以下、図面を参照して、本発明に係る天板昇降式什器の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態の天板昇降式什器1の斜視図である。また、図2は、本実施形態の天板昇降式什器1を斜め下方から見た天板を含む部分斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態の天板昇降式什器1は、昇降脚体部2と、天板3と、配線ダクト4と、操作ユニット5と、物品収納ユニット6とを備えている。
昇降脚体部2は、2つ設けられており、平面視が長方形状の天板3の長辺に沿う方向(以下、左右方向と称する)に離間して配列されている。各々の昇降脚体部2は、床面F上に立設されており、下部支持体2aと、昇降ユニット2bと、上部支持体2cとを有している。
下部支持体2aは、平面視における天板3の短辺に沿う方向(以下、前後方向と称する)に延びる長尺状の部位であり、床面Fに対して直接当接されている。下部支持体2aは、前後方向の端部の各々に、下方に向けて突出するアジャスタ2a1を備えている。これらのアジャスタ2a1によって、昇降脚体部2の高さ調整と傾き調整が可能とされている。
昇降ユニット2bは、下部支持体2aの前後方向の中央部から上方に向けて延びて形成され、下部支持体2aと上部支持体2cとを連結している。この昇降ユニット2bは、下部筒状体2b1と、中間筒状体2b2と、上部筒状体2b3と、不図示の駆動機構とを備えている。下部筒状体2b1、中間筒状体2b2及び上部筒状体2b3は、平面視における開口面積が異なる四角形筒状に各々が形状設定されている。下部筒状体2b1が中間筒状体2b2を収納し、中間筒状体2b2が上部筒状体2b3を収納している。不図示の駆動機構は、中間筒状体2b2を下部筒状体2b1に対して上下方向に移動させると共に、上部筒状体2b3を中間筒状体2b2に対して上下方向に移動させる。このような昇降ユニット2bは、操作ユニット5により入力される指令に基づいて、不図示の制御部の制御の下に、上下方向に伸縮自在とされている。
上部支持体2cは、前後方向に延びる長尺状の部位であり、天板3の下面に下方から固定され天板3を支持する。また、上部支持体2cは、前後方向の中央部に昇降ユニット2bの上部筒状体2b3が固定されており、昇降ユニット2bによって下方から支持されている。
これらの昇降脚体部2は、昇降ユニット2bの中間筒状体2b2及び上部筒状体2b3を上下方向に移動させることによって、上部支持体2cに支持された天板3を昇降させる。つまり、これらの昇降脚体部2は、天板3を下方から支持し、昇降ユニット2bを上下方向に伸縮することで天板3の上下位置を変更可能としている。
天板3は、上面が作業スペースとされた板材であり、平面視が左右方向に長い矩形状とされている。天板3の左右方向の両縁部の下面には、昇降脚体部2の上部支持体2cが各々固定されている。配線ダクト4は、左右方向に長い樋状の部材であり、天板3の下面に固定されている。この配線ダクト4は、一方の昇降ユニット2bの上部支持体2cから、他方の昇降ユニット2bの上部支持体2cに至る長さとされており、各々の上部支持体2cの前後方向の中央部に接続されている。このような配線ダクト4は、例えば不図示の電源ケーブルや操作ユニット5の後述する接続ケーブル5b等を下方から支持する。
操作ユニット5は、コントロールパネル5aと、接続ケーブル5bとを備えている。コントロールパネル5aは、例えば不図示の上昇用ボタンと下降用ボタンが正面に設けられ、執務者により押圧された操作ボタンに応じた指令信号を出力する。このようなコントロールパネル5aは、執務者の作業の邪魔とならずかつ操作がし易いよう、天板3の執務者側(前側)の左右方向端部寄りであって天板3の下方に位置するように、天板3に固定されている。接続ケーブル5bは、コントロールパネル5aと不図示の制御部とを接続する配線であり、配線ダクト4の内部等を通じて引き廻されている。
物品収納ユニット6は、執務者の鞄や資料等の物品を収容するための部位であり、本実施形態では、天板3の下方であって天板3の右端側に寄せて設置されている。なお、物品収納ユニット6は、天板3の下方であって天板3の左端側に寄せて設置しても良い。図3は、物品収納ユニット6を斜め下から見た斜視図である。また、図4は、物品収納ユニット6を正面側(すなわち前側)から見た正面図である。
図3及び図4に示すように、物品収納ユニット6は、保持シート6aと、固定具6bと、平滑材6c(平板)とを備えている。図5は、保持シート6a及び平滑材6cの全体図であり、(a)が平面図であり、(b)が(a)のA−A断面図であり、(c)が(a)のB−B断面である。保持シート6aは、端部6a1と端部6a2とが上部に位置し、これらの端部6a1と端部6a2との間の中央部が下部に位置し、中央部が表裏面を上下方向に向ける平板状とされた形状とされている。端部6a1と端部6a2とは、左右方向に離間して配置されており、固定具6bを介して天板3の下面に接続されている。つまり、保持シート6aは、両端部(端部6a1と端部6a2)が水平方向に離間して天板3の下面に接続された正面視形状が略U字型に形状設定されている。
図6は、保持シート6aの模式的な拡大断面図である。また、図7は、保持シート6aの下部を含む拡大斜視図である。これらの図に示すように、保持シート6aは、外装シート10と、補強シート11と、縁部材12とを備えている。外装シート10は、U字型とされた保持シート6aの外面を形成する布素材からなるシート材である。この外装シート10は、外部から視認がし易い箇所であり、図形やロゴ等の模様が施された意匠性の高いシート材とされている。例えば、このような外装シート10は、不織布によって形成されている。補強シート11は、外装シート10よりもU字型とされた保持シート6aの内側に配設された布素材からなるシート材である。この補強シート11は、外装シート10よりも引張強度が高く、外装シート10よりも伸縮性が低く、かつ、耐摩耗性に優れた布素材により形成されており、保持シート6aの強度を確保するための部材とされている。例えば、このような補強シート11は、帆布によって形成されている。これらの外装シート10と補強シート11とは、積層されて縫製により結合されている。つまり、保持シート6aは、複数のシートが積層された構造を有している。
縁部材12は、保持シート6aを平らとなるように矩形状に広げた場合に、保持シート6aの4つの縁部に配設されている。この縁部材12は、積層された外装シート10と補強シート11との端部を覆う布素材からなる帯状の部材である。このような縁部材12は、縫製により外装シート10と補強シート11とに結合されている。このように、保持シート6aでは、縁部材12によって端部がパイピング処理されている。
また、図7に示すように、本実施形態において保持シート6aは、外装シート10と補強シート11との間に、平滑材6cを差し入れるための開口6dが設けられている。なお、この開口6dは、縁部材12を設けない領域を作り、この領域にて外装シート10と補強シート11とを縫製して結合しないことによって形成されている。このような開口6dから保持シート6aの内部(すなわち外装シート10と補強シート11との間)に平滑材6cを挿入することが可能となっている。
なお、平滑材6cは、必ずしも保持シート6aの内部に挿入されている必要はない。例えば、保持シート6aの補強シート11上に単に載置しても良いし、保持シート6aの外装シート10の下に貼り合わせるようにしても良い。
図3及び図4に戻り、固定具6bは、2つ設けられており、各々が保持シート6aの端部を天板3に接続している。なお、保持シート6aの端部6a1を天板に接続する固定具6bを第1固定具20と称し、保持シート6aの端部6a2を天板に接続する固定具6bを第2固定具30と称する。
図8は、第1固定具20を含む物品収納ユニット6の部分拡大断面図である。この図に示すように、第1固定具20は、天板側金具21と、保持シート側金具22と、締結ビス23とを備えている。図9は、天板側金具21の全体図であり、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が側面図である。これらの図に示すように、天板側金具21は、上部プレート21aと、側部プレート21bと、連結部21cと、締結プレート21dと、ダクト当接プレート21eとが一体的に接続された部品である。
上部プレート21aは、表裏面を上下方向に向けた平板状の部位であり、天板3の下面に当接される。この上部プレート21aは、前後方向において天板側金具21の前側半分の領域に設けられており、前後方向の寸法が配線ダクト4の前面から天板3の前縁までの距離を超えない長さに設定されている。また、上部プレート21aは、前後方向に離間して配列された2つの貫通孔21a1を有しており、貫通孔21a1に挿通される不図示のボルト等によって天板3の下面に対して締結される。
側部プレート21bは、表裏面を左右方向に向けた平板状の部位である。この側部プレート21bは、前後方向の中央より前側の領域(前側部21b1)が上部プレート21aの左側端部から下方に垂下されており、前後方向の中央より後側の領域(後側部21b2)が前側部21b1の領域の下部から後方に延出することにより、後側に切欠き部21b3が形成された形状とされている。この切欠き部21b3は、図2に示すように天板側金具21が天板3の下面に取り付けられた際に、側部プレート21bが配線ダクト4との干渉を避けるための領域である。この側部プレート21bの前後方向の寸法は、保持シート6aの前後方向の寸法と略同一に設定されている。このように側部プレート21bが切欠き部21b3を有する形状であるために、天板側金具21は、一部のみが天板3の下面に直接接続されている。つまり、本実施形態では、物品収納ユニット6の一部が天板3の下面に直接的に接続され、他の部分が配線ダクト4の下面に当接した構成となっている。このように、物品収納ユニット6は、天板3の下面のみに接続されている必要はない。
連結部21cは、表裏面を上下方向に向けた板状の部位であり、側部プレート21bの下端から右側に延出されている。この連結部21cは、側部プレート21bと締結プレート21dとを接続する部位である。締結プレート21dは、表裏面を左右方向に向けた平板状の部位であり、連結部21cの右側端部から下方に垂下されている。この締結プレート21dは、前後方向に離間して配列された3つの貫通孔21d1を有しており、貫通孔21d1に挿通される締結ビス23によって保持シート側金具22が締結される。
ダクト当接プレート21eは、表裏面を前後方向に向けた平板状の部位であり、天板3の下面に固定された配線ダクト4の前面に前方から当接される。このダクト当接プレート21eは、上部プレート21aの後端から下方に垂下されており、上下方向の寸法が側部プレート21bの上下方向の寸法よりも短く設定されている。また、ダクト当接プレート21eは、前後方向に貫通する貫通孔21e1を有しており、貫通孔21e1に挿通される不図示のボルト等によって配線ダクト4の前面に対して締結される。
図10は、保持シート側金具22の全体図であり、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が側面図である。これらの図に示すように、保持シート側金具22は、前後方向に長い長尺状の部品であり、上端縁と下端縁と折曲された正面視略逆C型に形状設定されている。この保持シート側金具22は、天板側金具21の締結プレート21dに形成された貫通孔21d1と同間隔にて前後方向に離間された3つのネジ孔22aを有している。これらのネジ孔22aには、締結ビス23の先端が螺合される。このような保持シート側金具22は、図8に示すように、保持シート6aの外装シート10と補強シート11とに挟持された状態で、保持シート6aの内部に配設されている。また、保持シート側金具22は、保持シート6aの端部6a1の近傍に配設されている。なお、保持シート側金具22が保持シート6aの内部で移動しないように、外装シート10と補強シート11とは、保持シート側金具22の周囲にて縫製されている。また、補強シート11には、ネジ孔22aを露出するための孔が形成されている。
締結ビス23は、天板側金具21の締結プレート21dに形成された貫通孔21d1に右側から挿入され、保持シート側金具22のネジ孔22aに螺合されることにより、天板側金具21と保持シート側金具22とを締結する。
このような第1固定具20は、天板側金具21の締結プレート21dと保持シート側金具22との間に保持シート6aの補強シート11の端部を挟持している。つまり、保持シート6aは、補強シート11が第1固定具20に固定されることにより、天板3の下面に接続されている。このように第1固定具20では、天板側金具21の締結プレート21dの左側面と、保持シート側金具22との右側面との間に補強シート11を挟みこむことによって、補強シート11との接触面積を広く確保しており、補強シート11に局所的に大きな応力が生じることを防止している。
また、第1固定具20は、天板側金具21の締結プレート21dと保持シート側金具22との間にて保持シート6aの外装シート10を挟持しない。このため、外装シート10が痛むことを抑止することができる。
図11は、第2固定具30を含む物品収納ユニット6の部分拡大断面図である。第2固定具30は、第1固定具20と左右対称な構成とされている。この第2固定具30は、天板側金具31と、保持シート側金具32と、締結ビス33とを備えている。図12は、天板側金具31の全体図であり、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が側面図である。これらの図に示すように、天板側金具31は、上部プレート31aと、側部プレート31bと、連結部31cと、締結プレート31dと、ダクト当接プレート31eとが一体的に接続された部品である。
上部プレート31aは、表裏面を上下方向に向けた平板状の部位であり、天板3の下面に当接される。この上部プレート31aは、前後方向において天板側金具31の前側半分の領域に設けられており、前後方向の寸法が配線ダクト4の前面から天板3の前縁までの距離を超えない長さに設定されている。また、上部プレート31aは、前後方向に離間して配列された2つの貫通孔31a1を有しており、貫通孔31a1に挿通される不図示のボルト等によって天板3の下面に対して締結される。
側部プレート31bは、表裏面を左右方向に向けた平板状の部位である。この側部プレート31bは、前後方向の中央より前側の領域(前側部31b1)が上部プレート31aの右側端部から下方に垂下されており、前後方向の中央より後側の領域(後側部31b2)が前側部31b1の領域の下部から後方に延出することにより、後側に切欠き部31b3が形成された形状とされている。この切欠き部31b3は、図2に示すように天板側金具31が天板3の下面に取り付けられた際に、側部プレート31bが配線ダクト4との干渉を避けるための領域である。この側部プレート31bの前後方向の寸法は、保持シート6aの前後方向の寸法と略同一に設定されている。このように側部プレート31bが切欠き部31b3を有する形状であるために、天板側金具31は、一部のみが天板3の下面に直接接続されている。つまり、本実施形態では、物品収納ユニット6の一部が天板3の下面に直接的に接続され、他の部分が配線ダクト4の下面に当接した構成となっている。
連結部31cは、表裏面を上下方向に向けた板状の部位であり、側部プレート31bの下端から左側に延出されている。この連結部31cは、側部プレート31bと締結プレート31dとを接続する部位である。締結プレート31dは、表裏面を左右方向に向けた平板状の部位であり、連結部31cの左側端部から下方に垂下されている。この締結プレート31dは、前後方向に離間して配列された3つの貫通孔31d1を有しており、貫通孔31d1に挿通される締結ビス33によって保持シート側金具32が締結される。
ダクト当接プレート31eは、表裏面を前後方向に向けた平板状の部位であり、天板3の下面に固定された配線ダクト4の前面に前方から当接される。このダクト当接プレート31eは、上部プレート31aの後端から下方に垂下されており、上下方向の寸法が側部プレート31bの上下方向の寸法よりも短く設定されている。また、ダクト当接プレート31eは、前後方向に貫通する貫通孔31e1を有しており、貫通孔31e1に挿通される不図示のボルト等によって配線ダクト4の前面に対して締結される。
図13は、保持シート側金具32の全体図であり、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が側面図である。これらの図に示すように、保持シート側金具32は、前後方向に長い長尺状の部品であり、上端縁と下端縁と折曲された正面視略C型に形状設定されている。この保持シート側金具32は、天板側金具31の締結プレート31dに形成された貫通孔31d1と同間隔にて前後方向に離間された3つのネジ孔32aを有している。これらのネジ孔32aには、締結ビス33の先端が螺合される。このような保持シート側金具32は、保持シート6aの外装シート10と補強シート11とに挟持された状態で、保持シート6aの内部に配設されている。また、保持シート側金具32は、保持シート6aの端部6a2の近傍に配設されている。なお、保持シート側金具32が保持シート6aの内部で移動しないように、外装シート10と補強シート11とは、保持シート側金具32の周囲にて縫製されている。また、補強シート11には、ネジ孔32aを露出するための孔が形成されている。
締結ビス33は、天板側金具31の締結プレート31dに形成された貫通孔31d1に左側から挿入され、保持シート側金具32のネジ孔32aに螺合されることにより、天板側金具31と保持シート側金具32とを締結する。
このような第2固定具30は、天板側金具31の締結プレート31dと保持シート側金具32との間に保持シート6aの補強シート11の端部を挟持している。つまり、保持シート6aは、補強シート11が第2固定具30に固定されることにより、天板3の下面に接続されている。このように第2固定具30では、天板側金具31の締結プレート31dの右側面と、保持シート側金具32との左側面との間に補強シート11を挟みこむことによって、補強シート11との接触面積を広く確保しており、補強シート11に局所的に大きな応力が生じることを防止している。
また、第2固定具30は、天板側金具31の締結プレート31dと保持シート側金具32との間にて保持シート6aの外装シート10を挟持しない。このため、外装シート10が痛むことを抑止することができる。
図7に戻り、平滑材6cは、剛性が保持シート6aよりも高い平板であり、保持シート6aの左右方向における中央部にて保持シート6aの内部に配設されている。この平滑材6cは、保持シート6aの中央部の上面を平坦にするための骨材である。
このような物品収納ユニット6では、保持シート6aは、全体が柔軟素材である布素材により形成されている。このような保持シート6aの中央部は、骨材である平滑材6cによって平板状とされており、直接物品が載置可能(収容可能)な物品載置部6a3(収納本体部)として機能する。つまり、本実施形態においては、平滑材6cと、平滑材6cを覆う保持シート6aの中央部とによって、剛性が高い物品載置部6a3が形成されている。さらに、保持シート6aでは、物品載置部6a3から端部(端部6a1または端部6a2)に至るまでの鉛直領域が、物品載置部6a3の両端位置に各々設けられ、物品載置部6a3を吊下げ支持する一対の吊下げ支持部として機能する。以下、端部6a1側の吊下げ支持部として機能する部位を第1吊下げ支持部6a4と称し、端部6a2側の吊下げ支持部として機能する部位を第2吊下げ支持部6a5と称する。
これらの第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5は、保持シート6aの全体が柔軟素材である布素材により形成されていることから、当然に柔軟素材である布素材により形成されている。このため、第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5は、外部から押圧された場合に一定の復元力を持って上下方向に変形可能とされている。一方で、物品載置部6a3は、平滑材6cを有していることから第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5よりも剛性が高い部位となっている。
以上のような構成の本実施形態の天板昇降式什器1においては、執務者が操作ユニット5のコントロールパネル5aの上昇ボタンを押すと、天板3を上昇させる指令信号がコントロールパネル5aから接続ケーブル5bを介して制御部に入力され、制御部の制御の下、駆動機構により昇降脚体部2の昇降ユニット2bが延びる。これによって、昇降ユニット2bに支持された天板3が上方に移動される。一方で、執務者が操作ユニット5のコントロールパネル5aの下降ボタンを押すと、天板3を下降させる指令信号がコントロールパネル5aから接続ケーブル5bを介して制御部に入力され、制御部の制御の下、駆動機構により昇降脚体部2の昇降ユニット2bが縮む。これによって、昇降ユニット2bに支持された天板3が下方に移動される。
このような構成を採用する本実施形態の天板昇降式什器1によれば、物品載置部6a3を吊下げ支持する第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5が、外力の作用により復元性を有して変形可能とされている。このため、例えば天板3の下降時に物品収納ユニット6に対して外部物品が接触した場合には、第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5が変形することにより、外部物品が衝突したことによる外力を吸収することができる。したがって、本実施形態の天板昇降式什器1によれば、天板3の下降時等に物品収納ユニット6が外部物品に衝突することによって天板3の移動が急停止されることを防止することができ、執務者に不快感を与えることを防止することができる。また、本実施形態の天板昇降式什器1によれば、第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5により支持される物品載置部6a3は第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5よりも剛性が高い。このため、物品を物品載置部6a3にて載置することにより、第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5が変形する場合であっても物品を安定して支持することができる。
さらに、本実施形態の天板昇降式什器1によれば、第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5が変形可能とされていることから、執務者が物品収納ユニット6を容易に押し退けることができる。このため、例えば天板3を下降させ、執務者が着座姿勢で作業をする場合に、執務者が下肢空間を確保するために、物品収納ユニット6を容易に押し退けることができる。このように、本実施形態の天板昇降式什器1によれば、天板3の下方空間の形状自由度を高めることが可能となる。
また、本実施形態の天板昇降式什器1においては、物品載置部6a3の上面が平面である。このため、第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5が変形しない通常時を含めて、物品を物品載置部6a3上に安定的に載置することができる。
また、本実施形態の天板昇降式什器1においては、物品載置部6a3が、第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5と一体的に連続するカバー部(保持シート6aの中央部)と、カバー部の内部に配設されると共にカバー部よりも高い剛性を有する平滑材6cとを備える。このため、物品載置部6a3の一部と第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5とが同一材料により一体的に連続して形成されているため、単一の布シート(保持シート6a)を曲げることによって容易に物品収納ユニット6を形成することができる。このため、物品収納ユニット6を簡易的かつ安価なものとすることができる。さらに、本実施形態の天板昇降式什器1によれば、平滑材6cが露出せずにカバー部によって覆われることで、平滑材6cが露出しない。このため、第1吊下げ支持部6a4及び第2吊下げ支持部6a5と物品載置部6a3との一体感が向上し、物品収納ユニット6の体裁を良好なものとすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、第1吊下げ支持部6a4と第2吊下げ支持部6a5とが布素材で形成されることにより物品収納ユニットの一部が柔軟性を有する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、紐や網からなる吊り下げ支持部を用いることにより、物品収納ユニットの一部に柔軟性を付与しても良い。また、剛性の高いリングを鎖状に連結することにより、全体として変形可能とされた吊下げ支持部を用いるようにしても良い。また、複数のブロック同士がヒンジ部を介して連結した多関節機構を吊下げ支持部として用いるようにしても良い。
また、図14は、上記実施形態の天板昇降式什器1の物品収納ユニット6の変形例を示す斜視図である。この図に示すように、保持シート6aに吊下げ支持される箱体からなる収納ボックス50(箱体)を設置するようにしても良い。収納ボックス50は、上面が平面である筐体51と、筐体51に対して前後方向に摺動可能な引出し部52とを備えている。このような構成を採用する場合には、収納ボックス50が内部に物品収納空間が存在する本発明の収納本体部として機能するため、平滑材6cを省略しても良い。このような構成を採用することにより、物品を収納ボックス50の内部の物品収納空間に収容できるため、第1吊下げ支持部6a4と第2吊下げ支持部6a5とが変形した場合であっても、物品が収納ボックス50から落下することを防止することができる。