JP6892655B2 - 再帰性反射性材料 - Google Patents

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Description

本発明は、再帰性反射性能に優れ、蛍光灯下又は太陽光下では、マット調でギラツキがない色調を呈し、見る角度による色調変化が抑制されている再帰性反射性材料に関する。
従来、交通標識等の表示用や海難器具の識別用として、特に夜間の視認性を高めるため、入射光を再帰反射させる再帰性反射性材料が広く用いられている。また、夜間に作業する人々の安全確保の観点から、警察、消防、土建工事関係者等の安全衣料として、安全服、保安ベスト、たすき、腕章、救命胴衣等にも、再帰性反射性材料が広く利用されている。更に、近年では、生活安全意識の高まりや装飾性の多様化に伴って、夜間の交通事故防止対策として、ウィンドブレーカー、トレーニングウェアー、Tシャツ、スポーツシューズ、水着等のアパレルに使用されたり、装飾用途でバッグやスーツケース等にも使用されたりしている。
一般的な再帰性反射性材料では、固着樹脂層及び反射層が積層されてなる積層体に、反射層側から透明性微小球を埋設した構造を有している。当初は、再帰性反射性材料は、蛍光灯下や太陽光下では、反射層に起因する金属色を呈するものであったが、近年、意匠性の向上を試みて、着色された再帰性反射性材料が種々開発されている。
例えば、特許文献1及び2には、反射層上に着色層を設けることにより、再帰性反射性材料に着色を付与できることが開示されている。
特開昭62−62301号公報 特開2016−28293号公報
特許文献1及び2では、透明性微小球を仮接着した離型用支持体において、透明性微小球側表面に着色層形成用のインク組成物を塗布して着色層を形成した後に、反射層及び固着樹脂層を積層させ、離型用支持体を剥離することにより、着色層が設けられている再帰性反射性材料を製造している。しかしながら、特許文献1及び2のように、透明性微小球に対して、着色層及び反射層を順次積層させる製造方法では、透明性微小球と反射層の間に着色層のインクが不可避的に残存し、再帰性反射性能が低下することがある。また、特許文献1及び2の再帰性反射性材料では、蛍光灯下又は太陽光下で、正面視した際に反射層の光の乱反射に起因するギラツキが透明性微小球を介して視認されたり、正面視した際にギラツキが生じなくても、斜視した際にギラツキが生じたりするため、見る角度によって色調が変化するという欠点があった。
また、近年、再帰性反射性材料に対して要望される意匠性が多様化しており、消費者ニーズの一つとして、マット調(光沢が低い色調)の着色が施された再帰性反射性材料が求められている。しかしながら、特許文献1及び2の再帰性反射性材料は、マット調(光沢が低い色調)の点では満足できるものではない。
そこで、本発明は、再帰性反射性能に優れ、蛍光灯下又は太陽光下では、マット調でギラツキがない色調を呈し、見る角度による色調変化が抑制されている再帰性反射性材料を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、入射光側から、透明性樹脂層と、反射層と、固着樹脂層とをこの順に有する積層体に透明性微小球を埋設した再帰性反射性材料中間体の入射光側に、特定条件でグラビア印刷を行って着色層を設けることにより、再帰性反射性能に優れ、蛍光灯下又は太陽光下では、マット調でギラツキがない色調を呈し、見る角度による色調変化(ギラツキの有無の変化)が抑制されている再帰性反射性材料が得られることを見出した。
また、本発明者等は、前記特性を有する再帰性反射性材料の入射光側をデジタルマイクロスコープにより観察することにより、着色層は、透明性微小球の周縁領域が濃く、透明性微小球から離れるに従って淡くなっており、透明性微小球の表面には形成されていないことを見出した。また、本発明者等は、デジタルマイクロスコープで観察される着色層の前記濃淡の差の程度を、特定の設定条件で画像解析して、輝度ゲイン値0〜40の面積率(A0-40)、輝度ゲイン値40〜200の面積率(A40-200)、及び輝度ゲイン値200〜255の面積率(A200-255)を特定した。そして、前記特性を有する再帰性反射性材料は、A0-40が42〜50%、A40-200が18〜30%、且つA200-255が22〜35%を満たすことを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 入射光側から、透明性樹脂層と、反射層と、固着樹脂層とをこの順に有する積層体と、
前記積層体に埋設され、一部が入射光側に露出している透明性微小球と、
前記透明性樹脂層の入射光側且つ透明性微小球と接していない表面領域に設けられた着色層と、を有し、
前記反射層が、金属薄膜からなり、
前記透明性微小球が、屈折率1.6〜2.5であり、且つ露出率が30〜70%となる状態で空気中に露出しており、
下記測定方法により求められる輝度ゲイン値0〜40の領域の面積率(A0-40)が、42〜50%、輝度ゲイン値40〜200の領域の面積率(A40-200)が18〜30%、且つ輝度ゲイン値200〜255の領域の面積率(A200-255)が22〜35%である、再帰性反射性材料。
<A0-40、A40-200及びA200-255の測定方法>
(1)再帰性反射性材料を入射光側からデジタルマイクロスコープで300倍で撮影した画像を得る。
(2)前記(1)で得られた画像を、2値化処理が可能且つ2値化された領域の面積測定が可能な画像解析・計測ソフトウェアに取り込み、透明性微小球の数が50個以上となる測定範囲を指定して、モノクロ画像化する。
(3)前記(2)で得られたモノクロ画像について、輝度ゲイン値0〜40の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理し、輝度ゲイン値0〜40の領域が占める面積率(%)をA0-40として算出する。
前記(2)で得られたモノクロ画像について、輝度ゲイン値40〜200の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理し、輝度ゲイン値40〜200の領域が占める面積率(%)をA40-200として算出する。
前記(2)で得られたモノクロ画像について、輝度ゲイン値200〜255の領域とそれ以外の領域に2値化処理し、輝度ゲイン値200〜255の領域が占める面積率(%)をA200-255として算出する。
項2. 輝度ゲイン値0〜40の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理した画像において、輝度ゲイン値0〜40の領域が前記透明性微小球の周縁領域に存在し、且つ
輝度ゲイン値40〜200の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理した画像において、輝度ゲイン値40〜200の領域が、透明性微小球の周縁以外の領域に存在する、項1に記載の再帰性反射性材料。
項3. 前記着色層が黒色を呈する、項1又は2に記載の再帰性反射性材料。
項4. 前記着色層がカーボンブラックを含む、項3に記載の再帰性反射性材料。
本発明の再帰性反射性材料は、再帰性反射性能に優れ、蛍光灯下又は太陽光下では、マット調でギラツキがない色調を呈し、見る角度による色調変化(ギラツキの有無の変化)が抑制されているので、優れた意匠性を備えることができる。
本発明の再帰性反射材料の一例の略図的断面図である。 実施例1の再帰性反射性材料について、デジタルマイクロスコープで300倍で観察した画像である。 実施例1の再帰性反射性材料について、図2の画像を2値化処理が可能且つ2値化された領域の面積測定が可能な画像解析・計測ソフトウェア(WinROOF Ver7.0.0(三谷商事株式会社製))に取り込み、透明性微小球の数が50個以上となる測定範囲を指定して、モノクロ画像化し、輝度ゲイン値0〜40の領域とそれ以外の領域で2値化した画像(輝度ゲイン値0〜40の領域が灰色、それ以外の領域が黒色又は白色)である。当該2値化処理により、輝度ゲイン値0〜40の領域は着色されて識別化されるが、本図は2値化処理した画像を白黒表示しているため、輝度ゲイン値0〜40の領域は灰色で表示されている。図4〜6についても同様である。 実施例1の再帰性反射性材料について、図2の画像を2値化処理が可能且つ2値化された領域の面積測定が可能な画像解析・計測ソフトウェア(WinROOF Ver7.0.0(三谷商事株式会社製))に取り込み、透明性微小球の数が50個以上となる測定範囲を指定して、モノクロ画像化し、輝度ゲイン値40〜200の領域とそれ以外の領域で2値化した画像(輝度ゲイン値40〜200の領域が灰色、それ以外の領域が黒色又は白色)である。 実施例1の再帰性反射性材料について、図2の画像を2値化処理が可能且つ2値化された領域の面積測定が可能な画像解析・計測ソフトウェア(WinROOF Ver7.0.0(三谷商事株式会社製))に取り込み、透明性微小球の数が50個以上となる測定範囲を指定して、モノクロ画像化し、輝度ゲイン値200〜255の領域とそれ以外の領域で2値化した画像(輝度ゲイン値200〜255の領域は透明ガラス球上の灰色、それ以外の領域が黒色、灰色又は白色)である。 実施例1の再帰性反射性材料について、図2の画像を2値化処理が可能且つ2値化された領域の面積測定が可能な画像解析・計測ソフトウェア(WinROOF Ver7.0.0(三谷商事株式会社製))に取り込み、透明性微小球の数が50個以上となる測定範囲を指定して、モノクロ画像化し、輝度ゲイン値250〜255の領域とそれ以外の領域で2値化した画像(輝度ゲイン値250〜255の領域は透明ガラス球上の灰色、それ以外の領域が黒色、灰色又は白色)である。
本発明の再帰性反射性材料は、入射光側から、透明性樹脂層と、反射層と、固着樹脂層とをこの順に有する積層体と、前記積層体に埋設され、一部が入射光側に露出している透明性微小球と、前記透明性樹脂層の入射光側且つ透明性微小球と接していない表面領域に設けられた着色層と、を有し、前記反射層が金属薄膜からなり、前記透明性微小球が、屈折率1.6〜2.5であり、且つ露出率が30〜70%となる状態で空気中に露出しており、後述する所定の測定方法により求められる輝度ゲイン値0〜40の領域の面積率(A0-40)が、42〜50%、輝度ゲイン値40〜200の領域の面積率(A40-200)が18〜30%、且つ輝度ゲイン値200〜255の領域の面積率(A200-255)が22〜35%であることを特徴とする。以下、本発明の再帰性反射性材料について詳述する。
[構造]
本発明の再帰性反射性材料は、図1に示すように、入射光側から、透明性樹脂層11と、反射層12と、固着樹脂層13とをこの順に有する積層体1と、前記積層体1の透明樹脂層11側から埋設され、一部が入射光側に露出している透明性微小球2と、前記透明性樹脂層11の入射光側且つ透明性微小球2と接していない表面領域の全体に設けられた着色層3とを備える。
本発明の再帰性反射性材料において、透明性微小球2は、その一部が積層体1の透明性樹脂層11側から埋め込まれ、一部が空気に露出した状態になっており、積層体1において、透明性微小球2側の面は透明性微小球2の形状に沿って凹部が形成されている。
また、本発明の再帰性反射性材料において、着色層3は、透明樹脂層11の入射光側表面全体に積層しており、透明性微小球2と透明性樹脂層11との間には存在していない。
透明性樹脂層11、反射層12、固着樹脂層13、及び透明性微小球2は、再帰性反射性能を発揮させるための層及び部材である。また、着色層3は、蛍光灯下又は太陽光下で、マット調の色調を呈すると共に、反射層12の光の乱反射に起因するギラツキが透明性微小球2を介して視認されるのを抑制し、見る角度による色調変化(ギラツキの有無の変化)を抑制する役割を果たす層である。
本発明の再帰性反射性材料は、必要に応じて、固着樹脂層1を保持する基材として、固着樹脂層13の入射光側とは反対側の面に支持体が積層されていてもよい。
[デジタルマイクロスコープにより観察される濃淡の差]
本発明の再帰性反射性材料は、後述する測定方法で求められる輝度ゲイン値0〜40の領域の面積率(A0-40)は、42〜50%であればよいが、好ましくは45〜50%、更に好ましくは46〜49%が挙げられる。輝度ゲイン値0〜40の領域は、着色層3において、色が濃くなっている領域(即ち、顔料の存在量が多く、厚みが大きいと考えられる領域)を反映している。
また、本発明の再帰性反射性材料は、後述する測定方法で求められる輝度ゲイン値40〜200の領域の面積率(A40-200)は、18〜30%であればよいが、好ましくは23〜26%、更に好ましくは24〜26%が挙げられる。輝度ゲイン値40〜200の領域は、着色層3において、色が淡くなっている領域(即ち、顔料が存在量が少なく、厚みが小さいと考えられる領域)を反映している。
本発明の再帰性反射性材料では、前述するA0-40及びA40-200の範囲を充足することにより、蛍光灯下又は太陽光下で、マット調の色調を呈すると共に、反射層12の光の乱反射に起因するギラツキが透明性微小球2を介して視認されるのを抑制し、見る角度によって色調変化(ギラツキの有無の変化)が生じるのを抑制することが可能になる。
本発明の再帰性反射性材料の好適な一態様では、輝度ゲイン値0〜40の領域(即ち、色が濃くなっている領域)が前記透明性微小球の周縁領域に存在し、且つ輝度ゲイン値40〜200の領域(即ち、色が淡くなっている領域)が、透明性微小球の周縁以外の領域に存在している態様が挙げられる。このような態様であることにより、蛍光灯下又は太陽光下で、反射層12の光の乱反射をより一層視認し難くして、見る角度によって色調変化(ギラツキの有無の変化)が生じるのを効果的に抑制することが可能になる。
更に、本発明の再帰性反射性材料は、後述する測定方法で求められる輝度ゲイン値200〜255の領域の面積率(A200-255)は、22〜35%あればよいが、好ましくは23〜29%、更に好ましくは24〜28%が挙げられる。輝度ゲイン値200〜250の領域は、空気中に露出している透明性微小球の領域を反映している。輝度ゲイン値200〜250の領域が前記範囲を満たすことにより、透明性微小球2が空気中に露出している範囲を十分に確保でき、優れた再帰性反射性能を具備させることができる。
本発明の再帰性反射性材料は、後述する測定方法で求められる輝度ゲイン値250〜255の領域の面積率(A250-255)については、特に制限されないが、例えば、1〜30%、好ましくは15〜25%、更に好ましくは18〜22%が挙げられる。輝度ゲイン値250〜255の領域は、透明性微小球の領域のうち、全く着色されていない部分の領域を反映している。輝度ゲイン値250〜255の領域が前記範囲を満たすことにより、より一層優れた再帰性反射性能を具備させることが可能になる。
前述するA0-40、A40-200、A200-255、及びA250-255の範囲を充足させるには、後述する特定のグラビア印刷方法によって着色層を形成すればよい。
(A0-40、A40-200、A200-255、及びA250-255の測定方法)
本発明において、前記A0-40、A40-200、A200-255、及びA250-255は、以下の(1)〜(2)に示す手順で測定される値である。
(1)再帰性反射性材料を入射光側からデジタルマイクロスコープで300倍で撮影した画像を得る。
(2)前記(1)で得られた画像を、2値化処理が可能且つ2値化された領域の面積測定が可能な画像解析・計測ソフトウェアに取り込み、透明性微小球の数が50個以上となる測定範囲を指定して、モノクロ画像化する。
(3)前記(2)で得られたモノクロ画像について、輝度ゲイン値0〜40の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理し、輝度ゲイン値0〜40の領域が占める面積率(%)をA0-40として算出する。
前記(2)で得られたモノクロ画像について、輝度ゲイン値40〜200の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理し、輝度ゲイン値40〜200の領域が占める面積率(%)をA40-200として算出する。
前記(2)で得られたモノクロ画像について、輝度ゲイン値200〜255の領域とそれ以外の領域に2値化処理し、輝度ゲイン値200〜255の領域が占める面積率(%)をA200-255として算出する。
前記(2)で得られたモノクロ画像について、輝度ゲイン値250〜255の領域とそれ以外の領域に2値化処理し、輝度ゲイン値250〜255の領域が占める面積率(%)をA250-255として算出する。
前記(1)で使用されるデジタルマイクロスコープは、例えば、「デジタルマイクロスコープVHX−900F、レンズVH−Z100」(株式会社キーエンス製)等の市販品を使用することができる。
前記(2)で使用される画像解析・計測ソフトウェアは、2値化処理が可能且つ2値化された領域の面積測定が可能な者であればよく、例えば、「WinROOF Ver7.0.0」(三谷商事株式会社製)等の市販品を使用することができる。
前記(3)において、輝度ゲイン値0〜40の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理を行うには、しきい値を輝度範囲の下限を0、上限を40に設定すればよい。輝度ゲイン値40〜200の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理を行うには、しきい値を輝度範囲の下限40、上限を200に設定すればよい。輝度ゲイン値200〜255の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理を行うには、しきい値を輝度範囲の下限を200、上限を255に設定すればよい。輝度ゲイン値250〜255の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理を行うには、しきい値を輝度範囲の下限を250、上限を255に設定すればよい。
前記(3)では、測定範囲全体に対して、輝度ゲイン値0〜40の領域が占める面積率、輝度ゲイン値が40〜200の領域が占める面積率、輝度ゲイン値が200〜255の領域が占める面積率、及び輝度ゲイン値が250〜255の領域が占める面積率を算出することにより、A0-40、A40-200、A200-255、及びA250-255がそれぞれ求められる。
本発明の再帰性反射性材料の一例について、デジタルマイクロスコープで観察した画像、及び所定条件で画像処理して2値化した画像を図2〜6に示す。図2は、後述する実施例1の再帰性反射性材料について、デジタルマイクロスコープで300倍で観察した画像である。図3は、後述する実施例1の再帰性反射性材料について、デジタルマイクロスコープで観察した画像を、2値化処理が可能且つ2値化された領域の面積測定が可能な画像解析・計測ソフトウェアに取り込み、透明性微小球の数が50個以上となる測定範囲を指定して、モノクロ画像化し、輝度ゲイン値0〜40の領域とそれ以外の領域で2値化した画像(輝度ゲイン値0〜40の領域が灰色、それ以外の領域が黒色又は白色)である。図4は、後述する実施例1の再帰性反射性材料について、前記と同様の処理を行って、輝度ゲイン値40〜200の領域とそれ以外の領域で2値化した画像(輝度ゲイン値40〜200の領域が灰色、それ以外の領域が黒色又は白色)である。図5は、後述する実施例1の再帰性反射性材料について、前記と同様の処理を行って、輝度ゲイン値200〜255の領域とそれ以外の領域で2値化した画像(輝度ゲイン値200〜255の領域が白色、それ以外の領域が黒色)である。図5は後述する実施例1の再帰性反射性材料について、前記と同様の処理を行って、輝度ゲイン値200〜255の領域とそれ以外の領域で2値化した画像(輝度ゲイン値200〜255の領域は透明ガラス球上の灰色、それ以外の領域が黒色、灰色又は白色)である。図6は後述する実施例1の再帰性反射性材料について、前記と同様の処理を行って、輝度ゲイン値250〜255の領域とそれ以外の領域で2値化した画像(輝度ゲイン値250〜255の領域は透明ガラス球上の灰色、それ以外の領域が黒色、灰色又は白色)である。なお、前記各2値化処理によって、輝度ゲイン値0〜40、40〜200、200〜255、及び250〜255の各領域は、着色されて識別化されるが、図3〜6は白黒表示しているため、これらの領域は灰色で表示されている。
[透明性樹脂層11]
本発明の再帰性反射性材料において、透明性樹脂層11は、反射層12の入射光側に設けられている層であり、反射輝度を調整したり、出射される光の色調を変化させたりする機能を果たすと共に、着色層3を支持する機能も果たす。
透明性樹脂層11を形成する樹脂は、光透過性があることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。また、透明性樹脂層11を形成する樹脂は、透明性樹脂層11に耐久性や接着性等を付与する目的で、必要に応じて、シランカップリング剤と共重合されたものであってもよい。更に、透明性樹脂層11を形成する樹脂は、透明性樹脂層に耐熱性や耐洗濯性等を付与する目的で、必要に応じて、ポリイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系樹脂等の架橋剤によって架橋されたものであってもよい。
また、透明性樹脂層11には、再帰性反射性材料の用途や要求される機能等に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。
透明性樹脂層11の厚みについては、特に制限されないが、例えば、透明性微小球2の中心点から面方向に対して90°方向での層厚が、200〜2000nm、好ましくは300〜1000nm、更に好ましくは300〜800nmが挙げられる。
[反射層12]
本発明の再帰性反射性材料において、反射層12は、金属箔膜から形成され、透明性樹脂層11と記固着樹脂層13との間に設けられ、透明性微小球2から入射する光を回帰反射させる機能を果たす。
反射層12を形成する金属箔膜の構成金属は、透明性微小球から入射する光を回帰反射可能であることを限度として、特に制限されないが、例えば、アルミニウム、チタン、亜鉛、シリカ、錫、ニッケル、銀等が挙げられる。これらの金属の中でも、より一層優れた再帰性反射性能を備えさせるという観点から、好ましくはアルミニウムが挙げられる。
反射層12の厚みについては、特に制限されないが、例えば100〜2000Å、好ましくは600〜1000Åが挙げられる。
[固着樹脂層13]
本発明の再帰性反射性材料において、固着樹脂層13は、透明性微小球を埋設して保持する機能を果たす。
固着樹脂層13を形成する樹脂としては、透明性微小球2を埋設して保持し得ることを限度として特に制限されず、再帰性反射性材料に求められる柔軟性等を考慮して適宜設定すればよい。固着樹脂層13を形成する樹脂として、具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニールアルコール、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、優れた柔軟性を付与するという観点からは、好ましくはポリエステル系樹脂が挙げられる。
固着樹脂層13を形成する樹脂は、必要に応じて、シランカップリング剤と共重合されたものであってもよい。このようにシランカップリング剤を共重合させることによって、固着樹脂層13に耐久性や接着性等を備えさせることが可能になる。また、固着樹脂層13を形成する樹脂は、必要に応じて、ポリイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系樹脂等の架橋剤によって架橋されたものであってもよい。このように架橋剤で架橋することによって、固着樹脂層13に耐熱性や耐洗濯性等を備えさせることが可能になる。
更に、固着樹脂層13は、再帰性反射性材料の用途や要求される機能等に応じて、染料、顔料、蓄光性顔料、無機フィラー等の添加剤が含まれていてもよい。
固着樹脂層13の厚みについては、透明性微小球2を埋設して保持できることを限度として、特に制限されないが、例えば15〜300μm、好ましくは20〜200μmが挙げられる。
[透明性微小球2]
本発明の再帰性反射性材料において、透明性微小球2は、透明樹脂層11、反射層12、及び固着樹脂層13を含む積層体1に、入射光側から埋設された部材である。透明性微小球2は、入射光と、前記反射層で回帰反射された出射光を透過させる機能を果たす。
透明性微小球2は、屈折率が1.6〜2.5のものを使用する。このような屈折率を有する透明性微小球2を使用することによって、反射層に焦点を合わせて優れた再帰性反射性能を備えさせることができる。より一層優れた再帰性反射性能を備えさせるという観点から、透明性微小球2の屈折率として、好ましくは1.8〜2.2、更に好ましくは1.9〜2.1が挙げられる。
透明性微小球2の露出率については、特に制限されないが、例えば、30〜70%、好ましくは30〜60%、更に好ましくは35〜45%が挙げられる。本発明において、透明性微小球2の露出率とは、透明性微小球2の直径に対する、透明微小球2が空気に露出している領域の高さの割合(%)であり、下記式に従って算出される値である。
透明性微小球の埋設率(%)=(X/R)×100
R:透明性微小球1の直径
X:着色層層3の入射光側の最上部から、透明性微小球2の入射光側の頂点部までの長さ
また、本発明において、前記露出率は、再帰性反射性材料に埋設されている透明性微小球2の30個以上について各露出率を計測し、それらの平均値として算出される値である。
また、透明性微小球2の平均粒径については、特に制限されないが、通常30〜200μm、好ましくは40〜120μm、更に好ましくは50〜100μm、特に好ましくは75〜90μmが挙げられる。本明細書において、透明性微小球2の平均粒径は、デジタルマイクロスコープを用い、倍率を500倍として透明性微小球2の最大径を透明性微小球2の30個について測定し、その平均値を算出することによって求められる値である。
また、透明性微小球2の素材については、前述する屈折率を備え得る限り、特に制限されず、ガラス製、樹脂製等のいずれであってもよいが、ガラス製の透明性微小球2は、透明性、耐薬品性、耐洗濯性、耐候性等に優れており、本発明において好適に使用される。
本発明の再帰性反射性材料において、単位面積当たりに埋設されている透明性微小球2の数については、備えさせるべき再帰性反射性能に応じて適宜設定すればよいが、例えば、再帰性反射性材料1mm2当たり、透明性微小球2が50〜5000個、好ましくは100〜250個、更に好ましくは150〜180個が挙げられる。
[着色層3]
本発明の再帰性反射性材料において、着色層3は、透明性樹脂層11の入射光側且つ透明性微小球2と接していない表面領域の全体に設けられ、透明性微小球2と透明性樹脂層11との間には存在しない層である。着色層3は、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差が前述する範囲を具備することにより、蛍光灯下又は太陽光下で、マット調の色調を呈すると共に、反射層12の光の乱反射に起因するギラツキが透明性微小球2を介して視認されるのを抑制し、見る角度によって色調変化(ギラツキの有無の変化)が生じるのを抑制する機能を果たす。
着色層3が呈する色については、特に制限されず、黒色、白色、赤色、青色、黄色、紫糸等のいずれであってもよいが、好ましくは黒色である。また、着色層3は、一色のみであってもよいが、二色以上が組み合わされて模様や図柄等が形成されていてもよい。
着色層3は、少なくとも、着色剤及びバインダーを含む。
着色層3に使用される着色剤としては、顔料又は染料のいずれであってもよいが、好ましくは顔料が挙げられる。
また、顔料は、無機顔料又は有機顔料のいずれであってもよい。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック等の黒色顔料;亜鉛華、鉛白、二酸化チタン等の白色顔料;鉛丹、酸化鉄赤等の赤色顔料;黄鉛、亜鉛黄等の黄色顔料;フェロシアン化鉄カリ、ウルトラマリン青等の青色顔料等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アントラキノン、ペリレン、ペリノン、インジゴイド等の赤色顔料;フタロシアニン、アントラキノン、インジゴイド等の青色顔料;フタロシアニン、アゾメチン、ペリレン等の緑色顔料; ジオキサジン、キナクリドン、ペリレン、インジゴイド、アントラキノン(アントロン)、キサンテン等の紫色顔料等が挙げられる。これらの顔料の中でも、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差を前述する範囲内で好適に具備させるという観点から、好ましくは、無機顔料、更に好ましくは黒色顔料、特に好ましくはカーボンブラックが挙げられる。
着色層3に使用される顔料の粒子径は、ミクロンサイズであればよいが、例えば、平均粒子径として、1〜2μm、好ましくは0.5〜1μm、更に好ましくは0.1〜0.5μmが挙げられる。本発明において、顔料の平均粒子径は、レーザー回析/散乱法によって測定されるメジアン径(D50)の値である。
着色層3における着色剤の含有量としては、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差を前述する範囲内で好適に具備させるという観点から、好ましくは16〜25質量%、更に好ましくは17〜25質量%、特に好ましくは18〜24質量%が挙げられる。
なお、着色層3における着色剤の含有量は、着色層3を2回のグラビア印刷によって形成する場合には、1回目のグラビア印刷によって形成された着色層と2回目のグラビア印刷によって形成された着色層を合わせて、これらの双方の層を100質量%として、これらの双方の層に含まれる着色剤の総量の割合である。また、後述する着色層3中の他の成分の含有量も同様である。
着色層3に使用されるバインダーについては、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差を前述する範囲内で好適に具備させるという観点から、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン−アクリル共重合体 、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が好ましく挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせてして使用してもよい。
これらのバインダーの中でも、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差を前述する範囲内で好適に具備させるという観点から、より好ましくは、ウレタン樹脂とアクリルポリオール樹脂の組み合わせが挙げられる。ウレタン樹脂とアクリルポリオール樹脂を組み合わせて使用する場合、これらの比率については、特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂100質量部当たり、アクリルポリオール樹脂が10〜300質量部、好ましくは20〜150質量部、更に好ましくは40〜70質量部が挙げられる。
着色層3におけるバインダーの含有量としては、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差を前述する範囲内で好適に具備させるという観点から、好ましくは30〜80質量%、更に好ましくは45〜70質量%、特に好ましくは55〜65質量%が挙げられる。
また、着色層3には、ポリイソシアネート系架橋剤によって架橋されていることが望ましい。ポリイソシアネート系架橋剤としては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)系、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系、イソホロンジイソシアネート(IPDI)系、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系架橋剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系架橋剤が挙げられる。
着色層3におけるポリイソシアネート系架橋の含有量としては、例えば、1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%、更に好ましくは10〜15質量%が挙げられる。
また、着色層3には、シリカが含まれていてもよい。シリカの粒子径は、ナノサイズであればよいが、例えば、平均粒子径として、1〜30nm、好ましくは3〜20nm、更に好ましくは5〜10nmが挙げられる。本発明において、シリカの平均粒子径は、透過型電子顕微鏡によって測定される値である。
着色層3にシリカを含有させる場合、その含有量としては、例えば、1〜15質量%、好ましくは2〜10質量%、更に好ましくは4〜6質量%が挙げられる。
本発明の再帰性反射性材料における着色層3の積層量としては、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差を前述する範囲にできることを限度として、特に制限されないが、例えば、0.6〜5.0g/m2、好ましくは1.5〜3.5g/m2、更に好ましくは1.0〜2.5g/m2、特に好ましくは2.0〜2.5g/m2が挙げられる。
着色層3は、後述する特定のグラビア印刷方法によって形成することにより、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差を前述する範囲にすることができる。
[支持体]
本発明の再帰性反射性材料では、支持体は、必要に応じて設けられる部材であり、固着樹脂層13を保持する基材としての機能を果たす。支持体は、例えば流通段階では設けられていなくてよい。また、支持体は、固着樹脂層13に対して直接積層されていてもよいが、接着剤で形成される接着層を介して固着樹脂層13と積層されていてもよい。
支持体を構成する素材としては、再帰性反射性材料の用途、要求される強度や柔軟性等を踏まえて適宜設定すればよい。支持体の素材としては、具体的には、パルプ等の天然繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル等の樹脂;金属等が挙げられる。また、支持体の形状についても、特に制限されないが、例えば、織編物、不織布、フィルム、紙等のシート状;糸状;紐状等が挙げられる。好ましくは織編物、不織布、フィルム、紙等のシート状である。
[再帰性反射性能]
本発明の再帰性反射性材料は、優れた再帰性反射性能を備えている。本発明の再帰性反射性テープが備える再帰性反射性能としては、具体的には、光源からの光の入射角が5°、観測角が0.2°の場合の再帰反射性能が200cd/lx/m2以上、好ましくは200〜650cd/lx/m2、更に好ましくは350〜450cd/lx/m2が挙げられる。本明細書において、光源からの光の入射角が5°、観測角が0.2°の場合の再帰性反射性能(cd/lx/m2)とは、JISZ9117(2010)に記載の方法に準じ、入射角が5°、観測角0.2°の条件で測定される値である。
[用途]
本発明の再帰性反射性材料は、安全衣料、アパレル、バッグ、スーツケース、シューズ、道路標示、回帰反射型の光電センサー、タッチパネル(例えば、赤外線再帰反射検出方式のタッチパネル)等の様々な用途に使用することができる。特に、本発明の再帰性反射性材料は、蛍光灯下又は太陽光下では、マット調でギラツキがない色調を呈し、見る角度による色調変化が抑制されており、優れた意匠性を示すので、安全衣料、アパレル、バッグ、スーツケース、シューズ、とりわけ安全衣料、アパレルの用途の好適に使用される。
[製造方法]
本発明の再帰性反射性材料の製造方法は、前述する構成及び特性を備えさせ得ることを限度として、特に制限されないが、好適な一例として、下記工程1〜7を含む方法が挙げられる。
工程1:基材フィルム上に熱可塑性フィルムを積層させた離型用支持体を、当該熱可塑性フィルムの軟化点以上の温度で加熱して当該熱可塑性フィルムを軟化させる工程、
工程2:前記工程1の前、同時又は後に、離型用支持体の熱可塑性フィルムに透明性微小球2を散布し、透明性微小球2が軟化した熱可塑性フィルムに所定の割合で埋没した時点で冷却して前記熱可塑性フィルムを硬化させ、透明性微小球2が埋設した離型用支持体を得る工程、
工程3:透明性微小球2を埋設した離型用支持体の透明性微小球2側に、透明性樹脂層11を形成する樹脂を塗布し、透明性樹脂層11を形成する工程、
工程4:透明性樹脂層11上に、反射層12を積層させる工程、
工程5:反射層12上に、固着樹脂層13を形成する樹脂を塗布し、固着樹脂層13を積層させる工程、及び
工程6:離型用支持体を剥離した後に、透明性微小球2側に、着色層3を形成するグラビア印刷用インキ組成物を用いてグラビア印刷を2回行い、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差が前述する範囲を具備する着色層3を形成する工程、
工程7:前記工程6の前又は後に、必要に応じて、固着樹脂層1と支持体6を接着させる工程。
<工程1>
工程1では、基材フィルム上に熱可塑性フィルムを積層させた離型用支持体を、当該熱可塑性フィルムの軟化点以上の温度で加熱して当該熱可塑性フィルムを軟化させる。
工程1において使用される離型用支持体の基材フィルムとしては、熱可塑性フィルムの軟化温度で安定に形状を保持できることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムが挙げられる。また、工程1において使用される離型用支持体の熱可塑性フィルムとしては、低温で軟化する樹脂フィルムが好ましく、このような樹脂フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂フィルムが挙げられる。また、工程1において使用される離型用支持体の熱可塑性フィルムの厚みは、透明性微小球1の平均粒径に応じて設定すればよい。
<工程2>
工程2では、前記工程1の前、同時又は後に、離型用支持体の熱可塑性フィルムに透明性微小球2を散布し、透明性微小球2が軟化した熱可塑性フィルムに所定の割合で埋没した時点で冷却して前記熱可塑性フィルムを硬化させ、透明性微小球2が埋設した離型用支持体を得る。
工程2において、透明性微小球2の熱可塑性フィルムへの埋没は、軟化した状態の熱可塑性フィルム上に置かれた透明性微小球2が重力沈降することによって行われる。従って、工程2では、前記工程1において透明性微小球2の大きさ、密度、熱可塑性フィルムの密度、厚み等を考慮した上で、熱可塑性フィルムの軟化の程度を、軟化させる加熱温度や時間を適宜調整することによって、透明性微小球2の固着樹脂層13側への埋設率をコントロールできる。
<工程3>
工程3では、透明性微小球2を埋設した離型用支持体の透明性微小球2側に、透明性樹脂層11を形成する樹脂を塗布し、透明性樹脂層11を形成する。工程3は、前記工程2後、冷却又は放冷によって、熱可塑性フィルムを硬化した状態に戻した後に実施される。工程3は、透明性樹脂層5を形成する樹脂の透明性微小球側への塗布は、公知の樹脂コート手法によって行えばよい。
<工程4>
工程4では、透明性樹脂層11上に、反射層12を積層させる。工程4における反射層3の形成は、蒸着、スパッタリング、化学気層蒸着法、メッキ等の公知の金属膜形成手法によって行えばよい。反射層3の形成手法として、好ましくは、蒸着が挙げられる。
<工程5>
工程5では、反射層12上に、固着樹脂層13を形成する樹脂を塗布し、固着樹脂層13を積層させる。工程5において、固着樹脂層13を形成する樹脂の反射層3上への塗布は、公知の樹脂コート手法によって行えばよい。
<工程6>
工程6では、離型用支持体を剥離した後に、透明性微小球2側に、着色層3を形成するグラビア印刷用インキ組成物を用いてグラビア印刷を2回行い、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差が前述する範囲を具備する着色層3を形成する。
工程6における着色層3の形成では、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差が前述する範囲を具備するように操作条件を設定する必要がある。工程6では、透明性微小球2側の全面に、着色層3を形成するグラビア印刷用インキ組成物を用いてグラビア印刷を行うため、透明性微小球2の表面にもグラビア印刷用インキ組成物が一時的に付着された状態になる。その際、透明性微小球2の表面に付着したグラビア印刷用インキ組成物が乾燥前に流れ落ちさせて、最終的に透明性微小球2の表面に残存せず、且つ流れ落ちたグラビア印刷用インキ組成物が透明性微小球2の周縁領域に局在化させることにより、透明性微小球2の周縁領域で着色剤の量が高くなり、デジタルマイクロスコープで観察される濃淡の差が前述する範囲を具備させることが可能になる。このような濃淡の差を作り出すには、工程6における2回のグラビア印刷の条件は、以下のように設定することが重要になる。
・1回目のグラビア印刷の条件
1回目のグラビア印刷で使用するグラビア印刷用インキ組成物の組成は、好ましくは、着色剤を1〜8質量%、バインダーを5〜20質量%、溶剤を残部;更に好ましくは、着色剤を2〜7質量%、バインダーを7〜15質量%、溶剤を残部;特に好ましくは、着色剤を3〜6質量%、バインダーを10〜12質量%、溶剤を残部に設定することが好ましい。
また、着色層3にポリイソシアネート系架橋剤を含有させる場合には、1回目のグラビア印刷で使用するグラビア印刷用インキ組成物に、ポリイソシアネート系架橋剤を好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜6質量%、特に更に好ましくは3〜5質量%含有させればよい。
また、着色層3にシリカを含有させる場合には、1回目のグラビア印刷で使用するグラビア印刷用インキ組成物に、シリカを好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.3〜3質量%、特に更に好ましくは0.5〜1.5質量%含有させればよい。
1回目のグラビア印刷で使用するグラビア印刷用インキ組成物において、溶剤は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、及び酢酸エチルの混合溶剤であることが好ましい。また、当該混合溶剤には、更に、メトキシプロパノールプロピレングリコールモノメチルエーテル、及び/又は酢酸ブチルが含まれていてもよい。当該混合溶剤として、より具体的には、メチルエチルケトン100質量部当たり、メチルイソブチルケトンが30〜75質量部、好ましくは40〜50質量部;イソプロピルアルコールが20〜50質量部、好ましくは25〜40質量部;メトキシプロパノールプロピレングリコールモノメチルエーテルが0〜20質量部、好ましくは3〜10質量部;酢酸エチルが3〜60質量部、好ましくは45〜55質量部;且つ酢酸ブチルが0〜30質量部、好ましくは10〜20質量部である混合溶剤が挙げられる。
1回目のグラビア印刷で使用するグラビア印刷用インキ組成物の粘性としては、25℃で、ザーンカップNo.3を用いたザーンカップ法で測定される流下時間が12〜18秒、好ましくは14〜16秒であることが望ましい。
1回目のグラビア印刷に使用されるグラビア版としては、版深度が55〜65μm、好ましくは56〜60μm;線数が30〜45L/cm、好ましくは37〜42L/cm;2つの隣接セルの中心間を結ぶ直線の交わる角度が30〜60°、好ましくは40〜50°であることが挙げられる。また、1回目のグラビア印刷に使用されるグラビア版は、ピラミッド型のセル形状のものを使用することが好ましい。
1回目のグラビア印刷は、印刷速度を10〜80m/分、好ましくは40〜55m/分を設定すればよい。
1回目のグラビア印刷では、乾燥後の固形分質量が0.3〜2.5g/m2、好ましくは0.5〜1.5g/m2となるように、グラビア印刷用インキ組成物の印刷量を調製すればよい。
1回目のグラビア印刷における乾燥条件としては、20〜80℃、好ましくは25〜50℃の温度条件で、2〜600秒、好ましくは5〜180秒が挙げられる。
・2回目のグラビア印刷の条件
2回目のグラビア印刷で使用するグラビア印刷用インキ組成物の組成は、好ましくは、着色剤を1〜7質量%、バインダーを5〜20質量%、溶剤を残部;更に好ましくは、着色剤を2〜6質量%、バインダーを7〜15質量%、溶剤を残部;特に好ましくは、着色剤を3〜4質量%、バインダーを10〜12質量%、溶剤を残部に設定することが好ましい。
また、着色層3にポリイソシアネート系架橋剤を含有させる場合には、2回目のグラビア印刷で使用するグラビア印刷用インキ組成物に、ポリイソシアネート系架橋剤を好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%、特に更に好ましくは2〜3質量%含有させればよい。
また、着色層3にシリカを含有させる場合には、2回目のグラビア印刷で使用するグラビア印刷用インキ組成物に、シリカを好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.3〜3質量%、特に更に好ましくは0.5〜1.5質量%含有させればよい。
2回目のグラビア印刷で使用するグラビア印刷用インキ組成物において、溶剤は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、及び酢酸エチルの混合溶剤であることが好ましい。また、当該混合溶剤には、更に、メトキシプロパノールプロピレングリコールモノメチルエーテル、及び/又は酢酸ブチルが含まれていてもよい。当該混合溶剤として、より具体的には、メチルエチルケトン100質量部当たり、メチルイソブチルケトンが30〜75質量部、好ましくは35〜45質量部;イソプロピルアルコールが20〜50質量部、好ましくは25〜35質量部;メトキシプロパノールプロピレングリコールモノメチルエーテルが0〜20質量部、好ましくは5〜15質量部;酢酸エチルが3〜60質量部、好ましくは45〜55質量部;且つ酢酸ブチルが0〜30質量部、好ましくは10〜20質量部である混合溶剤が挙げられる。
2回目のグラビア印刷で使用するグラビア印刷用インキ組成物の粘性としては、25℃で、ザーンカップNo.3を用いたザーンカップ法で測定される流下時間が12〜18秒、好ましくは14〜16秒であることが望ましい。
2回目のグラビア印刷に使用されるグラビア版としては、版深度が45〜55μm、好ましくは50〜54μm;線数が55〜80L/cm、好ましくは50〜54L/cm;2つの隣接セルの中心間を結ぶ直線の交わる角度が30〜60°、好ましくは40〜50°であることが挙げられる。また、2回目のグラビア印刷に使用されるグラビア版は、ピラミッド型のセル形状のものを使用することが好ましい。
2回目のグラビア印刷は、印刷速度を10〜80m/分、好ましくは40〜55m/分を設定すればよい。
2回目のグラビア印刷では、乾燥後の固形分質量が0.3〜2.5g/m2、好ましくは1.0〜2.0g/m2となるように、グラビア印刷用インキ組成物の印刷量を調製すればよい。
2回目のグラビア印刷における乾燥条件としては、20〜80℃、好ましくは25〜50℃の温度条件で、2〜600秒、好ましくは5〜180秒が挙げられる。
<工程7>
工程7では、前記工程6の前又は後に、必要に応じて、固着樹脂層1と支持体を接着させる。工程7は、支持体を設ける場合に、必要に応じて行われる工程である。前記第7工程において、固着樹脂層13と支持体の接着方法については、特に制限されず、例えば、公知の熱プレス法、ラミネート法等によって行うことができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
1.測定方法
1−1.透明性微小球の平均粒径
再帰性反射性材料から透明性微小球を採取し、マイクロスコープ(VHX−900F、レンズVH−Z100、株式会社キーエンス社製)を用い、倍率を500倍として透明性微小球の最大径を透明性微小球の30個について測定し、その平均値を算出することによって求めた。
1−2.透明ガラス球の露出率
再帰性反射性材料に埋設されている透明ガラス球30個以上について各露出率を計測し、それらの平均値として算出した。
1−3.再帰性反射性能(cd/lx/m 2
再帰性反射性材料について、JIS Z 9117(2010)「再帰性反射材」に準じ、各再帰性反射材を20cm×20cmにカットしたものをサンプルとし、CIE(国際照明委員会)が規定するA光源を用い、測色計(トプコン社製BM−5AS)を用いて入射角が5°、観測角0.2°の条件で反射輝度(cd/lx/m2)を測定した。
1−4.L*(明度)
再帰性反射性材料を15cm角にカットしたものをサンプルとし、分光測色計(カラーメーター分光測色計SC−P45、スガ試験機株式会社製)を用いて、装置付属のハロゲンランプ12V 50W D65光源とし、測定孔径を30mmに設定して、装置マニュアルに従って、透明ガラス球の露出面側のL*を測定した。
1−5.洗濯後の再帰性反射性能及びL*
再帰性反射性材料を、50mm×250mmにカットし、カットした再帰性反射性材料をISO6330対応負荷布(50mm×250mm)にホットメルト接着剤を用いて貼付け、ISO6330−6N法(洗濯温度60℃)に規定される条件に従って洗濯を50回繰り返した。50回洗濯後に、前記方法で再帰性反射性能及びL*を測定した。なお、洗濯後の再帰性反射性能及びL*の測定は、実施例1及び2の再帰性反射性材料に対してのみ行った。
1−6.輝度レンジ0−40の面積率(A 0-40 )、輝度レンジ40−200の面積率(A 40-200 )、輝度レンジ200−255の面積率(A 200-255 )及び輝度レンジ250−255の面積率(A 250-255
先ず、再帰性反射性材料を入射光側からデジタルマイクロスコープ(VHX−900F、レンズVH−Z100;株式会社キーエンス製)で300倍で撮影(明るさ:照明ダイアル短針9時半の方向、照明方式:同軸落射、シャッタースピード70)し、画像を取得した。
前記で得られた画像を、画像解析・計測ソフトウェアWinROOF Ver7.0.0(三谷商事株式会社製)に取り込み、透明ガラス球の数が50個以上となるように50個以上となるように四角形で測定範囲を指定して、モノクロ画像化した。
次いで、前記で得られたモノクロ画像に対して、しきい値を輝度範囲の下限を0、上限を40に設定して2値化処理し、測定範囲全体に対して、輝度ゲイン値が0〜40の領域が占める面積率(A0-40)を算出した。また、前記で得られたモノクロ画像に対して、しきい値を輝度範囲の下限を40、上限を200に設定して2値化処理し、測定範囲全体に対して、輝度ゲイン値が40〜200の領域が占める面積率(A40-200)を算出した。更に、前記で得られたモノクロ画像に対して、しきい値を輝度範囲の下限を200、上限を255に設定して2値化処理し、測定範囲全体に対して、輝度ゲイン値が200〜255の領域が占める面積率(A200-255)を算出した。また、前記で得られたモノクロ画像に対して、しきい値を輝度範囲の下限を250、上限を255に設定して2値化処理し、測定範囲全体に対して、輝度ゲイン値が250〜255の領域が占める面積率(A250-255)を算出した。A0-40、A40-200、A200-255、及びA250-255は、小数第二位を四捨五入して小数第一位までの数値として表した。
1−7.意匠性の評価
蛍光灯下で再帰性反射性材料を透明ガラス球の露出面側から、目視にて再帰性反射性材料の面方向に対して90°の角度(正面視)及び再帰性反射性材料の面方向に対して45°の角度(斜視)にて観察し、以下の判定基準に従って、色調を評価した。
(判定基準)
A:ギラツキが全くなく、格段に優れたマット調の意匠性が認められる。
B:ギラツキが殆どなく、優れたマット調の意匠性が認められる。
C:ギラツキがやや認めら、マット調の意匠性は十分に表現されていない。
D:ギラツキがあり、マット調の意匠性は殆ど認められない。
E:強いギラツキがあり、マット調の意匠性は全くない。
2.表面に着色層が形成されている再帰性反射性材料の製造
2−1.オープンタイプの再帰性反射材料中間体の準備
離型用支持体として、厚さ75μmのポリエステルフィルムにラミネートされた厚さ28μmのポリエチレンフィルムを使用し、これを200℃で2分間加熱して、ポリエチレンフィルムを溶融させた。この状態で、透明微小球として、平均粒径70μm、屈折率1.93の透明ガラス球を180個/mm2となるように略一面に散布し、放冷してポリエチレンフィルムを硬化させた。次いで、表1に示す組成の透明樹脂層形成用溶液を27g/m2となるように塗布し、温度155℃、時間1.5分の条件で乾燥させ、透明樹脂層を形成した。そして、透明樹脂層の上から、蒸着法によってアルミニウムを蒸着させて、厚さ700Åの反射層を形成した。更に、反射層上に、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略することがある。)を塗布し、固着樹脂層を形成した。その後、支持体として使用するポリエステル−綿タフタ織物と固着樹脂層を130℃の熱プレスにて接着させた後に、離型用支持体を剥離した。透明樹脂層の厚み(透明性微小球2の中心点から面方向に対して90°方向での層厚)は600nm、固着樹脂層の厚みは30μmであった。
斯して、ポリエステル−綿タフタ織物(支持体)/PET(固着樹脂層)/アルミニウム膜(反射層)/透明樹脂層/透明ガラス球が順に積層した再帰性反射性材料中間体を得た。
Figure 0006892655
2−2.グラビア印刷用インキ組成物の準備
表2に示す組成のグラビア印刷用インキ組成物1〜8を調製した。
Figure 0006892655
2−3.グラビア版の準備
表3に示すグラビア版A〜Dを準備した。グラビア版A〜Dは、いずれも、ダイアモンド製彫刻針(スタイラス角;125°)を用いたヘリオ彫刻機で製版されたものであり、セル形状はピラミッド型である。
Figure 0006892655
2−4.コンマーコーター用インキ組成物の準備
表4に示す組成のコンマーコーター用インキ組成物Iを調製した。
Figure 0006892655
2−5.再帰性反射性材料の製造
<実施例1>
前記再帰性反射性材料中間体の透明ガラス球側の全面にグラビア印刷(ベタ印刷)を2回行い、表面に着色層が形成されている再帰性反射性材料を得た。
1回目のグラビア印刷は、グラビア版Aとグラビア印刷用インキ組成物1を用いて、印刷速度50m/分(30℃で約7秒間乾燥)で、乾燥後の塗布量が約0.9g/m2となる条件で行い、その後、2回目の印刷を行った。
2回目のグラビア印刷は、グラビア版Dとグラビア印刷用インキ組成物3を用いて、印刷速度50m/分(30℃で約7秒間乾燥)で、乾燥後の塗布量が約1.5g/m2となる条件で行い、その後、約40℃で48時間保管した。
得られた再帰性反射性材料の透明ガラス球の露出率を測定したところ、約40%であった。
<実施例2>
1回目のグラビア印刷においてグラビア印刷用インキ組成物2を使用したこと以外は、実施例1と同様の条件で、再帰性反射性材料を製造した。得られた再帰性反射性材料の透明ガラス球の露出率を測定したところ、約40%であった。
<実施例3>
1回目のグラビア印刷においてグラビア印刷用インキ組成物3を使用したこと以外は、実施例1と同様の条件で、再帰性反射性材料を製造した。得られた再帰性反射性材料の透明ガラス球の露出率を測定したところ、約40%であった。
<比較例1>
前記再帰性反射性材料中間体の透明ガラス球側の全面にグラビア印刷(ベタ印刷)を2回行い、表面に着色層が形成されている再帰性反射性材料を得た。
1回目のグラビア印刷は、グラビア版Bとグラビア印刷用インキ組成物4を用いて、印刷速度25m/分(30℃で1分間乾燥)で、乾燥後の塗布量が約1.2g/m2となる条件で行い、その後、2回目の印刷を行った。
2回目のグラビア印刷は、グラビア版Bとグラビア印刷用インキ組成物4を用いて、印刷速度25m/分(30℃で1分間乾燥)で、乾燥後の塗布量が約1.2g/m2となる条件で行い、その後、約40℃で48時間保管した。
得られた再帰性反射性材料の透明ガラス球の露出率を測定したところ、約40%であった。
<比較例2>
前記再帰性反射性材料中間体の透明ガラス球側の全面にグラビア印刷(ベタ印刷)を2回行い、表面に着色層が形成されている再帰性反射性材料を得た。
1回目のグラビア印刷は、グラビア版Cとグラビア印刷用インキ組成物5を用いて、印刷速度50m/分(30℃で1.5分間乾燥)で、乾燥後の塗布量が約1.0g/m2となる条件で行い、その後、2回目の印刷を行った。
2回目のグラビア印刷も、1回目と同じ条件で行い、その後、約40℃で48時間保管した。
得られた再帰性反射性材料の透明ガラス球の露出率を測定したところ、約40%であった。
<比較例3>
前記再帰性反射性材料中間体の透明ガラス球側の全面にグラビア印刷(ベタ印刷)を2回行い、表面に着色層が形成されている再帰性反射性材料を得た。
1回目のグラビア印刷は、グラビア版Dとグラビア印刷用インキ組成物6を用いて、印刷速度50m/分(30℃で7秒間乾燥)で、乾燥後の塗布量が約1.5g/m2となる条件で行い、その後、2回目の印刷を行った。
2回目のグラビア印刷は、グラビア版Aとグラビア印刷用インキ組成物6を用いて、印刷速度50m/分(30℃で7秒間乾燥)で、乾燥後の塗布量が約1.3g/m2となる条件で行い、その後、約40℃で48時間保管した。
得られた再帰性反射性材料の透明ガラス球の露出率を測定したところ、約40%であった。
<比較例4>
前記再帰性反射性材料中間体の透明ガラス球側の全面にグラビア印刷(ベタ印刷)を1回行い、表面に着色層が形成されている再帰性反射性材料を得た。グラビア印刷は、グラビア版Aとグラビア印刷用インキ組成物7を用いて、印刷速度25m/分(30℃で1分間乾燥)で、乾燥後の塗布量が約1.5g/m2となる条件で行い、その後、約40℃で48時間保管した。
得られた再帰性反射性材料の透明ガラス球の露出率を測定したところ、約40%であった。
<比較例5>
前記再帰性反射性材料中間体の透明ガラス球側の全面にグラビア印刷(ベタ印刷)を1回行い、表面に着色層が形成されている再帰性反射性材料を得た。グラビア印刷は、グラビア版Bとグラビア印刷用インキ組成物8を用いて、印刷速度25m/分(30℃で1分間乾燥)で、乾燥後の塗布量が約1.1g/m2となる条件で行い、その後、約40℃で48時間保管した。
得られた再帰性反射性材料の透明ガラス球の露出率を測定したところ、約40%であった。
<比較例6>
前記再帰性反射性材料中間体の透明ガラス球側の全面に、コンマコーター(クリアランス200μm)を用いて、コンマーコーター用インキ組成物Iを乾燥後の塗布量が6.0g/m2となる条件でコートした後に、125℃で240秒間乾燥した。
得られた再帰性反射性材料の透明ガラス球の露出率を測定したところ、約40%であった。
3.透明樹脂層と反射層の間に着色層が形成されている再帰性反射性材料の製造
3−1.コンマーコーター用インキ組成物の準備
表5に示す組成のコンマーコーター用インキ組成物IIを調製した。
Figure 0006892655
3−2.再帰性反射性材料の製造
<比較例7>
離型用支持体として、厚さ75μmのポリエステルフィルムにラミネートされた厚さ28μmのポリエチレンフィルムを使用し、これを200℃で2分間加熱して、ポリエチレンフィルムを溶融させた。この状態で、透明微小球として、平均粒径70μm、屈折率1.93の透明ガラス球を180個/mm2となるように略一面に散布し、放冷してポリエチレンフィルムを硬化させた。次いで、前記表1に示す透明樹脂層形成用溶液を27g/m2となるように塗布し、温度155℃、時間1.5分の条件で乾燥させ、透明樹脂層を形成した。
次いで、透明樹脂層の上に、コンマーコーター(クリアランス340μm)を用いて、コンマーコーター用インキ組成物IIを乾燥後の塗布量が14.3g/m2となる条件でコートした後に、115℃で250秒間乾燥し、着色層を形成した。その後、着色層の上に、蒸着法によってアルミニウムを蒸着させて、厚さ700Åの反射層を形成した。更に、反射層上に、PET)を塗布し、固着樹脂層を形成した。その後、支持体として使用するポリエステル−綿タフタ織物と固着樹脂層を130℃の熱プレスにて接着させた後に、離型用支持体を剥離した。
斯して、ポリエステル−綿タフタ織物(支持体)/PET(固着樹脂層)/アルミニウム膜(反射層)/着色層/透明樹脂層/透明ガラス球が順に積層した再帰性反射性材料を得た。得られた再帰性反射性材料の透明ガラス球の露出率を測定したところ、約40%であった。
3.結果
各再帰性反射性材料における着色層の組成を表6に示す。また、評価結果を表7に示す。実施例1〜3の再帰性反射性材料は、デジタルマイクロスコープで観察すると、着色層が、透明ガラス球の周縁では濃く、透明ガラス球から離れるに従い淡く着色されており、着色層の濃淡があることが確認された。また、実施例1〜3の再帰性反射性材料は、デジタルマイクロスコープで観察すると、透明ガラス球の表面には着色層の形成は認められなかった。当該観察結果と対応するように、実施例1〜3の再帰性反射性材料は、輝度ゲイン値が0〜40%の領域(色が濃い領域)が、透明ガラス球の周縁に存在しており、A0-40は42〜50%を占めていた。また、実施例1〜3の再帰性反射性材料では、輝度ゲイン値が40〜200%の領域(色が薄い領域)が、透明ガラス球の周縁から離れた部位に存在しており、A40-200は18〜30%であった。更に、A200-255は22〜35%であり、透明ガラス球の露出している領域は十分な再帰性反射が可能となるように確保できていた。
また、実施例1〜3の再帰性反射性材料では、正面視及び斜視のいずれの場合でも、意匠性に変化はなく、ギラツキがなくマット調がある優れた着色が認められた。これは、透明ガラス球の周縁に色が濃い領域の着色層が存在することにより、見る角度にかかわらず、光の乱反射が抑制されていることに起因すると推測される。
更に、実施例1〜3の再帰性反射性材料では、輝度が高く、再帰性反射性能の点でも優れていた。また、実施例1及び2の再帰性反射性材料では、洗濯を繰り返しても、再帰性反射性能及び明度を安定に維持できていた。
参考のため、実施例1の再帰性反射性材料について、デジタルマイクロスコープで観察した画像を図2、輝度ゲイン値0〜40の領域とそれ以外の領域で2値化した画像を図3、輝度ゲイン値40〜200の領域とそれ以外の領域で2値化した画像を図4、及び輝度ゲイン値200〜255の領域とそれ以外の領域で2値化した画像を図5に示す。
一方、比較例1〜5の再帰性反射性材料では、デジタルマイクロスコープで観察すると、着色層に濃淡がない、濃淡が僅かにしか存在していない、透明ガラス球上にグラビア印刷で塗布したインキが残存している、等の理由から、明度、再帰性反射性能、ギラツキがなくマット調のある意匠性の全てを満足できるものではなかった。
また、比較例6の再帰性反射性材料は、着色層をコンマーコーターにより表面に形成しているため、コンマーコーターで塗布したインキが透明ガラス球上に付着していたため、輝度が著しく低くなっており、更にギラツキがなくマット調のある意匠性の点でも不十分であった。
更に、比較例7の再帰性反射性材料は、着色層が反射層と透明樹脂層の間に設けられているため、反射層と接している着色層により再帰性反射性能が減弱されており、更に、更にギラツキがなくマット調のある意匠性の点でも不十分であった。
Figure 0006892655
Figure 0006892655
1 積層体
11 透明樹脂層
12 反射層
13 固着樹脂層
2 透明性微小球
3 着色層

Claims (4)

  1. 入射光側から、透明性樹脂層と、反射層と、固着樹脂層とをこの順に有する積層体と、
    前記積層体に埋設され、一部が入射光側に露出している透明性微小球と、
    前記透明性樹脂層の入射光側且つ透明性微小球と接していない表面領域に設けられた着色層と、を有し、
    前記反射層が、アルミニウム蒸着膜からなり、
    前記透明性微小球が、屈折率1.6〜2.5であり、且つ露出率が30〜70%となる状態で空気中に露出しており、
    前記着色層は、前記透明性微小球と前記透明性樹脂層との間には存在しておらず、
    JISZ9117(2010)に記載の方法に準じ、入射角5°、観測角0.2°の条件で測定される輝度が、200cd/lx/m 2 以上であり、
    下記測定方法により求められる輝度ゲイン値0〜40の領域の面積率(A0-40)が、42〜50%、輝度ゲイン値40〜200の領域の面積率(A40-200)が18〜30%、且つ輝度ゲイン値200〜255の領域の面積率(A200-255)が22〜35%である、再帰性反射性材料。

    <A0-40、A40-200及びA200-255の測定方法>
    (1)再帰性反射性材料を入射光側からデジタルマイクロスコープで300倍で撮影した画像を得る。
    (2)前記(1)で得られた画像を、2値化処理が可能且つ2値化された領域の面積測定が可能な画像解析・計測ソフトウェアに取り込み、透明性微小球の数が50個以上となる測定範囲を指定して、モノクロ画像化する。
    (3)前記(2)で得られたモノクロ画像について、輝度ゲイン値0〜40の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理し、輝度ゲイン値0〜40の領域が占める面積率(%)をA0-40として算出する。
    前記(2)で得られたモノクロ画像について、輝度ゲイン値40〜200の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理し、輝度ゲイン値40〜200の領域が占める面積率(%)をA40-200として算出する。
    前記(2)で得られたモノクロ画像について、輝度ゲイン値200〜255の領域とそれ以外の領域に2値化処理し、輝度ゲイン値200〜255の領域が占める面積率(%)をA200-255として算出する。
  2. 輝度ゲイン値0〜40の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理した画像において、輝度ゲイン値0〜40の領域が前記透明性微小球の周縁領域に存在し、且つ
    輝度ゲイン値40〜200の領域とそれ以外の領域に分ける2値化処理した画像において、輝度ゲイン値40〜200の領域が、透明性微小球の周縁以外の領域に存在する、請求項1に記載の再帰性反射性材料。
  3. 前記着色層が黒色を呈する、請求項1又は2に記載の再帰性反射性材料。
  4. 前記着色層がカーボンブラックを含む、請求項3に記載の再帰性反射性材料。

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