[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る遮光装置1を適用した顕微鏡MSを示す図である。以下の説明において、適宜、図1などに示すXYZ直交座標系を参照する。このXYZ直交座標系は、X方向およびY方向が水平方向(横方向)であり、Z方向が鉛直方向である。また、各方向において、適宜、矢印の先端と同じ側を+側(例、+Z側)、矢印の先端と反対側を−側(例、−Z側)と称す。鉛直方向(Z方向
)において、上方が+Z側であり、下方が−Z側である。
顕微鏡は、外光などの光が対物レンズに入射すると、得られる像の質が低下することがある。例えば、蛍光観察を行う場合、対物レンズに入射する光のうち照明光に由来する蛍光の光量が相対的に低くなり、像のコントラストが低下することがある。
本実施形態に係る顕微鏡MS(観察装置)は、例えば、倒立顕微鏡である。顕微鏡MSは、照明光の照射により標本Sから放射される光(以下、観察光という)を用いた観察に利用される。顕微鏡MSは、標本Sに照明光を照射し、標本Sで散乱した光(観察光)により標本Sの像を形成することで、標本Sの観察(以下、非蛍光観察という)に利用される。非蛍光観察における観察光は、標本Sで透過散乱した照明光でもよいし、標本Sで反射散乱した照明光でもよい。非蛍光観察において、顕微鏡MSは、標本Sを、標本Sに対する観察光の出射側と反対側から照明(透過照明)してもよいし、標本Sに対する観察光の出射側と同じ側から照明(落射照明)してもよい。また、顕微鏡MSは、蛍光物質を含む標本Sに対して蛍光物質を励起させる照明光(励起光)を照射し、蛍光物質から放射される蛍光(観察光)により蛍光物質の分布を示す像を形成して、標本Sの観察(以下、蛍光観察という)に利用される。蛍光観察において、顕微鏡MSは、標本Sを、透過照明してもよいし、落射照明してもよい。図1の顕微鏡MSは、透過照明により非蛍光観察が可能であり、かつ落射照明により蛍光観察が可能である。なお、顕微鏡MSは、非蛍光観察と蛍光観察の少なくとも一方に利用可能であればよい。
顕微鏡MSは、遮光装置1と、標本Sが配置されるステージ装置2と、ステージ装置2上の標本Sに照明光を照射する照明光学系3と、標本Sからの観察光が入射する対物レンズ4と、観察光により標本Sの像を形成する結像光学系5(観察光学系)(図2参照)と、ベース(支持部材)6とを備える。ベース6は、筐体などを含み、顕微鏡MSの各部を支持する。ベース6は、顕微鏡MSが設置される机、床などの上面に配置される。
ステージ装置2は、標本Sが載置される上面8a(標本載置面)を有するステージ8を備える。ステージ8は、上面8aが水平面(XY平面)と平行となるように、配置される。ステージ8は、X方向とY方向との少なくとも1方に移動可能な移動部材である。ステージ装置2は、照明光学系3(例、照明領域、照射)に対してステージ8を移動可能である。また、ステージ装置2は、対物レンズ4(例、観察領域、視野)に対してステージ8を移動可能である。ステージ装置2は、ベース6に支持され、ステージ8をベース6に対して移動可能である。ステージ装置2は、ステージ8の移動により、標本Sを移動可能である。なお、ステージ8は、所定の回転軸の周りで回転可能でもよい。この所定の回転軸は、水平方向に平行でもよいし、鉛直方向に平行でもよく、その他の方向でもよい。また、ステージ装置2は、ステージ8を手動(人力)により駆動するものでもよいし、ステージ8を電動により駆動するものでもよい。また、ステージ装置2は、標本Sを移動可能でなくてもよく、ステージ8は、ステージ装置2において移動不能でもよい。
照明光学系3は、落射照明に用いられる照明光学系(第1照明光学系)3aと、透過照明に用いられる照明光学系(第2照明光学系)3bと、を含む。照明光学系3bは、光源装置17a(後に図2に示す)からの照明光を、標本Sに照射する。照明光学系3bは、ステージ装置2のステージ8の上方(+Z側)に配置される。照明光学系3bは、鏡筒9(コンデンサレンズ鏡筒)に収容されており、鏡筒9に支持される。鏡筒9は、ベース6から上方に延びる支柱部10に支持される。照明光学系3bは、照明光学系3bのうち最も標本S(ステージ装置2)に近い位置に配置されるコンデンサレンズ11を含む。照明光学系3bには、コンデンサレンズ11が設けられる。コンデンサレンズ11は、ターレット12(レボルバ)に保持される。ターレット12は、コンデンサレンズ11を照明光学系3bの光路に配置可能である。なお、ターレット12には、コンデンサレンズ11以外に、位相差観察用の絞り、微分干渉顕微鏡用のプリズム等が保持されてもよい。
ステージ装置2上の観察領域Ra(図3参照)(標本S)は、照明光学系3bの光路に配置されたコンデンサレンズ11の後側焦点位置を含む面またはその近傍に配置(設定)される。ステージ8において標本Sが配置される領域には、照明光学系3bからの照明光が通過可能な窓13が設けられる。窓13には、照明光学系3bからの照明光が透過する特性を有する透光部材(例、ガラス板)が嵌め込まれ、標本Sは、この透光部材上に載置される。この透光部材は標本Sの一部でもよいし、標本Sはスライドガラスなどを含んでもよい。
落射照明に用いられる照明光学系3aは、ステージ8の下方(−Z側)に配置される。顕微鏡MSは、落射照明を用いる観察(例、蛍光観察)において、倒立顕微鏡に相当する。照明光学系3aは、光源装置17a(後に図2に示す)からの励起光を、対物レンズ4を介して標本Sに照射する。
落射照明において、対物レンズ4は、コンデンサレンズ(照明光学系3aの一部)として利用される。また、対物レンズ4は、結像光学系5の一部としても利用される。対物レンズ4は、ステージ装置2上の観察領域Ra(図3参照)(標本S)が前側焦点位置を含む面(前側焦点面)またはその近傍と一致するように、配置される。対物レンズ4の光軸AX1は、照明光学系3bの光軸、照明光学系3aの光軸、及び結像光学系5の光軸のそれぞれと同軸である。対物レンズ4は、上下方向に移動可能に設けられる。以下の説明において、顕微鏡MSの使用時の観察者側(−Y側)を、適宜、前面側という。また、顕微鏡MSの前面側と反対側(+Y側を)を、適宜、顕微鏡MSの背面側、あるいはステージ8の奥側という。なお、顕微鏡MSが備える対物レンズ4の数は、1つでもよいし、複数でもよい。また、対物レンズ4が複数備えられる場合、複数の対物レンズ4がレボルバに保持され、複数の対物レンズ4のいずれを照明光学系3aの光路に配置するかを切替可能でもよい。また、対物レンズ4は、上下方向に移動可能でなくてもよく、顕微鏡MSは、ステージ装置2のステージ8が上下方向に移動することで、標本Sと対物レンズ4との相対位置を上下方向に可能でもよい。
結像光学系5は、ベース6に収容され、ベース6に支持される。結像光学系5は、光路が分岐しており、それぞれの光路において標本Sの像を形成する。ユーザ(例、観察者)は、結像光学系5の第1の光路に形成される像を、接眼レンズ14を介して観察可能である。また、結像光学系5の第2の光路に像が形成される位置には、撮像素子15(図2参照)が配置される。撮像素子15は、CMOSイメージセンサあるいはCCDイメージセンサなどの二次元イメージセンサである。撮像素子15は、結像光学系5の第2の光路に形成される標本Sの像を撮像する。撮像素子15は、撮像した画像のデータを表示装置16に供給する。表示装置16は、撮像素子15により撮像された標本S(例、蛍光物質)の画像を表示し、ユーザは、表示装置16に表示される画像により標本Sを観察可能である。なお、顕微鏡MSは、撮像素子15及び表示装置16の少なくとも一方を備えなくてもよい。撮像素子15及び表示装置16の少なくとも一方は、顕微鏡MSに交換可能に設けられ、観察を行う際に顕微鏡MSに取り付けられてもよい。また、顕微鏡MSは、接眼レンズ14を介した観察と、撮像素子15が撮像した画像による観察との少なくとも一方が可能であればよい。
図2は、第1実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。まず、非蛍光観察に用いられる照明について説明する。光源装置17bは、光(照明光)を発する光源を含む。この光源は、LED(発光ダイオード)あるいはLD(レーザダイオード)などの固体光源でもよいし、ランプ光源などでもよい。光源装置17bが備える光源の数は、1つでもよいし、複数でもよい。光源装置17bは、射出する光の波長が互いに異なる複数の光源を備え、光源装置17bから出射する光の波長を切替可能でもよい。また、顕微鏡MSは、光源装置17bを備えなくてもよく、光源装置17bは、顕微鏡MSに交換可能に設けられ、観察を行う際に顕微鏡MSに取り付けられてもよい。
照明光学系3bは、光源装置17bの光出射側に、レンズ18、ミラー19、レンズ20、及びコンデンサレンズ11を備える。照明光学系3bは、透過照明を用いる観察に用いられる。光源装置17bから出射した照明光は、レンズ18を透過してミラー19で反射した後、レンズ20を透過する。コンデンサレンズ11は、レンズ20を透過した光が入射する位置に配置され、標本Sに光を照射する。
なお、照明光学系3bは、図2の構成に限定されず、適宜変更可能である。図2において、照明光学系3bは、光路がミラー19で折り曲がる光学系であるが、ミラー19を含まず光路が直線的な光学系でもよい。また、照明光学系3bは、絞り部材などの光学部材を備えていてもよい。また、照明光学系3bに含まれる部材の少なくとも一部は、照明光学系3bに含まれなくてもよく、光源装置17bに含まれてもよい。
次に、蛍光観察に用いられる照明について説明する。光源装置17aは、光(照明光)を発する光源を含む。この光源は、LED(発光ダイオード)あるいはLD(レーザダイオード)などの固体光源でもよいし、ランプ光源などでもよい。また、光源装置17aは標本Sに含まれる蛍光物質を励起させる励起光を含む光を発する。なお、光源装置17aが備える光源の数は、1つでもよいし、複数でもよい。光源装置17aは、射出する光の波長が互いに異なる複数の光源を備え、蛍光物質の種類に応じて、光源装置17aから出射する光の波長を切替可能でもよい。また、顕微鏡MSは、光源装置17aを備えなくてもよく、光源装置17aは、顕微鏡MSに交換可能に設けられ、観察を行う際に顕微鏡MSに取り付けられてもよい。
照明光学系3aは、光源装置17aの光出射側に、レンズ21、レンズ22、フィルタユニット23及び対物レンズ4を備える。照明光学系3aは、落射照明を用いる観察に用いられる。光源装置17aから出射した照明光は、レンズ21及びレンズ22を透過して、フィルタユニット23に入射する。フィルタユニット23は、フィルタ23aと、ダイクロイックミラー23bと、フィルタ23cと、を含む。フィルタ23aは、レンズ22から入射した励起光を透過し、励起光以外の光を遮光する特性を有する。ダイクロイックミラー23bは、フィルタ23cから入射した光(照明光)の一部が反射し、後述する対物レンズ4からの光(観察光)の一部が透過する特性を有する。ダイクロイックミラー23bで反射する光の光量と、ダイクロイックミラー23bを透過する光の光量との比は任意で設定され、8:2でもよいし、その他の比でもよい。ダイクロイックミラー23bで反射した光は、対物レンズ4に入射する。対物レンズ4は、ダイクロイックミラー23bで反射した光が入射する位置に配置され、標本Sに光を照射する。フィルタ23cについては、後述する結像光学系5の部分において説明する。
なお、照明光学系3aは、図2の構成に限定されず、適宜変更可能である。図2において、照明光学系3aは、絞り部材などの光学部材を備えていてもよい。また、照明光学系3aに含まれる部材の少なくとも一部は、照明光学系3aに含まれなくてもよく、光源装置17aに含まれてもよい。
結像光学系5は、結像光学系5a及び結像光学系5bを含む。結像光学系5aは、標本Sからの光(観察光)を撮像素子15に導く。結像光学系5aは、対物レンズ4、フィルタユニット23、レンズ(第2対物レンズ)25、ミラー26、レンズ27、ミラー28、レンズ29、ビームスプリッタ30、及びレンズ31を備える。
本実施形態において、対物レンズ4及びフィルタユニット23は、照明光学系3aと共通である。対物レンズ4は、その前側焦点を含む面(前側焦点面)がコンデンサレンズ11の後側焦点を含む面(後側焦点面)またはその近傍に配置される。対物レンズ4を通った光(観察光)は、ダイクロイックミラー23bを透過し、フィルタ23cに入射する。フィルタ23cは、標本Sから放射されて対物レンズ4を通った蛍光が透過する特性を有する。フィルタ23cを透過した光は、レンズ25を通ってミラー26で反射した後、レンズ27に入射する。レンズ25とレンズ27との間の光路には、対物レンズ4の前側焦点面(物体面)と光学的に共役な一次像面32が形成される。一次像面32には、標本Sの1次像(例、中間像)が形成される。
レンズ27を通った光は、ミラー28で反射してレンズ29を通り、ビームスプリッタ30に入射する。ビームスプリッタ30は、レンズ29から入射した光の一部が透過し、レンズ29から入射した光の一部が反射する特性を有する。ビームスプリッタ30で反射する光の光量と、ビームスプリッタ30を透過する光の光量との比は任意で設定され、例えば、8:2でもよいし、その他の比でもよい。ビームスプリッタ30で反射した光は、レンズ31に入射する。レンズ31は、ビームスプリッタ30で反射した光を撮像素子15に導く。レンズ27、レンズ29、及びレンズ31は、リレー光学系であり、一次像面32と光学的に共役な二次像面33を形成する。二次像面33には、標本Sの2次像(例、最終像)が形成される。撮像素子15は、二次像面33の位置またはその近傍に配置され、標本Sの2次像を撮像する。ユーザは、撮像素子15による撮像画像により標本Sを観察することができる。
結像光学系5bは、標本Sからの光(観察光)をユーザの視点VPに導く。結像光学系5bは、対物レンズ4からビームスプリッタ30までの要素が結像光学系5aと共通である。結像光学系5bは、ビームスプリッタ30に入射した光の透過側に、レンズ35、ミラー36及び接眼レンズ14を備える。ビームスプリッタ30を透過した光は、レンズ35を通ってミラー36で反射した後、接眼レンズ14に入射する。レンズ27、レンズ29、及びレンズ35は、リレー光学系であり、一次像面32と光学的に共役な二次像面38が形成される。二次像面38には、標本Sの2次像が形成される。ユーザは、接眼レンズ14を介して、標本Sの2次像を観察することができる。接眼レンズ14は、顕微鏡MSの前面側(図1参照)に配置される。ユーザは、顕微鏡MSの前面側にて標本Sを観察し、この位置から標本Sの交換、移動などの操作を行う。標本Sの操作を行う際に標本Sへアクセス(接近、接触)する方向は、標本Sの位置(例、ステージ8の中央)に対して、ステージ8よりも上方に延びる部材(例、支柱部10)の配置側(例、+Y側)を避けて選択される。ユーザは、標本Sの操作を行う際に、標本Sに対して−Y側、+X側、−X側のいずれからでも標本Sにアクセス可能である。
なお、結像光学系5(結像光学系5a及び結像光学系5b)の少なくとも一部は、図2の構成に限定されず、適宜変更可能である。顕微鏡MSは、結像光学系5aまたは結像光学系5bを備えなくてもよい。結像光学系5の他の例については、後の実施形態で説明する。
図1の説明に戻り、遮光装置1は、照明光に由来する光以外の光(以下、外光という)が対物レンズ4に入射するのを抑制する。照明光に由来する光は、標本Sを透過した照明光、標本Sで反射した照明光、標本Sに含まれる蛍光物質が照明光の照射により励起して発する蛍光などである。外光は、例えば、顕微鏡MSが設置される設備の室内灯(例、照明機器)からの光、設備の窓などから設備内に入射する自然光、迷光などである。図3は、前面側(−Y側)から見た遮光装置1を示す図である。遮光装置1は、遮光部材40を備え、対物レンズ4(標本)へ向かう(入射する)外光を遮光部材40によって遮光する。遮光装置1は、外光を遮光する状態と非遮光の状態(外光を遮光しない状態)とを切り替え可能である。遮光装置1は、外光の遮光時、ステージ8の観察領域Ra(観察位置)に配置された少なくとも標本Sの上方に位置決めされ、外光の非遮光時、ステージ8の観察領域Ra(観察位置)に配置された少なくとも標本Sの上方を開放するように位置決めされる。遮光部材40は、標本S(ステージ装置2のステージ8)の上方に配置される。遮光部材40は、コンデンサレンズ11のうち光を射出する射出面(下面)よりも下方に配置される。遮光部材40は、コンデンサレンズ11を保持するターレット12よりも下方に配置される。遮光部材40は、鏡筒9の下端(−Z側の端部)よりも下方に配置される。なお、遮光部材40は、鏡筒9の下端よりも上方に配置されてもよい。遮光部材40を鏡筒9の下端よりも上方に配置する場合、後に説明する図7から図10に示すように、遮光部材40(例、可動部41)は開口部55を備えてもよい。
遮光部材40(遮光装置1)とステージ8との遮光時の空間SP1の少なくとも一部は、その周囲の空間に開放される。遮光部材40とステージ装置2のステージ8との間の距離は、2cm以上に設定される。また、例えば、遮光部材40とステージ装置2のステージ8との間の距離を5cm以上に設定可能な場合、ユーザによる標本Sの操作性をより高くすることができる。図1において、空間SP1は、側方(+X側、−X側)および顕微鏡MSの前面側(−Y側)が外部に開放されている。ユーザは、空間SP1内の標本Sに対して、側方(+X側、−X側)および顕微鏡MSの前面側(−Y側)のいずれの方向からもアクセスすることができる。また、遮光部材40は、標本Sの観察領域Ra(観察位置)を含む周辺領域Rbの上方を開放可能な可動部41を含む。可動部41は、少なくとも標本Sの上方を開放可能である。可動部41は、外光を遮光する状態と非遮光の状態とを切り替える。可動部41は、外光の遮光時、ステージ8の観察領域Raに配置された少なくとも標本Sの上方に位置決めされ、外光の非遮光時、ステージ8の観察領域Raに配置された少なくとも標本Sの上方を開放するように位置決めされる。本実施形態では遮光時に側方に形成された空間を維持した状態で、遮光部材40を退避させ非遮光状態とすることが可能である。このため、観察時、遮光状態で遮光部材40の側方の空間を利用し側方に観察ユニット等を配置した場合、この状態から非遮光状態である遮光部材40を開いた状態に切り替える際、標本Sの側方に配置した観察ユニットを移動することなく、遮光部材40を開くことが可能であり、使い勝手が良いものとなる。この場合の回転方向は限定されない。また、可動部41は、空間SP1の側方(+X側、−X側)の少なくとも一部が開放される位置に配置される。可動部41は、空間SP1の側方が開放される位置に配置される。また、可動部41は、可動部41による遮光時の状態及び非遮光時の状態共に空間SP1の少なくとも一部が側方に開放される位置に配置される。これらの場合、ユーザは、遮光時の状態及び非遮光時の状態において、空間SP1内の標本Sに対して、側方の少なくとも一部からアクセスすることができる。なお、本明細書において、観察領域Ra(観察位置)は、対物レンズ4の視野を意味する。周辺領域Rbは、光軸AX1からの距離が5cm以上の空間でもよいし、光軸AX1からの距離が10cm以上でもよいし、ユーザの手が通行可能な空間でもよい。可動部41は、標本S(ステージ8)の上方を横方向に移動する。可動部41は、ステージ8の上面8a(標本載置面)に沿って移動可能である。可動部41は、対物レンズ4の光軸AX1と交差する面(例、光軸AX1に垂直な面、XY平面)に沿って移動可能である。なお、本明細書において、「対物レンズ4の光軸AX1」とは、観察位置に位置決めされた状態の対物レンズ4の光軸AX1を意味する。周辺領域Rb(標本Sの上方の空間SP1の一部)は、可動部41の横方向の移動によってその上方の空間に開放される。ユーザ(観察者)は、可動部41の横方向の移動により開放された空間(移動前の可動部41が配置されていた空間)を介して、標本Sの移動、交換などの操作を容易に行うことができる。可動部41は、顕微鏡MSの観察者側に相当する顕微鏡MSの前面側に配置(移動)可能であり、顕微鏡MSの前面側から背面側(ステージ8の奥側)へ退避(移動)可能である(後に図4に示す)。この場合、可動部41の移動(退避)により、標本Sの上方における顕微鏡MSの前面側(移動前の可動部41が配置されていた空間)は、物体(例、ユーザの手)が通行可能な空間になる。ユーザは、この空間SP1を介して、標本Sを容易に操作することができる。なお、この可動部41の可動量は任意に決定できる。標本Sへのアクセス操作としてステージ8上の観察位置Raに配置された標本Sの真上のみにアクセスすれば足りるような操作をする場合は、可動部41を全開放する必要は無く、操作に必要な最小限の量の開放のみを行うことも可能である。
本実施形態において、可動部41は、少なくとも、第1可動部42および第2可動部43を備える。第1可動部42及び第2可動部43は、それぞれ横方向に移動可能である。図1において、第1可動部42、第2可動部43は、それぞれ対物レンズ4の光軸AX1に対して−X側、+X側に配置される。第1可動部42および第2可動部43は、顕微鏡MSの前面側に配置された状態から、それぞれの前面側の部分がX方向に互いに離れるように移動し(後に図4に示す)、顕微鏡MSの背面側(ステージ8の奥側)に退避(移動)可能である。
遮光部材40は、可動部41を支持する固定部44を備える。可動部41は、固定部44に対して相対的に移動可能である。固定部44は、遮光部材40のうち顕微鏡MSの背面側(ステージ8の奥側)に配置される。固定部44は、ベース6に支持される。ベース6には、ステージ8(標本S)と遮光部材40との間隔を調整可能な間隔調整部48が設けられ、固定部44は間隔調整部48に接続される。固定部44は、ネジ止めにより、間隔調整部48に取り付けられる。間隔調整部48には、例えば、Z方向に並ぶ複数のネジ穴が設けられ、固定部44の固定用のネジを複数のネジ穴のいずれにねじ込むかにより、固定部44(遮光部材40)のZ方向の位置(高さ)を可変に設定できる。ユーザは、標本Sの種類や、標本Sを操作する際の操作性に応じて、ステージ8と遮光部材40との間隔を調整することができる。なお、間隔調整部48は、ねじ孔を用いる機構でなくてもよく、Z方向に固定部44を移動可能なスライド機構などでもよいし、その他の構成でもよい。また、顕微鏡MSは、間隔調整部48を備えなくてもよい。遮光部材40が間隔調整部48を備えていてもよい。
図4は、本実施形態に係る遮光装置1を示す図である。図4(A)は、遮光部材40の可動部41が所定の第1領域R1に配置された状態(以下、挿入状態という)であり、図4(B)は、遮光部材40は、可動部41が第1領域R1から第2領域R2に移動した状態(以下、退避状態という)である。図4(C)は、図4(A)のA−A線に沿った断面図である。
第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ板状である。固定部44は、第1可動部42および第2可動部43を挟み込んで支持する。固定部44は、天板部44a、底板部44b、及び取り付け部46を含む。天板部44aおよび底板部44bは、それぞれXY面に平行な板状であり、Z方向に互いに離間して配置される。固定部44は、第1可動部42および第2可動部43を、天板部44aと底板部44bとの間のギャップに挟み込むように支持する。取り付け部46は、遮光部材40のうち顕微鏡MSの背面側(ステージ8の奥側)に配置される。取り付け部46には、固定部44をベース6の間隔調整部48に取り付ける際のネジが設けられる。このネジは、取り付け部46に設けられる貫通孔を通して、間隔調整部48のネジ穴にねじ込まれる。
第1可動部42、第2可動部43および固定部44は、それぞれ、外光(例、可視光、紫外光、赤外光)を吸収あるいは反射する特性を有する。第1可動部42、第2可動部43および固定部44は、それぞれ、金属で形成される。第1可動部42、第2可動部43および固定部44の少なくとも一部は、金属以外の材料で形成されてもよく、樹脂あるいは金属酸化物で形成されてもよい。また、第1可動部42、第2可動部43および固定部44の少なくとも一部は、母材の表面を黒体化したもの、あるいは母材の表面に遮光性の膜を形成したものでもよい。
第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、所定の回転軸の周りで回転可能に設けられ、回転により横方向に移動する。第1可動部42は、光軸AX1と平行な回転軸AX2の周りで回転可能に設けられる。また、第2可動部43は、光軸AX1と平行な回転軸AX3の周りで回転可能に設けられる。第1可動部42は歯車51と固定される。歯車51は、回転軸AX2周りで固定部44に対して回転可能に設けられる。歯車51は、固定部44に支持される。また、第2可動部43は歯車52と固定される。歯車52は、回転軸AX3周りで固定部44に対して回転可能に設けられる。歯車52は、固定部44に支持される。歯車51と歯車52とは、噛み合わされており、その一方(例、歯車51)が回転すると、他方(例、歯車52)が連動して回転する。本実施形態において、歯車51と歯車52とは歯車のピッチが同様であり、第1可動部42を図4(A)に示す状態から対物レンズ4の光軸AX1と交差する面における角度θの量で移動した場合(図4(B)参照)、第1可動部42と第2可動部43とが連動して移動し、第2可動部43も、対物レンズ4の光軸AX1と交差する面(ステージの標本載置面8bに沿った方向)において、第1可動部42と同様に角度θの量で逆向きに回転(移動)する。このように、歯車51と歯車52とが互いに連動して回転することにより、第1可動部42と第2可動部43とが連動して回転する。
第1可動部42および第2可動部43には、それぞれ、+Z側に延びる突起状の把持部54が設けられる。ユーザは、把持部54を使って、第1可動部42及び第2可動部43を操作(移動)することができる。なお、把持部54は、+Z側に延びる突起形でなくてもよく、孔状や凹状の形状でもよい。
図4(B)に示すように、可動部41は、横方向の移動によって、遮光部材40(遮光装置1)のうち可動部41を除く部分(例、固定部44)と重なる位置に配置可能である。可動部41は、遮光装置1が非遮光の状態において、遮光部材40(遮光装置1)のうち可動部41を除く部分(例、固定部44)と重なる位置に配置可能である。図4(A)に示した挿入状態は、Z方向から見た場合に可動部41と固定部44とで重なる部分の面積(重なり面積)が最小となる状態(絞りが閉じた状態、閉状態)である。図4(C)に示すように、第1可動部42と第2可動部43とは、挿入状態においてそれぞれの端部42a、端部43aが互いに重なる位置に、配置可能である。本実施形態において、第1可動部42および第2可動部43のそれぞれの端部は、厚みがステップ的に変化する階段状である。第1可動部42の端部42aは、第1可動部42における−Z側の部分が+X側に延びた形状であり、第2可動部43の端部43aは、第2可動部43における+Z側の部分が−X側に延びた形状である。挿入状態において、端部42a上に端部43aが重なって配置されることで、第1可動部42と第2可動部43との間から光が漏れることを抑制することができる。
また、挿入状態から可動部41が移動するにつれて、可動部41と固定部44との重なり面積が大きくなる。第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、顕微鏡MSの前面側から見て左右に開くように回転する。この回転により、第1可動部42および第2可動部43の一部は、固定部44の天板部44aと底板部44bとのギャップに入り込み、このギャップ内に収容される。図4(B)の退避状態は、Z方向から見た場合に可動部41と固定部44との重なり面積が最大となる状態(絞りが開いた状態、開状態)である。このように可動部41を遮光部材40の他の部分と重なる位置に移動(退避)させる場合、退避状態において遮光部材40をコンパクトにすることができる。以下の説明において、挿入状態と退避状態のうち、挿入状態のみにおいて可動部41が配置される領域を適宜、第1領域R1という。第1領域R1は、可動部41の移動により物体(例、ユーザの手)が通過可能となる領域である。第1領域R1は、ユーザが標本Sにアクセスしやすいように、光軸AX1に対して顕微鏡MSの前面側に設定される。また、退避状態において可動部41が配置される領域を適宜、第2領域R2という。第2領域R2は、ユーザが標本Sにアクセスする際にユーザの手などと衝突しないように、光軸AX1に対して顕微鏡MSの背面側(ステージ8の奥側)に設定される。
ここで、図4において、符号R3は、透過照明を行う際に照明光が通る光路に相当する領域(以下、第3領域という)である。図4(A)に示す挿入状態において、可動部41は、第3領域R3を遮光するように設けられる透過照明を行う際には、可動部41を退避状態とし、図1および図2に示した照明光学系3bからの照明光を、第3領域R3を通して、標本Sに照射することができる。なお、遮光部材40は、挿入状態において第3領域R3を光が通過可能なものでもよい。第3領域R3の上方に鏡筒9が配置される場合、第3領域R3は、外光に対して鏡筒9の影となるので、第3領域R3を光が通過可能な場合でも、外光が第3領域R3を介して対物レンズ4へ入射することを抑制することができる。また、鏡筒9の下端が遮光部材40よりも下方に配置される場合、鏡筒9を第3領域R3の内側を通すことにより、外光が第3領域R3を介して対物レンズ4へ入射することを抑制することができる。また、遮光部材40は、各部の間(例、可動部41と固定部44との間、第1可動部42と第2可動部43との間)に隙間があってもよく、この場合においても遮光部材40を設けない場合と比較して、対物レンズ4へ入射する外光の光量を低減することができる。
なお、第1可動部42および第2可動部43は、対物レンズ4の光軸AX1と非垂直かつ非平行な面(例、光軸AX1に対して傾斜する面)に沿って移動可能でもよい。また、第1可動部42および第2可動部43は、平面に沿った移動以外の形態で、横方向に移動してもよい。第1可動部42および第2可動部43は、互いに連動しなくてもよく、互いに独立して横方向に移動してもよい。また、可動部41(第1可動部42および第2可動部43)は、アクチュエータにより移動するものでもよい。また、本実施形態において、可動部41に含まれる可動な部分(例、第1可動部42、第2可動部43)の数は、2つでなくてもよく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
次に、本実施形態に係る観察方法を上記した顕微鏡MSの動作に基づいて説明する。図5(A)は、本実施形態に係る観察方法を示すフローチャートであり、図5(B)は、図5(A)のステップS1の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る観察方法は、顕微鏡MSと異なる構成の顕微鏡を用いる観察方法にも適用可能である。
図5(A)のステップS1において、少なくとも標本Sの上方に遮光部材40を配置し、外光を遮光する状態にする位置に配置する。少なくとも標本Sの上方に可動部41を配置する。ステップS1は、観察時に行われる。例えば、図5(B)のステップS11において、可動部41を、第1領域R1(例、顕微鏡MSの前面側)から第2領域R2(例、顕微鏡MSの背面側(ステージ8の奥側))に移動し、退避状態にする。続くステップS12において、標本Sをステージ装置2のステージ8に配置する。ステップS12では、可動部41が第1領域R1から退避しているので、標本Sを容易に配置することができる。続くステップS13では、可動部41を第2領域R2からに移動し、挿入状態にする。ステップS13により、標本Sの上方に遮光部材40が配置される。
図5(A)の説明に戻り、ステップS2において、照明光を標本Sに照射する。続くステップS3において、標本Sを観察する。ステップS3では、遮光部材40により外光が遮光されるので、外光により像のコントラストが低下することが抑制され、精度が高い観察像を得ることができる。続くステップS4において、遮光部材40の可動部41を移動して、標本Sの観察領域Raを含む周辺領域Rbの上方(少なくとも標本Sの上方を)を開放し、外光を非遮光の状態にする位置に配置する。ステップS4は、例えば、非観察時に行われる。ステップS4では、周辺領域Rbの上方(少なくとも標本Sの上方)が解放されるので、標本Sを容易に操作できる。ステップS14において、標本Sの上方で遮光部材40の可動部41を横方向に移動する。例えば、ステップS14では、可動部41を第1領域R1から第2領域R2に移動し、退避状態にする。続くステップS5では、標本Sを操作する。ステップS5では、可動部41が第1領域R1から退避しているので、標本Sを容易に操作することができる。
図6(A)は、図5(A)のステップS4、ステップS5、及びそれ以降の処理の一例を示す図である。ステップS15(ステップS4)において、可動部41を第1領域R1から顕微鏡MSの第2領域R2に移動し、退避状態にする。続くステップS16(ステップS5)では、標本Sに対する操作として、標本Sを観察対象の次の標本Sに交換する。ステップS16では、可動部41が第1領域R1から退避しているので、標本Sを容易に交換することができる。続くステップS17において、可動部41を第2領域R2から第1領域R1に移動し、挿入状態にする。続くステップS18において、次の標本Sを観察する。ステップS18では、遮光部材40により外光が遮光されているので、外光により像のコントラストが低下することが抑制され、精度が高い観察像を得ることができる。
図6(B)は、図5(A)のステップS4、ステップS5、及びそれ以降の処理の一例を示す図である。ステップS15(ステップS4)において、可動部41を第1領域R1から第2領域R2に移動し、退避状態にする。続くステップS20(ステップS4)において、標本Sに対する操作として、標本Sを移動する。ステップS20では、標本Sを移動し、標本S上の視野(観察位置)を変更することができる。ステップS20において可動部41が退避しているので、標本Sを容易に移動することができ、標本上の視野を容易に変更することができる。続くステップS17において、可動部41を第2領域R2から第1領域R1に移動し、挿入状態にする。続くステップS21において、移動後の標本Sを観察する。ステップS21では、遮光部材40により外光が遮光されているので、外光により像のコントラストが低下することが抑制され、精度が高い観察像を得ることができる。
図6(C)は、図5(A)のステップS4、ステップS5の処理の他の例を示す図である。標本Sの観察が終了した後、ステップS15(ステップS4)において、可動部41を第1領域R1から第2領域R2に移動し、退避状態にする。続くステップS22(ステップS5)において、標本Sに対する操作として、標本Sをステージ装置2上から移動(退去)する。ステップS22では、可動部41が退避しているので、標本Sを容易に退去することができる。なお、ステップS5の操作処理は、顕微鏡MSのメンテナンスなどを含んでもよい。また、顕微鏡MSは、挿入状態においてもステージ8(標本S)と遮光部材40(遮光装置1)との間の空間SP1が横方向に開放されているので、可動部41を第1領域R1に配置したまま標本Sに対する操作を行うこともできる。例えば、ユーザは、可動部41により外光を遮って蛍光観察を行いながら、標本Sを移動させることもできる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図7は、第2実施形態に係る遮光装置1を示す図であり、(A)は挿入状態に相当し、(B)は退避状態に相当する。
本実施形態に係る遮光装置1において、遮光部材40は、横方向に移動する可動部41と、可動部41を支持する固定部44と、設置部45と、取り付け部46と、駆動部47と、を含む。可動部41は、少なくとも、第1可動部42および第2可動部43を含む。第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、その平面形状(+Z側からみた平面形状)が円形の一部の板状である。また、固定部44は、その平面形状が円形の一部である。本実施形態において、第1可動部42、第2可動部43および固定部44は、それぞれ、その平面形状が、角度が約120°の扇状である。これらの扇状の中心部分には、鏡筒9の側面と略同様の内側形状を有する円環状の設置部45が設けられる。設置部45の内側には、円状の開口部55が形成される。開口部55は、鏡筒9の下端(先端部)を挿通可能である。固定部44は、第1可動部42および第2可動部43を挟み込んで支持する。固定部44は、第1可動部42および第2可動部43の少なくとも一部を収容する。
第1可動部42、第2可動部43および固定部44は、それぞれ、標本Sの上方(ステージ8の上方)で、且つ対物レンズ4の光軸AX1と交差する面(例、XY平面と平行な面)に配置される。本実施形態において、遮光部材40は、図1に示した鏡筒9の下端よりも上方(鏡筒9の側方)に配置可能である。遮光部材40は、設置部45の内側の開口部55に鏡筒9の先端部が挿入されることで、鏡筒9の側方に配置される。固定部44の取り付け部46は、ねじ部46aを有し、このねじ部46aの押圧により鏡筒9の側方に取り付けられる。また、固定部44は、間隔調整部48として利用可能である。鏡筒9に対してねじ部46aを締める位置をZ方向において調整することにより、ステージ装置2のステージ8(図1参照)と遮光部材40との間隔を調整することができる。
第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、標本Sの上方を横方向に移動可能である。本実施形態において、第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、対物レンズ4の光軸AX1と交差する面に沿って移動可能である。第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ横方向に移動して、互いに重なる位置に配置可能である。第1可動部42および第2可動部43は、Z方向の位置(高さ)が異なるように配置される。第1可動部42および第2可動部43は、横方向に移動して、遮光部材40(遮光装置1)のうち可動部41を除く部分(例、固定部44)と重なる位置に配置可能である。図7(B)に示すように、第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ横方向に移動して、そのほぼ全体が固定部44と重なる位置まで移動可能である。また、第1可動部42と第2可動部43とは互いに重なる位置まで移動可能である。図7(A)は、可動部41と固定部44との重なり面積が最小となる状態(例、挿入状態)であり、この状態において、第1可動部42および第2可動部43は、顕微鏡MSの前面側に配置される。また、図7(B)は、可動部41と固定部44との重なり面積が最大となる状態(例、退避状態)であり、この状態において、第1可動部42および第2可動部43は、顕微鏡MSの背面側(ステージ8の奥側)に配置される。
第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、所定の回転軸の周りで回転可能に設けられ、回転により横方向に移動する。第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、光軸AX1と平行な回転軸AX4の周りで回転可能に設けられる。駆動部47は、第1可動部42および第2可動部43を回転駆動する。駆動部47は、直線運動を回転運動に変換する。ここでは、駆動部47のうち第2可動部43を駆動する部分を代表的に説明するが、駆動部47のうち第1可動部42を駆動する部分も同様である。駆動部47は、ラック47aおよびピニオンギア47bを備える。ピニオンギア47bは、第2可動部43と固定され、回転軸AX4の周りで固定部44に対して回転可能である。ラック47aは、Y方向に直線的に移動可能な把持部54に設けられる。ラック47aは、ピニオンギア47bと噛み合わされている。ユーザが把持部54をY方向に移動させると、ラック47aがY方向に移動することで、ピニオンギア47bが回転軸AX4の周りで回転し、ピニオンギア47bに固定された第2可動部43も回転軸AX4の周りで回転する。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図8は、第3実施形態に係る遮光装置1を示す図であり、(A)は挿入状態に相当し、(B)は退避状態に相当する。また、図8(C)は、遮光装置1の他の例を示す図である。
本実施形態に係る遮光装置1は、遮光部材40を備える。遮光部材40は、横方向に移動する可動部41と、可動部41を支持する固定部44と、を含む。可動部41は、板状であり、その平面形状(+Z側からみた平面形状)が円形の一部である。可動部41の平面形状は、円環の一部(扇状)であり、その中心角が約120°である。また、固定部44は、その平面形状+Z側からみた平面形状が円形の一部である。固定部44の平面形状は、円環の一部(扇状)であり、その中心角が約270°である。固定部44の内周には、鏡筒9の側面(外周面)と接続される設置部45が設けられる。設置部45の内側には、円状の開口部55が形成される。固定部44の内周(開口部55)の径と鏡筒9の外周の径とは、固定部44の内側に鏡筒9を、がたつきなく通すことができるレベルでほぼ同じに設定される。
可動部41は、標本Sの上方を横方向に移動可能である。本実施形態において、可動部41は、対物レンズ4の光軸AX1(図1参照)と交差する面に沿って移動可能である。固定部44には、可動部41の移動経路を規定するガイド(図示せず)が設けられる。このガイドは、可動部41の外周と同心の円弧状である。可動部41は、ガイドに対して滑り移動可能に接触し、ガイドに沿って移動する。
なお、可動部41及び固定部44のそれぞれの中心角は任意に設定可能であり、図9(c)に示すように約180°でもよい。この場合、退避状態において、可動部41のほぼ全体と固定部44のほぼ全体が重なるので、遮光部材40を最小化することができる。
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図9は、第4実施形態に係る遮光装置1を示す図である。図9(A)は退避状態に相当し、図9(B)は退避状態から挿入状態へ変更する過程の状態に相当し、図9(C)は挿入状態に相当する。
本実施形態に係る遮光装置1は、遮光部材40を備える。遮光部材40は、横方向に移動する可動部41と、可動部41を支持する固定部44と、を含む。可動部41は、鏡筒9の先端部を挿通可能な開口部55を有する。開口部55は、貫通孔である。本実施形態において、可動部41は、横方向(例、Y方向)において直線的に移動可能である。固定部44は、可動部41の移動経路を定めるガイド部56を含む。ガイド部56は、Y方向に直線状に延びる溝状であり、可動部41は、その外周の一部がガイド部56に接触しながら、ガイド部56に対して滑り移動する。これにより、可動部41は、鏡筒9に対してY方向に移動する。可動部41は、開口部55に対して−Y側の部分に、弾性部57を含む。弾性部57は、ゴムなどの弾性変形が容易な材質である。弾性部57は、概ね板状であり、可動部41の移動方向(Y方向)に交差する方向(例、X方向)に分割されている。図9(B)に示すように、可動部41がY方向に移動すると、弾性部57は鏡筒9と接触し、鏡筒9から受ける力により弾性変形する。図9(C)に示すように、さらに可動部41がY方向に移動すると、開口部55に鏡筒9が配置される。この状態において、弾性部57は、変形が解除されて、可動部41上の鏡筒9の移動経路を塞ぐ。
このように、可動部41は、標本Sの上方において横方向に直線的に移動するものでもよい。また、本実施形態において、遮光部材40は、弾性部57の変形によって可動部41上の鏡筒9の移動経路を塞ぐことにより、この移動経路において外光が漏れることを抑制することができる。なお、遮光部材40は、弾性部57の代わりに、鏡筒9の移動経路に挿脱可能な第3可動部を備えてもよい。この第3可動部は、X方向にスライド移動することで鏡筒9の移動経路に挿脱され、鏡筒9の移動経路を閉じた状態と開放した状態とを切り替え可能でもよい。また、遮光部材40は、弾性部57および上記の第3可動部を備えなくてもよく、この場合においても遮光部材40が設けられない場合と比較して、対物レンズ4に入射する外光の光量を低減することができる。また、遮光部材40が鏡筒9の下端よりも下方に配置される場合、開口部55、弾性部57、上記の第3可動部などはいずれも設けられなくてもよい。
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図10は、第5実施形態に係る遮光装置1を示す図である。図10(A)は斜視図であり、図10(B)は挿入状態に対応する平面図であり、図10(C)は退避状態に対応する平面図である。
本実施形態に係る遮光装置1は、遮光部材40を備える。遮光部材40は、横方向に移動する可動部41と、可動部41を支持する固定部44と、を含む。遮光部材40は、平面形状が概ね長方形(例、正方形)の板状である。遮光部材40は、鏡筒9の先端部を挿通可能な開口部55を有する。遮光部材40は、Z方向から見て開口部55を通る線L1を境界として、可動部41および固定部44に分割されている。ここでは線L1がX方向と平行であるが、線L1は、Y方向に平行でもよいし、対物レンズ4の光軸AX1(図1参照)に交差する面(例、XY平面)上の任意の方向でもよい。
固定部44は、図1と同様に、ベース6の支柱部10に固定される。固定部44は、鏡筒9に固定されてもよい。可動部41は、駆動部47を介して固定部44と接続される。駆動部47は、線L1と遮光部材40との交点の位置に設けられ、可動部41を固定部44に対して移動可能に支持する。駆動部47は固定部44に支持され、可動部41は、駆動部47を介して固定部44に支持される。
駆動部47は、可動部41を回転軸AX5の周りで回転可能に支持する。回転軸AX5は、対物レンズ4の光軸AX1と平行に設定される。ここでは、可動部41は、Z方向の位置(高さ)が固定部44と同等に設定される。図10(B)の挿入状態から駆動部47が可動部41を回転させると、可動部41の+X側の辺Qが回転軸AX5の周りで回転する。図10(C)に示すように、駆動部47は、可動部41の辺Qが固定部44にほぼ接する位置まで、可動部41を移動可能である。このように、可動部41は、横方向の移動によって、遮光部材40(遮光装置1)において可動部41を除く部分との重なり面積が変化しないものでもよい。なお、駆動部47は、可動部41を固定部44と異なる高さに支持し、可動部41の少なくとも一部が固定部44と重なる位置まで可動部41を移動可能でもよい。
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図11は、第6実施形態に係る遮光装置1を示す図である。図11(A)は、挿入状態に対応する斜視図であり、図11(B)は挿入状態に対応する平面図であり、図11(C)は退避状態に対応する平面図である。
本実施形態に係る遮光装置1は、遮光部材40を備える。遮光部材40は、横方向に移動する可動部41と、可動部41を支持する固定部44と、を含む。可動部41は、複数の可動部41a〜41cを含む。可動部41a〜41cは、板状であり、平面形状が円形の一部(扇状)である。可動部41a〜41cは、平面形状の円形に対応する中心が一致するように配置され、この中心に設けられた駆動部47に支持される。可動部41a〜可動部41cは、Z方向の位置(高さ)が互いに異なるように、駆動部47に支持される。駆動部47は、可動部41a〜41cをそれぞれ回転可能に支持する。可動部41a〜41cは、いずれも同じ寸法および形状であり、Z方向から見て外形が一致するように重ねることができる。固定部44は、可動部41a〜41cと同一の寸法および形状である。固定部44は、Z方向の位置(高さ)が可動部41a〜41cのいずれとも異なるように、駆動部47に支持される。固定部44は、その扇状のもとになる円形の中心において、駆動部47に支持される。駆動部47は、可動部41a〜41cのそれぞれを、固定部44と外形が一致するように重ねることができる。
このように、可動部41の少なくとも一部は、固定部44と別の部材(例、駆動部47)に支持されてもよい。また、固定部44の代わりに可動部41a〜41cと同様の可動部を設け、固定部44を設けなくてもよい。なお、複数の可動部41a〜41cのうち少なくとも1つは、他の可動部とZ方向の位置(高さ)が同じでもよいし、固定部44とZ方向の位置(高さ)が同じでもよい。また、複数の可動部41a〜41cのうち少なくとも1つは、他の可動部に対して寸法と形状の少なくとも一方が異なってもよいし、固定部44に対して寸法と形状の少なくとも一方が異なってもよい。本実施形態において、駆動部47は、ステージ8(ステージ装置2)に支持された支持部60に取り付けられる。遮光部材40は、駆動部47および支持部60を介して、ステージ8に支持される。このように、遮光部材40は、ベース6の支柱部10と別の部材に支持されてもよい。
[第7実施形態]
第7実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図12は、第7実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、第1実施形態と同様に接眼レンズ14を介して標本Sを観察可能であるが、第1実施形態で説明したような標本Sの撮像を行わない。この場合、顕微鏡MSは、結像光学系5a、撮像素子15及び表示装置16の少なくとも一部を備えなくてもよい。また、図12に示すように、遮光部材40はコンデンサレンズ11を支持する鏡筒9(図1参照)の先端部と標本Sを載置するステージ2(図1参照)との間に配置される構成でも良い。この場合、図7から図10で図示されるようなコンデンサレンズ鏡筒9を貫通させるための開口部55を遮光部材40に形成する必要はない。つまり、遮光部材40の可動部41を設置する光軸AX1方向の位置が、コンデンサレンズ鏡筒9の先端部とステージ8との間でもよい条件の場合、遮光部材40にコンデンサレンズ鏡筒9を貫通させる必要がない。なお、対物レンズ4の光軸AX1方向における可動部41の配置位置は、対物レンズ4の光学設計や乾式対物レンズか湿式対物レンズか等の条件で決定される。また、対物レンズ4の光軸AX1方向における可動部41の配置位置は、標本Sの厚みにより考慮しても良い。
なお、本実施形態の顕微鏡MSにおいて、ステージ装置2、ベース6(支持部材)、遮光装置1、光源装置17b、光源装置17b、照明光学系3b、照明光学系3a及び結像光学系5bは、第1実施形態と同様であるが、これらの少なくとも一部は、上記実施形態において説明したいずれのものを用いてもよい。
[第8実施形態]
第8実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図13は、第8実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、第1実施形態で説明したような標本Sの撮像が可能であり、撮像した画像による観察が可能であるが、第1実施形態で説明したような接眼レンズ14を介した標本Sの観察が不能である。この場合、顕微鏡MSは、結像光学系5bの少なくとも一部を備えなくてもよい。
なお、本実施形態の顕微鏡MSにおいて、ステージ装置2、ベース6、遮光装置1、光源装置17b、光源装置17b、照明光学系3b、照明光学系3a及び結像光学系5aは、第1実施形態と同様であるが、これらの少なくとも一部は、上記実施形態において説明したいずれのものを用いてもよい。
[第9実施形態]
第9実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図14は、第9実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、照明光学系3bを備えず、透過照明を行わない。ユーザは、落射照明により照明された標本Sを観察可能である。この場合、遮光部材40は、図7から図10に示したようにコンデンサレンズ鏡筒9を貫通させる必要が無いので、遮光状態において遮光部材40が完全に遮光可能なように開口部55を設ける必要がない。
なお、本実施形態の顕微鏡MSにおいて、ステージ装置2、ベース6、遮光装置1、光源装置17b、光源装置17b、照明光学系3a、結像光学系5a及び結像光学系5bは、第1実施形態と同様であるが、これらの少なくとも一部は、上記実施形態において説明したいずれのものを用いてもよい。
[第10実施形態]
第10実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図15は、第10実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、照明光学系3aを備えず、落射照明を行わない。ユーザは、透過照明により標本Sを観察可能である。この場合、顕微鏡MSは、結像光学系5a及び結像光学系5bにフィルタユニット23を備えなくてもよい。また、この顕微鏡MSにより蛍光観察を行う場合、対物レンズ4よりも像面側(例、対物レンズ4とレンズ25との間)の光路に、励起光を遮断するフィルタ62が設けられる。フィルタ62は、励起光を遮光し、標本Sから放射されて対物レンズ4を通った蛍光が透過する特性を有する。フィルタ62は、励起光の種類に応じて任意に設定される。なお、フィルタ62は、複数の異なるものが備えられていてもよい。
なお、本実施形態の顕微鏡MSにおいて、ステージ装置2、ベース6、遮光装置1、光源装置17bは、第1実施形態と同様であるが、これらは、それぞれ、上記実施形態において説明したいずれのものを用いてもよい。また、顕微鏡MSはフィルタユニット23を備え、第1実施形態における光源装置17b、レンズ21及びレンズ22は、それぞれ、交換可能に設けられ、観察を行う際に顕微鏡MSに取り付けられてもよい。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。また、法令で許容される限りにおいて、日本特許出願である特願2015−224576の内容を援用して本文の記載の一部とする。
遮光装置1は、前後方向(Y方向)に平行な軸(回転軸AX2、AX3が対物レンズ4の光軸AX1と交差する軸)周りに回転可能な可動部41を備え、可動部41を前後方向に平行な軸周りに回転することにより、標本Sの観察領域Raを含む周辺領域Rbの上方を開放してもよい。このような回転軸がコンデンサレンズ11の位置にある場合、非遮光状態における可動部41の退避位置は、遮光位置に対して上方であって、コンデンサレンズ鏡筒9の側面側(顕微鏡MSに対する観察者から見て右側または左側、または前方または後方)になる。可動部41の面積が小さい場合は、コンデンサレンズ11のある一方の側面側に可動部41を退避することが可能である。この構成の場合、非遮光状態にした際、可動部41が自重等により退避位置から遮光位置に戻ってしまうことが無いように、コンデンサレンズ鏡筒9と可動部41との嵌合部にクリック機構等の可動部41の退避位置決め機構を設けることが有効である。また、この構成により遮光位置から退避位置の中間位置での位置決めが可能な段階的な位置決め機構を備えても良い。なお、可動部41の位置決め機構(退避位置決め機構)は、クリック機構に限らず、上記した嵌合部に常時適当な締め付け状態を維持する機構を設ければ、可動部41を任意の位置に位置決めすることが可能となる。
また、可動部41の退避の方向は、顕微鏡操作時の観察者側から見て一方側のみである必要は無く、退避の方向を左側か右側かで選択可能としてもよい。これにより、観察者の好みに応じた退避位置を選択可能となる。
更に、可動部41は観察標本の大きさ、または対物レンズ4の倍率等に応じて遮光範囲を変更可能にするものでも良い。可動部41が1つの部材で形成されている場合は、異なる大きさの可動部41を有する遮光装置1を交換して使用できるように、コンデンサレンズ鏡筒9に対して遮光装置1を着脱可能としてもよいし、また、可動部41の形状が変更可能になる構成としてもよい。可動部41が1つの部材で形成されている場合は、円形の可動部41を有する遮光装置1に換えて、矩形の可動部41を有する遮光装置1を配置することも可能である。これにより、培養容器の形状に対応した遮光状態を構築することが可能となる。
また、顕微鏡MSは、微分干渉観察を行う機構、位相差観察を行う機構を備えるものでもよい。また、顕微鏡MSは、実体顕微鏡であってもよい。また、顕微鏡MSは、対物レンズ4がステージ装置2の上方に配置される、いわゆる正立顕微鏡であってもよい。また、遮光装置1は、顕微鏡MS以外の観察装置に対して用いてもよい。
また、可動部41の面積が大きい場合、上記のようなコンデンサレンズ鏡筒9の一方の側面側への退避では、非遮光状態における顕微鏡MSの操作の妨げになることが予想される。このような場合、図4(図1)等で示したように、可動部41を2枚(複数枚)設け、それぞれの可動部41をコンデンサレンズ鏡筒9の側面側における複数方向に退避させる構成でも良い。