。硬化後の樹脂組成物のTgの測定に使用し得る熱機械分析装置としては、例えば、(株)リガク製「Thermo Plus TMA8310」、セイコーインスツルメンツ(株)製「TMA-SS6100」が挙げられる。
好適な一実施形態において、第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は熱硬化性樹脂組成物であり、上述の(a)エポキシ樹脂、及び(b)硬化剤を含む。斯かる実施形態において、第2の樹脂組成物層に使用される熱硬化性樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は1:0.1〜1:4の範囲が好ましく、1:0.3〜1:3.5の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:3の範囲がさらに好ましく、1:0.8〜1:2.5の範囲がさらにより好ましい)を、(b)硬化剤としてフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上(好ましくはフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤及び活性エステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上)を、それぞれ含むことが好ましい。斯かる特定の成分を組み合わせて含む熱硬化性樹脂組成物に関しても、(a)エポキシ樹脂、及び(b)硬化剤の好適な含有量は上述のとおりである。第2の樹脂組成物層に使用される熱硬化性樹脂組成物は、上述のとおり、所望の弾性率を示す第2のソルダーレジスト層を達成すべく、(g)無機充填材(好ましくはシリカ)を、樹脂組成物中の含有量が0質量%〜95質量%となる範囲にて含んでもよい。ここで、樹脂組成物の構成成分についていう「0質量%〜n質量%となる範囲にて含む」とは、該構成成分を含まない場合と、n質量%以下の範囲で含む場合の双方を含む。
好適な他の実施形態において、第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は光硬化性樹脂組成物であり、上述の(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、及び(c)光硬化型アルカリ可溶性樹脂を含む。斯かる実施形態において、第2の樹脂組成物層に使用される光硬化性樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は1:0.1〜1:4の範囲が好ましく、1:0.3〜1:3.5の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:3の範囲がさらに好ましく、1:0.8〜1:2.5の範囲がさらにより好ましい)あるいは固体状エポキシ樹脂のみを、(b)硬化剤としてフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上(好ましくはフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤及び活性エステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上)を、(c)光硬化型アルカリ可溶性樹脂としてアルカリ可溶基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂(好ましくはカルボキシル基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂、フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂、より好ましくはフェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基とを含む樹脂)を、それぞれ含むことが好ましい。斯かる特定の成分を組み合わせて含む熱硬化性樹脂組成物に関しても、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、及び(c)光硬化型アルカリ可溶性樹脂の好適な含有量は上述のとおりであるが、良好な耐熱性、絶縁信頼性及び現像性が得られる観点から、(a)エポキシ樹脂は、(c)光硬化型アルカリ可溶性樹脂の不揮発成分を100質量%とするとき、好ましくは5〜100質量%、より好ましくは10〜85質量%であることが好ましい。部第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物が光硬化性樹脂組成物である場合、該光硬化性樹脂組成物は、さらに(d)光重合開始剤、(e)光増感剤及び(f)希釈剤からなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。第2の樹脂組成物層に使用される光硬化性樹脂組成物は、上述のとおり、所望の弾性率を示す第2のソルダーレジスト層を達成すべく、(g)無機充填材(好ましくはシリカ)を、樹脂組成物中の含有量が0質量%〜95質量%となる範囲にて含んでもよい。
第2の樹脂組成物層、ひいては第2のソルダーレジスト層に使用される樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物、光硬化性樹脂組成物の別を問わず、所望の弾性率が得られる限りにおいて硬化後のガラス転移温度(Tg)は特に限定されない。実装工程におけるプリント配線板の反りをさらに抑え得る観点から、第2の樹脂組成物層、ひいては第2のソルダーレジスト層に使用される樹脂組成物の硬化後のTgは150℃以上であることが好ましく、155℃以上であることがより好ましい。該Tgの上限は特に限定されないが、通常、300℃以下、250℃以下などとし得る。
好適な一実施形態において、第1及び第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物はどちらも熱硬化性樹脂組成物である。他の好適な実施形態において、第1及び第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物はどちらも光硬化性樹脂組成物である。さらに他の好適な実施形態において、第1の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は熱硬化性樹脂組成物であり、第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は光硬化性樹脂組成物である。さらに他の好適な実施形態において、第1の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は光硬化性樹脂組成物であり、第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は熱硬化性樹脂組成物である。
−(h)熱可塑性樹脂−
第1及び第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は、さらに熱可塑性樹脂を含んでもよい。熱可塑性樹脂としては、プリント配線板のソルダーレジスト層を形成するに際し通常使用される任意の熱可塑性樹脂を使用してよく、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリスルホン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜70,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、所望の弾性率を示すソルダーレジスト層が得られる限り特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、5質量%以上又は7質量%以上である。熱可塑性樹脂の含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。エポキシ樹脂や硬化剤の種類、無機充填材の含有量にもよるが、樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量を高めると、該樹脂組成物の硬化後の弾性率は低くなる傾向にある。
−(i)硬化促進剤−
第1及び第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は、さらに硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤としては、プリント配線板のソルダーレジスト層を形成するに際し通常使用される任意の硬化促進剤を使用してよく、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、所望の弾性率を示すソルダーレジスト層が得られる限り特に限定されないが、エポキシ樹脂と硬化剤の不揮発成分合計量を100質量%としたとき、0.03質量%〜3質量%の範囲で使用することが好ましい。
−(j)難燃剤−
第1及び第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は、さらに難燃剤を含んでもよい。難燃剤としては、プリント配線板のソルダーレジスト層を形成するに際して通常使用される任意の難燃剤を使用してよく、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。樹脂組成物中の難燃剤の含有量は、所望の弾性率を示すソルダーレジスト層が得られる限り特に限定されないが、好ましくは0.5質量%〜20質量%、より好ましくは1質量%〜15質量%である。
−(k)有機充填材−
第1及び第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は、さらに有機充填材を含んでもよい。有機充填材としては、プリント配線板のソルダーレジスト層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子などが挙げられ、ゴム粒子が好ましい。
ゴム粒子としては、ゴム弾性を示す樹脂に化学的架橋処理を施し、有機溶剤に不溶かつ不融とした樹脂の微粒子体である限り特に限定されず、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。ゴム粒子としては、具体的には、XER−91(日本合成ゴム(株)製)、スタフィロイドAC3355、AC3816、AC3816N、AC3832、AC4030、AC3364、IM101(以上、ガンツ化成(株)製)パラロイドEXL2655、EXL2602(以上、呉羽化学工業(株)製)などが挙げられる。
有機充填材の平均粒径は、好ましくは0.005μm〜1μmの範囲、より好ましくは0.2μm〜0.6μmの範囲である。有機充填材の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤に有機充填材を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(FPAR−1000;大塚電子(株)製)を用いて、有機充填材の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。
樹脂組成物中の有機充填材の含有量は、所望の弾性率を示すソルダーレジスト層が得られる限り特に限定されないが、好ましくは0.1質量%〜6質量%、より好ましくは0.5質量%〜4質量%である。
−その他の成分−
第1及び第2の樹脂組成物層に使用される樹脂組成物は、必要に応じて、他の添加剤を含んでいてもよく、斯かる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
<支持体>
支持体としては、第1の支持体、第2の支持体の別を問わず、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。
支持体の市販品としては、例えば、リンテック(株)製「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」、東レ(株)製「NS80A」、三菱樹脂(株)製「R310−16B」などが挙げられる。
支持体の厚さは、特に限定されないが、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましく、10μm〜45μmの範囲がさらに好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
樹脂シートは、第1の樹脂シート、第2の樹脂シートの別を問わず、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて支持体上に塗布し、樹脂ワニスを乾燥させることによって作製することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂ワニスの乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の乾燥方法により実施してよい。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃〜150℃で3分間〜10分間乾燥させることにより、支持体上に樹脂組成物層を形成することができる。
樹脂シートは、第1樹脂シート、第2樹脂シートの別を問わず、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)に、保護フィルムをさらに含んでもよい。保護フィルムは、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズの防止に寄与する。保護フィルムの材料としては、支持体について説明した材料と同じものを用いてよい。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜40μmである。樹脂シートは、プリント配線板を製造する際には、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
[プリント配線板の製造方法]
上記条件(1)、(2)及び(3)を満たすプリント配線板が得られる限り、本発明のプリント配線板を製造する方法は特に限定されない。以下、本発明のプリント配線板を製造する方法の好適な一例として、上述のプリント配線板のソルダーレジスト層用樹脂シートセットを用いてプリント配線板を製造する方法について説明する。
好適な一実施形態において、本発明のプリント配線板は、上述のプリント配線板のソルダーレジスト層用樹脂シートセットを用いて、下記工程(I)〜(III)を含む方法により製造することができる。
(I)第1及び第2の主面を有する回路基板の第1の主面に、第1の支持体及び該第1の支持体と接合している第1の樹脂組成物層を含む第1の樹脂シートを、第1の樹脂組成物層が回路基板の第1の主面と接合するように積層する工程
(II)回路基板の第2の主面に、第2の支持体及び該第2の支持体と接合している第2の樹脂組成物層を含む第2の樹脂シートを、第2の樹脂組成物層が回路基板の第2の主面と接合するように積層する工程
(III)第1及び第2の樹脂組成物層を硬化させて第1及び第2のソルダーレジスト層を形成する工程
−工程(I)−
工程(I)において、第1及び第2の主面を有する回路基板の第1の主面に、第1の支持体及び該第1の支持体と接合している第1の樹脂組成物層を含む第1の樹脂シートを、第1の樹脂組成物層が回路基板の第1の主面と接合するように積層する。
工程(I)において使用する第1の樹脂シートは、上記[プリント配線板のソルダーレジスト層用樹脂シートセット]に記載のとおりである。
本発明において「回路基板」とは、プリント配線板を製造するに際してさらに両面にソルダーレジスト層が形成されるべき基板をいい、例えば、対向する第1及び第2の主面を有し、該第1及び第2の主面の両方にパターン加工された回路配線を有する基板が挙げられる。回路配線の層数をはじめとする層構成は特に限定されず、所望されるプリント配線板の特性に応じて適宜決定してよい。
回路基板の厚さは、上記条件(1)及び(2)を満たすプリント配線板が得られる限り特に限定されないが、好ましくは240μm以下、より好ましくは220μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。本発明によれば、さらに薄い回路基板を使用する場合であっても、実装工程におけるプリント配線板の反りを抑えることができる。例えば、190μm以下、180μm以下、170μm以下、160μm以下、150μm以下、140μm以下、130μm以下、120μm以下、110μm以下又は100μm以下の厚さの回路基板を使用する場合であっても、実装工程における反りを抑制することができる。回路基板の厚さの下限は特に限定されないが、プリント配線板製造時の取り扱い性向上の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。なお、回路基板の厚さとは、表面回路の厚さも含む回路基板全体の厚さである。ここで、回路基板の厚さのうち表面回路の厚さを除外した値をt(μm)とするとき、上記Z、t、tと、該tとは、t+t+t=Zの関係を満たす。
回路基板の表面回路の厚さは、特に限定されないが、プリント配線板の薄型化の観点から、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは25μm以下、さらにより好ましくは20μm以下、18μm以下、16μm以下、14μm以下、12μm以下又は10μm以下である。表面回路の厚さの下限は特に限定されないが、通常、1μm以上、3μm以上、5μm以上などとし得る。
回路基板の熱膨張係数は、回路歪みやクラックの発生を抑制する観点から、好ましくは16ppm/℃以下、より好ましくは14ppm/℃以下、さらに好ましくは12ppm/℃以下である。回路基板の熱膨張係数の下限は、ソルダーレジスト層の形成に使用する樹脂組成物の組成にもよるが、好ましくは−2ppm/℃以上、より好ましくは0ppm/℃以上であり、さらに好ましくは4ppm/℃以上である。本発明において、回路基板の熱膨張係数は、引張加重法で熱機械分析(TMA)することにより得られた、平面方向の25〜150℃の線熱膨張係数である。回路基板の線熱膨張係数の測定に使用し得る熱機械分析装置としては、例えば、(株)リガク製「Thermo Plus TMA8310」、セイコーインスツルメンツ(株)製「TMA-SS6100」が挙げられる。
回路基板の曲げ弾性率は、特に限定されない。本発明においては、回路基板の曲げ弾性率によらず、実装工程における反りを抑制することができる。
回路基板と第1の樹脂シートとの積層は、例えば、第1の支持体側から、第1の樹脂シートを回路基板に加熱圧着することにより行うことができる。第1の樹脂シートを回路基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を第1の樹脂シートに直接プレスするのではなく、回路基板の表面回路に起因する凹凸に第1の樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
加熱圧着温度は、好ましくは80℃〜160℃、より好ましくは100℃〜140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa〜1.77MPa、より好ましくは0.29MPa〜1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間〜400秒間、より好ましくは30秒間〜300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製のバキュームアップリケーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を第1の支持体側からプレスすることにより、積層された第1の接着シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
−工程(II)−
工程(II)において、回路基板の第2の主面に、第2の支持体及び該第2の支持体と接合している第2の樹脂組成物層を含む第2の樹脂シートを、第2の樹脂組成物層が回路基板の第2の主面と接合するように積層する。
工程(II)において使用する第2の樹脂シートは、上記[プリント配線板のソルダーレジスト層用樹脂シートセット]に記載のとおりである。
回路基板と第2の樹脂シートの積層は、工程(I)と同様にして実施してよい。回路基板と第2の樹脂シートの積層の後、工程(I)について説明した平滑化処理を第2の樹脂シートについて実施してもよい。
工程(I)と工程(II)は、市販の真空ラミネーターを用いて同時に実施してもよい。
第1及び第2の支持体は、工程(III)の前に除去してよい。あるいは、第1及び第2の支持体は、工程(III)の後に除去してもよく(熱硬化性樹脂組成物層を使用する場合)、工程(III)の間に除去してもよい(光硬化性樹脂組成物層を使用する場合)。
−工程(III)−
工程(III)において、第1及び第2の樹脂組成物層を硬化させて第1及び第2のソルダーレジスト層を形成する。
樹脂組成物層の硬化の条件は特に限定されず、プリント配線板のソルダーレジスト層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
第1及び第2の樹脂組成物層の少なくとも一方が熱硬化性樹脂組成物層である場合、工程(III)は、熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させてソルダーレジスト層を形成することを含む。
熱硬化の条件は、熱硬化性樹脂組成物層に用いる樹脂組成物の組成等によっても異なるが、硬化温度は120℃〜240℃の範囲(好ましくは150℃〜210℃の範囲、より好ましくは170℃〜190℃の範囲)、硬化時間は5分間〜150分間の範囲(好ましくは10分間〜120分間、より好ましくは15分間〜90分間)とすることができる。熱硬化は、大気圧下(常圧下)にて行うことが好ましい。なお、熱硬化は複数回実施してもよい。例えば、後述する工程(IV)の前に工程(III)を複数回実施してもよく、後述する工程(IV)の前に工程(III)を1回以上実施し、さらに工程(IV)及び(V)の後に熱硬化を1回以上実施してもよい。熱硬化をn回実施する場合、先述の「硬化後の弾性率」は、熱硬化をn回実施した後の弾性率を表す。
第1及び第2の樹脂組成物層の少なくとも一方が光硬化性樹脂組成物層である場合、工程(III)は、光硬化性樹脂組成物層を露光、現像し、ベークしてソルダーレジスト層を形成することを含む。
光硬化性樹脂組成物層の露光は、例えば、マスクパターンを使用して光硬化性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して実施してよい。これにより、照射部の光硬化性樹脂組成物を光硬化させることができる。活性光線としては、例えば、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられ、特に紫外線が好ましい。紫外線の照射量は特に限定されず光硬化性樹脂組成物を用いてソルダーレジスト層を形成するに際し通常使用される範囲としてよいが、好ましくは10mJ/cm〜1000mJ/cmである。光硬化性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合、支持体上から露光してよい。
現像は、現像液を使用して、光硬化されていない部分(未露光部)を除去して実施してよい。これにより、所望のパターンを形成することができる。なお、光硬化性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には該支持体を除去した後、現像すればよい。現像液としては、アルカリ性現像液が好ましく、例えば、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液が挙げられる。現像方法としては、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等が挙げられる。
ベークの条件は、光硬化性樹脂組成物層に用いる樹脂組成物の組成等によっても異なるが、ベーク温度は120℃〜240℃の範囲(好ましくは150℃〜210℃の範囲、より好ましくは170℃〜190℃の範囲)、ベーク時間は5分間〜150分間の範囲(好ましくは10分間〜120分間、より好ましくは15分間〜90分間)とすることができる。ベークは、大気圧下(常圧下)にて行うことが好ましい。なお、ベークは複数回実施してもよい。ベークをn回実施する場合、先述の「硬化後の弾性率」は、ベークをn回実施した後の弾性率を表す。
第1及び第2の樹脂組成物層の一方が熱硬化性樹脂組成物層で他方が光硬化性樹脂組成物層である場合、光硬化性樹脂組成物層について実施するベークは、熱硬化性樹脂組成物層の熱硬化と同時に実施してよい。
本発明の樹脂シートセットを使用して工程(I)乃至(III)を実施することにより、上述の条件(1)、(2)及び(3)を満たすプリント配線板を簡便に製造することができる。
−その他の工程−
プリント配線板の製造方法は、さらに(IV)開口部を形成する工程、(V)デスミア処理する工程を含んでもよい。これらの工程(IV)及び(V)は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。なお、第1及び第2の支持体を工程(III)の後に剥離する場合(熱硬化性樹脂組成物層を使用する場合)、該第1及び第2の支持体の剥離は、工程(III)と工程(IV)との間、工程(IV)と工程(V)の間、又は工程(V)の後に実施してよい。
工程(IV)は、開口部を形成する工程である。これにより、熱硬化性樹脂組成物を使用して形成されたソルダーレジスト層に開口部を形成することができる。なお、必要であれば、光硬化性樹脂組成物を使用して形成されたソルダーレジスト層に開口部を形成するために工程(IV)を実施してもよい。工程(IV)は、ソルダーレジスト層を構成する樹脂組成物の組成等に応じて、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等を使用して実施してよい。開口部の寸法や形状は、部品実装基板(「半導体装置」ともいう。)のデザインに応じて適宜決定してよい。
レーザーにより開口部を形成する場合、レーザー光源としては、例えば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。中でも、加工速度、コストの観点から、炭酸ガスレーザーが好ましい。
工程(V)は、デスミア処理する工程である。工程(IV)において形成された開口部内部には、一般に、樹脂残渣(スミア)が付着している。斯かるスミアは、電気接続不良の原因となるため、工程(V)においてスミアを除去する処理(デスミア処理)を実施する。
デスミア処理は、乾式デスミア処理、湿式デスミア処理又はこれらの組み合わせによって実施してよい。
乾式デスミア処理としては、例えば、プラズマを用いたデスミア処理等が挙げられる。プラズマを用いたデスミア処理は、市販のプラズマデスミア処理装置を使用して実施することができる。市販のプラズマデスミア処理装置の中でも、プリント配線板の製造用途に好適な例として、(株)ニッシン製のマイクロ波プラズマ装置、積水化学工業(株)製の常圧プラズマエッチング装置等が挙げられる。
湿式デスミア処理としては、例えば、酸化剤溶液を用いたデスミア処理等が挙げられる。酸化剤溶液を用いてデスミア処理する場合、膨潤液による膨潤処理、酸化剤溶液による酸化処理、中和液による中和処理をこの順に行うことが好ましい。膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等を挙げることができる。膨潤処理は、開口部の形成された基板を、60℃〜80℃に加熱した膨潤液に5分間〜10分間浸漬させることにより行うことが好ましい。酸化剤溶液としては、アルカリ性過マンガン酸水溶液が好ましく、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解した溶液を挙げることができる。酸化剤溶液による酸化処理は、膨潤処理後の基板を、60℃〜80℃に加熱した酸化剤溶液に10分間〜30分間浸漬させることにより行うことが好ましい。アルカリ性過マンガン酸水溶液の市販品としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ド−ジングソリューション・セキュリガンスP」等が挙げられる。中和液による中和処理は、酸化処理後の基板を、30℃〜50℃の中和液に3分間〜10分間浸漬させることにより行うことが好ましい。中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。
乾式デスミア処理と湿式デスミア処理を組み合わせて実施する場合、乾式デスミア処理を先に実施してもよく、湿式デスミア処理を先に実施してもよい。
以上、本発明の樹脂シートセットを使用してプリント配線板を製造する方法を説明したが、上述の条件(1)、(2)及び(3)を満たすプリント配線板が得られる限り、本発明のプリント配線板を製造する方法は特に限定されない。例えば、回路基板の両面に樹脂組成物のワニスを塗布し、乾燥、硬化させてプリント配線板を製造してよい。
[半導体装置]
本発明のプリント配線板を用いて、半導体装置を製造することができる。本発明のプリント配線板は薄型であるにもかかわらず、高い半田リフロー温度を採用する部品の実装工程においても反りを抑制することができ、回路歪みや部品の接触不良等の問題を有利に軽減し得る。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
まず、各種測定方法・評価方法について説明する。
〔評価用基板の調製〕
(1)回路基板の準備
両面に回路が形成されたガラス布基材エポキシ樹脂両面積層板を、マイクロエッチング剤(メック(株)製「CZ8100」)にて1μmエッチングして表面回路の粗化処理を行い、回路基板を準備した。両面に回路が形成されたガラス布基材エポキシ樹脂両面積層板としては、実施例1、2及び4並びに比較例1及び2に関しては三菱ガス化学(株)製「HL832NSF−LCA」(サイズ100mm×150mm、厚さ100μm、熱膨張率4ppm/℃、曲げ弾性率34GPa、表面銅回路の厚さ16μm)を、実施例3並びに比較例3及び4に関しては日立化成工業(株)製「E679FGR」(サイズ100mm×150mm、厚さ200μm、熱膨張率14ppm/K、曲げ弾性率26Gpa、表面銅回路の厚さ16μm(実施例3及び比較例3)、8μm(比較例4))を使用した。
(2)樹脂シートの積層
上記(1)で得た回路基板に、下記作製例において作製した樹脂シートを、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製の2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、樹脂組成物層が回路基板と接するように、回路基板の両面に積層した。積層は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着させることにより実施した。次いで、常圧下、100℃、圧力0.5MPaにて60秒間熱プレスすることにより平滑化処理を行った。
なお、回路基板の両面に積層した第1及び第2の樹脂シートの組み合わせは表1に示すとおりである。
次いで、以下のとおり、樹脂組成物層を硬化させてソルダーレジスト層を形成した。
−熱硬化性樹脂組成物層を含む樹脂シート1及び2を使用した場合−
(3)樹脂組成物層の熱硬化
上記(2)で得た基板から支持体を剥離した。次いで、180℃にて30分間の硬化条件で樹脂組成物層を熱硬化させてソルダーレジスト層を形成した。
(4)開口部の形成
COレーザー加工機(三菱電機(株)製「ML605GTWIII−5200U」)を使用して、下記条件1にて開口径60μmの丸穴を、下記条件2にて開口径500μmの丸穴を形成した。
条件1:マスク径0.9mm、パルス幅19μs、エネルギー0.24mJ、ショット数2、バーストモード
条件2:マスク径10mm、パルス幅15μs、エネルギー18mJ、ショット数4、バーストモード
(5)デスミア処理
開口部の形成後、回路基板を、膨潤液(アトテックジャパン(株)製「スエリングディップ・セキュリガントP」、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び水酸化ナトリウムを含有する水溶液)に60℃で5分間、酸化剤溶液(アトテックジャパン(株)製「コンセントレート・コンパクトCP」、KMnO:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で10分間、最後に中和液(アトテックジャパン(株)製「リダクションソリューション・セキュリガントP」、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液)に40℃で5分間浸漬した。その後、100℃で30分間乾燥し、次いで180℃で60分間さらに熱硬化させ、評価基板を作製した。
−光硬化性樹脂組成物層を含む樹脂シート3、4及び5を使用した場合−
(3’)樹脂組成物層の露光、現像及びべーク
上記(2)で得た基板を室温で1時間静置した。その後、マスクパターンを用いて、開口径60μmと500μmの丸穴が形成できるように、支持体上から100mJ/cmの紫外線を露光した。露光は、パターン形成装置(ウシオ電機(株)製「UX−2240」)を用いて実施した。次いで、室温にて30分間静置し、支持体を剥離した。
得られた基板について、樹脂組成物層の全面に、現像液(30℃の2質量%水酸化ナトリウム水溶液)を、スプレー圧0.2MPaにて40秒間スプレーして現像した。なお、樹脂シート4を使用する比較例2に関しては、現像液として30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を使用した。
現像の後、80℃で30分間乾燥し、次いで180℃で90分間べークして、評価基板を得た。
〔評価用硬化物の調製〕
評価用硬化物は、以下の手順で調製した。
−熱硬化性樹脂組成物層を含む樹脂シート1及び2を使用した場合−
樹脂シート1及び2の樹脂組成物層を、離型層付きPETフィルム(リンテック(株)製「PET501010」;以下、「評価用支持体」ともいう)の離型面と接するように配置し、真空ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製「VP160」)を用いて積層した。積層条件は、真空引き時間20秒間、圧着温度80℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間20秒間であった。
得られた積層体から樹脂シート由来の支持体を剥離した後、180℃、90分間の硬化条件で樹脂組成物層を熱硬化させた。次いで評価用支持体を剥離し、評価用硬化物を得た。
−光硬化性樹脂組成物層を含む樹脂シート3、4及び5を使用した場合−
樹脂シート3、4及び5の樹脂組成物層を、上記〔評価用硬化物の調製1〕と同様にして、離型層付きPETフィルム(リンテック(株)製「PET501010」;「評価用支持体」ともいう)の離型面に積層した。
得られた積層体を室温にて1時間静置した後、支持体上から樹脂組成物層に100mJ/cmの紫外線を露光した。樹脂シート由来の支持体を剥離した後、80℃で30分間、次いで180℃で90分間のべーク条件で樹脂組成物層を処理した。次いで評価用支持体を剥離し、評価用硬化物を得た。
<反りの評価>
評価用基板を、ピーク温度260℃の半田リフロー温度を再現するリフロー装置(日本アントム(株)製「HAS−6116」)に一回通した(リフロー温度プロファイルはIPC/JEDEC J−STD−020Cに準拠)。次いで、シャドウモアレ装置(Akrometrix製「TherMoire AXP」)を用いて、IPC/JEDEC J−STD−020C(ピーク温度260℃)に準拠したリフロー温度プロファイルにて評価基板下面を加熱し、評価基板上面に配した格子線に基づき評価基板中央の25mm角部分の変位を測定した。
得られた変位データの最大高さと最小高さの差異が、全温度範囲で50μm以上となるものを「×」、50μm未満を「○」とした。
<弾性率の測定>
評価用硬化物をダンベル状に切り出し、試験片を得た。該試験片を、オリエンテック社製引張試験機「RTC−1250A」を用いて引張強度測定を行い、23℃及び200℃における弾性率を求めた。測定は、JIS K7127に準拠して実施した。
<ガラス転移点温度(Tg)の測定>
評価用硬化物を、幅5mm、長さ15mmの試験片に切断した。該試験片について、熱機械分析装置(セイコーインスツルメンツ(株)製「TMA-SS6100」)を使用して、引張加重法による熱機械分析を行った。詳細には、試験片を前記装置に装着した後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定を行った。2回目の測定において、寸法変化シグナルの傾きが変化する点からガラス転移点温度Tg(℃)を算出した。
実施例及び比較例で使用した樹脂シート1、2、3、4及び5は、下記の手順で作製した。
<作製例1>樹脂シート1の作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「jER828EL」、エポキシ当量約185)12部、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4032SS」、エポキシ当量約144)3部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)6部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量約288)25部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX6954BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)10部を、ソルベントナフサ15部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」、水酸基当量125、固形分60%のMEK溶液)20部、ナフトール系硬化剤(新日鉄住金化学(株)製「SN485」、水酸基当量215、固形分60%のMEK溶液)10部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)0.4部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径2μm)3部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ(平均粒径1μm、(株)アドマテックス製「SOC4」、単位表面積当たりのカーボン量0.47mg/m)240部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス1を調製した。
支持体として、厚さ38μmのPETフィルム(東レ(株)製「NS80A」)を用意した。該支持体の平滑面に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが16μmとなるように樹脂ワニス1を均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で3分間乾燥させて、樹脂シート1を作製した。
<作製例2>樹脂シート2の作製
フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX6954BH30」、固形分30質量%のMEK/シクロヘキサノン=1/1溶液)10部に代えてフェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX6954BH30」、固形分30質量%のMEK/シクロヘキサノン=1/1溶液)30部を使用した点、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ(平均粒径1μm、(株)アドマテックス製「SOC4」、単位表面積当たりのカーボン量0.47mg/m)240部に代えてアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、単位表面積当たりのカーボン量0.39mg/m)75部を使用した点、並びにソルベントナフサの使用量を15部から10部へと変更した点以外は、作製例1と同様にして樹脂ワニス2を調製し、樹脂シート2を作製した。
<作製例3)>樹脂シート3の作製
ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、不揮発成分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)100部、下記合成例1で合成した光硬化型アルカリ可溶性樹脂Aを73部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−02」、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)18部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、単位表面積当たりのカーボン量0.39mg/m)120部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ(平均粒径0.1μm、電気化学工業(株)製「UFP−30」)20部、希釈剤(日本化薬(株)製「DPHA」、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)10部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、不揮発成分2.5質量%のMEK溶液)8.8部、ゴム粒子(ガンツ化成(株)製「AC3816N」)2.4部、光増感剤(日本化薬(株)製「DETX−S」、2、4−ジエチルチオキサントン、不揮発成分10質量%のMEK溶液)4.4部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート10部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス3を調製した。
支持体として、厚さ16μmのPETフィルム(三菱樹脂(株)製「R310−16B」)を用意した。該支持体上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが23μmとなるように樹脂ワニス3を均一に塗布し、75〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥させて、樹脂シート3を作製した。
(合成例1)光硬化型アルカリ可溶性樹脂Aの合成
300mLのセパラブルフラスコに、カルビトールアセテート25g、3−イソシアナト−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアナート(エボニック(株)製)50gを量り取り、40℃で加熱撹拌した。また、ペンタエリスリトールトリアクリレート含有物(東亜合成(株)製「M306」)92.23g、カルビトールアセテート25g、ジブチル錫ジラウリレート(東京化成工業(株)製)0.45g、ハイドロキノン(東京化成工業(株)製)0.4gを量り取り、攪拌機((株)シンキー製「あわとり練太郎」)にて8分間混合し混合液1を得た。得られた混合液1を、滴下ロートを用いて、1時間以上かけて上記300mLのセパラブルフラスコ内に滴下した。その後、40℃にて30分間加熱撹拌し、3−イソシアナト−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアナートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応物193.08gを得た。
一方、500mLのセパラブルフラスコに、カルビトールアセテート132.26g、フェノールノボラック樹脂(DIC(株)製「TD−2090」)132.26gを量り取り、75℃にて完全に溶解するまで撹拌した。次いで、上記反応物193.08gを加え、IRにてイソシアネート基が消失するまで85℃にて加熱撹拌を行った。40℃に冷却した後、エタノール(純正化学(株)製)3.11gを加え、さらに2時間以上撹拌し、アクリレート基とフェノール性水酸基とを含む光硬化型アルカリ可溶性樹脂A(アクリレート変性フェノール樹脂)460.71gを得た。得られた光硬化型アルカリ可溶性樹脂Aの性状は以下のとおりであった。
・固形分60質量%の溶剤溶解品
・アクリレート基の比率18%
・ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn):4000
・水酸基当量:246
<作製例4>樹脂シート4の作製
ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、不揮発成分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)80部、アクリレート基とカルボキシル基とを含む光硬化型アルカリ可溶性樹脂(日本化薬(株)製「ZFR−1533H」、ビスフェノールF型エポキシアクリレート、固形分68%のジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液、酸価70mgKOH/g)147部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「イルガキュア907」、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]モルホリノ−1−プロパノン)2.5部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球状シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、単位表面積当たりのカーボン量0.39mg/m)80部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.1μm、電気化学工業(株)製「UFP−30」)20部、希釈剤(共栄社化学工業(株)製「DCPA」、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)10部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、不揮発成分2.5質量%のMEK溶液)8.8部、ゴム粒子(ガンツ化成(株)製「AC3816N」)2.4部、光増感剤(日本化薬(株)製「DETX−S」、2、4−ジエチルチオキサントン、不揮発成分10質量%のMEK溶液)2部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート(有機溶剤)3部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス4を調製した。
支持体として、厚さ16μmのPETフィルム(三菱樹脂(株)製「R310−16B」)を用意した。該支持体上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが23μmとなるように樹脂ワニス4を均一に塗布し、75〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥させて、樹脂シート4を作製した。
<作製例5>樹脂シート5の作製
乾燥後の樹脂組成物層の厚さが8μmとなるように樹脂ワニス3を均一に塗布し、75〜120℃(平均100℃)で2分間乾燥させた以外は、作製例3と同様にして樹脂シート5を作製した。
得られた樹脂シート1乃至5を、下記表1に示すとおりに組み合わせて、樹脂シートセット1乃至6を用意した。また、各樹脂シートセットに使用される樹脂シート1乃至5について、上記〔評価用硬化物の調製〕に従って評価用硬化物を調製し、弾性率、ガラス転移温度(Tg)を測定した。結果を表1に併せて示す。
Figure 0006761224
<実施例1>
樹脂シートセット1を使用して、上記〔評価用基板の調製〕に従って、評価用基板を得た。評価結果を表2に示す。
<実施例2>
樹脂シートセット2を使用して、上記〔評価用基板の調製〕に従って、評価用基板を得た。評価結果を表2に示す。
<実施例3>
樹脂シートセット1を使用して、上記〔評価用基板の調製〕に従って、評価用基板を得た。評価結果を表2に示す。
<実施例4>
樹脂シートセット3を使用して、上記〔評価用基板の調製〕に従って、評価用基板を得た。評価結果を表2に示す。
<比較例1>
樹脂シートセット4を使用して、上記〔評価用基板の調製〕に従って、評価用基板を得た。評価結果を表2に示す。
<比較例2>
樹脂シートセット5を使用して、上記〔評価用基板の調製〕に従って、評価用基板を得た。評価結果を表2に示す。
<比較例3>
樹脂シートセット4を使用して、上記〔評価用基板の調製〕に従って、評価用基板を得た。評価結果を表2に示す。
<比較例4>
樹脂シートセット6を使用して、上記〔評価用基板の調製〕に従って、評価用基板を得た。評価結果を表2に示す。
Figure 0006761224

Claims (8)

  1. 第1及び第2の主面を有する回路基板と、前記第1の主面に積層された第1のソルダーレジスト層と、前記第2の主面に積層された第2のソルダーレジスト層とを含むプリント配線板であって、
    第1のソルダーレジスト層の厚さをt(μm)、硬化後の弾性率(23℃)をG(GPa)とし、第2のソルダーレジスト層の厚さをt(μm)、硬化後の弾性率(23℃)をG(GPa)とし、プリント配線板の厚さをZ(μm)とするとき、下記条件(1)〜(3):
    (1) Z≦250;
    (2) (t+t)/Z≧0.1;及び
    (3) G×[t/(t+t)]+G×[t/(t+t)]≧6
    を満たし、Gが6以上であり、
    第1のソルダーレジスト層が、樹脂組成物を含み、当該樹脂組成物の硬化後の弾性率(23℃)が6GPa以上である、プリント配線板。
  2. 第1のソルダーレジスト層の硬化後のガラス転移温度(Tg)が150℃以上である、請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 第1のソルダーレジスト層が、無機充填材含有量が60質量%以上である樹脂組成物を硬化して形成される、請求項1又は2に記載のプリント配線板。
  4. 条件(2)について、0.1≦(t+t)/Z≦0.5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント配線板。
  5. が6以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント配線板。
  6. 第1のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(200℃)をG’(GPa)、第2のソルダーレジスト層の硬化後の弾性率(200℃)をG’(GPa)とするとき、下記条件(4):
    (4) G’×[t/(t+t)]+G’×[t/(t+t)]≧0.2
    をさらに満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリント配線板。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のプリント配線板を含む半導体装置。
  8. 第1及び第2の主面を有する回路基板と、前記第1の主面に積層された第1のソルダーレジスト層と、前記第2の主面に積層された第2のソルダーレジスト層とを含む厚さZが250μm以下のプリント配線板の前記第1ソルダーレジスト層及び前記第2のソルダーレジスト層を形成するための樹脂シートセットであって、
    第1の支持体と、該第1の支持体と接合している第1の樹脂組成物層とを含む第1の樹脂シートと、
    第2の支持体と、該第2の支持体と接合している第2の樹脂組成物層とを含む第2の樹脂シートと
    を含み、
    第1の樹脂組成物層の厚さt1p(μm)、第1の樹脂組成物層の硬化後の弾性率(23℃)G(GPa)、第2の樹脂組成物層の厚さt2p(μm)、及び第2の樹脂組成物層の硬化後の弾性率(23℃)G(GPa)が、下記関係式(2’)〜(3’):
    (2’) (t1p+t2p)/Z≧0.1;及び
    (3’) G×[t1p/(t1p+t2p)]+G×[t2p/(t1p+t2p)]≧6
    を満たし、Gが6以上であり、
    第1の樹脂組成物層を構成する樹脂組成物の硬化後の弾性率(23℃)が6GPa以上である、樹脂シートセット。
JP2014029832A 2014-02-19 2014-02-19 プリント配線板、半導体装置及び樹脂シートセット Active JP6761224B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014029832A JP6761224B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 プリント配線板、半導体装置及び樹脂シートセット
TW104100717A TWI674043B (zh) 2014-02-19 2015-01-09 印刷配線板
TW108126622A TWI708528B (zh) 2014-02-19 2015-01-09 樹脂薄片
CN201510070892.7A CN104853538A (zh) 2014-02-19 2015-02-11 印刷线路板
CN202110325291.1A CN113038700A (zh) 2014-02-19 2015-02-11 印刷线路板
CN202110326144.6A CN113068320A (zh) 2014-02-19 2015-02-11 印刷线路板
KR1020150023589A KR102290572B1 (ko) 2014-02-19 2015-02-16 프린트 배선판
KR1020210103608A KR20210100574A (ko) 2014-02-19 2021-08-06 프린트 배선판
KR1020220132207A KR102572916B1 (ko) 2014-02-19 2022-10-14 수지 시트

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014029832A JP6761224B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 プリント配線板、半導体装置及び樹脂シートセット

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017234601A Division JP2018082184A (ja) 2017-12-06 2017-12-06 樹脂シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015154064A JP2015154064A (ja) 2015-08-24
JP6761224B2 true JP6761224B2 (ja) 2020-09-23

Family

ID=53852785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014029832A Active JP6761224B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 プリント配線板、半導体装置及び樹脂シートセット

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6761224B2 (ja)
KR (3) KR102290572B1 (ja)
CN (3) CN104853538A (ja)
TW (2) TWI674043B (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6852332B2 (ja) * 2015-10-28 2021-03-31 味の素株式会社 接着フィルム
JP6728760B2 (ja) * 2016-02-25 2020-07-22 味の素株式会社 支持体付き樹脂シート
JP6748663B2 (ja) * 2017-03-31 2020-09-02 太陽インキ製造株式会社 硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板
JP6825580B2 (ja) * 2018-01-12 2021-02-03 味の素株式会社 プリント配線板の製造方法
CN113068313A (zh) * 2021-03-05 2021-07-02 江西展耀微电子有限公司 一种线路板的制作方法及其制作的线路板、电子设备

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL151941A0 (en) * 2001-01-29 2003-04-10 Jsr Corp Composite particles for dielectrics, ultrafine particle-resin composite particles, dielectric-forming composition and applications thereof
JP3914239B2 (ja) * 2005-03-15 2007-05-16 新光電気工業株式会社 配線基板および配線基板の製造方法
JP4929784B2 (ja) * 2006-03-27 2012-05-09 富士通株式会社 多層配線基板、半導体装置およびソルダレジスト
JP4968257B2 (ja) * 2006-04-28 2012-07-04 住友ベークライト株式会社 ソルダーレジスト材料及びそれを用いた配線板並びに半導体パッケージ
JP5094323B2 (ja) * 2007-10-15 2012-12-12 新光電気工業株式会社 配線基板の製造方法
JP5352175B2 (ja) 2008-03-26 2013-11-27 太陽ホールディングス株式会社 感光性樹脂組成物及びその硬化物、並びにその硬化物からなるソルダーレジスト層を有するプリント配線基板
KR20100062550A (ko) * 2008-12-02 2010-06-10 삼성전기주식회사 패턴부가 형성된 솔더 레지스트층을 구비한 패키지 기판 및그 제조방법
JP4473935B1 (ja) * 2009-07-06 2010-06-02 新光電気工業株式会社 多層配線基板
KR101096039B1 (ko) * 2009-11-09 2011-12-19 주식회사 하이닉스반도체 인쇄회로기판 및 이를 이용한 반도체 패키지
JP5415923B2 (ja) * 2009-12-14 2014-02-12 太陽ホールディングス株式会社 感光性樹脂組成物、そのドライフィルム及びそれらを用いたプリント配線板
JP6123152B2 (ja) * 2010-12-08 2017-05-10 味の素株式会社 樹脂組成物
JP2012198361A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Fujifilm Corp 感光性組成物、感光性フィルム、永久パターン形成方法、永久パターン、及びプリント基板
JP5861400B2 (ja) * 2011-11-09 2016-02-16 イビデン株式会社 半導体実装部材
JP2013115171A (ja) * 2011-11-28 2013-06-10 Hitachi Chemical Co Ltd プリント配線板及びその製造方法並びに熱硬化性樹脂組成物
JP2012146990A (ja) * 2012-02-22 2012-08-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd 多層回路基板、多層回路基板の製造方法および半導体装置
JP5955102B2 (ja) * 2012-05-29 2016-07-20 京セラ株式会社 配線基板およびその製造方法
WO2014010204A1 (ja) * 2012-07-13 2014-01-16 日本化薬株式会社 アルカリ現像型樹脂、それを用いた感光性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
TWI708528B (zh) 2020-10-21
CN113068320A (zh) 2021-07-02
KR102290572B1 (ko) 2021-08-19
TW201540138A (zh) 2015-10-16
CN104853538A (zh) 2015-08-19
KR20210100574A (ko) 2021-08-17
KR20150098216A (ko) 2015-08-27
KR102572916B1 (ko) 2023-09-01
JP2015154064A (ja) 2015-08-24
TW201941670A (zh) 2019-10-16
TWI674043B (zh) 2019-10-01
KR20220144351A (ko) 2022-10-26
CN113038700A (zh) 2021-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102572916B1 (ko) 수지 시트
KR102228718B1 (ko) 감광성 수지 조성물
TWI820004B (zh) 樹脂組成物
JP7444154B2 (ja) 樹脂組成物
KR102611555B1 (ko) 감광성 수지 조성물
JP6452080B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP6658648B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6915659B2 (ja) 樹脂シート
JP2018082184A (ja) 樹脂シート
JP7363182B2 (ja) 感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物の硬化物、樹脂シート、プリント配線板及び半導体装置
JP6825580B2 (ja) プリント配線板の製造方法
JP2021044387A (ja) 積層硬化体、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、および、積層硬化体の製造方法
CN113614131A (zh) 感光性树脂组合物、感光性树脂膜、印刷配线板和半导体封装体、以及印刷配线板的制造方法
KR20200035886A (ko) 수지 조성물, 감광성 필름, 지지체 부착 감광성 필름, 프린트 배선판 및 반도체 장치
JP7452715B2 (ja) 感光性フィルム
JP7477274B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP7078065B2 (ja) 感光性樹脂組成物
KR102559680B1 (ko) 감광성 수지 조성물
TW202400720A (zh) 感光性樹脂膜、印刷線路板、半導體封裝體及印刷線路板的製造方法
TW202349121A (zh) 感光性多層樹脂膜、印刷線路板、半導體封裝體及印刷線路板的製造方法
JP2021044386A (ja) 積層硬化体、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、および、積層硬化体の製造方法
CN117757215A (zh) 树脂组合物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140509

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181019

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190611

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190725

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20190830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6761224

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250