JP2018173370A - 異常判定装置、異常判定方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

異常判定装置、異常判定方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池の異常の発生をより精度よくより短時間で検知することができる異常判定装置、異常判定方法及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】二次電池の放電電流又は充電電流を検出する電流センサが異常であるか否かを判定する異常判定装置であって、電流センサが検出した電流の積分値から算出される充電量に基づき第1の開放電圧値を算出する第1算出部と、電流センサが検出した電流を二次電池の回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出する第2算出部と、第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分に基づき電流センサが異常であるか否かを判定する判定部とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、二次電池の電流を検出する電流センサに異常が発生しているか否かを判定する異常判定装置、異常判定方法及びコンピュータプログラムに関する。
二次電池は充電管理に係る処理を行なう処理装置と接続されており、処理装置は二次電池の充電状態(SOC:State Of Charge )及び、健康状態(SOH:State Of Health )に関する情報を処理する。ここでSOC及びSOHは直接的に測定することは不可能な値であり、二次電池の電圧、電流、温度等の計測可能な情報を用いて推定される。
二次電池の電流を検出する電流センサにおいて、該センサからの出力が一定値に固定されてしまう固着故障が発生した場合、正確な電流値を測定することができないから、SOCを算出することができない。固着故障を始め電流センサに故障が発生した場合には、SOCの算出を停止するなどの処理が必要になる。
そこで電流センサの固着故障を検出する方法が提案されている。特許文献1には、二次電池の電流が微小に変動する場合であってもその電流を積分して得られる積分値に基づき設定される電圧閾値と、検出される電圧値の偏差とを比較して電流センサ(電流検出手段)の異常を判定する方法が開示されている。
特開2011−069686号公報
特許文献1に開示されている異常判定方法では、電流の積分値を算出するまでに電流を一定のサンプリング周期で取得するところ、その取得回数を10回分以上とすることが望ましいとされている。しかしながら電流の積分値を算出したとしてもその変動は微小であり、微小にしか変動しない積分値から電圧偏差と比較するための電圧閾値を設定する構成では、誤差の影響を受けることで誤判定が行なわれる可能性がある。充分な積分値が算出されるまで待機する場合、サンプリング周期と比較して10倍以上の長い時間待機しなければならず、電流センサが既に異常であるにも拘わらず、二次電池の制御を続行する可能性がある。
また特許文献1では、電流センサの出力がゼロでない中間値で固定される中間固着故障が発生した場合には異常の発生を判定することができるが、中間値以外の値で固着した場合には異常を判定することができない可能性がある。
そこで本開示は、固着故障の発生をより精度よく短時間で検知することを可能とする異常判定装置、異常判定方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本開示の異常判定装置は、二次電池の放電電流又は充電電流を検出する電流センサが異常であるか否かを判定する異常判定装置であって、前記電流センサが検出した電流の積分値から算出される充電量に基づき第1の開放電圧値を算出する第1算出部と、前記二次電池の電圧を取得する電圧取得部と、前記電流センサが検出した電流及び前記電圧取得部から取得された電圧を前記二次電池の回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出する第2算出部と、前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分に基づき前記電流センサが異常であるか否かを判定する判定部とを備える。
本開示の異常判定方法は、二次電池の放電電流又は充電電流を検出する電流センサが異常であるか否かを判定する異常判定方法であって、前記電流センサが検出した電流の積分値から算出される充電量に基づき第1の開放電圧値を算出し、前記二次電池の電圧を取得し、前記電流センサが検出した電流及び取得された電圧を前記二次電池の回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出し、前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分に基づき前記電流センサが異常であるか否かを判定する。
本開示のコンピュータプログラムは、コンピュータに、二次電池の放電電流又は充電電流を検出する電流センサが異常であるか否かを判定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、前記電流センサが検出した電流の積分値から算出される充電量に基づき第1の開放電圧値を算出し、前記二次電池の電圧を取得し、前記電流センサが検出した電流を前記二次電池の回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出し、前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分に基づき前記電流センサが異常であるか否かを判定する処理を実行させる。
本開示によれば、二次電池の異常の発生をより精度よくより短時間で検知することができる。
車載二次電池及び電池監視装置を含む車輌電源システムの構成を示す模式図である。 実施の形態1における電池監視装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1における電流センサの異常を判定する処理の流れを示すブロック図である。 電池モデルの概要を示す説明図である。 実施の形態1における異常判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 電圧値及び電流値の推移を示すグラフである。 電圧値及び電流値の推移を示すグラフである。 2つの開放電圧値の差分の推移を示すグラフである。 2つの開放電圧値の差分の推移を示すグラフである。 図9のグラフの拡大図である。 実施の形態2における電流センサの異常を判定する処理の流れを示すブロック図である。 実施の形態2における異常判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 電圧値及び電流値の推移を示すグラフである。 1サンプリング周期前の差分値との差分の推移を示すグラフである。 1サンプリング周期前の差分値との差分の推移を示すグラフである。 図15のグラフの拡大図である。 実施の形態3における処理手順の一例を示すフローチャートである。
[本願発明の実施形態の説明]
本実施の形態に係る異常判定装置は、二次電池の放電電流又は充電電流を検出する電流センサが異常であるか否かを判定する異常判定装置であって、前記電流センサが検出した電流の積分値から算出される充電量に基づき第1の開放電圧値を算出する第1算出部と、前記二次電池の電圧を取得する電圧取得部と、前記電流センサが検出した電流及び前記電圧取得部から取得された電圧を前記二次電池の回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出する第2算出部と、前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分に基づき前記電流センサが異常であるか否かを判定する判定部とを備える。
本実施の形態に係る異常判定方法は、二次電池の放電電流又は充電電流を検出する電流センサが異常であるか否かを判定する異常判定方法であって、前記電流センサが検出した電流の積分値から算出される充電量に基づき第1の開放電圧値を算出し、前記二次電池の電圧を取得し、前記電流センサが検出した電流及び取得された電圧を前記二次電池の回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出し、前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分に基づき前記電流センサが異常であるか否かを判定する。
本実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、二次電池の放電電流又は充電電流を検出する電流センサが異常であるか否かを判定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、前記電流センサが検出した電流の積分値から算出される充電量に基づき第1の開放電圧値を算出し、前記二次電池の電圧を取得し、前記電流センサが検出した電流を前記二次電池の回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出し、前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分に基づき前記電流センサが異常であるか否かを判定する処理を実行させる。
第1算出部は、電流センサから得られる電流の積分値から算出される充電量に基づいて二次電池の開放電圧値を算出する。充電量に基づく開放電圧値の算出は、充電量と開放電圧値との実測に基づく対応関係から行なってもよいし、充電量を変数として開放電圧値を求める関数を予め作成しておき、該関数から行なってもよい。
第2算出部は、電流センサが検出した二次電池の電流と、電圧取得部により取得された前記二次電池の電圧とを、二次電池の等価回路を示す回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出する。このとき等価回路は、二次電池が開放電圧と電解液抵抗、電荷移動抵抗、及び拡散抵抗を含む回路とし、検出される電流は各々の抵抗にも流れることから、取得される全体の電圧からこれらの抵抗における電位差の分を減算するようにして開放電圧が得られる。回路モデルに基づく開放電圧の算出方法はこれに限られない。
判定部は、第1算出部と第2算出部とで異なる方法で算出した開放電圧値に基づき、電流センサの異常を判定する。第1算出部では、電流センサから得られる電流値の積分値に基づいて第1の開放電圧値を算出するから、電流センサからの出力(電流値に相当)が固着した場合に第1の開放電圧値はその固着した値によって単純に増加するか減少する。第2算出部では、取得された電圧値をも用いて第2の開放電圧値を算出するから、第1の開放電圧値と比較することにより、電流センサからの出力の異常の検知を可能とする。
本実施の形態に係る異常判定装置では、前記判定部は、前記差分が第1の閾値以上であるか否かを判断し、第1の閾値以上であると判断された場合に異常であると判定する。
判定部は、第1の開放電圧値と第2の開放電圧値との差分が第1の閾値以上であるか否かにより異常を判定する。上述したように電流センサからの出力(電流値に相当)が固着した場合に第1の開放電圧値はその固着した値によって単純に増加するか又は減少するから、第2の開放電圧値との差分をとることで、その単純な増減を検知することを可能とする。
本実施の形態に係る異常判定装置では、前記判定部は、前記差分を記憶する記憶部を備え、前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分と、所定期間前に算出されて前記記憶部に記憶してある差分との間の差分を算出し、該差分が第2の閾値以上であるか否かを判断し、第2の閾値以上であると判断された場合に異常であると判定する。
判定部は、第1の開放電圧値と第2の開放電圧値との差分を記憶しておき、ある時点にて算出された差分と、所定の期間前における差分との更なる差分が第2の閾値以上であるか否かにより異常を判定する。時間差で差分をとることで、電流値及び電圧値に対応するゆらぎがキャンセルされて更に電流センサからの出力の固着を検知することが可能となる。
本実施の形態に係る異常判定装置では、前記判定部は、前記差分を記憶する記憶部を備え、前記差分が第1の閾値未満であると判断された場合に、前記差分と所定期間前に算出されて前記記憶部に記憶してある差分との間の差分を算出し、該差分が第2の閾値以上であるか否かを判断し、第2の閾値以上であると判断された場合に異常であると判定する。
判定部は、第1の閾値に対する判断と、第2の閾値に対する判断とを組み合わせて実行することで、より精度よく判定を行なう。
本実施の形態に係る異常判定装置では、前記電流センサから前記二次電池の電流に対応する出力を取得する電流取得部と、該電流取得部で取得した出力に基づき電流の積分値を算出する電流積算部と、該電流積算部にて算出された電流の積分値及び前記二次電池の満充電容量により充電量を算出する充電量算出部とを備え、前記第1算出部は、前記充電量算出部が算出した充電量の開放電圧値に対する特性に基づき第1の開放電圧値を算出し、前記第2算出部は、前記電圧取得部で取得した電圧が、二次電池の電解液抵抗、電荷移動抵抗、及び拡散抵抗夫々における電位差と開放電圧との和に等しいことを示す回路モデルと、前記電流取得部が取得した出力に対応する電流とに基づき第2の開放電圧値を算出する。
電流積算部は、電流センサからの出力を取得する電流取得部により得られる電流値を積算する。充電量算出部は、電流積算部が算出した積分値と、満充電容量との比較により充電量を算出する。
第1算出部は、充電量と開放電圧値との特性に基づいて充電量算出部が算出した充電量から第1の開放電圧値を算出する。
第2算出部は、前記電圧取得部で取得した電圧が、二次電池の電解液抵抗、電荷移動抵抗、及び拡散抵抗夫々における電位差と開放電圧との和に等しいことを示す等価回路に対応する回路モデルに基づき第2の開放電圧値を算出する。つまり第2算出部は、取得した電圧値と、各抵抗の抵抗値と、各抵抗を流れる電流の電流値に基づいて第2の開放電圧値を算出する。
判定部は、電流センサから得られる電流値のみで算出される第1の開放電圧値と、電圧値を含むその他の要素から算出される第2の開放電圧値との差分から、電流センサからの出力の固着を検知することが可能になる。
本実施の形態に係る異常判定装置では、前記電圧取得部及び電流取得部は、所定のサンプリング周期で夫々電圧及び電流を取得し、前記第1算出部及び第2算出部にて算出された第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分をサンプリング周期毎に記憶する記憶部を備え、前記判定部は、前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分と、1又は複数のサンプリング周期前に算出されて前記記憶部に記憶してある差分との間の差分を算出し、該差分が第2の閾値以上であるか否かを判断し、第2の閾値以上であると判断された場合に異常であると判定する。
電圧取得部及び電流取得部は、サンプリング周期に従って電圧値及び電流値を夫々取得する。判定部は、第2の閾値に対して比較対象とする値を、サンプリング周期の単位で期間をずらした差分同士の差分とする。サンプリング周期に対応する時間差で差分をとることで、電圧値及び電流値に対応するゆらぎがキャンセルされて電流センサからの出力の固着を更に精度よく検知することが可能となる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本願発明に係る電流センサの異常判定装置について、実施の形態を示す図面に基づいて説明する。以下の実施の形態では、二次電池を搭載した車輌内に配設され、本願発明に係る電流センサの異常判定装置としてのみならず、二次電池に係る種々の測定値を取得してSOC又はSOHに係る情報を処理する装置として機能する電池監視装置を例に説明する。
(実施の形態1)
図1は、車載二次電池及び電池監視装置100を含む車輌電源システムの構成を示す模式図である。車輌電源システムは、電池監視装置100の他に、二次電池ユニット50、リレー61,63、発電機(ALT)62、スタータモータ(ST)64、電池65、電気負荷66を含む。
二次電池ユニット50は、例えばリチウムイオン電池を用い、複数のセル51を直列又は直並列に接続して筐体内に収容してある。更に二次電池ユニット50は筐体内に、電圧センサ52、電流センサ53、温度センサ54を備える。電圧センサ52は、各セル51の電圧及び二次電池ユニット50の両端間の電圧を検出し検出した電圧を、電圧検出線50aを介して電池監視装置100へ出力する。電流センサ53は、例えばシャント抵抗又はホールセンサ等で構成され、二次電池の充電電流及び放電電流を検出する。電流センサ53は検出した電流を、電流検出線50bを介して電池監視装置100へ出力する。
温度センサ54は例えばサーミスタで構成され、複数のセル51の内のいずれか1箇所又は複数箇所における表面温度を検出する。温度センサ54はセル51夫々に1つずつ設けられていてもよい。温度センサ54は検出した表面温度を、温度検出線50cを介して電池監視装置100へ出力する。複数のセル51の表面温度を各検出する場合には、複数の温度検出線50cから夫々温度を出力する。
電池65は例えば鉛電池であり、車輌に搭載された各種電気負荷66への電力供給を行なうと共に、リレー63がオンである場合にはスタータモータ64を駆動するための電力供給を行なう。発電機62は、車輌のエンジンの回転により発電し、内部に設けられた整流回路により直流を出力して電池65を充電する。また発電機62は、リレー61がオンである場合に、電池65及び二次電池ユニット50を充電する。なおリレー61,63のオン及びオフの制御は図示しないリレー制御部により行なわれる。
図2は、実施の形態1における電池監視装置100の構成の一例を示すブロック図である。なお図2では、電池監視装置100にて実行される機能の内、電流センサ53の異常判定装置としての機能に関する構成について示し、他の構成については図示及び詳細な説明を省略する。電池監視装置100は、制御部10、記憶部11、タイマ12、電圧取得部13、電流取得部14、温度取得部15、内部パラメータ算出部16、電流積算部17、第1開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)算出部18、第2OCV算出部19、異常判定部20、充電状態(SOC)算出部21、及び健康状態(SOH)算出部22を備える。なお電圧取得部13〜健康状態算出部22(特に異常判定部20)の処理は、制御部10によってソフトウェアにより実行される。これらの処理は、各々集積回路化されて実行されてもよく、又は一部を集積回路化して実行させ、残りの一部を制御部10のソフトウェアに基づく処理によって実行させるように混在させてもよい。
制御部10は、1又は複数のプロセッサとメモリとを用い、各構成部を制御する処理を実行し、電流センサ53の異常検出装置としての機能を発揮させる。記憶部11はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いて制御部10が参照するデータ等を記憶する。タイマ12は、所定の周波数でパルス信号を出力しており、制御部10はタイマ12から出力される信号のパルスを計数することで計時が可能である。制御部10は例えば10ミリ秒等の一定のサンプリング周期で以下に説明する各構成部による処理を順次実行し、充電状態及び健康状態の算出を行なうと共に、電流センサ53の異常の検出を行なう。なおこのサンプリング周期は、制御部10が制御することができる。
電圧取得部13は二次電池ユニット50の電圧(例えば二次電池ユニット50の両端電圧)の電圧値Vを、電圧検出線50aを介して取得する。電流取得部14は、二次電池ユニット50の電流(充電電流又は放電電流)の電流値Iを、電流検出線50bを介して取得する。温度取得部15は、二次電池ユニット50のセル51の表面温度の値を、温度検出線50cを介して取得する。
内部パラメータ算出部16は、二次電池ユニット50に対する等価回路の各要素の抵抗値R0 ,R1 ,R2 、又はコンデンサ値C1 ,C2 (図4参照)を算出する。なお等価回路における各要素の抵抗値又はコンデンサ値は、セル51の温度、及び健康状態(SOH)等によって変化する値である。したがって内部パラメータ算出部16は、温度取得部15により取得した温度(若しくは推定される内部温度)、又は健康状態算出部22によって得られる健康状態(劣化度)に基づき、各要素の抵抗値R0 ,R1 ,R2、又はコンデンサ値C1 ,C2 を算出する。なお内部パラメータ算出部16は、二次電池ユニット50の内部抵抗値Rを算出するようにしてもよい。
電流積算部17は、電流取得部14で取得した電流値を積分する。電流の積分値は、電流を時間で積分したものである。例えば電流取得部14における電流センサ53からのサンプリング周期をΔtとした場合(例えば10ミリ秒)、サンプリングの都度取得される電流値をIbi(i=1,2,…)とした場合、電流の積分値はΣIbi×Δt(i=1,2,…)で算出される。積分の算出を開始するタイミングは二次電池ユニット50、又は電池監視装置100自体の起動タイミングであり、継続的に積分値を算出する。なお所定のタイミングで積分値をリセットするようにしてもよい。
第1OCV算出部18は、充電状態算出部23により直近に求められた充電量SOCを用いて、第1の開放電圧値(第1OCV値)を算出する。算出方法については後述する。第2OCV算出部19は、内部パラメータ算出部16で算出される等価回路の各要素の抵抗値R0 ,R1 ,R2 、又はコンデンサ値C1 ,C2 を含む電池モデルに基づき第2の開放電圧値を算出する。算出方法については後述する。
異常判定部20は、第1OCV算出部18で算出した第1の開放電圧値と第2OCV算出部19で算出した第2の開放電圧値との差分に基づき、電流センサ53の異常があるか否かを判定する。異常判定部20は具体的には、算出された差分が閾値以上である場合に異常があると判定する。
充電状態(SOC)算出部21は、電流積算部17により算出された積分値と、二次電池ユニット50の全電池容量とに基づいて充電量(満充電容量に対する充電されている容量の比率、即ち充電率)を算出する。なお直近に求めた充電量を変数SOCinとして、第1充電量をSOC1とすると、第1充電量SOC1は、SOC1=SOCin±{ΣIbi×Δt(i=1,2,…)/満充電容量FCC}という式で算出することはできる。Ibi(i=1,2,…)はサンプリングの都度取得される電流値であり、ΣIbi×Δt(i=1,2,…)は電流の積分値である。なお±について+(プラス)は充電時、−(マイナス)は放電時に対応する。
健康状態(SOH)算出部22は、二次電池ユニット50の内部パラメータ算出部16にて算出される内部抵抗値Rの初期値R0に対する割合に基づいて二次電池の健康状態(SOH)を算出する。
制御部10は、各構成部を制御して算出した二次電池ユニット50の充電量SOC、健康状態SOH、又は異常判定部20による判定結果を用いて、電池管理に関する処理を行なう。制御部10は、充電量SOCが所定値以下である場合に、計器パネルにおける警告灯に算出された充電量を示すなど処理を行なう。また健康状態SOHが所定の度合以下である場合、異常判定部20による判定結果が異常である場合にも警告灯にて警告を発するなどの処理を行なう。また制御部10は、充電量SOC、健康状態SOH又は異常判定部20による判定結果を通信部から車内の他装置へ送信するようにしてもよい。車内の他装置から更に車外装置へ送信されるようにしてもよい。これらの外部装置では、電池監視装置100から送信された充電量SOC、健康状態SOH又は異常判定部20による判定結果に基づいて処理を行なう。
このように構成される電池監視装置100における電流センサ53の異常判定の処理について説明する。図3は、実施の形態1における電流センサ53の異常を判定する処理の流れを示すブロック図である。
電流センサ53の異常は、図3に示すように電流取得部14により電流センサ53から得られる電流値と、電圧取得部13により電圧センサ52から得られる電圧値とに基づいて判定される。電流取得部14により所定のサンプリング周期で得られた電流値Ibは、電流積算部17及び第2OCV算出部19における電池モデル109に入力される。
電流積算部17で積算された電流値は第1OCV算出部18へ入力される。積算された電流値により充電量(SOC)が算出され、第1OCV算出部18は例えば、記憶部11に予め記憶されているSOC−OCV特性を示すテーブルを参照して第1の開放電圧値(第1OCV値)を算出する。また第1OCV算出部18は、以下の式1により第1の開放電圧値を算出するようにしてもよい。なお式1における係数K0 ,K1 ,K2 ,K3 ,K4 は、二次電池ユニット50に対して実測しておいたSOC−OCVの対応に基づき最小二乗法で求めた係数である。
第2OCV算出部19は、電流取得部14にて得られた電流値を電池モデル109に入力し、内部パラメータ算出部16にて算出された各パラメータ及び電圧取得部13で電圧センサ52から得られる電圧値と併せて第2の開放電圧(第2OCV)を算出する。図4は、電池モデル109の概要を示す説明図である。電池モデル109は二次電池ユニット50の等価回路である。二次電池ユニット50の等価回路は、開放電圧OCVと、抵抗値R0 の抵抗と、抵抗値R1 の抵抗及びコンデンサ容量C1 のコンデンサの第1の並列接続成分と、抵抗値R2 の抵抗及びコンデンサ容量C2 のコンデンサの第2の並列接続成分とを直列接続した構成である。抵抗値R0 の抵抗は、電解液抵抗に対応する。抵抗値R1 の抵抗は電荷移動抵抗に対応し、コンデンサ容量C1 は電極二重層に対応する。抵抗値R2 の抵抗及びコンデンサ容量C2 は拡散抵抗に対応する。なお図3の等価回路では、コンデンサ容量を並列させた抵抗が2つ接続された構成であるが、等価回路モデルはこれに限られない。
これにより二次電池ユニット50の電圧値Vbは、開放電圧OCVと、抵抗値R0 の抵抗における電位差と、第1の並列接続成分における電位差u1 と、第2の並列接続成分における電位差u2 との和である。バッテリに流れる電流の電流値をIbとすれば二次電池ユニット50の電池モデルを連続時間の微分方程式で表すと式2〜4のようになる。
式2〜4では連続時間の微分方程式で表されているが、電池監視装置100における電流値及び電圧値の取得は離散時間(サンプリング周期)であるから、以下の式5〜7のように表される。第2OCV算出部19は、電池モデル109にて得られる各パラメータ及び電流値と、電圧取得部13により得られる電圧値とを式7に当てはめることで時間経過と共に変化する開放電圧OCV(k)を算出する。なおkは電圧又は電流の取得回数である。
そして異常判定部20は、上述したように第1OCV算出部18及び第2OCV算出部19から得られる第1の開放電圧値と第2の開放電圧値とを夫々入力し、差分に基づき異常があるか否かを判定する。
図5は、実施の形態1における異常判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。まず電圧取得部13により電圧値Vbを取得し(ステップS1)、電流取得部14により電流値Ibを取得する(ステップS2)。
そして電流積算部17により、ステップS2で取得した電流値Ibを積分し(ステップS3)、SOC算出部21により算出された積分値から充電量SOCを算出する(ステップS4)。これにより第1OCV算出部18は、充電量SOCを用いて第1の開放電圧値を算出する(ステップS5)。
次に内部パラメータ算出部16にて各パラメータ(R0 ,R1 ,R2 、又はコンデンサ値C1 ,C2 )を算出する(ステップS6)。そして第2OCV算出部19はステップS2で取得された電流値Ibと、ステップS6で算出されたパラメータ(R0 ,R1 ,R2 、又はコンデンサ値C1 ,C2 )と、ステップS1で取得された電圧値Vbとを用いて第2の開放電圧値を算出する(ステップS7)。
次に異常判定部20は、ステップS5で算出された第1の開放電圧値とステップS7で算出された第2の開放電圧値との差分を算出する(ステップS8)。異常判定部20は、差分が予め記憶されている閾値以上であるか否かを判断する(ステップS9)。差分が閾値未満であると判断された場合(S9:NO)、異常判定部20は、電流センサ53は正常であると判定し(ステップS10)、処理を終了する。
ステップS9にて差分が閾値以上であると判断された場合(S9:YES)、異常判定部20は、電流センサ53は異常であると判定し(ステップS11)、処理を終了する。
なおステップS9において差分と比較される閾値は、例えば事前に二次電池ユニット50毎の計測により決定された値であって、記憶部11に記憶されているものである。閾値は温度、劣化度等に応じて異なる可能性があるので、これらについても事前に計測するなどして適切な閾値との比較が行なわれるようにするとよい。
図5のフローチャートに示した処理手順により固着故障を異常として判定できることを以下に具体例を挙げて説明する。図6及び図7は、電圧値及び電流値の推移を示すグラフである。図6は、電流センサ53が計測期間中正常であったケースの推移を示し、図7は破線で示すタイミングで電流センサ53に中間固着故障が発生したケースの推移を示している。図6及び図7のいずれのグラフでも上部に電圧値Vbの推移、下部に電流値Ibの推移を示しており、夫々横軸に計測期間中の時間の経過、縦軸に電圧値及び電流値を示している。図6及び図7に示すように、充電と放電が切り替わる都度に、電流値Ibが大きく変化するが、図7のグラフでは破線で示すタイミングで、電流センサ53からの出力(Ib)が0(ゼロ)でもなく放電中の所定の負値でもない中間の値で固着していることがわかる。
図8及び図9は、2つの開放電圧値の差分の推移を示すグラフである。図8は、図6の電流値の推移、即ち電流センサ53が計測期間中正常であったケースに対応し、図9は図7の電流値の推移、即ち電流センサ53に中間固着故障が発生したケースに対応している。図8及び図9のいずれのグラフでも上部に電流値Ibの推移、即ち図6及び図7の下部に示したグラフを示しており、時間軸を揃えるようにして下部に第1の開放電圧値と第2の開放電圧値との差分(OCV差)の推移を示している。図9では図8と比較して、中間固着故障が発生したタイミングでOCV差が拡大するように変化している。図10は、図9のグラフの拡大図である。図10では横軸を秒単位で示している。図10の上部に示すように、計測期間中の200秒付近で電流センサ53からの出力レベルが−5(マイナス5)へ固着したタイミングから50ミリ秒以内に、OCV差が上昇しており例えばOCV差に対する閾値を0.05とした場合には、サンプリング周期2回目に相当する20ミリ秒程度のタイミングで電流センサ53の異常を判定することができる。
このようにして異なる手法により開放電圧値を求め、それらを比較する。異なる手法の一方、即ち第1の開放電圧値の算出を、電流センサ53からの出力を積算した値に基づくものとし、他方即ち第2の開放電圧値の算出を、電流センサ53からの出力以外の電圧値等を用いた手法とした。電流センサ53からの出力(電流値に相当)が固着した場合に、第1の開放電圧値はその固着した値によって単純に増加するか又は減少する一方で、第2の開放電圧値は実際の電圧値に応じて変動するものとなる。したがって2つの開放電圧値の比較を行なうことで、電流センサ53からの出力が固着することによる単純な増減を検知することを可能とする。特に実施の形態1では2つの異なる手法による開放電圧値の差分をとり、閾値以上であるか否かを判定することで、2つの値に大きなかい離がある場合に異常であると判断できる。実施の形態1における異常判定により、例えば10ミリ秒のサンプリング周期の10倍以上、即ち100ミリ秒以上が経過せずとも電流センサ53における固着故障の発生に対して異常であると判定することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2における電池監視装置100の制御部10は異常判定部20として、第1の開放電圧値と第2の開放電圧値との差分と、更にサンプリング周期に対応する期間分遅延させたものとの差分に基づき、異常を判定する。実施の形態2における車輌電源システムの構成は、以下に示す処理の詳細を除いて実施の形態1と共通であるから、共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図11は、実施の形態2における電池監視装置100における電流センサ53の異常を判定する処理の流れを示すブロック図である。実施の形態2においては第1OCV算出部18及び第2OCV算出部19にて算出された第1の開放電圧値と第2の開放電圧値との差分を減算器23により算出した後、遅延処理部24により1サンプリング周期前の差分値との間で減算器25により更に差分をとる。実施の形態2における異常判定部20は、このように時間差を設けて取られた差分に基づき電流センサ53に異常があるか否かを判定する。なお遅延処理部24による遅延は、1サンプリング周期に限らず、2つ以上の複数のサンプリング周期に相当する期間の遅延であってもよい。
図12は、実施の形態2における異常判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートに示す処理手順の内、実施の形態1の図5のフローチャートに示す処理手順と共通する手順には同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
実施の形態2において異常判定部20は、ステップS5で算出された第1の開放電圧値とステップS7で算出された第2の開放電圧値との差分を算出した後(S8)、その差分を記憶しておく(ステップS12)。異常判定部20は、ステップS8で算出した差分と、記憶してある1サンプリング周期前(2サンプリング周期前でもよい)にて算出された差分との差分を算出する(ステップS13)。異常判定部20は、ステップS13で算出した差分が予め記憶されている閾値以上であるか否かを判断する(ステップS14)。なおステップS14における閾値と、実施の形態1における図5のフローチャート中のステップS9で比較した閾値とは異なる値である。
ステップS14で差分が閾値未満であると判断された場合(S14:NO)、異常判定部20は、電流センサ53は正常であると判定し(ステップS10)、処理を終了する。
ステップS14にて差分が閾値以上であると判断された場合(S14:YES)、異常判定部20は、電流センサ53は異常であると判定し(ステップS11)、処理を終了する。
ステップS14において差分と比較される閾値についても例えば事前に二次電池ユニット50毎の計測により決定された値であって、記憶部11に記憶されているものである。閾値は温度、劣化度等に応じて異なる可能性があるので、これらについても事前に計測するなどして適切な閾値との比較が行なわれるようにするとよい。
図12のフローチャートに示した処理手順により、固着故障を異常として判定できることを以下に具体例を挙げて説明する。図13は、電圧値及び電流値の推移を示すグラフである。なお図13は、破線で示すタイミングで電流センサ53に固着故障が発生したケースの推移を示している。これに対する正常な推移は、実施の形態1における図6で示したものと同一である。図13のグラフでも上部に電圧値Vbの推移、下部に電流値Ibの推移を示しており、夫々横軸に計測期間中の時間の経過、縦軸に電圧値及び電流値を示している。図13で示すように実施の形態2で示す固着故障では、破線で示すタイミングで、電流センサ53からの出力(Ib)が、放電中(通電中)と同じ所定の負値で固着していることがわかる。
図14及び図15は、1サンプリング周期前の差分値との差分の推移を示すグラフである。図14は、電流センサ53が正常であるケース(図6)に対応し、図15は図13の電流値の推移、即ち電流センサ53に固着故障が発生したケースに対応している。図14及び図15のいずれのグラフでも上部に電流値Ibの推移、即ち図6及び図13の下部に示したグラフを示しており、時間軸を揃えるようにして下部に1サンプリング周期前の差分値との差分(ステップS13で算出される差分)の推移を示している。図15では図14と比較して、固着故障が発生したタイミングで差分に変化が生じている。図16は、図15のグラフの拡大図である。図16の上部に示すように、計測期間中に電流センサ53からの出力レベルのノイズが消失して出力レベルが一定値に固着したタイミングで、差分が急激に上昇しており、例えば差分に対する閾値を図16中の値Aとした場合には、1サンプリング周期後に相当する10ミリ秒程度のタイミングで電流センサ53の異常を判定することができる。
このように実施の形態2では、異なる手法により開放電圧値を求め、その差分に対して更に1サンプリング周期前の差分との間で電流センサ53からの出力のゆらぎをキャンセルした後に閾値と比較することが可能となる。これにより、例えば中間固着故障ではなく、二次電池ユニット50が通電中である場合の電流センサ53からの出力と変わらない値への固着故障が発生した場合であっても、電流センサ53の異常を判定することができる。また、10ミリ秒のサンプリング周期の10倍以上、即ち100ミリ秒以上が経過せずとも、遅延処理を1サンプリング周期後とすることで1サンプリング周期後という早さで異常を判定することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3において電池監視装置100の制御部10は、異常判定部20として、第1の開放電圧値と第2の開放電圧値との差分に基づく判断と、それらをサンプリング周期分ずらして求めた差分に基づく判断とを合わせて行なう。実施の形態3における車輌電源システムの構成は、以下に示す処理の詳細を除いて実施の形態1と共通であるから、共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図17は、実施の形態3における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお図17のフローチャートに示す処理手順の内、実施の形態1における図5、並びに実施の形態2における図12のフローチャートに示した処理手順と共通する処理手順については、同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
実施の形態3において異常判定部20は、ステップS5で算出された第1の開放電圧値とステップS7で算出された第2の開放電圧値との差分を算出した後(S8)、その差分を記憶しておいた上で(S12)、差分が予め記憶されている第1閾値以上であるか否かを判断する(S9)。
ステップS9にて差分が第1閾値以上であると判断された場合(S9:YES)、異常判定部20は、電流センサ53は異常であると判定し(ステップS11)、処理を終了する。
ステップS9にて差分が第1閾値未満であると判断された場合(S9:NO)、異常判定部20は、ステップS8で算出した差分と、記憶してある1サンプリング周期前(2サンプリング周期前でもよい)にて算出された差分との差分を算出する(S13)。そして異常判定部20は、ステップS13で算出した差分が予め記憶されている第2閾値以上であるか否かを判断する(S14)。なおステップS14における第2閾値と、ステップS9における第1閾値とは異なる値である。
ステップS14で差分が第2閾値未満であると判断された場合(S14:NO)、異常判定部20は、電流センサ53は正常であると判定し(ステップS10)、処理を終了する。
ステップS14にて差分が第2閾値以上であると判断された場合(S14:YES)、異常判定部20は、電流センサ53は異常であると判定し(ステップS11)、処理を終了する。
このように実施の形態3では、実施の形態1における差分に対する判断と、実施の形態2においてその差分に対して更に1サンプリング周期前の差分との間での判断とを組み合わせることにより、より精度よく、しかも早期に電流センサ53の異常を判定することが可能になる。
なお上述した実施の形態においては内部温度の算出対象を車輌に搭載されている二次電池ユニット50とした。しかしながら本開示の温度異常判定装置の温度異常の判定対象となる電池は、車輌に搭載される二次電池に限られないことは勿論である。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 電池監視装置
10 制御部
11 記憶部
12 タイマ
13 電圧取得部
14 電流取得部
15 温度取得部
16 内部パラメータ算出部
17 電流積算部
18 第1開放電圧(OCV)算出部
19 第2開放電圧(OCV)算出部
20 異常判定部
21 充電状態(SOC)算出部
22 健康状態(SOH)算出部
24 遅延処理部
50 二次電池ユニット
51 セル
52 電圧センサ
53 電流センサ
54 温度センサ

Claims (8)

  1. 二次電池の放電電流又は充電電流を検出する電流センサが異常であるか否かを判定する異常判定装置であって、
    前記電流センサが検出した電流の積分値から算出される充電量に基づき第1の開放電圧値を算出する第1算出部と、
    前記二次電池の電圧を取得する電圧取得部と、
    前記電流センサが検出した電流及び前記電圧取得部から取得された電圧を前記二次電池の回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出する第2算出部と、
    前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分に基づき前記電流センサが異常であるか否かを判定する判定部と
    を備える異常判定装置。
  2. 前記判定部は、前記差分が第1の閾値以上であるか否かを判断し、第1の閾値以上であると判断された場合に異常であると判定する請求項1に記載の異常判定装置。
  3. 前記判定部は、
    前記差分を記憶する記憶部を備え、
    前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分と、所定期間前に算出されて前記記憶部に記憶してある差分との間の差分を算出し、
    該差分が第2の閾値以上であるか否かを判断し、
    第2の閾値以上であると判断された場合に異常であると判定する請求項1に記載の異常判定装置。
  4. 前記判定部は、
    前記差分を記憶する記憶部を備え、
    前記差分が第1の閾値未満であると判断された場合に、前記差分と所定期間前に算出されて前記記憶部に記憶してある差分との間の差分を算出し、
    該差分が第2の閾値以上であるか否かを判断し、
    第2の閾値以上であると判断された場合に異常であると判定する請求項2に記載の異常判定装置。
  5. 前記電流センサから前記二次電池の電流に対応する出力を取得する電流取得部と、
    該電流取得部で取得した出力に基づき電流の積分値を算出する電流積算部と、
    該電流積算部にて算出された電流の積分値及び前記二次電池の満充電容量により充電量を算出する充電量算出部と
    を備え、
    前記第1算出部は、前記充電量算出部が算出した充電量の開放電圧値に対する特性に基づき第1の開放電圧値を算出し、
    前記第2算出部は、前記電圧取得部で取得した電圧が、二次電池の電解液抵抗、電荷移動抵抗、及び拡散抵抗夫々における電位差と開放電圧との和に等しいことを示す回路モデルと、前記電流取得部が取得した出力に対応する電流とに基づき第2の開放電圧値を算出する請求項1に記載の異常判定装置。
  6. 前記電圧取得部及び電流取得部は、所定のサンプリング周期で夫々電圧及び電流を取得し、
    前記第1算出部及び第2算出部にて算出された第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分をサンプリング周期毎に記憶する記憶部を備え、
    前記判定部は、
    前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分と、1又は複数のサンプリング周期前に算出されて前記記憶部に記憶してある差分との間の差分を算出し、
    該差分が第2の閾値以上であるか否かを判断し、
    第2の閾値以上であると判断された場合に異常であると判定する請求項5に記載の異常判定装置。
  7. 二次電池の放電電流又は充電電流を検出する電流センサが異常であるか否かを判定する異常判定方法であって、
    前記電流センサが検出した電流の積分値から算出される充電量に基づき第1の開放電圧値を算出し、
    前記二次電池の電圧を取得し、
    前記電流センサが検出した電流及び取得された電圧を前記二次電池の回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出し、
    前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分に基づき前記電流センサが異常であるか否かを判定する異常判定方法。
  8. コンピュータに、二次電池の放電電流又は充電電流を検出する電流センサが異常であるか否かを判定させるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記電流センサが検出した電流の積分値から算出される充電量に基づき第1の開放電圧値を算出し、
    前記二次電池の電圧を取得し、
    前記電流センサが検出した電流を前記二次電池の回路モデルに適用して第2の開放電圧値を算出し、
    前記第1の開放電圧値及び第2の開放電圧値の差分に基づき前記電流センサが異常であるか否かを判定する処理を実行させるコンピュータプログラム。
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