JP2016028293A - 露出レンズ型再帰反射性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な露出レンズ型再帰反射性物品を提供する。【解決手段】露出レンズ型再帰反射性物品11は、結合層14と、結合層14中に部分的に包埋された、間隔をおいて配置された光学要素12の層と、間隔をおいて配置された光学要素12の間に配置された、貫通された着色層18と、光学要素12の層及び貫通された着色層18の機能的に後方に配置された反射層16と、を有する。【選択図】図1C

Description

本開示は、レンズとレンズの後方の反射層との間に着色層を有する露出レンズ型再帰反射性物品に関する。
自動車の交通の近くで作業又は運動を行う者は、通過する自動車に対してその人の存在を強調する衣類を着用することによってその安全を図ることができる。道路作業員及び歩行者の安全を促進するため、衣類製造業者は、着用者をより目立たせる明るい色の衣類を一般的に製造している。製造業者はまた、着用者の被視認性を高めるためにこうした衣類の外表面に再帰反射性物品を取り付けることを通常行っている。再帰反射性物品は、入射光を光源方向に反射する受動的装置である。こうした物品は、自動車のヘッドライトの光を自動車の運転者に逆向きに反射することによって、夜間に人の存在を運転者に対して強調する。再帰反射性物品によって表示される明るい像は、人の存在に対して反応するためのより多くの時間を運転者に最終的に与えるものである。
当初、再帰反射性材料は一般的にすべて銀色であった。銀色以外の色の再帰反射性物品に対するニーズが高まるにつれて、物品の再帰反射性は軽視されるようになっている。したがって、高い再帰反射性を有する着色された再帰反射性物品が必要とされている。
本明細書では、結合層と、結合層中に部分的に包埋された、間隔をおいて配置された光学要素の層と、間隔をおいて配置された光学要素の間に配置された、貫通された着色層と、光学要素の層及び貫通された着色層の機能的に後方に配置された反射層と、を有する露出レンズ型再帰反射性物品を開示する。
更に、結合層と、結合層中に部分的に包埋された、間隔をおいて配置された光学要素の層と、間隔をおいて配置された光学要素の間に配置された、貫通された着色層と、光学要素の層及び貫通された着色層の機能的に後方に配置された反射層とを有する露出レンズ型再帰反射性物品と、光学要素の層が部分的に包埋された支持体ウェブの層と、を有する転写物品を開示する。
本明細書では、結合層と、結合層中に部分的に包埋された、間隔をおいて配置された光学要素の層と、間隔をおいて配置された光学要素間に配置された、ナノ顔料を含む着色層と、光学要素の層及び貫通された着色層の機能的に後方に配置された反射層と、を有する露出レンズ型再帰反射性物品を開示する。
更に、結合層と、結合層中に部分的に包埋された、間隔をおいて配置された光学要素の層と、間隔をおいて配置された光学要素間に配置された、ナノ顔料を含む着色層と、光学要素の層及び貫通された着色層の機能的に後方に配置された反射層とを有する露出レンズ型再帰反射性物品と、光学要素の層が部分的に包埋された支持体ウェブの層と、を有する転写物品を開示する。
更に、露出レンズ型再帰反射性物品を製造するための方法であって、多数の光学要素を支持体ウェブ中に部分的に包埋する工程と、約1nm〜約1000nmの平均粒径を有する顔料と、少なくとも1種類のポリマーと、低引火点溶媒とを含む色組成物を光学要素の露出面に塗布する工程と、光学要素の露出面及び塗布された色組成物に反射材料を塗布する工程と、結合剤組成物を塗布することによって結合層を形成する工程と、を含む方法を提供する。
以下の本開示の異なる実施形態の詳細な説明を添付図面と併せて考慮することで、本開示のより完全な理解が可能である。
図面の縮尺は必ずしも正確ではない。図面で用いられる同様の番号は同様の構成要素を示すものとする。しかしながら、特定の図中のある要素を示す数字の使用は、同じ数字によって示される別の図中のその要素を限定するものではないことは理解されよう。
本明細書において開示される露出レンズ型再帰反射性物品の断面図。 図1Aの露出レンズ型再帰反射性物品の平面図。 本明細書において開示される露出レンズ型再帰反射性物品の断面図。 本明細書において開示される着色層上に配置された必要に応じて設けられる透明層を有する露出レンズ型再帰反射性物品の断面図。 本明細書において開示される着色層と反射層との間に配置された必要に応じて設けられる透明層を有する露出レンズ型再帰反射性物品の断面図。 本明細書において開示される2層の必要に応じて設けられる透明層を有する露出レンズ型再帰反射性物品の断面図。 本明細書において開示される基材を有する露出レンズ型再帰反射性物品の断面図。 本明細書において開示される露出レンズ型再帰反射性物品の一部の概略立体図。 本明細書において開示される露出レンズ型再帰反射性物品を有する転写シートの断面図。 本明細書において開示される再帰反射性物品を表示する衣類を示す図。 実施例1に従って調製した光学要素の反射表面の光学顕微鏡写真。 0、5、10、及び15回の洗浄サイクル後の実施例1及び2の輝度を示すグラフ。 実施例3〜7の物品の輝度を顔料添加量の関数として示すグラフ。 実施例2、4、8及び9の色分析を示すグラフ。
以下の説明文において、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照し、幾つかの特定の実施形態を例として示す。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施されうる点は理解されるはずである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
本明細書で使用するすべての科学用語及び専門用語は、特に断らないかぎり、当該技術分野において一般的に使用される意味を有する。本明細書において与えられる用語の定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を促すためのものであって、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
他に断らないかぎり、本明細書及び「特許請求の範囲」において使用される形成部のサイズ、量、物理特性を表わす数字はすべて、いずれの場合においても「約」なる語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、そうでないことが示されないかぎり、上記の明細書及び添付の「特許請求の範囲」において示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を利用して得ようとする所望の特性に応じて異なりうる近似的な値である。
端点による数値範囲の記載は、その範囲内(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)及びその範囲内の任意の範囲に含まれるすべての数を含む。
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用するところの単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容によって明らかに示されないかぎりは複数の指示物を有する実施形態を包含する。本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用するところの「又は」なる用語は、その内容によって明らかに示されないかぎり、「及び/又は」を含む意味で一般的に用いられる。
本明細書においては再帰反射性物品を開示する。開示される再帰反射性物品の実施形態は、着色されているにも関わらず高い反射率を有することから多くの利点を供しうるものである。開示される再帰反射性物品は、部分的に包埋された光学要素と、部分的に包埋された光学要素間に配置される貫通着色層との組み合わせによってこのような利点を供しうるものである。開示される再帰反射性物品はまた、例えばEN471及びANSI 107のような異なる標準的な輝度試験に合格しうるものである。開示される再帰反射性物品はまた、良好な色の彩度を有しうるものである。「良好な色の彩度」とは、蒸着された金属反射層の色によってもたらされうるカラーコーティングの暗さ又は黒さの色調がより低いことを指す(Al又はAgなどの蒸着された金属反射層は灰色に見える)。開示される再帰反射性物品はまた、観測角に依存した色差がより小さい(例えば、垂直角からの差がより小さいか、又は斜視した場合の差がより小さい)。
例示的な再帰反射性物品が図1Aに概略的に示されている。図1Aに示される再帰反射性物品10は、光学要素12を有している。光学要素12は、概ね間隔をおいて配置させることができる。本明細書において使用するところの「間隔をおいて配置された」なる語句は、光学要素12が互いに接触しておらず、各光学要素12と隣の光学要素12との間に隙間又は空間が残ることを意味する。光学要素12は、結合層14中に部分的に包埋されるか又は支持されている。光学要素12は、光学要素12の層として存在するものとして述べることができる。
再帰反射性物品10は、着色層18を更に有している。着色層18は、光学要素12によって貫通されているものとして述べることができる。図1Bは、図1Aの物品の平面図を示す。図に見られるように、着色層18は光学要素12によって貫通されている。着色層18は、少なくとも間隔をおいて配置された光学要素12の間に配置されている。図1A及び1Bに見られるように、各光学要素12の一部は、着色層18を越えて延びて露出している。
再帰反射性物品10は、反射層16を更に有している。反射層16は、着色層18及び光学要素12と結合層14との間に配置される。反射層16の位置は、一方の表面において着色層18及び光学要素12と境界をなし、反対側の表面において結合層14と境界をなしているものとして述べることもできる。反射層16は、機能的に光学要素12及び貫通された着色層18の後方で、かつ機能的に結合層14の前方に配置されているものとして述べることもできる。反射層16は、物品の全体にわたって存在する必要はない。実施形態によっては、物品の1乃至複数の領域が反射層16を有さずともよい。このような実施形態は、反射性を有さない物品の領域と、反射性を有する物品の領域とを有し、反射層をパターン化することができる。物品の反射性領域及び非反射性領域を利用して、例えば必要な標示を形成することができる。
光学要素12と反射層16とは協働して、入射光の相当量を入射光源の方向に反射する。再帰反射性物品10の前面に入射した入射光Iは、順次、光学要素12を通過して反射層16によって反射され、再び光学要素12に入射し、ここで光の方向が光線Rによって示されるように光源に向かって戻る方向に変化させられる。
図1Cは、開示される物品の別の例示的な実施形態を示す。物品11は、光学要素12と反射層16との間の光学要素の表面上に存在しうる顔料クラスター52を有してもよい。顔料クラスター52は正しい縮尺では描かれておらず、顔料クラスターのサイズ又は相対分布に関して一切の仮定を設けるものではない。光学要素12上に存在しうる顔料クラスター52は、一般的に光学要素12の後面にわたって不均一に分布させることができる。実施形態によっては、すべての光学要素がその表面上に顔料クラスターを有するわけではない。実施形態によっては、少なくとも1個の光学要素がその表面上に少なくとも1個の顔料クラスターを有する。実施形態によっては、相当量の光学要素がその表面上に少なくとも1個の顔料クラスターを有する。光学要素12の後面上の顔料クラスター52は、着色層18の延長部として特徴付けることができる。このような特徴付けが用いられる場合、顔料クラスター52は着色層18の不連続な延長部として特徴付けることができる。また、顔料クラスター52は、光学要素12によって貫通される着色層18の一部として特徴付けることもできる。
光学要素12の後面上の顔料52の存在は、物品の製造のされ方に起因するものであってもよいが、必ずしもそうである必要はない。したがって、光学要素12の後面上に存在しうる顔料52の量は、異なる処理条件に基づいて制御又は調整することができる。光学要素の後面上の顔料52の存在によって、物品を(顕微鏡により)みた場合に視認される艶消し面が形成されうる。顔料52はまた、視野角に対する色の依存性を低下させうる。
開示される物品の別の実施形態が図1Dに示されている。図1Dに示される物品13は、同様の番号を付された図1A〜1Cの構成要素と同様の構成要素を有している。図1Dには示されていないが、例示的な物品13は、図1Cに示される顔料クラスター52と同様の顔料クラスターを有しうる点にも留意されたい。物品13は、必要に応じて設けられる透明層19を有している。必要に応じて設けられる透明層19(又は複数の透明層)は任意の有用な厚さを有してよい。実施形態によっては、透明層は約0.01μm〜約20μmの厚さであってよい。透明層19は、連続層であってもよく、不連続であってもよく(例えば、光学要素によって貫通されている)、又はこれらの組み合わせであってもよい。
この例示的な物品に見られるように、透明層19は着色層18上に配置されている。必要に応じて設けられる透明層19は、一般的に物品の耐久性を高めるか又は強化する機能を有する。図1Dに示される透明層19(着色層18上に配置されるか、又は図4に関しては着色層18及び光学要素12と熱軟化性ポリマー層34との間に配置される)は、着色層を形成するための色組成物が塗布される際に物品内に光学要素を維持する機能を更に有する。実施形態によっては、必要に応じて設けられる透明層19は、上記に述べたものと同様の方法を用いてコーティングすることができる(例えば、スプレーコーティング)。必要に応じて設けられる透明層19は、ポリマー材料で形成することができる。特定のポリマー材料としては、例えば着色層に使用されるものなどのポリマーが挙げられる。
図1Eは、別の例示的な物品15を示す。物品15は、図1A〜1Dに示される物品に示される構成要素と同様の構成要素を有しうる(図1Eには示されていないが、顔料クラスター52と同様の構成要素を含む)。物品15は、透明層19が着色層18上ではなく、着色層18と反射層16との間に配置されている点で物品13と異なっている。必要に応じて設けられる透明層19は、上記に述べたような機能を与えうるものであり、上記に述べたものと同じ成分で形成することができる。
図1Fは、更なる別の例示的物品17を示す。物品17は、図1A〜1Eに示される物品に示される構成要素と同様の構成要素を有しうる(図1Fには示されていないが、顔料クラスター52と同様の構成要素を含む)。物品17は、2つの透明層19a及び19bを有する点において物品13及び15と異なる。着色層18は、2つの透明層19aと19bとの間に一般的に配置される。必要に応じて設けられる透明層19a及び19bは、上記に述べたような機能を与えうるものであり、上記に述べたものと同じ成分で形成することができる。透明層19aと19bとは、同じ厚さであってもなくてもよく、同じ材料で形成されてもされずともよい。
図2は、必要に応じて基材20を有する再帰反射性物品15の別の実施形態を示す。必要に応じて設けられる基材20は、物品に高い構造的な一体性を与えることができる。使用される場合、基材20は、布地、フィルム、又はスクリムであってよい。基材が使用される場合、接着剤の層を基材20に塗布することにより、対象とする製品に物品を容易に接着することができる。
上記に述べたように、光学要素12は結合層14に部分的に包埋されており、着色層18を貫通している。各光学要素12は、3つの異なる領域を有するものとして述べることができる。これらの3つの領域を図3に示す。第1の領域は、露出領域12aである。光学要素の露出領域12aは、着色層18の上面よりも上となる領域である。第2の領域は、着色接触領域12bである。光学要素の着色接触領域12bは、着色層18と接触する領域である。着色接触領域12bは、露出領域12aの下にあるものとして概ね特徴付けることができる。第3の領域は、反射接触領域12cである。光学要素の反射接触領域12cは、反射層16と接触する領域である。反射接触領域12cは、着色接触領域12bの下にあるものとして概ね特徴付けることができる。
着色接触領域12bは、着色層18と接触する光学要素12の表面積でありうる、着色接触表面積を有するものとして特徴付けることができる。着色接触表面積が減少するほど、光学要素を通じて逆方向に光を反射するための光学要素の後方の空間がより大きくなることにより、物品の再帰反射性が高められる。着色接触表面積は、表面積の実際の値によって、又は光学要素全体の表面積との関連で特徴付けることができる。実施形態によっては、着色接触表面積は光学要素の全表面積の約0.5%〜75%とすることができる。実施形態によっては、着色接触表面積は、光学要素の全表面積の約5%〜50%とすることができる。実施形態によっては、着色接触表面積は光学要素の全表面積の約10%〜45%とすることができる。
反射接触領域12cは、反射層16と接触する光学要素12の表面積である、反射接触表面積を有するものとして特徴付けることができる。反射接触表面積が減少するほど、光学要素を通じて逆方向に光を反射するための光学要素の後方の空間が小さくなり、物品の再帰反射性は低くなる。反射接触表面積は、表面積の実際の値によって、又は光学要素全体の表面積との関連で特徴付けることができる。実施形態によっては、反射接触表面積は、光学要素の全表面積の約0.1%〜75%とすることができる。実施形態によっては、反射接触表面積は、光学要素の全表面積の約5%〜50%とすることができる。実施形態によっては、反射接触表面積は、光学要素の全表面積の約10%〜45%とすることができる。
結合層はポリマーを含んでもよく、他の材料を含有してもよい。結合層は、反射層と接着させるか、又は他の態様で反射層と物理的に関連付けられる。実施形態によっては、結合層は、接着層若しくは何らかの裏材(例えば、布地、フィルム、又はスクリム)と接着させるか、又は他の態様で反射層と物理的に関連付けることもできる。結合層は、光学要素を支持することが可能であり、通常は連続的かつ液体不透過性のポリマーのシート状の層である。結合層が薄すぎると、薄すぎて基材及び光学要素の両方に接着できない場合がある。結合層が厚すぎると、物品が不要に固くなりコストが嵩みうる。実施形態によっては、結合層は、約1〜250マイクロメートルの平均の厚さを有する。実施形態によっては、結合層は、約30〜150マイクロメートルの平均の厚さを有する。
結合層は、ウレタン、エステル、エーテル、尿素、エポキシ、炭酸塩、アクリル酸塩、アクリル樹脂、オレフィン、塩化ビニル、アミド、アルキド、又はこれらの組み合わせなどの単位を含むポリマーを含んでもよい。各種の有機ポリマー形成試薬を使用して、こうしたポリマーを製造することができる。ポリオールとイソシアネートとを反応させることによってポリウレタンを生成することができる。ジアミンとイソシアネートとを反応させることによってポリ尿素を生成することができる。エポキシドをジアミン又はジオールと反応させることによってエポキシ樹脂を生成することができる。アクリレートモノマー又はオリゴマー(本明細書においてモノマーに言及する場合には常にオリゴマーも利用することができることに注意されたい)を重合させることによってポリアクリレートを生成することができる。二価酸を、ジオール又はジアミンと反応させることによってポリエステル又はポリアミドを生成することができる。着色層を形成するうえで使用することが可能な市販のポリマー形成試薬の例としては、例えば、ボスティーク社(Bostik Inc.)(マサチューセッツ州ミドルトン)より販売されるVitel(商標)3550、ユー・ビー・シー・ラドキュア社(UBC Radcure)(ジョージア州スマーナ)より販売されるEbecryl(商標)230、ハンツマン社(テキサス州ヒューストン)より販売されるJeffamine(商標)T−5000、ソルベイ・インターロックス社(Solvay Interlox Inc.)(テキサス州ヒューストン)より販売されるCAPA 720、及び、リオンデル・ケミカル社(Lyondell Chemical Company)、(以前のアルコ・ケミカル社(ArcoChemicalCo.))(テキサス州ヒューストン)より販売されるAcclaim(商標)8200が挙げられる。結合層を形成するうえで有用な反応性ポリマーの例としては、ヒドロキシアルキレン、ポリアルキレンオキシドなどのポリマーエポキシド、及びこれらのコポリマーが挙げられる。
ポリマー前駆体が、アクリレートモノマー又はアクリレートオリゴマーを反応性希釈剤として含んでもよく、これによりアクリレートモノマーは、フリーラジカル重合により重合し、ポリオール及びイソシアネートなどの他の反応性成分が縮合重合により重合する。これらの重合反応は同時に起こりうる。反応性希釈剤は、高粘度の溶液の取り扱いに伴う粘性の問題を伴うことなく、高い固体装填レベルを可能とするものである。反応性希釈剤は更に溶媒の必要をなくし、溶媒の除去に伴う問題をなくすものである。
結合層に使用されるポリマーは、ポリマーをシランカップリング剤と結合させる官能基を有してもよく、あるいはポリマーを生成する反応物質がそのような官能性を有してもよい。例えば、ポリウレタンの製造においては、開始物質が、イソシアネート官能性シランカップリング剤と反応することが可能な水素官能基を有しうる(例えば、リー(Li)に付与された米国特許第5,200,262号を参照)。
実施形態によっては、米国特許第5,645,938号及び国際公開第96/16343号においてクランドール(Crandall)によって、また、米国特許第5,976,669号及び国際公開第98/28642号においてフレミング(Fleming)によって述べられるもののような組成物。
結合層は、必要に応じて本明細書には述べられない他の材料を含んでもよい。実施形態によっては、結合層は、重量%にして、約55%のCAPA(商標)720(ポリ(テトラメチレングリコール)とポリカプロラクトンとのコポリマー)、16.4%のエトキシ化ビスフェノールAジオール、4.4%のエトキシ化トリメチロールプロパン、4.1%のイソシアナートトリエトキシシラン、20.4%のメチレン−ビス−ジフェニルジイソシアネート、並びに触媒量の三級アミン及びジブチルチンジラウレートで形成することができる。
本明細書において開示される再帰反射性物品に使用することができる光学要素には、マイクロスフェアが含まれうる。実施形態によっては、マイクロスフェアの形状をほぼ球状とすることにより、均一かつ効率的な再帰反射性が与えられる。マイクロスフェアは、入射光の高い比率(%)が再帰反射されるよう、光吸収率を最小とするように高い透明度のものとしてもよい。マイクロスフェアは、しばしばほぼ無色であるが、着色材料で形成するか又は何らかの他の方法で着色することができる(例えば、シーライト(Searight)らに付与された米国特許第3,294,559号、及びジャコブス(Jacobs)らに付与された米国特許第5,286,682号を参照)。マイクロスフェアは、ガラス、非ガラス状のセラミック組成物、又は合成樹脂で形成することができる。ガラス及びセラミックのマイクロスフェアは、合成樹脂で形成されたマイクロスフェアよりも硬く、より耐久性が高い傾向を有するため、実施形態によっては、ガラス及びセラミックのマイクロスフェアを使用することができる。本発明において有用でありうるマイクロスフェアの例としては、例えば、米国特許第1,175,224号、同第2,461,011号、同第2,726,161号、同第2,842,446号、同第2,853,393号、同第2,870,030号、同第2,939,797号、同第2,965,921号、同第2,992,122号、同第3,468,681号、同第3,946,130号、同第4,192,576号、同第4,367,919号、同第4,564,556号、同第4,758,469号、同第4,772,511号、及び同第4,931,414号に見られるものが挙げられる。
有用なマイクロスフェアは、約30〜200マイクロメートルの平均直径を有してよく、実施形態によっては、約50〜150マイクロメートルの平均直径を有してよい。この範囲よりも小さいマイクロスフェアは再起反射性のレベルが低くなる傾向にあり、この範囲よりも大きいマイクロスフェアは再帰反射性物品に不要に粗いテクスチャーを与えるか、又はその柔軟性を不要に低減させうる。有用なマイクロスフェアは、一般的に約1.2〜3.0の屈折率を有してよく、実施形態によっては約1.6〜2.2の屈折率を有してよく、更なる他の実施形態では約1.7〜2.0の屈折率を有してよい。
着色層は、ポリマー材料及び顔料を含みうる。一般的に、結合層に関して上記に述べたもののようなポリマー材料を使用することができる。特定の例示的なポリウレタン形成法(顔料を取り入れることができる)が、クランドール(Crandall)による米国特許第5,645,938号及び同第6,416,856号及び国際公開第96/16343号、並びにフレミング(Fleming)による米国特許第5,976,669号及び国際公開第98/28642号に述べられている。実施形態によっては、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、又はポリエーテル単位とポリエステル単位とのブロックコポリマーを含むポリウレタンを着色層に使用することができる。着色層に使用することができる市販のポリウレタン材料としては、バイエル社(レバークーゼン、ドイツ)より販売されるBayhydrol(登録商標)ポリウレタン分散液がある。
顔料は、波長選択的な吸収によって反射又は透過される光の色を変化させることが可能な任意の材料であってよい。任意の着色顔料を本明細書において開示される再帰反射性物品に使用することができる。実施形態によっては、顔料はナノ顔料であってよい。ナノ顔料は、ナノメートル範囲の平均粒径を一般的に有する顔料である。実施形態によっては、ナノ顔料は約1nm〜約1000nmの平均粒径を有しうる。ナノ顔料は光との相互作用のために有用となりうるものであり、光はそのサイズのためにナノ顔料から回折し、このことが高い反射率に寄与しうる。実施形態によっては、ナノ顔料は約50nm〜約500nmの平均粒径を有しうる。使用可能な例示的なナノ顔料としては、カボット社(Cabot Corporation)(マサチューセッツ州ボストン)より市販されるCabojet 300がある。
実施形態によっては、着色層にはナノ顔料及び他の粒径の顔料(本明細書においては「通常の顔料」と呼ぶ場合がある)が含まれうる。通常の顔料は、約1μm〜約40μmの平均粒径を一般的に有しうる。実施形態によっては、通常の顔料は、約1μm(1000μm)〜約10μmの平均粒径を有しうる。ナノ顔料及び通常の顔料の両方を含む実施形態では、ナノ顔料は重量にして顔料全体の少なくとも約5%を占めてもよい。ナノ顔料及び通常の顔料の両方を含む実施形態では、ナノ顔料は重量にして顔料全体の少なくとも約10%を占めてもよい。実施形態によっては、着色層は顔料及び染料の両方を含みうる。実施形態によっては、着色層は、例えばナノ顔料及び染料の両方を含みうる。
着色層は、着色層又は物品の所望の色若しくは色の深さを与えるうえで望ましい量の顔料を一般的に含みうる。着色層中の顔料の量は、使用される特定の顔料、所望の色又は色のシェード、着色層中の他の成分、及びこれらの組み合わせに少なくとも部分的に依存しうる。実施形態によっては、着色層は、着色層中の固体の0.1〜70重量%の顔料、着色層中の固体の1〜40重量%の顔料、又は着色層中の固体の5〜35重量%の顔料を有しうる。
着色層(及び結合層)は更に、必要に応じて本明細書に述べられない他の材料を含んでもよい。例えば、充填剤、安定剤(例えば、立体障害フェノールなどの熱安定剤及び酸化防止剤、及び立体障害アミンなどの光安定剤、又は紫外線安定剤)、難燃剤、流動性改良剤(例えば、フルオロカーボン又はシリコーンなどの界面活性剤)、可塑剤、耐紫外線成分(例えば、耐紫外線充填剤)、及びエラストマーなどの他の成分を、着色層及び結合層のいずれか一方又は両方に使用することができる。このような添加剤を選択する際には、一部のものが洗濯耐久性に悪影響を及ぼしかねないため、注意を払う必要がある。例えば、ピロリン酸メラミンなどの高濃度の難燃剤は、洗濯後に物品の再帰反射性能に悪影響を及ぼしうる。
着色層は、ポリマー材料中に分散された顔料を一般的に含みうる。顔料及びポリマー材料を含む組成物から着色層を形成する様々な方法を用いて、着色層を形成することができる。下記に述べる方法は、着色層組成物から着色層を形成する特定の種類の方法に関する更なる考察を与えるものである。着色層は、物品の全体に存在する必要はない。例えば、色組成物を物品上に印刷することによって、着色して見える物品の領域による特定の標示を形成することが可能であり、このように着色層をパターン化することができる。これは、光学要素を含む物品上に色組成物を印刷することによって実現することができる。
着色層は、光学要素の平均直径よりも小さい平均の厚さを有しうる(球状の光学要素の場合)。実施形態によっては、着色層は、光学要素の平均直径の約0.0005〜約0.75倍の平均の厚さを有しうる。実施形態によっては、着色層は、光学要素の平均直径の約0.05倍〜光学要素の平均直径の約0.5倍の平均の厚さを有しうる。
開示される物品は更に反射層を有しうる。反射層は、一般的に比較的高い光屈折率を有する材料の層であってよい。実施形態によっては、反射層は、少なくとも2.2の光屈折率を有する材料の層である。実施形態によっては、反射層は正反射層でよい。実施形態によっては、反射層は厚さ約50〜500ナノメートルであってよい。
実施形態によっては、反射層は金属反射層でよい。本明細書において使用するところの「金属反射層」なる用語は、光を反射することが可能な純粋な形態又は合金の形態の元素金属を含む層のことを指す。金属は、例えば、真空蒸着、蒸着、化学蒸着、又は無電解メッキによって製造された連続的なコーティングであってよい。実施形態によっては、蒸着が経済的であり、蒸着されたコーティングはリフレクターとして特に良好な性能を有しうることから、蒸着を用いることができる。例示的な金属としては、例えば、元素の形態のアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、スズ(Sn)などが挙げられる。実施形態によっては、アルムニウム及び銀が良好な再帰反射の輝度を与える傾向にあることから、アルムニウム及び銀を使用することができる。アルミニウムの場合、金属の一部が金属酸化物又は金属水酸化物の形態であってもよい。
反射層を与えるために各種の非金属材料を使用することもできる。例示的な材料としては、例えばクライオライト及びTiOが挙げられる。実施形態によっては、反射層は複数の材料層を含んでもよい。例えば反射層は、ドイツ特許第1447585号に例示されるもののような硫酸亜鉛(ZnS)とクライオライトとからなる2層(又はそれよりも多い層の)構造を有しうる。
実施形態によっては、本明細書において開示される再帰反射性物品は、多くの望ましい性質を示しうる。実施形態によっては、開示される再帰反射性物品は、再帰反射性についての多くの工業規格に合格しうるものである。例えば、開示される再帰反射性物品は、ANSI/ISEA 107−1999、ANSI/ISEA 107−2004(ANSI/ISEA 107−1999の更新版)、ANSI/ISEA 207−2006、ANSI/ISEA 107−2010のような米国規格協会(ANSI)の規格、又は例えばEN471のような欧州規格に合格しうるものである。
実施形態によっては、本明細書において開示される再帰反射性物品は、下記に述べる再帰反射輝度法を用いて測定した場合に少なくとも所定量の再帰反射性を示しうるものである。実施形態によっては、本明細書において開示される再帰反射性物品は、下記に述べる再帰反射輝度法を用いて測定した場合に、5/0.2の角度で少なくとも約50カンデラ/ルックス/mの再帰反射性を示しうる。実施形態によっては、本明細書において開示される再帰反射性物品は、下記に述べる再帰反射輝度法を用いて測定した場合に、5/0.2の角度で少なくとも約250カンデラ/ルックス/mの再帰反射性を示しうる。実施形態によっては、本明細書において開示される再帰反射性物品は、下記に述べる再帰反射輝度法を用いて測定した場合に、5/0.2の角度で少なくとも約330カンデラ/ルックス/mの再帰反射性を示しうる。
開示される再帰反射性物品は、再帰反射性物品が洗浄後にその再帰反射性の少なくとも一部を保持していることを示す良好な洗浄性能を更に示しうる。実施形態によっては、開示される再帰反射性物品は、15回の洗浄後に5/0.2の角度で少なくとも約100カンデラ/ルックス/mを保持しうる。実施形態によっては、開示される再帰反射性物品は、15回の洗浄後に5/0.2の角度で少なくとも約200カンデラ/ルックス/mを保持しうる。実施形態によっては、開示される再帰反射性物品は、15回の洗浄後に5/0.2の角度で少なくとも約300カンデラ/ルックス/mを保持しうる。
本明細書では更に転写物品を開示する。例示的な転写物品を図4に示す。転写物品30は、図2に関して開示されるように、基材20を必要に応じて含みうる再帰反射性物品22を含みうる。転写物品30は、支持体ウェブ32を更に有しうる。支持体ウェブ32は、支持体36上に熱軟化性ポリマー層34を有しうる。支持体36は、例えば紙シート又はフィルムであってよい。熱軟化性ポリマー層34の例としては、例えば、ポリ塩化ビニル;ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブチレンなどのポリオレフィン;並びにポリエステルが挙げられる。光学要素12の層が、支持体ウェブ32の熱軟化性ポリマー層34中に部分的に包埋されうる。
再帰反射性物品を有する再帰反射性物品又は転写シートを、縫い付けなどの機械的方法によって更なる基材に取り付けることができる。しかしながら、特定の用途では、接着層(図に示されない)によって基材を物品に固定することが望ましい。接着層は、例えば、感圧接着剤、熱活性化接着剤、又は紫外線活性化接着剤であってよい。再帰反射性物品を保持する基材を衣類の外表面に配置することによって、衣類が着用者に対して正常な向きで着用されている場合に、再帰反射性物品が表示されるようにすることが可能である。基材は、例えば、綿織物などの織布又は不織布、ナイロン、オレフィン、ポリエステル、セルロース材料、ウレタン、ビニル、アクリル、ゴムなどのポリマー層、皮革などであってよい。
図5は、通常は幅1〜3インチ(2.54cm〜7.62cm)の細長いシート又はストリップの形態の再帰反射性物品42を表示する安全ベスト40を示している。再帰反射性ストライプには、ビンガム(Bingham)に付与された米国特許第4,533,592号、及びライトル(Lightle)らに付与された米国特許第6,153,128号に述べられるような蛍光ストライプを結合させることができる。安全ベストは、道路工事作業員によって、接近する運転者に対する視認性を高めるためにしばしば着用される。こうした種類のベストは頻繁に汚れることから、ベストを何回も再使用することができるように過酷な洗浄条件に耐えうる必要がある。説明のために安全ベスト40を選択したが、衣類は様々な形態のものであってよい。本明細書において使用するところの用語である「衣類」とは、人によって着用又は保持されるようなサイズ又は形態に構成された洗濯可能な衣服のことを意味する。再帰反射性物品を表示しうる他の衣類の例としては、例えば、シャツ、セーター、ジャケット(例えば消防士のジャケット)、コート、パンツ、靴、靴下、手袋、ベルト、帽子、スーツ、ワンピースの下着、バッグ、及びバックパックなどが挙げられる。
本明細書では更に再帰反射性物品の製造方法を開示する。再帰反射性物品を製造するための例示的な方法の第1の工程では、多数の光学要素を支持体ウェブに部分的に包埋することを含む。一般的に、熱軟化性ポリマー層は光学要素を所望の配置で保持する。上記に述べたような支持体ウェブを、開示される方法において使用することができる。一般的に、光学要素は、光学要素を所望の一時的な配置で支持体ウェブ上にカスケーディングにより流し落とすなどの一般的に用いられる方法によって、支持体ウェブ中に部分的に包埋することができる。実施形態によっては、光学要素は、印刷、スクリーニング、カスケーディングによって、又は高温缶ロール(hot can roll)を使用して支持体ウェブ上に所望の態様で配置することができる。支持体ウェブにマイクロスフェアを付着させるための更なる考察については、米国特許第4,763,985号、同第5,128,804号、及び同第5,200,262号を参照されたい。光学要素は、光学要素の直径の約30〜60%までを支持体ウェブ中に部分的に包埋することができる(球形の光学要素と仮定した場合)。支持体ウェブ中に包埋されない光学要素の部分、すなわち光学要素の露出面は、ウェブから突出することによって次の工程において着色層を受容することができる。
本方法は、所望の剥離特性を実現するために剥離剤又は接着促進剤を塗布することによって支持体ウェブ又は付着された光学要素を調整する、必要に応じて行われる工程を更に含んでもよい。この必要に応じて行われる工程は、光学要素が支持体ウェブ中に部分的に包埋される前、後、その間、又はこれらの組み合わせにおいて行うことができる。
例示的な方法における次の工程は、光学要素の露出面に色組成物を塗布することである。色組成物は、顔料(上記に述べたもの)及び少なくとも1種類のポリマー又はモノマーを含みうる。(ポリマーの代わりに)モノマーを使用する実施形態においては、モノマーの重合を引き起こすことが可能な重合開始剤が更に含まれてもよい。例えば、紫外線硬化性コーティング又は紫外線硬化性インクを使用することができる。紫外線硬化性コーティング(又はインク)は、例えばアクリレートモノマーなどのモノマー、及び1以上の光開始剤を含んでもよい。
色組成物は、1以上の溶媒を更に含んでもよい。実施形態によっては、色組成物は、低引火点の溶媒とより高い(低引火点の溶媒と比較して)引火点の溶媒との組み合わせを含みうる。色組成物中のこのような溶媒の組み合わせの使用によって、光学要素の露出面に色組成物が塗布された後に光学要素の上に残留する色組成物の量が少なくなりうる。その代わり、色組成物が光学要素の露出面を流れ落ち、光学要素と光学要素が包埋された支持体ウェブとの間の空間を充填する。このことは、光学要素の上面に残留する色組成物は光学要素の背後の反射層の効果をある程度阻害し、物品の再帰反射性を低減させることから有利な点となりうる。顔料クラスター(図1Cに見られるような)が存在する実施形態でも、ナノ顔料の使用によって、光学要素の後面のこのような顔料クラスターによって引き起こされうる反射率の低下を抑制することができる。
低引火点溶媒とそれよりも高い引火点の溶媒との組み合わせを使用した実施形態では、(図1Cに示されるような)光学要素の後面に残留する色組成物(又は顔料)の量を最小に抑えることができる。これは、色組成物が光学要素の露出面を流れ落ちて、光学要素と光学要素が包埋された結合層との間の空間を充填することによって実現されるものと考えられる。光学要素の後面(この表面は、反射接触表面12cと呼ぶこともできる(図3を参照))に残留する顔料(図1Cに顔料52として示される)は、垂直な視角又は「斜視」において見える色差を低減させることができることから、実施形態によっては有益でありうる。
実施形態によっては、2種類の溶媒(低引火点溶媒とより引火点の高い溶媒)の引火点の差は、少なくとも約10℃であってよい。実施形態によっては、2種類の溶媒の引火点の差は少なくとも約30℃であってよい。代表的な溶媒の組み合わせとしては、例えば、エタノールと水、酢酸エチルとトルエン、及び、メチルエチケトンとトルエンが挙げられる。
低引火点溶媒とより引火点の高い溶媒を用いた実施形態では、低引火点溶媒が溶媒全体の約10重量%〜95重量%を占めてよい。実施形態によっては、低引火点溶媒が約30重量%〜90重量%を占めてもよい。実施形態によっては、低引火点溶媒が約50重量%〜80重量%を占めてもよい。
色組成物は、特定の溶媒と、室温又は20℃〜80℃の温度で流動しうるポリマーとを含んでもよい。このような組み合わせにより、色組成物は、溶媒に引火する前及びその後の両方で光学要素の露出面を流れ落ちることが可能となる(流動性のポリマー成分に起因)。これにより、色組成物が硬化する間に光学要素の露出面を引き続き流れ落ちることが可能となり、色組成物の相当な部分が、光学要素の後面上に残留する代わりに光学要素間で凝集することが可能となる。このような実施形態では、溶媒としては、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、テトラヒドロフラン、又はジメチルホルムアミドを挙げることができる。このような実施形態では、ポリマーとしては、例えば、アクリレートポリマー、エポキシ液、シリコーン液、又は上記に述べたようなポリウレタンを形成するためのポリオール及びイソシアネートが挙げられる。
ポリマーは、上記に述べたようなポリマー、上記に述べたようなポリマーを形成するためのモノマー又はオリゴマー、又はこれらの組み合わせを一般的に含みうる。実施形態によっては、複数の特定のポリマーを色組成物中に用いることができる。実施形態によっては、ポリマーは水にポリマーを分散させた分散液として使用することができる。実施形態によっては、ポリマーは、約10〜10,000センチポアズ(cps)の粘度を有する流動性の液体として使用することができる。実施形態によっては、ポリマーは、約10〜4,000センチポアズ(cps)の粘度を有する流動性の液体として使用することができる。
一般的に用いられている方法によって、少なくとも顔料、ポリマー、及び溶媒を含む色組成物を調製することができる。色組成物は、実施形態によっては約0.1〜70重量%(固形分に基づく)の顔料、実施形態によっては1〜40重量%(固形分に基づく)の顔料、実施形態によっては5〜35重量%(固形分に基づく)の顔料を一般的に含有しうる。色組成物は、実施形態によっては約30〜99.9重量%(固形分に基づく)のポリマー、実施形態によっては60〜99重量%(固形分に基づく)のポリマー、実施形態によっては65〜95重量%(固形分に基づく)のポリマーを一般的に含有しうる。
色組成物は更に、必要に応じて、例えば、水(ポリマー分散液の一部として、又は別々に加えることができる)、他の溶媒、架橋剤、触媒、消泡剤、及び界面活性剤を含むことができる。このような他の成分は一般的に、本明細書を読んだ当業者には認識されるように多くの理由及び量で使用されうるものである。
色組成物は一般的に、液体を塗布する公知の方法を用いて光学要素の露出面に塗布することができる。例示的な方法としては、例えば、スプレーコーティング、バーコーティング、及び印刷法が挙げられる。実施形態によっては、印刷法を用いて色組成物を物品の全体よりも小さい領域に塗布することによって、例えば物品の着色及び非着色領域を用いて所望の標示を形成することができる。
光学要素の露出面に塗布される色組成物の量は、塗布の方法に応じて異なりうる公知の技術を用いて調節することができる。実施形態によっては、光学要素の露出面に塗布される色組成物の量は、色組成物の塗布の前後の部分的に包埋された光学要素の輝度を比較することによって調節することができる。色組成物の量(コーティング重量)が多くなるほど、部分的に包埋された光学要素の輝度は低下する。これは、色組成物の量が多くなるほど、露出した状態の光学要素の表面積が減少することから一般的に成り立つ。部分的に包埋された場合、光学要素の再帰反射性、したがって光学要素の輝度は、露出した表面積に依存する。色組成物が塗布されていない部分的に包埋された光学要素の、色組成物によってコーティングされた状態への輝度の変化を利用して、色組成物のコーティング重量を調整することができる。
色組成物のコーティング重量の監視、調節、又はその両方を行うことが望ましい方法においては、部分的に包埋された光学要素の輝度を、色組成物を塗布する前に評価することができる。次いで、色組成物の少なくとも一部が塗布された後で、部分的に包埋された光学要素の輝度を評価することができる。輝度の差を用いて、更なる色組成物を塗布するべきか否かを決定することができる。実施形態によっては、これは、輝度を試験し、更なる色組成物を塗布し、輝度の変化によって決定される色組成物の所望の量(例えばコーティング重量)が塗布されるまでこの工程を繰り返すという、繰り返し作業とすることができる。コーティングされていないか、部分的にコーティングされているか、又は完全にコーティングされた部分的に包埋された光学要素の輝度の試験は、再帰反射性表面の輝度を試験するための公知の方法及び装置を用いて行うことができる。
開示される方法は更に、光学要素の露出面及び塗布された色組成物に反射材料(上記に述べたもの)を塗布する工程を含む。色組成物が塗布され、着色層を形成するための光学要素間の空間が少なくとも部分的に充填された時点で、反射材料を塗布することによって反射層を形成することができる。一般的に、反射材料は、支持体ウェブの反対側の着色層の表面及び支持体ウェブの反対側の光学要素の露出面に塗布される。反射材料は、本明細書を読めば当業者には公知の方法を用いて成膜することができる。例示的な方法としては、例えば、化学気相成長法(CVD)、真空蒸着法、真空コーティング法、又は無電解メッキ法が挙げられる。実施形態によっては、反射材料は真空蒸着法によって塗布することができる。
反射材料が成膜されて反射層が形成された後、次の工程では、結合剤組成物の塗布による結合層の形成を行う。結合剤組成物は、上記に述べたような成分を含んでよく、色組成物を塗布するための方法と同様の方法を使用して塗布することができる。
開示される方法は更に、色組成物が塗布された後(全体的又は部分的に)、物品を機械的に振盪する、必要に応じて行われる工程を含みうる。この工程は、行われる場合、光学要素間の空間に向かって光学要素の露出面で色組成物を流れ落とさせるか、又はこれを助けうるものである。一般的に、本明細書において形成される物品は、光学要素の間又はその周囲に着色層を有するが、光学要素の露出面は最終的には反射層によって被覆されることになるため、光学要素の露出面上には着色層を有さないことが望ましい。物品を機械的に振盪する必要に応じて行われる工程は、色組成物が光学要素の間に存在するが光学要素の露出面上には存在しないようにするうえで助けとなりうるものである。物品を機械的に振盪する工程は、レベリングと呼ばれる場合もある。この機械的な振盪工程は、本明細書を読めば当業者によって公知の方法によって行うことが可能である。
開示される方法は更に、1乃至複数の必要に応じて行われる硬化工程を含みうる。実施形態によっては、結合剤組成物、色組成物、又はその両方を硬化させることができる。実施形態によっては、結合剤組成物、色組成物、又はその両方を、更なる介入を行わずに硬化させることができる。実施形態によっては、硬化は、熱、放射線処理、又はこれらの特定の組み合わせによって行うことができる。実施形態によっては、色組成物は、反射材料が塗布される前に部分的に硬化させるか又は完全に硬化させることができる。実施形態によっては、色組成物は、反射材料が塗布された後に部分的に硬化させるか又は完全に硬化させることができる。実施形態によっては、結合剤組成物は、塗布された時点で部分的に硬化させるか又は完全に硬化させることができる。実施形態によっては、色組成物は、必要に応じて用いられる基材(図4の20を参照)が、結合層の、反射層とは反対側に塗布された後で部分的に硬化させるか又は完全に硬化させることができる。実施形態によっては、色組成物及び結合剤組成物は、同時又は異なる時点で部分的に硬化又は完全に硬化させることができる。
材料及び方法
本明細書において用いられるすべての化学物質は、特に断らないかぎりは、精製又は更なる処理を行わずに入手したものをそのまま使用した。化学物質は下記のようにして入手した。Ancamine K−54(触媒)は、エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社(Air Products and Chemicals,Inc.)(ペンシルベニア州アレンタウン)より入手した。Bayhydrol XP2470(ポリウレタン分散液)、Bayhydrol(登録商標)VPLS 2058、Desmodur(登録商標)2655(ジイソシアネートポリマー)、Desmodur(登録商標)NZ1(ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)樹脂)、及びDesmophen(登録商標)(ヒドロキシル含有ポリエステル)は、バイエル・マテリアル・サイエンス社(Bayer MaterialScience LLC)(ペンシルベニア州ピッツバーグ)より入手した。ビスマス(Bi)触媒であるBiCat(登録商標)8108は、シェパード・ケミカル社(Shepherd Chemical Company)(オハイオ州ノーウッド)より入手した。CAB−O−JET(登録商標)250C(シアン顔料分散液)及びCAB−O−JET(登録商標)300(黒色顔料分散液)は、キャボット社(Cabot Corporation)(マサチューセッツ州ボストン)より入手した。Dow Corning(登録商標)Z−6011シランは、ダウ・コーニング社(Dow Corning,Inc.)(ミシガン州ミッドランド)より入手した。Dynasylan(登録商標)1122(シラン)は、エボニック・インダストリーズ社(Evonik Industries AG)(ドイツ、エッセン)より入手した。JColor(登録商標)10D(蛍光黄色顔料分散液)及びJColor(登録商標)12(蛍光赤−オレンジ顔料分散液)は、ジェー・カラー・ケミカル社(J Color Chemical Co.,Ltd)(中国、杭州市)より入手した。NeoCryl(登録商標)CX100(アゾピリジンエマルション)は、ディー・エス・エム・ネオレジンズ社(DSM NeoResins)(オランダ、ワールウェイク)より入手した。Vitel(登録商標)3580(ポリエステル溶液)は、ボスティーク社(Bostik Company)(ウィスコンシン州ウォーワトサ)より入手した。
分析方法
各試料の反射率は、EN471又はANSI107−2004を使用して測定した。初期反射率は、ASTM E808及びE809を用いて測定した。色は、ASTM E1164−9.4.を使用して測定した。洗浄試験は、ISO 6330方法2Aに従って行った。着色層分布の分析は、200倍の倍率の通常の光学顕微鏡を用いて行った。
(実施例1及び2)
220g/mの重量を有する紙を、ポリエチレン接着剤の層でコーティングした(20g/mのコーティング重量)。紙及び接着剤を含む物品は、紙(支持体36)とポリエチレン(熱軟化性接着剤34)とで構成される、図4に示される支持体ウェブ32の一例である。接着剤でコーティングした紙を165℃で約1分間予備加熱した後、所定量のセラミックビーズ(直径約60μm)をその上に注いで接着剤でコーティングした紙の表面全体を覆った。次いで物品を、更に2分間加熱してビーズを接着剤中に概ね半分沈み込ませて(ビーズの直径の概ね半分が沈み込んだ)ビーズの層を形成した。次いでこのシートを室温にまで冷却し、真空によって緩いビーズをすべて除去した。この段階の物品は、支持体36上の熱軟化性接着剤34に包埋された光学要素12の一例である。
シアン色組成物(実施例1−Bayhydrol(登録商標)VPLS 2058 13.83%、CAB−O−JET(登録商標)250C 20.22%、Dow Corning Z−6011 0.35%、Desmodur(登録商標)2655 0.58%、オレイン酸0.05%、及びエタノール64.98%−各量は、組成物の全湿重量の比率(%))及び黒色組成物(実施例2−Bayhydrol(登録商標)VPLS 2058 13.83%、CAB−O−JET(登録商標)300 20.22%、Dow Corning Z−6011 0.35%、Desmodur(登録商標)2655 0.58%、オレイン酸0.05%、及びエタノール64.98%−各量は、組成物の全湿重量の比率(%))を、コーティングバーの隙間を55μm(ビーズ間の谷の底から計算して)に設定してコーティングした。
次にコーティングされた物品を約65℃に約3分間加熱した。次に温度を約90℃に昇温し、約2分間維持した。約2g/mの重量を有する着色層が形成された。この段階の物品は、支持体ウェブ32中に包埋された光学要素12間の着色層18の一例である。
物品を、200倍の倍率の光学顕微鏡を使用して露出したビーズの表面から観察した。実施例1から記録した像を図6に見ることができる。図6に見られるように、セラミックビーズのあるものはその上に顔料クラスターを有し(顔料クラスターを有する例示的なビーズがビーズ61として示されている)、あるものは有していない(目に見える顔料クラスターを有さない代表的なビーズがビーズ63として示されている)。
次いで各試料にアルミニウムを真空コーティングした。この段階の物品は、支持体ウェブ32中に包埋された光学要素12間の着色層18上に形成された反射層16の一例である。
蒸着後、各試料に結合剤組成物(Vitel(登録商標)3580 87.48%、Desmophen(登録商標)670BA 3.82%、BiCat(登録商標)8108 0.03%、Dow Corning Z−6011 1.37%、及びDesmodur(登録商標)Z4470 7.30%−各量は、組成物の全湿重量の比率(%))を、60g/mの固体コーティング重量でコーティングし、次いで80℃で約1分間硬化させてから125℃のオーブンに約2分間移動した。この段階の物品は、支持体ウェブ32中に包埋された光学要素12間の着色層18上に形成された反射層16上に配置された結合層14の一例である。
次いでコーティングされた各試料に、160℃で約30秒間、80/20TC布地をラミネートした。この段階の物品は、支持体ウェブ32中に包埋された光学要素12間の着色層18上に形成された反射層16上の結合層14上に配置された基材20の一例である。約12時間後、布地(基材20とみなすことができる)を物品から剥離して、物品を試験した。
実施例1及び2は、EN471を用い、全角度及び0、5、10、及び15回の洗浄サイクル後の0.02/実際の角度の観測角度でそれらの反射輝度について試験した。全角度についての結果を下記表1に示し、0、5、10、及び15回の洗浄サイクル後の0.2の観測角度及び5の実際の角度についての結果を図6Bに示す。実施例2の色を、ASTM E1164−9.4を用いて更に分析し、その色分析を図8に示す。
Figure 2016028293
(実施例3〜7)
支持体上の熱軟化性ポリマー中に包埋された光学要素を、実施例1及び2に述べたようにして調製した。
下記表2に示すような色組成物をビーズにコーティングして、実施例1及び2に述べたような着色層を形成した。色組成物のコーティング重量は約10g/mであった。
Figure 2016028293
アルミニウムコーティング、結合層、及び基材を、実施例1及び2に述べたようにして各試料上に形成した。基材を(実施例1及び2と同様に)12時間後に剥離してから、各試料を試験した。実施例3〜7を、EN471により5/0.2の角度で試験した。図7は、5/0.2の角度における輝度を各試料の顔料添加量の関数として示す。表3は、実施例4について全角度での輝度を示す。実施例4の色を、ASTM E1164−9.4を用いて更に分析し、その色分析を図8に示す。
Figure 2016028293
(実施例8)
支持体上の熱軟化性ポリマー中に包埋された光学要素を、実施例1及び2に述べたようにして調製した。シアン色組成物(JColor(登録商標)JCF10D 24.06%、Desmophen(登録商標)670 7.07%、Desmodur(登録商標)NZ1 5.40%、BiCat(登録商標)8108 0.02%、CX100 2.41%、トルエン29.95%、及び酢酸エチル29.95%−各量は、組成物の全湿重量の比率(%))を、コーティングバーの隙間を55μm(ビーズ間の谷の底から計算して)に設定してコーティングした。次いでコーティングされた物品を約65℃に約3分間加熱して、低引火点溶媒(エタノール)に引火させた。次に温度を約90℃に昇温し、約2分間維持した。色組成物のコーティング重量は約9g/mであった。
透明なポリマー溶液の層(Desmophen(登録商標)XP 2501 3.16%、Desmodur(登録商標)NZ1 1.73%、Dynasylan(登録商標)1122 0.15%、及び酢酸エチル94.96%−各量は、組成物の全湿重量の比率(%))を、コーティングバーの隙間を55μm(ビーズ間の谷の底から計算して)に設定して着色層の露出面にコーティングした(図1Eに示されるものと同様の物品を得た)。次いでコーティングされた物品を約65℃に約3分間加熱して、低引火点溶媒(エタノール)に引火させた。次に温度を約90℃に昇温し、約2分間維持した。約3g/mのコーティング重量を有する透明層が形成された。
アルミニウムコーティング、結合層、及び基材を、実施例1及び2に述べたようにして各試料上に形成した。基材を(実施例1及び2と同様に)12時間後に剥離してから、試料をEN471により全角度で反射輝度について試験した。色をASTM E1164−9.4を用いて更に分析した。反射率を下記表4に示し、色分析を図8に示す。
(実施例9)
支持体上の熱軟化性ポリマー中に包埋された光学要素を、実施例1及び2に述べたようにして調製した。透明なポリマー溶液の層(Vitel(登録商標)3580 9.1%、Desmodur NZ1 0.9%、及び酢酸エチル90.0%−各量は、組成物の全湿重量の比率(%))を、コーティングバーの隙間を55μm(ビーズ間の谷の底から計算して)に設定して光学要素の露出面にコーティングした。次いでコーティングされた物品を約65℃に約3分間加熱して、低引火点溶媒(エタノール)に引火させた。次に温度を約90℃に昇温し、約2分間維持した。約5g/mのコーティング重量を有する透明層が形成された。
色組成物(JColor(登録商標)JCF12 18.1%、Desmophen(登録商標)670BA 5.3%、Desmodur(登録商標)NZ1 4.1%、CX100 1.8%、及び酢酸エチル69.9%−各量は、組成物の全湿重量の比率(%))を、コーティングバーの隙間を55μm(ビーズ間の谷の底から計算して)に設定してコーティングした。次いでコーティングされた物品を約65℃に約3分間加熱して、低引火点溶媒(エタノール)に引火させた。次に温度を約90℃に昇温し、約2分間維持した。色組成物のコーティング重量は約8g/mであった。
透明なポリマー溶液の第2の層(Vitel(登録商標)3580 9.1%、Desmodur NZ1 0.9%、及び酢酸エチル90.0%−各量は、組成物の全湿重量の比率(%))を、コーティングバーの隙間を55μm(ビーズ間の谷の底から計算して)に設定して着色層の露出面にコーティングした(図1Fに示されるものと同様の物品を得た)。次いでコーティングされた物品を約65℃に約3分間加熱して、低引火点溶媒(エタノール)に引火させた。次に温度を約90℃に昇温し、約2分間維持した。約3g/mのコーティング重量を有する透明層が形成された。
アルミニウムコーティング、結合層、及び基材を、実施例1及び2に述べたようにして各試料上に形成した。基材を(実施例1及び2と同様に)12時間後に剥離してから、試料をEN471により全角度で試験した。色をASTM E1164−9.4を用いて更に分析した。反射率を下記表4に示し、色分析を図8に示す。
Figure 2016028293
以上、露出レンズ型再帰反射性物品の各実施形態を開示した。本開示を、開示されたもの以外の実施形態によって実施することが可能な点は当業者には認識されるであろう。開示された実施形態は、説明を目的として提示されるものであって、限定を目的として提示されるものではなく、本開示は以下の「特許請求の範囲」によってのみ限定されるものである。

Claims (39)

  1. 結合層と、
    前記結合層中に部分的に包埋された、間隔をおいて配置された光学要素の層と、
    前記間隔をおいて配置された光学要素の間に配置された、貫通された着色層と、
    前記光学要素の層及び前記貫通された着色層の機能的に後方に配置された反射層と、を有する、露出レンズ型再帰反射性物品。
  2. 前記光学要素の層内のそれぞれの個別の光学要素が、反射層接触表面積を有する、請求項1に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  3. 前記個別の光学要素の平均の反射層接触表面積が、前記個別の光学要素の全表面積の約5〜約50%である、請求項2に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  4. 光学要素の前記反射層接触表面積上に少なくとも1個の顔料クラスターが存在する、請求項2又は3に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  5. 前記着色層が、約1nm〜約1000nmの粒径を有する顔料を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  6. 前記着色層が、約1μmよりも大きい粒径を有する粒子を有する顔料を更に含む、請求項5に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  7. 前記反射層が、少なくとも約2.2の光屈折率を有する正反射成膜層である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  8. 前記反射層が、アルミニウム、銀、クロム、又はスズを含む、請求項7に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  9. 前記結合層が、ウレタン、エステル、エーテル、尿素、エポキシ、炭酸塩、アクリレート、アクリル樹脂、オレフィン、塩化ビニル、アミド、アルキド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される単量体ユニット又はオリゴマーユニットから形成されるポリマー材料を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  10. 前記結合層が、約30〜150マイクロメートルの平均の厚さを有する、請求項9に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  11. 前記結合層の、前記反射層とは反対側に固定された布地又は接着剤を更に有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  12. 透明層を更に有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  13. 前記透明層が、前記着色層の露出面上、前記反射層と前記着色層との間、又は前記着色層の露出面上及び前記反射層と前記着色層との間の両方に配置されている、請求項12に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  14. 前記着色層、前記反射層、又はその両方がパターン化されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品と、
    前記光学要素の層が部分的に包埋された支持体ウェブの層と、を有する、転写物品。
  16. 結合層と、
    前記結合層中に部分的に包埋された、間隔をおいて配置された光学要素の層と、
    前記間隔をおいて配置された光学要素間に配置された、ナノ顔料を含む着色層と、
    前記光学要素の層及び前記貫通された着色層の機能的に後方に配置された反射層と、を有する、露出レンズ型再帰反射性物品。
  17. 前記光学要素の層内のそれぞれの個別の光学要素が、反射層接触表面積を有する、請求項16に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  18. 前記個別の光学要素の平均の反射層接触表面積が、前記個別の光学要素の全表面積の約5〜約50%である、請求項17に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  19. 光学要素の前記反射層接触表面積上に少なくとも1個の顔料クラスターが存在する、請求項17又は18に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  20. 前記着色層が、約1μmよりも大きい粒径を有する粒子を有する顔料を更に含む、請求項16〜19のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  21. 前記反射層が、少なくとも約2.2の光屈折率を有する正反射成膜層である、請求項16〜20のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  22. 前記反射層が、アルミニウム、銀、クロム、又はスズを含む、請求項16〜22のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  23. 前記結合層の、前記反射層とは反対側に固定された布地又は接着剤を更に有する、請求項16〜22のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  24. 透明層を更に有する、請求項16〜23のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  25. 前記透明層が、前記着色層の露出面上、前記反射層と前記着色層との間、又は前記着色層の露出面上及び前記反射層と前記着色層との間の両方に配置されている、請求項24に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  26. 前記着色層、前記反射層、又はその両方がパターン化されている、請求項16〜26のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品。
  27. 請求項16〜26のいずれか一項に記載の露出レンズ型再帰反射性物品と、
    前記光学要素の層が部分的に包埋された支持体ウェブの層と、を有する、転写物品。
  28. 露出レンズ型再帰反射性物品を製造するための方法であって、
    多数の光学要素を支持体ウェブ中に部分的に包埋する工程と、
    約1nm〜約1000nmの平均粒径を有する顔料と、少なくとも1種類のポリマーとを含む色組成物を前記光学要素の露出面に塗布する工程と、
    前記光学要素の露出面及び前記塗布された色組成物に反射材料を塗布する工程と、
    結合剤組成物を塗布することによって結合層を形成する工程と、を含む、方法。
  29. 前記色組成物が、低引火点溶媒及び高引火点溶媒を更に含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記低引火点溶媒及び前記高引火点溶媒の引火点に少なくとも約10℃の差がある、請求項29に記載の方法。
  31. 前記低引火点溶媒及び前記高引火点溶媒が、エタノール及び水、酢酸エチル及びトルエン、並びに、メチルエチルケトン及びトルエンから選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記色組成物の前記ポリマーが、約20℃〜約80℃の温度で流動性を有する、請求項28〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記色組成物が、少なくとも1種類の溶媒を更に含む、請求項28〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記色組成物の塗布後に前記物品を硬化させる工程を更に含む、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記色組成物の塗布の前後に前記部分的に包埋された光学要素の輝度を試験する工程を更に含む、請求項28〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 塗布されるコーティング組成物の量を調節するために輝度の差を用いることができる、請求項35に記載の方法。
  37. 前記結合層の塗布後に基材を前記結合層に付着させる工程を更に含む、請求項28〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 少なくとも1つの透明層を形成する工程を更に含む、請求項28〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記少なくとも1つの透明層が、前記着色層が形成される前、前記着色層が形成された後、又は前記着色層が形成される前及び後の両方において形成されうる、請求項38に記載の方法。
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