JP6759725B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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冷媒が流れて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)と、
前記冷媒回路(10)の制御、又は電力供給に用いる回路素子(50)を冷却し、該回路素子(50)の放熱面(52)と向かい合う吸熱面(32a)を有する冷却器(31)と、
熱伝導率が電気的又は磁気的に可変に構成され、前記冷却器(31)の吸熱面(32a)と前記回路素子(50)の放熱面(52)との間に設けられた熱伝導率可変部(80)とを備え、
前記冷却器(31)の吸熱面(32a)は、前記回路素子(50)の放熱面(52)よりも広く、
前記熱伝導率可変部(80)は、前記冷却器(31)における吸熱面(32a)の全面を覆っていることを特徴とする。
前記冷却器(31)は、冷媒回路(10)に接続され、前記回路素子(50)を冷媒によって冷却することを特徴とする。
前記熱伝導率可変部(80)は、エネルギーを供給することによって熱伝導率が減少するものであり、
前記冷却器(31)は、前記冷媒回路(10)に設けられた凝縮器(12)と膨張機構(13)との間に配置されていることを特徴とする。
前記熱伝導率可変部(80)は、エネルギーを供給することによって熱伝導率が増加するものであり、
前記冷却器(31)は、前記冷媒回路(10)に設けられた膨張機構(13)と蒸発器(14)との間に配置されていることを特徴とする。
前記冷却器(31)は、前記冷媒回路(10)に設けられた膨張機構(13)と並列に接続されていることを特徴とする。
図1は、参考技術1に係る空気調和装置(1)の冷媒回路(10)を示す。空気調和装置(1)は、冷凍装置の一例であり、図1に示すように、冷媒回路(10)、電力供給装置(20)、回路素子冷却部(30)、及び制御部(40)を備えている。
冷媒回路(10)は、圧縮機(11)、凝縮器(12)、膨張弁(13)、及び蒸発器(14)を備え、これらが冷媒配管(15)により接続された閉回路である(図1参照)。圧縮機(11)は、冷媒を圧縮する圧縮機構(図示は省略)と、該圧縮機構を駆動するモータ(M)とを備えている。圧縮機構には、例えばスクロール式圧縮機構を採用できる。また、モータ(M)には、例えば、IPM(Interior Permanent Magnet)モータを採用できる。凝縮器(12)は、空冷の凝縮器であって、室外に配置される。凝縮器(12)の近傍には、空冷ファン(12a)が設けられている。膨張弁(13)は、開度可変な電動膨張弁である。膨張弁(13)は、本参考技術の膨張機構の一例である。蒸発器(14)は、空冷式の蒸発器であって、室内に配置される。蒸発器(14)の近傍には、空冷ファン(14a)が設けられている。この冷媒回路(10)では、圧縮機(11)から冷媒を凝縮器(12)に送り、この凝縮器(12)で冷媒を外気と熱交換して放熱させた後、その冷媒の流量及び圧力を膨張弁(13)で調整しつつ、蒸発器(14)で室内空気と熱交換させて吸熱させ、ガス冷媒として圧縮機(11)に戻すことを繰り返す。
電力供給装置(20)は、圧縮機(11)のモータ(M)に電力を供給する。図2は、電力供給装置(20)の構成例を示す。図2に示すように電力供給装置(20)は、コンバータ回路(21)、リアクトル(L)、平滑コンデンサ(22)、及びインバータ回路(23)を備え、配線基板(70)上に実装されている。
回路素子冷却部(30)は、パワーモジュール(50)を冷却するものである。この例では、回路素子冷却部(30)は、冷却器(31)、結露センサ(60)、熱スイッチ(80)、及び直流電源(90)を備えている(図1参照)。
冷却器(31)は、冷媒回路(10)の冷媒とパワーモジュール(50)とを熱交換させるものである。図4に冷却器(31)の平面図を示す。また、図5に、冷却器(31)の横断面図を示す。図5は、図4のV-V断面に相当する。この例では、冷却器(31)は、図4、及び図5に示すように、本体部(32)と冷媒供給管(33)とを備えている。本体部(32)は、板状の部材であり、銅やアルミニウムなどの伝熱性に優れた材料で構成されている。この本体部(32)は、パワーモジュール(50)の放熱面(52)に密着して該放熱面(52)と熱的に接続される平面(以下、吸熱面(32a)と呼ぶ)を有している。
熱スイッチ(80)は、電気的に熱伝導率が変化する素子であり、本参考技術の熱伝導率可変部の一例である。この例では、熱スイッチ(80)では、2つの電極(81,82)の間に電気レオロジーゲル(83)が挟み込まれており、略平板状の形態を有する。熱スイッチ(80)の両電極(81,82)に直流電圧を印加すると、電気レオロジーゲル内に分散している電気レオロジー粒子が移動し、熱スイッチ(80)では、両電極(81,82)の間の熱伝導率が変化する。具体的に、この熱スイッチ(80)では、直流電圧を印加すること(つまりエネルギーを供給すること)によって熱伝導率が増加する。なお、本参考技術の熱スイッチ(80)は、両電極(81,82)に印加する直流電圧に応じて熱スイッチ(80)の熱伝導率が線形的に変化する。
直流電源(90)は、熱スイッチ(80)の両電極(81,82)に電圧を印可するための電源である。直流電源(90)には、種々のものを採用できるが、例えば、DC-DCコンバータを用いること等が考えられる。直流電源(90)から熱スイッチ(80)への電圧印加は、制御部(40)が制御する。
結露センサ(60)は、空気中の湿度(相対湿度)に応じて、電気抵抗が変化する素子である。この例では、結露センサ(60)は、冷却器(31)の表面、より具体的には冷媒供給管(33)の近傍に取り付けられている。また、結露センサ(60)の出力は、制御部(40)に入力されている。
制御部(40)は、例えばマイクロコンピュータとそれを動作させるソフトウエアで構成される。この制御部(40)には、圧縮機(11)、各空冷ファン(12a,14a)、及び膨張弁(13)が接続され、圧縮機(11)のモータ(M)の回転速度、それぞれの空冷ファン(12a,14a)の回転速度、及び膨張弁(13)の開度を制御する。例えば、制御部(40)は、6個のスイッチング素子(Q)に制御信号を出力して、モータ(M)の各相に流れる電流(iu,iv,iw)を制御する。それにより、モータ(M)の回転速度が制御されることになる。この回転速度の制御は、空気調和装置(1)の負荷などに応じて行われる。
例えば、冷却器(31)に対して何らの制御も行わないとすれば、空気調和装置(1)の運転状態によっては、パワーモジュール(50)の放熱面(52)が冷却器(31)によって冷却されることによって、放熱面(52)と熱的に繋がっているリードピン(51)の温度が雰囲気の温度よりも下がる場合がある。リードピン(51)の温度がこのように下がると、リードピン(51)において結露を生ずる可能性がある。それを防止するため、本参考技術の制御部(40)は、結露センサ(60)の出力を定期的にモニターし、その出力に基づいて、熱スイッチ(80)をオン状態とオフ状態の2段階に切り換えている。
以上のように、本参考技術によれば、冷媒回路にバイパス回路を設けて、バイパス回路の冷媒流量を電気式膨張弁等によって制御しつつバイパス回路によって冷媒を冷却器に供給する例(従来例と呼ぶ)と比べると、簡略な構造で結露の防止を図ることが可能になる。しかも、本参考技術では、冷却器(31)を制御しても、その制御が冷媒回路(10)の冷媒流量に影響を及ぼさないので、冷媒回路(10)の制御が従来例よりも容易になる。
冷媒回路(10)における冷却器(31)の接続位置は、前記の例には限定されない。図6は、参考技術1の変形例に係る空気調和装置(1)の冷媒回路(10)を示す。この例では、冷却器(31)の冷媒供給管(33)は、膨張弁(13)と蒸発器(14)の間の冷媒配管(15)に接続されている。具体的にこの例では、冷却器(31)の冷媒供給管(33)の一端が膨張弁(13)の冷媒出口に接続され、冷媒供給管(33)の他端が蒸発器(14)の冷媒入口に接続されている。この例では、熱スイッチ(80)がオンの場合には、冷却器(31)は、膨張弁(13)を通過した後の、比較的、低圧且つ低温の冷媒によってパワーモジュール(50)が冷却されることになる。また、熱スイッチ(80)をオフ状態にすると、冷却器(31)によってパワーモジュール(50)が冷却されなくなる。その結果、パワーモジュール(50)の結露(例えばリードピン(51)における結露)の防止が可能になる。
図7は、本発明の実施形態1の冷却器(31)及び熱スイッチ(80)の横断面図である。この例でも熱スイッチ(80)は、平板状の形態を有し、冷却器(31)の本体部(32)における吸熱面(32a)の全面を覆っている。吸熱面(32a)の全面を熱スイッチ(80)で覆うことで、例えば冷却器(31)の上面(32c)が結露したとしても熱スイッチ(80)をオフ状態に制御しておけば、熱スイッチ(80)の露出面(空気の触れる面)における結露の防止が可能になる。したがって、本実施形態では、冷却器(31)の結露水の対策、すなわち配線基板(70)等への結露水の流入防止が、参考技術1やその変形例と比べ、より容易になる。
また、図8は、参考技術2の冷却器(31)及び熱スイッチ(80)の横断面図である。この例でも、熱スイッチ(80)は、平板状の形態を有し、冷却器(31)の本体部(32)内部を熱的に2分して吸熱面(32a)を冷媒供給管(33)と熱的に切り離せるように、該本体部(32)の内部に埋め込まれている。具体的にこの例では、吸熱面(32a)の平面形状と熱スイッチ(80)の平面形状とは同じである。この例では、吸熱面(32a)は、参考技術1の例と同様に、使用状態では、全面が露出する(すなわち空気に触れる)ことになる。
<1> なお、回路素子冷却部(30)による冷却の対象とする回路素子は、パワーモジュール(50)には限定されない。例えば、空気調和装置(1)等の冷凍装置の用途では、リアクトル(L)や、インバータ回路(23)の制御の際の電流検出に用いるシャント抵抗(R)を冷却することが考えられる。
10 冷媒回路
12 凝縮器
13 膨張弁(膨張機構)
14 蒸発器
31 冷却器
50 パワーモジュール(回路素子)
80 熱スイッチ(熱伝導率可変部)
Claims (5)
- 冷媒が流れて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)と、
前記冷媒回路(10)の制御、又は電力供給に用いる回路素子(50)を冷却し、該回路素子(50)の放熱面(52)と向かい合う吸熱面(32a)を有する冷却器(31)と、
熱伝導率が電気的又は磁気的に可変に構成され、前記冷却器(31)の吸熱面(32a)と前記回路素子(50)の放熱面(52)との間に設けられた熱伝導率可変部(80)とを備え、
前記冷却器(31)の吸熱面(32a)は、前記回路素子(50)の放熱面(52)よりも広く、
前記熱伝導率可変部(80)は、前記冷却器(31)における吸熱面(32a)の全面を覆っていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1において、
前記冷却器(31)は、冷媒回路(10)に接続され、前記回路素子(50)を冷媒によって冷却することを特徴とする冷凍装置。 - 請求項2において、
前記熱伝導率可変部(80)は、エネルギーを供給することによって熱伝導率が減少するものであり、
前記冷却器(31)は、前記冷媒回路(10)に設けられた凝縮器(12)と膨張機構(13)との間に配置されていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項2において、
前記熱伝導率可変部(80)は、エネルギーを供給することによって熱伝導率が増加するものであり、
前記冷却器(31)は、前記冷媒回路(10)に設けられた膨張機構(13)と蒸発器(14)との間に配置されていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項2において、
前記冷却器(31)は、前記冷媒回路(10)に設けられた膨張機構(13)と並列に接続されていることを特徴とする冷凍装置。
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