JP6760119B2 - 電池温度推定装置、電池温度推定方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

電池温度推定装置、電池温度推定方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、二次電池の内部温度を推定する電池温度推定装置、電池温度推定方法及びコンピュータプログラムに関する。
二次電池は充電管理に係る処理を行なう処理装置と接続されており、処理装置は二次電池の充電状態(SOC:State Of Charge )及び、健康状態(SOH:State Of Health )に関する情報を処理する。ここでSOC及びSOHは直接的に測定することは不可能な値であり、二次電池の電圧、電流、抵抗値、温度等の計測可能な情報を用いて推定される。計測可能な情報の内の温度については、本来は電池内部の温度が必要であるものの測定することができないので二次電池の一箇所又は複数箇所の表面温度を測定し、表面温度と抵抗値とから内部温度を推定して用いている。
特許文献1には、表面温度と二次電池の表面に向けて送風するファンからの風速とに基づいて内部温度を推定するに際し、推定結果の正誤を診断する機能を加えて推定精度を向上させる方法が開示されている。なお特許文献1において内部温度の推定は、表面温度、周囲温度及び風速と、実測された内部温度との関係から得られる固有の特性を用い、測定される表面温度、周囲温度及び風速から逆算して行なわれる。そして正誤の判断は、起動時からある程度の期間は表面温度と内部温度とが所定の範囲で一致することから、この期間にて推定される内部抵抗値をその時点における内部温度(=表面温度)と対応付けて記録しておきこれをテーブルとして利用する。表面温度と内部温度とが一致する期間が終了した後に、推定した内部温度が、記録してある内部温度と一致する場合に、その場合における内部抵抗値を推定し、一致した内部温度に対応付けて記憶してある内部抵抗値と一致しないときに推定温度が異常であると判断される。内部温度が一致する場合には内部抵抗値も一致するはずであることが利用されている。
国際公開2011/045853号
特許文献1に開示された推定方法によって起動直後の期間等、温度が比較的低い場合には内部温度推定値の異常を診断でき、これにより精度よく温度を推定することが可能である。しかしながら温度が比較的低い範囲では、温度の変化と電気的内部抵抗値の変化とが線形関係となるところ、常温以上の比較的高い範囲では温度の変化に対して内部抵抗値の変化が小さくなるため、内部抵抗値による異常診断は診断精度の低下を招く虞がある。二次電池は高温状態になる回数によって劣化が進み、またその温度が高い程劣化を助長するから、どれほどの温度となるまで充電を許可するかなどの温度管理は温度が高い程重要になる。したがって電池内部の温度の推定には、温度範囲によらず、むしろ温度が高い状態であっても精度の高さが望まれる。加えて特許文献1に開示されている方法では、診断に必要な内部抵抗値と温度との関係テーブルを起動後に作成しなければならず、演算資源及び記憶資源を要する。更に、特許文献1に開示されている方法では、内部抵抗値を用いて温度を診断するから、内部抵抗の変動誤差及び計測誤差が温度の正誤の判断に影響する。
そこで本開示は、高精度に電池の内部温度を推定することができる電池温度推定装置、電池温度推定方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本開示の電池温度推定装置は、二次電池の内部温度を推定する電池温度推定装置であって、前記二次電池の表面温度を取得する表面温度取得部と、前記二次電池の周囲の温度を取得する周囲温度取得部と、前記二次電池及び該二次電池の周囲空気の熱回路モデルに基づく熱抵抗値、前記表面温度及び周囲の温度を用いて内部温度を算出する内部温度算出部と、表面温度及び内部温度夫々の時間変化の比較に基づき、算出された内部温度の値が異常か否かを判断する異常診断部とを備える。
本開示の電池温度推定方法は、二次電池の内部温度を推定する電池温度推定方法であって、前記二次電池の表面温度を取得し、前記二次電池の周囲の温度を取得し、前記二次電池及び該二次電池の周囲空気の熱回路モデルに基づく熱抵抗値、前記表面温度及び周囲の温度を用いて内部温度を算出し、表面温度及び内部温度夫々の時間変化を比較し、比較結果に基づき算出した内部温度の値が異常か否かを判断する。
本開示のコンピュータプログラムは、コンピュータに、二次電池の内部温度を推定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、前記二次電池の表面温度を取得し、前記二次電池の周囲の温度を取得し、前記二次電池及び該二次電池の周囲空気の熱回路モデルに基づく熱抵抗値、前記表面温度及び周囲の温度を用いて内部温度を算出し、表面温度及び内部温度夫々の時間変化を比較し、比較結果に基づき算出した内部温度の値が異常か否かを判断する処理を実行させる。
なお本願は、このような特徴的な各構成部を備えた電池温度推定装置、特徴的なステップを含む電池温度推定方法、及びこれらのステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することができるだけでない。電池温度推定装置の構成部の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、電池温度推定装置を用いた電池温度推定システム、及びこれらを更に含むその他のシステムとして実現したりすることができる。
本開示によれば温度範囲によらず内部温度の推定精度を向上させることが可能になる。
車載二次電池及び電池監視装置を含む車輌電源システムの構成を示す模式図である。 本実施の形態における電池監視装置の構成の一例を示すブロック図である。 本実施の形態における二次電池ユニットへの熱回路モデル適用例を模式的に示す熱回路図である。 印加電圧と空気熱抵抗値との間の関係の一例を示すグラフである。 内部温度Tinの算出過程の一例を示すフローチャートである。 二次電池ユニットの内部抵抗Rと温度との関係を示すグラフである。 異常判断処理の手順の一例を示すフローチャートである。 実験における二次電池ユニット50への電流値の推移を示すグラフである。 表面温度Ts及び内部温度Tinの時間変化を示すグラフである。 図9における表面温度Ts及び内部温度Tinの時間変化から求められた比率を示すグラフである。 内部温度Tinが異常値であると判断された場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。 内部温度Tinが異常値であると判断された場合の処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
[本願発明の実施形態の説明]
本実施の形態に係る電池温度推定装置は、二次電池の内部温度を推定する電池温度推定装置であって、前記二次電池の表面温度を取得する表面温度取得部と、前記二次電池の周囲の温度を取得する周囲温度取得部と、前記二次電池及び該二次電池の周囲空気の熱回路モデルに基づく熱抵抗値、前記表面温度及び周囲の温度を用いて内部温度を算出する内部温度算出部と、表面温度及び内部温度夫々の時間変化の比較に基づき、算出された内部温度の値が異常か否かを判断する異常診断部とを備える。
本実施の形態に係る電池温度推定方法は、二次電池の内部温度を推定する電池温度推定方法であって、前記二次電池の表面温度を取得し、前記二次電池の周囲の温度を取得し、前記二次電池及び該二次電池の周囲空気の熱回路モデルに基づく熱抵抗値、前記表面温度及び周囲の温度を用いて内部温度を算出し、表面温度及び内部温度夫々の時間変化を比較し、比較結果に基づき算出した内部温度の値が異常か否かを判断する。
本実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、二次電池の内部温度を推定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、前記二次電池の表面温度を取得し、前記二次電池の周囲の温度を取得し、前記二次電池及び該二次電池の周囲空気の熱回路モデルに基づく熱抵抗値、前記表面温度及び周囲の温度を用いて内部温度を算出し、表面温度及び内部温度夫々の時間変化を比較し、比較結果に基づき算出した内部温度の値が異常か否かを判断する処理を実行させる。
表面温度取得部にて二次電池の表面温度を取得するのみならず、周囲温度取得部によって二次電池の周囲の温度を取得する。
内部温度算出部は、二次電池の外へ向けて放熱される熱流の概念に基づき、表面温度と内部温度との間の温度差、及び表面温度と周囲温度との間の温度差が夫々、二次電池の熱抵抗値及び周辺空気の熱抵抗値から得られることから内部温度を逆算する。表面温度と内部温度との間の温度差は温度範囲によって不定であることから熱抵抗値を用いた逆算により精度が向上する。なお熱抵抗値は温度によらないことから予め測定しておきこれを用いればよい。
表面温度取得部及び周囲温度取得部は所定のタイミングにて間欠的に温度を取得し、取得された表面温度と、これらの温度から内部温度算出部によって求められた内部温度とが時系列に記憶される。
二次電池において周囲空気にさらされている表面の表面温度のその変化は内部におけるジュール熱及びエントロピー熱により発熱する電池内部の温度よりも緩やかではあるものの、内部温度に追随するものである。そこで異常診断部は、内部温度と表面温度との間で時間変化が大きくは相違しないという理論に基づきその時間変化を比較し、時間変化の差異に基づいて推定算出された内部温度が異常か否かを判断する。内部温度の算出には、表面温度及び周囲温度の測定誤差が影響されるところ、算出された数値が異常か否かの判断を行なうことで誤差の影響が大きい値を除外することが可能となり、精度が向上する。
本実施の形態に係る電池温度推定装置では、前記内部温度算出部は、前記二次電池内部の熱抵抗値、前記二次電池の周囲空気の熱抵抗値、前記表面温度と周囲の温度との間の温度差に基づいて前記二次電池内部の温度を算出する。
周囲空気の熱回路モデルに基づき、二次電池の外へ向けて放熱される熱流は二次電池内部及び周囲空気を等しく流れるとすれば、内部温度及び表面温度間の温度差と電池内部の熱抵抗との比、表面温度及び周囲温度間の温度差と周囲空気の熱抵抗との比が等しくなる。内部温度算出部は、これを利用して温度差と、予め測定してある二次電池の熱抵抗値及び周辺空気の熱抵抗値から内部温度を逆算する。二次電池内部で発生する電気的抵抗によるジュール発熱のみならず化学反応によるエントロピー発熱をも熱流として考慮して算出することができることから精度が高まる。
本実施の形態に係る電池温度推定装置では、前記内部温度算出部は、予め記憶してある二次電池の周囲空気についての複数の熱抵抗値の内、前記二次電池を冷却する冷却機構の冷却条件に基づいて該冷却条件に対応する前記熱抵抗値を取得して内部温度を算出する。
二次電池内部の熱抵抗値は、二次電池の仕様によって定まるところ、周囲空気の熱抵抗値は二次電池の冷却機構の冷却条件によって異なる。冷却条件は二次電池の運用中に変化し得る条件であるから内部温度算出部は、異なる冷却条件に応じて熱抵抗値を予め記憶しておき、これを利用して冷却条件に応じて適切な熱抵抗値を用いて内部温度を算出する。これにより精度がさらに高まる。
本実施の形態に係る電池温度推定装置では、前記冷却機構は空冷ファンであって前記冷却条件は該空冷ファンへの印加電圧であり、異なる印加電圧に応じて異なる二次電池の周囲空気の熱抵抗値を記憶してある。
二次電池の冷却機構として空冷ファンを用いる場合、冷却条件の相違は風速が最も影響する。風速は空冷ファンへの印加電圧で変化するから、印加電圧と熱抵抗値との関係を予め測定して記憶しておくことにより、任意の印加電圧に対する熱抵抗値を用いることができる。これにより、冷却条件に変化に応じて適切な熱抵抗値が内部温度の算出に用いられる。
本実施の形態に係る電池温度推定装置では、前記異常診断部は、同期間における表面温度及び内部温度夫々の変化量同士の比率を算出し、算出された比率と所定値との比較に基づいて異常か否かを判断する。
異常診断部は、内部温度と表面温度との間で時間変化が大きくは相違しないという理論に基づきその時間変化を比較するに際し詳細には、内部温度及び表面温度夫々の同一期間における時間変化量を求め、変化量どうしの比率を求めて所定値と比較した場合の大小を判断する。内部温度の時間変化量が異常に大きいことを比率の所定値に対する大小で検出し、異常を判断することができる。
本実施の形態における電池温度推定装置は、所定期間に前記異常診断部により異常と判断された頻度が所定頻度以上であるか否かを判断し、所定頻度以上であると判断された場合に警告を出力する出力部を更に備える。
異常診断部により異常と判断された頻度が高くなった場合、警告を発することで測定誤差の異常を知らせることができ、異常値と判断された値の使用を回避することができる。
本実施の形態における電池温度推定装置では、前記内部温度算出部は、前記異常診断部により異常と判断された場合、前記表面温度取得部が取得した表面温度を内部温度に採用する。
内部温度算出装置は、異常診断部により異常値と判断された内部温度の値に対し、これを除外して表面温度を代替値として用いる。異常値は除外されて、代替可能な表面温度を用いることで内部温度を用いた処理を継続することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本願発明に係る電池温度推定装置について、実施の形態を示す図面に基づいて説明する。以下の実施の形態では、二次電池を搭載した車輌内に配設され、本願発明に係る電池温度推定装置としてのみならず、二次電池に係る種々の測定値を取得してSOC又はSOHに係る情報を処理する装置として機能する電池監視装置を例に説明する。
図1は、車載二次電池及び電池監視装置100を含む車輌電源システムの構成を示す模式図である。車輌電源システムは、電池監視装置100の他に、二次電池ユニット50、リレー61,63、発電機(ALT)62、スタータモータ(ST)64、電池65、電気負荷66を含む。
二次電池ユニット50は、例えばリチウムイオン電池を用い、複数のセル51を直列又は直並列に接続して筐体内に収容してある。筐体にはセル51を冷却するための冷却機構56が備えられている。冷却機構56は例えば筐体に設けられている空冷ファンと、空冷ファンの設置箇所からできるだけ遠い箇所に設けられる排気口とを含む。冷却機構56は電池監視装置100からの制御信号に基づき異なる印加電圧に応じて単位時間あたりに異なる回転数で筐体内の空気を送風させる。なお冷却機構56は空冷ファンに限られない。
更に二次電池ユニット50は筐体内に、電圧センサ52、電流センサ53、第1温度センサ54、及び第2温度センサ55を備える。
電圧センサ52は、各セル51の電圧及び二次電池ユニット50の両端間の電圧を検出し検出した電圧を、電圧検出線50aを介して電池監視装置100へ出力する。電流センサ53は、例えばシャント抵抗又はホールセンサ等で構成され、二次電池の充電電流及び放電電流を検出する。電流センサ53は検出した電流を、電流検出線50bを介して電池監視装置100へ出力する。
第1温度センサ54は例えばサーミスタで構成され、複数のセル51の内のいずれか1箇所又は複数箇所における表面温度を検出する。第1温度センサ54はセル51夫々に1つずつ設けられていてもよい。第1温度センサ54は検出した表面温度を、第1温度検出線50cを介して電池監視装置100へ出力する。複数のセル51の表面温度を各検出する場合には、複数の温度検出線50cから夫々温度を出力する。第2温度センサ55は例えばサーミスタで構成され、筐体内の気温即ちセル51の周囲温度を検出する。第2温度センサ55は検出した周囲温度を、第2温度検出線50dを介して電池監視装置100へ出力する。なお第2温度センサ55も筐体内の複数箇所に設けられていてもよい。
電池65は例えば鉛電池であり、車輌に搭載された各種電気負荷66への電力供給を行なうと共に、リレー63がオンである場合にはスタータモータ64を駆動するための電力供給を行なう。発電機62は、車輌のエンジンの回転により発電し、内部に設けられた整流回路により直流を出力して電池65を充電する。また発電機62は、リレー61がオンである場合に、電池65及び二次電池ユニット50を充電する。なおリレー61,63のオン及びオフの制御は図示しないリレー制御部により行なわれる。
図2は、本実施の形態における電池監視装置100の構成の一例を示すブロック図である。なお図2では、電池監視装置100にて実行される機能の内、電池温度推定装置としての機能に関する構成について示し、他の構成については図示及び詳細な説明を省略する。電池監視装置100は、制御部10、記憶部11、タイマ12、電圧取得部13、電流取得部14、表面温度取得部15、周囲温度取得部16、内部温度算出部17、内部抵抗算出部18、開放電圧算出部19、充電状態(SOC)算出部20、健康状態(SOH)算出部21、及び出力部22を備える。なお電圧取得部13〜健康状態算出部21(特に内部温度算出部17〜健康状態算出部21)の処理は、制御部10によってソフトウェアにより実行される。なおこれらの処理は、各々集積回路化されて実行されてもよく、又は一部を集積回路化して実行させ、残りの一部を制御部10のソフトウェアに基づく処理によって実行させるように混在させてもよい。
制御部10は1又は複数のプロセッサとメモリとを用い、各構成部を制御する処理を実行し、電池温度推定装置としての機能を発揮させる。記憶部11はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いて制御部10が参照するデータ等を記憶する。タイマ12は、所定の周波数でパルス信号を出力しており、制御部10はタイマ12から出力される信号のパルスを計数することで計時が可能である。
電圧取得部13は二次電池ユニット50の電圧(例えば二次電池ユニット50の両端電圧)の電圧値Vを、電圧検出線50aを介して取得する。電流取得部14は、二次電池ユニット50の電流(充電電流又は放電電流)の電流値Iを、電流検出線50bを介して取得する。なお電圧値及び電流値の取得頻度、即ち取得するサンプリング周期(例えば10ミリ秒)は、制御部10が制御することができる。
表面温度取得部15は、二次電池ユニット50のセル51の表面温度の値を、第1温度検出線50cを介して取得する。周囲温度取得部16は、二次電池ユニット50の筐体内部の温度、即ちセル51の周囲温度の値を、第2温度検出線50dを介して取得する。
内部温度算出部17は、第1温度取得部15で取得した表面温度の値Ts、及び第2温度取得部16で取得した周囲温度の値Taの2つの測定値と、予め求めて記憶部11に記憶してあるセル51及び周囲空気夫々の熱抵抗の値とを用いて求められる発熱量から内部温度Tinを算出する。なお周囲空気の熱抵抗の値は、冷却機構56の動作状態によって異なる。したがって内部温度算出部17は冷却機構56への制御信号、又は冷却機構56から状態信号を取得して内部温度Tinを算出する際の熱抵抗の値を記憶部11から適切に選択して用いる。内部温度算出部17は更に、算出した内部温度の推定値Tinについて異常値があるか否かを判断する機能を発揮することが可能である。内部温度算出部17による処理の詳細については後述する。
内部抵抗算出部18は、電流取得部14にて検出した電流の極性に基づき制御部10が充放電の切り替えが有ったと判定した場合、所定の方法で特定される待機時間T後に電圧取得部11で取得した電圧及び電流取得部12で取得した電流に基づいて二次電池ユニット50の内部抵抗値Rを算出する。
開放電圧算出部19は、内部抵抗算出部18で算出した内部抵抗の抵抗値R、電圧取得部11で取得した電圧値V、及び電流取得部14で取得した電流値Iに基づいて、二次電池ユニット50の開放電圧を算出する。二次電池の開放電圧をOCV(Open Circuit Voltage)で表すと、OCV=V−Voで算出することができる。ここでVoは過電圧であり、内部抵抗の抵抗値R×電流値Iで表される電圧に分極電圧を加えた電圧値である。
充電状態算出部20は、開放電圧算出部19で算出した開放電圧OCVに基づいて二次電池ユニット50の充電率を算出する。例えば二次電池ユニット50の開放電圧OCVと充電率との相関関係を予め定めておくことにより、算出した開放電圧OCVに基づいて二次電池ユニット50の充電率の推定値を算出することができる。また充電状態算出部20は、電流取得部14で取得した電流値Iを積算して二次電池ユニット50の充電量(満充電容量に対する充電されている容量の比率、即ち充電率)を算出してもよい。電流積算は、電流を時間で積分したものであり、例えば電流取得のサンプリング周期をΔtとした場合、サンプリングの都度取得される電流値をIbi(i=1,2,…)とした場合、電流積算はΣIbi×Δt(i=1,2,…)で算出される。なお直近に求めた充電率を変数SOCinとして、第1充電量をSOC1とすると、第1充電量SOC1は、SOC1=SOCin±{ΣIbi×Δt(i=1,2,…)/満充電容量FCC}という式で算出することはできる。なお±について+(プラス)は充電時、−(マイナス)は放電時に対応する。
健康状態算出部21は、二次電池ユニット50の内部抵抗について内部抵抗算出部18にて算出した抵抗値Rの初期値R0に対する割合に基づいて二次電池の健康状態(SOH)を算出する。
出力部22は、各構成部で算出又は推定した値を電池監視装置100外へ出力するインタフェースである。例えば出力部22は、車内ネットワークと接続されている通信インタフェースである。また出力部22は、計器パネル又はOHD(Over Head Display )等の運転者向けの表示部と接続されるインタフェースであってもよい。
制御部10は、各構成部を制御して算出した二次電池ユニット50の充電率SOC、健康状態SOH又は内部温度Tinを用いて、電池管理に関する処理を行なう。例えば制御部10は、充電率SOCが所定値以下である場合に、計器パネルに接続された出力部22から、算出された充電率を警告灯にて示すなど処理を行なう。また健康状態SOHが所定の度合以下である場合、内部温度Tinが所定値以上である場合にも警告灯にて警告を発するなどの処理を行なう。また制御部10は、充電率SOC、健康状態SOH又は内部温度Tinを通信部である出力部22から車内の他装置へ送信するようにしてもよい。車内の他装置から更に車外装置へ送信されるようにしてもよい。これらの外部装置では、電池監視装置100から送信された充電率SOC、健康状態SOH又は内部温度Tinに基づいて処理を行なう。例えば充電制御を行なう装置は、二次電池ユニット50を所定の温度範囲内で使用するために、充電中に電池監視装置100から送信された内部温度が所定温度よりも高くなった場合に充電を中止する。
電池監視装置100による内部温度の推定算出処理について詳細に説明する。上述したように内部温度算出部17は、二次電池ユニット50のセル51の表面温度の値Ts、セル51の周囲温度の値Taの2つの測定値と、予め求めてあるセル51及び周囲空気夫々の熱抵抗の値とを用いて求められる発熱量から内部温度Tinを算出する。ここで注目すべきは、熱抵抗の値を用いている点である。熱抵抗は、二次電池ユニット50における熱発生の要因として、印加される電圧及び電流に対する内部抵抗によるジュール熱のみならず、化学反応を起因とするエントロピー発熱をも加味してその挙動を表わすことができる。
図3は、本実施の形態における二次電池ユニット50への熱回路モデル適用例を模式的に示す熱回路図である。熱回路は、所定の熱源(接地)に二次電池ユニット50の熱容量Cinを介して接続された端子に、熱量Qallが与えられていると表される。そして二次電池ユニット50に与えられる熱量Qallは、二次電池ユニット50自体の熱容量Cinに蓄えられると共に、一部(Qout)が熱抵抗Rinを介して表面に伝達し、更に周辺の空気の熱抵抗Raを介して放熱され、更に外側の筐体等を介して所定の熱源(接地)に伝わると表される。
なお二次電池ユニット50の発熱量Qallは、ジュール熱による発熱量Qp(式1)及びエントロピー発熱による発熱量Qs(式2)の和で表される(式3)。ここでiは、電流を示し、Vbは両端の電圧値、Vocvは開放電圧値、Rは内部抵抗(電気抵抗)である。
Figure 0006760119
そして二次電池ユニット50の内部熱抵抗Rinは式4、熱容量Cinは式5により求めることができる。このようにして熱回路モデルを適用することで内部温度Tinを推定することが可能である。なお式5においてτは二次電池ユニット50の熱時定数である。
Figure 0006760119
なお本実施の形態における内部温度算出部17は、図3の熱回路において、放熱される熱量Qoutが、熱抵抗Rin及び熱抵抗Raのいずれにも流れる熱流であると考えて内部温度Tinを算出する。具体的には、以下の式6,7のように熱流Qoutと熱抵抗Rin及び熱抵抗Ra、内部温度Tin、表面温度Ts及び周囲温度Taとの関係に熱回路におけるオームの法則を適用して表し、式6及び式7から熱流Qoutを消去するようにして導き出される式8を求めておく。内部温度算出部17は、式8に表面温度取得部15及び周囲温度取得部16にて夫々取得した温度Ts及び温度Taを適用して内部温度Tinを算出する。
Figure 0006760119
なお式8における二次電池ユニット50の内部熱抵抗Rinの値は、事前に計測により求めておく。周囲空気の熱抵抗Raの値は、周囲空気の冷却条件によって異なる値である。冷却機構56に空冷ファンを用いる場合、熱抵抗値Raは、無風時の空気熱抵抗Ra(0)及び風速により求められる。無風時の空気熱抵抗値Ra(0)は、二次電池ユニット50の表面積が大きいほど小さくなる値である。風速は、二次電池ユニット50の筐体内のスペースにより異なり、更に空冷ファンの印加電圧により変化するので、パッケージ化された二次電池ユニット50毎に異なる。したがって、パッケージの種別に予め、空冷ファンへの印加電圧と熱抵抗値Raとの間の関係値を計測しておき、使用する二次電池ユニット50に対応する計測データ、又は計測データから近似により特定される関数情報を記憶部11に記憶しておく。図4は、印加電圧と空気熱抵抗値との間の関係の一例を示すグラフである。図4の横軸は印加電圧をボルト単位で示し、縦軸は印加電圧に対応する周囲空気の熱抵抗値Raを[K/W]の単位で示している。図4のグラフ上における異なる印加電圧に対する熱抵抗値Raをテーブル化して記憶部11に記憶しておくか、又は印加電圧を変数とする近似関数の情報を記憶部11に記憶しておくことにより、任意の印加電圧時の周囲空気の熱抵抗値Raを求めて使用することができる。これにより、冷却条件に変化に応じて適切な熱抵抗値が内部温度の算出に用いられる。
内部温度算出部17による二次電池ユニット50の内部温度Tinの算出過程をまとめると以下のようになる。図5は内部温度Tinの算出過程の一例を示すフローチャートである。表面温度取得部15により表面温度Tsを取得し(ステップS1)、周囲温度取得部16により周囲温度Taを取得し(ステップS2)、制御部10により冷却機構56の空冷ファンへの印加電圧を取得する(ステップS3)。内部温度算出部17は、これらの情報をステップS5における内部温度算出に使用する。そして内部温度算出部17はステップS3で取得された印加電圧に対応する周囲空気の熱抵抗値Raを、記憶部11から参照して算出する(ステップS4)。内部温度算出部17は更に、取得した温度Ts,Ta、算出した熱抵抗値Raと、記憶部11に記憶してある二次電池ユニット50の固有の内部熱抵抗値Rinを式8に適用して内部温度Tinを算出し(ステップS5)、内部温度算出の1回の処理を終了する。
このように熱抵抗値Rin及び熱抵抗値Raを用いることにより、内部抵抗Rを用いて推定するよりも温度範囲によらずに高精度に内部温度Tinを推定することが可能である。
図6は、二次電池ユニット50の内部抵抗Rと温度との関係を示すグラフである。図6の横軸は温度を摂氏(℃)単位で示し、縦軸は電気的内部抵抗をミリオーム単位で示している。図6のグラフは、異なる充電率30%、50%、70%及び90%の状態夫々における温度変化に対する内部抵抗値Rの変化を比較例として示している。図6のグラフから分かるように、いずれの充電率の状態でも、常温(約15〜25℃)以上では、20℃の温度変化があってもその間の内部抵抗Rの変化は1ミリオームに満たない場合がある。内部抵抗Rの値の変動誤差及び測定誤差を考慮した場合、常温以上の範囲において内部抵抗Rから内部温度Tinを正しく推定することは困難である。これに比して、上述した熱回路モデルに適用して内部温度Tinを算出する本実施の形態における算出方法では温度に影響されない熱抵抗値Rin及び熱抵抗値Raを用いて算出するから、温度範囲に寄らず高精度に推定することが可能である。
本実施の形態における内部温度算出部17は更に、内部温度Tinの算出に用いる熱抵抗値Rin及び熱抵抗値Raが時間経過に対してあまり変化しない値であることを利用し、算出した値が異常であるか否かを判断して精度を高めることができる。熱抵抗値Rinは二次電池ユニット50の固有値であり、一方は周囲温度における風速によって変化する値であって、風速変化時以外は、充電によって変化していく充電率SOC及び温度に拘わらず変化しない。そこで本実施の形態における内部温度算出部17では、式8の時間微分を取った式(式9)の表面温度Tsの時間変化に対する係数k=(1+Rin/Ra)が、時間に対して定数であるはずであるという前提から異常を判断する。なお式9において、周囲温度Taの項も、周囲温度Taは冷却機構56の冷却条件によって定まり、表面温度Tsよりも時間に対しては固定的(変化極小)であるとして定数項とみなされて消える。なおそもそも内部温度Tinも、適切な時間差で間欠的にこれを観察した場合には急激に上下することはないはずであるということから異常値を検出できるという考えに基づく。
Figure 0006760119
内部温度算出部17による異常判断処理について具体的に説明する。図7は、異常判断処理の手順の一例を示すフローチャートである。内部温度算出部17は、図5のフローチャートで示した処理(S1〜S5)を実行した後、ステップS1にて取得した表面温度Tsと、ステップS5にて算出した内部温度Tinとを夫々、内部メモリ又は記憶部11に時系列に記憶する(ステップS6)。内部温度算出部17は、時系列に記憶してある表面温度Tsの時間変化dTs/dtと、内部温度Tinの時間変化dTin/dtとの間の比率を算出する(ステップS7)。例えば内部温度算出部17は、直近の2つの表面温度Ts(i)とTs(i−1)との間の変化率(変化量)と、直近の2つの内部温度Tin(i)とTin(i−1)との間の変化率(変化量)との比率を算出し、直近に算出した内部温度Tinの異常を判断する。なお直近の2つには限られない。
そして内部温度算出部17は、ステップS7で算出した比率が、所定値を超過するか否かを判断する(ステップS8)。このとき所定値は、熱抵抗値Rin及び熱抵抗値Raから理論的に求められる係数kの数値に所定の猶予を持たせた値である。比率が所定値を超過する要因としては、例えば周囲空気の熱抵抗値Raを取得する際に用いる空冷ファンへの印加電圧の誤差、表面温度Ts及び周囲温度Taの測定誤差がある(図9参照)。
ステップS8にて超過すると判断された場合(S8:YES)、内部温度算出部17はステップS5で算出した内部温度Tinを異常値であると判断し(ステップS9)、処理を終了する。ステップS8にて超過しないと判断された場合(S8:NO)、内部温度算出部17は処理をそのまま終了する。
内部温度算出部17は、図7のフローチャートに示したステップS1〜S9の処理手順を一定時間(例えば1秒など、秒単位が好ましい)が経過する都度実行し、内部温度Tinの算出を繰り返し実行しその都度、算出した内部温度Tinの値自体が異常であるか否かを判断する。
実際の実験にて、ステップS7で算出される比率が、理論的に求められる係数kの数値に対して所定の範囲で超過しないことを説明する。例えばRin=1.0、Ra=2.0の場合、係数kは1.5であったとする。図8は、実験における二次電池ユニット50への電流値の推移を示すグラフであり、図9は、表面温度Ts及び内部温度Tinの時間変化を示すグラフである。図9は図8のグラフに示した電流波形で二次電池ユニット50へ電流が流された場合の時間変化を示している。図8及び図9のいずれも横軸に二次電池ユニット50へ電流を流し始めてからの時間経過を示している。図9では縦軸に取得された表面温度Ts及び推定算出された内部温度Tinを示している。図9に示すように、比較的低温の範囲と高温の範囲とでは、表面温度Tsと推定算出された内部温度Tinとの間の差分が拡がっている。例えば、温度範囲に関係なく表面温度Tsに一定のゆとりを持たせてこれを電池温度としている場合、真の内部温度が電池の使用範囲を超過しているにもかかわらず使用範囲内であると誤って使用を継続する可能性がある。
図10は、図9における表面温度Ts及び内部温度Tinの時間変化から求められた比率を示すグラフである。図10の横軸は時間経過を示している。なお図9に対応するから時間が経過するほどに温度も上昇している。図10に示す通り、求めた比率は、時間及び温度によらず0(ゼロ)〜1.4の範囲に収まっており、理論的な係数kの値1.5を超過しない。したがって係数kの値に所定の範囲の猶予を持たせた数値(例えば1.6)を用いて算出した内部温度Tinが異常か否かを判断できる。なお0(ゼロ)は、表面温度Tsに変化が無かった場合に求められた比率である。
なお上述の内部温度Tinの算出処理では、図3の熱回路で示したように、複数のセル51が接続された二次電池ユニット50を仮想的に1つの二次電池として扱い、二次電池ユニット50の1箇所で測定した表面温度Tsを用いて内部温度Tinを算出した。しかしながら上述したように、第1温度センサ54は二次電池ユニット50の複数箇所に亘って複数用いられてもよい。この場合、内部温度算出部17は、第1温度センサ54が設けられている箇所に対応する内部温度Tinを各箇所に対応させて算出する。このとき図3に示した熱回路においては直列又は直並列に接続された各セル51における熱流を定義し、熱流とセル51の内部及び表面の温度差、並びに表面及び周囲空気の温度差との関係に基づきオームの法則を適用して各箇所に対応する内部温度Tinを算出するとよい。より高精度に内部温度Tinを推定する場合には、二次電池ユニット50を構成する複数のセル51夫々の表面温度Tsを取得し、複数のセル51夫々の内部温度Tinを算出するとよい。
次に、内部温度算出部17が算出した内部温度Tinが異常であると判断された場合に、異常と判断された値に対して電池監視装置100が行なう処理について説明する。内部温度Tinの電池監視装置100における用途にもよるが例えば内部温度算出部17は、直近の所定の期間における内部温度Tinの平均値を求める。この場合、内部温度算出部17は以下のように処理を行なう。
図11は、内部温度Tinが異常値であると判断された場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお図11のフローチャートに示す処理手順は、図7のフローチャートで示した処理手順の内、ステップS9の後に続いて実行される。
内部温度算出部17は、ステップS5で算出した内部温度Tinについて異常であると判断されている場合、異常値と判断された内部温度Tinを除外して直近の所定期間における内部温度Tinの平均値を算出する(ステップS11)。内部温度算出部17は、ステップS11にて平均値ではなく所定期間における最頻値又は中央値を求めるようにしてもよい。なおステップS12における所定の期間とは、表面温度Tsを取得する周期(一定時間)よりも長く好ましくは数倍であるとよい。
内部温度算出部17は、ステップS11で求めた平均値を推定内部温度として出力部22から出力する(ステップS12)。なおステップS12に代替して制御部10が、電池監視装置100内部で、求められた平均値を内部温度として用いて電池管理に関する処理を行なってもよい。
ステップS8の処理に基づき異常値と判断されていない場合(S8:NO)、内部温度算出部17は、ステップS5で算出した内部温度Tinも含めて平均値を算出して出力する(S12)。
内部温度算出部17は、異常と判断された回数を計数する(ステップS13)。後述する頻度の算出対象期間よりも過去の異常値の判断回数分は計数されないように適宜減算する。次に内部温度算出部17は、直近の例えば1時間等、前記一定時間及び所定期間よりも長い最近の期間にて異常と判断された頻度を算出する(ステップS14)。内部温度算出部17は、ステップS14で算出した頻度が所定の度合いよりも高いか否かを判断し(ステップS15)、高いと判断された場合(S15:YES)、出力部22から警告を出力する(ステップS16)。ステップS15にて所定の度合い以下であると判断された場合(S15:NO)、内部温度算出部17は処理をそのまま終了する。
このようにして、推定値として平均値等の値を使用することにより、算出された内部温度の精度を向上させることができる。更に、異常と判断された頻度が高くなった場合、警告を発することで異常値の使用を回避させることができる。なおこの場合、電池監視装置100のメンテナンスを行なうなどされるようにするとよい。
図12は、内部温度Tinが異常値であると判断された場合の処理手順の他の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートに示す処理手順の内、図7のフローチャートで示した処理手順については詳細な説明を省略する。
内部温度算出部17は、ステップS5で算出した内部温度Tinについて異常であると判断されている場合これに代替して、ステップS1で取得した表面温度Tsを内部温度Tinとして採用し(ステップS21)、処理を終了する。
このようにして熱回路モデルを適用して温度範囲によらず高精度に内部温度Tinを推定算出することができる上、算出した内部温度Tinが異常値であるか否かを判断して異常値を除外する。これにより、内部温度の推定精度を更に向上させることができる。
上述した実施の形態においては内部温度の算出対象をEV又はHEVに搭載されている二次電池ユニット50とした。しかしながら本開示の電池温度推定装置が推定する内部温度は、車輌に搭載される二次電池に限られないことは勿論である。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 電池監視装置(電池温度推定装置)
10 制御部
11 記憶部
12 タイマ
13 電圧取得部
14 電流取得部
15 表面温度取得部
16 周囲温度取得部
17 開放電圧算出部
18 充電状態算出部
19 健康状態算出部
50 二次電池ユニット
51 セル
52 電圧センサ
53 電流センサ
54 第1温度センサ
55 第2温度センサ
56 冷却機構

Claims (9)

  1. 二次電池の内部温度を推定する電池温度推定装置であって、
    前記二次電池の表面温度を取得する表面温度取得部と、
    前記二次電池の周囲の温度を取得する周囲温度取得部と、
    前記二次電池及び該二次電池の周囲空気の熱回路モデルに基づく熱抵抗値、前記表面温度及び周囲の温度を用いて内部温度を算出する内部温度算出部と、
    表面温度及び内部温度夫々の時間変化の比較に基づき、算出された内部温度の値が異常か否かを判断する異常診断部と
    を備える電池温度推定装置。
  2. 前記内部温度算出部は、
    前記二次電池内部の熱抵抗値、前記二次電池の周囲空気の熱抵抗値、前記表面温度と周囲の温度との間の温度差に基づいて前記二次電池内部の温度を算出する
    請求項1に記載の電池温度推定装置。
  3. 前記内部温度算出部は、予め記憶してある二次電池の周囲空気についての複数の熱抵抗値の内、前記二次電池を冷却する冷却機構の冷却条件に基づいて該冷却条件に対応する前記熱抵抗値を取得して内部温度を算出する
    請求項2に記載の電池温度推定装置。
  4. 前記冷却機構は空冷ファンであって前記冷却条件は該空冷ファンへの印加電圧であり、
    異なる印加電圧に応じて異なる二次電池の周囲空気の熱抵抗値を記憶してある
    請求項3に記載の電池温度推定装置。
  5. 前記異常診断部は、同期間における表面温度及び内部温度夫々の変化量同士の比率を算出し、算出された比率と所定値との比較に基づいて異常か否かを判断する
    請求項1に記載の電池温度推定装置。
  6. 所定期間に前記異常診断部により異常と判断された頻度が所定頻度以上であるか否かを判断し、所定頻度以上であると判断された場合に警告を出力する出力部を更に備える
    請求項1に記載の電池温度推定装置。
  7. 前記内部温度算出部は、
    前記異常診断部により異常と判断された場合、前記表面温度取得部が取得した表面温度を内部温度に採用する
    請求項1に記載の電池温度推定装置。
  8. 二次電池の内部温度を推定する電池温度推定方法であって、
    前記二次電池の表面温度を取得し、
    前記二次電池の周囲の温度を取得し、
    前記二次電池及び該二次電池の周囲空気の熱回路モデルに基づく熱抵抗値、前記表面温度及び周囲の温度を用いて内部温度を算出し、
    表面温度及び内部温度夫々の時間変化を比較し、
    比較結果に基づき算出した内部温度の値が異常か否かを判断する電池温度推定方法。
  9. コンピュータに、二次電池の内部温度を推定させるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記二次電池の表面温度を取得し、
    前記二次電池の周囲の温度を取得し、
    前記二次電池及び該二次電池の周囲空気の熱回路モデルに基づく熱抵抗値、前記表面温度及び周囲の温度を用いて内部温度を算出し、
    表面温度及び内部温度夫々の時間変化を比較し、
    比較結果に基づき算出した内部温度の値が異常か否かを判断する処理を実行させるコンピュータプログラム。
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