JP6758075B2 - 空気調和機及び冷媒量判定方法 - Google Patents
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<空気調和機の構成>
図1は、第1実施形態に係る空気調和機100の構成図である。
なお、図1では、冷房運転時に冷媒が流れる向きを実線矢印で示し、暖房運転時に冷媒が流れる向きを破線矢印で示している。
空気調和機100は、冷房運転・暖房運転等の空調を行う機器である。図1に示すように、空気調和機100は、冷媒回路10と、室外ファンFoと、室内ファンFiと、第1温度センサ21と、第2温度センサ22と、制御装置30と、を備えている。
また、暖房運転時(破線矢印を参照)には、四方弁12によって、圧縮機11の吐出側が室内熱交換器14の一端uに接続されるとともに、圧縮機11の吸入側が室外熱交換器13の一端nに接続される。これによって、室内熱交換器14が凝縮器として機能し、室外熱交換器13が蒸発器として機能する。
室外ファンFoは、室外熱交換器13に外気を送り込むファンであり、室外熱交換器13の付近に設置されている。
室内ファンFiは、室内熱交換器14に室内空気を送り込むファンであり、室内熱交換器14の付近に設置されている。
室内膨張弁16は、自身に流入する冷媒を減圧する弁であり、配管rにおいて室内熱交換器14の付近に設けられている。
過冷却用膨張弁17bは、室外膨張弁15及び室内膨張弁16の一方で減圧された冷媒をさらに減圧する弁であり、バイパス配管kに設けられている。
なお、バイパス配管kは、室外膨張弁15及び室内膨張弁16の一方で減圧されて冷媒回路10から分流する冷媒を圧縮機11の吸込側に導く配管である。
過冷却用副流管17cは、過冷却用膨張弁17bで減圧された冷媒が通流する伝熱管であり、バイパス配管kに設けられている。
第2温度センサ22は、冷媒回路10において、室内膨張弁16と過冷却器17との間に設けられる温度センサである。より詳しく説明すると、第2温度センサ22は、冷媒回路10において、室内膨張弁16と過冷却用主流管17aとの間に設けられている。
室外機Uoの制御装置30は、室内機Uiの制御装置(図示せず)との間で通信を行い、各機器を制御する機能を有している。すなわち、制御装置30は、各センサの検出値や、リモコン(図示せず)の操作信号等に基づいて、圧縮機11、四方弁12、室外ファンFo、室外膨張弁15、過冷却用膨張弁17b等を制御する。
記憶部31には、冷媒量判定部32のプログラムや、各センサの検出値等のデータが格納される。
冷媒量判定部32は、第1温度センサ21の検出値と、第2温度センサ22の検出値と、の差に基づいて、冷媒回路10に封入されている冷媒の量が不足しているか否かを判定する機能を有している。なお、冷媒量判定部32が実行する処理については後記する。
図2は、モリエル線図における冷凍サイクルの説明図である。
なお、図2の横軸は、冷媒のエンタルピであり、縦軸は、冷媒の圧力である。図2に示す飽和液線wは、冷媒の液相の状態と気液二相の状態との境界線である。また、飽和蒸気線gは、冷媒の気液二相の状態と気相の状態との境界線である。前記した飽和液線w及び飽和蒸気線gで囲まれる領域では、冷媒は気液二相の状態になっている。また、臨界点cは、飽和液線wと飽和蒸気線gとの境界点である。
冷媒回路10に封入されている冷媒の量が適切である場合、図2の破線で示すように、圧縮機11における圧縮(状態G1→状態G2)、室外熱交換器13における凝縮(状態G2→状態G3α)、室外膨張弁15における減圧(状態G3α→状態G4α)、過冷却器17における冷却(状態G4α→状態G5α)、室内膨張弁16における減圧(状態G5α→状態G6α)、室内熱交換器14における蒸発(状態G6α→状態G1)を順次経て、冷凍サイクルで冷媒が循環する。
図3は、冷媒量判定部32が実行する処理のフローチャートである。
なお、図3の「START」時には、所定の空調運転(冷房運転、暖房運転等)が行われているものとする。
ステップS101において冷媒量判定部32は、第1温度センサ21の検出値T1、及び第2温度センサ22の検出値T2を読み込む。
ステップS102において冷媒量判定部32は、検出値T1,T2の差の絶対値(|T1−T2|)を算出する。このように検出値T1,T2の差の絶対値をとっているのは、暖房運転時には(T1−T2)が負の値になることを考慮しているためである。
ステップS104において冷媒量判定部32は、冷媒回路10に封入されている冷媒の量が不足していると判定する。この場合において制御装置30は、例えば、室外機Uoに設けられた表示器(図示せず)や、リモコン(図示せず)の表示部によって、冷媒が不足していることをユーザに報知する。
ステップS105において冷媒量判定部32は、冷媒回路10に封入されている冷媒の量は適切であると判定する。
ステップS104又はS105の処理を行った後、冷媒量判定部32の処理は「START」に戻る(RETURN)。このようにして冷媒量判定部32は、図3に示す一連の処理を繰り返す。
第1実施形態によれば、第1温度センサ21の検出値T1と、第2温度センサ22の検出値T2と、の差に基づいて、冷媒回路10に封入されている冷媒が不足しているか否かを適切に判定できる。したがって、施工時において冷媒回路10に封入する冷媒の量が不足していたり、冷媒回路10の配管から冷媒が漏れ出したりしている場合、その旨を作業員やユーザに報知できる。これによって、従来よりも信頼性の高い空気調和機100を提供できる。
さらに、第1実施形態によれば、通常の空調運転を行っているときに、冷媒回路10の冷媒が不足しているか否かの判定が繰り返される。つまり、冷媒回路10の冷媒が不足しているか否かを判定する際、特殊な運転モードに移行する必要がないため、制御の簡略化を図ることができる。
第2実施形態は、冷媒回路10に適切な量の冷媒が封入されていることが既知である期間に第1温度センサ21や第2温度センサ22の検出値等に関するデータベース311(図4参照)を作成し、このデータベース311のデータを用いて冷媒不足の判定を行う点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他については第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については、説明を省略する。
図4に示すように、空気調和機100Aは、冷媒回路10と、室外ファンFoと、室内ファンFiと、第1温度センサ21と、第2温度センサ22と、制御装置30Aと、を備えている。
記憶部31Aには、データベース311が格納されている。このデータベース311は、冷媒回路10に適切な量の冷媒が封入されていることが既知である期間(例えば、施工後から1年間)に作成されたものである。また、空気調和機100Aの施工後における試運転の期間を、前記した「期間」に含めてもよい。
図5に示すように、データベース311には、少なくとも圧縮機11の回転速度、及び過冷却用膨張弁17bの開度を含む「状態量」と、第1温度センサ21の検出値T1Wと、第2温度センサ22の検出値T2Wと、が対応付けて格納されている。なお、検出値T1W,T2Wの下付きの「W」は、冷媒回路10に封入されている冷媒の量が適切であることが既知である期間に検出されたことを表している。
図6は、冷媒量判定部32Aが実行する処理のフローチャートである。
なお、図6の「START」時には、冷媒回路10に封入されている冷媒の量が適切であることが既知である期間が既に経過し、所定の空調運転が行われているものとする。
ステップS201において冷媒量判定部32Aは、現時点での状態量を読み込む。すなわち、冷媒量判定部32Aは、圧縮機11の回転速度、及び過冷却用膨張弁17bの開度を含む現時点での状態量(期間後の状態量)を読み込む。
ステップS202の処理についてより詳しく説明すると、冷媒量判定部32Aは、まず、現時点での状態量(期間後の状態量)と、データベース311に格納されている状態量(期間中の状態量)と、の比較を行う。そして、冷媒量判定部32Aは、前記した比較に基づいて、図5に示す状態N1,N2,…のうち、現時点の状態に最も近いものを特定し、その状態に対応する検出値T1W,T2W(期間後の状態量に対応する検出値T1W,T2W)を特定する。
ステップS206において冷媒量判定部32Aは、ステップS205で算出した|T1−T2|が、ステップS203で算出した所定閾値ΔTs未満であるか否かを判定する。
ステップS207において冷媒量判定部32Aは、冷媒回路10に封入されている冷媒の量が不足していると判定する。
ステップS208において冷媒量判定部32Aは、冷媒回路10に封入されている冷媒の量は適切であると判定する。
ステップS207又はS208の処理を行った後、冷媒量判定部32Aの処理は「START」に戻る(RETURN)。このようにして冷媒量判定部32Aは、図6に示す一連の処理を繰り返す。
第2実施形態によれば、圧縮機11の回転速度、及び過冷却用膨張弁17bの開度を含む状態量に基づいて所定閾値ΔTsが設定される(S203)。そして、この所定閾値ΔTsと|T1−T2|との大小の比較に基づいて、冷媒回路10に封入されている冷媒の量が不足しているかが判定される(S206〜S208)。これによって、現時点での運転状態に対応する所定閾値ΔTsを設定できるため、冷媒の量が不足しているか否かを第1実施形態よりもさらに高精度で判定できる。
以上、本発明に係る空気調和機100,100Aについて各実施形態で説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、各実施形態では、冷媒回路10において、配管rとバイパス配管kとの接続箇所と、室外膨張弁15と、の間に第1温度センサ21を設ける構成について説明したが、これに限らない。すなわち、前記した接続箇所と過冷却用主流管17aとの間に第1温度センサ21を設けてもよい。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
10 冷媒回路
11 圧縮機
12 四方弁
13 室外熱交換器
14 室内熱交換器
15 室外膨張弁
16 室内膨張弁
17 過冷却器
17a 過冷却用主流管(1次側伝熱管)
17b 過冷却用膨張弁
17c 過冷却用副流管(2次側伝熱管)
21 第1温度センサ
22 第2温度センサ
30,30A 制御装置
311 データベース
31,31A 記憶部
32,32A 冷媒量判定部
k バイパス配管
Claims (4)
- 圧縮機と、室外熱交換器と、室外膨張弁と、過冷却器と、室内膨張弁と、室内熱交換器と、が環状に順次接続され、冷凍サイクルで冷媒が循環する冷媒回路と、
前記冷媒回路において、前記室外膨張弁と前記過冷却器との間に設けられる第1温度センサと、
前記冷媒回路において、前記室内膨張弁と前記過冷却器との間に設けられる第2温度センサと、
前記第1温度センサの検出値と、前記第2温度センサの検出値と、の差に基づいて、前記冷媒回路に封入されている冷媒の量が不足しているか否かを判定する冷媒量判定部と、を備え、
前記冷媒量判定部は、暖房運転中に前記判定を行い、
前記暖房運転中、前記冷媒量判定部は、前記第1温度センサの検出値から前記第2温度センサの検出値を減算した値が、負の値である第1所定閾値以上である場合、前記冷媒回路に封入されている冷媒の量が不足していると判定すること
を特徴とする空気調和機。 - 前記過冷却器は、
前記冷媒回路において、前記室外膨張弁及び前記室内膨張弁の一方から他方に向かう冷媒が通流する1次側伝熱管と、
前記一方で減圧されて前記冷媒回路から分流する冷媒を前記圧縮機の吸込側に導くバイパス配管に設けられ、前記一方で減圧された冷媒をさらに減圧する過冷却用膨張弁と、
前記バイパス配管に設けられ、前記過冷却用膨張弁で減圧された冷媒が通流する2次側伝熱管と、を有し、
前記1次側伝熱管を通流する冷媒と、前記2次側伝熱管を通流する冷媒と、の間で熱交換が行われるように、前記1次側伝熱管及び前記2次側伝熱管が配設され、
前記第1温度センサは、前記冷媒回路において、前記室外膨張弁と前記1次側伝熱管との間に設けられ、
前記第2温度センサは、前記冷媒回路において、前記室内膨張弁と前記1次側伝熱管との間に設けられること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。 - 前記冷媒回路に適切な量の冷媒が封入されていることが既知である期間に作成されたデータベースが格納される記憶部を備え、
前記データベースには、少なくとも前記圧縮機の回転速度、及び前記過冷却用膨張弁の開度を含む状態量と、前記第1温度センサの検出値と、前記第2温度センサの検出値と、が対応付けて格納され、
前記冷媒量判定部は、
前記期間後の前記状態量と、前記データベースに格納されている前記期間中の前記状態量と、の比較に基づいて、前記期間後の前記状態量に対応する前記第1温度センサの検出値、及び前記第2温度センサの検出値を前記データベースを用いて特定し、特定した前記第1温度センサの検出値と、前記第2温度センサの検出値と、の差に基づく前記第1所定閾値の絶対値をとることで、第2所定閾値を設定し、
前記期間後における前記暖房運転中の前記状態量で前記冷媒回路に冷媒が循環しているときの前記第1温度センサの検出値と、前記第2温度センサの検出値と、の差の絶対値が前記第2所定閾値未満である場合、前記冷媒回路に封入されている冷媒の量が不足していると判定すること
を特徴とする請求項2に記載の空気調和機。 - 圧縮機と、室外熱交換器と、室外膨張弁と、過冷却器と、室内膨張弁と、室内熱交換器と、が環状に順次接続され、冷凍サイクルで冷媒が循環する冷媒回路において、前記室外膨張弁と前記過冷却器との間に設けられる第1温度センサの検出値と、前記室内膨張弁と前記過冷却器との間に設けられる第2温度センサの検出値と、の差に基づいて、冷媒量判定部が、前記冷媒回路に封入されている冷媒の量が不足しているか否かを判定し、前記冷媒量判定部は、暖房運転中に前記判定を行い、前記暖房運転中、前記冷媒量判定部は、前記第1温度センサの検出値から前記第2温度センサの検出値を減算した値が、負の値である第1所定閾値以上である場合、前記冷媒回路に封入されている冷媒の量が不足していると判定すること
を特徴とする冷媒量判定方法。
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