JP5444526B2 - 杭頭補強筋 - Google Patents

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Description

本発明は,杭頭補強筋に関し,より詳細には,杭の杭頭の補強及び杭頭と基礎との接合に際して使用する,鉄筋製の籠状構造物である杭頭補強筋に関する。
家屋,集合住宅,その他の構造物の基礎工法において,支持層等に達する杭を設け,この杭の杭頭上に構造物の基礎を形成する杭基礎工法が,例えば軟弱地盤,液状化地盤等に構造物を構築する際に広く用いられている。
このような杭基礎工法では,杭頭上に構造物の基礎部分を形成すると共に,杭と構造物の基礎部分とを一体化するために,杭の杭頭と前述した構造物の基礎部分とを連結する作業が行われる。
また,このようにして杭の杭頭と構造物の基礎部分とを一体的に連結すると,例えば地震等による揺れが生じたときには杭が地盤と一体の動きをして,上部構造物に作用する慣性力による大きなせん断力や、地盤の沈下に伴う回転によるものを含む大きな曲げモーメントが集中する。
そのため,このような杭頭と構造物の基礎部分との連結には,大きな曲げモーメントやせん断力等の集中する杭頭部の補強と,前述した基礎部分との接合を同時に可能とするための,「杭頭補強筋」と呼ばれる鉄筋籠が一般に用いられている。
この杭頭補強筋の一例を,図11を参照して説明すると,この杭頭補強筋100は,周方向に一定の間隔を置いて平行に円筒状に並べて配置された異形鉄筋等からなる縦筋110と,前記縦筋110の外周を螺旋状に巻回するスパイラルフープ160とを溶着等の方法により固着して構成された籠状の構造を有し,一定の強度ないし剛性を有する鉄筋から成る,かんざし筋170等と呼ばれる支持杆が高さ方向の所定の位置に,前記縦筋110に対して直交方向に配置された構造を有している。
そして,杭内に形成された中空空間の所定の深さ位置を,コンクリート止め底板150と呼ばれる蓋体によって塞ぐと共に,前述のかんざし筋170が杭頭の上端縁に載置されるまで,杭頭補強筋100を前記杭の中空空間に挿入した後に杭頭部内の空間にコンクリートを打設すると,杭頭内に打設されたコンクリートがコンクリート止め底板150上方の中空空間を埋め,該コンクリートと杭頭補強筋100によって杭頭部の補強が行われると共に,杭頭補強筋100のうち,杭の中空空間内に挿入されることなく杭頭より上方に突設された部分を構造物の基礎中に埋め込むことで,杭頭と基礎との一体的な接合を行うことができるものとなっている。
なお,図11を参照して説明した前述の杭頭補強筋100は,前述したコンクリート止め底板150に対応する部材がその下端部に取り付けられたもので,この構成により,杭頭補強筋100を杭頭部に挿入するだけで,別途コンクリート止め底板150を杭頭に取り付けることなくコンクリートの打設を行うことができるように構成したものであり,このような杭頭補強筋100は一例として特許文献1,2等に開示されている。
なお,前述した籠状構造の杭頭補強筋100に関するものではないが,鋼管杭の杭頭部を基礎と連結するために,鋼管杭の外周に基礎中に埋設する縦筋202の下端部を溶着する際の治具乃至は支持具として使用する取付ユニット200として,図12に示すように,同一形状の環状体を上下に平行に配置して形成したガイドレール203に複数の縦筋取付具204を,そのうちの幾つかをガイドレール203に沿って周方向に移動できるように取り付け,この縦筋取付具204のそれぞれに,下端が鋼管製の杭の外周に溶着される前述の縦筋202を取り付けた取付ユニットも提案されている(特許文献3参照)。
実開2002−212960号公報 特開平08−333744号公報 特開2009−185582号公報
杭頭と基礎との接合は,前述したように杭頭より突出した縦筋を,基礎内に例えば杭径に対応する長さ分埋め込むことにより行う一方,このような基礎に対する縦筋の埋め込みは,基礎中の配筋と干渉しないように行われる必要がある。
ここで,図11を参照して説明した従来の杭頭補強筋100は,予め工場等においてスパイラルフープ160に縦筋110となる異形鉄筋を溶接する等して籠状に構成したものであることから,縦筋110が等間隔で正確な位置に取り付けられた仕上がり精度の高いものとなっていると共に,前述したように,杭頭に形成された中空空間内に挿入するだけで所要の配筋を行うことができるものとなっている。
しかし,前記構成の杭頭補強筋100の構成にあっては,縦筋110とスパイラルフープ160とが工場等で予め溶着されているために,墨出し後に縦筋110のいずれかが基礎中の配筋と干渉することが判明したとしても,このうちの干渉が生じる縦筋110のみの配置を移動して,基礎中の配筋との干渉を回避することができない。
特に,前述したように,縦筋を等間隔で円筒籠状に配置した杭頭補強筋の構成にあっては,正面乃至は側面より見た際に,中央側における縦筋110間の間隔aに比較して,左右両側における縦筋110間の間隔bが狭まり,特に縦筋110の本数が増加すればこの間隔は極めて狭いものとなり一定の間隔で枡目状に配置される基礎中の配筋との干渉を回避することが困難となる。
そのため,墨出しによってこのような干渉が生じることが判明した場合には,例えば基礎中の配筋を杭頭補強筋100の縦筋110と干渉しない位置にずらすか,又は,杭頭補強筋100の縦筋110に加熱や機械的な外力を加えて矯正する,所謂「台直し」と呼ばれる作業が行われることとなる。
しかし,基礎の配筋を変更すれば,コンクリートの打設後に必要なかぶり厚が確保出来なくなる場合が生じる等の構造上の問題が発生する原因となり,また,前述の台直しにより杭頭補強筋の縦筋を前述した方法で矯正すると,同様にかぶり厚の確保ができない場合が生じるのみならず,矯正後における縦筋110の強度が低下することとなり,完成した構造物が必要な強度を備えないものとなり得る。
なお,前掲の特許文献3として紹介した従来技術には,鋼管杭の外周に対して基礎中に埋設する縦筋202を溶着するに際し,縦筋202が基礎の配筋と干渉しないように,前述のガイドレール203に沿って補強筋取付具204を移動することができるように構成している。
しかし,前掲の特許文献3に記載の取付ユニット200は,あくまでも鋼管杭の外周に縦筋を溶着する際の位置決めに使用する保持具乃至は治具として構成されたものであり,前述した鉄籠状の構造を有する杭頭補強筋100のように,杭頭内に挿入して使用することを目的としたものではない。そのため,杭頭内に挿入した場合には,各縦筋202の垂直な配置状態に維持することができない。
また,杭頭内に配置される前述のような杭頭補強筋の構造において前述のような縦筋の位置調整を行おうとする場合,このような位置調整を,杭頭補強筋を杭頭内の中空空間内に挿入した状態で,杭頭部の中空空間外より容易に行い得る構造を有することも必要となる。
しかし,従来の杭頭補強筋において,このような構造を備えたものは存在していない。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり,簡単な構造でありながら比較的容易に縦筋の配置を調整可能であると共に,杭頭部の空間内に挿入した状態においても,縦筋の移動,及び位置固定を容易に行うことができ,しかも,移動した縦筋を容易に垂直な状態に固定し得る構造を備えた杭頭補強筋を提供することにより,基礎の配筋位置をずらしたり,又は縦筋の矯正等を行うことなく,比較的簡単に縦筋と基礎の配筋との干渉が回避された状態での配筋を行うことができる杭頭補強筋を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の杭頭補強筋1は,
上下方向を長さ方向と成す複数本の固定縦筋10の下端部を下端側フープ40に固定して形成した籠状の本体2と,
前記下端側フープ40の下方に配置したコンクリート止め底板50と,
前記固定縦筋10と,実施形態では,略同一長さの,ねじ鉄筋により構成された可動縦筋20から成り,
前記下端側フープ40は,外(周)側フープ筋41と該外(周)側フープ筋41の内(周)側に一定間隔δ1を介して,実施形態では,同心円上の平面に配置される,前記外(周)側フープ筋41と相似を成す内(周)側フープ筋42から成る,実施形態では,無端環状に形成され,
前記固定縦筋10及び可動縦筋20の下端部を,それぞれ,前記外(周)側フープ筋41と内(周)側フープ筋42間の前記間隔δ1に配置すると共に,
前記固定縦筋10を前記下端側フープ40,実施形態では,前記外(周)側フープ筋41及び内(周)側フープ筋42に固定し,さらに,
前記下端側フープ40の下方に,該下端側フープをガイドレールとして移動するスライダ80を設け,
該スライダ80に,軸心方向を垂直方向とするねじ孔81と,
前記下端側フープに上面が係止され,下面がコンクリート止め底板上を摺動するフランジ82(上面が裁頭円錐状傾斜面821を有するフランジ82,又はフランジ82の底面側が外(周)側フープ筋41と内(周)側フープ筋42に嵌合当接する曲率の円錐状に削成された曲率面822を有するフランジ82から成るものを含む)を形成し,
前記ねじ孔81に可動縦筋20の下端部を螺合して,該可動縦筋20の下端部を前記スライダ80を貫通させ,従って,前記外(周)側フープ筋41及び内(周)側フープ筋42間の間隔δ1を介して,前記可動縦筋20の下端部を前記コンクリート止め底板50と当接自在に設けたことを特徴とする(請求項1)。
上記構成の杭頭補強筋1において,前記本体2に外(周)側を螺旋状に巻回する鉄筋によって構成されたスパイラルフープ60を設け,該スパイラルフープ60の内(周)側に前記固定縦筋10を配置し,必要に応じ固定した構造としても良い(請求項2;図1)。
更に,前記スライダ80をフランジナットにより形成すると共に,前記外(周)側フープ筋41と内(周)側フープ筋42間の間隔δ1を,前記フランジナット80のナット本体部83における対向する平坦面83a,83a間の間隔よりも広く,且つ,対角線上にある角部83b,83b間の間隔よりも狭く形成し,前記外(周)側フープ筋41と内(周)側フープ筋42間の間隔に前記フランジナット80のナット本体部83を挟持すると共に,前記フランジナット80のフランジ82を前記下端側フープ40の前記外(周)側フープ筋41と内(周)側フープ筋42の下側に配置するものとしても良い(請求項3;図5)。
更に,前記固定縦筋10の長手方向における中間位置に取り付ける中間フープ30を設け,前記中間フープ30を,外(周)側フープ筋31と前記外(周)側フープ筋31の内(周)側に一定間隔δ2を介して実施形態では,同心円上の平面に配置される,前記外(周)側フープ筋31と相似を成す内(周)側フープ筋32から形成され,前記固定縦筋10の長手方向における中間部を,前記中間フープ30を構成する前記外(周)側フープ筋31と内(周)側フープ筋32間の前記間隔δ2に配置すると共に該外(周)側フープ筋31と内(周)側フープ筋32にそれぞれ固定し,
前記可動縦筋20の長手方向における中間位置を,前記中間フープ30を構成する前記外(周)側フープ筋31と内(周)側フープ筋32間の間隔δ2に固定することなく挿入したものとしても良い(請求項4;図1符号30)。
また,杭頭内の空間に対する挿入時,杭頭の上端縁に係止される支持杆を高さ方向の所定位置において複数外(周)側方向に突設した構成とすることもできる(請求項5;図1符号70)。
この場合,逆U字状の一対の支持杆取付筋71を設け,該支持杆取付筋71の下端を,前記コンクリート止め底板50の(周)側縁部における対称位置に,それぞれ固定し,前記各支持杆取付筋71に形成されたループ間を貫通するかんざし筋70を前記支持杆として設けるものとしても良い(請求項6;図1)。
なお,前記固定縦筋10と前記可動縦筋20を同数設け,前記固定縦筋10と可動縦筋20とを(周)側方向に交互に配置するものとしても良い(請求項7;図3)。
前記固定縦筋10は,これを前記可動縦筋20と同じくねじ縦筋で形成し,ナット90を下端側フープ筋に固定し,該ナットに前記固定縦筋10の下端部を螺合,固定することができる(請求項8)。
前記固定縦筋又は可動縦筋は,棒鋼乃至は鉄線等の下端部に切削加工をしてねじ加工をしたもの、棒鋼乃至は鉄線等にねじ加工をしたものを前記棒鋼等に溶接等により固着するなどにより,前記ナットに螺合するねじを形成したものとすることもできる(請求項9)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明の杭頭補強筋1によれば,以下の顕著な効果を得ることができた。
固定縦筋10と下端側フープ40とが固定されて形成された本体2を有し,この本体2が安定した形状を有することにより,従来の杭頭補強筋と同様,杭頭に形成された空間内に挿入するのみで容易に取り付けを行うことができるだけでなく,ねじ鉄筋により構成された可動縦筋20とスライダ80により鉄筋の一部を構成することにより,この可動縦筋20を移動させることにより,基礎の配筋との干渉を容易に回避することができる杭頭補強筋1を提供することができた。
さらに,固定縦筋10についても,これをねじ縦筋とし,固定縦筋10と基礎配筋が干渉した際に,固定縦筋をナット90から外し、基礎配筋との干渉を回避した後,その近傍の可動縦筋20等に結束線等で固定することができる。
しかも,この可動縦筋20の下端側を前記構造のスライダ80を介して下端側フープ40に係止した構成により,可動縦筋20を回転させるだけで可動縦筋20の取付位置の固定と,この固定の解除を容易に行うことができ,しかも,可動縦筋20の固定時,スライダ80のフランジ82上面が下端側フープ40を構成する外(周)側フープ筋41及び内(周)側フープ筋42と接触することにより,ねじ孔81の軸心方向,従って,これに螺合された可動縦筋20が垂直となることにより,可動縦筋20を垂直の状態に配置することが容易である。
更に,前述したように可動縦筋20の回転によって可動縦筋20の位置固定,及びその解除を行うことができることから,杭頭補強筋1を杭頭に形成された空間内に挿入した状態であっても,杭頭より突出した可動縦筋20の上端部を回転等させることで容易に移動,固定が可能であり,このような調整作業を行うために,杭頭補強筋を杭頭内の空間より抜き取る等といった煩雑な作業が不要であった。
本体2の外(周)側を巻回するスパイラルフープ60を設けると共に,このスパイラルフープ60の内(周)側に固定縦筋10を固定した構成にあっては,杭頭補強筋1による杭頭の補強効果を更に向上することができた。
前記スライダをフランジナット80とし,前記下端側フープ40を構成する前記内(周)側フープ筋42と外(周)側フープ筋41間の間隔δ1を,前記フランジナット80のナット本体部83における対向する平坦面83a間の間隔よりも広く,且つ,対角線上にある角部83b間の間隔よりも狭く形成し,前記内(周)側フープ筋42と外(周)側フープ筋41間の間隔δ1に前記フランジナット80のナット本体部83を挟持すると共に,前記フランジナット80のフランジ82を前記下端側フープ40の前記外(周)側フープ筋41と内(周)側フープ筋42の下方に配置した構成にあっては,スライダに必要となる,上方への移動規制,水平面での回転規制,及び下端側フープに沿った移動を行うための構成を,フランジナットという既存の締結具の転用により容易に得ることができた。
前記固定縦筋10の長手方向における中間位置を支持固定する中間フープ30を設け,この中間フープ30についても,外(周)側フープ筋31と内(周)側フープ筋32から成る実施形態では同心円上の平面に配置される,前記外(周)側フープ筋31と相似を成す内(周)側フープ筋32による構成にあっては,この中間フープ30を構成する外(周)側フープ筋31と内(周)側フープ筋32間の間隔δ2に可動縦筋20を挿入することで,中間フープ30を可動縦筋20の移動を行う際のガイドとして利用することにより,より容易に可動縦筋の配置調整を容易に行うことができると共に,杭頭部の補強効果を向上させることができた。
なお,前記固定縦筋10の長手方向における中間位置を中間フープ30に対して支持固定する手段は,単に,前記間隔δ2へ挿入する場合を含む。
杭頭内の空間に対する挿入時,杭頭の上端縁に係止される支持杆を高さ方向の所定位置において複数外(周)側方向に突設した構成にあっては,杭頭補強筋1を杭頭内に挿入するだけで,支持杆が杭頭の上端開口縁に係止されて杭頭補強筋1を正確な深さで挿入することができた。
逆U字状の一対の支持杆取付筋71を設け,該支持杆取付筋71の下端を,前記コンクリート止め底板50の(周)側縁部における対称位置にそれぞれ固定し,前記各支持杆取付筋71に形成されたループを貫通するかんざし筋70を前記支持杆として設けた構成にあっては,前記中間フープ30を備えない構成においても,前述の支持杆として機能するかんざし筋70の取り付けが可能である。
更に,前記固定縦筋10と前記可動縦筋20を同数設け,前記固定縦筋10と可動縦筋20とを(周)側方向に交互に配置した構成にあっては,可動縦筋20の移動,固定を行う際に,固定縦筋10の配置を目安として配置することにより,可動縦筋20の位置決めが容易であると共に,可動縦筋20が極端に偏った配置となることを好適に防止することができた。
本発明の一実施形態を示す杭頭補強筋の正面図。 本発明の一実施形態を示す杭頭補強筋の側面図。 本発明の一実施形態を示す杭頭補強筋の平面図。 図3のIV−IV線断面図。 図1のV−V線断面図。 図5のVI−VI線断面図。 図5のVII−VII線断面図であって,同図(A)〜(C)は,スライダ80及び同スライダのフランジ82の第1〜第3の実施形態を示す。 スライダのさらに変形例を示す断面図(図5のVII−VII線断面に対応)。 本発明の杭頭補強筋の変形例を平面視方向で説明した説明図。 本発明の杭頭補強筋の使用方法の説明図であり,(A)は杭頭補強筋の杭頭に対する取り付け,(B),(C)は基礎の配筋(墨出し)と固定・可動縦筋の配置及びその調整,(D)は工具(レンチ)による可動縦筋の回転をそれぞれ説明した説明図である。 従来の杭頭補強筋の説明図。 従来の縦筋取付ユニットの正面断面図(特許文献3の図2に対応)。
次に,本発明の実施形態につき添付図面を参照しながら以下説明する。
〔全体構造〕
本発明の杭頭補強筋1は,上下方向を長さ方向と成す複数本の固定縦筋10と,前記固定縦筋10の下端部を固定する下端側フープ40によって構成される籠状構造を有する本体2と,前記下端側フープ40の下方に配置したコンクリート止め底板50,及び配置が可変である可動縦筋20を備えると共に(図1,2参照),前記可動縦筋20の移動を許容すると共に,可動縦筋20の下端部を前記下端側フープ40に固定するスライダ80(図7(A)〜(C)参照)を備える。
〔本体〕
前述した本体2は,本発明の杭頭補強筋1の骨格を成す部分であり,前述したように,複数本の固定縦筋10の下端部を,下端側フープ40に固定することにより形成された籠状の構造を有する。
なお,この本体2は,必要に応じて前記固定縦筋10の長手方向における中間位置に取り付けられる中間フープ30,及び本体2の外周を螺旋状に巻回する縦筋により形成されたスパイラルフープ60を備えるものとしても良い(図1,2参照)。
下端側フープ
このうちの下端側フープ40は,固定縦筋10の下端部を固定するもので,本発明の杭頭補強筋1が取り付けられる杭の杭頭に形成された空間の内周形状に対して所定のサイズより小さい相似形に形成されている。
本実施形態にあっては図5に示すように,下端側フープ40を平面視において円形の外周形状に形成しているが,例えば取付対象とする杭が場所打ち杭として形成された角柱状の杭であり,内部空間として同様に角柱状の空間が形成されている場合には,前述した下端側フープ40についても,これに対応して平面視において矩形を成すループ状のものとして構成しても良く,下端側フープ40の形状は,杭頭補強筋1の取り付けを行う杭の形状等に対応して種々の変更が可能である。
この下端側フープ40は,外周側フープ筋41と,前記外周側フープ筋41に対して相似形を成すと共にループ形状が小径に形成された内周側フープ筋42との組合せによって形成されており,外周側フープ筋41の内周に,内周側フープ筋42を配置した際,外周側フープ筋41の内周と内周側フープ筋42の外周間に,後述する固定縦筋10を配置するための所定の間隔δ1を形成することができるサイズに形成されている(図5参照)。
この下端側フープ40は,外周側,内周側フープ筋41,42共に,円柱状の鉄筋を所定形状のループ状に折り曲げると共に,長手方向の両端部を溶着等することにより形成したもので,後述するスライダ80を円滑に案内することができるよう,節等が設けられていない平滑な表面を有する鉄筋を使用して形成している。
本実施形態にあっては,この内周側フープ筋42及び外周側フープ筋41共に,前述した鉄筋として同一径のものを使用して形成しているが,内周側フープ42筋及び外周側フープ筋41を構成する前述の鉄筋は,異なる径の鉄筋を使用して構成するものとしても良い。
固定縦筋
以上のように構成された下端側フープ40に対し,杭基礎の頭部に対する取り付けた際に高さ方向を長さ方向として配置される固定縦筋10の下端部を固定して鉄筋籠状の構造を有する本体2が形成される。
この固定縦筋10として,本実施形態にあっては図3に示すように4本の固定縦筋10を設けているが,この固定縦筋10の数は,図示の例に限定されず,施工する杭のサイズ等に応じてこれよりも多く,又は少なく設けることもできる。
もっとも,本体2の形状的な安定を得るためには,この固定縦筋10は,2本以上,好ましくは3本以上設けることが好ましい。
この固定縦筋10のそれぞれは,図1,2に示すように相互に平行を成すように高さ方向を長さ方向として配置されており,このように配置された固定縦筋10の下端部を下端側フープ40の外周側,内周側フープ筋41,42間に形成された間隔δ1内に配置すると共に外周側フープ筋41の内周及び内周側フープ筋42の外周にそれぞれ溶着,その他の方法により固定する。
図4及び図6に示す実施形態にあっては,この固定縦筋10を「ねじ鉄筋」,あるいは「ねじ節鉄筋」と呼ばれる,螺旋状の節が外周に形成された鉄筋(本発明において「ねじ鉄筋」という。また、「ねじ鉄筋」には、棒鋼乃至は鉄線等に切削加工をしてねじ加工をしたもの、棒鋼乃至は鉄線等にねじ加工をしたものを棒鋼等に溶接等により固着したものを含む)により構成すると共に,図5及び図6に示すように,前述した下端側フープ40を構成する内周側フープ筋42と外周側フープ筋41間の間隔δ1にナット90を配置すると共に,このナット90を内周側フープ筋42及び外周側フープ筋41のそれぞれに溶着等の方法で固定し,このようにして取り付けられたナット90に前記固定縦筋10の下端部を螺合することにより,下端側フープ40に対する固定縦筋10の固定を行っている。
もっとも,固定縦筋10と下端側フープ40との固定は,図示の例に限定されず,例えば固定縦筋10に対し直接,又はスペーサやソケット等を介して前述した下端側フープ40を固定するものとしても良く,この場合には,固定縦筋10は前述したねじ鉄筋によって形成する必要はなく,例えば通常の異形鉄筋等によって形成するものとしても良い。
また,前述のようにしてナット90に螺合した固定縦筋10の下端部は,ナット90に対して溶着等しても良い。
中間フープ
以上のように構成された本体2には,更に中間フープ30を設けることもできる。
この中間フープ30は,後述する固定縦筋10の長手方向における中間位置に固定されるもので,前述した下端側フープ40同様,杭頭補強筋1が取り付けられる杭の杭頭部に形成された空間の内周形状に対し,所定のサイズより小さい相似形に形成されている。
この中間フープ30は,前記下端側フープ40に固定された固定縦筋10の長さ方向における中間位置を,下端側フープ40に対する固定によって特定された固定縦筋10の所定の配列状態を維持しつつ固定するもので,下端側フープ40とは異なり内周,又は外周が前記固定縦筋10に固定される単一のフープ筋によって形成するものとしても良い。
本実施形態にあっては,図3に示すように前述した下端側フープ40と同様,この中間フープ30についても外周側フープ筋31と,この外周側フープ筋31に対して所定の小さい相似形を成し,外周側フープ31の内周に同心円上の平面に配置される内周側フープ筋32から両フープが相似形を成し,中間フープ30を構成する内周側フープ筋32と外周側フープ筋31間に形成された間隔δ2に前述した固定縦筋10の長手方向における中間位置に配置すると共に,外周側フープ筋31の内/外周及び内周側フープ筋32の内/外周のそれぞれに,前記固定縦筋10の中間位置を溶着,針金止め,その他の方法で固定している。
本実施形態にあっては,この中間フープ30を構成する外周側フープ筋31を所定形状の節が形成された異形鉄筋を環状に曲折して形成すると共に,内周側フープ筋32を,このような節を備えない鉄筋を環状に曲折して形成し,後述する可動縦筋20を移動させる際に,節のない内周側フープ筋32に沿って移動させることにより円滑に移動させることができるように構成しているが,中間フープ30の構造は,この構造に限定されず,例えば外周側,内周側フープ筋31,32のいずれ共に前述した異形鉄筋によって形成しても良く,又は,外周側,内周側フープ筋31,32いずれ共に,節を備えていない鉄筋によって形成するものとしても良く,更には,前述した構成とは逆に内周側フープ筋32を異形鉄筋により,外周側フープ筋31を節を備えていない鉄筋により構成するものとしても良く,その構成は,前述の例に限定されない。
もっとも,打設されたコンクリートとの強固な結合を得るためには,外周側又は内周側フープ筋31,32の少なくとも一方を異形鉄筋によって構成することが好ましい。
また,図3,図4の実施形態にあっては,中間フープ30を構成する前述の外周側,内周側フープ筋31,32を略同一の太さを有する鉄筋によって形成しているが,外周側フープ筋と内周側フープ筋31,32でそれぞれ太さの異なる鉄筋を使用しても良い。
以上のように形成された中間フープ30は,下端部を前述の下端側フープ40に固定された固定縦筋10の長手方向における中間位置に取り付けられる。
この中間フープ30の取り付けは,前述したように中間フープ30を配置形成した本実施形態にあっては,中間フープ30を構成する外周側,内周側フープ筋31,32間に形成された間隔δ2に固定縦筋10の長手方向における中間位置を配置し,外周側フープ筋31の内周,内周側フープ筋32の外周にそれぞれ前記固定縦筋10を直接溶着することにより取り付けても良く,また,針金等によって緊縛することにより取り付けるものとしても良く,その取り付け方法は特に限定されない。
なお,下端側フープ40と中間フープ30とを同サイズに形成する場合には,前述したナット90の肉厚に対応する図示せざるスペーサを固定縦筋10と外周側フープ筋31間,内周側フープ筋32間に配置し,このスペーサを介して固定縦筋10に対する外周側,内周側フープ筋31,32の取り付けを行うものとしても良い。
スパイラルフープ
杭頭補強筋1の本体2には,更に,図1,2に符号60として示したスパイラルフープを含めることもできる。
このスパイラルフープ60は,下端側フープ40と中間フープ30間,更に必要に応じて前記中間フープ30に対する上方位置における外周に鉄筋,例えば異形鉄筋を所定のピッチで螺旋状に巻回したものであり,このスパイラルフープ60の内周に,前述した固定縦筋10を溶接,針金による結束その他の方法によって固定する。
このように,スパイラルフープ60を設けることにより,本発明の杭頭補強筋1によって補強された杭の杭頭部の強度を更に向上させることができると共に,前述したように,中間フープ30の上方位置についてもこのようなスパイラルフープ60を巻回した構成にあっては,スパイラルフープ60が上部構造物の基礎内に配置されることとなり,杭頭と基礎との接合をより強固なものとすることができる。
〔可動縦筋〕
以上のように構成された本発明の杭頭補強筋1の本体2に対しては,更に,図1,図2に示すように可動縦筋20と,この可動縦筋20の配置を可変と成すと共に,所定の位置において固定するためのスライダ80が取り付けられる。
本実施形態にあっては,図3に示すように,前述した固定縦筋10と同数の4本の可動縦筋20を設け,この可動縦筋20を,前述した固定縦筋10と交互に配置するものとしているが,可動縦筋20は,固定縦筋10と同数設ける必要はなく,また,前述したように必ずしも固定縦筋10と交互に配置する必要はない。
もっとも,図3に示す例のように,固定縦筋10と可動縦筋20とを同数とし,固定縦筋10と可動縦筋20とを交互に配置した構成とすることにより,例えば固定縦筋10を等間隔の配置としておくことにより,可動縦筋20を移動してその配置を決定する際に,固定縦筋10の配置に倣った配置とすることができ,これにより可動縦筋20の配置が極端に偏ったものとなることにより生じる部分的な強度不足の発生等を好適に防止することができる。
この可動縦筋20は,その外周にねじ節が形成されたねじ鉄筋によって形成する。
そして,例えば図1〜3に示すように,可動縦筋20を前記本体2の上方より,中間フープ30の外周側,内周側フープ筋31,32間に形成された間隔δ2に挿入すると共に,その下端を,下端側フープ40に取り付けられた後述のスライダ80に設けたねじ孔81に螺合することにより,その下端部が下端側フープ40に取り付けられる。
〔スライダ〕
可動縦筋20の下端部を下端側フープ40に係止する前述のスライダ80は,前述した下端側フープ40をガイドレールとして該下端側フープ40に沿って移動するもので,このスライダ80に設けられたねじ孔81に前述した可動縦筋20の下端部を螺合する際に,水平面で回転しないように回り止めがされていると共に,スライダ80の上方への移動を規制することができるよう,下端側フープ40を構成する外側フープ筋41及び内側フープ筋42の下方に配置されるフランジ82を備えている。
本実施形態にあっては,図7(A)に示すようにこのスライダを,固定縦筋10の下端を固定する際に使用したナット90と同サイズの本体部(フランジ82を除いた部分)83を有するフランジナット80によって形成し,図5中に拡大図で示すように,このフランジナット80の本体部83を前述した下端側フープ40を構成する外周側フープ筋41及び内周側フープ筋42間の間隔δ1に,本体部83の平坦面83a間が内周側フープ筋42の外周と外周側フープ筋41の内周間に嵌合されるように配置すると共に,図7(A)に示すようにフランジ82が下端側フープ40を構成する内周側フープ筋42と外周側フープ筋41の下方に配置されるよう取り付けることで,本体部83の平坦面83a,83a間の幅に対して広く,且つ,対角線上に位置する角部83b,83b間の幅に対して狭く形成された外周側フープ筋41と内周側フープ筋42間の間隔δ1に配置されたフランジナット80は水平面で回転することができず,しかもフランジ82と外周側,内周側フープ筋41,42との干渉によって上方への移動が規制された状態で,下端側フープ40に沿って移動可能に取り付けられている。
従って,このようにフランジナット80を前述したスライダとして設けた例にあっては,このフランジナット80に設けたフランジ82の上面が,下端側フープ40を構成する外周側及び内周側フープ筋41,42の双方と接触することでフランジナット80に設けたねじ孔81の軸心方向が垂直となるよう外周側フープ筋41と内周側フープ筋42の底部の高さが,図7(A)に示すように同一水平面H上に配置されるように,前記外周側フープ筋41と内周側フープ筋42とを固定縦筋20,本実施形態にあってはスライダ80に取り付ける。
従って,このようにスライダとして設けられたフランジナット80のねじ孔81に,前述した可動縦筋20の下端部を螺合すると,可動縦筋20の下端部はフランジナット80を介して下端側フープ40に係止され,これを上方に抜き取ることができなくなる一方,下端側フープ40に沿ってその下端位置を移動させることができるようになっている。
なお,本実施形態にあっては,フランジナット本体部83として,前述したスライダに適応するためフランジナット80を使用するものとして説明したが,前述したスライダの構成は,上記フランジナット80を使用する例に限定されず,下端側フープ40をガイドレールとして移動可能であると共に,回り止めされた状態で,且つ,上方への移動を規制するフランジ82が下端側フープ40を構成する外周側,内周側フープ筋41,42の下方に配置されるよう構成されたものであれば,各種の構成を採用することが可能であり,図7(B),図7(C)に示すように,上面が裁頭円錐状傾斜面821を有するフランジ82から成るフランジナット本体部831,又はフランジ82の底面側が外周側フープ筋41と内周側フープ筋42に嵌合当接する曲率の円錐状に削成された曲率面822を有するフランジ82から片プーリー状で成るフランジナット本体部832として形成してもよい。
かように,フランジナット本体部83についても,上述のように,同図(A)に示す六角ナットに限らない。
さらに,一例として図8に示すような構造のスライダ80’や,図8に示す構造のスライダを上下反転させた構造のスライダを使用しても良い。
もっとも,スライダとして前述したフランジナット80を使用することで,特別に設計されたスライダを準備する必要がなく,本発明の杭頭補強筋1の製造コストを低く抑えることができるという利点がある。
また,図8に示したように,外周側,内周側フープ筋41,42を同時に抱持する下向きに開口した構造のスライダ80’とした場合には,スライダ80’内の空間に対して打設されたコンクリートが入り難いといった問題が生じ得ることから,このような問題が生じ難いフランジナット80をスライダとして使用した上記構成は,この点においても好ましいものとなっている。
〔コンクリート止め底板〕
以上のように,固定縦筋10の下端部が固定され,且つ,可動縦筋20の下端部を螺合するスライダ80が取り付けられた前述の下端側フープ40は,その下方をコンクリート止め底板50によって覆われている。
このコンクリート止め底板50は,前述した可動縦筋20の下端位置を規制する規制板として作用するもので,該コンクリート止め底板50を設けることにより下端部をスライダ80に螺合された可動縦筋20がコンクリート止め底板50を越えて下方に移動することができなくなる。
また,フランジナット80を前述したスライダとして使用する図示の実施形態にあっては,このコンクリート止め底板50は,フランジナット80が上面を摺動し,その落下止めとしての機能も有している。
本実施形態にあっては,更に,このコンクリート止め底板50に従来技術において説明したコンクリート止め底板としての機能を併せ持たせたものであり,本発明の杭頭補強筋1を杭頭部に形成された空間内に挿入した状態でコンクリートを打設すると,この打設されたコンクリートをコンクリート止め底板50が受け止めることで,コンクリート止め底板50の下方に対するコンクリートの流入を防止することができるようになっている。
このようなコンクリート止め底板としての機能を発揮させるために,本実施形態にあっては,このコンクリート止め底板50を,取付対象とする杭の杭頭に形成された空間の内周形状に対し,僅かに小さい相似形に形成された外周形状を有する金属板(鉄板)によって形成した。
そして,下端側フープ40を構成する外周側フープ筋41と内周側フープ筋42間に固定縦筋10を取り付けるために使用した前述のナット90を溶着することで,下端側フープ40の下部をコンクリート止め底板50により覆っている。
コンクリート止め底板50に対する下端側フープ40の固定は,下端側フープ40を構成する外周側フープ筋41及び内周側フープ筋42とコンクリート止め底板50との間に,前述したスライダ(フランジナット80)のフランジ82の厚みよりも大きな隙間である移動許容間隔δ3(図6,7参照)が形成されるように行う。
このようにしてコンクリート止め底板50を取り付けることにより,スライダである前述のフランジナット80に,可動縦筋20の下端部を螺合すると共にねじ孔81を貫通させて下方に突出させると,可動縦筋20の下端がコンクリート止め底板50上と接触する。
この状態で下方に対する突出長が増大するように可動縦筋20を更に回転させて,フランジナット80に対するねじ込み量を増大すると,スライダであるフランジナット80には,可動縦筋20に形成されたねじ節に案内されて上方へ移動しようとする力が加わる。
しかし,このようなスライダ80の上方への移動は,フランジ82(の上面又は図7(B),(C)に示す821,822)は,下端側フープ40を構成する外周側フープ筋41及び内周側フープ筋42との干渉によって規制され,この状態で更に可動縦筋20を締め込んでゆくと,スライダであるフランジナット80のフランジ82の上面は下端側フープ40の底部に強固に押圧されて下端側フープ40に沿った移動ができなくなると共に,フランジナット80に設けたねじ孔81の軸心方向が垂直となる位置,従って可動縦筋20の軸心が垂直位置で固定される。
〔支持杆〕
なお,図1〜図3中の符号70は,所謂「かんざし筋」と呼ばれる支持杆であり,図示の実施形態にあっては逆U字状に形成された支持杆取付筋71の下端を,コンクリート止め底板50の周縁部の中心対称位置に溶着し,この支持杆取付筋71に形成されたループ内に,支持杆として,杭頭補強筋1を幅方向に横断するように挿入して取り付けられている。
このようなかんざし筋70を設けることにより,本発明の杭頭補強筋1を杭頭内に形成された空間に挿入した際に,杭頭の上端開口縁に前述のかんざし筋70が係止されることにより,杭頭部に対する杭頭補強筋1の一定の挿入深さを得ることができるようになっている。
なお,図示の実施形態にあっては,前述の支持杆取付筋71の上端を,中間フープ30の取り付け高さに対して若干高い位置に配置し,支持杆取付筋71のループ内に挿入されたかんざし筋70を,中間フープ30上に載置ないしは中間フープ30に固定(例えば中間フープ30の内周側フープ筋32に固定)している。
図示の実施形態にあっては,このようなかんざし筋70を,前述したように支持杆として,杭頭補強筋を幅方向に横断するように取り付け,これを杭頭の上端開口縁に係止する支持杆として機能させているが,例えば,中間フープ30に外周方向に突出する鉄筋を固定等することにより,杭頭補強筋1の中央を横断しない支持杆を設けるものとしても良い。
杭頭補強筋1の中央部を横断するかんざし筋70を設ける場合,このかんざし筋70が杭頭部内に形成された空間内にコンクリートを打設等する際に作業の邪魔になる場合があるが,前述したように支持杆を,杭頭補強筋1の中央を横断することなく,周縁部分にのみ設けた構成とした場合には作業性が向上する。
なお,支持杆として杭頭補強筋1の幅方向を横断するかんざし筋を設ける場合,前述した支持杆取付筋71を設けることなく,例えば,クレーン等によって杭頭補強筋1を杭頭部に形成した空間内に挿入する際に,所定の深さ,杭頭補強筋1を挿入した状態で,作業者が例えば中間フープ30の下部にかんざし筋を差し込むことで,杭頭の内部空間内に杭頭補強筋1を係止するようにしても良く,この方法により杭頭補強筋1の取り付けを行う場合,前述した支持杆取付筋71は,これを省略するものとしても良い。
〔その他〕
なお,図3を参照して説明した実施形態にあっては,前述した固定縦筋10及び可動縦筋20を平面視において単一の円周上に配置するものとして説明したが,例えば図9に示すように,前述した構成の杭頭補強筋1の内周に,更に固定縦筋10,可動縦筋20,下端側フープ40及び必要に応じて中間フープ30を設ける等して,多重構造の杭頭補強筋1を構成するものとしても良い。
また,内周側,外周側のいずれか一方を,全て固定縦筋10によって構成する等,各種の組み合わせでの変更も可能である。
〔使用方法及び作用等〕
以上で説明した本発明の杭頭補強筋1は,施工する杭の形状,サイズ等に対応した形状,サイズのものとして,これを予め工場等において組み立てておき,これを杭基礎の施工現場に搬入する。
このようにして施工現場に搬入された杭頭補強筋1は,杭基礎の施工が完了し,根伐,捨てコンクリートの敷設後であって,前記捨てコンクリート上に,杭頭上に構築される基礎配筋を墨出しした後に,補強対象とする杭の杭頭内に形成された空間内に挿入される〔図10(A)参照〕。
この挿入に際し,前述の可動縦筋20は,例えば周方向に等間隔の配置となるようにその取り付け位置を仮決めしておく。
本発明の杭頭補強筋1を,その下端部側より杭頭部に形成された空間内に挿入すると,杭頭補強筋1にかんざし筋70等として設けられた支持杆が杭頭上端縁に載置されることで,本発明の杭頭補強筋1は,杭頭部に形成された空間内の所定の深さに係止される。
杭頭内の空間に挿入された杭頭補強筋1は,前述した固定縦筋10が墨出しによって特定された基礎の配筋位置と干渉しない位置となるように,杭頭内において,図10(A)中に矢印で示すように水平面で回転させる等して,その位置調整を行うと共に,水準器等によって固定縦筋10が垂直となるように配置する。
なお,図10(B),図10(C)において黒塗りの丸で表した縦筋が固定縦筋10であり,白抜きの丸で表した縦筋が可動縦筋20である。
このようにして杭頭に形成された空間内に本発明の杭頭補強筋1を挿入した後,前述のように仮固定しておいた可動縦筋20が,墨出しによって特定された基礎中の配筋位置と干渉する場合〔図10(B)参照〕には,このような干渉が生じる可動縦筋20を移動して,基礎の配筋と干渉しないようにその位置を適宜調整する〔図10(C)参照〕。
可動縦筋20は前述したようにねじ鉄筋により構成されるものであるところ,このねじ鉄筋には,その外周の一部が切り欠かれて並行を成す一組の平面部22,22が形成されており,この平面部22,22をレンチ等のヘッド部分に挿入することで,可動縦筋20はレンチ等の工具を使用して容易に回転させることができるようになっている〔図10(D)〕。
従って,ねじ鉄筋である可動縦筋20に節として形成された雄ねじの形成方向に従い,一例とし本実施形態にあっては平面視においてこの可動縦筋を図中半時計回り方向に回転させると,可動縦筋20の下端部に螺合されているフランジナット80の底面側より突出している突出長が短くなるように回転し,これによりフランジナット80が可動縦筋20の長手方向を下方に移動することで,フランジナット80のフランジ82上面が下端側フープ40の底部より離間して,可動縦筋20を移動させることができるようになる。
そして,墨出しによって特定された基礎の配筋位置と干渉しない位置に可動縦筋20を移動させた後,平面視において例えば時計回り方向に可動縦筋20を回転させると,フランジナット80に対する可動縦筋の挿入長さが増大する一方,可動縦筋20の下端はコンクリート止め底板50の上面と接触し,フランジナット80が可動縦筋20に形成された雄ねじに案内されて上昇し,フランジ82の上面が,下端側フープ40の底部に押圧される。
この下端側フープ40に対する押圧により,フランジナット80は,ねじ孔81の軸心方向を垂直と成し,従って,可動縦筋20を垂直位置で固定されると共に,フランジナット80を下端側フープ40に沿って移動させることができない状態となり,可動縦筋20の配置を固定することができる。
なお,前述のフランジナット80の作用により,可動縦筋20は略垂直に配置されるものとなるが,水準器等によって測定した結果,可動縦筋20が正確に垂直となっていない場合には,例えば針金等を使用して可動縦筋20を中間フープ30やスパイラルフープ60等に対して固定すると共に,この固定の際の締め付け状態を調整する等して正確に垂直が出るように調整等を行っても良い。
このように,基礎の配筋に対する干渉が生じないように可動縦筋の取り付け位置が調整可能であることから,強度低下等の構造上の問題を生じる可能性のある基礎配筋の移動や台直し等の作業を行う必要がない。
また,固定縦筋10についても,これをねじ縦筋とし,固定縦筋10と基礎配筋が干渉した際に,固定縦筋をナット90から外し、基礎配筋との干渉を回避した後,その近傍の位置決めされた可動縦筋20,前記基礎配筋等に結束線等で固定することができる。
以上のようにして,杭頭部補強筋1の取り付け完了後,杭頭上には,この杭頭上に構築される基礎の配筋が組まれ,その後,コンクリートの打設によって杭頭と基礎の配筋とがこの打設されたコンクリート中に埋設されて一体的な構造物となる。
1 杭頭補強筋
2 本体(杭頭補強筋の)
10 固定縦筋
20 可動縦筋
22 平面部
30 中間フープ
31 外(周)側フープ筋(中間フープの)
32 内(周)側フープ筋(中間フープの)
40 下端側フープ
41 外(周)側フープ筋(下端側フープの)
42 内(周)側フープ筋(下端側フープの)
50 コンクリート止め底板
60 スパイラルフープ
70 支持杆(かんざし筋)
71 支持杆取付筋
80 スライダ(フランジナット)
80’ スライダ
81 ねじ孔
82 フランジ
821 裁頭円錐状傾斜面
822 曲率面
83 (831,832) フランジナット本体部
83a 平坦面
83b 角部
90 ナット
100 杭頭補強筋
110 縦筋
150 コンクリート止め底板
160 スパイラルフープ
170 支持杆(かんざし筋)
200 縦筋取付ユニット
202 縦筋
203 ガイドレール
204 縦筋取付具

Claims (9)

  1. 上下方向を長さ方向と成す複数本の固定縦筋の下端部を下端側フープに固定して形成した籠状の本体と,前記下端側フープの下方に配置したコンクリート止め底板と,前記固定縦筋と,可動縦筋から成り,
    前記下端側フープは,外側フープ筋と該外側フープ筋の内側に一定間隔を介して相似を成して配置される内側フープ筋から成り,
    前記固定縦筋及び可動縦筋の下端部を,それぞれ,前記外側フープ筋と内側フープ筋間の前記間隔に配置すると共に,
    前記固定縦筋を前記下端側フープに固定し,さらに,
    前記下端側フープの下方に,該下端側フープをガイドレールとして移動するスライダを設け,
    該スライダに,軸心方向を垂直方向とするねじ孔と,前記下端側フープに上面が係止され,下面がコンクリート止め底板上を摺動するフランジを形成し,
    前記ねじ孔に可動縦筋の下端部を螺合して,該可動縦筋の下端部を,前記スライダを貫通させ,前記可動縦筋の下端部を前記コンクリート止め底板と当接自在に設けたことを特徴とする杭頭補強筋。
  2. 前記本体が,外側を螺旋状に巻回する鉄筋によって構成されたスパイラルフープを備え,該スパイラルフープの内側に前記固定縦筋を配置したことを特徴とする請求項1記載の杭頭補強筋。
  3. 前記スライダをフランジナットにより形成すると共に,前記外側フープ筋と内側フープ筋間の間隔を,前記フランジナットのナット本体部における対向する平坦面間の間隔よりも広く,且つ,対角線上にある角部間の間隔よりも狭く形成し,前記外側フープ筋と内側フープ筋間の間隔に前記フランジナットのナット本体部を挟持すると共に,前記フランジナットのフランジを前記下端側フープの前記外側フープ筋と内側フープ筋の下側に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の杭頭補強筋。
  4. 前記固定縦筋の長手方向における中間位置に取り付ける中間フープを設け,前記中間フープを,外側フープ筋と前記外側フープ筋の内側に一定の間隔を介して相似に配置された内側フープ筋から成り,前記固定縦筋の長手方向における中間部を,前記中間フープを構成する前記外側フープ筋と内側フープ筋間の前記間隔に配置すると共に該外側フープ筋と内側フープ筋にそれぞれ固定し,
    前記可動縦筋の長手方向における中間位置を,前記中間フープを構成する前記外側フープ筋と内側フープ筋間の間隔に固定することなく挿入したことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の杭頭補強筋。
  5. 杭頭内の空間に対する挿入時,杭頭の上端縁に係止される支持杆を高さ方向の所定位置において複数外側方向に突設したことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の杭頭補強筋。
  6. 逆U字状の一対の支持杆取付筋を設け,該支持杆取付筋の下端を,前記コンクリート止め底板の側縁部における対称位置にそれぞれ固定し,前記各支持杆取付筋に形成されたループ間を貫通するかんざし筋を前記支持杆として設けたことを特徴とする請求項5記載の杭頭補強筋。
  7. 前記固定縦筋と前記可動縦筋を同数設け,前記固定縦筋と可動縦筋とを側方向に交互に配置したことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の杭頭補強筋。
  8. 前記固定縦筋は,ねじ縦筋で形成し,ナットを下端側フープ筋に固定し,該ナットに前記固定縦筋の下端部を螺合,固定したことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の杭頭補強筋。
  9. 前記固定縦筋又は可動縦筋は,下端部にねじが形成されて成る請求項1,2,4又は7記載の杭頭補強筋。
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