JP6983018B2 - 再帰反射性シート - Google Patents
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Description
上記再帰反射性積層体は、反射材層及び透明球状体層を有し、
上記透明球状体層は複数の透明球状体を有し、各透明球状体は少なくとも一部が上記反射材層に埋め込まれており、
上記第1の可視インキ層は、下記(i)及び(ii)の部分の少なくとも一部を被覆しており、かつ上記複数の透明球状体の頂部を被覆していない、再帰反射性シート:
(i)上記複数の透明球状体の頂部以外の部分、及び
(ii)上記複数の透明球状体の間隙の上記反射材層の部分。
〈2〉上記再帰反射性シートを、上記透明球状体層側から観察したときに、
上記複数の透明球状体が上記第1の可視インキ層に被覆されていない露出部の面積の、上記第1の可視インキ層が存在する領域の面積に対する割合が、20%以上である、
上記〈1〉に記載の再帰反射性シート。
〈3〉上記再帰反射性積層体上に、上記複数の透明球状体の頂部を被覆している第2の可視インキ層を更に有する、上記〈1〉又は〈2〉に記載の再帰反射性シート。
〈4〉上記再帰反射性積層体上で、上記第1の可視インキ層と上記第2の可視インキ層とが、少なくとも部分的に重複している、上記〈3〉に記載の再帰反射性シート。
〈5〉上記再帰反射性積層体上に、上記複数の透明球状体の頂部を被覆している不可視インキ層を更に有する、上記〈1〉〜〈3〉のいずれか一項に記載の再帰反射性シート。
〈6〉上記再帰反射性積層体上で、上記第1の可視インキ層と上記不可視インキ層とが、少なくとも部分的に重複している、上記〈5〉に記載の再帰反射性シート。
〈7〉真贋判定用である、上記〈1〉〜〈6〉のいずれか一項に記載の再帰反射性シート。
〈8〉上記再帰反射性積層体を準備すること、及び
上記再帰反射性積層体上に可視インキを印刷して、上記第1の可視インキ層を形成すること
を含む、上記〈1〉〜〈7〉のいずれか一項に記載の再帰反射性シートの製造方法。
〈9〉上記可視インキの粘度が、0.3Poise以下である、上記〈8〉に記載の方法。
本発明の再帰反射性シートは、再帰反射性積層体、及び再帰反射性積層体上の第1の可視インキ層を有するシートである。ここで、再帰反射性積層体は、反射材層及び透明球状体層を有し、透明球状体層は複数の透明球状体を有し、各透明球状体は少なくとも一部が反射材層に埋め込まれている。第1の可視インキ層は、下記(i)及び(ii)の部分の少なくとも一部を被覆しており、かつ複数の透明球状体の頂部を被覆していない:(i)複数の透明球状体の頂部以外の部分、及び(ii)複数の透明球状体の間隙の反射材層の部分。上記(i)の部分を被覆している第1の可視インキ層と、上記(ii)の部分を被覆している第1の可視インキ層とは、連続して一体となっていてもよい。
図1に、本発明の第1の態様における再帰反射性シートの積層構造の概略断面図を示す。
本発明の第2の態様において、再帰反射性シートは、再帰反射性積層体上に、複数の透明球状体の頂部を被覆している第2の可視インキ層を更に有することができる。
本発明の第3の態様において、再帰反射性シートは、再帰反射性積層体上に、複数の透明球状体の頂部を被覆している不可視インキ層を更に有することができる。
本発明の再帰反射性シートにおける再帰反射性積層体は、反射材層及び透明球状体層を有する積層体である。再帰反射性積層体において、透明球状体層は複数の透明球状体を有し、各透明球状体は少なくとも一部が反射材層に埋め込まれている。
透明球状体の露出率(%)={AB/(AB+AD)}×100
本発明の再帰反射性シートにおける、第1及び第2の可視インキ層は、それぞれ、非再帰反射条件下で視認できる可視インキから成る層であり、再帰反射性シートを透明球状体層側から観察したときに、任意の絵柄を形成していてよい。この任意の絵柄は、例えば、文字、記号、その他の意匠等、及びこれらの2種以上の組み合わせであっていてよい。
本発明の再帰反射性シートにおける不可視インキ層は、このインキ層を通して下層の絵柄等を視認できるインキ層であり、特に非再帰反射条件下で視認できない不可視インキから成る層である。この不可視インキ層は、再帰反射性積層体の複数の透明球状体の頂部を覆うように存在することにより、再帰反射性積層体のうちの不可視インキ層存在領域が、再帰反射しないようにする機能を有する。不可視インキ層は、再帰反射性シートを透明球状体層側から観察したときに、例えば、文字、記号、その他の意匠等、及びこれらの2種以上の組み合わせを含む、任意の絵柄を形成していてよい。
本発明の再帰反射性シートを製造する本発明の方法は、
再帰反射性積層体を準備すること、及び
再帰反射性積層体上に可視インキを印刷して、第1の可視インキ層を形成すること、
を含む。
再帰反射性積層体は、反射材層及び透明球状体層を有していればよく、市販品であってもよい。本発明の再帰反射性シートの製造方法に使用される再帰反射性積層体については、本発明の再帰反射性シートにおける再帰反射性積層体に関する記載を参照してよい。
第1の可視インキ層の形成に用いるインキは、粘度の低いものが好ましい。粘度の低いインキを使用することにより、再帰反射性積層体上に可視インキを印刷したとき、透明球状体層に接した可視インキを、複数の透明球状体の頂部に留まらせずに、複数の透明球状体上の頂部以外の部分、及び複数の透明球状体の間隙の反射材層の部分のうちの少なくとも一方に移動させ、その後に硬化させてよい。この方法によれば、本発明の再帰反射性シートを容易に製造できる。このような可視インキの移動を可能とするために、再帰反射性積層体上への可視インキの印刷は、反射材層を鉛直方向下側として、再帰反射積層体を略水平の状態に維持して行われてよい。
任意的に行われる第2の可視インキ層の形成は、好ましくは、少なくとも第1の可視インキ層を形成した後の再帰反射性シートの透明球状体層上に、所望の可視インキを用いて公知の印刷方法によって行われてよい。
任意的に行われる不可視インキ層の形成は、好ましくは、少なくとも第1の可視インキ層を形成した後の再帰反射性シートの透明球状体層上に、上述の不可視インキを用いて公知の印刷方法によって行われてよい。
再帰反射性積層体として、オープン型再帰反射フィルム((株)丸仁製、品名「LIGHT FORCETM LFU−1400」、透明球状体の平均直径45μm)を使用し、その透明球状体層側の面に、以下の条件下で、可視インキ及び不可視インキをこの順に、それぞれ印刷して、複数の透明球状体の頂部を被覆していない可視インキ層、及び複数の透明球状体の頂部を被覆している不可視インキ層を形成して、実施例1の再帰反射性シートを製造した。
印刷方法:インクジェット印刷、ドロップオンデマンド方式
印刷装置:キャノン(株)製、インクジェットプリンタ、品名「MG7730」、解像度9,600dpi×2,400dpi
可視インキ:キャノン(株)製、インクカートリッジBCI−371マゼンダ、粘度1〜5mPas(0.01〜0.05Poise)
絵柄:直径10mmの円(ベタ印刷)
印刷方法:活版印刷
不可視インキ:(株)T&K TOKA製、透明メジウムオフセットインキ
絵柄:直径10mmの円(ベタ印刷)を、可視インキ層の円と中心を5mmずらして印刷
可視インキを下記の条件下で印刷した他は、実施例1と同様にして、複数の透明球状体の頂部を被覆している可視インキ層、及び複数の透明球状体の頂部を被覆している不可視インキ層を有する比較例1の再帰反射性シートを製造した。
印刷方法:活版印刷
インキ:(株)T&K TOKA製、品名「BEST ONE 紅」
本実施例では、透明球状体の露出率と、可視インキ層の視認性及び再帰反射性との関係を調べた。
透明球状体の露出率(%)={AB/(AB+AD)}×100
良好:再帰反射条件において、可視インキ層が全く又はほとんど見えず、かつ再帰反射光が観察された場合
可:再帰反射条件において、可視インキ層がわずかに見え、かつ再帰反射光が観察された場合
11 透明球状体層
12 反射材層
21 第1の可視インキ層
22 第2の可視インキ層
31 不可視インキ層
40、41 重複領域
51a、52a、53a、54a、55a、56a 入射光
51b、52b、53b、54b、55b、56b 反射光、又は散乱光
101 第1の態様における再帰反射性シート
102 第2の態様における再帰反射性シート
103 第3の態様における再帰反射性シート
Claims (9)
- 再帰反射性積層体、及び前記再帰反射性積層体上の第1の可視インキ層を有する、再帰反射性シートの製造方法であって、
前記再帰反射性シートにおいて、
前記再帰反射性積層体は、反射材層及び透明球状体層を有し、
前記透明球状体層は複数の透明球状体を有し、各透明球状体は少なくとも一部が前記反射材層に埋め込まれており、
前記再帰反射性積層体上に、前記複数の透明球状体の頂部を被覆している第2の可視インキ層を更に有し、
前記第1の可視インキ層は、下記(i)及び(ii):
(i)前記複数の透明球状体の頂部以外の部分、及び
(ii)前記複数の透明球状体の間隙の前記反射材層の部分
の少なくとも一部を被覆しており、かつ前記複数の透明球状体の頂部を被覆しておらず、
前記第2の可視インキ層は、再帰反射を抑制して、入射光を散乱光として散乱し、かつ、
前記再帰反射性シートは真贋判定用であり、
前記再帰反射性シートの製造方法は、
前記再帰反射性積層体を準備すること、
前記再帰反射性積層体上に、第1の可視インキ層形成のための可視インキを、インクジェット印刷によって複数回印刷して、前記第1の可視インキ層を形成すること、及び
前記第1の可視インキ層形成後の再帰反射性積層体上に、第2の可視インキ層形成のための可視インキを印刷して、前記第2の可視インキ層を形成すること
を含む、
再帰反射性シートの製造方法。 - 前記第1の可視インキ層形成のための可視インキの粘度が、0.3Poise以下である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2の可視インキ層形成のための可視インキの粘度が、0.5Poise以上である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記再帰反射性シートを、前記透明球状体層側から観察したときに、
前記複数の透明球状体が前記第1の可視インキ層に被覆されていない露出部の面積の、前記第1の可視インキ層が存在する領域の面積に対する割合が、20%以上である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 前記再帰反射性積層体上で、前記第1の可視インキ層と前記第2の可視インキ層とが、少なくとも部分的に重複している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記再帰反射性積層体上に、前記複数の透明球状体の頂部を被覆している不可視インキ層を形成することを更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記再帰反射性積層体上で、前記第1の可視インキ層と前記不可視インキ層とが、少なくとも部分的に重複している、請求項6に記載の方法。
- 前記不可視インキ層を形成するためのインキが、メジウムインキである、請求項6又は7に記載の方法。
- 前記第1の可視インキ層形成のための可視インキを、インクジェット印刷によって印刷する回数が、2回以上8回以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
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