JP6748851B2 - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器や自動車の電装用等に使用される金属化フィルムコンデンサに関する。
金属化フィルムコンデンサは、一般に金属箔を電極に用いるものと、誘電体フィルム上に設けた蒸着金属を電極に用いるものとに大別される。中でも、蒸着金属よりなる金属蒸着電極を電極とする金属化フィルムコンデンサは、金属箔を用いるものに比べて電極の占める体積が小さく小型軽量化が図れる。さらに、金属蒸着電極は、絶縁欠陥部で短絡が生じた場合に、短絡のエネルギーで欠陥部周辺の金属蒸着電極が蒸発・飛散して絶縁化し、コンデンサの機能が回復する金属蒸着電極特有の自己回復性能により絶縁破壊に対する信頼性が高い。これらのことから、金属蒸着電極は従来から広く用いられている。
図10は特許文献1に開示されている金属化フィルムコンデンサに用いる金属化フィルム100の上面図である。
図10に示すように、金属化フィルム100は、誘電体フィルム101と、誘電体フィルム101の表面に金属を蒸着することで形成された金属蒸着電極102とを有する。金属蒸着電極102は、誘電体フィルム101の長手方向(図10の左右方向)に延びるスリット103により、非分割電極部104と分割電極部106とに分割されている。分割電極部106の内部は複数の小分割電極部105に分割されている。
非分割電極部104と分割電極部106とは、スリット103内に設けられたヒューズ107により電気的に接続されている。互いに隣り合う小分割電極部105はヒューズ108により互いに電気的に接続されている。
金属化フィルム100を用いた従来の金属化フィルムコンデンサにおいていずれかの小分割電極部105に絶縁欠陥部が発生した場合、小分割電極部105に流れ込む電流によりヒューズ107あるいはヒューズ108が切断される。この結果、絶縁欠陥部を含む小分割電極部105が電気的に切り離され、金属化フィルムコンデンサの短絡等の欠陥を未然に防ぐことができる。
このように、従来の金属化フィルムコンデンサは、金属化フィルム100に設けられたヒューズ107、ヒューズ108により、自己保安機能を実現している。
特許文献2は、アルミニウム核亜鉛層を用いた金属化フィルムコンデンサを開示している。
特開2013−219400号公報 特開平10−189382号公報
金属化フィルムコンデンサは、誘電体フィルムと、誘電体フィルムの表面に設けられた第1の金属膜電極と、誘電体フィルムを介して第1の金属膜電極に対向する第2の金属膜電極とを有する。第1の金属膜電極は、スリットにより互いに分離された第1の大電極部と第2の大電極部と、スリットに設けられて第1の大電極部と第2の大電極部とに接続されたヒューズとを有する。第1の金属膜電極は、実質的にアルミニウムのみを含有するアルミニウム部と、亜鉛を主に含有してアルミニウムをさらに含有するアルミニウム核亜鉛部とを有する。アルミニウム核亜鉛部は少なくともヒューズの周辺に配置されている。
図1Aは実施形態1における金属化フィルムコンデンサの断面図である。 図1Bは実施形態1における金属化フィルムコンデンサの金属化フィルムの平面図である。 図2は実施形態1における他の金属化フィルムの平面図である。 図3は実施形態2における金属化フィルムコンデンサの金属化フィルムの平面図である。 図4は実施形態3における金属化フィルムコンデンサの金属化フィルムの平面図である。 図5は実施形態3における金属化フィルムコンデンサの他の金属化フィルムの平面図である。 図6は実施形態3における金属化フィルムコンデンサのさらに他の金属化フィルムの平面図である。 図7は実施形態4における金属化フィルムコンデンサの金属化フィルムの平面図である。 図8は実施形態4における金属化フィルムコンデンサの他の金属化フィルムの平面図である。 図9は実施形態5における金属化フィルムコンデンサの金属化フィルムの平面図である。 図10は従来の金属化フィルムコンデンサの金属化フィルムの平面図である。
(実施形態1)
図1Aは実施形態1における金属化フィルムコンデンサ1の断面図であり、金属化フィルムコンデンサ1の構造を概念的に示す。
金属化フィルムコンデンサ1は、コンデンサ素子91と、コンデンサ素子91の両端面91a、91bに設けられた外部電極4a、4bとを備える。コンデンサ素子91は、金属化フィルム2と、金属化フィルム2に重ねられた金属化フィルム3とを有する。金属化フィルム2、3は巻回されている。実施の形態1では、外部電極4a、4bはメタリコン電極である。図1Bは金属化フィルム2の平面図である。
金属化フィルム2は、誘電体フィルム5と、誘電体フィルム5の表面5aに設けられた金属膜電極6とを有する。
誘電体フィルム5としては、厚み2.8μmのポリプロピレンフィルムを用いている。誘電体フィルム5としては、これ以外にも適当な厚みのポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニルサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルムなどを用いてもよい。また、厚みも適宜変更してよい。
金属膜電極6は、実質的にアルミニウムよりなるアルミニウム部6aと、亜鉛を主に含有してアルミニウムをさらに含有するアルミニウム核亜鉛部6bを有する。アルミニウム部6aは、アルミニウムにて形成された蒸着材料を蒸発させてアルミニウムの金属蒸気を飛散させ、この金属蒸気を誘電体フィルム5の表面5aに付着させることで形成される。このように、実施形態1におけるアルミニウム部6aはアルミニウムにて形成された蒸着材料にて形成されるので、実質的にアルミニウムのみよりなる、すなわちアルミニウム部6aを構成する成分はもちろんアルミニウムが最も大きい割合を占める。なお、このように実施形態1において、アルミニウム部6aはアルミニウムにて形成された蒸着材料を用いて形成されるが、例えばこの蒸着材料にマグネシウム等のアルミニウム以外の金属を少量添加してもよい。また、アルミニウム部6aにはアルミニウムあるいは意図して添加した金属以外の不純物が僅かながら含まれることもあり得る。
また、アルミニウム部6aは複数の蒸着材料を同時に蒸着して形成してもよい。すなわち、アルミニウムとアルミニウム以外の少量の金属を同時に蒸発させ、アルミニウムの金属蒸気を含む複数の金属蒸気にてアルミニウム部6aを形成してもよい。ただし、この場合においても、アルミニウム部6aを構成する成分の中ではアルミニウムが最も大きい割合を占めるべく、各蒸着材料の量を適宜調整する必要がある。
誘電体フィルム5の幅方向D1で互いに反対側の端部5c、5dは、金属化フィルム2の幅方向D1で互いに反対側の端部2c、2dをそれぞれ構成する。互いに重ねあわされた金属化フィルム2、3は、幅方向D1に延びる巻回軸を中心に幅方向D1と直角の長手方向D2に巻回されている。
金属化フィルム2の端部2dには金属膜電極6が存在しない絶縁マージン7が設けられている。絶縁マージン7においては、誘電体フィルム5の表面5aが金属膜電極6から露出している。絶縁マージン7は金属膜電極6と外部電極4bとの絶縁を確保する。
金属化フィルム3は金属化フィルム2と同様の構成を有する。すなわち、金属化フィルム3は、金属化フィルム2の誘電体フィルム5と金属膜電極6とそれぞれ同様の構成を有する誘電体フィルム8と金属膜電極9とを有する。したがって、金属膜電極9はアルミニウム部、アルミニウム核亜鉛部を有する。また、金属化フィルム3には金属化フィルム2の絶縁マージン7と同様の絶縁マージン10が設けられている。
金属化フィルム2と金属化フィルム3とを幅方向D1に延びる巻回軸に沿って僅かにずれて配置されるように重ね合わせ巻回することでコンデンサ素子91が形成される。この際、夫々の絶縁マージン7と絶縁マージン10が幅方向D1で互いに逆方向に位置するように配置して金属化フィルム2、3が巻回される。このようにして作製したコンデンサ素子91の幅方向D1の両端に亜鉛を溶射し外部電極4a、4bを形成することで金属化フィルムコンデンサ1が完成する。なお、図1Aに示すように、金属化フィルム2の金属膜電極6は絶縁マージン7により外部電極4bと接触していない。同様に、金属化フィルム3の金属膜電極9は、絶縁マージン10により外部電極4aと接触していない。なお、実施形態1における金属化フィルムコンデンサ1のコンデンサ素子91では金属化フィルム2、3は巻回されているが、巻回されずに積層されていてもよい。なお、金属化フィルム2、3の構造を示すために金属膜電極9は、図1Aでは金属化フィルム3の誘電体フィルム5の表面5aの反対側の表面5bから離れて記載されているが、実際には金属化フィルム3の誘電体フィルム5の表面5bに当接している。
金属化フィルムコンデンサ1は、実使用時において金属化フィルム2の金属膜電極6と金属化フィルム3の金属膜電極9のいずれか一方が正極として機能し、他方が負極として機能する。具体的には、金属化フィルムコンデンサ1が外部機器に接続された際、金属膜電極6と金属膜電極9のうち、外部機器の正極側に接続された金属膜電極が正極として機能し、外部機器の負極側に接続された金属膜電極が負極として機能する。
以下、アルミニウム核亜鉛部6bを中心に、金属化フィルム2および金属化フィルム3の構成について詳述する。ただし、金属化フィルム3は金属化フィルム2と同様の構成を有するので、以下では金属化フィルム2の構成のみを説明する。
金属化フィルム2において、誘電体フィルム5の表面に形成された金属膜電極6は、アルミニウム部6aとアルミニウム核亜鉛部6bとを有している。アルミニウム核亜鉛部6bは図1Aに示すように、アルミニウム部6aと電気的に連続している。アルミニウム核亜鉛部6bは、アルミニウムよりなる核に、亜鉛にて形成された蒸着材料を蒸着することで形成される。実施形態1におけるアルミニウム核亜鉛部6bは、アルミニウム核亜鉛部6bを配置する位置にアルミニウム部6aと同時にアルミニウム部6aと同じ成分を有するアルミニウム層を一旦形成し、その後、そのアルミニウム層に亜鉛を重ねて蒸着することで形成される。すなわち、誘電体フィルム5の表面5aの金属膜電極6を形成する部分の略全面にアルミニウム層を一旦形成した後、所定の位置のみに亜鉛を重ねて蒸着することで、その所定の位置にアルミニウム核亜鉛部6bが配置される。所定の位置以外の部位にアルミニウム部6aが配置された金属膜電極6が完成する。このようにアルミニウム核亜鉛部6bは、アルミニウムの層の上にさらに亜鉛の層を重ねて形成することで作製されるが、最終製品としての金属化フィルムコンデンサ1においては、時間を経てアルミニウムと亜鉛とが拡散等によりアルミニウムの層と亜鉛の層の間を移動し、入り混じった状態となっている。より正確には、このアルミニウム核亜鉛部6bの誘電体フィルム5に当接する部分はアルミニウムが比較的多く含有し、誘電体フィルム5の反対側の部分は亜鉛をより多く含有する。したがって、アルミニウム核亜鉛部6bでは明確にアルミニウムの層と亜鉛の層に分かれていない。
また、図1Aにおいては金属化フィルム2の構成を簡便に示すため、アルミニウム部6aとアルミニウム核亜鉛部6bの境界を明確に示すが、実際にはアルミニウム部6aとアルミニウム核亜鉛部6bとの間でもそれぞれの成分が拡散等により互いに移動する。したがって、現実的にはアルミニウム部6aとアルミニウム核亜鉛部6bの境界は明確に示されるとは限らない。
なお、アルミニウム部6aとアルミニウム核亜鉛部6bを形成するためのアルミニウム層を形成するに際して、そのアルミニウム層のアルミニウム核亜鉛部6bを形成する部分のみ他の部分と比べ局部的に薄くしてもよい。薄いアルミニウム層を形成する方法としては、例えば、薄いアルミニウム層を形成したい位置のみアルミニウムの蒸着材料の供給速度すなわちアルミニウム線材を送る速度を遅くしてアルミニウムの金属粒子の単位時間あたりの発生量を少なくする方法が挙げられる。これ以外の方法でアルミニウム層を薄く形成してもよい。
なお、アルミニウム核亜鉛部6bも金属である亜鉛およびアルミニウムで形成されたものであることから、アルミニウム部6aと同様に金属化フィルムコンデンサ1の電極として機能する。
次に、アルミニウム核亜鉛部6bを形成する位置について説明する。
実施形態1における金属化フィルム2では、図1Bに示すように、長手方向D2に真直ぐ延びる2本のスリット12が設けられている。スリット12は金属膜電極6が存在せず、誘電体フィルム5の表面5aが金属膜電極6から露出する部位である。金属膜電極6を形成する蒸着工程の前に、誘電体フィルム5上のスリット12を形成する位置にオイルを予め塗布し、蒸着工程の際に蒸着材料の金属粒子がその位置に付着することを防ぐことで、スリット12が形成される。スリット12により、金属膜電極6は誘電体フィルム5の幅方向D1に配列された3つの大電極部13に分割される。3つの大電極部13のそれぞれは誘電体フィルム5の幅方向D1に配列されたスリット14により複数の小電極部15に分割される。スリット14もスリット12と同様に、蒸着工程の前に誘電体フィルム5にオイルを塗布しておくことで形成される。なお、実施形態1では金属化フィルム2は3つの大電極部13を有するが、2つの大電極部13、あるいは4つ以上の大電極部13を有していてもよい。実施形態1において、小電極部15は矩形状を有するが、これに限らず菱形等の他の形状を有していてもよい。また、複数の小電極部15の形状は同じである必要はなく、互いに異なる形状を有していてもよい。
スリット12内に設けられたヒューズ16は互いに隣り合う大電極部13を電気的に接続する。より厳密には、大電極部13のそれぞれを構成する複数の小電極部15のうち、幅方向D1に互いに隣り合う小電極部15がヒューズ16で電気的に接続されている。スリット12を形成するためのオイルを、スリット12を形成する部分のうちヒューズ16を設ける部位には塗布せず、蒸着工程でその部位に金属粒子を付着させることでヒューズ16が形成される。
アルミニウム核亜鉛部6bは、図1Aと図1Bに示すようにヒューズ16の周辺に設けられている。図1Bに示すように、アルミニウム核亜鉛部6bはヒューズ16に設けられていてもよい。具体的には、図1Bに示すように、アルミニウム核亜鉛部6bはスリット12に面しスリット12に沿って長手方向D2に真直ぐ延びるようにスリット12の両側に設けられている。実施形態1においては、スリット12の両端から2mm程度の範囲においてアルミニウム核亜鉛部6bが形成されている。
以下、実施形態1における金属化フィルムコンデンサ1の効果について説明する。
特許文献1に開示されている従来の金属化フィルムコンデンサの金属蒸着電極102の材料としてはアルミニウムが用いられる。
金属蒸着電極102としてアルミニウムを用いた金属化フィルムコンデンサが、一般家電機器用として交流100Vのような商用電源や、あるいはインバータの単相整流回路の平滑化前の回路、すなわち電圧波形のピーク間の電位差Vp−pが大きい回路において使用された場合、コロナ放電により金属蒸着電極102の特に端部から酸化が発生、促進する、いわゆる「電極後退」が発生し、容量が減少する場合が有る。
特に、ヒューズ107の周辺部分においてこの電極後退が発生してヒューズ107が電気的に切断されてしまった場合、ヒューズ107を介して電流が供給される小分割電極部105の全てが電気的に切り離され、容量が大幅に減少する。
このように、特に金属蒸着電極がアルミニウムにて形成され、かつヒューズを備えた金属化フィルムコンデンサにおいては、電極後退により容量減少を招きやすい。
まず、実施形態1における金属化フィルムコンデンサ1はアルミニウム核亜鉛部6bにより容量減少を抑制することができる。ヒューズ16の周辺に設けられたアルミニウム核亜鉛部6bは、酸化が進行しにくい亜鉛を含有する。したがって、アルミニウム核亜鉛部6bが設けられたヒューズ16の周辺の金属膜電極6の部分において電極後退が発生、進行しにくい。その結果、電極後退を原因としたヒューズ16の切断を防止することができ、容量減少を抑制できる。したがって、金属化フィルムコンデンサ1は長期に亘って特性を維持することができ、信頼性に優れている。
例えば、特許文献2で開示されている従来の金属化フィルムコンデンサでは、金属膜電極全体がアルミニウム核亜鉛層で構成されている。亜鉛はアルミニウムに比べてイオン化傾向が大きいので、外部の水分や酸素と反応し、酸化し易い。亜鉛が酸化すると、金属膜電極全体としての膜抵抗値が大きくなってtanδが上昇する虞があるので、金属膜電極全体に亘って亜鉛を用いることは好ましくない。また、亜鉛はアルミニウムに比べて自己回復性能に劣るため、金属膜電極全体に亜鉛を用いると、アルミニウムの有する高い自己回復性能を十分に活かしきれず、金属化フィルムコンデンサとしての信頼性が低下してしまう虞がある。
実施形態1における金属化フィルムコンデンサ1においては、金属膜電極6の一部分に選択的にアルミニウム核亜鉛部6bが配置されている。このため、金属化フィルムコンデンサ1は、アルミニウムの有する高い自己回復性能を保持しつつ、さらに電極後退による容量減少を抑制できる。
実施形態1における金属化フィルムコンデンサ1では、アルミニウム核亜鉛部6bはスリット12に沿ってスリット12の両側に設けられている。
金属膜電極6の電極後退はヒューズ16の周辺の部分のみでなく、スリット12の周辺の部分においても発生する。実施形態1においてはスリット12の両側においてアルミニウム核亜鉛部6bを設け、スリット12周辺の金属膜電極6における電極後退を抑制している。したがって、実施形態1における金属化フィルムコンデンサ1は容量減少をさらに抑制できる。
スリット12に沿って設けられたアルミニウム核亜鉛部6bを有する金属化フィルム2の製造方法について以下に簡単に説明する。なお、以下では、金属化フィルム2作製のための全工程を説明するのではなく、スリット12に沿うようにアルミニウム核亜鉛部6bを形成する工程に絞って説明する。
まず、蒸着工程においては、アルミニウムの金属蒸気が放出される蒸気口の上に誘電体フィルム5を連続的に長手方向D2に搬送することで誘電体フィルム5の表面5aにアルミニウム層が形成される。その後、アルミニウム層の所定の位置に、亜鉛の金属蒸気を吹き付けることでアルミニウム核亜鉛部6bが形成される。アルミニウム層のうち亜鉛の金属蒸気が吹き付けられた所定の位置以外の部分にアルミニウム部6aが形成される。スリット12に沿うように選択的にアルミニウム核亜鉛部6bを設けるためには、スリット12に対応する位置に亜鉛の金属蒸気を放出する蒸気口を配置するとよい。そして、この蒸気口から連続的に亜鉛の金属蒸気を放出し、この金属蒸気をアルミニウム層の上に吹き付けることで、スリット12に沿うようにアルミニウム核亜鉛部6bを形成することができる。
図2は実施形態1における金属化フィルムコンデンサ1の他の金属化フィルム71の平面図である。図2において、図1Aに示す金属化フィルム2と同じ部分には同じ参照番号を付す。図2に示す金属化フィルム71では、アルミニウム核亜鉛部6bは、スリット12、14に面してスリット12、14に沿って配置されている。
スリット14の両側の金属膜電極6部分においても電極後退は発生する。スリット14の両側にスリット14に沿ってアルミニウム核亜鉛部6bを配置することで、金属化フィルムコンデンサ1の容量減少をさらに抑制することができる。
スリット12、14に沿ってアルミニウム核亜鉛部6bを配置した金属化フィルム71の製造方法について簡単に説明する。
スリット12に沿うようにしてアルミニウム核亜鉛部6bを配置する製造方法は上述の製造方法と同様である。さらに、スリット14に沿うようにしてアルミニウム核亜鉛部6bを形成するためには、まずスリット14の長さと同等の幅の亜鉛の別の蒸気口を準備し、スリット14の位置に合わせてその蒸気口を配置する。誘電体フィルム5を長手方向D2に搬送する際に、この蒸気口の上部をスリット14が通過する時点にこの蒸気口のシャッターを開き、その時点以外では蒸気口のシャッターを閉じる。このシャッターの開閉動作を繰り返しながら連続的に搬送される誘電体フィルム5に亜鉛を蒸着することで、スリット14に沿うように選択的にアルミニウム核亜鉛部6bを配置することができる。
なお、実施形態1における金属化フィルムコンデンサ1においては、金属化フィルム2、金属化フィルム3のいずれにおいてもアルミニウム核亜鉛部6bを有するが、これに限らず、金属化フィルム2、3のいずれか一方の金属化フィルム2にのみアルミニウム核亜鉛部6bを形成してもよい。
(実施形態2)
図3は実施形態2における金属化フィルムコンデンサの金属化フィルム21の平面図である。図3において、図1Aと1Bに示す実施形態1における金属化フィルム2と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施形態2における金属化フィルムコンデンサは、実施形態1における金属化フィルムコンデンサ1とアルミニウム核亜鉛部6bの位置が異なる。実施形態2における金属化フィルムコンデンサでは、金属化フィルム3も金属化フィルム21と同様の構成を有する。
図3に示すように、金属化フィルム21はヒューズ16の周辺にのみアルミニウム核亜鉛部6bが設けられている。具体的には、図3においてアルミニウム核亜鉛部6bは、ヒューズ16と、ヒューズ16を中心とする略円形状の部分にのみ設けられている。ヒューズ16で電極後退が発生した場合、この電極後退が発生したヒューズ16を介して電流が供給される複数の小電極部15の全てが電気的に切り離されてしまい、大幅に金属化フィルムコンデンサの容量が減少する。図3に示す金属化フィルム21では、アルミニウム核亜鉛部6bは、この大幅な容量減少の原因となるヒューズ16とヒューズ16の周辺のみに設けられており、スリット12やスリット14に沿っては設けられていない。すなわち、実施形態2における金属化フィルムコンデンサでは、アルミニウム核亜鉛部6bを配置する部位を金属化フィルムコンデンサの容量減少の主な原因となるヒューズ16と、ヒューズ16の周辺のみに留め、誘電体フィルム5上のアルミニウムが占める割合をできる限り多くしている。したがって、実施形態2における金属化フィルムコンデンサは、アルミニウムの有する高い自己回復性能をさらに有効的に有する。
ヒューズ16の周辺にのみアルミニウム核亜鉛部6bを配置するには、亜鉛の蒸着工程において、ヒューズ16の位置に対応する位置に設けた亜鉛の蒸気口のシャッターを、ヒューズ16が通過する時点で開閉する。
(実施形態3)
図4は実施形態3における金属化フィルムコンデンサの金属化フィルム31の平面図である。図4において、図1Aと1Bに示す実施形態1における金属化フィルム2と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施形態3における金属化フィルムコンデンサでは、金属化フィルム3も金属化フィルム31と同様の構成を有する。
実施形態3における金属化フィルム31は、実施形態1における金属化フィルム2の金属膜電極6の代わりに、誘電体フィルム5の表面5aに設けられた金属膜電極34を有する。図4に示すように、実施形態3における金属化フィルム31では、誘電体フィルム5の幅方向D1の略中央にスリット33が設けられている。スリット33により、金属膜電極34は誘電体フィルム5の幅方向D1に配列された非分割電極部35と分割電極部36とに分割される。
非分割電極部35は、図4に示すように、誘電体フィルム5の長手方向D2に連続して配置されており、長手方向D2に延びる長辺と、幅方向D1に延びる短辺とを有する矩形状を有する一枚の大きな電極である。さらに、非分割電極部35は外部電極4aと直接接触している。したがって、外部機器から金属化フィルムコンデンサに流れる電流は、まず外部電極4aを介して非分割電極部35に流れ込む。
分割電極部36は、図4に示すように、長手方向D2に真直ぐ延びる2本のスリット37と、幅方向D1に真直ぐ延びる複数のスリット38とにより、複数の小電極部39に格子状に分割される。複数の小電極部39のそれぞれは矩形状を有する。実施形態3においては、複数の小電極部39は、長手方向D2に真直ぐスリット38を介して配列されている。複数の小電極部39よりそれぞれなりかつスリット37で区切られている3つの列が幅方向D1に配列されている。なお、実施形態3においては、複数の小電極部39のそれぞれは矩形状を有するが、菱形等の他の形状を有していてもよい。また、複数の小電極部39は同じ形状を有している必要もなく、互いに異なる形状を有していてもよい。実施形態3においては、長手方向D2に配列された複数の小電極部39よりそれぞれなる3つの列が幅方向D1に配列されているが、これに限らず、長手方向D2に配列された複数の小電極部39よりそれぞれなる2つの列が幅方向D1に配列されていてもよく、あるいは長手方向D2に配列された複数の小電極部39よりそれぞれなる4つ以上の列が幅方向D1に配列されていてもよい。
非分割電極部35と分割電極部36は複数のスリット33に設けられたヒューズ40を介して電気的に接続されている。具体的には、分割電極部36を構成する複数の列のそれぞれでの複数の小電極部39のうち非分割電極部35に最も近い列を構成する小電極部39が非分割電極部35とヒューズ40にて接続されている。
さらに、幅方向D1に互いに隣り合う小電極部39はスリット37に設けられたヒューズ41にて互いに接続されている。
すなわち、実使用においては、外部機器から金属化フィルムコンデンサに流れる電流は、まず非分割電極部35に流れ込み、次いでヒューズ40を通じて非分割電極部35に最も近い列の小電極部39に流れる。そして、非分割電極部35に最も近い列の小電極部39に流れた電流は、ヒューズ41を通じて最終的に非分割電極部35から最も遠い列の小電極部39に流れ込む。
このような構成の金属化フィルム31において、アルミニウム核亜鉛部34bはヒューズ40と、ヒューズ40の周辺とに配置されている。具体的には、図4に示すように、スリット33に面してスリット33に沿って長手方向D2に真直ぐにかつスリット33の両側に設けられている。実施形態3においては、スリット33の両側から2mm程度の範囲においてアルミニウム核亜鉛部34bが配置されている。
アルミニウム部34aは、金属膜電極34のうち、上記アルミニウム核亜鉛部34b以外、すなわち非分割電極部35と分割電極部36とのスリット33の両端を含む部分以外の部位に配置されている。なお、アルミニウム部34aならびにアルミニウム核亜鉛部34bは実施形態1におけるアルミニウム部6aならびにアルミニウム核亜鉛部6bと同様の構造を有する。
この構成により、実施形態3における金属化フィルム31を用いた金属化フィルムコンデンサは、ヒューズ40の周辺における電極後退を抑制してヒューズ40の切断を防止することができ、容量減少を抑制することができる。また、実施形態3における金属化フィルム31では、誘電体フィルム5の表面5aの略半分の面積を非分割電極部35が占め、誘電体フィルム5の表面5aの幅方向D1の略中央にスリット33が設けられている。この構成においては、コンデンサ素子を形成するために2枚の金属化フィルムを重ね合わせた際に、金属化フィルムのそれぞれのスリット33が互いに重なり合うか、非常に近い位置に位置する。ここで、2枚の金属化フィルムのスリット33に配置されたヒューズ40は共に流れる電流の密度が高く、発熱し易い。したがって、実施形態3におけるコンデンサ素子はその中央部において温度上昇が顕著に見られ、この箇所において酸化劣化が促進され易い。すなわち、図4に示すように誘電体フィルム5の幅方向D1の略中央にスリット33およびヒューズ40が配置された金属化フィルム31においては、ヒューズ40の周辺の電極後退を抑制し、ヒューズ40をできる限り初期の状態に保つことが特に重要であり、アルミニウム核亜鉛部34bを選択的に設けることは実施形態3の金属化フィルム31に特に有用である。
また、実施形態3においては、アルミニウム核亜鉛部34bはスリット33に沿ってスリット33の両側に設けられている。これにより、スリット33の周辺の金属膜電極34の電極後退を抑制することができ、容量減少をさらに抑制できる。
なお、スリット33に沿ってアルミニウム核亜鉛部34bを形成する際には、実施の形態1における金属化フィルム2のスリット12に沿ったアルミニウム核亜鉛部6bを形成した方法と同様の方法を用いることができる。
図5は実施形態3における他の金属化フィルム31aの平面図である。図5において、図4に示す金属化フィルム31と同じ部分には同じ参照番号を付す。図5に示す金属化フィルム31aでは、アルミニウム核亜鉛部34bはスリット33に面してスリット33に沿って設けられ、さらにスリット37に面してスリット37に沿って設けられている。
この構成により、ヒューズ41において発生する電極後退も抑制することができる。さらに、スリット37の両端の金属膜電極34における電極後退も抑制することができ、実施形態3における金属化フィルムコンデンサの容量減少をさらに抑制することができる。
なお、スリット37に沿うようにアルミニウム核亜鉛部34bを形成するに際しては、実施の形態1における金属化フィルム2のスリット12に沿ってアルミニウム核亜鉛部6bを形成した方法と同様の方法を用いることができる。
図6は実施形態3におけるさらに他の金属化フィルム31bの平面図である。図6において、図5に示す金属化フィルム31aと同じ部分には同じ参照番号を付す。図6に示す金属化フィルム31bでは、アルミニウム核亜鉛部34bは、スリット33とスリット37とスリット38とに面してスリット33、37、38に沿って設けられている。
この構成により、スリット38の両端の金属膜電極34における電極後退も抑制することができ、実施形態3における金属化フィルムコンデンサの容量減少をさらに抑制することができる。
なお、スリット38に沿ってアルミニウム核亜鉛部34bを形成するに際しては、実施の形態1における金属化フィルム2のスリット14に沿うようにアルミニウム核亜鉛部6bを形成した方法と同様の方法を用いることができる。
また、実施形態3における金属化フィルム31、31a、31bでは、スリット33が誘電体フィルム5の幅方向D1の略中央に設けられ、誘電体フィルム5の表面5aの略半分の面積を分割電極部36が占める。これに限らずスリット33を設ける位置を変更し、分割電極部36が誘電体フィルム5上を占める面積は適宜変更しても構わない。
(実施形態4)
図7は、実施形態4における金属化フィルムコンデンサに用いる金属化フィルム51の平面図である。図7において、図4に示す実施形態3における金属化フィルム31と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施形態4における金属化フィルムコンデンサでは実施形態3の金属化フィルム31とアルミニウム核亜鉛部34bを設ける位置が異なる。実施形態3における金属化フィルムコンデンサでは、金属化フィルム3(図1A)も金属化フィルム51と同様の構成を有する。
図7に示すように、金属化フィルム51はヒューズ40とヒューズ40周辺とにのみアルミニウム核亜鉛部34bが設けられている。具体的には、アルミニウム核亜鉛部34bはヒューズ40を中心とする略円形状の部分に設けられている。ヒューズ40にて電極後退が発生した場合、電極後退が発生したヒューズ40を介して電流が供給される複数の小電極部39の全てが電気的に切り離されてしまい、大幅に金属化フィルムコンデンサの容量が減少する。図7に示す金属化フィルム51では、大幅な容量減少の原因となるヒューズ40のみにアルミニウム核亜鉛部34bを設け、スリット33、スリット37、スリット38に沿ってはアルミニウム核亜鉛部34bは設けられていない。すなわち、アルミニウム核亜鉛部34bの形成は金属化フィルムコンデンサの容量減少の主な原因となる位置のみに留め、誘電体フィルム5上のアルミニウムが占める割合をできる限り多くして、アルミニウムの有する高い自己回復性能を有効的に有する金属化フィルムコンデンサが得られる。
また、図4に示す実施形態3における金属化フィルム31と同様、金属化フィルム51においても、ヒューズ40によっては流れ込む電流の量が局所的に多くなる場合があり、このような箇所のヒューズ40が電極後退により細くなっているとヒューズ40が容易に切断され、この結果、容量減少を招いてしまう。したがって、ヒューズ40を初期の状態に保ち続けることは実施形態4における電極パターンを有する金属化フィルム51にとって重要である。
図8は実施形態4における他の金属化フィルム51aの平面図である。図8において、図7に示す金属化フィルム51と同じ部分には同じ参照番号を付す。図8に示す金属化フィルム51aでは、アルミニウム核亜鉛部34bはヒューズ40とヒューズ40の周辺とに設けられ、さらに、ヒューズ41とヒューズ41の周辺とにも設けられている。この構成により、ヒューズ41において発生する電極後退も抑制することができる。
なお、ヒューズ40、41とヒューズ40、41の周辺とにアルミニウム核亜鉛部34bを形成する際には、実施の形態2におけるヒューズ16の周辺にアルミニウム核亜鉛部6bを形成した方法と同様の方法を用いることができる。
(実施形態5)
図9は実施形態5における金属化フィルムコンデンサに用いる金属化フィルム61の平面図である。図9において、図4に示す実施形態3における金属化フィルム31と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施形態5における金属化フィルムコンデンサでは、他方の金属化フィルム3(図1A参照)も金属化フィルム61と同様の構成を有する。
実施形態5における金属化フィルム61は、実施形態3における金属化フィルム31の金属膜電極34の代わりに、誘電体フィルム5の表面5aに設けられた金属膜電極62を有する。金属膜電極62は、実施形態3における金属化フィルム31の金属膜電極34の非分割電極部35と分割電極部36とスリット33、37、38とヒューズ40、41とそれぞれ同様の構造を有する非分割電極部64と分割電極部63とスリット66、68、69とヒューズ65、65aを有する。ヒューズ65は分割電極部63と非分割電極部64とを接続する。金属化フィルム61においては、金属膜電極62の分割電極部63と非分割電極部64とのうち、分割電極部63全体がアルミニウム核亜鉛部62bにて形成されている。より詳細には、分割電極部63と、ヒューズ65と、非分割電極部64のスリット66に面してスリット66に沿った端部にアルミニウム核亜鉛部62bが形成されている。非分割電極部64のスリット66に沿った端部は、図9に示すスリット66の左端から2mm程度までの幅で、スリット66に沿って長手方向D2に連続して真直ぐ延びる領域である。一方で、非分割電極部64のスリット66に沿った端部以外の部位は実質的にアルミニウムのみよりなるアルミニウム部62aで構成されている。
この構成により、スリット66、スリット68、スリット69が夫々アルミニウム核亜鉛部62bで囲まれることになり、電極後退が発生する可能性のある部位全てにアルミニウム核亜鉛部62bが配置される。この結果、金属化フィルム61の電極後退を全般的に抑制することができ、金属化フィルムコンデンサの容量減少を抑制できる。
また、金属化フィルム61を上述の構成にする際には、蒸着工程において、アルミニウム核亜鉛部62bを設ける部位、すなわち幅方向D1の略半分に亜鉛の金属蒸気を放出するように蒸気口を調整する。実施形態5における金属化フィルム61のアルミニウム核亜鉛部62bは、幅方向D1の略半分に相当する部位に連続的に亜鉛の金属蒸気を吹き付けることで形成できる。したがって、蒸着口のシャッターの開閉を高精度に制御する必要がなく、蒸着装置を比較的容易に制御できる。したがって、実施形態5における金属化フィルムコンデンサは生産性が高い。また、作製された夫々の金属化フィルムコンデンサ間の特性のばらつきも小さく、実施形態5における金属化フィルムコンデンサは安定した品質にて供給され得る。
なお、各実施形態における金属化フィルムコンデンサでは、誘電体フィルム5の片方の表面5aにのみ金属膜電極が形成された一対の金属化フィルムが重ね合わされている。これに限らず誘電体フィルム5の両方の表面5a、5bのそれぞれに金属膜電極を形成した両面金属化フィルムを用いて金属化フィルムコンデンサを構成してもよい。この金属化フィルムコンデンサは、対向する金属膜電極どうしを絶縁するための合わせフィルムとともに両面金属化フィルムを巻回することで作製される。この場合、アルミニウム核亜鉛部は、両面金属化フィルムの両面あるいはいずれか一方の面の金属膜電極に配置される。
本発明による金属化フィルムコンデンサは長期に亘って特性を維持でき優れた信頼性を有しているので、自動車の電装用など、広い分野での電子、電気機器に有用である。
1 金属化フィルムコンデンサ
2 金属化フィルム(第1の金属化フィルム)
3 金属化フィルム(第2の金属化フィルム)
4a 外部電極(第1の外部電極)
4b 外部電極(第2の外部電極)
5 誘電体フィルム
6 金属膜電極(第1の金属膜電極)
6a アルミニウム部
6b アルミニウム核亜鉛部
7 絶縁マージン
8 誘電体フィルム
9 金属膜電極(第2の金属膜電極)
10 絶縁マージン
12 スリット(第1のスリット)
13 大電極部(第1の大電極部、第2の大電極部)
14 スリット(第2のスリット)
15 小電極部
16 ヒューズ(第1のヒューズ、第2のヒューズ)
21 金属化フィルム
31 金属化フィルム
33 スリット(第1のスリット)
34 金属膜電極(第1の金属膜電極)
34a アルミニウム部
34b アルミニウム核亜鉛部
35 非分割電極部
36 分割電極部
37 スリット(第2のスリット)
38 スリット(第3のスリット)
39 小電極部
40 ヒューズ
41 ヒューズ
51 金属化フィルム
61 金属化フィルム
62 金属膜電極
62a アルミニウム部
62b アルミニウム核亜鉛部
63 分割電極部
64 非分割電極部
65 ヒューズ
66 スリット(第1のスリット)
68 スリット(第2のスリット)
69 スリット(第3のスリット)

Claims (13)

  1. 誘電体フィルムと、
    前記誘電体フィルムの表面に設けられた第1の金属膜電極と、
    前記誘電体フィルムを介して前記第1の金属膜電極に対向する第2の金属膜電極と、
    を有するコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子に設けられて前記第1の金属膜電極に接続された第1の外部電極と、前記コンデンサ素子に設けられて前記第2の金属膜電極に接続された第2の外部電極と、を備え、
    前記第1の金属膜電極は、
    第1のスリットにより互いに分離された第1の大電極部と第2の大電極部と、
    前記第1のスリットに設けられて前記第1の大電極部と前記第2の大電極部とに接続された第1のヒューズと、
    を有し、
    前記第1の金属膜電極は、実質的にアルミニウムのみを含有するアルミニウム部と、亜鉛を主に含有してアルミニウムをさらに含有するアルミニウム核亜鉛部とを有し、
    前記アルミニウム部は少なくとも前記第1の大電極部のうちの第1のスリットに面した部分以外の部分に配置され、
    前記アルミニウム核亜鉛部は少なくとも前記第1のヒューズの周辺に配置されている、金属化フィルムコンデンサ。
  2. 前記アルミニウム核亜鉛部は、前記第1スリットに面して前記第1スリットの両側に配置されている、請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  3. 前記アルミニウム核亜鉛部は前記ヒューズに直接繋がっている、請求項2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  4. 前記第2の大電極部は、
    複数の第2のスリットにより互いに分離された複数の小電極部と、
    前記複数の第2のスリットにそれぞれ設けられて、前記複数の小電極部のうち前記複数の第2のスリットを介して互いに対向する複数の小電極部を接続する複数の第2のヒューズ
    と、
    を有し、
    前記アルミニウム核亜鉛部は、前記複数の第2スリットに面して前記第2スリットの両側に配置されている、請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  5. 前記アルミニウム核亜鉛部は前記複数の第2のヒューズに直接繋がっている、請求項4に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  6. 前記アルミニウム核亜鉛部は前記第1のヒューズの周辺にのみ配置されている、請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  7. 誘電体フィルムと、
    前記誘電体フィルムの表面に設けられた第1の金属膜電極と、
    前記誘電体フィルムを介して前記第1の金属膜電極に対向する第2の金属膜電極と、
    を有するコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子に設けられて前記第1の金属膜電極に接続された第1の外部電極と、前記コンデンサ素子に設けられて前記第2の金属膜電極に接続された第2の外部電極と、を備え、
    前記第1の金属膜電極は、
    前記第1の外部電極に繋がる非分割電極部と、
    第1のスリットにより前記非分割電極部から分離する分割電極部と、
    前記第1のスリットに設けられて前記非分割電極部と前記分割電極部とを接続する第1のヒューズと、
    を有し、
    前記第1の金属膜電極は、実質的にアルミニウムのみよりなるアルミニウム部と、亜鉛を主に含有してアルミニウムをさらに含有するアルミニウム核亜鉛部とを有し、
    前記分割電極部は、互いに分割された複数の小電極部を有し、
    前記アルミニウム部は少なくとも前記非分割電極部のうちの第1のスリットに面した部分以外の部分に配置され、
    前記アルミニウム核亜鉛部は少なくとも前記第1のヒューズの周辺に配置されている、金属化フィルムコンデンサ。
  8. 前記アルミニウム核亜鉛部は前記第1スリットに面して前記第1スリットの両側に配置されている、請求項7に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  9. 前記分割電極部の前記複数の小電極部は第2のスリットにより互いに分割されており、
    前記アルミニウム核亜鉛部は前記第1のスリットと前記第2のスリットに面して前記第1のスリットと前記第2のスリットとのそれぞれの両側に配置されている、請求項7または8に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  10. 前記分割電極部の前記複数の小電極部は前記第2のスリットにより前記誘電体フィルムの幅方向に互いに分割され、かつ第3のスリットにより前記誘電体フィルムの長手方向に分割されており、
    前記アルミニウム核亜鉛部は前記第1のスリットと前記第2のスリットと前記第3のスリットとに面して前記第1のスリットと前記第2のスリットと前記第3のスリットとのそれぞれの両側に配置されている、請求項7から9のいずれか一項に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  11. 前記アルミニウム核亜鉛部は、前記第1のヒューズの周辺にのみ配置されている、請求項7に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  12. 前記分割電極部は、前記複数の小電極部を互いに接続する第2のヒューズをさらに有し、前記アルミニウム核亜鉛部は、前記第1のヒューズと前記第2のヒューズの周辺にのみに配置されている、請求項7に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  13. 誘電体フィルムと、
    前記誘電体フィルムの表面に設けられた第1の金属膜電極と、
    前記誘電体フィルムを介して前記第1の金属膜電極に対向する第2の金属膜電極と、
    を有するコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子に設けられて前記第1の金属膜電極に接続された第1の外部電極と、前記コンデンサ素子に設けられて前記第2の金属膜電極に接続された第2の外部電極と、を備え、
    前記第1の金属膜電極は、
    前記第1の外部電極に繋がる非分割電極部と、
    第1のスリットにより前記非分割電極部から分離する分割電極部と、
    前記第1のスリットに設けられて前記非分割電極部と前記分割電極部とを接続する第1のヒューズと、
    を有し、
    前記第1の金属膜電極は、実質的にアルミニウムよりなるアルミニウム部と、亜鉛を主に含有しアルミニウムをさらに含有するアルミニウム核亜鉛部とを有し、
    前記アルミニウム核亜鉛部は、前記非分割電極部の前記第1スリットに面する端部と、前記分割電極部と、前記第1のヒューズとを構成し、
    前記アルミニウム部は、前記非分割電極部の前記端部以外の部分を構成する、金属化フィルムコンデンサ。
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