JP6747615B1 - パネル部材 - Google Patents

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Abstract

自動車のパネル部材の衝突性能を向上させる。直線状に配置された複数の円形の凹部10を備え、凹部10が直線状に3つ並ぶ部分を凹部群Gと称したとすると、第1の凹部群G1と、第1の凹部群G1に並列に配置された第2の凹部群G2と、を有し、第1の凹部群G1内の凹部10の中心と、該凹部10から最も近い位置にある第2の凹部群G2内の凹部10の中心と、を結ぶ第1の直線L1と、第1の凹部群G1内の各凹部10の中心を結ぶ第2の直線L2とのなす角が80度以上100度以下である、パネル部材1を構成する。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2018年9月14日に日本国に出願された特願2018−172238号に基づき、優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は、自動車のパネル部材に関する。
自動車の車体には衝突性能の向上と共に軽量化が求められる。衝突性能は、主に車体のフレームを構成するサイドメンバーやサイドシル等の部材によって担保されている。衝突性能をさらに向上させるためには、フレームの材料の板厚を厚くしたり、フレームに補強部材を設けるといった方法があるが、このような方法は軽量化の観点においては好ましくない。一方で、衝突性能を向上させるために、例えばサイドシルに繋がるフロアパネル等のパネル部材において、衝突に対する抵抗力を高める方法も考えられる。
特許文献1には、円形の凹部がフロアパネル本体部にハニカム状に配置され、凹部同士がリブで連結されたフロアパネルが開示されている。特許文献2には、車長方向の前部において円形の剛性調整部が設けられたフロアパネルが開示されている。
また、特許文献3には、種々の装置において効果的にエネルギー吸収を行う複合モジュール式エネルギ吸収アセンブリが開示され、例えば複数の円形の凹部が並列的に配置された構成が開示されている(特許文献3の図3、図11等参照)。
特開2017−061275号公報 特開2005−059817号公報 特表2005−514560号公報
衝突試験の一種であるSmall Over Lap試験においては、サイドシルの車長方向の前方から荷重が入力され、フロアパネルにはせん断力が生じる。これに伴い、フロアパネルに面外変形が生じると、せん断方向への座屈(以下、“せん断座屈”)が誘発され、この際にフロアパネルに大きなせん断座屈が生じると、衝突性能向上の観点におけるフロアパネルの寄与度が小さくなる。
特許文献1のフロアパネルは、ハニカム状に凹部が配置されていることにより、斜め方向(車長方向と車幅方向の間の方向)への大きな面外変形が発生しやすく、衝突性能向上の観点においては改善の余地がある。
特許文献2のフロアパネルは、フロアパネルの剛性を高めることなく、フロアパネルの振動による騒音を低減することを目的としたものである。すなわち、特許文献2で開示される技術は、フロアパネルの剛性を高めて大きな面外変形の発生を抑制する技術とは相反するものである。
特許文献3に記載の複合モジュール式エネルギ吸収アセンブリは、より軽量で、可能な限り短い衝突距離でより大きな衝撃エネルギを吸収できることを目的としている。この特許文献3には、円形の凹部の構成として深さDと直径Wとの比(0.5〜0.3)や、直径Wと凹部間の間隔Sとの比(0.2〜0.7)が開示されている。更には、凹部の側面傾斜角度αが0〜45度である旨が開示されている。しかしながら、特許文献3に記載の複合モジュール式エネルギ吸収アセンブリは、一部塑性的、かつ、一部弾力的に潰れるような熱可塑性シート(熱可塑性樹脂)によって構成され、凹部同士を作用的に連結した構成を有するものであり、衝突性能を担保すべき自動車のフロアパネル等のパネル部材に適した技術とは言えない。
また、本発明者らの検討によれば、自動車のパネル部材に凹部を形成する場合に、当該凹部は必ずしも円形でなくとも良く、そのサイズや個数、配置等のより詳細な構成条件を規定することで衝突性能に更なる向上の余地があると考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、自動車のパネル部材の衝突性能を向上させることを目的とする。
上記課題を解決する本発明の一態様は、1枚のパネルからなるパネル部材であって、直線状に配置された複数の円形又は楕円形の凹部を備え、前記凹部が直線状に3つ並ぶ部分を凹部群と称したとすると、少なくとも第1の凹部群と、前記第1の凹部群に並列に配置された第2の凹部群と、を有し、前記第1の凹部群内の前記凹部の中心と、該凹部から最も近い位置にある前記第2の凹部群内の前記凹部の中心と、を結ぶ第1の直線と、前記第1の凹部群内の各凹部の中心を結ぶ第2の直線とのなす角が80度以上100度以下であり、前記凹部は、当該凹部底面を構成する底部と、当該底部の周囲に立設する側壁部からなり、前記底部と前記側壁部とのなす傾斜角ξが20度以上90度以下であることを特徴としている。


自動車のパネル部材の衝突性能を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るパネル部材の概略形状を示す図である。 パネル部材の凹部の配置を説明するための図である。 凹部の配置に対するパネル部材の面外変形発生部(破線部)を示す図である。図中の矢印は、せん断力の方向を示している。 隣り合う凹部の中心を含むように切断したパネル部材の断面図である。 凹部の配置例を示す図である。 比較例の衝突シミュレーションにおけるフロアパネルに生じた反力の履歴を示す図である。 発明例の衝突シミュレーションにおけるフロアパネルに生じた反力の履歴を示す図である。 比較例の衝突シミュレーションにおけるフロアパネルに生じた反力の履歴を示す図である。 角θを変えた場合のシミュレーション結果を示す図である。 車長方向におけるフロアパネルの凹部の個数と、車幅方向においてフロアパネルに生じた反力の関係を示す図である。 s/dの値と、車長方向の最大反力との関係を示す図である。 傾斜角ξと、車長方向の最大反力との関係を示す図である。 短長径比b/aと車長方向の最大反力との関係を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本実施形態のパネル部材1の概略形状を示す図である。図1のX方向は車長方向、Y方向は車幅方向、Z方向は車高方向であり、X方向、Y方向およびZ方向は互いに垂直である。図1に示されるように、本実施形態のパネル部材1は、X方向に沿って設けられた複数の凹部10を有している。凹部10は平面視において円形状である。なお、凹部10は、パネル部材1の車内側から見て凹んだ形状であってもよいし、車外側から見て凹んだ形状であってもよい。例えばパネル部材1がフロアパネルである場合、凹部10は、上方から見て凹んだ形状であってもよいし、下方から見て凹んだ形状であってもよい。凹部10が車内側から見て凹んだ形状である場合、車外側から見た凹部10は凸形状となっている。
本実施形態のパネル部材1においては、直線状に配置された凹部10の列が1列形成された部分と、2列形成された部分がある。なお、凹部10の列の配置は、特に限定されず、要求される衝突性能やパネル部材1(本実施形態ではフロアパネル)の形状等に応じて適宜変更される。また、凹部10の列の長さも特に限定されず、要求される衝突性能やパネル部材1(本実施形態ではフロアパネル)の形状等に応じて適宜変更される。但し、自動車のフロアパネルとしてパネル部材1を用いる場合、衝撃性能の向上を図る観点から、直線状に配置された凹部10の列は、自動車の車長方向に沿った配置構成であることが好ましい。
本実施の形態に係るパネル部材1の材質は任意であるが、自動車のフロアパネルとして用いられる場合、例えば鉄(ハイテン材含む)、アルミ、CFRP等が好ましい。
図2は、凹部10の列が複数並んでいる箇所の拡大図であり、本実施形態のパネル部材1の凹部10の配置を説明するための図である。本明細書においては、パネル部材1が有する、凹部10が直線状に3つ並ぶ部分を“凹部群G”と称す。図2に示されるように凹部群Gが並列に複数配置されている場合、任意の凹部群Gを“第1の凹部群G1”と称し、第1の凹部群G1の隣に位置するように第1の凹部群G1に対して並列に配置された凹部群Gを“第2の凹部群G2”と称す。図2の例では、4つの凹部10からなる列が2列示されているが、この場合、第1の凹部群G1はX方向に沿って2つ存在し、第2の凹部群G2もX方向に沿って2つ存在している。衝突性能向上の観点からは、第1の凹部群G1および第2の凹部群G2は本実施形態のように複数設けられていることが好ましい。
ここで、パネル部材1が接合されたサイドシル(不図示)に対し、軸方向の荷重が入力された場合を考える。図3は、その場合のフロアパネルの凹部10の配置に対する面外変形の発生部を示す図である。図3中の破線部は面外変形発生部を示し、図3中の矢印はせん断力の方向を示している。従来配置(a)は、凹部10がハニカム状に配置された例であり、従来配置(b)は、4つの凹部10が正方形状に配置された例である。
図3のようにせん断力が生じる場合、凹部10が配置されたパネル部材1においては、せん断力の方向に対して傾斜した方向(以下、“傾斜方向”)に沿って面外変形が生じやすい。面外変形は、パネル部材1の相対的に剛性の弱い部分に生じるが、従来配置(a)の場合、剛性の弱い部分、すなわち凹部10が形成されていない部分が傾斜方向において広い領域で連続しており、傾斜方向に沿って大きな面外変形が生じる可能性がある。この面外変形に伴い、大きなせん断座屈が生じた場合には、衝突性能向上の観点におけるパネル部材1の寄与度が小さくなる。また、従来配置(b)の場合も、依然として傾斜方向において剛性の弱い部分が多いために、パネル部材1の衝突性能向上への寄与度は小さい。
一方、本実施形態の凹部10の配置の場合、第1の凹部群G1と第2の凹部群G2とが並列に配置されていることにより、剛性の低い部分が傾斜方向において広い領域で連続せず、大きな面外変形が生じにくくなる。これにより、衝突時においてパネル部材1に大きなせん断座屈が生じにくくなり、パネル部材1における衝突に対する抵抗力を高めることが可能となる。その結果、パネル部材1の衝突性能を向上させることができる。
<第1の凹部群G1と第2の凹部群G2の位置関係>
パネル部材1を上記のように機能させるためには、第1の凹部群G1と第2の凹部群G2の位置関係が所定の条件を満たす必要がある。本明細書では、図2に示されるような平面視において、第1の凹部群G1内の任意の凹部10の中心と、当該凹部10に最も近い位置にある第2の凹部群G2内にある凹部10の中心とを結ぶ直線のことを“第1の直線L1”と称す。また、平面視において、第1の凹部群G1内の各凹部10の中心を結ぶ直線のことを“第2の直線L2”と称す。パネル部材1の凹部10は、第1の直線L1と第2の直線L2とのなす角θが80度以上100度以下となるように配置されている必要がある。角θがこの範囲を満たす場合には、大きな面外変形の発生を抑えることができる。なお、第1の直線L1と第2の直線L2とのなす角θは、85度以上であることがより好ましい。また、第1の直線L1と第2の直線L2とのなす角θは95度以下であることがより好ましい。
<凹部間の距離>
図4は、隣り合う凹部10の中心を含むように切断したパネル部材1の断面図である。本明細書においては、凹部10間の距離をs、凹部10の直径をd、凹部10の深さをhと表記する。凹部10間の距離sは、図4のように隣り合う凹部10の中心を含むように切断した断面において、パネル部材1の凹部10が形成されていない面の長さ(一方の稜線部のR止まりから他方の稜線部のR止まりまでの長さ)である。以降、凹部10が形成されていない面を「基準面」とする。凹部間距離sは、要求される衝突性能やパネル部材1の形状等に応じて適宜変更されるが、第1の凹部群G1内の隣り合う凹部10間の距離、および第2の凹部群G2内の隣り合う凹部10間の距離は、それぞれs≦3d/10を満たしていることが好ましい。凹部10間の距離sが3d/10以下である場合には、大きな面外変形の発生を抑える効果を高めることができる。
また、隣り合う凹部10は、図4の基準面において離間することが好ましい。ここで「離間する」とは架橋部その他の連結部を有さないことである。仮に、凹部10同士が架橋部等の連結部により連結されていると、当該連結部の分だけ凹部10の側壁(側壁部10b)の長さが減少し、大きな面外変形の発生を抑えるといった効果が低減する。
また、パネル部材1は、第1の凹部群G1内の凹部10と第2の凹部群G2内の凹部10間の距離sも3d/10以下を満たしていることが好ましい。なお、第1の凹部群G1内の凹部10と第2の凹部群G2内の凹部10との距離を算出する際の“凹部間距離s”とは、第1の凹部群G1内の任意の凹部10と、当該凹部10に最も近い位置にある第2の凹部群G2内の凹部10との間の距離のことである。
本実施形態においては、第1の凹部群G1内の各凹部10間の距離sが互いに等しくなっているが、各凹部10間の距離sは互いに異なっていてもよい。また、本実施形態においては、第2の凹部群G2内の各凹部10間の距離sが互いに等しくなっているが、各凹部10間の距離sは互いに異なっていてもよい。また、本実施形態においては、第1の凹部群G1と第2の凹部群G2で隣り合う凹部10同士の距離sが互いに等しくなっているが、凹部10同士の距離sは互いに異なっていてもよい。いずれの場合においても、凹部間距離sと凹部10の直径dの関係がs≦3d/10を満たしていれば、大きな面外変形の発生を抑える効果を高めることができる。凹部10同士の距離sは例えば5mm以上が好ましく、凹部10の直径d以下であることが好ましい。
なお、本実施形態では、パネル部材1に設けられた各凹部10の直径dが互いに等しくなっているが、各凹部10の直径dは互いに異なっていてもよい。この場合、隣り合う凹部10間の距離sと凹部10の直径dとの関係を算出する際に使用される“凹部10の直径d”とは、隣り合う凹部10の直径の平均値である。凹部10の直径dの値は、パネル部材1の周囲のスペースやパネル部材1の成形性に応じて適宜変更されるが、例えば3mm以上100mm以下が好ましい。また、凹部10の深さhについても同様に互いに異なっていてもよい。凹部10の深さhは、好ましくは3mm以上であり、さらに好ましくは5mm以上である。また、凹部10の深さは30mm以下が好ましい。
<凹部の側壁部の傾斜角度>
また、図4に示すように、本実施の形態に係る凹部10は凹部底面を構成する底部10aと、当該底部10aの周囲に立設する側壁部10bから構成される。底部10aと側壁部10bとのなす角(以下、側壁部の傾斜角ξ)は20度以上90度以下であり、より好ましくは45度以上90度以下であり、さらに好ましくは60度以上である。この傾斜角ξは90度に近い角度であるほど、パネル部材1の衝撃性能は向上するが、90度に構成するのは部材製造上困難であるため、20度以上90度以下の好適な角度に設計される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記実施形態では、凹部10の列が平行に2列並んでいることによりX方向に沿って第1の凹部群G1と第2の凹部群G2が形成されていたが、例えば図5のように凹部10の列を平行に3列並ぶようにして、Y方向にも第1の凹部群G1と第2の凹部群G2が形成されるようにしてもよい。これにより、せん断力に起因した面外変形の発生を抑える効果を高めることができる。また、上記実施形態においては、自動車のパネル部材1としてフロアパネルを例に挙げて説明したが、パネル部材1はフロアパネルに限定されず、例えばルーフパネル、フードインナーパネル、またはバックドアインナーパネル等であってもよい。なお、第1の凹部群G1および第2の凹部群G2が形成される方向として好ましい方向(例えば車長方向、車幅方向または車高方向等)は、パネル部材1の適用箇所に応じて適宜変更される。
また、上記実施の形態では、凹部10は、パネル部材1の車内側から見て凹んだ形状であってもよいし、車外側から見て凹んだ形状であってもよいと説明したが、車内側から見て凹形状と凸形状が混在するような構成でも良い。この場合、車内側から見た凹形状と、車外側から見た凹形状の寸法や構成が、いずれも上記実施の形態で説明したような各条件を満たせば良い。
また、上記実施の形態では、凹部10は平面視において円形状である旨を説明したが、必ずしも真円形状である必要はなく、平面視において略円形状、楕円形状であっても良い。凹部10が平面視で楕円形状である場合に、当該楕円の長径をa、短径をbとすると、短長径比であるb/aの値は1/3以上2以下に設計することが好ましく、さらには、1/2以上2以下に設計することが好ましい。なお、凹部10が楕円形状である場合には、上記実施の形態で説明した凹部の直径dは長径aと短径bの平均径とすればよい。
<実施例1>
本発明の一例である図1のフロアパネルを備えた車体の解析モデルを作成し、Small Over Lap試験を模擬したシミュレーションを実施した。解析モデルのフロアパネルは、凹部の深さが5mmであり、凹部の直径は64mmである。また、第1の凹部群内の凹部間距離、第2の凹部群内の凹部間距離、および第1の凹部群内の凹部と第2の凹部群内の凹部との間の距離はそれぞれ14mmである。第1の凹部群と第2の凹部群との位置関係を示す前述の第1の直線と第2の直線とのなす角θ(図2)は90度である。なお、比較例として、上記の本発明例の解析モデルに対して凹部が設けられていない解析モデルを作成して、同様の条件でシミュレーションを実施した。また、比較例として、角θが60度の場合の解析モデルを作成して、同様の条件でシミュレーションを実施した。車体の解析モデルにおける車幅は170mm、車長は250mmとした。
図6は、比較例のシミュレーションにおけるインパクタの衝突時に生じたフレームを含むフロアの断面力(反力)の履歴を示す図である。また、図7は、発明例のシミュレーションにおけるインパクタの衝突時に生じた同様の反力の履歴を示す図である。図6および図7の縦軸において、マイナスの領域にある反力の大きさは、衝突に対する抵抗力を示している。なお、本実施例に係る各図(図6〜図8)の横軸に示したTimeにおいて、60ms以降がフロアパネルに衝突による荷重が到達した履歴を示している。
図6および図7の結果によれば、発明例の方が車長方向および車幅方向における反力の大きさが比較例よりも大きくなっている。すなわち、本発明例のように凹部を配置することで、パネル部材としての衝突に対する抵抗力を高めることができ、エネルギー吸収量を増加させることが可能となる。また、図8は、角θが60度の場合のシミュレーション結果を示しているが、図7と図8の比較から明らかなように、本発明例のように凹部を配置することで、最大反力を高めることができ、衝突性能を向上させることができる。
次に、角θが異なる解析モデルを複数作成し、上記シミュレーションと同様の条件でシミュレーションを実施した。図9は、そのシミュレーション結果である。図9に示されるように、角θが80度以上100度以下の範囲内にある場合には、軸力に対する最大反力が、従来の凹部の配置の場合よりも大きくなり、衝突性能が向上している。
次に、フロアパネルの車長方向の凹部の個数が異なる解析モデルを複数作成し、上記シミュレーションと同様の条件でシミュレーションを実施した。そのシミュレーション結果を図10に示す。なお、図10に示される凹部の個数が3つ以上である解析モデルは、本発明に係る“凹部群”を有しているモデルであり、第1の凹部群と第2の凹部群を有している。図10に示されるように、車長方向における凹部が3つである場合には、凹部が2つである場合と比較して車幅方向の反力がほぼ倍増しており、顕著な効果が現れている。
<実施例2>
また、図11はs/dの値と、車長方向の最大反力との関係を示す図であり、上記実施例1と同じ解析モデルを用いた解析結果のグラフである。併せて、以下の表1には、本実施例の解析結果を示している。
Figure 0006747615
図11に示すように、s/dの値が0.3を超えると車長方向の最大反力が顕著に低下している。これは、凹部10間の距離sが3d/10以下である場合には、図3を参照して上述したような大きな面外変形の発生が抑えられ、その結果、車長方向の最大反力、即ち、衝突に対する抵抗力が高まっていることを示している。この解析結果から、上記実施の形態で説明したように、凹部間距離sと凹部の直径dの関係がs≦3d/10を満たすことが好ましいといえる。
<実施例3>
また、図12は傾斜角ξと、車長方向の最大反力との関係を示す図であり、上記実施例1と同じ解析モデルを用いた解析結果のグラフである。併せて、以下の表2には、本実施例の解析結果を示している。
Figure 0006747615
図12に示すように、傾斜角ξが20度以上であれば車長方向の最大反力が多少増大し、さらに、傾斜角ξが45度以上である場合に車長方向の最大反力が増大化し、さらには、傾斜角ξが60度以上である場合に、車長方向の最大反力がより顕著に増大化している。この解析結果から、上記実施の形態で記載したように、本発明に係る凹部の底部と側壁部とのなす角である傾斜角ξは20度以上であることが好ましく、さらには45度以上であることが好ましく、さらには60度以上であることが好ましいといえる。
<実施例4>
また、図13は上記実施例1と同じ解析モデルにおいて、凹部形状を平面視で楕円形状とした場合の、短長径比b/aと車長方向の最大反力との関係を示す図である。併せて、以下の表3には、本実施例の解析結果を示している。本実施例における解析モデルのフロアパネルでは、凹部の長径を車長方向とし、短径を車幅方向とした。
Figure 0006747615
図13に示すように、凹部形状の設計を短長径比b/aを1/3以上2以下とした場合に、車長方向の最大反力が従来に比べ大きく、特に、b/aを1/2以上2以下とした場合に車長方向の最大反力がより大きくなっていることがわかる。この解析結果から、上記実施の形態で記載したように、本発明に係る凹部の形状が平面視で楕円形状である場合には、その短長径比b/aを1/3以上2以下に設計することが好ましく、さらには、1/2以上2以下に設計することが好ましいといえる。
本発明は、例えばフロアパネル、ルーフパネル、フードインナーパネルまたはバックドアインナーパネル等のパネル部材として利用することができる。
1 パネル部材
10 凹部
d 凹部の直径
h 凹部の深さ
G 凹部群
1 第1の凹部群
2 第2の凹部群
1 第1の直線
2 第2の直線
s 凹部間距離
θ 第1の直線と第2の直線とのなす角
ξ 凹部の底部と側壁部とのなす角(傾斜角)

Claims (5)

  1. 1枚のパネルからなるパネル部材であって、
    直線状に配置された複数の円形又は楕円形の凹部を備え、
    前記凹部が直線状に3つ並ぶ部分を凹部群と称したとすると、少なくとも第1の凹部群と、前記第1の凹部群に並列に配置された第2の凹部群と、を有し、
    前記第1の凹部群内の前記凹部の中心と、該凹部から最も近い位置にある前記第2の凹部群内の前記凹部の中心と、を結ぶ第1の直線と、前記第1の凹部群内の各凹部の中心を結ぶ第2の直線とのなす角が80度以上100度以下であり、
    前記凹部は、当該凹部底面を構成する底部と、当該底部の周囲に立設する側壁部からなり、
    前記底部と前記側壁部とのなす傾斜角ξが20度以上90度以下である、パネル部材。
  2. 前記凹部の直径又は平均径をd、隣り合う前記凹部間の距離をsとしたとすると、前記第1の凹部群内の隣り合う前記凹部間の距離、前記第2の凹部群内の隣り合う前記凹部間の距離、および前記第1の凹部群内の前記凹部と前記第2の凹部群内の前記凹部間の距離が、単位をmmとして、それぞれ5≦s≦3d/10を満たす、請求項1に記載のパネル部材。
  3. 前記傾斜角ξが45度以上90度以下である、請求項1又は2に記載のパネル部材。
  4. 前記凹部が楕円形である場合に、楕円形状の長径a、短径bとの比b/aが1/3以上2以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパネル部材。
  5. 前記パネル部材は自動車のフロアパネルであり、前記凹部は、当該凹部が直線状に3つ並ぶ凹部群が前記自動車の車長方向に沿って配置される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパネル部材。
JP2019572243A 2018-09-14 2019-09-13 パネル部材 Active JP6747615B1 (ja)

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