JP6751200B2 - 1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール及びその塩の製造方法 - Google Patents

1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール及びその塩の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、抗うつ薬の分野に関する。より詳細には、中枢神経系(CNS)関連疾患の治療のためのフェニルエチルアミン誘導体に関する。特に本発明は、CNS関連疾患の治療のための選択的セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤である、デスベンラファキシン及びその塩の製造に関する。
人体の化学的不均衡は、人の気分や行動の変化を引き起こす。抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質の化学的不均衡を修正することによって、うつ病性障害の症状を軽減する種類の薬である。それらは通常、いくつかの症状、例えば落ち込み、全般性不安障害、興奮、強迫性障害等を治療するために使用される。最もよく処方されている抗うつ薬としてベンラファキシンがあり、Effexor、Lanvexin、Viepax及びTrevilorの販売名で市販されている。1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノールは、ベンラファキシンとして一般に知られているが、これはセロトニン−ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)に分類される抗うつ剤である。ベンラファキシンは、ノルエピネフリン及びセロトニンの再取り込みを阻害することによって作用し、三環系抗うつ剤及び選択的再取り込み阻害剤に対する代替物である。ベンラファキシンは、構造式(I)で表される化合物である。
Figure 0006751200
しかしながら、重大な副作用が見られたため、近年では、ベンラファキシンは治療の第一の方針としては推奨されていない。また、ベンラファキシンは、広範囲に代謝されていくつかの代謝物を作り出す。
しかしながら、デスベンラファキシンとして一般に知られている、[1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール]もまた、有効なセロトニン−ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)抗うつ剤であり、かつ大うつ病性障害(MDD)のための安全な治療剤である。デスベンラファキシンは、フェノール環に結合したメチル基がない点でベンラファキシンとは異なる。デスベンラファキシンの構造式(式II)は以下の通りである:
Figure 0006751200
また、デスベンラファキシンは、絶対的バイオアベイラビリティを用いてベンラファキシンと比較した場合、あまり広範囲に代謝されない。デスベンラファキシンは、その塩であるデスベンラファキシンコハク酸塩としても、またベンラファキシンの活性代謝物としても投与される。
特許文献には、チオール、金属硫化物、リチウムジフェニルホスフィド、アルキルアルミニウムハイドライド等を用いてベンラファキシンを脱メチル化することによりデスベンラファキシンを合成することが開示されている。しかしながら、これらの方法は、重金属触媒や、大量の溶媒、高価な試薬及び臭いが強い硫黄試薬を用いる。製造中の臭いのため、大規模製造には特別な予防措置及び除去が必要である。
米国特許第4535186号には、デスベンラファキシン及びその薬学的に許容される塩、特にフマル酸塩の合成が開示されている。この発明は、フェニル環の4−ヒドロキシ基上のベンジル保護基を用いたデスメチルベンラファキシンの製造方法を開示する。
米国特許第7491848号には、硫化ナトリウム等の金属硫化物を含む脱メチル化剤を使用することによって、ベンラファキシンからデスベンラファキシンを合成することが開示されており、米国特許第6689912号には、デスメチルベンラファキシンを得るために、アルコール、エチレングリコール、エチレングリコールのエーテル、又はこれらの混合物中でベンラファキシンを高分子量アルカン又はアレーンチオレートアニオンと反応させることを含むデスメチルベンラファキシンの製造方法が開示されている。
米国特許出願公開第2005/0297392号には、リチウムジフェニルホスフィドを用いてベンラファキシンを脱メチル化することを含むデスメチルベンラファキシンの製造方法が開示されている。この方法は、大量の溶媒を用いた抽出工程を含む。
国際公開第2010/079046号には、アルキルアルミニウム又はアルキルアルミニウムヒドリド化合物、特に水素化ジイソブチルアルミニウム又はトリイソブチルアルミニウムを用いて、ベンラファキシンの脱メチル化に基づきデスベンラファキシン及びその塩を製造する方法が開示されている。
国際公開第2007/120923号には、チオフェノール、硫化ナトリウム又はCi-Csアルキルチオレートからなる試薬を用い、減圧下でベンラファキシン、有機溶媒及びその試薬を混合する工程を含むデスベンラファキシンの製造方法が提供されている。
上述の方法は、一般に多くの副反応を伴って進行し、それによってデスベンラファキシンの収率に影響を及ぼす。それらの反応は複雑であり、環境面で有害なプロセスである。それらの反応はまた、環境を汚染する悪臭を放つ。上記製造に使用される試薬は高価であり、またデスベンラファキシンを大規模製造することが困難かつ面倒である。
それ故、代替となる、経済的で環境に優しいデスベンラファキシンの製造方法が必要とされている。本発明に記載の方法は、高価な試薬を使用せずに、簡素で費用効果の高いデスベンラファキシン及びデスベンラファキシン塩の合成方法を実践する。
本発明は、相間移動条件下において、モノエチレングリコール中、カリウム塩を介在させた1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールの脱メチル化工程により、デスベンラファキシン、すなわち[1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール]を合成することに関する。上記方法によって合成された[1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール]は、HPLCにより測定される純度が99%を超える。本発明はまた、[1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール]コハク酸塩を高収率で製造する方法に関する。この方法は、[1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール]の大量生産のために容易に生産規模を拡大することができる。
[1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール]の純度を示すHPLC図。
本発明の実施形態における上述の説明は、例示の目的で示されている。図面、明細書及び特許請求の範囲を考慮すれば、当業者が本開示に照らして多くの変更及び変形が可能であるため、開示された詳細な形態に本発明が包括されること又は限定されることを意図するものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、単数形の「a」、「an」及び「the」は複数を含むことに更に留意されたい。別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的な用語は、当業者によって一般的に理解される用語と同じ意味を有する。
本発明は、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール(式(I))の製造方法であって、
Figure 0006751200
i)式(II)の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールとカリウム塩とを有機溶媒中で反応させ、混合物を得る工程と、
Figure 0006751200
ii)上記混合物を加熱する工程と、
iii)上記混合物を水で希釈し、水相を得る工程と、
iv)上記水相を酸性試薬で酸性化し、濾過することにより、式(I)の1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る工程と、
を含む、製造方法に関する。
本発明の一実施形態において、カリウム塩は、水酸化カリウム及びカリウムt−ブトキシドを含む群から選択される。
本発明の一実施形態において、有機溶媒は、モノエチレングリコール及び他の一級アルコールを含む群から選択され、好ましくはモノエチレングリコールである。
本発明の他の実施形態において、上記混合物は、約190℃〜約220℃の範囲の温度に加熱される。
本発明の更に別の実施形態において、水相の酸性化は、塩酸、リン酸、酢酸を含む群から選択される酸性試薬を含む群から選択される試薬を用いて、pHを3〜5、好ましくはpH4に調整することを含む。
本発明の更に別の実施形態において、本製造方法は、約95%〜約99.5%の範囲の収率を与える。
本発明の更に別の実施形態において、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールは、HPLC法により測定される純度が約97.0%〜約99.5%の範囲である。
また、本発明は、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールの塩の製造方法であって、
a)式(II)の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールとカリウム塩とを有機溶媒中で反応させ、混合物を得る工程と、
Figure 0006751200
b)上記混合物を加熱する工程と、
c)上記混合物を水で希釈し、水相を得る工程と、
d)上記水相を酸性試薬で酸性化し、濾過することにより、式(I)の1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る工程と、
e)式(I)の1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールと試薬とを有機溶媒中で反応させ、塩を得る工程と、
を含む、製造方法に関する。
本発明の一実施の形態において、上記試薬は、コハク酸、フマル酸、シュウ酸を含む群から選択される。1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールのコハク酸塩を得るために、コハク酸が好ましい。
本発明の更に別の実施形態において、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールの塩は、HPLC法により測定される純度が約98.0〜約99%の範囲である。
スキーム(I)は、[1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール]及びそのコハク酸塩、すなわち1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールの合成方法を示す:
Figure 0006751200
[1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール]を得るための1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールの脱メチル化は、[1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール]の収率を最適化するために、水酸化カリウム及びアルコール性溶媒の存在下、強アルカリ条件において行われる。本発明に記載される高収率方法によって得られる目的化合物は、HPLCにより測定される純度が99%を超える。この方法は、市販の環境に優しい試薬を反応に使用するので、[1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール]の大量生産のために生産規模を拡大することができる。
以下、デスベンラファキシン、すなわち1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールの合成方法について実施例により説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:
清潔なフラスコに、窒素雰囲気下で、1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノール250g、エチレングリコール1リットル、ポリエチレングリコール−400 100g、及び水酸化カリウム350gを添加する。次いで、反応混合物を窒素下で約3〜4時間かけて約195〜200℃に昇温し、加熱する。次いで、この温度を24時間継続して保持する。反応混合物の温度を約50℃に下げて水で希釈し、トルエン1リットルで抽出する。トルエンを濃縮し、未反応の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノール約95g〜約100gを得る。次いで、水層をpH4に酸性化して、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る。混合物を約75℃〜約80℃の温度で8時間乾燥し、HPLCにより測定される純度が99.25%の1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る(125〜130g)。未反応の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールの回収率に基づく収率は98%である。
実施例2:
洗浄したフラスコに、1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノール250g、エチレングリコール1.5リットル、ポリエチレングリコール−400 100g、及び水酸化カリウム400gを窒素雰囲気下で一度に添加する。次いで、反応混合物を窒素下で加熱する。まず、3〜4時間かけて温度を約195〜200℃に上昇させる。次いで、その温度を48時間継続して保持する。反応混合物の温度を約50℃に下げた後、水で希釈し、トルエン1リットルで抽出する。トルエンを濃縮し、未反応の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノール約45gを得る。次に、水層をpH4に酸性化し、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る。混合物を約75℃〜約80℃の温度で8時間乾燥し、約180g〜約195gの量の1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを、HPLCにより測定される純度が99%を超える純度で得る。未反応の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールの回収率に基づく収率は97%である。
実施例3:
清潔なフラスコに、1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノール250g、エチレングリコール1.25リットル、ポリエチレングリコール−400 100g、及び水酸化カリウム350gを窒素雰囲気下で一度に添加する。次いで、反応混合物を窒素下で加熱し、3〜4時間の間、約195〜200℃に昇温する。次いで、その温度を36時間継続して保持する。反応混合物の温度を約50℃まで下げ、その後、水で希釈し、トルエン1リットルで抽出する。トルエンを濃縮し、未反応の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノール約55gを得る。次いで、水層をpH4に酸性化して、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る。混合物を約75℃〜約80℃の温度で8時間乾燥する。約175g〜約200gの範囲の量の1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを、HPLC法による純度が99%を超える純度で得る。未反応の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールの回収率に基づく収率は97%である。
実施例4:
清潔なフラスコに、1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール250g、エチレングリコール1リットル、ポリエチレングリコール−400 100g、及びカリウムtert−ブトキシド605gを窒素雰囲気下で1時間かけて加える。次いで、反応混合物を窒素下で加熱し、約3〜4時間かけて約195〜200℃に昇温する。次いで、その温度を24時間継続して保持する。反応混合物の温度を約50℃に下げ、その後水で希釈し、トルエン1リットルで抽出する。トルエンを濃縮し、未反応の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノール約85g〜約95gを得る。次いで、水層をpH4に酸性化し、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る。混合物を約75℃〜約80℃で8時間乾燥し、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを、HPLCにより測定される純度が99.00%超となる純度で得る(115〜120g)。未反応の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールの回収率に基づく収率は96%である。
このようにして得られた1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールは塩に変換することができる。塩は、コハク酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩などを含む群から選択され、好ましくはコハク酸塩である。
1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールのコハク酸塩の合成方法は以下の通りである。
実施例4:
清潔なフラスコに、1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノール250g、エチレングリコール1リットル、ポリエチレングリコール−400 100g、及び水酸化カリウム350gを窒素雰囲気下で一度に添加する。次いで、反応混合物を窒素下で加熱する。最初は、温度を3〜4時間かけて約195〜200℃に上げる。次いで、その温度を24時間継続して保持する。反応混合物の温度を約50℃に下げ、水で希釈し、その後、トルエン1リットルで抽出する。トルエンを濃縮し、未反応の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノール約95g〜約100gを得る。次に、水層をpH4に酸性化し、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る。混合物を約75℃〜約80℃で8時間乾燥し、約125g〜約130gの量の1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る。1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールとコハク酸56gとを、アセトン水溶液(1:3)中、10〜50℃の温度で反応させて、個々の不純物が0.10%未満の薬学的に許容される塩である、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールのコハク酸塩(130g)を得る。
したがって、本発明は、ベンラファキシンとしても知られる、1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールから、デスベンラファキシンとしても知られる、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを合成するための、環境に優しくかつ経済的な方法を説明する。この方法は、市販の試薬を約97%〜約98%の収率で利用する。このようにして合成された1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールは、HPLCによって測定される純度が99%である。本発明はまた、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールの塩の合成に関する。高収率プロセスはシンプルであり、かつ工業的生産に容易に拡大することができる。
上述の説明により、本発明の本質を捉えることが可能である。しかしながら、上述の説明及び添付の図面は、本発明の典型的な実施形態を例示するにすぎない。したがって、上述の説明及び添付の図面は、本発明の範囲を限定するとみなされるべきではなく、他の同等に有効な実施形態を許容し得るものである。
添付の特許請求の範囲の目的は、本発明の真の主旨及び範囲内に入るような全てのそのような変形例及び修正例を網羅することである。

Claims (9)

  1. 1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノール(式(I))の製造方法であって、
    Figure 0006751200
    i)式(II)の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールと、水酸化カリウム及びカリウムt−ブトキシを含む群から選択されるカリウム塩とを有機溶媒中で反応させ、混合物を得る工程と;
    Figure 0006751200
    ii)前記混合物を190℃〜220℃の温度範囲に加熱する工程と;
    iii)前記混合物を水で希釈し、水相を得る工程と;
    iv)前記水相を酸性試薬で酸性化し、濾過することにより、式(I)の1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る工程と、
    を含む、製造方法。
  2. 前記有機溶媒は、モノエチレングリコール及びアルコールを含む群から選択される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記i)の工程により得られる前記混合物はポリエチレングリコール−400を更に含む、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記水相の酸性化は、塩酸、リン酸、酢酸を含む群から選択される酸性試薬を含む群から選択される試薬を用いて、pH3〜pH5の範囲に調整する処理を含む、請求項1に記載の製造方法。
  5. HPLC法により測定される1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールの純度が、97.0%〜99.5%の範囲である、請求項1に記載の製造方法。
  6. 1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールの塩の製造方法であって、
    a)式(II)の1−[2−(ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチルシクロヘキサノールと、水酸化カリウム及びカリウムt−ブトキシドを含む群から選択されるカリウム塩とを有機溶媒中で反応させ、混合物を得る工程と;
    Figure 0006751200
    b)前記混合物を190℃〜220℃の温度範囲に加熱する工程と;
    c)前記混合物を水で希釈し、水相を得る工程と;
    d)前記水相を酸性試薬で酸性化し、濾過することにより、1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールを得る工程と;
    e)1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールと試薬とを有機溶媒中で反応させ、塩を得る工程と、
    を含む、製造方法。
  7. 前記a)の工程の有機溶媒は、モノエチレングリコール及びアルコールを含む群から選択される、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記試薬は、コハク酸、フマル酸、シュウ酸を含む群から選択される、請求項に記載の製造方法。
  9. HPLC法により測定される1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−シクロヘキサノールの塩の純度が、98.0%〜99%の範囲である、請求項に記載の製造方法。
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