JP6753029B2 - 補強用縦筋取り付け用の鉄筋籠及び前記鉄筋籠を使用した補強用縦筋の取り付け方法 - Google Patents

補強用縦筋取り付け用の鉄筋籠及び前記鉄筋籠を使用した補強用縦筋の取り付け方法 Download PDF

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Description

本発明は,杭や柱等の柱状構造物の頭部と,これらの頭部上に構築される基礎や梁等の鉄筋コンクリート(RC)製の上部構造物を連結する際に,柱状構造物の頭部に杭頭補強筋等の補強用縦筋を取り付ける際に使用する鉄筋籠,及び,前記鉄筋籠を使用した補強用縦筋の取り付け方法に関する。
家屋,集合住宅,その他の構造物の基礎工法において,支持層等に達する杭を設け,この杭の頭部上に基礎を形成する杭基礎工法が,例えば軟弱地盤,液状化地盤等に構造物を構築する際に広く用いられている。
このような杭基礎工法では,杭頭上に基礎部分を形成すると共に,杭の頭部と基礎部分とを一体化するために,杭頭と基礎の底版部であるフーチングとを連結する作業が行われる。
この杭頭と基礎部分との連結は,杭頭部に,上方に向かって垂直に延びる補強用縦筋(杭頭補強筋)を取り付け,杭頭部をこの杭頭補強筋と共に基礎のフーチング内に所定深さ埋め込むことにより行われる。
このような杭頭補強筋の取り付けは,杭頭部の外周に杭頭補強筋の下端部を溶接して取り付ける外付け方式と,杭頭補強筋の下端部を杭頭部の中空空間内に打設されるコンクリート内に埋没させて取り付ける中詰め方式がある。
このうちの外付け方式は,杭頭部の外周に杭頭補強筋の下端部を溶接して取り付けるものであることから,適用対象が鋼管杭や外殻鋼管付コンクリート杭に限定される。
また,現場作業での溶接を必須とするが,近年の人手不足により熟練溶接工の確保が困難であること,溶接工の技量差に伴う強度不足の発生を防止するためには,各溶接個所を超音波検査等によって検査する必要がある等,工期を長期化させる原因となる。
一方,前述の中詰め方式は,一般に図10に示すように周方向に一定の間隔を置いて並べた異形鉄筋等からなる縦筋110と,前記縦筋110を拘束するスパイラルフープ160とを工場等で予め溶接して形成された鉄筋籠100を杭105頭部の中空空間106内に挿入した後,この中空空間106内にコンクリートを打設することで,杭頭部より上向きに突出した縦筋110を杭頭部と共に基礎フーチング内に埋め込む杭頭補強筋とするもので(特許文献1及び2参照),この中詰め方式では,予め工場等で溶接しておいた鉄筋籠100を使用することで建設現場での溶接作業や溶接部分の検査が不要となる。
その一方で,杭頭部に取り付ける杭頭補強筋(縦筋110)は,基礎フーチング内の配筋(横筋)と干渉しないように取り付ける必要があるところ,前述した外付け方式では現場において杭頭補強筋の取り付けを行うことから墨出しによって基礎フーチング側の配筋が決まった後にこれと干渉しない位置に杭頭補強筋を取り付けることが容易である。
これに対し,図10を参照して説明した鉄筋籠100を使用した中詰め方式によって杭頭補強筋の取り付けを行う場合,墨出し等によって縦筋110の一部が基礎フーチング内の配筋と干渉することが判明した場合でも,縦筋110の一部のみを移動させて干渉を回避することができない。
その結果,墨出しによってこのような干渉が生じることが判明した場合には,例えば基礎フーチング側の配筋を鉄筋籠100の縦筋110と干渉しない位置にずらすか,又は,杭頭補強筋110に加熱や機械的な外力を加えて矯正する,所謂「台直し」と呼ばれる作業が必要となる。
しかし,基礎フーチング側の配筋を変更すれば,コンクリートの打設後に必要なかぶり厚が確保出来なくなる等の構造上の問題が発生するおそれがあり,また,前述の台直しにより杭頭補強筋110を矯正すると,同様にかぶり厚の確保ができない場合が生じるのみならず,加熱や変形によって矯正後の杭頭補強筋110の強度が低下することで,必要な強度を確保できない場合が生じ得る。
しかも,いずれの方法で処理を行った場合においても干渉を回避する作業が完了するまでは基礎フーチングの配筋やコンクリートの打設等の後続する作業が停滞するため,工期を圧迫することになる。
上記のような基礎フーチングの配筋との干渉を容易に回避することができるようにするために,本発明の発明者らは,杭頭補強筋となる縦筋の一部を可動とした鉄筋籠として,図11に示す鉄筋籠200を既に提案している(特許文献3参照)。
この図11に示す鉄筋籠200は,縦筋を,複数本の固定縦筋210と,ねじ鉄筋から成る複数本の可動縦筋220によって構成し,このうちの固定縦筋210をスパイラル筋260や中間フープ230に溶接して拘束する一方,前記可動縦筋220の下端を,下端側フープ231をガイドレールとして移動可能なスライダ280に設けたねじ孔281に螺合させ,このねじ孔281を貫通した可動縦筋220の下端部を底板232上に圧接することで,可動縦筋220をスライダ280の可動域内における任意の位置に取り付け可能としている。
特開2002−212960号公報 特開平08−333744号公報 特開2011−140812号公報
前掲の特許文献3に記載の鉄筋籠200では,固定縦筋210に対するスパイラル筋260や中間フープ230の溶接は,予め工場等で行われていると共に,可動縦筋220はスライダ280に対するネジ止めによって溶接することなく所望の位置に固定できる構成となっているため,現場での溶接作業を行うことなく杭頭部に取り付けることができるものである点は,図10を参照して説明した既知の鉄筋籠100と同様である。
しかも,杭頭補強筋となる縦筋のうち,可動縦筋220は取り付け位置が可変であることから,墨出し等によって基礎フーチングの配筋と可動縦筋220が干渉することが判明した場合であっても,可動縦筋220を移動させることでこのような干渉を回避することができ,基礎フーチングの配筋を変更することなく,また,可動縦筋220の台直し等を行うことなく前述した干渉を回避できるものとなっている。
しかし,上記構造の鉄筋籠200を使用した場合であっても,縦筋のうちの固定縦筋210は予め溶接によってその位置が固定されていることから,固定縦筋210のいずれかが基礎フーチングの配筋と干渉することとなる場合,依然として基礎フーチングの配筋変更や,固定縦筋210の一部に対し台直し等の作業を行う必要が生じる。
また,縦筋のうちの固定縦筋210は,スパイラル筋260や中間フープ230に溶接されることによって拘束されていることから,溶接時の熱の影響で溶接部分の曲げ強度が低下しているため,曲げ方向に荷重が加わった場合,溶接部分から比較的容易に破断する。
そのため,このような強度低下を補うためには,太い鉄筋を使用するか,又は縦筋の本数を増やす等して対処する必要があり,その結果,杭頭補強筋の取り付け作業がより煩雑になると共に,縦筋間の間隔が狭まることで杭頭補強筋と基礎フーチング内の配筋との干渉が更に生じ易くなる。
しかも,一般に高強度の鉄筋は炭素当量が多く,このような炭素当量の多い鉄筋に対し溶接を行うと,溶接時の急熱,急冷によって熱影響部が硬化して割れが発生する。
そのため,スパイラル筋260や中間フープ230に対して溶接される固定縦筋210として炭素当量の多い鉄筋を採用することができず,その結果,高強度の鉄筋を使用することによる杭頭補強筋の細径化や使用本数の減少が図り難い。
しかも,前掲の特許文献3に記載の鉄筋籠200では,可動縦筋220の固定をスライダ280に対する螺合と底板232への圧接によって行うため,可動縦筋220を可動とし,かつ,固定するための構造が複雑であることが,鉄筋籠200の製造コストを高めるものとなっている。
なお,以上の説明では,杭の頭部と基礎フーチングを接合する場合を例に挙げて説明したが,前述した杭頭補強筋のような補強用の縦筋を取り付けて行う接合は,前述した杭頭部と基礎フーチング間を接合する場合のみならず,柱の頭部とその上に構築される梁との接合等のように,柱状の構造物の頭部と,その上に構築されるRC構造の構造物との連結全般において行われ,従って前述した問題は,杭に対し杭頭補強筋を取り付ける場合のみならず,柱状構造物の頭部に補強用の縦筋を取り付ける場合全般において生じ得る問題である。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたもので,比較的簡単な方法で,現場作業での溶接を必要としないだけでなく,補強用縦筋の全てに対し一切溶接を行うことなく中詰め方式による取り付けを可能とする鉄筋籠を提供することで,基礎等の上部構造物内の配筋と干渉しない補強用縦筋の取り付けを容易に行うことができると共に,補強用縦筋に溶接時の急熱と急冷に伴う強度低下が生じず,また,溶接に伴う材質の制約がなく,従って,補強用縦筋の細径化や取り付け本数の減少による過密配筋の回避を可能とすることを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の鉄筋籠1は,
基礎杭等の柱状構造物5の頭部と,該柱状構造物5の頭部上に構築される基礎フーチング等の鉄筋コンクリート構造の上部構造物との接合を行うために,前記柱状構造物5の頭部に杭頭補強筋等の補強用縦筋80を取り付ける際に使用する鉄筋籠1において,
上下方向に配置される垂直部10aと,前記垂直部10aの上端より水平方向に突出する水平部10bを備えた複数本の逆L字形状の吊鉄筋10と,
前記吊鉄筋10の上端側を,前記水平部10bが外周方向に突出するように拘束する環状のガイド体20と,
前記吊鉄筋10の下端側を拘束する下端側フープ筋31や底板32等の底部側拘束体30を備え,
前記吊鉄筋10の前記水平部10bを前記柱状構造物5の開口縁7に係止させて,前記柱状構造物5の頭部に形成された中空空間6内に吊り下げ状態に挿入可能に構成されており,
前記ガイド体20に,該ガイド体20の周方向における任意の位置に移動可能に前記補強用縦筋80を係止する係止機構を設けると共に,
前記ガイド体20に保持された前記補強用縦筋80の下端を前記底部側拘束体30上に載置可能に形成し,
前記ガイド体20と前記底部側拘束体30で,複数の前記補強用縦筋80を立設状態で内部に保持可能に構成したことを特徴とする(請求項1)。
前記ガイド体20を,環状の内側ガイド体22と,前記内側ガイド体22の外周側に配置される,前記内側ガイド体22の外周形状と相似の内周形状を有する外側ガイド体21により形成し,
前記内側ガイド体22の外周と前記外側ガイド体21の内周間の間隔δ1を,前記補強用縦筋80を挟持可能な間隔とすることで,前記ガイド体20の周方向における任意の位置で前記間隔δ1内に前記補強用縦筋80を挿入して係止できるようにするものとしても良い(請求項2,図1〜4参照)。
この場合,前記内側ガイド体22及び/又は前記外側ガイド体21を,環状に曲げた帯板によって形成するものとしても良い(請求項3,内側ガイド体を帯板によって形成した例として図1〜4参照)。
また,前記ガイド体20を,環状のガイドレール24と,前記補強用縦筋80を挿入可能な筒状のカプラー25により形成し,
前記カプラー25を,軸線方向を上下方向として前記ガイドレール24上を周方向に移動可能となるように前記ガイドレール24に取り付けることで,前記ガイドレール24の周方向における任意の位置で前記カプラー25内に前記補強用縦筋80を挿入して係止できるようにするものとしても良い(請求項4,図5及び図6参照)。
更に,前記補強用縦筋80を,ねじ鉄筋とすると共に,
前記ガイド体20を,環状の内側ガイド体22と,前記内側ガイド体22の外周側に配置される,前記内側ガイド体22の外周形状と相似の内周形状を有する外側ガイド体21により形成し,
前記内側ガイド体22の外周部分及び/又は前記外側ガイド体21の内周部分(図示の例では内側ガイド体22の外周部分)を,アルミニウムや銅,その合金等から成る軟質金属22cにより形成し,
前記内側ガイド体22の外周と前記外側ガイド体21の内周間の間隔δ1を,前記補強用縦筋80であるねじ鉄筋の二面幅(スパナのアゴを掛ける面間の幅)Wよりも広く,直径Dよりも狭く形成して前記係止機構とするものとしても良い(請求項5,図5,図6参照)。
更に,前記ガイド体20に,該ガイド体20の外周方向に突出する複数の連結鉄筋23を設け,該連結鉄筋23に,前記吊鉄筋10の前記水平部10bを取り付けるものとしても良い(請求項6,図1〜3参照)。
また,本発明の補強用縦筋80の取り付け方法は,
前述したいずれかの鉄筋籠1を,前記柱状構造物5の頭部に形成された中空空間6内に吊り下げ状態に挿入し,
前記鉄筋籠1内に複数本の前記補強用縦筋80を挿入し,前記ガイド体20と前記底部側拘束体30で,挿入された前記複数本の前記補強用縦筋80を溶接することなく前記鉄筋籠内に立設状態に保持させ,
前記上部構造物の配筋位置の確定後,該上部構造物の配筋位置と干渉しない位置に前記鉄筋籠1に保持させた前記補強用縦筋80を移動させた後,前記鉄筋籠1が挿入されている杭頭の中空空間6内にコンクリートを打設して,前記鉄筋籠に保持させた前記補強用縦筋80の下端部を,前記鉄筋籠1と共に前記柱状構造物5の中空空間内に打設された前記コンクリート中に埋没させることを特徴とする(請求項7,図9参照)。
以上で説明した構成を備えた本発明の鉄筋籠1を使用して補強用縦筋80の取り付けを行うことで,以下の顕著な効果を得ることができた。
本発明の鉄筋籠1は,吊鉄筋10と,吊鉄筋10の上端側を拘束するガイド体20と,前記吊鉄筋10の下端側を拘束する底部側拘束体30を備え,前記ガイド体20に,周方向における任意の位置に移動可能に補強用縦筋80を係止する係止機構を設けると共に,前記ガイド体20に係止した前記補強用縦筋80の下端を,前記底部側拘束体30上に載置可能として,ガイド体20と底部側拘束体30で,複数の補強用縦筋80を立設状態で内部に保持可能に構成したことで,溶接等を行うことなく鉄筋籠1内に挿入するだけで,補強用縦筋80を鉄筋籠1内に保持させることが可能である。
その結果,柱状構造物5の頭部に設けた中空空間6内に挿入した鉄筋籠1に,補強用縦筋80を保持させた状態で中空空間6内にコンクリートを打設して鉄筋籠1と共に補強用縦筋80の下端部を打設したコンクリート内に埋没させることで,柱状構造物5の頭部に補強用縦筋80を比較的簡単に取り付けることができた。
しかもこの補強用縦筋80は,コンクリートの打設前であればガイド体20の周方向に移動させることができるため,基礎フーチング等の上部構造物の配筋が特定されてこれと干渉することが判明した場合,コンクリート打設前に干渉する補強用縦筋80をガイド体20の周方向に移動させることで,両配筋の干渉を容易に回避することができた。
また,全ての補強用縦筋80に対し一切溶接を行わないことから,溶接時の熱の影響によって補強用縦筋80の強度が低下することがなく,また,溶接を必要としないため炭素当量が多く高硬度の鉄筋を補強用縦筋80として使用することが可能である。
その結果,補強用縦筋80の細径化や,補強用縦筋80の取り付け本数を減らした場合であっても必要な強度を確保することができ,補強用縦筋80同士の間隔をより広く取ることで過密配筋を回避することができ,基礎フーチング等の上部構造物内の配筋との干渉が更に生じ難くなると共に,補強用縦筋の取り付け作業がより容易になることで工期の短縮を図ることができた。
前記ガイド体20を,内側ガイド体22と外側ガイド体21により形成し,内側ガイド体22の外周と前記外側ガイド体21の内周間に補強用縦筋80を挟持させることで係止可能とした構成では,ガイド体20の周方向における任意の位置で内側ガイド体22と外側ガイド体21間の間隔δ1内に補強用縦筋80を挿入するだけで,補強用縦筋80を任意位置に保持させることが可能であると共に,必要に応じて間隔δ1に沿って補強用縦筋80を移動させることができた。
このようにガイド体20を内側ガイド体22と外側ガイド体21によって構成する場合,そのうちの一方,又は双方を,環状に曲げた帯板によって形成することで,内側ガイド体22及び/又は外側ガイド体21にバネとしての性質を与えることができ,補強用縦筋80を内側ガイド体22と外側ガイド体21間の間隔δ1により好適に保持させることができた。
また,前記ガイド体20を,環状のガイドレール24とカプラー25により形成した例では,カプラー25をガイドレール24上の適宜の位置に移動させた後,カプラー25内に補強用縦筋80を挿入することにより,又は補強用縦筋80を挿入したカプラー25をガイドレール24上の適宜に位置に移動させることにより,ガイド体20の周方向における適宜の位置に補強用縦筋80を移動可能に係止することができた。
更に,前記補強用縦筋80を,ねじ鉄筋とすると共に,前記ガイド体20を,環状の内側ガイド体22と,前記内側ガイド体22の外周側に配置される,前記内側ガイド体22の外周形状と相似の内周形状を有する外側ガイド体21により形成し,前記内側ガイド体22の外周部分及び/又は前記外側ガイド体21の内周部分を,アルミニウムや銅,その合金等から成る軟質金属22cにより形成して補強用縦筋80の係止機構とした構成では,前記内側ガイド体22の外周と前記外側ガイド体21の内周間の間隔δ1を,前記補強用縦筋80であるねじ鉄筋の二面幅Wよりも広く形成することで,図6(A),(C)に示すように補強用縦筋80であるねじ鉄筋の平面81,82(スパナのアゴを掛ける面)が外側ガイド体21及び内側ガイド体22と対向するように前記間隔δ1にねじ鉄筋を挿入することで,ねじ鉄筋をガイド体20(21,22)の周方向の任意の位置に移動させることができると共に,ガイド体20(21,22)間の間隔δ1を,補強用縦筋80(ねじ鉄筋)の直径Dよりも狭く形成したことで,図6(B),(D)に示すように適宜任意の位置でねじ鉄筋を90°回転させてねじ鉄筋に形成されたねじ節(ねじ山)を,ガイド体20(図示の例では内側ガイド体22)に設けた軟質金属22cに食い込ませることで,補強用縦筋80(ねじ鉄筋)を周方向の任意の位置で外側,内側ガイド体21,22間に固定することができた。
前記ガイド体20に,該ガイド体20の外周方向に突出する複数の連結鉄筋23を設け,該連結鉄筋23に,前記吊鉄筋10の前記水平部10bを溶着等して取り付けるようにした構成では,複数種類のガイド体20をその他の部分とは別個に製造し,吊鉄筋10を底部側拘束体30やフープ筋40等で拘束して形成した鉄筋籠の本体部分に取り付けることで,ガイド体20の種類の選択により取り付ける補強用縦筋80の太さの変更等に対し容易に対応することができた。
更に,前記鉄筋籠1の底部を覆う底板32を前記底部側拘束体30とした構成では,鉄筋籠1に底板32を設ける場合,底板32とは別に底部側拘束体30となる下端側フープ筋31やアングル材33の取り付けを省略することができた。
杭に挿入した状態の本発明の鉄筋籠の(A)は平面図,(B)は(A)のB−B線断面図。 杭に挿入した状態の本発明の別の鉄筋籠の(A)は平面図,(B)は(A)のB−B線断面図。 杭に挿入した状態の本発明の更に別の鉄筋籠の(A)は平面図,(B)は(A)のB−B線断面図。 ガイド体の変型例を示す本発明の鉄筋籠の(A)は平面図,(B)は(A)のB−B線要部断面図。 ガイド体の変型例を示す本発明の鉄筋籠の(A)は平面図,(B)は(A)のB−B線要部断面図。 (A),(B)は図5(A)中,〇で囲った部分の拡大説明図,(C),(D)は図5(B)中,〇で囲った部分の拡大説明図。 ガイド体の別の変型例を示す本発明の鉄筋籠の(A)は平面図,(B)は(A)のB−B線要部断面図,(C)は(A)のC―C線拡大断面図。 ガイド体の更に別の変型例を示す,(A)は斜視図,(B)はガイドレールに対する連結鉄筋の取り付け方法の説明図,(C)〜(E)は(A)に変形例として示した連結鉄筋のそれぞれ側面分解図,正面図,平面図。 本発明の鉄筋籠を使用した杭頭補強筋の取り付け方法の説明図であり,(A)はずれ止め溶接が完了した状態,(B)は杭頭に対し鉄筋籠を挿入している状態,(C)は杭頭に対し鉄筋籠の挿入が完了した状態,(D)は鉄筋籠に対し杭頭補強筋(補強用縦筋)を取り付けている状態,(E)は杭頭補強筋(補強用縦筋)と基礎フーチングの配筋との干渉を回避するための移動状態,(F)はコンクリートの打設により固定した状態をそれぞれ示す。 従来の中詰め法による杭頭補強筋の取り付け方法の説明図(特許文献1,2に対応)。 従来の中詰め法による杭頭補強筋の取り付け方法の説明図(特許文献3に対応)。
次に,本発明の実施形態につき添付図面を参照しながら以下説明する。
なお,以下の説明において,本発明の鉄筋籠1を使用した補強用縦筋80の取り付けを,基礎杭の頭部に対して補強用縦筋(杭頭補強筋)80を取り付ける場合を例に挙げて説明するが,本発明の鉄筋籠1は,この例に限定されるものではなく,建築物の柱とこの柱上に載置される鉄筋コンクリート製の梁のように,柱状構造物5の頭部と,その上部に構築され鉄筋コンクリート製の構造物との連結に対し広く適用可能である。
本発明の鉄筋籠1は,図1に示すように逆L字状の吊鉄筋10の上端側を環状のガイド体20で拘束すると共に,前記吊鉄筋10の下端側を下端側フープ筋31等の底部側拘束体30で拘束して,全体として籠型に形成したもので,杭頭補強筋80を柱状構造物5の頭部に取り付ける際に,前記吊鉄筋10の水平部10bが杭頭の開口縁7と係合するまで中空空間6内に挿入し,中空空間6内に吊り下げた状態に収容して使用される。
前述の吊鉄筋10は,杭頭に対する取り付け時に垂直方向に配置される垂直部10aと,該垂直部10aの上端より水平方向に突出する水平部10bを備えた逆L字状に形成されており,この吊鉄筋10を,水平部10bが外周方向に向かって突出するように吊鉄筋10の上端部側をガイド体20に固着して拘束すると共に,下端部を,図1(B)に示す例では下端側フープ筋31に対し周方向に所定間隔で取り付けて拘束している。
なお,図1に示す実施形態では,前述の吊鉄筋10を,1本の鉄筋を屈曲させて垂直部10aと水平部10bを一体的に形成しているが,吊鉄筋10は,図5に示すように垂直部10aを成す直線状の鉄筋と,水平部10bを成すL字型の鉄筋をそれぞれ別個に形成し,これらを溶着等の方法で連結して構成しても良く,また,垂直部10aと水平部10bは必ずしも直接,連結されている必要はなく,他部材〔例えばガイド体20,図5(A)に示す例ではガイド体20の連結鉄筋23〕を介して連結したものであっても良い。
図1に示す実施形態では,鉄筋籠1内の所定の位置に杭頭補強筋80を挿入した際に,杭頭補強筋80の下端部をこの下端側フープ筋31上に載置することができるように構成しており,従って,図1に示す実施形態では,この下端側フープ筋31が,吊鉄筋10の下端側を拘束すると共に杭頭補強筋80の下端部を載置する,前述の底部側拘束体30を兼ねる。
なお,図1に記載した例では,杭頭補強筋80の下端部を環状に曲げた鉄筋である下端側フープ筋31上に載置する例を示したが,この構成に代え,図5(B)に示すように環状板から成る下端側フープ板31’を設け,この下端側フープ板31’上に杭頭補強筋80の下端を載置する構成としても良く,更には,杭頭補強筋80の下端を,底板32上に載置する構成としても良く,杭頭補強筋80の下端を載置する構成は図示の構成に限定されない。
前述のガイド体20は,吊鉄筋10の上端側を,前記水平部10bが外周方向に突出するように拘束するもので,全体として環状に形成されていると共に,このガイド体20の周方向における任意の位置に移動可能に前記補強用縦筋80を係止する係止機構を備える。
図1に示した実施形態において前述のガイド体20は,環状の内側ガイド体22と,前記内側ガイド体22の外周側に配置される,前記内側ガイド体22の外周形状と相似の内周形状を有する外側ガイド体21,及び,前記外側ガイド体21と内側ガイド体22を連結すると共に,吊鉄筋10の水平部10bを取り付ける連結鉄筋23によって構成されている。
図1(A)に示す実施形態では,この連結鉄筋23を平面視十字状の鉄筋により形成し,外側ガイド21と内側ガイド22を,前記連結鉄筋23の交点23aを中心とする同心円状に配置すると共に連結鉄筋23に溶着し,この連結鉄筋23のうち,外側ガイド体21の外周方向に突出した部分を吊鉄筋10の水平部10bに溶着することで,吊鉄筋10の上端側を,ガイド体20上に周方向の所定間隔,図示の実施形態では90°毎の通間隔に取り付けている。
もっとも,ガイド体20の構造や吊鉄筋10の配置は図1(A)に示した構成に限定されず,例えば図5(A)に示すようにガイド体20にY字状の連結鉄筋23を設け,この連結鉄筋23の各先端部に吊鉄筋10を溶着する等して,吊鉄筋10を120°毎の等間隔で3本設けるものとしても良く,更には5本以上の吊鉄筋10を設ける構成としても良く,鉄筋籠のサイズ等に応じてガイド体20に設ける連結鉄筋23の形状や,使用する吊鉄筋10の本数は適宜変更可能である。
図1に示した例では,内側ガイド体22を環状に曲げ加工した帯鋼板,外側ガイド体21を環状に曲げ加工した鉄筋によって構成する例を示しているが,内側ガイド体22及び外側ガイド体21のいずれ共に環状に曲げ加工した帯鋼板,又は環状に曲げ加工した鉄筋によって構成するものとしても良く,また,図示の例とは逆に外側ガイド体21を環状の帯鋼板,内側ガイド体を環状の鉄筋によって構成するものとしても良い。
前述したように,ガイド体20の周方向における任意の位置に移動可能に前記補強用縦筋80を係止する係止機構として,図1に示すガイド体20は,内側ガイド体22の外周と,外側ガイド体21の内周間に形成された間隔δ1を,係止する杭頭補強筋80の外径と略同一幅,好ましくは杭頭補強筋の外径に対し僅かに狭い間隔に形成する等して,該間隔δ1内に杭頭補強筋80を挿入した際に内側ガイド体22及び/又は外側ガイド体21が僅かに変形して杭頭補強筋80を挟持することにより係止できるように構成すると共に,間隔δ1に沿って,係止位置を移動させることができるように構成している。
この場合,前述したように外側,内側ガイド体21,22の一方又は双方を帯板によって形成する場合には,該間隔δ1内に杭頭補強筋80を挿入した際に内側ガイド体22及び/又は外側ガイド体21のうち帯板によって形成された側を板バネのように弾性変形させることができ,これにより杭頭補強筋80をより確実に挟持させて周方向の任意の位置に係止することができるようにしても良い。
また,杭頭補強筋80を係止する係止機構としては,図5及び図6に示すように,杭頭補強筋80をねじ鉄筋により形成すると共に,外側ガイド体21の内周部分,及び/又は内側ガイド体22の外周部分をアルミニウムや銅,これらの合金等から成る軟質金属22cにより形成すると共に,外側,内側ガイド体21,22間の間隔δ1を,このねじ鉄筋にスパナのアゴを掛ける面として設けられている二面81,82間の幅Wよりも広いが,直径Dよりも狭く形成する構成を採用することもできる。
このように構成することで,図6(A),(C)に示すように,杭頭補強筋80を,その二面81,82が内側ガイド体22及び外側ガイド体21側を向くように間隔δ1内に挿入することで,杭頭補強筋80をガイド体20の周方向の適宜任意の位置に移動させることが可能である一方,杭頭補強筋80を固定したい位置で杭頭補強筋80を90°回転させると,ねじ鉄筋である杭頭補強筋80に設けられたねじ節(ねじ山)が,外側ガイド体21の内周及び/又は内側ガイド体22の外周部分を構成する軟質金属22cに食い込むことで,該位置に杭頭補強筋80を固定することができる。
図5及び図6に示した実施形態では,内側ガイド体22の外周部分を前述した軟質金属22cとする構成を採用しており,図示の例では,2つのフープ筋22a,22bを,上下に所定間隔を開けて上下二段に溶着すると共に,このフープ筋22a,22bの外周側に,フープ筋22a,22b間の間隔に嵌合するようにアルミニウム製の棒材を取り付けて内側ガイド体22を形成することで,内側ガイド体22の外周部分が軟質金属22cによって構成されるようにした。
なお,図1を参照して説明した実施形態では,ガイド体20に設けた連結鉄筋23に対し吊鉄筋10の水平部10bを取り付けることでガイド体20に対する吊鉄筋10の取り付けを行っているが,この構成に代え,例えば図4に示すように,環状に曲げた帯板によって形成した内側ガイド体22の外周又は内周(図4では外周)に吊鉄筋10の垂直部10aの上端部分を溶着等の方法で取り付けると共に,吊鉄筋10の水平部10b上に環状の鉄筋によって構成された外側ガイド体21を載置して溶着する等しても良く,この構成では前述した連結鉄筋23を設けることなくガイド体20を構成することができる。
更に,前述のガイド体20の構成としては,図7に示すように環状のガイドレール24と,このガイドレール24上を周方向に移動する円筒状のカプラー25により構成するものとしても良く,カプラー25の開口部26を,杭頭補強筋80を挿入可能なサイズに形成することで,カプラー25に対し杭頭補強筋80を挿入することで,杭頭補強筋80をガイド体20の周方向における所定の位置に取り付ける前述した係止機構が形成されている。
このカプラー25の開口部26は,図7(C)に示したようにカプラー25の軸線方向に対して直交方向の切り口を有するものとしても良いが,図7(C)中に一点鎖線で示すように,杭頭補強筋80の挿入を容易とすべく,斜め方向の切り口を有するものとして形成しても良い。
図示の実施形態にあっては前述のガイドレール24として,環状に曲げ加工した帯鋼板により形成したものを使用すると共に,前記カプラー25の長手方向両端に,ガイドレール24の幅方向のそれぞれの端部に係止される係止爪25a,25bを設け,ガイドレール24上を移動できるように,カプラー25をガイドレール24に取り付けている。
なお,図7を参照して説明した実施形態では,吊鉄筋10の垂直部10aの上端部分をガイドレール24の内周に溶着すると共に,カプラー25をガイドレール24の外周側に取り付ける例を示したが,これとは逆に,吊鉄筋10の垂直部10aをガイドレールの外周に取り付けると共に,カプラー25をガイドレール24の内周側に取り付けるものとしても良く,更には,ガイドレール24に対する吊鉄筋10の取り付けとカプラー25の取り付けをいずれもガイドレール24の同一側に対して行うものとしても良く,更には,カプラー25をガイドレールの内周側と外周側の双方に取り付けるものとしても良く,図示の構成に限定されない。
また,図7を参照して説明した実施形態では,ガイドレール24に対し直接,吊鉄筋10垂直部10aを溶着する構成を示したが,図8に示すように,ガイドレール24に,吊鉄筋10の水平部10bを取り付けるための連結鉄筋23を設け,この連結鉄筋23を吊鉄筋10の水平部10bに固着するものとしても良い。
図8(A)に示した例では,逆L字状に曲げた鉄筋をガイドレール24に取り付けて連結鉄筋23としているが,鉄筋籠1が大型化する場合等,杭頭部に対する取り付け時に連結鉄筋23にかかる荷重が大きくなる場合等には,図8(A)中に「変更例」として示したように,U字状に折り曲げた鉄筋を所定の位置を折り曲げること,ガイドレール24に取り付けられる垂直部分と,外周方向に突出する水平部分がいずれも2本ずつの鉄筋によって構成された連結鉄筋23’を使用するものとしても良い。
連結鉄筋23は,その垂直部分をガイドレール24に対し溶接等の方法で取り付けることができ,この場合,連結鉄筋23の垂直部分を,直接,ガイドレール24に溶着するものとしても良いが,前述した係止爪25a,25bによってガイドレール24に係止されるカプラー25を使用する場合,図8(B)に示すようにカプラー25の係止爪25a,25bの間隔に収まる取付台24’を介して取り付けることにより,カプラー25の係止爪25a,25bと連結鉄筋23とが干渉しなくなることでカプラー25の可動範囲を広げることができる。
また,変形例として示した符号23’の連結鉄筋では,垂直部分に二本のアングル材27,27を架設すると共に,矩形板28aの上下端よりそれぞれ係止棒28b,28cを突設させたアタッチメント28を設け,上下のアングル材27,27間にガイドレール24を配置した状態で,上側のアングル材27に設けた挿入孔27a,27aにアタッチメント28に設けた上側の係止棒28b,28bを挿入した後,下側のアングル材27に設けた挿入孔(図示せず)内に,アタッチメント28に設けた下側の係止棒28c,28cを挿入し,その後,アタッチメント28の矩形板28aに設けたボルト孔(図示せず)にボルト29を螺合してボルト29の先端でガイドレール24の側面を押圧することで,ガイドレール24の所定の位置に連結鉄筋23’を取り付けることができるように構成されている。
以上のように,ガイド体20に直接,又は,ガイド体20に設けた連結鉄筋23,23’に水平部10bを固着する等して,上端側をガイド体20により拘束された吊鉄筋10は,その下端側を底部側拘束体30によって拘束すると共に,この底部側拘束体30上に,杭頭補強筋80の下端を載置することができるように構成する。
図1に示す例では,吊鉄筋10の下端に対し僅かに上方位置で吊鉄筋10を外周側より拘束する下端側フープ筋31を取り付け,この下端側フープ筋31上に杭頭補強筋80の下端を載置可能としているが,図1(B)に示すように吊鉄筋の下端にコンクリート打設時にコンクリートの落下を防止するための底板32を固着した構成では,前述した下端側フープ筋31を省略し,この底板32上に杭頭補強筋80の下端を載置できるように構成することで,底板32に底部側拘束体30の機能を持たせるものとしても良い。
なお,本発明の鉄筋籠1の底部は,必ずしも底板32で覆う必要はなく,鉄筋籠1とは別に,打設されたコンクリートを受ける底板を杭頭内に取り付ける場合や,杭頭部の中空空間が有底である場合には,図2(B)に示すように吊鉄筋10の下端に杭頭補強筋80の下端部を載置するアングル材33から成る底部側拘束体30を取り付けて,鉄筋籠1の底部を開放した構造としても良い。
なお,本発明の鉄筋籠1は,図7(B)に示すように吊鉄筋10の上端側をガイド体20で,下端側を底部側拘束体30である底板32で拘束し,その他の補強材を備えない構成としても良いが,図1〜図3に示すように吊鉄筋10の垂直部10aに,高さ方向における所定位置にフープ筋40を取り付けて補強するものとしても良い。
この場合,フープ筋40の全部又は一部を外側フープ筋41と内側フープ筋42から成る二重構造とし,外側フープ筋41と内側フープ筋42との間に杭頭補強筋80を受け入れ可能に構成して杭頭補強筋80をより安定的に保持することができるように構成するものとしても良い。
また,図1〜図3に示す例では吊鉄筋10の垂直部10aをフープ筋40によって拘束する例を示したが,このフープ筋40による拘束に代えて,図9を参照して説明したようなスパイラル筋によって拘束するものとしても良い。
以上のように構成された鉄筋籠1は,図1に示すように杭頭に形成された中空空間6内に,吊鉄筋10の水平部10bが杭頭の開口縁7に係止されるまで挿入すると共に,中空空間6内に挿入された鉄筋籠1に対し杭頭補強筋80を取り付けた状態でコンクリートを打設することにより杭頭補強筋80を杭5の頭部より所定長さ突出させた状態で取り付けることができるように構成されている。
本発明の鉄筋籠1を使用した杭頭補強筋80の取り付けは,頭部に鉄筋籠1を挿入可能な中空空間6を備えた杭5であれば既成杭,場所打ち杭のいずれに対しても適用可能であり,また,鋼管杭(図1,図2参照),コンクリート杭(図3参照),外殻鋼管付コンクリート杭(図示せず)など,いずれの杭に対しても適用可能であり,鋼管杭や外殻鋼管付コンクリート杭に対し本発明の鉄筋籠1を使用した杭頭補強筋80の取り付けを行う場合には,従来技術として説明した外付け工法により杭頭外周に対する杭頭補強筋の取り付けを併用して行うこともできる。
また,本実施形態では,円柱状の柱状構造物5に対する杭頭補強筋の取り付け例を説明するが,柱の頭部に対する補強用縦筋80の取り付けにあっては,角柱状の柱等,円柱状以外の柱状構造物に対する補強用縦筋80の取り付けに使用することもできる。
この場合,取り付け対象とする柱状構造物の形状に対応し,必要に応じて鉄筋籠1についても円柱状のみならず角柱状等,対象とする柱状構造物5の形状に対応した形状に変更するものとしても良い。
杭頭補強筋80の取り付け工程を,図9を参照して説明すると,杭頭補強筋の取り付け対象とする杭5が鋼管杭である場合には,杭頭内外の所定位置に,曲げ加工した鋼板をずれ止め50として周方向に溶接する,所謂「ずれ止め溶接」を行い〔図9(A)〕,また,図示は省略するが,底板を備えない鉄筋籠1を使用する場合には,必要に応じて杭頭部の中空空間6内の所定高さ位置に底板を取り付ける。
その後,本発明の鉄筋籠1を,底部側を下向きとして杭頭部の中空空間6内に挿入し〔図9(B)〕,吊鉄筋10の水平部10bを杭頭部の開口縁7に係止させて,鉄筋籠1を杭頭部の中空空間6内に吊り下げ状態に収容する〔図9(C)〕。
このようにして杭頭内に挿入された鉄筋籠1に対し,杭頭補強筋80を取り付ける。
杭頭補強筋80の取り付けは,鉄筋籠1のガイド体20が,図1〜5に示すように外側ガイド体21と内側ガイド体22によって構成されたものである場合には,外側ガイド体21と内側ガイド体22間の間隔δ1に杭頭補強筋80を挿入すると共に,この杭頭補強筋80の下端を底部側拘束体30(図1及び図3の例では下端側フープ筋31,図2の例ではアングル材33,図5の例では下端側フープ板31’)上に載置すると共に,図5の例では挿入,載置後,更に杭頭補強筋80であるねじ鉄筋を90°回転させることにより行う。
また,ガイド体20がガイドレール24とカプラー25によって構成されている場合(図7参照),カプラー25をガイドレール24上の所望の位置に移動させた後,カプラー25内に杭頭補強筋80を挿入すると共に,この杭頭補強筋80の下端を底部側拘束体30である底板32上に載置することにより行う〔図9(D)〕。
このようにして鉄筋籠1に取り付けた杭頭補強筋80は,杭頭の中空空間6内にコンクリートが打設される前の状態では未だ,固定されておらず,自由に移動させることができる状態にある。
従って,基礎フーチングの墨出しによって,フーチング内に配筋される横方向の鉄筋の位置が特定された際,又は,実際に基礎フーチングの配筋を行った際に,この基礎フーチング内の配筋と干渉する位置に杭頭補強筋が存在する場合には,この干渉を回避する位置に該当する杭頭補強筋80を移動させる。
一例として図9(E)に示す例では,平面視において基礎フーチングの配筋と干渉するA位置及びF位置の杭頭補強筋80を,ガイド体20に沿って紙面時計回り方向に移動させて干渉を回避する〔図9(E)〕。
このようにして干渉を回避した後,杭頭部の中空空間6内にコンクリートを打設して,鉄筋籠1と共に,鉄筋籠1内に保持されている杭頭補強筋80の下端部を打設したコンクリート内に埋没させて杭頭補強筋80の取り付けが完了する〔図9(F)〕。
このようにして基礎フーチング内の配筋の見直しや,杭頭補強筋80の台直し等の作業を行うことなく,基礎フーチング内の配筋と干渉しない杭頭補強筋80の取り付けが可能で,作業性が大幅に向上すると共に,杭頭補強筋80に対しては一切の溶接が行われていないことから,溶接に伴う急熱,急冷に伴う杭頭補強筋80の曲げ強度の低下も生じない。
また,溶接が不要となることで,炭素当量が高く溶接に適さない高強度の鉄筋であっても杭頭補強筋80として使用できるようになり,杭頭補強筋として使用する鉄筋として細径のものの使用や,杭頭補強筋の取り付け本数を減少させることができることから,過密配筋を回避して工期の短縮を図ることができると共に,前述した干渉がより生じ難いものとすることが可能である。
1 鉄筋籠
5 柱状構造物(基礎杭)
6 中空空間
7 開口縁
10 吊鉄筋
10a 垂直部(吊鉄筋の)
10b 水平部(吊鉄筋の)
20 ガイド体
21 外側ガイド体
22 内側ガイド体
22a,22b フープ筋
22c 軟質金属
23,23’ 連結鉄筋
23a 交点(連結鉄筋23の)
24 ガイドレール
24’ 取付台
25 カプラー
25a,25b 係止爪
26 開口部(カプラー25の)
27 アングル材
27a 挿入孔
28 アタッチメント
28a 矩形板
28b 係止棒(上側)
28c 係止棒(下側)
29 ボルト
30 底部側拘束体
31 下端側フープ筋
31’ 下端側フープ板
32 底板
33 アングル材
40 フープ筋
41 外側フープ筋
42 内側フープ筋
50 ずれ止め
80 補強用縦筋(杭頭補強筋)
81,82 平面
100 鉄筋籠
105 杭
106 中空空間
110 縦筋(杭頭補強筋)
160 スパイラルフープ
200 鉄筋籠
210 固定縦筋
220 可動縦筋
230 中間フープ
231 下端側フープ
232 底板
260 スパイラル筋
280 スライダ
281 ねじ孔

Claims (7)

  1. 柱状構造物の頭部と,該柱状構造物の頭部上に構築される鉄筋コンクリート構造の上部構造物との接合を行うために,前記柱状構造物の頭部に補強用縦筋を取り付ける際に使用する鉄筋籠において,
    上下方向に配置される垂直部と,前記垂直部の上端より水平方向に突出する水平部を備えた複数本の逆L字形状の吊鉄筋と,
    前記吊鉄筋の上端側を,前記水平部が外周方向に突出するように拘束する環状のガイド体と,
    前記吊鉄筋の下端側を拘束する底部側拘束体を備え,
    前記吊鉄筋の前記水平部を前記柱状構造物の開口縁に係止させて,前記柱状構造物の頭部に形成された中空空間内に吊り下げ状態に挿入可能に構成されており,
    前記ガイド体に,該ガイド体の周方向における任意の位置に移動可能に前記補強用縦筋を係止する係止機構を設けると共に,
    前記ガイド体に保持された前記補強用縦筋の下端を前記底部側拘束体上に載置可能に形成し,
    前記ガイド体と前記底部側拘束体で,複数の前記補強用縦筋を立設状態で内部に保持可能に構成したことを特徴とする補強用縦筋取り付け用の鉄筋籠。
  2. 前記ガイド体を,環状の内側ガイド体と,前記内側ガイド体の外周側に配置される,前記内側ガイド体の外周形状と相似の内周形状を有する外側ガイド体により形成し,
    前記内側ガイド体の外周と前記外側ガイド体の内周間の間隔を,前記補強用縦筋を挟持可能な間隔とすることで,前記ガイド体の周方向における任意の位置で前記間隔内に前記補強用縦筋を挿入して係止できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の補強用縦筋取り付け用の鉄筋籠。
  3. 前記内側ガイド体及び/又は前記外側ガイド体を,環状に曲げた帯板によって形成したことを特徴とする請求項2記載の補強用縦筋取り付け用の鉄筋籠。
  4. 前記ガイド体を,環状のガイドレールと,前記補強用縦筋を挿入可能な筒状のカプラーにより形成し,
    前記カプラーを,軸線方向を上下方向として前記ガイドレール上を周方向に移動可能となるように前記ガイドレールに取り付けることで,前記ガイドレールの周方向における任意の位置で前記カプラー内に前記補強用縦筋を挿入して係止できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の補強用縦筋取り付け用の鉄筋籠。
  5. 前記補強用縦筋を,ねじ鉄筋とすると共に,
    前記ガイド体を,環状の内側ガイド体と,前記内側ガイド体の外周側に配置される,前記内側ガイド体の外周形状と相似の内周形状を有する外側ガイド体により形成し,
    前記内側ガイド体の外周部分及び/又は前記外側ガイド体の内周部分を軟質金属により形成し,
    前記内側ガイド体の外周と前記外側ガイド体の内周間の間隔を,前記補強用縦筋であるねじ鉄筋の二面幅よりも広く,直径よりも狭く形成したことを特徴とする請求項1記載の補強用縦筋取り付け用の鉄筋籠。
  6. 前記ガイド体に,該ガイド体の外周方向に突出する複数の連結鉄筋を設け,該連結鉄筋に,前記吊鉄筋の前記水平部を取り付けたことを特徴する請求項1〜5いずれか1項記載の補強用縦筋取り付け用の鉄筋籠。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の鉄筋籠を,前記柱状構造物の頭部に形成された中空空間内に吊り下げ状態に挿入し,
    前記鉄筋籠内に複数本の前記補強用縦筋を挿入し,前記ガイド体と前記底部側拘束体で,挿入された前記複数本の前記補強用縦筋を溶接することなく前記鉄筋籠内に立設状態に保持させ,
    前記上部構造物の配筋位置の確定後,該上部構造物の配筋位置と干渉しない位置に前記鉄筋籠に保持させた前記補強用縦筋を移動させた後,前記鉄筋籠が挿入されている杭頭の中空空間内にコンクリートを打設して,前記鉄筋籠に保持させた前記補強用縦筋の下端部を,前記鉄筋籠と共に前記柱状構造物の中空空間内に打設した前記コンクリート中に埋没させることを特徴とする補強用縦筋の取り付け方法。
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