JP6760929B2 - 再帰反射性着色物品 - Google Patents

再帰反射性着色物品 Download PDF

Info

Publication number
JP6760929B2
JP6760929B2 JP2017517013A JP2017517013A JP6760929B2 JP 6760929 B2 JP6760929 B2 JP 6760929B2 JP 2017517013 A JP2017517013 A JP 2017517013A JP 2017517013 A JP2017517013 A JP 2017517013A JP 6760929 B2 JP6760929 B2 JP 6760929B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
polymer
retroreflective
beads
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017517013A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017533460A (ja
JP2017533460A5 (ja
Inventor
チェン−ホ,クイ
エス. ステイ,マシュー
エス. ステイ,マシュー
シア,イン
エム. アフメド,シアッド
エム. アフメド,シアッド
エム. ハーディー,コーデル
エム. ハーディー,コーデル
ニワス,シュリ
エー. マコイ,マイケル
エー. マコイ,マイケル
エル. ペクロフスキー,ミカイル
エル. ペクロフスキー,ミカイル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Publication of JP2017533460A publication Critical patent/JP2017533460A/ja
Publication of JP2017533460A5 publication Critical patent/JP2017533460A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6760929B2 publication Critical patent/JP6760929B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/12Reflex reflectors
    • G02B5/126Reflex reflectors including curved refracting surface
    • G02B5/128Reflex reflectors including curved refracting surface transparent spheres being embedded in matrix
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/12Reflex reflectors
    • G02B5/126Reflex reflectors including curved refracting surface

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本開示は、再帰反射性物品、特に再帰反射性の着色された物品、並びにその製造方法及び使用方法に関する。
再帰反射現象を組み込んだ様々な物品が、多様な用途に関し開発されている。再帰反射性物品は、入射光の大部分を光源に戻す能力を有する。この固有の能力により、再帰反射性安全用品の広範な使用が促進されてきた。再帰反射性物品は、交通標識及び警戒標識などに加え、衣服及びバックパックなどの同様の物品に幅広く組み込まれている。自動車の往来の近くで就労又は運動している人々は、通り過ぎる自動車と接触しないように、視覚的に目立つ必要がある。再帰反射性物品を装着すると、かかる再帰反射性によって、自動車のヘッドランプからの光が再帰反射されることにより、人の存在を目立たせる。
再帰反射性物品は、典型的には、光学レンズ要素層、ポリマービーズ結合層、反射層を有するとともに、基材層も有する。光学レンズ要素は、一般に、ポリマービーズ結合層に部分的に埋め込まれた微小球ビーズである。反射層は、典型的には、アルミニウム、銀、又は誘電体ミラーであり、通常、微小球ビーズの埋め込み部分上に設けられている。再帰反射性物品の前面に当たった光は微小球ビーズを透過し、反射層によって反射され、微小球ビーズに再度進入し、ここで光の方向が変えられ、光源に向かって送り返される。したがって、例えば、自動車のヘッドランプが再帰反射性物品に当たったときに、ヘッドランプからの光の一部が反射され、その自動車の運転手に戻る。
一般に装着した物品全体が再帰反射性である必要はないものの、再帰反射性であることが望ましいことから、再帰反射性アップリケが頻用されている。更に、これらの再帰反射性アップリケを衣服又は他の物品に取り付け、再帰反射性物品とすることができる。いくつかの例では、再帰反射性アップリケは、熱可塑性キャリアウェブに微小球層を部分的に埋め込み、微小球ビーズの突出部分上に反射性材料を適用し、続いてコーティングした微小球ビーズ上にビーズ結合層を形成することによって作製されている。多くの場合、感圧接着剤はビーズ結合層の裏面に適用され、アップリケが基材に固定されるまで、接着剤上に剥離ライナーが定置される。この種類のアップリケ、すなわち転写フィルムアップリケは、この形態で衣類のアッセンブラーに提供され、剥離ライナーを取り外し、アップリケを衣服物品の外面に接着することにより、衣類のアッセンブラーによってアップリケを衣服物品に固定する。次に、アップリケからキャリアを剥がし、微小球ビーズを露出させると、アップリケが光を再帰反射できる。
本明細書で、固定されたアップリケと呼ばれる他の種類のアップリケは、布又は材料に永続的に適用され、ビーズ層を露出した再帰反射性物品で構成されている。この固定されたアップリケは、衣類又は他の物品に縫い付けるか、又は他の方法で取り付けることができる。
数多くの再帰反射性物品が製造され、報告されている。例えば、米国特許第6,153,128号(Lightleら)では、第1区画及び第2区画を有する再帰反射性物品が記載されており、それぞれの区画は、1つのバインダー層と、このバインダー層の前面に埋め込まれた複数の微小球ビーズとを含む。第1区画は微小球ビーズの埋め込み部分上に設けられた不透明な反射金属層を有するのに対し、第2区画はかかる不透明な反射層を有しないことから、下層のバインダー層の色を見ることができる。米国特許出願公開第2011/0292508号(Huangら)では、バインダー層と、バインダー層中に部分的に埋め込まれ、間隔をおいて配置された光学要素の層と、この間隔をおいて配置された光学要素の間に配置され、貫通させた着色層と、光学要素の層及び貫通させた着色層の裏に機能的に配置された反射層と、を有する露出レンズ型再帰反射性物品を記載している。
本明細書において、着色された再帰反射性物品、かかる物品の製造方法、及び使用方法が記載され、使用には、着色された再帰反射性物品の衣服物品に対する使用が含まれる。本記載による再帰反射性物品は、ビーズ結合層に埋め込まれた光学要素の層と、少なくとも1つのポリマーカラー層と、少なくとも1つの反射層と、を含むことができ、光学要素は、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域を含む、所定のパターンのビーズ結合層に埋め込まれた透明な微小球ビーズの層を含み、少なくとも1つのポリマーカラー層は、ビーズ結合層に埋め込まれた透明な微小球ビーズの少なくとも一部分を被覆し、各非ビーズ化領域の少なくとも一部分を被覆し、少なくとも1つの反射層は、ビーズ結合層に埋め込まれた透明な微小球の少なくとも一部分を被覆するポリマーカラー層の少なくとも一部分を被覆する。
本記載の衣服物品は、第1主表面及び第2主表面を有する布と、この布の第1主表面に取り付けられた再帰反射性アップリケと、を含むことができ、この再帰反射性アップリケは、ビーズ結合層に埋め込まれた光学要素の層と、少なくとも1つのポリマーカラー層と、少なくとも1つの反射層と、を含み、上記の光学要素は、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域を含む所定のパターンのビーズ結合層に埋め込まれた透明な微小球ビーズの層を含み、少なくとも1つのポリマーカラー層は、ビーズ結合層に埋め込まれた透明な微小球ビーズの少なくとも一部分を被覆し、各非ビーズ化領域の少なくとも一部分を被覆し、少なくとも1つの反射層は、ビーズ結合層に埋め込まれた透明な微小球の少なくとも一部分を被覆するポリマーカラー層の少なくとも一部分を被覆する。
本記載の再帰反射性物品の調製方法は、第1主表面及び第2主表面を有するポリマーキャリアを提供することと、ポリマーキャリアの第1主表面の複数部分上に、所定のパターンのバリア層材料を堆積させることと、透明な微小球ビーズを、バリア層材料によって被覆されていないポリマーキャリアの第1主表面の複数部分に部分的に埋め込み、ビーズがポリマーキャリアの第1主表面から少なくとも部分的に突出する、ことと、バリア層材料の少なくとも複数部分上及び透明な微小球ビーズの複数部分上にポリマーカラー層を堆積させることと、透明な微小球ビーズを被覆するポリマーカラー層の少なくとも一部分上に反射層を堆積させることと、反射層の少なくとも一部分上、及び下層の任意の露出されている部分上に、ビーズ結合層を堆積させることと、ポリマーキャリアを除去することと、を含むことができる。
本出願は、添付図面と関連させて、本開示の様々な実施形態についての以下の詳細な説明を考慮すると、更に完全に理解できる。
本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の製造方法を示す図である。 本開示の一実施形態の物品の断面図である。 本開示の一実施形態の物品の断面図である。 本開示による例示的な物品の光学顕微鏡写真である。 本開示による例示的な物品の光学顕微鏡写真である。 本開示による例示的な物品の光学顕微鏡写真である。 本開示による例示的な物品の光学顕微鏡写真である。 本開示による例示的な物品の光学顕微鏡写真である。 本開示による例示的な物品の光学顕微鏡写真である。 本開示による例示的な物品の光学顕微鏡写真である。 本開示による例示的な物品の光学顕微鏡写真である。 本開示による例示的な物品の光学顕微鏡写真である。
以下の例示的実施形態の説明においては、本開示を実施することが可能な様々な実施形態を実例として示す添付図面を参照する。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態を利用することが可能であり、構造上の変更が行われ得る点は理解されるべきである。図は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。図中に用いられる同じ数字は、同じ構成要素を示す。しかしながら、特定の図中のある構成要素を示す数字の使用は、同じ数字を付した別の図中の構成要素を限定しようとするものではないことは理解されるであろう。
様々な物品が再帰反射性であり、又は再帰反射性と明色若しくは蛍光色とを組み合わせた再帰反射性アップリケを有する。多くの場合、物品は、再帰反射性材料のストリップと、明色又は蛍光色の隣接するストライプとを有する。このようにして、物品は、明るく着色されたか又は蛍光を発するストリップによって昼光下で高い視認性を提供し、夜間は再帰反射性によって視認性が高い。一例としては、蛍光黄色のストリップを2つ有しており、それらの間に再帰反射性ストリップが配置されている物品がある。
物品の再帰反射性は、その再帰反射係数(R)によって表される。
=E /E
=再帰反射強度
=受光器上の照度
=試験片の位置における入射光に対し垂直に置かれた面が受ける照度、Eと同じ単位で測定
d=試験片からプロジェクタまでの距離
A=試験表面積
再帰反射係数(R)は、米国特許第3,700,305号(Bingham)に更に記載されている。少なくともいくつかの実施形態では、本開示の物品のRは少なくとも50であり、他の実施形態では、Rは少なくとも100であり、他の実施形態では、Rは少なくとも200であり、他の実施形態では、Rは少なくとも300である。
色は、典型的には、色の明度(時には色値又は輝度と呼ばれる)と、特定の色に対する飽和度の尺度である彩度とを組み合わせて使用し定義される。人が知覚する色は人の視覚系の性質により影響を受けることから、色の測定には、可視光の波長範囲で、人の目の錐体による色強度の不均一な知覚を考慮して、重み付け関数[明所関数(photopic function)]が組み込まれている。知覚される色の定義は、それぞれの錐体のスペクトル感度により定義される三原色(三刺激値)の値の組み合わせとして記載されることが多い。三刺激値(しばしばXYZとも呼ばれる)は、知覚色に対して物理的な色をマッピングするために使用される。再帰反射性物品の色は、輝度−色度色空間(Yxy)によって表すことができ、ここでYは色輝度であり、x及びyは色度座標である。これらの値は、CIE XYZ色空間(国際照明委員会(CIE 1931))に関する。
x=X/(X+Y+Z)
y=Y/(X+Y+Z)
Yxy色空間を使用する利点は、一般にCIEx−y色度ダイアグラムと呼ばれるチャート上で、色度(x,y色度座標により記載)をプロットできることである。この色表現/命名は、ANSI/ISEA 107−2010及びISO 20471:2013などの高視認性安全衣服の規制基準において、蛍光色に関し許容可能な色度範囲を定義するために使用される。
例えば、ANSI/ISEA 107−2010のレベル2の測光値要件は、0.2度の観測角及び5度の入射角での再帰反射係数(R)が少なくとも330cd/lux/mであることを求めている。この基準を満たすためには、蛍光黄色〜緑色に着色された物品は、最小輝度(Y)が少なくとも70でなくてはならない。この基準を満たすためには、蛍光赤色〜橙色に着色された物品は、輝度(Y)が少なくとも40でなくてはならない。輝度に加え、蛍光色用途に関する色度値も、具体的な座標範囲により定義されている。例えば、蛍光黄色〜緑色に関し、色度は、境界(0.387、0.610)、(0.356、0.494)、(0.398、0.452)、(0.460、0.540)により定義される空間に該当する必要がある。蛍光赤色〜橙色に関し、色度は、境界(0.610、0.390)、(0.535、0.375)、(0.570、0.340)、(0.655、0.344)により定義される空間に該当する必要がある。
色を表記する別の方法には、Lによるものがあり、「CIE 1976(L、a、b)色空間」と呼ばれることが多い。色の明度はLによって表記され(例えば、拡散色が白の場合L=100、黒の場合L=0)、色座標a及びbは、緑からマゼンタ、及び青から黄のそれぞれの彩色(負の値〜正の値)を定義する。この系は、色空間範囲にわたって、より均一に知覚されるという利点を有しているため、いくつかの実施例において記載するとおり、低強度の(黒)色を定義するのに有用である。Lが低くなるにつれて(色が暗くなるにつれて)、知覚色に対するa及びbの影響は少なくなる。Yxy及びLは三刺激XYZ値に関係し、ひいては数学的アルゴリズムにより互いに関係する。最も市場に流通している色差計では、いずれかのフォーマットで自動的に色測定データを提供することができる。少なくともいくつかの実施形態では、本開示の物品は、最小Rが少なくとも50であり、Lは35未満である。
再帰反射性物品の別の注目点は、多数回洗浄した後に再帰反射性及び色品質を維持する能力である。少なくともいくつかの実施形態では、本開示の物品は、ISO 6330の方法Aを用いて50回洗浄した後のR値が少なくとも50である。ΔEは、デカルトL空間における2点の色座標間の幾何学的距離であり、例えば、ΔE=sqrt{(ΔL)^2+(Δa)^2+(Δb)^2}である。少なくともいくつかの実施形態では、本開示の物品は、ISO 6330の方法Aを用いて50回洗浄した後の最小R値が少なくとも50であり、ΔE値が5未満である。
いくつかの例では、更に視認性を向上させるため、物品全体が再帰反射性であると共に、昼光下での高視認性のため明色及び蛍光色を有する再帰反射性物品を有することが望ましい。このようにして、物品は、明色又は蛍光色によって昼光下での高視認性を有するだけでなく、物品において、再帰反射性の向上により、夜間の視認性も向上する。この再帰反射性の向上は、着用者の視認性を向上させることによって安全性を高めるだけでなく、より小さい再帰反射性物品を使用して、視認性の高めることが可能となる。例えば、再帰反射性アップリケを使用して夜間の衣服物品の視認性を高めた場合に、使用するアップリケの数を減らすこと又はアップリケを小さくすることができる。
いくつかの他の例では、日中には再帰反射性が明瞭でないものの、夜間には再帰反射性の効果を発揮するよう、物品に暗色又は明色などの非蛍光色をもたせることが望ましいであろう。この再帰反射性の付加により、通常であれば再帰反射性を全く有しないものであり得る物品に再帰反射性もたせることによって安全性を増強することができ、これにより、光が人を照らすときに、再帰反射性が付加されていない場合よりもその人をより見やすくすることができる。
しかしながら、再帰反射性物品の製造方法及び再帰反射性の達成の仕方からして、物品を全体的に再帰反射性とし、かつ高度に着色することは困難である。典型的には、再帰反射性物品は、複数の工程のプロセスで調製される。このプロセスにおいて、熱可塑性ポリマーキャリア層は、この層に部分的に埋め込まれた複数のビーズを有する。反射層、すなわちアルミニウム若しくは銀などの反射金属層、又は部分的に透明な誘電体ミラーのいずれかを、突出しているビーズに適用する。ビーズ結合層をコーティングした微小球層に適用し、転写接着剤又は布をこのビーズ結合層に接着することができ、熱可塑性ポリマーキャリア層を除去して、再帰反射性物品を作製する。部分的に透明な誘電体ミラーを採用する着色された物品に関しては、着色剤、すなわち、顔料、染料、又はこれらの組み合わせをビーズ結合層に配置する。しかしながら、反射層が金属であるとき、着色されたビーズ結合層は視認可能ではない。金属ミラーの場合、再帰反射性である領域は色を示さず、色を示す領域は、ビーズ上に反射金属層が存在しないため再帰反射性ではない。
本開示では、同じ領域において高度に着色され、かつ再帰反射性でもあるという、望ましい特徴を有する物品が記載される。これらの再帰反射性物品は、ビーズ結合層に埋め込まれた光学要素の層と、少なくとも1つのポリマーカラー層と、少なくとも1つの反射層と、を含み、光学要素は、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域を含む、所定のパターンで配置されたビーズの層を含み、少なくとも1つのポリマーカラー層は、ビーズ結合層に埋め込まれたビーズの少なくとも一部分及び各非ビーズ化領域の少なくとも一部分を被覆し、少なくとも1つの反射層は、ビーズ結合層に埋め込まれたビーズの少なくとも一部分を被覆するポリマーカラー層の少なくとも一部分を被覆する。ビーズ結合層に埋め込まれたビーズの少なくとも一部分を被覆するポリマーカラー層は、典型的には、少なくとも1種の着色剤で着色されているポリマーカラー層を含む。
本開示の物品は、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域のいずれもが着色されているため色が向上しており、更に再帰反射性が達成されている。上記のとおり、着色層が反射金属層の裏側にあると、この反射金属層が視界から色を隠してしまうため、典型的には、反射金属層を含む着色された再帰反射性物品の再帰反射部分は着色されていない。しかし、反射金属層とビーズ表面との間に着色層を配置すると、透明な微小球ビーズと反射金属層との間で光が減衰する傾向があるために問題が生じ得ることから、極薄く、ひいては明るく着色された層のみが反射金属層とビーズ表面との間に使用するには好適であると考えられる。
本開示では、ポリマーカラー層の領域がビーズによって被覆されないように調製された物品が記載される。非ビーズ化領域は、露出したポリマーカラー層を有してもよく、又はポリマーカラー層上に、着色されていても若しくは透明であってもよいバリア層材料を有してもよい。着色された非ビーズ化領域のこの特徴を、ビーズ表面の少なくとも一部分と反射層との間のポリマーカラー層の特徴と組み合わせることで、再帰反射性物品に望ましい色強度及び透明度、並びに好適なレベルの再帰反射性がもたらされたことが判明した。したがって、これらの特徴により、再帰反射性レベルを過度に犠牲にすることなく、再帰反射性物品の色強度を増強させることができ、又は色強度を過度に犠牲にすることなく、着色された物品を再帰反射性にすることができる。
特に断りがない限り、本明細書及び「特許請求の範囲」で使用される特徴的なサイズ、量、及び物理的特性を表わす数字はすべて、いずれの場合においても用語「約」によって修飾されていると理解するものとする。したがって、そうでない旨が示されない限り、上記の明細書及び添付の「特許請求の範囲」において示される数値パラメーターは、本明細書に開示される教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変わり得る近似値である。端点による数値範囲の列挙には、その範囲内に包含されるすべての数(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)、及びその範囲内の任意の範囲が含まれる。
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用するとき、内容によってそうでない旨が明確に示されない限り、「a」、「an」、及び「the」という単数形には、複数の指示物を有する実施形態が包含される。例えば、「一層/層(a layer)」は、1つ又は2つ以上の層を有する実施形態を包含する。本明細書及び添付の「特許請求の範囲」で使用する用語「又は/若しくは(or)」は、内容によってそうでない旨が明確に示されない限り、「及び/又は」を含む意味で広義に用いられる。
本明細書で使用するとき、用語「ビーズ」は、透明な微小球ビーズを意味する。
本明細書で使用するとき、語句「バリア層材料」は、本明細書に開示のポリマーキャリア層などの、バリア層材料が適用された層へのビーズの付着を実質的に防止する、任意の好適な材料を意味する。
本明細書で使用するとき、語句「裸眼で視認可能(又は識別可能)」は、視力1.0のヒトが、昼光環境下(例えば、CIE標準光源D65を使用するものとして定義される)で、12〜18インチの距離で視認可能(又は識別可能)であることを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「浸透混合する(interfuse)」は、2種以上の材料のうちの少なくとも1種が別の材料に対し部分的に又は完全に、溶解又は混合することを指す。
本明細書で使用するとき、「非ビーズ化領域」の呼称は、実質的にビーズを含まない領域を意味するものであり、この領域は、バリア層材料を用いずにビーズを堆積させた場合、ビーズを含有するか、又は含有する可能性がある。
「バリア材料層」及び「非ビーズ化領域」の定義に関し、用語「実質的に」は、図7、9、10、及び11に見られるとおり、少数のビーズがバリア層材料又は非ビーズ化領域に付着し得ることを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「被覆する」は、いずれの特定の方向性も示唆しない。本発明の物品において、第1の層及び第2の層に関し、第1の層は、製品の任意の所与の方向において第2の層に対し上側又は下側のいずれであるかとは無関係に、第2の層を被覆し得る。
本明細書で使用するとき、用語「接着剤」とは、2つの被接着体を貼り合わせるのに有用なポリマー組成物を指す。接着剤の例は、感圧接着剤、熱活性化接着剤、及び積層接着剤である。
感圧接着組成物は、(1)室温で強く永続的な粘着力、(2)指圧以下の圧力による接着力、(3)被着体上に保持する十分な能力、及び(4)被接着体からきれいに除去するのに十分な凝集力、を含む特性を有することが当業者に公知である。感圧接着剤として十分に機能することがわかっている材料は、粘着力、剥離接着力、及び剪断保持力が所望のバランスとなるよう、必要な粘弾性を呈するように設計及び処方されたポリマーである。特性について適正なバランスを得るのは、単純なプロセスではない。
熱活性化接着剤は、室温で非粘着性であるが、高温で粘着性になり、基材に結合できるようになる。これら接着剤は通常、室温より高いTg又は融点(Tm)を有する。温度がTg又はTmより高くなったとき、貯蔵弾性率は通常低下し、接着剤は粘着性になる。
積層接着剤(時には、接触接着剤とも称される)は、吐出直後に2つの基材に結合を形成するよう設計された接着剤である。一旦接着剤が吐出されると、時には「オープンタイム」と称される、接着剤が2つの基材に対する結合を形成できる限られた時間が存在する。一旦オープンタイムが経過すると、積層接着剤はもはや接着結合を形成することができない。積層接着剤の例としては、ホットメルト接着剤、ポリマー材料又は硬化性でポリマー材料を形成可能な材料の、液体媒体中の溶液若しくは分散体、及び硬化性接着剤がある。積層接着剤は、基材上にコーティングされ、第2の基材が該接着剤表面に接触し、形成された3層構成は、冷却、乾燥、及び/又は硬化されて、積層体を形成する。積層接着剤の例としては、ホットグルーガンに使用するグルースティック(冷却により結合を形成するホットメルトタイプの接着剤)、時には「ホワイトグルー」と呼ばれるカゼイングルー(乾燥により結合を形成する水性分散体)、及びシアノアクリレート系接着剤(空気への露出により硬化して結合を形成する)が挙げられる。別途記載のない限り、用語「透明」及び「光学的に透明」は、互換的に使用され、可視光スペクトルの少なくとも一部分(約400〜約700nm)にわたって高い光透過率を有する物品、フィルム、又は接着剤を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「ポリマー」は、ホモポリマー又はコポリマーであるポリマー材料を指す。本明細書で使用されるとき、用語「ホモポリマー」は、1種類のモノマーの反応生成物であるポリマー材料を指す。本明細書で使用されるとき、用語「コポリマー」は、少なくとも2種類の異なるモノマーの反応生成物であるポリマー材料を指す。
用語「アルキル」は、飽和炭化水素であるアルカンのラジカルである1価の基を指す。アルキルは、直鎖、分枝鎖、環状、又はこれらの組み合わせであり得、典型的には、1〜20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1〜18個、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含む。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、及びエチルヘキシル基が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アリール」は、芳香族で炭素環式である1価の基を指す。アリールは、芳香環に結合又は縮合した、1〜5個の環を有することができる。他の環状構造は、芳香族、非芳香族、又はこれらの組み合わせであることができる。アリール基の例としては、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、アンスリル基、ナフチル基、アセナフチル基、アントラキノニル基、フェナンスリル基、アントラセニル基、ピレニル基、ペリレニル基、及びフルオレニル基が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルキレン」は、アルカンのラジカルである2価の基を指す。アルキレンは、直鎖状、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであることができる。アルキレンは、多くの場合、1〜20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキレンは、1〜18個、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含む。アルキレンのラジカル中心は、同一炭素原子上(すなわち、アルキリデン)にあっても、又は異なる炭素原子上にあってもよい。アルキレン基はまた、1つ以上のアルキル基又はアリール基によって置換されてもよい。
用語「アリーレン」は、炭素環式で芳香族である2価の基を指す。この基は、結合しているか、縮合しているか、又はこれらの組み合わせである1〜5個の環を有する。他の環は、芳香族、非芳香族、又はこれらの組み合わせとすることができる。いくつかの実施形態では、アリーレン基は、5個までの環、4個までの環、3個までの環、2個までの環、又は1個の芳香環を有する。例えば、アリーレン基を、フェニレンとすることができる。アリーレン基はまた、1つ以上のアルキル基又はアリール基によって置換されてもよい。
用語「アルコキシ」は、式−ORの1価の基を指し、式中、Rはアルキル基である。
本明細書で使用するとき、用語「熱可塑性」、「非熱可塑性」、及び「熱硬化性」は、材料の性質を指す。熱可塑性材料は加熱により融解及び/又は流動し、冷却により再固化し、加熱により再び融解及び/又は流動する材料である。熱可塑性材料は、加熱及び冷却により物理的な変化のみを受け、感知され得る化学変化は起きない。非熱可塑性材料は、材料が分解し始める温度まで加熱したときに流動しない材料である。熱硬化性材料は、加熱又は硬化されると、架橋されることなどにより、不可逆的に硬化する硬化性材料である。一度硬化すると、熱硬化性材料は、加熱時に感知され得るほど融解又は流動しない。
本明細書では、着色した再帰反射性物品及びその調製方法が開示される。これらの方法は、第1主表面及び第2主表面を有するポリマーキャリア層を提供することと、キャリア層の第1主表面上に、所定のパターンのバリア層材料を堆積させることと、透明な微小球ビーズを提供することと、透明な微小球ビーズを、ポリマーキャリア層の第1主表面の露出した部分に部分的に埋め込み、ビーズがポリマーキャリア層の第1主表面から少なくとも部分的に突出し、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域を含むパターン化された層を形成することと、ビーズ化領域の少なくとも一部分上及び非ビーズ化領域の少なくとも一部分上にポリマーカラー層を堆積させることと、ポリマーカラー層の少なくとも一部分上に反射層を堆積させることと、反射層の少なくとも一部分上にビーズ結合層を堆積させることと、ポリマーキャリア層を除去することと、を含む。
本開示の物品及びそれらの製造方法の例を図で提供する。図1a〜図1hは、本開示の物品の実施形態の製造工程を示す図である。図1aは、バッキング層80及び熱可塑性層90を有するポリマーキャリアを示す図である。図1bは、熱可塑性層90の複数部分を被覆するバリア層材料110を更に示す図である。図1cは、バリア層材料110の間で熱可塑性層90に部分的に埋め込まれたビーズ120を更に示す図である。図1dは、バリア層材料110及びビーズ120を被覆するポリマーカラー層130を更に示す図である。図1eは、ポリマーカラー層130を被覆する反射層140を更に示す図である。図1fは、反射層140を被覆するビーズ結合層150を更に示す図である。図1gは、ポリマーキャリアの除去後の物品を示す図である。図1hは、バリア層材料110が一時的なものであるが、例えば、最初の洗浄まで物品にとどまり、洗浄により、バリア層材料が用いられ配置されていた所に、キャビティ115が形成される一実施形態を示す図である。
図2a〜図2hは、ビーズがポリマーキャリアに適用された後、バリア層材料が除去された、代替的な実施形態を示す図である。図2aは、バッキング層180及び熱可塑性層190を有するポリマーキャリアを示す図である。図2bは、熱可塑性層190の複数部分を被覆するバリア層材料210を更に示す図である。図2cは、バリア層材料210の間で熱可塑性層190に部分的に埋め込まれたビーズ220を更に示す図である。図2dは、バリア層材料210の除去を更に示す図である。図2eは、熱可塑性層190及びビーズ220の複数部分を被覆するポリマーカラー層230を更に示す図である。図2fは、ポリマーカラー層230を被覆する反射層240を更に示す図である。図2gは、反射層240を被覆するビーズ結合層250を更に示す図である。図2hは、ポリマーキャリアを除去した後の物品を示す図である。
図3は、本開示の一実施形態の断面図である。図3において、再帰反射性物品は、バリア層材料310、ビーズ320、着色剤を含むポリマー層330、反射層340、及びビーズ結合層350を含む。
図4は、本開示の代替的な実施形態を示す図である。図4において、バリア層材料410’は半永続的なものであり、3層の副層431、432、及び433を含む多層ポリマーカラー層430のうち一層に浸透混合している。いくつかの実施形態では、副層433は着色剤を含み、副層431は、紫外線安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、改質剤、性能向上剤、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の添加物を含む。他の実施形態では、副層433は着色剤を含み、副層431は透明なポリマーカラー層である。副層432は、透明であっても着色されていてもよい。物品はまた、ビーズ420、反射層440、及びビーズ結合層450を含む。
多様な材料が上記の物品及び方法への使用に適している。
これらの材料の例を以下に挙げる。多くの材料及び材料の組み合わせがポリマーキャリア層に適する。多くの実施形態では、ポリマーキャリア層は熱可塑性ポリマーキャリア層であるが、他の実施形態では、ポリマーキャリア層はエラストマー系ポリマーキャリア層を含んでもよく、いくつかの実施形態では、感圧接着剤又は熱活性化接着剤であってもよい。典型的には、ポリマーキャリア層は、熱可塑性ポリマーキャリア層を含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーキャリア層は独立した層であってもよく、他の実施形態では、熱可塑性ポリマーキャリア層は、シートの第1主表面上に熱可塑性ポリマーキャリア材料のコーティングを含んでもよい。シートは、例えば、紙及びポリマーフィルムなどを含み得る。有用なポリマーキャリア材料の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、並びにポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブチレンなどのポリアルキレン、並びにポリエステルなどが挙げられる。
前述のとおり、パターン化されたバリア層材料は、ポリマーキャリア層の表面上に堆積される。バリア層は、任意の好適な方法によって堆積することができる。典型的には、印刷が最も好ましい方法である。しかしながら、任意の不連続な堆積方法(例えば、ストライプのニードルダイコーティング)を使用できる。バリア層の堆積には、密着印刷、例えば、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、及びスクリーン印刷などの数多くの印刷方法を使用できる。
いくつかの実施形態では、バリア層材料は永続的なものであり、最終的な再帰反射性物品において、実質的に元のままで、ポリマーカラー層(非ビーズ化領域)に付着している。他の実施形態では、バリア層材料は半永続的なものであり、ポリマーカラー層が適用される場合には、バリア層材料はポリマーカラー層(少なくとも非ビーズ化領域)に浸透混合しており、これにより、最終的な再帰反射性物品において改質された形態のまま残留する。更に他の実施形態では、バリア層材料は一時的なものであり、最終的な再帰反射性物品には存在しておらず、又は最終的な再帰反射性物品から除去可能である。一時的なバリア層は、ポリマーカラー層を堆積する前に除去できる。あるいは、一時的なバリア層は、最終的な再帰反射性物品から除去できる。
バリア層材料は、ポリマーキャリア層がビーズと接触するのを防止する限り、任意の好適な厚みにすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、バリア層材料は表面の単層とすることができ、いくつかの実施形態では、約10nm〜約100μmの厚さであってよく、他の実施形態では、異なる厚さであってもよい。
バリア層材料は、望ましくはビーズに対して物理的及び化学的に「不活性」な材料である。換言すると、バリア層材料はビーズとは反応せず、例えば、ビーズを誘引したり、ビーズに付着したりせず、又はビーズを埋め込んだりしない。したがって、ビーズは、典型的には、バリア層、又はバリア層によって被覆されたポリマーキャリア層の部分に埋め込むことはできない。好ましくは、バリア層材料は、熱がポリマーキャリア層に加えられたときに軟化せず、加熱によってビーズをキャリア層に接触及び/又は埋め込むことができる。このバリア層材料の物理的な「不活性」は、例えば、ポリマーキャリア層材料よりもはるかに高い軟化温度を有する材料を選択すること、及び/又は「不活性」を向上させる粒子若しくは他の添加物をバリア層材料に添加することにより達成することができる。粒子、顔料、及び架橋剤の添加により、バリア層の物理的不活性を向上させることができる。バリア層材料の化学的「不活性」は、例えば、バリア層の表面上に接着不活性層による立体障壁を提供することなどによってビーズの接着を防止する、滑り剤又はワックスなどの添加物により、達成することができる。しかしながら、ある程度のビーズがバリア層材料に埋め込まれていたとしても、望ましい再帰反射性及び色品質が達成され得ることに留意されたい。
バリア層材料は透明であっても着色されていてもよい。バリア層材料が透明である場合、バリア層を通して、(最終的な物品中で)下層のポリマーカラー層の色を見せることができる。バリア層材料が着色されている場合、(最終的な物品中で)下層のポリマーカラー層と同じ色であっても異なる色であってもよい。永続的又は半永続的バリア層材料は、着色されたポリマーカラー層と同じ色として、最終的な再帰反射性物品の色を増強することができる。いくつかの実施形態では、バリア層材料は、それ以降に堆積されるポリマーカラー層と同じ成分を一部又はすべて含んでもよい。
バリア層の形成にインクを使用してもよい。「インク」は、液体として表面上に堆積され、固化し、所定のパターンを形成する組成物を指す。バリア層材料を形成するのに使用するインクは透明であっても着色されていてもよい。透明なインクに好適な材料としては、ワックス、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ラテックス、又はインクとして好適な任意の他の材料が挙げられる。インクが着色されている場合、このインクは、染料又はナノ顔料などの顔料を含んでもよい。着色されているインクに好適な材料としては、透明なインクと同じ材料に、着色剤が添加されたものが挙げられる。インクに好適な着色剤としては、ポリマーカラー層に使用される、例えば、染料及び顔料(ナノ顔料を含む)と同じ着色剤が挙げられる。異なる添加物を使用してインク安定性、印刷適性、及び/又はインクのバリア「不活性」機能を向上することができ、これらの添加物は、例えば、界面活性剤、消泡剤、顔料、又はシリケート、炭酸カルシウム、粘度、金属、金属酸化物若しくは他の材料の無機粒子若しくはクラスター、並びにポリシロキサンビーズ、ポリスチレンビーズ、PMMAビーズ及び他の材料などの有機粒子である。
永続的なバリア層を形成するのに使用できる材料としては、ワックス、樹脂、ポリマー材料、インク、無機物、紫外線硬化性ポリマー、及び有機金属若しくは無機金属又は非金属材料から構成される粒子が挙げられる。
半永続的バリア層材料の形成に使用できる材料としては、ポリマーカラー層のコーティングプロセス中に、ポリマーカラー層に浸透混合する任意の組成物又は材料が挙げられる。例えば、ポリマーカラー層溶液が水性である場合、ポリビニルアルコールを含むバリア材料など、水溶性の任意のバリア材料が適している。
最終的な物品には存在しない一時的なバリア層材料を形成するのに使用できる材料としては、フォトレジストなどの化学的又は物理的に溶解させ、洗い流すことができるものが挙げられる。ビーズをキャリア層に埋め込んだ後、ただしポリマーカラー層を適用する前に、一時的なバリア層を溶媒によって除去する場合、ビーズ又はポリマーキャリア層に影響を与えない任意の好適な溶媒を使用できる。ポリマーカラー層(及び他の層)を加えた後に、一時的なバリア層を溶媒によって除去する場合、溶媒は、露出される任意の層に影響を及ぼさない任意の好適な溶媒とすることができる。例えば、バリア層は、再帰反射性物品の洗浄中に除去できる。あるいは、一時的なバリア層材料は、最終的な再帰反射性物品に対してよりも、ポリマーキャリア層に対して高い接着性を有し、ひいては最終的な再帰反射性物品から分離されるときにポリマーキャリア層にとどまる、任意の材料とすることができる。
バリア層材料は、規則的な形状及び不規則的な形状、直線形状及び湾曲形状、連続的なパターン及び非連続的なパターン、ランダムパターン及び繰り返しパターン、並びにこれらの組み合わせを含む、任意の好適なパターン又は形状で適用することができる。バリア層材料を含む領域は、大きくても小さくてもよい。バリア層材料の領域が大きくなるほど、最終的な物品における微小球ビーズは少なくなり、ひいては最終的な物品の再帰反射性が低くなり、それと同時、最終的な物品の色強度は、より高くなる。
いくつかの実施形態では、ビーズ化領域及び/又は非ビーズ化領域の所定のパターンは、例えば、線、ドット、四角、円、山形、又は任意の規則的な形状及び不規則的な形状などの、繰り返し特徴を有することができ、特徴の大きさ及び特徴間の距離は、所望の視覚効果により決定される。いくつかの実施形態では、特徴の大きさ及び/又は特徴間の間隔は、所定のパターンが裸眼では視認可能ではなく、例えば、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域間の差異が識別されないよう、十分小さくすることが望ましい。このような実施形態では、高レベルの再帰反射性及び色強度の両方を達成することができる。図5〜図13は、使用できるパターンの例を示す。図5は、バリア層材料に占有された領域以外のキャリア層に付着したビーズを示す光学顕微鏡写真である。図5のバリア層材料のパターンは直線を含む。図6は、バリア層材料に占有された領域以外のキャリア層に付着したビーズを示す光学顕微鏡写真である。図6のバリア層材料のパターンは、ビーズ約2個分の幅に等しい直径を有する、規則的に間隔の空いている円を含む。図7は、バリア層材料に占有された領域以外のキャリア層に付着したビーズを示す光学顕微鏡写真である。図7のバリア層材料のパターンは、下層のキャリア層にビーズ1個とほぼ同じ直径の非コーティング領域を有する、バリア層材料の実質的に連続的なコーティングを含む。このバリア層材料のパターンにより、それぞれのビーズは互いに均一に離間することになる。右上の隅は、ビーズが付着していないキャリア層の非コーティング領域を示す。図8は、バリア層材料に占有された領域以外のキャリア層に付着したビーズを示す光学顕微鏡写真である。図8のバリア層材料のパターンは、均一に離間した環を含む。図9は、バリア層材料に占有された領域以外のキャリア層に付着したビーズを示す光学顕微鏡写真である。図9のバリア層材料のパターンは、非コーティング円形領域を有する、実質的に連続的な格子状の、バリア層材料のコーティングを含む。図10は、バリア層材料に占有された領域以外のキャリア層に付着したビーズを示す光学顕微鏡写真である。図10のバリア層材料のパターンは、非コーティング四角形領域を有する、実質的に連続的な格子状の、バリア層材料のコーティングを含む。図11は、バリア層材料に占有された領域以外のキャリア層に付着したビーズを示す光学顕微鏡写真である。図11のバリア層材料のパターンは、間に非コーティング領域を有する、実質的に連続的な山形格子状の、バリア層材料のコーティングを含む。図12は、バリア層材料に占有された領域以外のキャリア層に付着したビーズを示す光学顕微鏡写真である。図12のバリア層材料のパターンは、間に非コーティング領域を有する、実質的に連続的な山形格子状の、バリア層材料のコーティングを含む。図13は、バリア層材料に占有された領域以外のキャリア層に付着したビーズを示す光学顕微鏡写真である。図13のバリア層材料のパターンは、間に非コーティング領域を有する、実質的に連続的で不均一な六角形格子状の、バリア層材料のコーティングを含む。
いくつかの実施形態では、バリア層材料は、少なくともいくつかの点において、再帰反射性物品が適用される衣服又は他の基材のパターン又は質感を模倣するか、類似するか、又は合致するか若しくは補足するパターンで適用される。このような実施形態では、記載の再帰反射性物品は、スポーツウェア及びデザイナー衣料などの最終製品に、見た目良く組み込むことができる。このパターン又は質感の合致は、例えば、光学顕微鏡により、布パターン(布表面に対して垂直に観察)の典型的な繰り返し距離を測定し、次に同様のバリア層パターンを規定するか、又は同様の比率で離間させることにより実現できる。これらの実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、少なくとも一方向に沿って、再帰反射性物品におけるビーズ化領域及び非ビーズ化領域のパターン間隔と、再帰反射性物品が取り付けられる衣類又は基材のパターン間隔との間の差異は、60%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは20%未満である。
物品の平面内の一方向におけるパターン間隔は、かかる方向において試料を横切る仮想線に沿って、相関するドメインの中心点間の平均距離を計算することにより決定することができる。「相関する(correlating)ドメイン」は、本開示の再帰反射性物品のように、ビーズの有無、形状、平均寸法など、又は衣類又は他の基材のように、グラフィックプリント、エンボス加工、質感、けば、糸の方向、糸の色などについて共通して識別される特徴を有し、繰り返しパターンの周期性又は共通性、及びランダムパターンのランダム性を確立する領域である。パターン間隔を評価することは、対応するパターンの特徴間の正確な距離は典型的にはばらつくが、パターンを認識できる、直感的で明白な構成要素を有するものであることについて認識されたい。
ビーズは、パターン化されたバリア層材料によって被覆されていない領域において、ポリマーキャリア層の表面上に部分的に埋め込まれる。ビーズ層は、ビーズをポリマーキャリア層上にカスケーディングすることによって構築され、これにより、微小球ビーズが所望の一時的な配置に固定される。典型的には、ポリマーキャリア層は加熱軟化される。微小球ビーズは、概して、可能な限り密に、理想的には六方最密配列で充填され、非常に良好な再帰反射的な明度を達成するが、微小球ビーズは、印刷、スクリーニング、カスケーディング、又は熱間圧延などの任意の好都合な適用プロセスによってこのように配列することができる。冷却により、ポリマーキャリア層は、所望の配置で微小球ビーズを保持する。
典型的には、最も均一かつ効果的な再帰反射を提供するため、ビーズの形状は実質的に球形である。微小球ビーズは、入射光の大部分が再帰反射されるように、光の吸収を最小限に抑えるため、実質的に透明である。微小球ビーズは、しばしば、実質的に無色であるものの、何らかの他の手法によって色合いをつけるか、又は着色してもよい。
微小球ビーズは、ガラス、非ガラス状のセラミック組成物、又は合成樹脂製であってもよい。ガラス及びセラミックの微小球ビーズは、合成樹脂でできた微小球ビーズよりも硬く、より耐久性が高い傾向であるため特に好適である。使用することができる微小球ビーズの例は、以下の米国特許第1,175,224号、同第2,461,011号、同第2,726,161号、同第2,842,446号、同第2,853,393号、同第2,870,030号、同第2,939,797号、同第2,965,921号、同第2,992,122号、同第3,468,681号、同第3,946,130号、同第4,192,576号、同第4,367,919号、同第4,564,556号、同第4,758,469号、同第4,772,511号、及び同第4,931,414号に記載されている。
ポリマーカラー層は、典型的には、少なくとも1種のポリマーと、少なくとも1種の着色剤とを含む。いくつかの実施形態では、着色剤は、蛍光着色剤を含む。いくつかの実施形態では、着色剤は、黒、シアン、若しくはマゼンタなどの暗色、又は白などの明色を含む。
ポリマーカラー層は、単層又は多層の構成体とすることができる。ポリマーカラー層が多層の構成体である場合、少なくとも1層は着色剤により着色される。また、追加の層を着色してもよいが、すべての層を着色する必要はない。いくつかの実施形態では、多層構成体の少なくとも1層は、紫外線安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色料(tinting agent)、改質剤、性能増強剤、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の添加物を含む、ポリマーカラー層を含む。安定剤を含むこの層は、この層が、着色顔料又は染料を含むポリマーカラー層を紫外線による分解及び洗濯による分解などから保護するよう、着色顔料又は染料を含むポリマーカラー層と周囲環境との間に配置されることが望ましい。したがって、紫外線安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色料、改質剤、性能増強剤、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の添加物を含むポリマー層は、透明な微小球の表面と、少なくとも1種の着色剤(colorant)で着色されたポリマーカラー層との間に配置される。更に、多層ポリマー構成体は、着色されているか又は透明(transparent)で、任意選択的に上記の添加物のうち1種以上を含む、追加の層を含んでもよい。
多層ポリマー構成体を含む他の実施形態では、多層ポリマー構成体は、透明な(clear)ポリマー層を含んでもよい。透明な(clear)ポリマー層とは、光学的に透明(optically transparent)、又は光学的に澄明な(optically clear)ポリマー層という意味である。このポリマー層は、環境への露出による分解から着色層を保護するように、着色層と周囲環境との間に配置できる。透明なポリマー層は、後述のとおり、ポリマーカラー層と再帰反射層との間に配置することもできる。更に、多層ポリマー構成体は、着色されているか又は透明で、任意選択的に上記の添加物のうち1種以上を含む、追加の層を含んでもよい。
ポリマーカラー層は着色剤を含む。着色剤は、波長選択的な吸収の結果として、反射光又は透過光の色を変化させることが可能な任意の材料とすることができる。任意の着色剤を、本明細書に開示の再帰反射性物品に利用できる。いくつかの実施形態では、着色剤はナノ顔料とすることができる。ナノ顔料は、概して、ナノメートル範囲の平均粒径を有する顔料である。いくつかの実施形態では、着色剤は、約1nm〜約1000nmの平均粒径を有し得る。ナノ顔料は、光との相互作用によって有用となる場合があり、すなわち、高再帰反射性に寄与し得るナノ顔料の大きさのため、光はナノ顔料により回折される。いくつかの実施形態では、ナノ顔料は、約20nm〜約500nmの平均粒径を有し得る。利用可能な例示的なナノ顔料としては、Cabot Corporation(Boston,MA)より市販されているCABOJET 300が挙げられる。
いくつかの実施形態では、ポリマーカラー層は、ナノ顔料及び他の粒径の顔料(本明細書においては「通常の顔料」と呼ぶ場合がある)を両方含む場合がある。ナノ顔料及び通常の顔料を両方含む実施形態では、ナノ顔料は顔料全体の少なくとも約5重量%を占めることができる。ナノ顔料及び通常の顔料を両方含むいくつかの実施形態では、ナノ顔料は顔料全体の少なくとも約10重量%を占めることができる。いくつかの実施形態では、着色層は、顔料と染料を両方含み、例えば、ナノ顔料及び染料を両方を含む。
ポリマーカラー層は、概して、所望の色又は色の深みを着色層又は最終的な再帰反射性物品に提供するのに、望ましい量の着色剤を含む。ポリマーカラー層中の着色剤の量は、利用される特定の着色剤(複数可)、所望の色又は色合い、ポリマーカラー層中の他の成分、及びこれらの組み合わせに少なくとも部分的に応じて異なり得る。いくつかの実施形態では、ポリマーカラー層は、着色層中の固形分の0.1〜80重量%の顔料、着色層中の固形分の1〜60重量%の顔料、又は着色層中の固形分の5〜40重量%の顔料を有することができる。
上記のとおり、ポリマーカラー層は、染料、顔料、又は染料及び顔料の組み合わせを含むことができる。ポリマーカラー層の着色に使用できる染料及び顔料の例としては、DUPONT TI−PURE R−960(E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware)、AURASPERSE II Red 2030、AURASPERSE II blue 15:3、AURASPERSE II yellow 1100、XFAST Orange 2930、XFAST Yellow 1102、SUDAN YELLOW 146、SUDAN YELLOW 150、SUDAN RED 290、及びSUDAN BLUE 35(BASF,Corporation,Clifton,NJ)、CAB−O−JET 200、CAB−O−JET 300、CAB−O−JET 352k(Cabot Corporation,Boston,MA)、275−0570(Pigment Yellow 83)及び275−0023(Pigment Yellow 17)(Sun Chemical,Cincinnati,OH)、が挙げられる。
いくつかの実施形態では、着色剤は、高視認性蛍光染料及び/又は顔料である。蛍光染料及び/又は顔料は、日中の光条件下で被視認性を増強できる。ポリマーカラー層の着色に使用できる蛍光染料又は顔料の例としては、DAY−GLO FIRE ORANGE T−14、ROCKET RED GT、BLAZE ORANGE GT、及びSATURN YELLOW T−17(Day−Glo Color Corp.,Cleveland,OH)、FLARE 911(Cleveland Pigment & Color Co.,Akron,OH)、LUMOGEN F RED 300、F YELLOW 083、及びYELLOW S0790(PIGMENT YELLOW 101,C.I.No.48052)(BASF Corporation,Clifton,NJ)が挙げられる。
様々なポリマーが、本開示のポリマーカラー層での使用に好適である。概して、ビーズ結合層について後述するものなどの、ポリマー材料を利用できる。(顔料を組み込むことができる)具体的なポリウレタン形成方法の例は、米国特許第5,645,938号及び同第6,416,856号(Crandall)、並びにPCT国際公開第96/16343号、及び米国特許第5,976,669号(Fleming)、並びにPCT国際公開第98/28642号に記載されている。いくつかの実施形態では、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、又はポリエーテル単位とポリエステル単位とのブロックコポリマーを含むポリウレタン、を利用できる。利用できる市販のポリウレタン材料の部類には、Bayer AG(Leverkusen,Germany)から入手可能なBAYHYDROLポリウレタン分散体がある。
ポリマーカラー層は、任意の好適な厚さとすることができる。ポリマーカラー層は、好ましくは隣接するビーズ間の任意の間隙又は開口部を充たし、薄いが、微小球ビーズを覆う、少なくとも実質的に連続的な層を形成する。少なくともいくつかの実施形態では、隣接するビーズ間のポリマーカラー層の厚さは約1μm〜約100μmである。
ポリマーカラー層の厚さ及び厚さの均一性は、着色された再帰反射性物品の色及び再帰反射性の両方に大きく影響する。米国特許出願公開第2011/0292508号(Huangら)には、着色組成物を、キャリア層に部分的に埋め込まれた光学要素の露出面上に堆積し、次に反射層を堆積することにより、再帰反射性着色物品を作製する方法を記載している。着色組成物は、着色組成物の乾燥中に、着色組成物のより少ない量が光学要素の上に残留するように設計されている。着色組成物は、ビーズの露出面から流れ落ち、光学要素と光学要素が埋め込まれたキャリアウェブとの間の容積を充たす。光学要素の上面に残留する、濃い色の着色組成物は、次に光学要素上にコーティングされる反射層の効果をある程度阻害し、ひいては物品の再帰反射性を低下させる可能性がある。
これは、高再帰反射性を必要とし、広い範囲の入射角(entrance angles)において最小の再帰反射係数では許容されない高視認性安全衣服などの用途に関し、特に有害になり得る(例えば、ANSI/ISEA 107/2010又はISO 20471:2013などの高視認性衣服の試験方法及び要件基準を参照のこと)。
反射層は、反射金属層又は誘電体反射層を含んでもよい。反射金属層は、反射金属層コーティングを形成する鏡面反射金属である。この技術により、再帰反射性要素(光学要素及び反射材料)を、再帰反射に対して実質的に一定の方向で配置することが容易になる。再帰反射性要素の大きさ、すなわち反射材料によって被覆された微小球ビーズの表面部分は、反射材料の適用前に、微小球ビーズがポリマーに埋め込まれる深さを調節することにより、ある程度制御することができる。
反射材料は、光を鏡面的に反射することができる金属元素を含む層とすることができる。金属鏡面反射層を提供するため、様々な金属を使用できる。これらの金属としては、元素形態のアルミニウム、銀、クロム、金、ニッケル、及びマグネシウムなど、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。アルミニウム及び銀は、性能の観点から反射層に使用するのに特に好適な金属である。金属は、例えば、真空蒸着、蒸気コーティング、化学蒸着、又は無電解めっきによって製造された連続的なコーティングであってもよい。アルミニウムの場合、金属の一部が金属酸化物及び/又は金属水酸化物の形態であってもよいことを理解されたい。金属アルミニウム及び金属銀は、最も高い再帰反射性輝度を提供する傾向があるため、望ましい。いくつかの実施形態では、金属銀は特に望ましい。金属層は、入射光を反射させるのに十分な厚さにすべきである。典型的には、反射金属層は、約50〜150nmの厚さである。
反射層が誘電体反射層であるとき、誘電体反射層は誘電体ミラーである。誘電体ミラーは、米国特許第3,700,305号及び同第4,763,985号(Bingham)に開示の既知の誘電体ミラーと同様のものであってもよい。誘電体ミラーは、典型的には、屈折率nを有する層と、かかる層に設けられた、屈折率nを有する透明な材料の層と、を有する多層構成体であり、(屈折率nを有する)透明な材料の反対面は、屈折率nを有する材料と接触している。n及びnはいずれもnより少なくとも0.1、より典型的には少なくとも0.3高いか又は低い屈折率を有する。透明な材料は、典型的には、約380〜約1,000nmの波長範囲において、光の波長の約1/4の奇数倍(すなわち、1、3、5、7...倍)に相当する光学的厚さを有する層である。したがって、n>n<n、又はn<n>nのいずれかであり、透明層の両側上の材料は、屈折率が両方ともnより高くても、又は両方とも低くてもよい。nがn及びnのいずれより高い場合、nは1.7〜4.9の範囲であり、n及びnは1.2〜1.7の範囲である。逆に、nがn及びnのいずれより低い場合、nは1.2〜1.7の範囲であり、n及びnは1.7〜4.9の範囲である。誘電体ミラーは、概して、少なくとも1つが層の形態で、交互に一連の屈折率を有する、材料の連続的な配列を含む。典型的には、連続的な配列は、レンズ要素に隣接する2〜7層、より典型的には3〜5層を有する。誘電体ミラーは、非常に良好な再帰反射性を提供することができるが、典型的には、反射金属層ほど効果的な反射体ではない。
所望の屈折率の範囲内で透明な材料を提供するのに使用できる多くの化合物の中には、高屈折率材料、例えば、CdS、CeO、CsI、GaAs、Ge、InAs、InP、InSb、ZrO、Bi、ZnSe、ZnS、WO、PbS、PbSe、PbTe、RbI、Si、Ta、Te、TiOなど、低屈折材料、例えば、Al、AlF、CaF、CeF、LiF、MgF、NaAlF、ThOF、ペルフルオロプロピレンとビニリデンフルオリドとのエラストマーコポリマー(屈折率>>1.38)などがある。他の材料は、Thin Film Phenomena、K.L.Chopra,page 750,McGraw−Hill Book Company,N.Y.,(1969)に報告されている。特に好適な誘電体ミラーは、SiO、CaF、MgF、ZnS、Nb、Ta、又はこれらの組み合わせの層を含む。いくつかの実施形態では、誘電体反射層は、CaF、ZnS、又はこれらの組み合わせの層を含む。
ビーズ結合層は、少なくとも1種のポリマー(典型的には、バインダー材料と呼ばれるもの)を含み、着色剤又は他の任意選択の添加物、例えば、紫外線安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、改質剤、性能増強剤、若しくはこれらの組み合わせなどといった、追加の添加物を含んでもよい。上記の任意の着色剤(ナノ顔料、染料、及び顔料)は、ビーズ結合層への使用に好適である。
ビーズ結合層のポリマーバインダー材料としては、エラストマーが挙げられるがこれに限定されないポリマーであってもよい。本開示では、エラストマーは、少なくとも元の長さの2倍に伸長し、離したときにほぼその元の長さに戻ることのできるポリマーと定義される(「Hawley’s Condensed Chemical Dictionary」,R.J.Lewis Sr.Ed.,12th Ed.,Van Nostrand Reinhold Co.,New York,N.Y.(1993)から得た定義)。典型的には、ポリマーバインダー材料としては、架橋された、又はほぼ架橋されたエラストマーが挙げられる。架橋エラストマーとは、エラストマーのポリマー鎖が化学的に架橋され、分子流に対して安定化された3次元ネットワークを形成するものを意味する。ほぼ架橋されたエラストマーとは、鎖のからみあいにより、かつ/又は水素結合により、エラストマーのポリマー鎖の可動性が大きく低減され、結果としてポリマーの粘着強度又は内部強度が増しているものを意味する。このようなポリマー架橋の例としては、例えば、各鎖間のビニル基間のフリーラジカル結合などの炭素−炭素結合の形成、カップリング剤による加硫又は反応などの、作用剤又は基によるカップリング、例えば、イソシアネート又はエポキシ官能化ポリマーの場合のジオール、アミン官能化ポリマー及びアルコール官能化ポリマーの場合のジイソシアネート又は活性化エステル、並びにカルボン酸又は無水官能化ポリマーの場合のエポキシド及びジオールなどによるものが挙げられる。このようなほぼ架橋することの例としては、ポリアミドで見られるアミド水素結合、又はスチレンとアクリロニトリルとのブロックコポリマーで見られる結晶質及び非晶質領域の相互作用が挙げられる。
ビーズ結合層にバインダー材料として採用することができるポリマーの実例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエポキシド、天然ゴム及び合成ゴム、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。架橋ポリマーの例としては、例えば、エポキシド基、オレフィン基、イソシアネート基、アルコール基、アミン基又は無水物基などの架橋可能な基によって置換された、前述の例のポリマーが挙げられる。ポリマーの官能基と反応する多官能性モノマー及びオリゴマーも架橋剤として使用できる。
有用なビーズ結合層材料の具体例は、米国特許第5,200,262号及び同第5,283,101号に開示されている。米国特許第5,200,262号では、ビーズ結合層は、例えば、架橋されたウレタン系ポリマー(例えば、イソシアネート硬化ポリエステル、又は1成分若しくは2成分ポリウレタンのうちの1種)などの活性水素官能性を有する1種以上の可撓性ポリマーと、1種以上のイソシアネート官能性シランカップリング剤とを含む。米国特許第5,283,101号では、ビーズ結合層は、クロロスルホン化ポリエチレン、少なくとも約70重量%ポリエチレンを含むエチレンコポリマー、及びポリ(エチレン−co−プロピレン−coジエン)ポリマーからなる群から選択される電子線硬化したポリマーを含む。
ビーズ結合層に使用できる市販のポリマーの例としては、次のもの、すなわち、Bostik(Wauwatosa,WI)から市販のポリエステル、VITEL VPE 3550B及びVPE 5833、Dow Chemicalから市販のアクリル樹脂、RHOPLEX HA−8及びNW−1845、Cytec Industries(West Patterson,NJ)から市販のポリウレタンCYDROTHANE、Lubrizol Corporation(Cleveland,OH)から市販のESTANE 5703及び5715、並びにZeon Chemicals,Inc.(Rolling Meadows,IL)から市販のNIPOL 1000が挙げられる。
結合層は、典型的には、約50〜250μm(2〜10mils)の厚さを有し、多くの場合、約75〜200μm(3〜8mils)の厚さが特に好適である。これらの範囲外の厚さを有するビーズ結合層を使用することもできるが、ビーズ結合層が薄すぎると、微小球ビーズに対し十分な支持を提供できなくなり、ひいてはビーズが外れてしまう場合があることは理解されたい。
着色されている場合、ビーズ結合層は、概してポリマーカラー層又は物品に補助的な色(supplemental color)又は色の深みを提供するのに望ましい量の着色剤を含む。ポリマーカラー層中の着色剤の量は、使用される特定の着色剤(複数可)、所望の色又は色合い、ポリマーカラー層中の他の成分、及びこれらの組み合わせに少なくとも部分的に応じて異なり得る。
いくつかの実施形態では、再帰反射性物品は、物品表面の少なくとも一部分が不連続的なものであることが望ましい。「不連続的」により、最終的な再帰反射性物品において、微小球ビーズ及びバリア材料層からビーズ結合層までのすべての層が存在しない領域があることを意味する。これらの不連続性は、様々な理由により有益であり得る。いくつかの実施形態では、不連続性がパターン又はデザインを形成する場合がある。パターン又はデザインは、印、ロゴなどの形態とすることができる。他の実施形態では、不連続性はランダムなパターン又は非連続的なパターンのいずれかで配置することができる。不連続性は、視覚効果を提供する他、再帰反射性物品の通気性を向上させることもできる。このことは、気体及び又は湿気が、再帰反射性物品をより容易に透過できることを意味する。通気性の向上は、かかる物品を着用した人物がより快適に過ごせる効果がある。この特定の効果は、建設作業員、消防士、緊急/救急作業員、及び運動をする人々にとって特に望ましい。
不連続性の区画を有する再帰反射性物品は、様々な異なる方法によって製造できる。特に好適な方法は、1つ以上の区画の複数部分から光学要素及びビーズ結合層を部分的に除去することを含む。この除去は、切断、切削、穿孔、及び他の好適な機械的手段によって実行できる。
本明細書ではまた、本開示の再帰反射性アップリケを含む、衣服物品が開示される。これらの衣服物品は、第1主表面及び第2主表面を有する布と、布の第1主表面に取り付けられた再帰反射性アップリケと、を含む。再帰反射性アップリケは、上記の再帰反射性物品である。様々な布が好適である。
転写フィルムの再帰反射性アップリケ、及び固定された再帰反射性アップリケは、機械的取り付け又は接着剤による取り付けなどの広範な取り付け技術により布表面に取り付けることができる。機械的取り付け技術の例としては、例えば、縫製及び熱ラミネートが挙げられる。接着剤による取り付けでは、接着剤をビーズ結合層に適用でき、又はバッキング層をビーズ結合層に適用し、接着剤層をバッキング層に適用できる。
好適な接着剤層の例は、感圧接着剤、熱活性化接着剤、及び積層接着剤を含む。接着剤層は、コーティングにより、又は形成済みの接着剤層をビーズ結合層又はバッキング層に積層することにより、ビーズ結合層又はバッキング層に適用できる。
粘着性を付与した天然ゴム、合成ゴム、粘着性を付与したスチレンブロックコポリマー、ポリビニルエーテル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリウレア、ポリ−α−オレフィン、及びシリコーンを含む、多種多様な感圧接着剤が好適である。感圧接着剤は、基材への接着前に接着剤を保護するため、剥離ライナーによって被覆してもよい。
熱活性化接着剤は感圧接着剤によく似ているが、粘着性を生じさせるためには加熱する必要がある。熱活性化接着剤の利点の一つは、これらが室温では粘着性でないため、典型的には、基材に接着する前に接着剤層を保護するための剥離ライナーが必要ないことである。
典型的には、積層接着剤が使用される場合、接着剤層は直ちに基材に接着され、接着剤と基材との接着を形成する。積層接着剤の例としては、ホットメルト接着剤、接着剤分散体及び懸濁液、並びにシアノアクリレートなどの硬化性接着剤が挙げられる。
多種多様な衣服物品が、再帰反射性アップリケへの取り付けに好適である。このような衣服物品の例としては、例えば、道路建設作業員らに頻繁に着用される安全ベストなどのベストが挙げられるばかりでなく、広範な他の種類の衣服も挙げられる。例としては、シャツ、セーター、ジャケット、コート、ズボン/パンツ(pants)、ショーツ、靴下、靴、手袋、ベルト、帽子、スーツ、及びワンピース状の衣類(one-piece body garments)などが挙げられる。
これらの実施例は単に例示目的のものに過ぎず、添付の「特許請求の範囲」の限定を意図するものではない。本明細書の実施例及びその他の部分における部、百分率、比などはすべて、特記しない限り重量による。使用した溶媒類及び他の試薬類は、特記しない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee,Wisconsin)より入手した。以下の略語を使用する。nm=ナノメートル、μm=マイクロメートル、mPa=ミリパスカル、psi=ポンド/平方インチ、MPa=メガパスカル、min=分、mm=ミリメートル、ft=フィート、fpm=フィート/分、m/min=メートル/分、BCM=10億立方マイクロメートル/平方インチ、°F=華氏温度、℃=セ氏温度、in=インチ、LW=線幅。用語「重量%(weight %)」、「重量%(% by weight)」、及び「重量%(wt%)」は互換可能に使用される。
試験方法
再帰反射性の測定
再帰反射性は、ASTM E810−03(2013)−同一平面幾何形状を利用した再帰反射性シート材の再帰反射係数の標準的試験方法、に記載の試験基準を用いて測定した。再帰反射性(再帰反射係数)の単位はcd/lux/mで報告する。
色測定
色(Yxy又はLのいずれかとして記載)は、ASTM E 308−90に概要が記載されている手順に従って測定した。操作パラメーターは下記のとおりである。
標準光源:D65昼光光源
標準観測者:CIE(国際照明委員会)1931 2°
波長間隔:400〜700nmにおいて10nm間隔
入射光:試料平面に対し0°
観測:16の光ファイバー受容ステーションのリングを通して45°
観測面積:1インチ
ポートサイズ:1インチ
これらのパラメーターを知れば、当業者であれば、この試験を再現できる。操作パラメーターについてのより詳細な記載はASTM E 1164−93を参照されたい。
実施例1〜17、並びに比較例1及び2
実施例1では、熱で軟化可能なポリエチレン層によってコーティングした紙のシートを含む40cm幅のキャリアウェブに、表1に掲載した組成を有するPVA系水性インクを使用し、Dupont 0.067 DPR HDスタンプ(Southern Graphics Systems,Brooklyn Park,MN)を搭載したデスクトップ式フレキソ印刷機によって印刷した。印刷条件は下記の構成とした。10BCM/inアニロックスロールを32.8fpm(10m/min)で使用してキャリアウェブに印刷し、212°F(100℃)に設定したバッチオーブンで2分間乾燥させた。印刷パターンの構成は、355μmピッチの62.5μm幅の線であった。比較例1は、印刷していないキャリアウェブを使用して作製した。
実施例2〜17では、ポリエチレン層によりコーティングした紙のシートを含む40cm幅のキャリアウェブに、インク1で印刷した。以下の条件でDupont 0.067 DPR HDスタンプ(Southern Graphics Systems(Brooklyn Park,MN))を使用して、ポリエチレン表面上にインクをフレキソ印刷した。4.0BCM/inのアニロックスロール、60fpmの線速、及び3.8Joule/inの気中のコロナ下で、オーブン温度を175°F(80℃)に設定した長さ2フィートのオーブン2つを使用して乾燥。このスタンプにおける様々な印刷パターンを表5に記載する。比較例1及び2は、印刷していないキャリアウェブを使用して作製した。
実施例1〜17、並びに比較例1及び2では、上記のとおり裏面が紙のポリエチレンキャリアウェブシートをボックスオーブンで約230°F(110℃)に加熱した後、透明なガラス微小球ビーズ(直径約40〜120μmの範囲、メジアン径86μm)をポリエチレン表面上に注ぎ、約2分間放置した。次に、このキャリアウェブシートをオーブンから取り出し、シートを傾けてウェブから過剰なビーズを落とした。続いてこのシートを約320°F(160℃)に加熱し、ビーズを部分的にポリエチレンに沈み込ませた。得られたビーズ層を毛先の柔らかいペイントブラシでなで、付着のゆるいビーズ材料を除去した。
得られたビーズ層を、次に0.002”(51μm)の間隙を有するノッチバーを使用して、黒色に着色されたポリマーコーティング(組成については表2を参照のこと)でコーティングし、140°F(60℃)で3分間、続いて194°F(90℃)で2分間乾燥した。黒色にコーティングした試料を、次にアルミニウム薄膜の層で真空コーティングした後、0.008”(203μm)の間隙を有するノッチバーコーターを使用してビーズバインダー層(組成については表3を参照のこと)をコーティングし、次に190°F(88℃)で30秒間乾燥させ、多孔質ポリエステル布に貼り合わせ、216°F(102℃)で6分間乾燥させた。実施例1は、半永続的バリア層を有するものと考えられる。実施例2〜17は、永続的なバリア層を有するものと考えられる。周囲条件下で終夜硬化させた後、一時的なキャリアウェブを取り外し、試料の再帰反射性(再帰反射係数Rは、0.2°の観測角及び5°の入射角で測定した)、色性能、及び洗浄耐久性について評価した。再帰反射性の測定は、ASTM E810に記載の手順を使用して行った。色測定方法は、例えば、ASTM E1347の標準手順に記載されている。黒色の比較には、CIE 1976で採択されたLを使用して明度(L)及び色度(a、b)を記載する。洗浄試験では、ISO 6330−方法2Aに記載の手順を使用した。
表4に示すとおり、一時的なキャリアウェブ上に印刷した領域を有する実施例1は、印刷を行っていない比較例1より顕著に色が黒く、すなわちLが低く、かつR>100を維持していた。実施例1の試料は、比較例1と同程度の洗浄性能(すなわち、50サイクル後の再帰反射係数(Ra)の低下及び色変化(ΔL及びΔE)を示した。Rの低下率(%)は、Ra1(洗浄前)及びRa2(指定回数の洗浄後)の差である。ΔLは、L1(洗浄前)及びL2(指定回数の洗浄後)の差である。ΔEは、デカルトL空間における2点の色座標間の幾何学的距離であり、例えば、ΔE=sqrt{(ΔL)^2+(Δa)^2+(Δb)^2}である。
表5に示すとおり、パターン化されたバリア材料層を有する実施例2〜17は、印刷を行っていない比較例2より顕著に色が暗く、すなわちLがより低く、かつR>100を維持していた。実施例2〜17の印刷パターンは、初期Ra、L、光沢度、及びパターンの視認性に顕著な効果を有した。光沢度の測定は、Micro Tri−Gloss Meterを使用し、ASTM D2457−13に記載の手順を用いて行った。実施例5及び14で使用したような、線幅が狭く、ピッチが小さいパターンは、最終的な再帰反射性アップリケにおいて裸眼で視認するのが容易ではない。これに対し、実施例2〜4で使用したように、線パターンの線幅は同じく狭いままでピッチを拡げるか、又は実施例6〜13で使用したように、線パターンの線幅を拡げるかのいずれかにより、最終的な再帰反射性アップリケにおける昼光でのパターン視認性が向上する。パターンの幾何学的形状を変化させることにより得られた予想外の結果は、光沢度の劇的な変化であった。パターン及び印刷面積を調整することにより、高再帰反射性はなお維持しつつも、7〜84.7もの変化が見られた。
実施例18〜22及び比較例3
実施例18〜22では、ポリエチレン層によりコーティングした紙のシートを含む40cm幅のキャリアウェブに、透明なインク(インク2)で印刷した。Dupont 0.067 DPR HDスタンプ(Southern Graphics Systems(Brooklyn Park,MN))を使用し、以下の条件でポリエチレン表面上にインクをフレキソ印刷した。4.0BCM/inのアニロックスロール、75fpmの線速、及び175°F(80℃)に設定した長さ2フィートのオーブン2つを使用して乾燥。スタンプは、表10に記載のとおり異なる面積被覆率を有する様々な印刷(線幅/ピッチ)パターンを含んだ。比較例3は、印刷していないキャリアウェブを使用して作製した。
実施例18〜22、及び比較例3では、上記のとおり裏面が紙のポリエチレンキャリアウェブシートをボックスオーブンで約230°F(110℃)に加熱した後、透明なガラス微小球ビーズ(直径約40〜120μmの範囲、メジアン径86μm)をポリエチレン表面上に注ぎ、約2分間放置した。次に、このキャリアウェブシートをオーブンから取り出し、シートを傾けてウェブから過剰なビーズを落とした。続いてこのシートを約320°F(160℃)に加熱し、ビーズを部分的にポリエチレンに沈み込ませた。次に、部分的に沈み込ませたビーズの突出部分を、50μmの間隙を有するノッチバーコーターを使用して、蛍光黄色顔料を含む着色されたポリマーコーティングでコーティングした。着色されたポリマーコーティングの組成を表6に示す。着色ポリマーコーティング(30%固形分溶液)を149°F(65℃)で3分間及び194°F(90℃)で2分間乾燥した。乾燥プロセス後、追加の透明なポリマーコーティングを、50μmの間隙を有するノッチコーターを使用して堆積した。透明なポリマーコーティングの化学組成を表7に示す。次に、コーティングしたウェブを、金属銀薄膜を使用して蒸気コーティングした。
金属の蒸気コーティング後、試料を、表8に記載の着色されたビーズ結合組成物により、175μmの厚さの間隙を有するノッチバーを使用してコーティングした後、160°F(71℃)で30秒、及び180°F(82℃)で3分間熱処理した。ビーズ結合層の露出面を、アラミド布上にコーティングされた接着剤層上に、貼り合わせた。接着剤層(組成は表9に示す)のウェットコーティング厚さは0.23mm(9mils)であった。貼り合わせにはニップロールラミネーターを使用し、220°F(104℃)で、回転速度20インチ/min(0.5m/min)、及び70psi(482kPa)で稼働した。実施例18〜22は、永続的なバリア層を有するものと考えられる。
表10は、比較例3及び実施例18〜22のY、x、y色、及びR再帰反射係数の値を示す。典型的には、Yがより高く、かつR値がより高いことが望ましい。何ら印刷を有さない比較例3と比較して、実施例18〜22において比較的小さな印刷領域を組み込むことにより色輝度が顕著に向上した。印刷していない例と比べ、再帰反射性を大幅に低下させることなく、このような色の増強を達成できたことは驚くべきことであった。
実施例23〜39
実施例23〜39では、ポリエチレン層によりコーティングした紙のシートを含む40cm幅のキャリアウェブに、表11に掲載した組成を有する様々なインクを使用して印刷した。ポリエチレン表面上に、Dupont 0.067 DPR HDスタンプ(Southern Graphics Systems(Brooklyn Park、MN))を使用し、以下の条件でインクをフレキソ印刷した。4.0BCM/inのアニロックスロール、100fpmの線速、及びオーブン温度を245°F(118℃)に設定した長さ2フィートのオーブン2つを使用して乾燥させた。次に、裏面が印刷された紙のポリエチレンキャリアウェブのシートをボックスオーブンで約230°F(110℃)に加熱した後、透明なガラス微小球ビーズ(直径約46〜86μmの範囲、メジアン径66μm)をポリエチレン表面上に注ぎ、約2分間放置した。次に、このキャリアウェブシートをオーブンから取り出し、シートを傾けてウェブから過剰な透明な微小球ビーズを落とした。続いてこのシートを約320°F(160℃)に加熱し、透明な微小球ビーズを部分的にポリエチレンに沈み込ませた。得られたビーズ層を毛先の柔らかいペイントブラシでなでて、付着のゆるいビーズ及び/又はバリア層材料に付着しているビーズを除去し、実施例2〜17と同様に加工して、黒色の再帰反射性シートを得た。
ゆるく付着したビーズ及び/又はバリア層材料に付着したビーズを毛先の柔らかいペイントブラシでビーズコートから除去するプロセスの容易性を、下記のチャートに従って評価した。ゆるく付着したビーズは比較的容易に除去されたが、いくつかの例では、バリア層材料に付着したビーズを除去するために、更に力を加える必要があった。
表12は、初期R及びLに顕著な効果を有した、実施例23〜39における印刷パターンを再度示す。印刷したインクがポリマーカラー層に容易に溶解し、かつポリマーカラー層に浸透混合したため、予想外に、インク組成が黒色の再帰反射性シートの性能に対して及ぼした影響は最小限のものであった。同時に、インク組成はビーズのコーティング工程に対し顕著な効果を有し、最終的なインク組成物の顔料の固形分(%)が高くなるほど、ゆるく結合したビーズ材料をペイントブラシで除去するのが容易になった。
説明を目的として、本明細書において特定の実施形態を例示及び記載したが、当業者であれば、多種多様な代替的かつ/又は同等な実施により、本発明の範囲から逸脱することなく、提示及び説明した特定の実施形態を置き換え得ることを理解するであろう。本出願は、本明細書で説明された実施形態のいかなる改作又は変形をも包含すべく意図されている。
以下、本発明の態様について説明する。
〔態様1〕
再帰反射性物品であって、
ビーズ結合層に埋め込まれた光学要素の層と、
少なくとも1つのポリマーカラー層と、
少なくとも1つの反射層と、を含み、
前記光学要素は、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域を含む、所定のパターンのビーズ結合層に埋め込まれた透明な微小球ビーズ層を含み、
前記少なくとも1つのポリマーカラー層は、前記ビーズ結合層に埋め込まれた前記透明な微小球ビーズの少なくとも一部分を被覆し、各非ビーズ化領域の少なくとも一部分を被覆し、
前記少なくとも1つの反射層は、前記ビーズ結合層に埋め込まれた前記透明な微小球の少なくとも一部分を被覆する前記ポリマーカラー層の少なくとも一部分を被覆する、再帰反射性物品。
〔態様2〕
前記非ビーズ化領域において前記ポリマーカラー層を被覆するバリア層材料を更に含む、態様1に記載の再帰反射性物品。
〔態様3〕
前記バリア層材料が、少なくとも前記非ビーズ化領域において前記ポリマーカラー層に浸透混合している、態様2に記載の再帰反射性物品。
〔態様4〕
前記バリア層材料が、約10nm〜約100μmの厚さを有する、態様2に記載の再帰反射性物品。
〔態様5〕
前記ポリマーカラー層が、前記微小球ビーズの間で約1μm〜約100μmである、態様1に記載の再帰反射性物品。
〔態様6〕
再帰反射係数が少なくとも100であり、色輝度が、蛍光赤色〜橙色に対して約40を超える、態様1に記載の再帰反射性物品。
〔態様7〕
再帰反射係数が少なくとも100であり、色輝度が、蛍光黄色〜緑色に対して約70を超える、態様1に記載の再帰反射性物品。
〔態様8〕
最小RAが少なくとも50であり、L*が黒色に対して約35未満である、態様1に記載の再帰反射性物品。
〔態様9〕
前記ビーズ化領域及び前記非ビーズ化領域が裸眼で視認可能ではない、態様1に記載の再帰反射性物品。
〔態様10〕
ISO 6330の方法2Aを用いて50回洗浄した後の最小RA値が少なくとも50である、態様1に記載の再帰反射性物品。
〔態様11〕
ISO 6330の方法2Aを用いて50回洗浄した後の最小RA値が少なくとも50であり、ΔE値が5未満である、態様1に記載の再帰反射性物品。
〔態様12〕
衣服物品であって、
第1主表面及び第2主表面を有する布と、
前記布の前記第1主表面に取り付けられた再帰反射性アップリケと、を含み、前記再帰反射性アップリケは、
ビーズ結合層に埋め込まれたされた光学要素の層と、
少なくとも1つのポリマーカラー層と、
少なくとも1つの反射層と、を含み
前記光学要素は、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域を含む、所定のパターンのビーズ結合層に埋め込まれた透明な微小球ビーズ層を踏み、
前記少なくとも1つのポリマーカラー層は、前記ビーズ結合層に埋め込まれた前記透明な微小球ビーズの少なくとも一部分を被覆し、各非ビーズ化領域の少なくとも一部分を被覆し、
前記少なくとも1つの反射層は、前記ビーズ結合層に埋め込まれた前記透明な微小球の少なくとも一部分を被覆する前記ポリマーカラー層の少なくとも一部分を被覆する、衣服物品。
〔態様13〕
前記布帛が、特定の間隔を有するパターンを含み、前記再帰反射性アップリケのパターンが、任意の特定の方向での繰り返し間隔を含み、前記繰り返し間隔は、同じ方向に沿った前記布のパターン間隔から、前記布のパターン間隔の60%未満が異なる、態様12に記載の物品。
〔態様14〕
前記ビーズ化領域及び前記非ビーズ化領域が裸眼で視認可能ではない、態様12に記載の反射性物品。
〔態様15〕
ISO 6330の方法2Aを用い50回洗浄した後の最小RA値が少なくとも50である、態様12に記載の物品。
〔態様16〕
ISO 6330の方法2Aを用い50回洗浄した後の最小RA値が少なくとも50であり、ΔE値が5未満である、態様12に記載の物品。
〔態様17〕
再帰反射性物品の調製方法であって、
第1主表面及び第2主表面を有するポリマーキャリアを提供することと、
前記ポリマーキャリアの前記第1主表面の複数部分上に、所定のパターンのバリア層材料を堆積させることと、
透明な微小球ビーズを、前記バリア層材料によって被覆されていない前記ポリマーキャリアの前記第1主表面の複数部分に部分的に埋め込み、前記ビーズが前記ポリマーキャリアの前記第1主表面から少なくとも部分的に突出し、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域を含むパターン化された層を形成することと、
前記ビーズ化領域及び前記非ビーズ化領域の少なくとも複数部分上にポリマーカラー層を堆積させることと、
前記透明な微小球ビーズを被覆する前記ポリマーカラー層の少なくとも一部分上に反射層を堆積させることと、
前記反射層の少なくとも一部分上、及び下層の任意の露出されている部分上に、ビーズ結合層を堆積させることと、
前記ポリマーキャリアを除去することと、を含む、方法。
〔態様18〕
前記ポリマーキャリアを除去した後に、前記バリア層材料を除去することを更に含む、態様17に記載の方法。
〔態様19〕
透明な微小球ビーズを、前記バリア層材料によって被覆されていない前記ポリマーキャリアの前記第1主表面の前記複数部分に部分的に埋め込んだ後、かつ前記ポリマーカラー層を堆積させる前に、前記バリア層材料が除去される、態様17に記載の方法。
〔態様20〕
前記バリア層材料が、前記ポリマーカラー層に浸透混合している、態様17に記載の方法。

Claims (4)

  1. 再帰反射性物品であって、
    ビーズ結合層に埋め込まれた光学要素の層と、
    少なくとも1つのポリマーカラー層と、
    少なくとも1つの反射層と、を含み、
    前記光学要素は、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域を含む、所定のパターンのビーズ結合層に埋め込まれた透明な微小球ビーズ層を含み、
    前記少なくとも1つのポリマーカラー層は、前記ビーズ結合層に埋め込まれた前記透明な微小球ビーズの少なくとも一部分を被覆し、各非ビーズ化領域の少なくとも一部分を被覆し、
    前記少なくとも1つの反射層は、前記ビーズ結合層に埋め込まれた前記透明な微小球の少なくとも一部分を被覆する前記ポリマーカラー層の少なくとも一部分を被覆し、
    前記非ビーズ化領域において前記ポリマーカラー層を被覆するバリア層材料を更に含む、再帰反射性物品。
  2. 前記バリア層材料が、少なくとも前記非ビーズ化領域において前記ポリマーカラー層に浸透混合している、請求項に記載の再帰反射性物品。
  3. 再帰反射性物品の調製方法であって、
    第1主表面及び第2主表面を有するポリマーキャリアを提供することと、
    前記ポリマーキャリアの前記第1主表面の複数部分上に、所定のパターンのバリア層材料を堆積させることと、
    透明な微小球ビーズを、前記バリア層材料によって被覆されていない前記ポリマーキャリアの前記第1主表面の複数部分に部分的に埋め込み、前記ビーズが前記ポリマーキャリアの前記第1主表面から少なくとも部分的に突出し、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域を含むパターン化された層を形成することと、
    前記ビーズ化領域及び前記非ビーズ化領域の少なくとも複数部分上にポリマーカラー層を堆積させることと、
    前記透明な微小球ビーズを被覆する前記ポリマーカラー層の少なくとも一部分上に反射層を堆積させることと、
    前記反射層の少なくとも一部分上、及び下層の任意の露出されている部分上に、ビーズ結合層を堆積させることと、
    前記ポリマーキャリアを除去することと、
    前記ポリマーキャリアを除去した後に、前記バリア層材料を除去することと、を含む、再帰反射性物品の調製方法。
  4. 再帰反射性物品の調製方法であって、
    第1主表面及び第2主表面を有するポリマーキャリアを提供することと、
    前記ポリマーキャリアの前記第1主表面の複数部分上に、所定のパターンのバリア層材料を堆積させることと、
    透明な微小球ビーズを、前記バリア層材料によって被覆されていない前記ポリマーキャリアの前記第1主表面の複数部分に部分的に埋め込み、前記ビーズが前記ポリマーキャリアの前記第1主表面から少なくとも部分的に突出し、ビーズ化領域及び非ビーズ化領域を含むパターン化された層を形成することと、
    前記ビーズ化領域及び前記非ビーズ化領域の少なくとも複数部分上にポリマーカラー層を堆積させることと、
    前記透明な微小球ビーズを被覆する前記ポリマーカラー層の少なくとも一部分上に反射層を堆積させることと、
    前記反射層の少なくとも一部分上、及び下層の任意の露出されている部分上に、ビーズ結合層を堆積させることと、
    前記ポリマーキャリアを除去することと、を含み、
    透明な微小球ビーズを、前記バリア層材料によって被覆されていない前記ポリマーキャリアの前記第1主表面の前記複数部分に部分的に埋め込んだ後、かつ前記ポリマーカラー層を堆積させる前に、前記バリア層材料が除去される、再帰反射性物品の調製方法。
JP2017517013A 2014-09-30 2015-09-24 再帰反射性着色物品 Active JP6760929B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201462057463P 2014-09-30 2014-09-30
US62/057,463 2014-09-30
PCT/US2015/051864 WO2016053734A1 (en) 2014-09-30 2015-09-24 Retroreflective colored articles

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017533460A JP2017533460A (ja) 2017-11-09
JP2017533460A5 JP2017533460A5 (ja) 2018-11-01
JP6760929B2 true JP6760929B2 (ja) 2020-09-23

Family

ID=54256847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017517013A Active JP6760929B2 (ja) 2014-09-30 2015-09-24 再帰反射性着色物品

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10845514B2 (ja)
EP (1) EP3201660A1 (ja)
JP (1) JP6760929B2 (ja)
KR (1) KR20170065591A (ja)
CN (1) CN107003444B (ja)
TW (1) TWI712825B (ja)
WO (1) WO2016053734A1 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016152814A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 東レ株式会社 布帛および衣料
WO2017106239A1 (en) 2015-12-18 2017-06-22 3M Innovative Properties Company Decorative article featuring a microscopic periodic pattern and methods of making the same
JP6972006B2 (ja) 2016-03-30 2021-11-24 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー ランダムに分散された微小球の所定のパターンを主とする物品及びその製造方法
JP2018004899A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 ユニチカスパークライト株式会社 再帰性反射性テープ
KR101773530B1 (ko) * 2016-09-13 2017-08-31 윤세원 재귀반사시트 및 그의 제조방법
KR101773532B1 (ko) * 2016-09-13 2017-08-31 윤세원 재귀반사시트 및 그의 제조방법
TWI775777B (zh) 2017-02-20 2022-09-01 美商3M新設資產公司 光學物品及與其交互作用之系統
IL251430B (en) 2017-03-28 2018-10-31 Erez Thermoplastic Products Agriculture Coop Association Ltd Retroreflective fabrics
WO2018200665A1 (en) * 2017-04-28 2018-11-01 Sun Chemical Corporation Opaque water-based inks
US11752731B2 (en) 2017-06-30 2023-09-12 3M Innovative Properties Company Articles having adhesive layers including urethane acrylate polymer or acrylate copolymer
EP3688662A1 (en) 2017-09-27 2020-08-05 3M Innovative Properties Company Personal protective equipment management system using optical patterns for equipment and safety monitoring
EP3701299A4 (en) 2017-10-27 2021-08-25 3M Innovative Properties Company REFLECTIVE ITEM INCLUDING LOCALLY LAMINATED REFLECTIVE LAYERS
US11493674B2 (en) 2017-10-27 2022-11-08 3M Innovative Properties Company Retroreflective article comprising embedded reflective layers
CN111344607B (zh) 2017-10-27 2022-06-07 3M创新有限公司 包括具有双层结构的颜色层的外露透镜回射制品
WO2019084299A1 (en) 2017-10-27 2019-05-02 3M Innovative Properties Company RETROREFLECTIVE ARTICLE COMPRISING RETROREFLECTIVE ELEMENTS COMPRISING PRIMARY REFLECTIVE LAYERS AND SECONDARY REFLECTIVE LAYERS
EP3827290A4 (en) 2018-07-24 2022-04-27 3M Innovative Properties Company PATTERNED WAVELENGTH SELECTIVE FOIL
DE212020000518U1 (de) * 2019-02-11 2021-09-23 Fiberlok Technologies, Inc Lichtretroreflektierendes grafisches Textil
CN110261945A (zh) * 2019-07-21 2019-09-20 上海清研新材料科技有限公司 一种正黑色高亮度反光布及其制备方法
CN110749947B (zh) * 2019-10-29 2021-06-01 浙江龙游道明光学有限公司 一种高可视对比度反光膜的制造方法
JP6892655B2 (ja) * 2019-11-01 2021-06-23 ユニチカスパークライト株式会社 再帰性反射性材料
KR20230092874A (ko) * 2020-10-22 2023-06-26 엘지전자 주식회사 커버 글래스, 커버 글래스 제조방법 및 이동 단말기

Family Cites Families (61)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1175224A (en) 1916-03-14 Pboces of
US2461011A (en) 1945-08-29 1949-02-08 Minnesota Mining & Mfg Carbon powder method of making glass beads
US2853393A (en) 1951-07-05 1958-09-23 Minnesota Mining & Mfg High-index glass elements
US2726161A (en) 1953-09-21 1955-12-06 Minnesota Mining & Mfg High-index glass elements
US2842446A (en) 1954-12-27 1958-07-08 Minnesota Mining & Mfg High-index glass elements
US2870030A (en) 1955-07-18 1959-01-20 Minnesota Mining & Mfg High-index glass elements
US2965921A (en) 1957-08-23 1960-12-27 Flex O Lite Mfg Corp Method and apparatus for producing glass beads from a free falling molten glass stream
US2992122A (en) 1959-02-16 1961-07-11 Minnesota Mining & Mfg Light filtering high-index glass elements
US2939797A (en) 1959-04-20 1960-06-07 Prismo Safety Corp Glass compositions
LU48072A1 (ja) 1965-02-24 1966-08-24
US3700305A (en) 1970-12-14 1972-10-24 Minnesota Mining & Mfg Retroreflective microspheres having a dielectric mirror on a portion of their surface and retroreflective constructions containing such microspheres
JPS498070A (ja) 1972-05-09 1974-01-24
US3946130A (en) 1974-04-01 1976-03-23 Minnesota Mining And Manufacturing Company Transparent glass microspheres and products made therefrom
US4102562A (en) 1976-06-14 1978-07-25 Minnesota Mining And Manufacturing Company Retroreflective transfer sheet material
US4367919A (en) 1977-08-01 1983-01-11 Minnesota Mining And Manufacturing Company Durable glass elements
US4192576A (en) 1978-11-20 1980-03-11 Minnesota Mining And Manufacturing Company Ultra-high-index glass microspheres and products made therefrom
JPS60205501A (ja) * 1984-03-30 1985-10-17 Soko Seiren Kk 蓄光性を有する明彩色再帰反射シ−ト状物
US4564556A (en) 1984-09-24 1986-01-14 Minnesota Mining And Manufacturing Company Transparent non-vitreous ceramic particulate
JPH073484B2 (ja) 1985-09-12 1995-01-18 久男 小木 透明球埋没型再帰反射体
US4772511A (en) 1985-11-22 1988-09-20 Minnesota Mining And Manufacturing Company Transparent non-vitreous zirconia microspheres
AU586300B2 (en) 1986-01-13 1989-07-06 Minnesota Mining And Manufacturing Company Pavement markings containing transparent non-vitreous ceramic microspheres
US4763985A (en) 1986-08-01 1988-08-16 Minnesota Mining And Manufacturing Company Retroreflective sheet with enhanced brightness
CA2107783C (en) 1991-05-08 2002-05-14 Wu-Shyong Li Launderable retroreflective applique
JP2988751B2 (ja) 1991-08-09 1999-12-13 ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー 装飾用フィルム
US5200262A (en) 1992-04-01 1993-04-06 Minnesota Mining And Manufacturing Company Launderable retroreflective applique with improved retention of retroreflective elements
US5503906A (en) 1993-05-05 1996-04-02 Minnesota Mining And Manufacturing Company Retroreflective transfer sheet material
US5344705A (en) 1993-05-05 1994-09-06 Minnesota Mining And Manufacturing Company Retroreflective transfer sheet material
KR100375893B1 (ko) 1994-05-12 2003-05-16 미네소타 마이닝 앤드 매뉴팩춰링 캄파니 재귀반사성물품및그제조방법
CN1119672C (zh) 1994-11-23 2003-08-27 美国3M公司 含有聚醚聚氨酯粘合剂层的反光制品及其制造方法和用途
US5645938A (en) 1995-09-15 1997-07-08 Minnesota Mining And Manufacturing Company Retroreflective article containing a polyester polyurethane binder layer
US5812317A (en) 1995-10-26 1998-09-22 Minnesota Mining And Manufacturing Company Exposed lens retroreflective article having a polymeric intermediate layer disposed between microspheric and reflective layers
JPH09137390A (ja) 1995-11-15 1997-05-27 Sanei Chem Kk 夜光性転写捺染材及びその製造法
CN1198218A (zh) 1996-05-16 1998-11-04 日本碳化物工业株式会社 透镜型功能性后向反射薄板及其制造方法
JPH10170710A (ja) 1996-12-12 1998-06-26 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 光再帰性反射シート
US5976669A (en) 1996-12-20 1999-11-02 3M Innovative Properties Company Retroreflective article having launderably durable bead-bond
JPH10332915A (ja) 1997-05-30 1998-12-18 Maruwa Kogyo Kk カラー反射材
US6361850B1 (en) 1999-06-17 2002-03-26 3M Innovative Properties Company Retroreflective article having a colored layer containing a dye covalently bonded to a polymer
US6735789B2 (en) 2000-07-31 2004-05-18 Southern Mills, Inc. Reflective printing on flame resistant fabrics
EP1405278B1 (en) 2001-04-30 2010-09-08 Neology, Inc. Identification device comprising a transponder and a discontinuously metallised retroreflective or holographic image field and method of making such a device
JP3498070B2 (ja) 2001-05-14 2004-02-16 紀和化学工業株式会社 再帰性反射シートとその製造方法
GB0114738D0 (en) 2001-06-16 2001-08-08 Reflec Plc Retroreflective fabric production
US6931665B2 (en) 2001-07-30 2005-08-23 3M Innovative Properties Company Vapor permeable retroreflective garment
JP2003182292A (ja) 2001-12-17 2003-07-03 Horaisha:Kk 再帰反射領域が形成されたシート及び再帰反射領域の形成方法
JP2003315517A (ja) 2002-04-22 2003-11-06 Unitika Sparklite Kk 再帰性反射材
JP2004062123A (ja) 2002-07-26 2004-02-26 Susumu Nishikawa 再帰反射材およびその製法
JP2004138671A (ja) 2002-10-15 2004-05-13 Komatsu Process:Kk 再帰反射性物品の製造方法および再帰反射性物品
DE60212418D1 (de) * 2002-12-19 2006-07-27 Ind Bergamasca Rifrangenti S R Verfahren zur Herstellung eines bedruckten, retroreflektierenden Materials
ITMO20030176A1 (it) 2003-06-17 2004-12-18 Autoadesivi S P A Articoli parzialmente retroriflettenti e retroriflettenti
JP3688702B2 (ja) 2003-11-14 2005-08-31 紀和化学工業株式会社 セキュリティ用再帰性反射シート及びその製造方法
TW200516520A (en) 2003-11-14 2005-05-16 Kiwa Chemical Ind Co Ltd Retro-reflection sheet for security and process for producing the same
EP1742090B1 (en) * 2004-04-28 2013-03-27 Kiwa Chemical Industry Co., Ltd. Hue variable retroreflective sheet
JPWO2007046157A1 (ja) * 2005-10-17 2009-04-23 イージーブライト株式会社 反射材
US9248470B2 (en) 2006-07-31 2016-02-02 Safe Reflections, Inc. Colorized retroreflective material and method
CN201594149U (zh) 2009-09-28 2010-09-29 石育祯 反光高反射材料的结构
JP3158587U (ja) 2010-01-26 2010-04-08 建治 岩田 再帰反射織物及び当該織物を用いた再帰反射衣服
KR102113562B1 (ko) * 2010-05-25 2020-05-21 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 렌즈 노출형 재귀반사성 물품
US8622555B2 (en) * 2010-08-31 2014-01-07 3M Innovative Properties Company Security article having a switching feature
BR112014006699A2 (pt) 2011-09-23 2017-03-28 3M Innovative Properties Co artigos retrorrefletivos que incluem uma marca de segurança
KR101206376B1 (ko) 2012-07-20 2012-11-29 (주)에이치제이 재귀반사시트의 제조방법
CN202886633U (zh) 2012-11-07 2013-04-17 苏州萃智新技术开发有限公司 一种tc面料为基底高耐候家用洗涤的永久彩色高强级反光材料
EP3968063A1 (en) 2014-01-31 2022-03-16 3M Innovative Properties Company Colored retroreflective articles

Also Published As

Publication number Publication date
US10845514B2 (en) 2020-11-24
WO2016053734A1 (en) 2016-04-07
TWI712825B (zh) 2020-12-11
TW201625990A (zh) 2016-07-16
JP2017533460A (ja) 2017-11-09
KR20170065591A (ko) 2017-06-13
US20170293056A1 (en) 2017-10-12
EP3201660A1 (en) 2017-08-09
CN107003444A (zh) 2017-08-01
CN107003444B (zh) 2020-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6760929B2 (ja) 再帰反射性着色物品
TWI687319B (zh) 有色反光物品
US10281623B2 (en) Colored retroreflective articles
CN106574993B (zh) 回射制品
JP4173534B2 (ja) 再帰反射製品、その製造方法、及びそれを含む衣服製品
CN101743491A (zh) 具有交联图像层的棱柱形逆向反射制品及其制备方法
TW201936372A (zh) 包含局部色層的暴露透鏡復歸反射物品
JP5766343B1 (ja) 再帰性反射性材料
US11752731B2 (en) Articles having adhesive layers including urethane acrylate polymer or acrylate copolymer
JP4540330B2 (ja) 再帰反射媒体中間体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180920

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190806

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200903

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6760929

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250