JP2016046291A - フィルムコンデンサ素子及びその製造方法 - Google Patents

フィルムコンデンサ素子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016046291A
JP2016046291A JP2014167368A JP2014167368A JP2016046291A JP 2016046291 A JP2016046291 A JP 2016046291A JP 2014167368 A JP2014167368 A JP 2014167368A JP 2014167368 A JP2014167368 A JP 2014167368A JP 2016046291 A JP2016046291 A JP 2016046291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
film capacitor
layer
capacitor element
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014167368A
Other languages
English (en)
Inventor
伊藤 薫
Kaoru Ito
薫 伊藤
睦 蒔田
Mutsumi Makita
睦 蒔田
真淑 野口
Masumi Noguchi
真淑 野口
旭人 寺島
Akihito Terajima
旭人 寺島
宗孝 早川
Munetaka Hayakawa
宗孝 早川
貴章 田中
Takaaki Tanaka
貴章 田中
陽史 下山
Akifumi Shimoyama
陽史 下山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kojima Industries Corp
Original Assignee
Kojima Press Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kojima Press Industry Co Ltd filed Critical Kojima Press Industry Co Ltd
Priority to JP2014167368A priority Critical patent/JP2016046291A/ja
Publication of JP2016046291A publication Critical patent/JP2016046291A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ベースフィルムの片側に蒸着重合膜を形成した複合フィルムコンデンサであって、大気下において仮に吸水が起きた場合においても、著しい形状変化を生じないものを提供すること。【解決手段】樹脂フィルムの一方の面上に、金属層と蒸着重合膜層とが順に設けられてなる積層体の二つを、それら二つの積層体における金属層及び蒸着重合膜層が設けられていない側の面同士が接した状態にて接合することにより、目的とするフィルムコンデンサ素子を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムコンデンサ素子及びその製造方法に係り、特に、積層型フィルムコンデンサを製造する際に有利に用いられるフィルムコンデンサ素子と、その製造方法に関するものである。
各種の電子機器や電気機器においては、従来より、様々な態様のコンデンサが使用されている。特に、近年は、電子機器等に対する小型化の要求に対応すべく、プラスチックフィルムを誘電体として利用するフィルムコンデンサが、広く採用されるようになってきている。
そのようなフィルムコンデンサとしては、特許文献1(特公平7−66896号公報)に開示されている如き、両面に金属電極が形成された金属化フィルムと、その片面若しくは両面に形成された誘電体膜とから構成されるものの他、巻回タイプのフィルムコンデンサ(巻回型フィルムコンデンサ)や、積層タイプのフィルムコンデンサ(積層型フィルムコンデンサ)が広く知られている。
それら各種のフィルムコンデンサのうち、積層型フィルムコンデンサは、一般に、特許文献2(特開2012−222299号公報)にて開示されているように、誘電体層と金属層とが積層されてなる構造の基本素子を用いて、かかる基本素子の複数を積層せしめることにより構成されている。なお、本明細書及び特許請求の範囲においては、積層タイプや巻回タイプのフィルムコンデンサを製造する際に用いられる基本素子であって、少なくとも一つの誘電体層と少なくとも一つの金属層とが積層形成されてなるものを、フィルムコンデンサ素子と称する。また、以下においては、適宜、フィルムコンデンサ素子を単に素子と表現する。
また、フィルムコンデンサ素子としては、一つの樹脂フィルム層及び少なくとも一つの蒸着重合膜からなる誘電体層と、少なくとも一つの金属層とが積層形成されてなる構造を呈するものが、特許文献2において提案されている。
ところで、積層型フィルムコンデンサの製造方法としては、従来より、特許文献3(特公平6−11020号公報)等にて明らかにされている方法が広く知られている。かかる特許文献3等にて開示の製造方法は、具体的に以下の手順に従って進められる。即ち、先ず、誘電体膜と金属膜とが積層されてなる、長尺で帯状の積層体(フィルムコンデンサ素子)を、回転体の支持面に巻回せしめることにより、全体として筒状を呈するフィルムコンデンサ素子の積層体(フィルムコンデンサ素子積層体)を形成し、その後、かかる積層体を一定の長さに切り分ける。そして、切り分けられたフィルムコンデンサ素子積層体に対して、その積層方向両側の面に、必要に応じて保護フィルムが更に積層され、また、その積層方向に直交する方向の両側側面にメタリコン電極が形成されることにより、目的とする積層型フィルムコンデンサが得られるのである。このように、特許文献3等にて明らかにされている製造方法は、一定の長さに切り分けられたフィルムコンデンサ素子積層体が大量に得られるところから、同一の静電容量を有するフィルムコンデンサの大量製造には非常に適した手法であるものの、例えば、静電容量の異なるフィルムコンデンサを少量、製造することについては、比較的不向きであると言わざるを得ないのである。
特公平7−66896号公報 特開2012−222299号公報 特公平6−11020号公報
かかる状況の下、本発明者等が、積層型フィルムコンデンサの製造に関して、鋭意、研究を進めたところ、誘電体層として樹脂フィルムよりなる層(樹脂フィルム層)及び蒸着重合膜よりなる層(蒸着重合膜層)を併せ持つフィルムコンデンサ素子にあっては、大気下において、誘電体層が吸水することにより素子が大きく変形する場合があることが判明した。これは、樹脂フィルム及び蒸着重合膜を構成する各材料の吸水率の相違に起因すると考えられ、特に、蒸着重合膜層がポリユリア樹脂にて構成されている素子や、張力が加えられていない状態の素子において、著しい変形を生ずることが認められた。
前述した特許文献3等に開示の製造方法においては、長尺で帯状のフィルムコンデンサ素子に対して、回転体の支持面に巻回せしめる際に張力がかかる。このため、フィルムコンデンサ素子として、誘電体層として樹脂フィルム層及び蒸着重合膜層を併せ持つものを用いた場合でも、素子の幅方向における両端部にて多少の変形(巻き込み又は反り)が発生するものの、そのような多少の変形は、回転体の支持面に巻回せしめて素子の積層体を形成することに大きな影響を与えるものではない。しかしながら、樹脂フィルム層及び蒸着重合膜層を誘電体層として有する、長尺で帯状のフィルムコンデンサ素子を、大気下において切断し、その切断したものの積層を試みても、切断物(フィルムコンデンサ素子)の変形が著しく、積層することがほぼ不可能であることが判明したのである。
ここにおいて、本発明は、上記した本発明者等の知見に基づいて為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、ベースフィルムの片側に蒸着重合膜を形成した複合フィルムコンデンサであって、大気下において仮に吸水が起きた場合においても、著しい形状変化を生じないものを提供することにある。また、そのようなフィルムコンデンサ素子を有利に製造することが出来る方法を提供することも、本発明の解決課題とするところである。
そして、本発明は、かかる課題を解決すべく、樹脂フィルムの一方の面上に、金属層と蒸着重合膜層とが順に設けられてなる積層体の二つが、該二つの積層体における金属層及び蒸着重合膜層が設けられていない側の面同士が接した状態にて、接合されてなるフィルムコンデンサ素子を、その要旨とするものである。
また、本発明は、樹脂フィルムの一方の面上に、金属層と蒸着重合膜層とが順に設けられてなる積層体の二つを、それら二つの積層体の各々が長手方向に引張された状態の下、該二つの積層体における金属層及び蒸着重合膜層が設けられていない側の面同士が接するように重ね合わせ、該重ね合わされた二つの積層体を、それらの積層方向に押圧することによって一体的にすることを特徴するフィルムコンデンサ素子の製造方法をも、その要旨とするものである。
このように、本発明に従うフィルムコンデンサ素子にあっては、樹脂フィルムの一方の面上に金属層と蒸着重合膜層とが順に設けられてなる積層体の二つが、それら二つの積層体における金属層及び蒸着重合膜層が設けられていない側の面同士が接した状態にて接合されて、構成されているところから、大気中にて蒸着重合膜層が吸水しても、素子全体の変形が有利に抑制されることとなるのである。
また、本発明に従うフィルムコンデンサ素子の製造方法においては、上記した優れた特性を有するフィルムコンデンサ素子を、工業的に有利に製造することが可能である。
本発明に従うフィルムコンデンサ素子の一例を示す断面説明図である。 図1に示すフィルムコンデンサ素子の製造工程の一例を示す概略図である。 図1に示すフィルムコンデンサ素子を用いて構成されるフィルムコンデンサの一例を示す断面説明図である。 本発明に従うフィルムコンデンサ素子の他の一例を示す断面説明図である。 図4に示すフィルムコンデンサ素子を用いて構成されるフィルムコンデンサの一例を示す断面説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の代表的な実施形態にについて、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
図1は、本発明に従うフィルムコンデンサ素子の一例が、その縦断面形態において示されている。かかる図1からも明らかなように、フィルムコンデンサ素子10は、樹脂フィルム12、12’の一方の面上に、金属層14、14’と蒸着重合膜層16、16’とが、この順にて設けられてなる二つの積層体18、18’を、金属層14、14’及び蒸着重合膜層16、16’が設けられていない側の面同士が接した状態において接合することにより、構成されている。
より具体的には、フィルムコンデンサ素子10を与える積層体18(18’)において、樹脂フィルム12(12’)は、ポリプロピレン製の長手の二軸延伸フィルムからなるものであり、1〜10μm程度の厚さを有している。なお、この樹脂フィルム12(12’)としては、従来のフィルムコンデンサの誘電体膜層を構成する樹脂フィルムが、何れも使用可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニリデン等からなる樹脂フィルムが用いられ得る。また、それらの樹脂フィルムは、必ずしも、二軸延伸フィルムでなくとも良い。
また、積層体18(18’)における金属層14(14’)は、アルミニウムにて構成されており、PVDやCVDの範疇に属する、従来から公知の真空蒸着法に従って、樹脂フィルム12(12’)上に成膜されている。かかる金属層14(14’)は、フィルムコンデンサ素子10を用いて得られるフィルムコンデンサにおいて、内部電極を構成することとなる。なお、金属層14(14’)を構成する金属材料としては、アルミニウムに限定されるものではなく、フィルムコンデンサの内部電極を形成する公知の金属材料、例えば、亜鉛等も使用可能である。また、金属層14(14’)の形成手法にあっても、上述の真空蒸着法に限定されるものではなく、樹脂フィルム12(12’)上に薄膜状の金属層を形成可能な手法であれば、如何なるものであっても採用可能である。加えて、金属層14(14’)の膜厚抵抗値は、通常、1〜50Ω/cm2 程度とされる。そして、本実施形態に係る積層体18(18’)においては、金属層14(14’)は、積層体18(18’)表面において、その幅方向(図1における左右方向。以下、同じ。)における一方側の端部(図1における左側端部)を除いた部分に積層されているのである。
さらに、金属層14(14’)の表面には、樹脂材料よりなる蒸着重合膜層16(16’)が形成されている。蒸着重合膜層16(16’)は、樹脂フィルム12(12’)よりも小さな幅を有し、樹脂フィルム12(12’)に対して、その幅方向の略中央部に配置されている。即ち、樹脂フィルム12(12’)における、表面に金属層14(14’)が設けられた側の端部(図1において右側端部)においては、蒸着重合膜層16(16’)が設けられておらず、金属層14(14’)が露出しているのであり、この露出している金属層14(14’)の端部が、後述するフィルムコンデンサにおいて、正極側及び負極側の二つのメタリコン電極のうちの一方と連結される連結部20(20’)となる。一方、樹脂フィルム12(12’)における、表面に金属層14(14’)が設けられていない側の端部(図1において左側端部)においては、樹脂フィルム12(12’)の表面が露出したマージン部が確保された状態にて、樹脂フィルム12(12’)及び金属層14(14’)を覆うように蒸着重合膜層16(16’)が形成されている。そして、蒸着重合膜層16(16’)は、樹脂フィルム12(12’)と共に、フィルムコンデンサ素子10を用いて得られるフィルムコンデンサにおいて誘電体層として機能することとなる。
ここで、蒸着重合膜層16(16’)は、従来より公知の真空蒸着重合法に従って、樹脂フィルム12(12’)の一方の面上に形成されている。即ち、誘電体となり得る重合体(樹脂材料)を与える原料(モノマー)を、真空槽内に供給し、真空槽内に配置された樹脂フィルム12(12’)の表面上乃至は表面近傍にて重合させ、生成した重合体によって樹脂フィルム12(12’)上に成膜されているのである。真空蒸着重合法は、ナノオーダーでの膜厚制御が可能であり、また、均一な成膜が可能である。加えて、生真空蒸着重合法に従って得られる膜は、他の手法に従って得られる膜と比較して、不純物量が少ないという利点がある。このため、蒸着重合膜層16(16’)は、高い誘電率及び優れた耐電圧特性を有しているのである。
また、蒸着重合膜層16(16’)を構成する樹脂材料としては、真空蒸着重合法に従って成膜可能な樹脂材料であれば、如何なるものであっても採用可能である。具体的には、ポリユリア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等を、例示することが出来る。これらの中でも、特に、樹脂フィルム12(12’)を構成する樹脂材料よりも高い誘電率を有するものが好適に採用されるのであり、本実施形態においては、ポリユリア樹脂が採用されている。
さらに、蒸着重合膜層16(16’)の膜厚は、特に限定されるものではないが、0.001〜10μm程度であることが望ましい。蒸着重合膜層16(16’)を0.001μm未満の膜厚で形成することは容易ではなく、0.001μm以上の膜厚とすることが現実的である。一方、蒸着重合膜層16(16’)の厚さが10μmを超えると、最終的に得られるフィルムコンデンサにおいて小型化を図ることが困難となる恐れがある。
そして、上述の如き構成を有する積層体18、18’が、積層体18における連結部20が設けられた側の端部と、積層体18’における連結部20’が設けられていない側の端部とを対応させ、且つ、金属層14、14’及び蒸着重合膜層16、16’が設けられていない側の面同士が接した状態において、接合されることにより、本発明に従うフィルムコンデンサ素子10が構成されているのである。
従来の、誘電体層として樹脂フィルム層及び蒸着重合膜層とを有するフィルムコンデンサ素子にあっては、大気に晒されると蒸着重合膜層(及び樹脂フィルム層)が吸湿し、それら蒸着重合膜層等を構成する樹脂材料の吸湿率の相違により、素子全体が著しく変形する。しかしながら、本発明に従うフィルムコンデンサ素子10にあっては、積層体18と積層体18’は同一形状を呈しており、積層体18にて生ずる変形と積層体18’にて生ずる変形とが相殺されることとなり、以て、吸湿による変形が生じ難いものとなっているのである。
このように、本発明に従うフィルムコンデンサ素子にあっては、大気中においても吸湿による変形の発生が著しく抑制されるところから、真空下におけるフィルムコンデンサの製造に用いられ得ることは勿論のこと、大気中におけるフィルムコンデンサの製造において、特に有利に用いられるのである。
ところで、本発明に従うフィルムコンデンサ素子10は、有利には、以下の手法に従って製造される。
図2は、本発明に従うフィルムコンデンサ素子の製造工程の一例を概略的に示す説明図である。図2(a)に示される積層体18は、紙面表裏方向に延びる長手帯状を呈しているところ、図2(a)においては、大気下において、長手方向(図2において紙面表裏方向)に引張された状態にある積層体18が示されている。本実施形態において、積層体18の樹脂フィルム12はポリプロピレンにて構成され、また、蒸着重合膜層16はポリユリア樹脂にて構成されているところから、かかる構成の積層体18を大気中にて長手方向(紙面表裏方向)に引張すると、樹脂フィルム12の端部は、蒸着重合膜層16が設けられていない側に向かって巻き込むように変形する。なお、この巻き込みの程度は、積層体18に加えられる張力の大きさや、積層体18を構成する各層の材料の種類等に応じて変化する。
次いで、図2(b)に示すように、積層体18に対して、積層体18’を、積層体18における連結部20が設けられた端部と積層体18’における連結部20’が設けられていない側の端部とが対応するように、配置する。なお、積層体18’に対しては、積層体18に対する張力と同様の張力が加えられている。
そして、図2(b)に示された状態にある積層体18、18’に対して、それら積層体の積層方向(図2において紙面上下方向)に押圧力を加えて一体的にすることにより、図2(c)に示されるような本発明に従うフィルムコンデンサ素子10が得られるのである。なお、二つの積層体を押圧して一体的にするに際しては、例えば、上述してきた長手帯状の積層体18、18’を、図2(b)に示すように重ね合わせて、その重ね合わせた状態で所定の巻回ロールに巻回せしめ、その巻回の際の巻き締め力を利用することが可能である。また、図2(b)に示される二つの積層体18、18’に対して、それらの積層方向(紙面上下方向)にプレス加工を施すことによって、二つの積層体18、18’を圧着せしめることも可能である。
このような製造手法に従うことにより、本発明のフィルムコンデンサ素子を、簡易に、且つ工業的に製造することが可能である。
そして、上述したフィルムコンデンサ素子10にあっては、その複数が用いられてフィルムコンデンサが製造される。本発明に従うフィルムコンデンサ素子を用いたフィルムコンデンサの一例を、図3に示す。かかる図3に示されるフィルムコンデンサ22を製造する際には、先ず、複数(ここでは、3個)のフィルムコンデンサ素子10を積層すると共に、積層された複数のフィルムコンデンサ素子10の両側の端面に対して、保護フィルム24、24をそれぞれ、更に積層する。なお、この保護フィルム24、24には、例えば、フィルムコンデンサ素子10の樹脂フィルム12と同じ樹脂製のフィルム等が用いられる。
そして、そのような複数のフィルムコンデンサ素子10と保護フィルム24、24より構成される積層体の両側側面に対して、例えば、亜鉛等の金属材料を、公知の手法により溶射して、メタリコン電極26を各々、形成する。それら二つのメタリコン電極26、26は、上下方向において互いに隣り合うフィルムコンデンサ素子10、10の間において、1)下側に位置するフィルムコンデンサ素子10における金属層14の連結部20と、上側に位置するフィルムコンデンサ素子10の樹脂フィルム12との間に形成される隙間内に、また、2)下側に位置するフィルムコンデンサ素子10における金属層14の連結部が設けられていない側の端部(図3において左側端部)と、上側に位置するフィルムコンデンサ素子10における金属層14’の連結部20’との間に形成される隙間内に、それぞれ効果的に侵入する。これによって、二つのメタリコン電極26、26が、各フィルムコンデンサ素子10の金属層14、14’に対して、電気的に確実に接続されることとなる。かくして、積層体タイプのフィルムコンデンサ22が製造されるのである。なお、このフィルムコンデンサ22には、必要に応じて、図示しない端子等が、各メタリコン電極26にそれぞれ接続される。
図3に示す如き、本発明のフィルムコンデンサ素子を用いて得られるフィルムコンデンサ22にあっては、隣り合うフィルムコンデンサ素子10、10間に加えて、フィルムコンデンサ素子10を構成する積層体18、18’間も、ガス抜け層として効果的に機能し得る。従って、絶縁破壊が生じた場合にあっても、コンデンサ全体の破壊が有利に抑制され、コンデンサとしての機能を喪失する恐れが小さい、所謂、セルフヒーリング(クリアリング)性に優れるという特性を、フィルムコンデンサ22は有しているのである。
以上、本発明の代表的な実施形態の一つを詳述したが、本発明が、上記した実施形態の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
具体的には、樹脂フィルムの一方の面上に金属層と蒸着重合膜層とが順に設けられてなる積層体の二つが、相対的にずれた状態にて接合されてなるフィルムコンデンサ素子を、他の実施形態として例示することが可能である。
すなわち、上述した図2(b)の工程において、積層体18に対して、積層体18’を、積層体18における連結部20が設けられた端部と積層体18’における連結部20’が設けられていない側の端部とが対応するように、且つ、積層体18(18’)における連結部20(20’)が設けられた側の樹脂フィルム12(12’)端部が、相対する積層体18’(18)における連結部20’(20)が設けられていない側の樹脂フィルム12’(12)端部より僅かに突出するように配置し、かかる状態にて、積層体18、18’に対してプレス加工を施す。その結果、図4に示す如き、積層体18(18’)における連結部20(20’)が設けられた側の樹脂フィルム12(12’)端部が、相対する積層体18(18’)側に僅かに巻き込んだ状態(以下、傾斜した状態と称する。)のフィルムコンデンサ素子28が得られることとなる。
図4に示す如きフィルムコンデンサ素子28を用いて得られるフィルムコンデンサの一例を、図5に示す。なお、図5に示すフィルムコンデンサ30は、図3に示されるフィルムコンデンサ22と同様に、3個のフィルムコンデンサ素子28が積層されていると共に、積層された複数のフィルムコンデンサ素子28の両側の端面に対して、保護フィルム24、24が更に積層されている。また、3個のフィルムコンデンサ素子28と保護フィルム24、24より構成される積層体の両側側面に対しては、所定の金属材料を用いて、メタリコン電極26が各々、形成されている。
そして、図5からも明らかなように、フィルムコンデンサ素子28における金属層14、14’の連結部20、20’は傾斜した状態にあり、そのようなフィルムコンデンサ素子28の積層体は、図3に示されるフィルムコンデンサ素子10の積層体と比較して、メタリコン電極26、26に対してより大きな開口部が設けられることとなる。従って、図5に示すフィルムコンデンサ30にあっては、図3に示されるフィルムコンデンサ22と比較して、メタリコン電極26を構成する金属材料が、隣接するフィルムコンデンサ素子28間に形成される隙間により効果的に侵入し、連結部20、20’とメタリコン電極26、26との間の接触面積が効果的に増大して接合抵抗が小さくなり、その結果、ESR(等価直列抵抗)がより小さいものとなるのである。
10 フィルムコンデンサ素子 12 樹脂フィルム
14 金属層 16 蒸着重合膜層
18 積層体 20 連結部
22 フィルムコンデンサ 24 保護フィルム
26 メタリコン電極 28 フィルムコンデンサ素子
30 フィルムコンデンサ

Claims (2)

  1. 樹脂フィルムの一方の面上に、金属層と蒸着重合膜層とが順に設けられてなる積層体の二つが、該二つの積層体における金属層及び蒸着重合膜層が設けられていない側の面同士が接した状態にて、接合されてなるフィルムコンデンサ素子。
  2. 樹脂フィルムの一方の面上に、金属層と蒸着重合膜層とが順に設けられてなる積層体の二つを、それら二つの積層体の各々が長手方向に引張された状態の下、該二つの積層体における金属層及び蒸着重合膜層が設けられていない側の面同士が接するように重ね合わせ、該重ね合わされた二つの積層体を、それらの積層方向に押圧することによって一体的にすることを特徴するフィルムコンデンサ素子の製造方法。
JP2014167368A 2014-08-20 2014-08-20 フィルムコンデンサ素子及びその製造方法 Pending JP2016046291A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014167368A JP2016046291A (ja) 2014-08-20 2014-08-20 フィルムコンデンサ素子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014167368A JP2016046291A (ja) 2014-08-20 2014-08-20 フィルムコンデンサ素子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016046291A true JP2016046291A (ja) 2016-04-04

Family

ID=55636614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014167368A Pending JP2016046291A (ja) 2014-08-20 2014-08-20 フィルムコンデンサ素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016046291A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016100550A (ja) * 2014-11-26 2016-05-30 小島プレス工業株式会社 フィルムコンデンサ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016100550A (ja) * 2014-11-26 2016-05-30 小島プレス工業株式会社 フィルムコンデンサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8861178B2 (en) Film capacitor element, film capacitor, and method of producing the film capacitor element
US8228661B2 (en) Film capacitor and method of producing the same
SE529278C2 (sv) Kondensatorelement, förfarande för tillverkning av ett kondensatorelement samt användning av en kraftkondensator
JP6380450B2 (ja) 金属化フィルムコンデンサとその製造方法、および金属化フィルム積層体
US20160126016A1 (en) Film capacitor
JP6383933B1 (ja) 金属化フィルム、版ロール
US8830652B2 (en) Humidity resistant electronic components
JP2011061191A (ja) フィルムコンデンサ
CN112912980B (zh) 内侧涂有丙烯酸介电层的薄膜电容器
JP2016046291A (ja) フィルムコンデンサ素子及びその製造方法
JP2013247207A (ja) フィルムコンデンサ素子の製造方法
JP5641810B2 (ja) フィルムコンデンサ
JP6430328B2 (ja) コンデンサ素子の製造方法
KR20160021484A (ko) 접철형 커패시터
JP2015170695A (ja) 積層型フィルムコンデンサ、コンデンサモジュール、および電力変換システム
JP6321414B2 (ja) フィルムコンデンサ
US20090225491A1 (en) Metallized film capacitor
KR102495439B1 (ko) 금속화 필름, 금속화 필름 롤, 판 롤
JP2009277866A (ja) フィルムコンデンサ及びその製造方法
KR101558287B1 (ko) 커패시터용 유전체 필름 및 이를 이용한 고에너지밀도 커패시터 제조 방법
JP2016100550A (ja) フィルムコンデンサ
JPH02222129A (ja) フィルムコンデンサおよびその製造方法
JP2004087653A (ja) 金属化フィルムコンデンサ
JP2009272461A (ja) フィルムコンデンサ
CN114868215A (zh) 薄膜电容器元件及薄膜电容器