JP6687179B1 - 自動車骨格部材および電気自動車 - Google Patents

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Abstract

ハット部材と、クロージングプレートと、2つの補強部材を備え、ハット部材は、天板と、2つの縦壁と、2つのフランジを備え、2つの縦壁は、それぞれ天板とフランジの間にあり、2つの縦壁は、向かい合い、2つのフランジは、それぞれクロージングプレートと接合され、2つの補強部材は、それぞれ縦壁に接合され、補強部材は、ハット部材の長手方向に垂直な方向に延びる複数の溝部を備え、溝部は、底面と、2つの側面を備え、2つの側面は、向かい合い、2つの側面は、底面の両側にあり、天板に平行な断面における溝部の幅aと溝部の深さbと、天板に垂直な方向における縦壁の高さcが、0.2≦a/c≦0.3、かつ、0.2≦b/c≦0.3の関係を満たす、自動車骨格部材。

Description

本開示は、例えば自動車の衝突時などにおいて、高いエネルギー吸収効率を発揮する自動車骨格部材に関する。
近年、世界中で燃費規制が厳格化され、衝突性能の向上と共に自動車車体の軽量化が求められている。しかし、自動車骨格部材の形状によっては、骨格部材の材料を単純に高強度で板厚が薄いものに置き換えるだけでは、剛性の低下に伴い衝突時に早期に座屈することがあり、必ずしも高いエネルギー吸収効率が得られるとは限らない。エネルギー吸収性能は、骨格部材が塑性変形する部分が多いほど高くなるが、衝突時に早期に座屈が生じた場合には塑性変形しない部分が多く残り、材料強度を大きくしてもエネルギー吸収性能の向上度合いは小さくなる。このため、衝突時において、早期に座屈が生じないような骨格部材の検討が進められている。また、電気自動車においては、フロア下に大容量のバッテリーを搭載する車体構造の開発が進められており、サイドシル等の骨格部材の改良が進められている。
エネルギー吸収性能を向上させることを目的とした技術として、特許文献1には、中空部材に蛇腹状の変形促進手段が設けられた衝撃吸収部材が開示されている。特許文献1の衝撃吸収部材は、衝撃による曲げ荷重が加わった際に、蛇腹状の変形促進手段が座屈することによって、曲げ荷重を長手方向の圧縮荷重に変換させ、断面崩れの抑制を図っている。特許文献2には、ハット部材の縦壁に凹状または凸状のビードが形成された金属製アブソーバが開示されている。
特開2006−207679号公報 特開2008−265738号公報
特許文献1の衝撃吸収部材について、本発明者がシミュレーションを実施したところ、衝撃吸収部材には塑性変形が生じていない部分が多く残り、エネルギー吸収性能の向上という観点では改善の余地がある。特許文献2のアブソーバは、歩行者と自動車の衝突時における歩行者の脚部の保護を目的としたものであり、車体側のエネルギー吸収性能を向上させるという点では改善の余地がある。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、自動車骨格部材のエネルギー吸収効率(吸収エネルギーの質量効率)を向上させることを目的とする。
上記課題を解決する本開示の一態様は、自動車骨格部材であって、ハット部材と、クロージングプレートと、2つの補強部材を備え、前記ハット部材は、天板と、2つの縦壁と、2つのフランジを備え、前記2つの縦壁は、それぞれ前記天板と前記フランジの間にあり、前記2つの縦壁は、向かい合い、前記2つのフランジは、それぞれ前記クロージングプレートと接合され、前記2つの補強部材は、それぞれ前記縦壁に接合され、前記補強部材は、前記ハット部材の長手方向に垂直な方向に延びる複数の溝部を備え、前記溝部は、底面と、2つの側面を備え、前記2つの側面は、向かい合い、前記2つの側面は、前記底面の両側にあり、前記天板に平行な断面における前記溝部の幅aと前記溝部の深さbと、前記天板に垂直な方向における前記縦壁の高さcは、0.2≦a/c≦0.3、かつ、0.2≦b/c≦0.3の関係を満たすことを特徴としている。
別の観点による本開示の一態様は、自動車骨格部材であって、中空部材と、2つの補強部材を備え、前記中空部材は、天板と、2つの縦壁を備え、前記2つの縦壁は、それぞれ前記天板に隣接し、前記2つの縦壁は、向かい合い、前記2つの補強部材は、それぞれ前記縦壁に接合され、前記補強部材は、前記中空部材の長手方向に垂直な方向に延びる複数の溝部を備え、前記溝部は、底面と、2つの側面を備え、前記2つの側面は、向かい合い、前記2つの側面は、前記底面の両側にあり、前記天板に平行な断面における前記溝部の幅aと前記溝部の深さbと、前記天板に垂直な方向における前記縦壁の高さcは、0.2≦a/c≦0.3、かつ、0.2≦b/c≦0.3の関係を満たすことを特徴としている。
自動車骨格部材のエネルギー吸収効率を向上させることができる。
第1の実施形態に係る自動車骨格部材の概略構成を示す斜視図である。 自動車骨格部材のY方向に垂直な断面を示す図である。 電気自動車の車高方向に垂直な断面におけるサイドシルの周辺を示す図である。 自動車骨格部材のZ方向に垂直な断面を示す図である。 図4中のA−A断面を示す図である。 自動車骨格部材の変形モードの一例(面外折れモード)を示す図である。 自動車骨格部材の変形モードの一例(面内折れモード)を示す図である。 自動車骨格部材の変形モードの一例(軸圧潰モード)を示す図である。 軸圧潰モードの変形発生時における自動車骨格部材の断面を示す図である。 第2の実施形態に係る自動車骨格部材の概略構成を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る自動車骨格部材のY方向に垂直な断面を示す図である。 補強部材の形状例を示す図である。 第3の実施形態に係る自動車骨格部材のY方向に垂直な断面を示す図である。 第4の実施形態に係る自動車骨格部材の概略構成を示す斜視図である。 第4の実施形態に係る自動車骨格部材のY方向に垂直な断面を示す図である。 補強部材の形状例を示す図である。 補強部材の配置例を示す図である。 補強部材の配置例を示す図である。 衝突シミュレーションにおける解析モデルを示す図である。 シミュレーション(1)の結果を示す図である。 シミュレーション(2)におけるa/cと、b/cと、エネルギー吸収効率の関係を示す図である。 シミュレーション(2)におけるa/cと、b/cと、変形モードの関係を示す図である。 衝突シミュレーションにおける解析モデルを示す図である。 シミュレーション(3)におけるd/cと、エネルギー吸収効率との関係を示す図である。
以下、本開示に係る一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における自動車骨格部材1の概略構成を示す図である。自動車骨格部材1は、例えばサイドシルまたはバンパービーム等の曲げ荷重を受ける部材である。第1の実施形態の自動車骨格部材1は、部材長手方向(本実施形態ではY方向)に垂直な断面の形状がハット形状の部材であるハット部材20と、ハット部材20に接合される底板である平板状のクロージングプレート30とを有している。なお、図1に示すX方向、Y方向およびZ方向は互いに垂直な方向であり、自動車骨格部材1が例えばサイドシルを構成する部材である場合は、X方向が車高方向、Y方向が車長方向、Z方向が車幅方向である。また、自動車骨格部材1が例えばバンパービームを構成する部材である場合は、X方向が車高方向、Y方向が車幅方向、Z方向が車長方向である。
図2に示されるように、ハット部材20は、天板21と、天板21に繋がる2つの縦壁22(第1の縦壁22aおよび第2の縦壁22b)と、2つのフランジ23(第1のフランジ23aおよび第2のフランジ23b)を有している。2つの縦壁22は、それぞれ天板21とフランジ23の間にあり、2つの縦壁22は向かい合っている。第1の実施形態においては、ハット部材20の2つのフランジ23とクロージングプレート30とが接合されることで自動車骨格部材1が構成されている。
ハット部材20は、例えば引張強さ440〜1500MPaの鋼材で形成されるが、ハット部材20の素材は特に限定されず、例えばアルミニウム合金部材やマグネシウム合金部材等であってもよい。同様に、クロージングプレート30は、例えば引張強さ440〜1500MPaの鋼材で形成されるが、クロージングプレート30の素材は特に限定されず、例えばアルミニウム合金部材やマグネシウム合金部材等であってもよい。
自動車骨格部材1が車体に取り付けられる際は、ハット部材20の天板21がクロージングプレート30に対して車外側に配置されていても車内側に配置されていてもよい。特にサイドシルの場合には、天板21はクロージングプレート30に対して車外側に配置されていることが好ましい。なぜなら、ハット部材のフランジが車外側にあると、フランジとドアが干渉してドアが閉まらないからである。また、本開示を電気自動車に適用するのが好ましい。なぜなら、サイドシルで衝撃を吸収することでサイドシルより車内側に配置される電池の損傷を回避することができるからである。図3は、電気自動車70の車高方向に垂直な断面におけるサイドシル71の周辺を示す図である。図3に示されるように自動車骨格部材1がサイドシル71を構成する部材である場合は、クロージングプレート30が、フロアパネル(図示せず)に載せられた電池72に隣接し、天板21が車外側と車内側のうち、車外側に配置されていることが好ましい。なお、本実施形態および後述の実施形態においては、天板21が車外側と車内側のうち、車外側に配置されている。
図1〜図5に示されるように、自動車骨格部材1は、波形状を有した2つの補強部材40を備えている。2つの補強部材40は、それぞれハット部材20の縦壁22の内面に接合されている。詳述すると、第1の補強部材40aは、第1の縦壁22aの内面に接合され、第2の補強部材40bは、第2の縦壁22bの内面に接合されている。第1の実施形態の補強部材40は、縦壁22と同等の高さを有しており、補強部材40の車内側端部(図2の例ではクロージングプレート30側の端部)と縦壁22の車内側端部(図2の例ではフランジ23側の端部)とが隣接し、補強部材40の車外側端部(図2の例では天板21側の端部)と縦壁22の車外側端部(図2の例では天板21側の端部)とが隣接している。縦壁22と補強部材40の接合方法は特に限定されず、例えばスポット溶接で補強部材40と縦壁22が接合される。
エネルギー吸収性能を向上させる観点においては、補強部材40は、ハット部材20の天板21およびクロージングプレート30の両方に接触していることが好ましい。これにより、変形に要する荷重を衝突初期から大きくすることができる。この効果をさらに高めるためには、補強部材40は、ハット部材20の天板21およびクロージングプレート30の少なくともいずれか一方に接合されていることが好ましい。接合方法は特に限定されず、例えばアーク溶接等が採用され得る。
補強部材40は、ハット部材20の部材長手方向に垂直な方向に延びる溝部41を有している。溝部41は、ハット部材20の部材長手方向(Y方向)に沿って間隔をおいて複数設けられている。すなわち、溝部41は車内から車外に向かう方向に延在している。溝部41は車長方向または車幅方向に間隔をおいて複数設けられる。
図4に示されるように、本実施形態の補強部材40の溝部41は、ハット部材20の天板21に垂直な方向から見て、縦壁22に平行な平面である底面41aと、底面41aの両端部に繋がる一対の平面である側面41bとを有している。すなわち、溝部41は、底面41aと、2つの側面41bを備え、2つの側面41bは、向かい合い、かつ、底面41aの両側に位置している。
本実施形態においては、ハット部材20の部材長手方向(Y方向)の中央部にのみ補強部材40が配置されているが、部材長手方向の全域に補強部材40が設けられていてもよい。なお、補強部材40は、例えば440〜1500MPaの鋼材で形成されるが、補強部材40の素材は特に限定されず、例えばアルミニウム合金部材やマグネシウム合金部材等であってもよい。
第1の実施形態の自動車骨格部材1は以上のように構成されている。この自動車骨格部材1においては、衝突時に例えば天板21またはクロージングプレート30にZ方向からの荷重が部分的に加わることでモーメントが発生し、自動車骨格部材1の曲げ変形が生じる。このとき、溝部41を有した補強部材40がハット部材20の縦壁22の内面に接合されていることにより、一対の縦壁22の面剛性が高まり、自動車骨格部材1の変形に要する荷重を大きくすることができる。これにより、エネルギー吸収性能を向上させることができる。
なお、自動車骨格部材1の変形時においては、次のいずれかの変形モードが生じる。
(面外折れモード)
図6に示されるように、面外折れモードは、主な変形が、ハット部材20の部材長手方向に垂直な断面においてハット部材20の縦壁22が面外方向に折れる変形となるモードである。
(面内折れモード)
図7に示されるように、面内折れモードは、主な変形が、ハット部材20の部材長手方向に沿ってハット部材20の縦壁22が折れる変形であり、部材長手方向に垂直な断面における面外方向への縦壁22の変形が小さいモードである。
(軸圧潰モード)
図8および図9に示されるように、軸圧潰モードは、ハット部材20の部材長手方向に垂直な断面においてハット部材20の縦壁22が短い間隔で圧潰し、全体として蛇腹状の変形が生じるモードである。
変形に要する荷重を衝突初期から衝突後期にかけて安定して大きくするためには、自動車骨格部材1が軸圧潰モードで変形することが好ましい。
ここで、図4に示されるように、ハット部材20の天板21に平行な断面における溝部41の幅を“a”、溝部41の深さを“b”と定義し、図2に示されるようにハット部材20の天板21に垂直な方向における縦壁22の高さを“c”と定義する。なお、溝部41の幅aとは、ハット部材20の部材長手方向(Y方向)における溝部41の一対の側面41b間の長さである。溝部41の深さbとは、ハット部材20の天板21に平行な断面における、ハット部材20の部材長手方向に垂直な方向の、縦壁22から溝部41の底面41aまでの長さである。縦壁22の高さcとは、ハット部材20の部材長手方向に垂直な方向(Z方向)におけるフランジ23から天板21までの長さである。
自動車骨格部材1に軸圧潰モードの変形を生じさせやすくするためには、溝部41の幅aと、溝部41の深さbと、ハット部材20の縦壁22の高さcが、0.2≦a/c≦0.3、かつ、0.2≦b/c≦0.3の関係を満たすことが好ましい。この数値範囲を満たす場合には、後記の実施例でも示すように自動車骨格部材1の変形が軸圧潰モードになりやすく、変形に要する荷重が衝突初期から衝突後期にわたって安定して大きくなる。これにより、エネルギー吸収性能をさらに向上させることができる。
補強部材40の溝部41の間隔は、要求されるエネルギー吸収性能等に応じて適宜変更される。また、軸圧潰モードの変形をより誘発しやすくするためには、溝部41の底面41aと側面41bとのなす角θが90〜95度であることが好ましく、垂直であることがさらに好ましい。補強部材40を自動車骨格部材1の長手方向の一部に取り付ける場合は、自動車骨格部材1の長手方向の中央部に取り付けることが望ましい。自動車骨格部材1の長手方向中央部は他の部材との取り付け部から最も離れているため、折れやすいからである。これは他の実施形態でも同じである。
<第2の実施形態>
図10および図11に示されるように第2の実施形態の自動車骨格部材1は、ハット部材20の天板21に垂直な方向における補強部材40の高さdが縦壁22の高さcよりも低くなっている。このような形状の補強部材40であっても、補強部材40の溝部41の幅a(図4)と、溝部41の深さb(図4)と、ハット部材20の縦壁22の高さc(図11)が、0.2≦a/c≦0.3、かつ、0.2≦b/c≦0.3の関係を満たすことで、軸圧潰モードの変形が生じやすくなり、エネルギー吸収効率を向上させることができる。
図12は、補強部材40の形状例を示す図である。図12の例における自動車骨格部材1は、図11の例とは異なり、補強部材40のZ方向における一方端がハット部材20の縦壁22の車外側端部(図12の例では天板21側の端部)にのみ隣接しており、車内側端部(図12の例ではフランジ23側の端部)に隣接していない構造である。自動車骨格部材1に衝撃荷重が入力された際には、縦壁22の最初に座屈した箇所を起点として縦壁22の車内側端部に向かって座屈領域が広がっていく。すなわち、最初に座屈する箇所が縦壁22の車外側端部に近いほど、蛇腹状に変形する領域がより多くなるため、エネルギー吸収効率向上の観点では有利になる。図11の自動車骨格部材1の場合、補強部材40の車内側端部と縦壁22の車内側端部(図11の例ではフランジ23側の端部)が隣接している一方、縦壁22の車外側端部(図11の例では天板21側の端部)には補強部材40が隣接していない。このため、図11の自動車骨格部材1は、衝撃荷重の入力時に縦壁22の車外側端部(図11の例では天板21側の端部)の近傍で座屈が生じやすい。一方、図12の自動車骨格部材1は、縦壁22の車内側端部(図12の例ではフランジ23側の端部)の近傍で座屈が生じやすい。したがって、図11のような構造の自動車骨格部材1は、図12のような構造の自動車骨格部材1に比べて蛇腹状に変形する領域を多く確保することができ、エネルギー吸収効率を向上させることができる。
エネルギー吸収効率をより向上させる観点においては、補強部材40の高さdは、ハット部材20の縦壁22の高さcの60〜100%の高さであることが好ましい。より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
<第3の実施形態>
第1〜第2の実施形態における自動車骨格部材1は、ハット部材20の相手部材がクロージングプレート30であったが、図13に示される第3の実施形態の自動車骨格部材1は、相手部材もハット部材50となっている。第2のハット部材50は、第1のハット部材20と同様に、天板51と、天板51に繋がる一対の縦壁52である第1の縦壁52aおよび第2の縦壁52bと、第1の縦壁52aに繋がるフランジ53aと、第2の縦壁52bに繋がるフランジ53bとを有している。自動車骨格部材1は、第1のハット部材20と第2のハット部材50が互いのフランジ23、53で接合されることで構成されている。
第3の実施形態の自動車骨格部材1においても、溝部41を有した2つの補強部材40が自動車骨格部材1の縦壁22、52の内面に接合されていることにより、縦壁22、52の面剛性を高めることができ、エネルギー吸収性能を向上させることができる。
また、第3の実施形態においても、第1〜第2の実施形態と同様に、補強部材40の溝部41の幅aと、溝部41の深さbと、ハット部材20の縦壁22の高さcが、0.2≦a/c≦0.3、かつ、0.2≦b/c≦0.3の関係を満たしている。このため、自動車骨格部材1に軸圧潰モードの変形が生じやすくなり、エネルギー吸収性能を向上させることができる。なお、第3の実施形態におけるの高さcとは、第2のハット部材50の天板51から第1のハット部材20の天板21までのZ方向の長さである。また、第1の実施形態と同様に、溝部41の底面41aと側面41bとのなす角θは90〜95度であることが好ましく、垂直であることがさらに好ましい。
<第4の実施形態>
前述の第1〜第3の実施形態の自動車骨格部材1は、複数の部材が互いに接合されることで構成されていたが、第4の実施形態の自動車骨格部材1は、図14および図15に示されるように角管状の中空部材10で構成されている。中空部材10は、天板11と、天板11に繋がる2つの縦壁12と、2つの縦壁12に繋がる底板13とを有している。2つの縦壁12は、それぞれ天板11と、底板13の間にあり、2つ縦壁12は、向かい合っている。また、天板11と底板13も向かい合っている。中空部材10の素材は特に限定されず、例えば鋼材、アルミニウム合金部材やマグネシウム合金部材等である。第4の実施形態の自動車骨格部材1が、例えば電気自動車70のサイドシル71を構成する部材である場合、図3の例と同様に、中空部材10の底板13が、フロアパネル(図示せず)に載せられた電池72に隣接する。
第1〜第3の実施形態と同様に、第4の実施形態の自動車骨格部材1も2つの補強部材40を備えており、補強部材40は、中空部材10の部材長手方向に垂直な方向に延びる複数の溝部41を有している。2つの補強部材40は、それぞれ中空部材10の縦壁12の内面に接合されている。詳述すると、第1の補強部材40aは、第1の縦壁12aの内面に接合され、第2の補強部材40bは、第2の縦壁12bの内面に接合されている。図4に示される第1〜第3の実施形態の溝部41と同様に、補強部材40の溝部41は、中空部材10の天板11に垂直な方向から見て、縦壁12に平行な平面である底面41aと、底面41aの両端部に繋がる一対の平面である側面41bとを有している。すなわち、溝部41は、底面41aと、2つの側面41bを備え、2つの側面41bは、向かい合い、かつ、底面41aの両側に位置している。
第4の実施形態の自動車骨格部材1においても、溝部41の幅a(図4)と、溝部41の深さb(図4)と、中空部材10の縦壁12の高さc(図15)が、0.2≦a/c≦0.3、かつ、0.2≦b/c≦0.3の関係を満たしている。このため、第1〜第3の実施形態の自動車骨格部材1と同様に、エネルギー吸収効率を向上させることができる。なお、中空部材10の縦壁12の高さcとは、部材長手方向に垂直な方向(Z方向)における底板13から天板11までの長さである。
図11に示される第2の実施形態の場合と同様に、エネルギー吸収効率を効果的に向上させる観点においては、自動車骨格部材1が中空部材10で構成されている場合も、補強部材40の車内側端部が中空部材10の縦壁12の車内側端部に隣接し、かつ、補強部材40の高さd(図16)が中空部材10の縦壁12の高さcの60〜100%の高さであることが好ましい。補強部材40の高さdは、縦壁12の高さcの80%以上の高さであることがより好ましく、90%以上の高さであることがさらに好ましい。
以上、本開示に係る一実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記実施形態では、補強部材40がハット部材20の内側または中空部材10の内側に配置されていたが、図17のようにハット部材20の外側または図18のように中空部材10の外側に配置されていてもよい。図17の例の場合、補強部材40はハット部材20の縦壁22の外面に接合されている。図18の例の場合、補強部材40は中空部材10の縦壁12の外面に接合されている。このように補強部材40がハット部材20の外側または中空部材10の外側に配置されている場合であっても、溝部41の幅aと、溝部41の深さbと、縦壁の高さcが、0.2≦a/c≦0.3、かつ、0.2≦b/c≦0.3の関係を満たしていれば、軸圧潰モードの変形が生じやすくなり、エネルギー吸収効率を向上させることができる。また、補強部材40がハット部材20の外側または中空部材10の外側に配置されている場合であっても、補強部材40の高さdは、縦壁の高さcの60〜100%の高さであることが好ましい。
<シミュレーション(1)>
本開示に係る自動車骨格部材の一例として図19のような解析モデルを作成し、ポール側突を模擬したシミュレーションを実施した。解析モデルは、図1に示される自動車骨格部材と同等の構成を有しており、ハット部材20とクロージングプレート30で構成されている。ハット部材20およびクロージングプレート30の素材は、引張強度が1180MPa、板厚が1.6mmの鋼材である。ハット部材20の部材長手方向の中央部における縦壁22の内面には補強部材40が配置されている。ハット部材20の全長は1500mm、縦壁22の高さc(Z方向の長さ)および天板21の幅(X方向の長さ)は、それぞれ100mmである。溝部41の幅aおよび深さbはそれぞれ20mmである。すなわち、前述のa/cおよびb/cの値は、それぞれ0.2である。
シミュレーションは、半径127mmの円柱状のインパクタ60をクロージングプレート30に押し当て、1.8km/hの速度でインパクタ60を変位させることで実施されている。本シミュレーションにおいては天板11の上に剛体壁が配置されている。
解析モデルは、図12に示す構造のモデル(構造1)と、図2に示す構造のモデル(構造2)である。また、比較例として、補強部材40が設けられていない解析モデル(従来構造)を作成し、上記条件と同様のシミュレーションを実施した。
図20はシミュレーション(1)における各解析モデルのエネルギー吸収性能の重量効率を示す図である。図20に示されるように、構造1および構造2においては、補強部材が設けられていない従来構造よりもエネルギー吸収性能の重量効率が大幅に向上している。なお、構造2は、補強部材40が天板21とクロージングプレート30のいずれの壁部にも接合されていない構造であり、構造1に対して生産性が向上する。
<シミュレーション(2)>
次に、溝部の幅aと、溝部の深さbが異なる解析モデルを複数作成し、各解析モデルでシミュレーションを実施した。
シミュレーション(2)におけるa/cと、b/cと、エネルギー吸収効率(吸収エネルギー/質量)の関係を図21に示す。図21に示される“好適範囲”とは、エネルギー吸収効率が5.0[kN*mm/kg]以上となる範囲である。a/cが0.2〜0.3であり、かつ、b/cが0.2〜0.3である場合には、エネルギー吸収効率が特に高くなった。図22に示されるように、本シミュレーションにおいては、a/cが0.2〜0.3であり、かつ、b/cが0.2〜0.3である場合には、中空部材に軸圧潰モードの変形が生じていた。
<シミュレーション(3)>
次に、補強部材の高さdと、ハット部材の縦壁の高さcの比が異なる解析モデルを複数作成し、各解析モデルでシミュレーションを実施した。本シミュレーションは、図23のように剛体壁をクロージングプレート30の下に配置し、ハット部材20の天板21にインパクタ60を押し当てる条件で実施されている。剛体壁の位置と、インパクタ60を押し当てる位置以外のシミュレーション条件は、シミュレーション(1)と同様である。
図24はシミュレーション(3)におけるd/cと、エネルギー吸収効率の関係を示す図である。図24に示されるように、d/cが0.6以上の場合には、d/cが0.6未満の場合に比べてエネルギー吸収効率が飛躍的に向上した。なお、本シミュレーションの条件下では、d/cが0.6の場合と、0.8の場合と、1.0の場合には、自動車骨格部材に軸圧潰モードの変形が生じていた。すなわち、補強部材40の高さdが縦壁の高さcの60〜100%の高さである場合には、軸圧潰モードの変形が生じやすくなり、エネルギー吸収効率を効果的に向上させることができる。
本開示に係る技術は、自動車のサイドシルやバンパービーム等に利用することができる。
1 自動車骨格部材
10 中空部材
11 中空部材の天板
12 中空部材の縦壁
13 中空部材の底板
20 ハット部材
21 ハット部材の天板
22 ハット部材の縦壁
23 ハット部材のフランジ
30 クロージングプレート
40 補強部材
41 溝部
41a 底面
41b 側面
50 ハット部材
51 ハット部材の天板
52 ハット部材の縦壁
53 ハット部材のフランジ
60 インパクタ
70 電気自動車
71 サイドシル
72 電池
a 溝部の幅
b 溝部の深さ
c 縦壁の高さ
d 補強部材の高さ
θ 溝部の底面と側面のなす角

Claims (6)

  1. ハット部材と、クロージングプレートと、2つの補強部材を備え、
    前記ハット部材は、天板と、2つの縦壁と、2つのフランジを備え、
    前記2つの縦壁は、それぞれ前記天板と前記フランジの間にあり、
    前記2つの縦壁は、向かい合い、
    前記2つのフランジは、それぞれ前記クロージングプレートと接合され、
    前記2つの補強部材は、それぞれ前記縦壁に接合され、
    前記補強部材は、前記ハット部材の長手方向に垂直な方向に延びる複数の溝部を備え、
    前記溝部は、底面と、2つの側面を備え、
    前記2つの側面は、向かい合い、
    前記2つの側面は、前記底面の両側にあり、
    前記天板に平行な断面における前記溝部の幅aと前記溝部の深さbと、前記天板に垂直な方向における前記縦壁の高さcは、0.2≦a/c≦0.3、かつ、0.2≦b/c≦0.3の関係を満たす、自動車骨格部材。
  2. 前記補強部材の車内側端部と前記縦壁の車内側端部とが隣接し、
    前記天板に垂直な方向における前記補強部材の高さdは、前記縦壁の高さcの60〜100%の高さである、請求項1に記載の自動車骨格部材。
  3. 中空部材と、2つの補強部材を備え、
    前記中空部材は、天板と、底板と、2つの縦壁を備え、
    前記天板と前記底板は、向かい合い、
    前記2つの縦壁は、それぞれ前記天板と前記底板の間にあり、
    前記2つの縦壁は、向かい合い、
    前記2つの補強部材は、それぞれ前記縦壁に接合され、
    前記補強部材は、前記中空部材の長手方向に垂直な方向に延びる複数の溝部を備え、
    前記溝部は、底面と、2つの側面を備え、
    前記2つの側面は、向かい合い、
    前記2つの側面は、前記底面の両側にあり、
    前記天板に平行な断面における前記溝部の幅aと前記溝部の深さbと、前記天板に垂直な方向における前記縦壁の高さcは、0.2≦a/c≦0.3、かつ、0.2≦b/c≦0.3の関係を満たす、自動車骨格部材。
  4. 前記補強部材の車内側端部と前記縦壁の車内側端部とが隣接し、
    前記天板に垂直な方向における前記補強部材の高さdは、前記縦壁の高さcの60〜100%の高さである、請求項3に記載の自動車骨格部材。
  5. 請求項1又は2に記載の自動車骨格部材を備えたサイドシルと、電池とを備え、
    車高方向に垂直な断面において、前記クロージングプレートは、前記電池に隣接し、前記天板は、車外側に配置されている、電気自動車。
  6. 請求項3又は4に記載の自動車骨格部材を備えたサイドシルと、電池とを備え、
    車高方向に垂直な断面において、前記底板は、前記電池に隣接し、前記天板は、車外側に配置されている、電気自動車。
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