JP6534746B2 - 電池制御装置及び電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、電池制御装置及び電池システムに関する。
蓄電手段として電池を用いた電動車両等では、電池の状態を管理する電池制御回路が搭載されている。電池制御回路が管理する電池の状態として、電池の充電状態(State of Charge:SOC)や、電池の劣化状態(State of Health:SOH)が代表的な例である。SOCを推定する方法の一つとして、電池に出入りした電流値を測定して積分する方法がある。この方法では、電流測定値に含まれる測定誤差も積分してしまうため、時間の経過と共にSOC誤差が拡大する。
そのために、特許文献1では、二次電池の充放電電流を積算してSOC(以下、SOCi)を算出する。また、二次電池の電池電圧と充放電電流から開放電圧(Open Circuit Voltage:OCV) を求め、このOCVとSOCの対応関係に基づいて、OCVをSOCへ換算することによりSOC(以下、SOCv)を算出する。そして、SOCiとSOCvに所定値以上の乖離が発生した場合に、SOCiを補正する。このようにして、SOCvとSOCiの差分が所定値以上の時に、電流測定値を積算していくに従って拡大するSOC誤差をリセットするため、SOCの誤差が累積されて拡大することを抑制している。
特許第3864590号公報
しかしながら、特許文献1では、リセット時におけるSOCvにも演算誤差が含まれるため、SOCvの演算精度そのものを確保する必要があり、電池の充電状態SOCを高精度に推定することができない。
本発明の第1の態様による電池制御装置は、電池の電流及び電圧を含む状態量を検出する検出部と、前記状態量に基づき、前記電池の充電状態を出力する電池制御部と、を有し、前記電池制御部は、前記電池の放電後に前記電流の絶対値が所定値以下であるときに検出された放電方向の分極電圧を含む前記電圧に基づいて、前記電池の第1の充電状態初期値を算出し、前記第1の充電状態初期値と前記状態量とに基づいて、前記電池の第1の充電状態を推定し、前記電流の絶対値が所定値以下となってから、前記第1の充電状態初期値を取得するまでの第1の経過時間を検出し、前記電池の充電後に前記電流の絶対値が所定値以下であるときに検出された充電方向の分極電圧を含む前記電圧に基づいて、前記電池の第2の充電状態初期値を算出し、前記第2の充電状態初期値と前記状態量とに基づいて、前記電池の第2の充電状態を推定し、前記電流の絶対値が所定値以下となってから、前記第2の充電状態初期値を取得するまでの第2の経過時間を検出し、前記第1の充電状態および前記第2の充電状態と、前記第1の経過時間および前記第2の経過時間とに基づいて、前記電池の第3の充電状態を算出し、出力する。
また、本発明の第2の態様による電池制御装置は、電池の電流及び電圧を含む状態量を検出する検出部と、前記状態量に基づき、前記電池の充電状態を出力する電池制御部とを備え、前記電池制御部は、放電後の前記電池の充電状態と、前記電池の充電状態変化量とに基づいて前記電池の第1充電状態を演算する第1充電状態演算部と、充電後の前記電池の充電状態と、前記充電状態変化量とに基づいて前記電池の第2充電状態を演算する第2充電状態演算部と、前記第1充電状態演算部で演算された第1充電状態と前記第2充電状態演算部で演算された第2充電状態とに基づいて前記電池の充電状態を演算する第3充電状態演算部とを備える。
本発明によれば、電池の充電状態を高精度に推定することができる。
電池制御装置とその周辺の構成を示す図である。 単電池制御部の回路構成を示す図である。 SOCとOCVの対応関係を示す図である。 電池の等価回路を示す図である。 充電時における単電池の電圧変化を示す図である。 (a)(b)電流積算によるSOCの推定を示す図である。 電流積算によるSOC変化量の演算誤差の拡大を示す図である。 電流積算によるSOCの演算誤差の拡大を示す図である。 (a)(b)充電時と放電時における単電池の電圧変化を示す図である。 第1の実施形態に係る組電池制御部の機能ブロック図である。 (a)(b)第1の実施形態に係る充電後と放電後における単電池の電圧変化を示す図である。 (a)(b)第1の実施形態に係る充放電における単電池の電圧及びSOCの推移を示す図である。 第2の実施形態に係る組電池制御部の機能ブロック図である。 第2の実施形態に係る単電池の電圧変化を示す図である。 第2の実施形態に係る充放電における単電池の電圧及びSOCの推移を示す図である。 分極緩和時間の温度依存性を示す図である。 分極緩和時間のSOC依存性を示す図である。 第3の実施形態に係る組電池制御部の機能ブロック図である。 温度に応じた重み調整係数を示す図である SOCに応じた重み調整係数を示す図である
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電池制御装置とその周辺の構成を示す図である。
図1を基に全体の構成を説明する。図1に示すように、電池システム100には、リレー300、310を介して、インバータ400が接続される。インバータ400には、モータジェネレータ410が接続される。また、電池システム100は、リレー320、330を介して充電器500と接続される。なお、モータジェネレータ410は図示省略した電動車両の駆動源となるものである。
電池システム100には、車両制御部200が接続され、車両制御部200にはインバータ制御部420が接続される。インバータ制御部420は、インバータ400に駆動信号を出力する。インバータ400は、この駆動信号に基づいてモータジェネレータ410を駆動する。モータジェネレータ410の回転位置などの信号は、インバータ制御部420へ入力される。車両制御部200は、電池システム100のSOC (充電状態)などの電池に関する情報とインバータ400やモータジェネレータ410からの信号と、車両のエンジン(図示省略)の情報を基にモータジェネレータ410の駆動力の配分等を決定する。
次に、図1を基に電池システム100の構成について説明する。
電池システム100は、複数の単電池111から構成される組電池110と、単電池111の状態を監視する単電池制御部120と、電池システム100に流れる電流を検知する電流検知部130と、組電池110の総電圧を検知する電圧検知部140と、組電池110の制御を行う組電池制御部150と、組電池110、単電池111、単電池群112a、112bの電池特性に関する情報を格納する記憶部180と、車両停止時から次回車両起動時までの時間を計測する車両停止時間計測部190で構成される。
組電池110は、電気エネルギーの蓄積及び放出(直流電力の充放電)が可能な複数の単電池111(例えば、リチウムイオン電池)を電気的に直列に接続して構成される。1つの単電池111は、出力電圧が3.0〜4.2V(平均出力電圧:3.6V)であり、単電池111のOCV (開放電圧)とSOC(充電状態)には後述の図3に示すような相関関係がある場合を例に説明するが、その他の相関関係でも同様である。
組電池110を構成する単電池111は、状態の管理・制御を行う上で、所定の単位数にグループ分けされている。グループ分けされた単電池111は、電気的に直列に接続され、単電池群112a、112bを構成する。所定の単位数は、例えば1個、4個、6個・・・というように、等区分にする場合もあれば、4個と6個とを組み合わせる、というように、複合区分にする場合もある。
組電池110を構成する単電池111の状態を監視する単電池制御部120は、複数の単電池制御部121a、121bから構成されており、上記のようにグループ分けされた単電池群112aに対して1つの単電池制御部121aが割り当てられている。単電池制御部121a、121bは割り当てられた単電池群112a、112bからの電力を受けて動作し、単電池群112a、112bを構成する単電池111の状態を監視及び制御する。
本実施形態では、組電池110は、4個の単電池111を電気的に直列に接続して、単電池群112a及び112bを構成し、さらに電気的に直列に接続し、合計8個の単電池111を備える。また、単電池群112a及び112bには、単電池111の状態を監視するための単電池制御部121a及び121bが設置されている。これらの構成は説明を簡単にするための一例であり、単電池111や単電池群112a、112bの個数、単電池制御部121a、121bの設置数などはその他の構成であってもよい。
図2は、単電池制御部121aの回路構成を示す図である。単電池制御部121bも同様な回路構成であるのでその説明を省略する。単電池制御部121aは、電圧検出回路122、制御回路123、信号入出力回路124、温度検知部125を備える。電圧検出回路122は、各単電池111の端子間電圧を測定する。温度検知部125は、単電池群112aの温度を測定する。制御回路123は、電圧検出回路122および温度検知部125からの測定結果を受け取り、信号入出力回路124を介して組電池制御部150に送信する。なお、単電池制御部121aに一般的に実装される、自己放電や消費電流ばらつき等に伴い発生する単電池111間の電圧やSOCのばらつきを均等化する回路構成は、周知であるので記載を省略した。
温度検知部125は、単電池群112aで全体として1つの温度を測定し、単電池群112aを構成する単電池111の温度代表値としてその温度を取り扱う。温度検知部125が測定した温度は、単電池111、単電池群112a、または組電池110の状態を検知するための各種演算に用いられる。図2はこれを前提とするため、単電池制御部121aに1つの温度検知部125を設けた。単電池111毎に温度検知部125を設けて単電池111毎に温度を測定し、単電池111毎の温度に基づいて各種演算を実行することもできるが、この場合は温度検知部125の数が多くなる分、単電池制御部121aの構成が複雑となる。
図2では、簡易的に温度検知部125を図示した。具体的には温度測定対象に温度センサが設置され、設置した温度センサが温度情報を電圧として出力し、これを測定した結果が制御回路123を介して信号入出力回路124に送信され、信号入出力回路124が単電池制御部121aの外に測定結果を出力する。なお、この一連の流れを実現する機能が単電池制御部121aに温度検知部125として実装し、温度情報(電圧)の測定には電圧検出回路122を用いることもできる。
図1に示す組電池制御部150には、単電池制御部120から送信される単電池111の電池電圧や温度、更には単電池111が過充電もしくは過放電であるかの診断結果、電流検知部130から送信されるバッテリに流れる電流値、電圧検知部140から送信される組電池110の総電圧値、車両停止時間計測部190が計測した車両停止時間が入力される。そして、組電池制御部150は、単電池111のSOCやSOH、組電池110の入出力可能電力を始めとする各種電池状態を演算し、SOC、SOH演算結果やこれに基づく指令を、単電池制御部120や車両制御部200に出力する。尚、SOHや入出力可能電力等の演算については公知であるので、以降の説明では、SOCの演算について説明する。
記憶部180は、組電池110、単電池111、単電池群112a、112bの内部抵抗特性、満充電時の容量、分極抵抗特性、劣化特性、個体差情報、SOCとOCVの対応関係などの情報を格納する。図3は、SOCとOCVの対応関係を示す図である。図3の横軸はSOCであり、縦軸はOCVである。図3に示すSOCとOCVの対応関係は、記憶部180に記憶されている。なお、本実施形態では図1に示すように、記憶部180は、組電池制御部150または単電池制御部120の外部に設置されている構成としたが、組電池制御部150または単電池制御部120内に記憶部180を備える構成とし、これに上記情報を格納してもよい。
車両停止時間計測部190は、車両停止時の時刻情報と次回車両起動時の時刻情報に基づき、車両停止時間を演算し、組電池制御部150へ出力する。
組電池制御部150と単電池制御部120は、フォトカプラのような絶縁素子170を介して、信号通信部160により信号の送受信を行う。絶縁素子170を設けるのは、組電池制御部150と単電池制御部120とで、動作電源が異なるためである。すなわち、単電池制御部120は、組電池110から電力をうけて動作するのに対して、組電池制御部150は、車載補機用のバッテリ(例えば12V系バッテリ)を電源として用いている。絶縁素子170は、単電池制御部120を構成する回路基板に実装しても良いし、組電池制御部150を構成する回路基板に実装しても良い。尚、システム構成によっては、絶縁素子170を省略することも可能である。
本実施形態における組電池制御部150と、単電池制御部121a及び121bとの通信について説明する。単電池制御部121a及び121bは、それぞれが監視する単電池群112a及び112bの電位の高い順に従って直列に接続されている。組電池制御部150が送信した信号は、絶縁素子170を介して、信号通信部160により単電池制御部121aに入力される。単電池制御部121aの出力と単電池制御部121bの入力との間も同様に、信号通信部160により接続され、信号の伝送を行う。尚、本実施形態では、単電池制御部121aと121b間は、絶縁素子170を介していないが、絶縁素子170を介していても良い。そして、単電池制御部121bの出力は、絶縁素子170を介して、組電池制御部150の入力を経て、信号通信部160により伝送される。このように、組電池制御部150と、単電池制御部121aと単電池制御部121bは、信号通信部160により、ループ状に接続されている。このループ接続は、デイジーチェーン接続あるいは数珠繋ぎ接続もしくは芋づる式接続と呼ぶ場合もある。
車両走行中では、電池システム100はインバータ400と接続され、組電池110が蓄えているエネルギーをもとに、モータジェネレータ410を駆動する。充電の際には、電池システム100は充電器500と接続され、家庭用の電源または電気スタンドからの電力供給で充電される。
<SOCの演算1>
次に、組電池制御部150で行うSOCの演算について説明する。SOCを演算する手法には、以下の2つの手法がある。尚、以降の説明では、電池に流れる充電電流を正、放電電流を負として取り扱う。
まず、1つ目の手法であるSOCの演算1について説明する。この演算1では、充放電中の組電池110もしくは単電池111の電池電圧と電流から、電池のOCVを逐次演算する。
そして、記憶部180に記憶されているSOCとOCVの対応関係に基づいて、演算したOCVをSOCへ換算する。
充放電中のOCVを得るには、図4に示した単電池111の等価回路を用いる。図4で、OCV は単電池111の起電力成分を、Roは電池の電極や電解液等の部材の抵抗成分を、RpとCを並列に接続した抵抗成分は、電池の電気化学的な反応に伴う抵抗成分を示している。単電池111に電流Iを印加すると、単電池111の端子間電圧CCVは式(1)のように計算できる。
(数1)
CCV(t) = OCV(t) + Vo(t) + Vp(t) ・・・ 式(1)
ここで、t は時刻であり、Vo(t)は、電流とRoの積から計算される電圧変化分である。Vp(t)は、RpとCの並列回路で模擬される過渡的な電圧変化分を示す。図5は、充電時における単電池111の電圧変化を示す図である。図5の横軸は時間、縦軸は電圧である。図5に示すように、休止後に一定時間充電し、その後休止した場合、上記式(1)に従って、通電直後にVo分だけ電圧が変化し、その後、過渡的にVpの成分が発生する。充電が休止し、電流が0になると、Vo分の電圧変化が解消され、その後、Vpの成分が徐々に減少し、最終的にはOCVへと収束していく。
式(1)のCCVを示す式から、OCVを算出する式へ変形すると以下の式(2)となる。
(数2)
OCV(t) = CCV(t) - Vo(t) - Vp(t) ・・・ 式(2)
図4に示した抵抗成分Ro、Rp、Cは単電池111から抽出した特性情報であり、単電池111を充放電させることで実験的に予め求めておき、SOCや温度、電流などに応じた特性データとして記憶部180に格納されている。端子間電圧CCVは電圧検知部140による計測結果であり、電流Iは電流検知部130による計測結果であり、CCVとIと電池特性データとを用いて、OCVを算出する。そして、図3に示すSOCとOCVの対応関係から、算出したOCVをSOCへ換算することで、式(3)に示すように、単電池111のSOCを推定することができる。
(数3)
SOCv(t) = f(OCV(t)) ・・・ 式(3)
式(2)、式(3)から、SOCvの演算には、RoやRp、Cに基づき演算される抵抗成分の演算精度に依存することが分かる。各種抵抗成分は、SOCや温度、劣化状態、更には負荷パターンによって様々に異なる。このため、図4に示した等価回路では表現しきれない可能性があり、表現しきれない抵抗成分がSOCvの大きな演算誤差要因となる。このため、SOCvの演算精度を確保するには、目標精度によっては、等価回路モデルの高度化が必要となり、これに伴う演算処理の複雑化や、等価回路モデルの各種抵抗成分を抽出するための試験工数がかかり、開発工数が拡大することが懸念される。
<SOCの演算2>
次に、SOCを演算する2つ目の手法であるSOCの演算2について説明する。図6(a)は、電流の時間変化を示すもので、横軸に時間を、縦軸の+側は充電を、縦軸の−側は放電を表す。図6(b)は、横軸に時間を、縦軸に電流積算によるSOCの推定値を示す。演算2では、リレー300、310、320、330を閉じる前、すなわち、電池を充放電する前の電流が流れていない状態で測定される電池電圧から、SOCとOCVとの対応関係に基づき、算出したSOCv(SOCv(0))を起点 (この時の時刻を0とする)とする。その後は単電池111に出入りする電流を積分(∫I(t)dt)して単電池111の満充電容量(Qmax)で除算することでSOCv(0)からのSOC変化(ΔSOC(t))を求める。そして、SOCv(0)とΔSOC(t)に基づいて、式(4)に示すように、SOCを演算する。以下では、この演算2で得られるSOCをSOCiとする。
(数4)
SOCi(t) = SOCv(0) + ΔSOC(t) ・・・ 式(4)
SOCv(0) = f(OCV(0))
ΔSOC(t) = 100×∫I(t)dt / Qmax
図7は、放電中におけるSOCの演算誤差が拡大する様子を示す。ここでは、電流検知部130が測定した電流値には電流測定誤差が含まれるため、電流測定誤差も積分されてSOCの誤差が拡大していく。このSOCの誤差の拡大を防ぐ一つの方法として、車両起動時に毎時に、リレー投入前の電池電圧から算出したSOCv(0)でリセットし、電流積算処理を再計算する方法がある。すなわち、リレー投入前の電池電圧から算出したSOCを、式(4)のSOCv(0)に、初期値として入力する。
しかしながら、車両起動時の電池電圧は必ずしも、OCVであるとは限らない。図5に示すように、充放電が終了した後の電池電圧は、直ぐには安定しない。すなわち、分極電圧Vpが緩和し、OCVへと直ぐには収束しない。次回車両起動時に前回の充放電終了後の分極電圧成分が残存していた場合、OCVに対して残存分の分極電圧を含めた電池電圧から、SOCv(0)を推定してしまうため、残存分の分極電圧に相当する分、SOCv(0)に誤差が発生する。このため、走行終了時から次回起動時までの間に、分極電圧が緩和するまでの時間が十分に経過するまでは、リレー投入前に取得した電圧に基づくSOC(SOCv(0))でリセットを行うことが出来ない。SOCv(0)でリセットが出来ない場合、前回走行終了時のSOCを再開してSOCiを演算することになる。
図8は、電流積算によるSOCの演算誤差の拡大を示す図である。図8において、横軸は時間であり、一例として、休止(車両停止)、走行(放電)、休止(車両停止)、充電(充電器による充電)を繰り返す走行パターンを示す。図8の縦軸はSOCを示す。この図8は、上述のように、SOCv(0)でリセット出来ない場合のSOCの演算誤差の拡大の様子を示している。図8で、実線で示すグラフはSOCの真値を示し、点線で示すグラフはSOCの演算値を示す。図8に示すように、車両の走行開始時等において、SOCv(0)によるリセット処理が行われなかった場合は、電流検知部130が測定した電流値に含まれる電流測定誤差の累積により、SOCの真値に対してSOCの演算値の誤差が拡大し続けることになる。
分極電圧の緩和に要する時間は、抵抗成分Rpが大きくなり、低温時に長くなることが知られており、分極電圧が緩和せず、SOCv(0)によるリセットがされない状況が継続して、結果として、図8に示すようにSOCの誤差の拡大の発生が懸念される。このため、分極電圧が緩和しきれていない状況が継続した場合においても、SOCの誤差の拡大を防止する処理が必要となる。このためには、分極電圧の緩和挙動を正確に再現するためのモデルを構築し、OCVを予測する手法が考えられるが、SOCや温度、劣化状態、更には負荷パターンによって様々に異なる分極電圧の緩和挙動を表現するには、抵抗成分の高度なモデル化が必要となる。
<第1の実施形態によるSOCの演算>
本実施形態では、高度なモデルを用いず、簡素な処理で、誤差を拡大させることなくSOCiを求める。以下、その手法について説明する。
図9(a)は、放電時における単電池111の電圧変化を示す図である。図9(a)の横軸は、休止(無負荷)もしくは電流絶対値が所定値以下の場合から放電が行われ、その後、再び休止(無負荷)もしくは電流絶対値が所定値以下になった場合を示している。ここで、電流絶対値が所定値以下とは、電流検知部130が測定した電流値であって、内部抵抗による電圧変化が無視出来る程、十分に小さいと見做せる電流値である。本実施形態では、充電時の電流を正、放電時の電流を負として説明しているため、電流が流れていない約0A(アンペア)の状態を表現するために電流絶対値が所定値以下と表現する。図9(b)は、充電時における単電池111の電圧変化を示す図である。図9(b)の横軸は、休止(無負荷)もしくは電流絶対値が所定値以下の場合から充電が行われ、その後、再び休止(無負荷)もしくは電流絶対値が所定値以下になった場合を示している。
図9(a)に示した放電後の分極電圧Vpは、OCVよりも低い電圧から徐々に上昇し、時間の経過と共にOCVへと近づいていく。一方で、図9(b)に示した充電後の分極電圧Vpは、OCVよりも高い電圧から、時間の経過と共に徐々に低下し、OCVへと近づいていく。従って、放電後の電圧変化から直接、SOCへ換算した場合のSOCの演算値は、真値よりも必ず低い値となり、時間の経過と共にSOCの真値へと近づいていくことになる。一方で、充電後の電圧変化から直接、SOCへ換算した場合のSOCの演算値は、真値よりも必ず高い値となり、時間の経過と共にSOCの真値へと近づいていくことになる。
本実施形態では、上述の電圧変化の性質を利用する。すなわち、放電後の分極電圧を含む電圧から算出したSOCの真値に対して低い値、つまり、マイナス側の誤差を持つSOCの演算値と、充電後の分極電圧を含む電圧から算出したSOCの真値に対して高い値、つまり、プラス側の誤差を持つSOCの演算値とを平均化する。これにより、放電もしくは充電後の分極電圧の残存分による誤差の影響を打ち消す。具体的には、充電後における緩和挙動を示している場合の電圧から算出したSOC(SOCv1とする)を初期値として、式(4)に記載のように電流積算により算出される演算値ΔSOCを算出する。更に、放電後における緩和挙動を示している場合の電圧から算出したSOC(SOCv2とする)を初期値として、式(4)に記載のように電流積算により算出される演算値ΔSOCを並行して算出する。起点とする2つのSOCv1とSOCv2について、電流絶対値が所定値以下となってから、SOCv1及びSOCv2を取得するまでの経過時間(休止期間、もしくは、電流絶対値が所定値以下の期間)に基づき、後述する重み付け係数を算出し、算出した重み係数を用いて重み付け平均する。これにより、分極電圧が緩和しきれずに残存している場合においても、SOCv(0)に含まれる分極電圧による誤差を回避しつつ、誤差を拡大させることなくSOCiを求める。
図10は、組電池制御部150の機能ブロック図である。なお、組電池制御部150は、SOCの他に、SOHや入出力可能電力等を演算する機能を備えているが、これらの機能は周知であるので説明を省略する。また以下の説明では、組電池110を構成する単電池111毎にSOCを演算するものとする。
図10に示すように、SOC初期値演算部151は、起動時に取得した各セルの起動時セル電圧Vaを入力として、各セルのSOC初期値を演算する。SOC初期値演算部151による今回起動時のSOC初期値の演算結果は、SOC01として第1SOCi演算部153に出力され、前回起動時のSOC初期値の演算結果は、SOC02として記憶部180に格納される。また、ΔSOC演算部152は、電池に流れる電流Icと各セルの満充電容量Qmaxとに基づき、各セルのSOC変化量(ΔSOC(t))を演算する。電池に流れる電流Icは、電流検知部130より取得され、各セルの満充電容量Qmaxは、記憶部180より読み出される。
第1SOCi演算部153は、SOC初期値演算部151からの各セルのSOC初期値と、ΔSOC演算部152からのΔSOC(t)とを入力として、各セルのSOCを演算する。第2SOCi演算部154は、記憶部180に格納された前回走行終了時の各セルのSOC(SOC02)と、ΔSOC演算部152からのΔSOC(t)とに基づき、各セルのSOCを演算する。
極性判定部155は、各セルの起動時セル電圧Vaの平均値から求めた起動時平均セル電圧Vbと前回走行終了時の平均セル電圧Vcとを入力として、起動時の分極電圧の極性、つまり、充電方向の分極電圧が残存しているのか、放電方向の分極電圧が残存しているのかを判定する。極性判定部155による今回起動時の分極電圧の極性判定結果は、充電/放電履歴判定結果1として重み係数演算部156に出力され、前回起動時の分極電圧の極性判定結果は、充電/放電履歴判定結果2として記憶部180に格納される。なお、極性判定部155により起動時の分極電圧の極性が正であると判定された場合、すなわち充電方向の分極電圧が残存している場合には、SOC初期値として、前述のSOCv1がSOC初期値演算部151により演算される。一方、極性判定部155により起動時の分極電圧の極性が負であると判定された場合、すなわち放電方向の分極電圧が残存している場合には、SOC初期値として、前述のSOCv2がSOC初期値演算部151により演算される。
車両停止時間計測部190は、車両が停止されてから次に起動されるまでの時間を車両停止時間として計測する。車両停止時間計測部190による今回起動時の車両停止時間の計測結果は、車両停止時間1として重み係数演算部156に出力され、前回起動時の車両停止時間の計測結果は、車両停止時間2として記憶部180に格納される。
重み係数演算部156は、極性判定部155から出力された充電/放電履歴判定結果1と、車両停止時間計測部190から出力された車両停止時間1と、記憶部180に格納されている充電/放電履歴判定結果2と、車両停止時間2とを入力として、重み係数wを演算する。SOCc演算部157は、SOCi1(t)とSOCi2(t)と重み係数wを基に、2つのSOCを重み付け平均し、重み付け平均した結果(以下、SOCc(t)と称す)を出力する。尚、本実施例では、車両が停止してから、次回車両が起動するまでの時間(車両停止時間)を、上述した経過時間(休止期間、もしくは、電流絶対値が所定値以下の期間)として取り扱うこととし、上述した車両停止時間計測部190が、車両停止時間を計測する構成としている。
以上の構成における組電池制御部150の動作を説明する。
極性判定部155は、充放電終了時のセル電圧と、その後の充放電開始時のセル電圧との差分に基づいて、取得した各セルの起動時セル電圧Vaが放電方向と充電方向いずれの分極電圧を含むものであるかを判断する。具体的には、極性判定部155は、(起動時平均セル電圧Vb − 前回走行終了時平均セル電圧Vc) > 0のとき、起動時の分極電圧の極性が負、すなわち放電方向の分極電圧が残存していると判断する。逆に、(起動時平均セル電圧Vb − 前回走行終了時平均セル電圧Vc) < 0のとき、起動時の分極電圧の極性が正、すなわち充電方向の分極電圧が残存していると判断する。尚、起動時平均セル電圧Vb、前回走行終了時平均セル電圧Vcは共に電圧検出誤差を含むので、これらの差分にも誤差が含まれる。このため、起動時平均セル電圧Vbと前回走行終了時平均セル電圧Vcの差分に対して無視する範囲を設けても良い。極性判定部155は、例えば、充電方向の分極電圧が残存している場合には、「1」を、放電方向の分極電圧が残存している場合には、「2」を設定し、充電/放電履歴判定結果1として、重み係数演算部156へ出力する。
重み係数演算部156は、充電/放電履歴判定結果1と充電/放電履歴判定結果2が、「1」と「2」の組合せ、つまり、充電側の残存分極による誤差を含んだSOCと放電側の残存分極による誤差を含んだSOCが共に取得出来ていると判定した場合に、車両停止時間1と車両停止時間2に基づき、重み係数wを演算する。なお、充電/放電履歴判定結果1が「1」であり、充電/放電履歴判定結果2が「2」である場合には、車両停止時間1は、電流絶対値が所定値以下となってからSOCv1を取得するまでの経過時間を表し、車両停止時間2は、電流絶対値が所定値以下となってからSOCv2を取得するまでの経過時間を表している。この場合、第1SOCi演算部153により演算されたSOCi1(t)は、SOCv1を初期値として算出された電流積算によるSOC演算値を表し、第2SOCi演算部154により演算されたSOCi2(t)は、SOCv2を初期値として算出された電流積算によるSOC演算値を表している。反対に、充電/放電履歴判定結果1が「2」であり、充電/放電履歴判定結果2が「1」である場合には、車両停止時間1は、電流絶対値が所定値以下となってからSOCv2を取得するまでの経過時間を表し、車両停止時間2は、電流絶対値が所定値以下となってからSOCv1を取得するまでの経過時間を表している。この場合、第1SOCi演算部153により演算されたSOCi1(t)は、SOCv2を初期値として算出された電流積算によるSOC演算値を表し、第2SOCi演算部154により演算されたSOCi2(t)は、SOCv1を初期値として算出された電流積算によるSOC演算値を表している。このように、いずれの場合であっても、SOCi1(t)、SOCi2(t)を取得することで、充電側の残存分極による誤差を含んだSOCと、放電側の残存分極による誤差を含んだSOCとを、共に取得することができる。
次に、図11(a)と図11(b)を参照して、重み係数の演算について説明する。
図11(a)は、放電後の単電池111の電圧変化を示す図であり、図11(b)は、充電後の単電池111の電圧変化を示す図である。
ここで、前回の起動時には、放電直後に車両の走行が終了し、その後に車両が起動されたとする。また、今回の起動時には、充電直後に車両の走行が終了し、その後に車両が起動されたとする。この場合、図11(a)に示すように、前回の走行終了時から車両起動時までの時間が車両停止時間2として取得され、放電後の残存分極による誤差を含むSOCがSOCi2(t)として取得される。また、図11(b)に示すように、今回の走行終了時から車両起動時までの時間が車両停止時間1として取得され、充電後の残存分極による誤差を含むSOCがSOCi1(t)として取得される。ここで、車両停止時間1と車両停止時間2が異なる場合、例えば、車両停止時間1が車両停止時間2より長い場合の重み係数の演算について説明する。分極電圧の残存量は、単電池111への通電終了後からの経過時間、ここでは、車両停止時間が長ければ長い程、少なくなる。そこで、2つのSOC初期値取得時における車両停止時間が長い方のSOC初期値を起点したSOC演算値への重みが大きくなるように重みを決定する。例えば、以下の演算式に基づき、重み係数wを演算する。
(数5)
w = 車両停止時間1 / ( 車両停止時間1+車両停止時間2 ) ・・・式(5)
SOCc演算部157は、SOCi1(t)とSOCi2(t)とをそれぞれ重み係数wと重み係数(1-w)で重み付けを行い、加算した結果を出力する。上記のように、SOCi1(t)が充電後の残存分極電圧による誤差を含むSOCとし、SOCi2(t)が放電後の残存分極による誤差を含むSOCとすると、SOCc演算部157の出力SOCc(t)は以下の式(6)で演算される。なお、上記とは反対に、放電後の残存分極電圧による誤差を含むSOCがSOCi1(t)として取得され、充電後の残存分極による誤差を含むSOCがSOCi2(t)として取得された場合であっても、同じく式(6)でSOCc(t)を演算することができる。
(数6)
SOCc(t) = w×SOCi1(t) + (1-w)×SOCi2(t) ・・・ 式(6)
図12(a)は、放電、車両停止時間2(休止)、充電、車両停止時間1(休止)、放電の順番に単電池111の充放電が行われた場合の電圧の推移であり、実線はCCVを、点線はOCVを示す。CCVは、時刻t1から時刻t2の放電後、時刻t2から時刻t3の車両停止時間2で、徐々にOCVへと近づいていくが、時刻t3で分極電圧の残存分が残っている。さらに、CCVは、時刻t3から時刻t4の充電後、時刻t4から時刻t5の車両停止時間1で、徐々にOCVへと近づいていくが、時刻t5で分極電圧の残存分が残っている。
図12(b)は、放電、車両停止時間2(休止)、充電、車両停止時間1(休止)、放電の順番に単電池111の充放電が行われた場合のSOCの推移を示す図である。図12(b)において、SaはSOCの真値のグラフを表し、S1は時刻t3から始まるSOCi1(t) のグラフを表し、S2は時刻t5から始まるSOCi2(t) のグラフを表し、S3は時刻t5から始まるSOCc(t) のグラフを表わす。なお、Sbは本実施形態を適用しない従来の演算によるSOCのグラフであり、本実施形態との比較のために記載したものである。
始めの放電直前の時刻t1では、直前の分極電圧が十分に緩和された状態であるものとし、車両停止時間1、車両停止時間2は何れも分極電圧が緩和するのに十分な時間が経過していないものとする。
時刻t1〜t2で示す、始めの放電時においては、直前の分極電圧が十分に緩和されているため、従来のSOCi演算でSOCを演算する。放電を終了し、時刻t3で示す充電開始直前に放電後の残存分極を含むSOC初期値を取得する。しかし、この時点では充電後の残存分極を含むSOC演算値がないため、組合せ演算は実行されない。
次に、時刻t5で示す2回目の放電直前に、充電後の残存分極電圧を含むSOC初期値を取得すると、第1SOCi演算部153は、充電後の残存分極電圧を含むSOC初期値であるSOC01に基づいてSOCi(SOCi1(t))を演算する。その結果、グラフS2に示すように、時刻t5から演算結果のSOCi1(t)が得られる。また、第2SOCi演算部154は、時刻t3で得られた放電後
の残存分極電圧を含むSOC初期値であるSOC02に基づいてSOCi2(t)を演算する。その結果、グラフS1に示すように、時刻t3から演算結果のSOCi2(t)が得られる。その結果、充電/放電のペアが揃うため、本実施形態による組合せ演算が可能となる。重み係数演算部156は、式5に基づいて重み係数を算出する。そして、SOCc演算部157は、SOCi1(t)とSOCi2(t)と重み係数wを基に、式(6)に基づいてSOCc(t)を演算する。この結果、グラフS3に示すように、時刻t5から演算結果のSOCc(t)が得られる。
本実施形態を適用していない従来のSOC誤差と、本実施形態を適用したSOC誤差とを比較すると、従来のSOC誤差は、グラフSbに示すように誤差が累積し、拡大していく。一方、本実施形態を適用したSOC誤差は、グラフS3に示すように、誤差が累積されるのを軽減することができる。
本実施形態によれば、放電後の残存分極電圧と充電後の残存分極電圧による影響を含んだ2つのSOCを重み付け平均することで、高度な等価回路モデルに頼ることなく、分極電圧による誤差の影響を軽減でき、SOCを高精度に推定することが可能なため、電動車両システムの信頼性を確保すると共に効率的に電池を使用することが出来る。
<第2の実施形態によるSOCの演算>
第2の実施形態について、図13から図15に基づき述べる。本実施形態におけるプラグインハイブリッド自動車の電動システムの構成例は、第1の実施形態で述べた図1と同様の構成とし、第1の実施形態と比較して異なる点を中心に述べる。
第1の実施形態では、車両停止後から次回、車両起動時までの時間に基づき、2つのSOCを重み付け平均する手法について述べた。第1の実施形態は、車両起動時にのみ、重み付け平均する2つのSOCを決定するため、車両走行中に発生した電流積算誤差をリセットすることが出来ない。例えば、長時間、車両が走行していた場合等に、電流の誤差が累積し、SOC誤差が拡大する可能性がある。そこで、本実施形態では、車両起動中及び走行中において、放電後の残存分極と充電後の残存分極による影響を含んだ2つのSOCを検出し、重み付け平均してSOCを算出することにより、車両走行中における、誤差拡大の防止を図る。具体的には、車両走行中に、電流絶対値が所定値以下となったことを検出し、電流が所定値よりも大きくなる直前の電池電圧からSOC初期値を取得すると共に、SOC初期値の取得までの経過時間を計測し、取得したSOCの初期値と、電流積算によりSOC演算値を求める。このステップで、放電後の残存分極と充電後の残存分極による影響を含んだ2つのSOC演算値を計算出来るようになった場合に、2つのSOC初期値それぞれの経過時間に応じた基づき、重み係数を算出し、2つのSOC演算値を重み付け平均する。
図13に本実施形態における組電池制御部150’の構成を示す。組電池制御部150’は、電流の絶対値が所定値以下かを判定し、判定結果を出力する電流絶対値判定部158と電流絶対値判定部158が判定した結果を入力として、電流絶対値が所定値以下となっている時間を計測する経過時間計測部159から構成されている。尚、本実施形態における極性判定部155’は、実施の形態1と比較して、電流絶対値判定部158からの出力を入力としている点が異なっている。
電流絶対値判定部158、経過時間計測部159及び本実施の形態における、極性判定部155’の動作を図14に基づき述べる。
図14は、放電、電流小、充電、電流小の順番で電流流れた場合の(a)電圧の推移、(b)電流絶対値判定結果、(c)経過時間の算出結果を示している。
電流絶対値判定部158は、電流の絶対値を算出し、算出結果が所定値以下かを判定し、所定値以下の場合、例えば、「1」を出力し、所定値よりも大きな値の場合は、「0」を出力する(図14(b))。経過時間計測部159は、電流絶対値判定部158が出力した結果が「0」から「1」へ変化した点、つまり、電流絶対値が所定値以下になった時点から経過時間のカウントを開始し、「1」から「0」への変化を検知したら、カウントを停止する。そして、カウントの回数から経過時間を求めると共に、カウント値を「0」にクリアし、求めた経過時間を、重み係数演算部156へと出力する(図14(c))。
極性判定部155’は、電圧と電流絶対値判定部158からの出力結果を入力とし、電流絶対値判定部158からの出力結果が「0」から「1」へ立ち上がった時点での電池電圧(電流絶対値が所定値以下となった直後の電池電圧)を取得する。この後、電流絶対値判定部158からの出力結果が「1」から「0」へ立ち下がった時点での電池電圧(電流絶対値が所定値より大きくなる直前の電池電圧)を取得して、両者の差分を算出し、電流絶対値が所定値より大きくなる直前の電池電圧 −電流絶対値が所定値以下となった直後の電池電圧> 0のとき、放電後の分極電圧が残存していると判断する。逆に、電流絶対値が所定値より大きくなる直前の電池電圧−電流絶対値が所定値以下となった直後の電池電圧< 0のとき、充電後の分極電圧が残存していると判断する。
放電後もしくは充電後に、電流絶対値が所定値以下となってから、電流絶対値が所定値よりも大きくなる、つまり、電流絶対値判定部158からの出力結果が「1」から「0」へ立ち下がる直前の電池電圧に基づく、SOC初期値を、SOC初期値演算部151は出力し、極性判定部155’の出力結果に基づき、第1SOCi演算部153、第2SOCi演算部154の何れかに入力される。第1SOCi演算部153の出力SOCi1(t)を放電側の残存分極による誤差を含むSOC、第2SOCi演算部154の出力SOCi2(t)を充電側の残存分極による誤差を含むSOCとすると、極性判定部155’が放電側の残存分極が残っていると判断した場合には、第1SOCi演算部153へ、充電側の残存分極が残っていると判断した場合には、第2SOCi演算部154へ、SOC初期値演算部151の出力結果が入力される。反対に、第1SOCi演算部153の出力SOCi1(t)を充電側の残存分極による誤差を含むSOC、第2SOCi演算部154の出力SOCi2(t)を放電側の残存分極による誤差を含むSOCとすると、極性判定部155’が充電側の残存分極が残っていると判断した場合には、第1SOCi演算部153へ、放電側の残存分極が残っていると判断した場合には、第2SOCi演算部154へ、SOC初期値演算部151の出力結果が入力される。
重み係数演算部156’は、経過時間計測部159からの出力を入力とし、放電及び充電側それぞれの経過時間を取得した場合に、下記式(7)に従って、重み係数wを演算する。
(数7)
w = 経過時間1 / ( 経過時間1+ 経過時間2 ) ・・・式(7)
SOCi1(t)、SOCi2(t)、wを基に、式(6)に基づいて、SOC(SOCc(t))を演算する。次に、図15に基づき、本実施の形態によるSOC演算結果例を示す。図15は、放電、電流小(電流絶対値が所定値以下)、充電、電流小(電流絶対値が所定値以下)、放電、電流小(電流絶対値が所定値以下)、充電の順番に組電池110の充放電が行われた場合の電圧波形(図15(a))とSOCの波形(図15(b))を示している。始めの放電直前は、直前の分極が十分に緩和された状態であるものとする。SOC演算は、始めの放電前に取得したSOC初期値に基づくSOC演算を継続し続けた場合、つまり、リセットなしの場合と、本発明を適用した場合とで比較する。
第1の実施形態で述べた図12の説明と同様、始めの放電時においては、直前の分極が十分に緩和されていることを想定しているため、従来のSOCi演算でSOCを演算する。放電後に電流の絶対値が小さいシーンとなり、充電開始直前に放電後の残存分極を含むSOC初期値を取得する。しかし、充電後の残存分極を含むSOC演算値がないため、組合せ演算はこのタイミングでは、実行されない。従って、始めの放電終了後のSOCi演算を継続することになるが、これと共に、放電後の残存分極を含むSOC初期値に基づく、SOCi(SOCi1(t))も並行して演算する。2回目の放電直前に、充電後の残存分極を含むSOC初期値を取得すると、充電/放電のペアが揃うため、本実施形態による組合せ演算が可能となる。充電後の残存分極を含むSOC初期値に基づく、SOCi演算値(SOCi2(t))と、SOCi1(t)を並行して演算し、式(7)に基づき、算出される重み係数により、2つのSOCを重み付け平均してSOCを演算する(SOCc(t))。また、2回目の放電終了後、2回目の充電前に、再度、放電側の残存分極を含む、SOC初期値を取得することが出来るため、1回目の充電時のSOCc(t)に用いていた、SOCi1(t)に変えて、新規に取得したSOC01を初期値とするSOCi1(t)を演算し、SOCi2(t)と重みwを用いて組み合わせる。本実施形態を適用していない場合と適用した場合とで比較すると、適用なしの場合は、誤差が累積し、拡大していくが、本実施形態を適用すると、誤差の累積を軽減し、適用なしの場合と比較すると、SOC演算誤差が小さいことが分かる。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様、放電後の残存分極と充電後の残存分極による影響を含んだ2つのSOCを重み付け平均することで、高度な抵抗のモデルに頼ることなく、分極による誤差の影響を軽減できる。また、車両起動中(充放電中)においても、放電/充電それぞれの分極未緩和分の影響を含めたSOCを取得可能な構成としたため、電流誤差の累積によるSOC誤差の補正タイミングをより多く確保することができることから、分極によるSOC誤差の影響を回避しつつ、より確実に電流誤差の累積によるSOC誤差の拡大を抑制することが可能となる。結果として、SOCを高精度に演算することが可能なため、電動車両システムの信頼性を確保すると共に効率的に電池を使用することが出来る。
<第3の実施形態によるSOCの演算>
第3の実施形態について、図16から図20に基づき述べる。本実施形態におけるプラグインハイブリッド自動車の電動システムの構成例は、第1の実施形態及び第2の実施形態で述べた図1と同様の構成とし、第1の実施形態及び第2の実施形態と比較して異なる点を中心に述べる。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、それぞれ、電流絶対値が所定値以下となった状態がどの程度継続したかを、第1の実施形態では車両停止期間、第2の実施形態では、充放電中の電流絶対値が所定値以下となった時点からの経過時間として検出し、検出した経過時間に基づき、重み付け係数を算出していた。しかしながら、分極の緩和時間は、電池の状態、例えば、電池温度やSOCに依存する。図16に充電電流が流れた時の電圧の推移を、温度毎に記載した。内部抵抗の小さい高温側では分極の緩和時間は短く、逆に、内部抵抗の大きい低温側では分極の緩和時間は長い。また、図17には、充電電流が流れた時の電圧の推移をSOC毎に記載した。内部抵抗のSOC依存性は、電池を構成する各種材料に応じて異なるため、図17では、一例として、SOCが低い程、抵抗が大きくなる、つまり、分極の緩和時間が長くなる場合を例に取り上げた。従って、第1の実施形態及び第2の実施形態で述べた重み係数算出時の2つの時間に関する情報(第1の実施形態では車両停止時間、第2の実施形態では経過時間)を検出した時点での電池の温度やSOCが異なる場合、分極緩和時間の温度やSOC依存性を反映することが望ましい。そこで、本実施形態では、温度やSOCに応じて、重み係数を調整する方法について述べる。
図18に本実施形態における組電池制御部150’’の構成を示す。図18では、温度に応じて重み係数の調整を実現するためのブロック構成を示した。図10に示した構成との異なる点は、重み係数算出時に用いる2つの時間情報に対応した電池温度(電池温度1、電池温度2)が組電池制御部150’’の重み係数演算部156’’に入力として追加されている点である。電池温度1及び電池温度2は、電流絶対値が所定値以下となった直後もしくは、電流絶対値が所定値以下となってから、再び、所定値を上回る電流が流れ始めた時点の温度の何れか一方の温度を用いれば良い。
重み係数演算部156’’は、電池温度1及び電池温度2に応じた重み調整係数kT1及びkT2を算出し、以下の式(8)に基づき、重み係数wを算出する。
(数8)
w = kT1×車両停止時間1 /
(kT1×車両停止時間1+kT2×車両停止時間2) ・・・式(8)
次に、kT1及びkT2の決定方法について述べる。kT1及びkT2は、分極の緩和時間の温度依存性に基づいて決定される。図19(a)に分極緩和時間の温度依存性を、図19(b)に重み調整係数kTの温度依存性を示した。図19(a)に示すように、分極の緩和時間は、温度の低下に伴い、長くなる傾向がある、そこで、分極緩和時間が長い低温時に検出したSOC演算結果に対する重み係数が小さくなるような調整係数を設けた。つまり、図19(b)に示すような低温になるに従って、小さくなるような調整係数を温度に応じたテーブルもしくは関数等で実装し、電池温度1および電池温度2に応じた調整係数kT1、kT2を求め、式(8)に基づき、重み係数を算出するようにした。式(8)に基づき、算出された重み係数wを用いて、式(6)から2つのSOCを重み付け平均することにより、SOCを推定する。
また、分極緩和時間のSOC依存性についても、同様に重み係数に反映することが出来る。つまり、分極緩和時間が長いSOCに基づく、SOC演算結果に対する重み係数が小さくなるような調整係数kSOCを設ければ良く、kSOCに基づき、式(9)に基づき、重み係数wを算出すればよい。
(数9)
w = kSOC1×車両停止時間1 /
(kSOC1×車両停止時間1+kSOC2×車両停止時間2) ・・・式(9)
尚、分極緩和時間の電池温度依存性とSOC依存性を両方とも重み係数へ反映する場合は、式(10)に示す式に基づき、重み係数wを算出すればよい。
(数10)
w = kT1×kSOC1×車両停止時間1 /
(kT1×kSOC1×車両停止時間1+kT2×kSOC2×車両停止時間2) ・式(10)
上述した、電池温度、SOCの他にも劣化状態に応じて分極緩和時間が異なる場合は、上述した電池温度やSOCと同様の考え方で、重み係数の調整係数を設定すればよい。
本実施形態によれば、分極の緩和時間をより正確に反映した重み係数を算出出来るため、残存分極によるSOC誤差の影響を回避できる。従って、より高精度にSOCを演算することが可能となり、結果として、電動車両システムの信頼性を確保すると共に効率的に電池を使用することが出来る。
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施形態による電池制御装置は、電池の電流及び電圧を含む状態量を検出する検出部(単電池制御部120)と、前記状態量に基づき、電池の充電状態を出力する電池制御部(組電池制御部150)と、を有し、前記電池制御部(組電池制御部150)は、電流絶対値が所定値以下、かつ、安定した電池電圧に対して放電方向の分極電圧を含む電池電圧から算出した第1の充電状態初期値と、前記第1の充電状態初期値と前記状態量から推定される第1の充電状態と、電流絶対値が所定値以下となってから、第1の充電状態初期値を取得するまでの第1の経過時間と、電流絶対値が所定値以下、かつ、安定した電池電圧に対して充電方向の分極電圧を含む電池電圧から算出した第2の充電状態初期値と、前記第2の充電状態初期値と前記状態量から推定される第2の充電状態と、電流絶対値が所定値以下となってから、第2の充電状態初期値を取得するまでの第2の経過時間と、を検出し、前記第1の充電状態と前記第2の充電状態に基づき、前記第1の経過時間と前記第2の経過時間に応じた、第3の充電状態を算出し、出力する。これにより、電池の充電状態を高精度に推定することができる。そのため、電池制御装置を電動車両システムに適用した場合は、電動車両システムの信頼性を確保すると共に効率的に電池を使用することが出来る。
(2)本実施形態による電池制御装置は、電池(単電池111)の電流及び電圧を含む状態量を検出する検出部(単電池制御部120)と、状態量に基づき、電池の充電状態(SOC)を出力する電池制御部(組電池制御部150)とを備え、電池制御部(組電池制御部150)は、放電後の電池の充電状態(SOC01)と、電池の充電状態変化量(ΔSOC(t))とに基づいて電池の第1充電状態(SOCi1(t))を演算する第1充電状態演算部(第1SOCi演算部153)と、充電後の電池の充電状態(SOC02)と、充電状態変化量(ΔSOC(t))とに基づいて電池の第2充電状態(SOCi2(t))を演算する第2充電状態演算部(第2SOCi演算部154)と、第1充電状態演算部(第1SOCi演算部153)で演算された第1充電状態(SOCi1(t))と第2充電状態演算部(第2SOCi演算部154)で演算された第2充電状態(SOCi2(t))とに基づいて電池の充電状態(SOC)を演算する第3充電状態演算部(SOCc演算部157)とを備える。これにより、電池の充電状態を高精度に推定することができる。そのため、電池制御装置を電動車両システムに適用した場合は、電動車両システムの信頼性を確保すると共に効率的に電池を使用することが出来る。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限り、本発明の技術思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
100 電池システム
110 組電池
111 単電池
112a、112b 単電池群
120 単電池制御部
121a、121b 単電池制御部
122 電圧検出回路
123 制御回路
124 信号入出力回路
125 温度検知部
130 電流検知部
140 電圧検知部
150 組電池制御部
151 SOC初期値演算部
152 ΔSOC演算部
153 第1SOCi演算部
154 第2SOCi演算部
155、155’極性判定部
156 重み係数演算部
157 SOCc演算部
158 電流絶対値判定部
159 経過時間計測部、
160 信号通信部
170 絶縁素子
180 記憶部
190 車両停止時間計測部
200 車両制御部
300、310、320、330 リレー
400 インバータ
410 モータジェネレータ
420 インバータ制御部
500 充電器

Claims (8)

  1. 電池の電流及び電圧を含む状態量を検出する検出部と、
    前記状態量に基づき、前記電池の充電状態を出力する電池制御部と、を有し、
    前記電池制御部は、
    前記電池の放電後に前記電流の絶対値が所定値以下であるときに検出された放電方向の分極電圧を含む前記電圧に基づいて、前記電池の第1の充電状態初期値を算出し、
    前記第1の充電状態初期値と前記状態量とに基づいて、前記電池の第1の充電状態を推定し、
    前記電流の絶対値が所定値以下となってから、前記第1の充電状態初期値を取得するまでの第1の経過時間を検出し、
    前記電池の充電後に前記電流の絶対値が所定値以下であるときに検出された充電方向の分極電圧を含む前記電圧に基づいて、前記電池の第2の充電状態初期値を算出し、
    前記第2の充電状態初期値と前記状態量とに基づいて、前記電池の第2の充電状態を推定し、
    前記電流の絶対値が所定値以下となってから、前記第2の充電状態初期値を取得するまでの第2の経過時間を検出し、
    前記第1の充電状態および前記第2の充電状態と、前記第1の経過時間および前記第2の経過時間とに基づいて、前記電池の第3の充電状態を算出し、出力する電池制御装置。
  2. 請求項1に記載の電池制御装置において、
    前記電池制御部は、
    前記第1の充電状態初期値と前記電池の電流を積算した結果に基づき、前記第1の充電状態を推定し、
    前記第2の充電状態初期値と前記電池の電流を積算した結果に基づき、前記第2の充電状態を推定する電池制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の電池制御装置において、
    前記電池制御部は、前記第1の経過時間と前記第2の経過時間のうち、経過時間が長い方の充電状態に基づいて推定された前記第1の充電状態または前記第2の充電状態に対する重みが大きくなるような重み係数を設定し、前記重み係数に基づいて、前記第1の充電状態と前記第2の充電状態を重み付け合成して、前記第3の充電状態を算出し、出力する電池制御装置。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の電池制御装置において、
    前記電池制御部は、前記電池の充放電終了時の前記電圧と充放電開始時の前記電圧との差分、または前記電流の絶対値が前記所定値以下となった直後の前記電圧と前記所定値より大きくなる直前の前記電圧との差分に基づいて、前記電圧が前記放電方向の分極電圧または前記充電方向の分極電圧のいずれを含むかを判断する電池制御装置。
  5. 請求項3に記載の電池制御装置において、
    前記電池の温度を検出する温度検出部を有し、
    前記電池制御部は、前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間内におけるそれぞれの前記電池の温度に応じた温度補正係数を算出し、前記算出した温度補正係数をもとに、前記重み係数を設定する電池制御装置。
  6. 請求項3に記載の電池制御装置において、
    前記電池制御部は、前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間内におけるそれぞれの前記電池の充電状態に応じた充電状態補正係数を算出し、前記算出した充電状態補正係数をもとに、前記重み係数を設定する電池制御装置。
  7. 請求項1に記載の電池制御装置と、
    前記電池が複数接続された組電池と、を備え、
    前記電池制御装置は、前記電池および前記組電池を制御することを特徴とする電池システム。
  8. 電池の電流及び電圧を含む状態量を検出する検出部と、
    前記状態量に基づき、前記電池の充電状態を出力する電池制御部とを備え、
    前記電池制御部は、
    放電後の前記電池の充電状態と、前記電池の充電状態変化量とに基づいて前記電池の第1充電状態を演算する第1充電状態演算部と、
    充電後の前記電池の充電状態と、前記充電状態変化量とに基づいて前記電池の第2充電 状態を演算する第2充電状態演算部と、
    前記第1充電状態演算部で演算された第1充電状態と前記第2充電状態演算部で演算された第2充電状態とに基づいて前記電池の充電状態を演算する第3充電状態演算部と
    前記電池の放電後からの第1経過時間および充電後からの第2経過時間を計測する計測部を備え、
    前記第3充電状態演算部は、前記第1充電状態と前記第2充電状態に、前記計測部で計測された前記第1経過時間と前記第2経過時間に基づく重み付けを行って前記電池の充電状態を演算する電池制御装置。
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