JP6758111B2 - 基板搬送装置、電子部品実装機、生産ライン - Google Patents
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Description
C=ε0・εγ・S/d ・・・式(1)
また、コンデンサの電荷(基板に帯電した電荷)をQとして、電極間の電位差Vは、以下の式(2)から導出される。
V=Q/C={(Q/(ε0・εγ・S)}・d ・・・式(2)
ここで、ε0、εγ、Sは、各々定数である。また、電荷Qは一定である。このため、{(Q/(ε0・εγ・S)}をまとめて定数Kとすると、式(2)から式(3)が成立する。
V=K・d ・・・式(3)
式(3)から、電極間距離dを拡大することにより、電位差V(導体板を基準とした場合の基板の見かけの電位V)を上げることができる。基板の電位が高い(詳しくは、電位の絶対値が大きい)ほど、イオナイザから供給される、逆極性のイオンが引きつけられやすい。このため、基板の電位が高いほど、除電速度(基板に帯電した電荷を中和する速度)が速い。一方、基板の電位が低い(詳しくは、電位の絶対値が小さい)ほど、除電が飽和しやすい。このため、基板の電位が低いほど、除電速度が遅い。仮に、導体板が配置されていない場合、除電区間の上流側に対して下流側は、除電が進行する分だけ、基板の電位が低くなる。このため、上流側よりも下流側の方が、除電速度は遅くなる。
[生産ラインの構成]
まず、本実施形態の生産ラインの構成について説明する。図1に、本実施形態の生産ラインの模式図を示す。図1に示すように、生産ライン9は、左側(搬送方向上流側)から右側(搬送方向下流側)に向かって、はんだ印刷機90と、はんだ印刷検査機91と、複数の電子部品実装機1と、リフロー炉92と、基板外観検査機93と、を備えている。
次に、本実施形態の生産ラインが実行する基板の除電方法について説明する。図1、図2に示すように、生産ライン9を搬送される基板Bの配線パターンには、はんだ印刷機90において、はんだ部が印刷される。また、はんだ部には、複数の電子部品実装機1において、段階的に電子部品Pが装着される。はんだ印刷機90においては、基板Bからマスクを剥がす際に、基板Bが帯電する場合がある。また、電子部品実装機1においては、基板Bに電子部品Pを装着する際に、基板Bが帯電する場合がある。このため、基板外観検査機93において、検査用のニードルピンが電子部品Pに接触する際、ESD(electrostatic discharge)により、電子部品Pに意図しない電流が流れてしまう。そこで、本実施形態の生産ライン9の除電区間Lにおいては、基板Bの除電が行われる。なお、除電区間Lは、右端(搬送方向下流端)の電子部品実装機1の基板搬送装置5に設定されている。
次に、本実施形態の基板搬送装置、電子部品実装機、生産ラインの作用効果について説明する。本実施形態の基板搬送装置5、電子部品実装機1、生産ライン9(以下、「基板搬送装置5等」と称す)によると、除電区間Lにおいて、電極間距離dが、左側から右側に向かって拡大するように、設定されている。このため、除電区間Lにおいて、左側から右側に向かって除電速度が遅くなるのに応じて、基板Bの見かけの電位Vを調整することができる。したがって、イオナイザ51による基板Bの除電速度を速くすることができる。このように、本実施形態の基板搬送装置5等によると、基板Bの除電速度を速くすることができる。このため、基板Bの除電時間を短縮することができる。
本実施形態の基板搬送装置等と第一実施形態の基板搬送装置等との相違点は、基板搬送装置が角度調整部を備えている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図3に、本実施形態の電子部品実装機の模式図を示す。なお、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。図3に示すように、電子部品実装機1の基板搬送装置5は、角度調整部(揺動軸520、モータ521)を備えている。このため、制御装置3が、モータ521を介して揺動軸520を揺動させることにより、導体板52の傾斜角度θを、自動的に変更することができる。記憶部32には、予め、基板Bの種類毎に傾斜角度θが格納されている。制御装置3は、段取り替えの際に、これから生産される基板Bの種類に応じて、傾斜角度θを自動的に切り替える。
本実施形態の基板搬送装置等と第一実施形態の基板搬送装置等との相違点は、導体板の傾斜角度が一定ではない点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図4に、本実施形態の電子部品実装機の除電区間の模式図を示す。なお、左縦軸は導体板52の各部の高さを、右縦軸は基板Bの電位Vを、横軸は左右方向の位置を、各々示す。また、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。また、説明の便宜上、イオナイザを省略して示す。図4に示すように、除電区間Lには、左側(上流側)から右側(下流側)に向かって、第一下降区間S1(始点L0〜点La)と、第二下降区間S2(点La〜点Lb)と、第一保持区間S3(点Lb〜点Lc)と、第三下降区間S4(点Lc〜点Ld)と、第二保持区間S5(点Ld〜終点L1)と、が設定されている。導体板52は、除電区間Lの左右方向全長に亘って配置されている。前側(搬送路50の延在方向に対して直交する方向であって水平方向)から見て、導体板52は、互いに傾斜角度θの異なる複数の直線(平板)が連なって構成されている。すなわち、前側から見て、導体板52は、折れ線状を呈している。
第一下降区間S1において、導体板52の左端(始点L0)は、高さH0に設定されている。一方、導体板52の右端(点La)は、高さH1に設定されている。このため、左側から右側に向かって、電極間距離dは拡大している。第一下降区間S1は、距離が短い。このため、基板Bには、主に、電位上昇作用が働く。したがって、基板Bの電位Vは、管理上限値V0まで上昇する。なお、管理上限値V0とは、「電位Vがこの値を上回ると、ESDによる不具合が電子部品Pに発生しやすくなる値」である。
第二下降区間S2において、導体板52の左端(点La)は、高さH1に設定されている。一方、導体板52の右端(点Lb)は、高さH2に設定されている。このため、左側から右側に向かって、電極間距離dは拡大している。第二下降区間S2は、第一下降区間S1よりも、距離が長い。このため、基板Bには、電位上昇作用と電位下降作用とが働く。基板Bの電位Vは、管理上限値V0を上回らない電位であって、管理上限値V0に近い電位に保持される。
第一保持区間S3において、導体板52の左端(点Lb)および右端(点Lc)は、高さH2に設定されている。このため、第一保持区間S3全長に亘って、電極間距離dは一定である。したがって、基板Bには、主に、電位下降作用が働く。よって、基板Bの電位Vは、管理下限値V1まで下降する。なお、管理下限値V1とは、「終点L1において電位Vがこの値以下であれば、除電完了と判断される値」である。
第三下降区間S4において、導体板52の左端(点Lc)は、高さH2に設定されている。一方、導体板52の右端(点Ld)は、高さH3に設定されている。このため、左側から右側に向かって、電極間距離dは拡大している。第三下降区間S4は、第一下降区間S1同様に、距離が短い。このため、基板Bには、主に、電位上昇作用が働く。したがって、基板Bの電位Vは、電位V2まで上昇する。
第二保持区間S5において、導体板52の左端(点Ld)および右端(終点L1)は、高さH3に設定されている。このため、第二保持区間S5全長に亘って、電極間距離dは一定である。したがって、基板Bには、主に、電位下降作用が働く。よって、基板Bの電位Vは、管理下限値V1まで下降する。このようにして、基板Bの除電が完了する。
本実施形態の基板搬送装置等と第一実施形態の基板搬送装置等との相違点は、除電区間の左側に電位保持区間が設定されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図5に、本実施形態の電子部品実装機の模式図を示す。なお、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。図5に示すように、搬送路50の除電区間Lの左側(上流側)であって、装着位置E1の右側(下流側)には、電位保持区間Mが設定されている。導体板52は、電位保持区間Mまで延在している。一方、イオナイザ51は、電位保持区間Mまで延在していない。電位保持区間Mにおいて、導体板52は、左右方向(水平方向)に延在している。このため、電位保持区間Mにおいて、電極間距離dは一定である。
以上、本発明の基板搬送装置、電子部品実装機、生産ラインの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
Claims (5)
- 上流側から下流側に向かって基板を搬送すると共に、除電区間を有する搬送路と、
前記除電区間において、前記基板を除電するイオナイザと、
前記除電区間において、搬送中の前記基板に対向可能に配置され、電気的に接地された導体板と、
を備え、
前記基板と前記導体板との間の距離を電極間距離として、
前記基板が前記除電区間を通過する際、前記導体板は固定されており、前記電極間距離は、前記上流側から前記下流側に向かって拡大するように、設定されている基板搬送装置。 - 前記搬送路に対する前記導体板の傾斜角度を調整する角度調整部を備える請求項1に記載の基板搬送装置。
- 前記イオナイザは、前記基板の表裏方向両側に配置され、前記基板の表裏両面に中和ガスを吹き付ける複数のノズルを有する請求項1または請求項2に記載の基板搬送装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板搬送装置を備える電子部品実装機。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板搬送装置を備える生産ライン。
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