JP2017039443A - 自動車車体の構造部材、その製造方法および自動車車体、ならびに衝撃エネルギー吸収方法 - Google Patents

自動車車体の構造部材、その製造方法および自動車車体、ならびに衝撃エネルギー吸収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017039443A
JP2017039443A JP2015163675A JP2015163675A JP2017039443A JP 2017039443 A JP2017039443 A JP 2017039443A JP 2015163675 A JP2015163675 A JP 2015163675A JP 2015163675 A JP2015163675 A JP 2015163675A JP 2017039443 A JP2017039443 A JP 2017039443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
structural member
automobile body
vertical wall
sill
inner reinforcement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015163675A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6613712B2 (ja
Inventor
研一郎 大塚
Kenichiro Otsuka
研一郎 大塚
敦史 大野
Atsushi Ono
敦史 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2015163675A priority Critical patent/JP6613712B2/ja
Publication of JP2017039443A publication Critical patent/JP2017039443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6613712B2 publication Critical patent/JP6613712B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】重量増加を伴うことなく曲げ変形強度およびねじり変形強度をいずれも高めたサイドシルを提供する。【解決手段】サイドシル10の長手方向に関する、フロントピラー6との接合部3cとセンターピラー7との接合部3dとの間である第1の間隙部16、および/または、センターピラー7の接合部7eとリアホイールハウス8との接合部7fとの間である第2の間隙部17におけるシルインナーレインフォース3の縦壁部3a、および/または、シルインナー4の縦壁部4aであって縦壁部3a,4aに連続する稜線部に会合しない位置に、長手方向からセンターピラー7へ向けて斜め上方へ所定角度θb(°)傾斜する方向へ延びるねじり変形強度増加部であるビード16,17を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばサイドシルやルーフサイドレールといった自動車車体の構造部材、その製造方法および自動車車体、ならびに衝撃エネルギー吸収方法に関する。
図12は、モノコック構造の自動車のボディシェルにおけるボディサイド(車体側部)1の一例を、その一部を簡略化して模式的に示す説明図である。
図12において、実線で示すサイドシル(ロッカーともいう)2は、長尺の自動車車体構造部材であり、シルインナーレインフォース3およびシルインナー4を有する。通常、シルインナーレインフォース3は、縦壁部3aと二つのフランジ3b,3bとを有する略ハット型の横断面形状を有する。また、シルインナー4もシルインナーレインフォース3と同様に、縦壁部4aと二つのフランジ4b,4bとを有する略ハット型の横断面形状を有する。
シルインナーレインフォース3およびシルインナー4は、それぞれのフランジ3b,3b,4b,4bを互いに重ね合わされて例えば抵抗スポット溶接により接合されて、閉断面の構造を構成する。シルインナーレインフォース3の外側には、ボディサイド1の全周を覆うサイドパネル5がそのフランジ5b,5bをフランジ4b,4bに重ね合わされて例えば抵抗スポット溶接により接合される。なお、図12では図面を見易くするため、サイドパネル5の一部およびサイドシル2の一部をいずれも除去した状態で示す。
サイドシル2およびサイドパネル5は、車両の前方側から後方側へ向けて順に、一点鎖線で示すフロントピラー6の下部6a、二点鎖線で示すセンターピラー7の下部7aおよび二点鎖線で示すリアホイールハウス8と、例えば抵抗スポット溶接により接合される。
自動車車体の衝突安全性を高めるために、前後側に比べてクラッシャブルゾーンを確保し難い自動車車体の側面に対してムービングバリアを衝突させる側面衝突試験の衝突レギュレーションが強化されている。近年の衝突レギュレーションは、ポール側突試験と台車側突試験に大別される。
ポール側突試験は、走行中の車両がスピンして電柱や支柱などに衝突することを想定しものであり、床面に固定された円柱のバリアへ向けて走行する台車に搭載した車両を載せ、ボディサイド(車体側部)のセンターピラー付近を円柱に衝突させる。一方、台車側突試験は、走行する自動車の前面が被試験車の側面に衝突することを想定したものであり、床面から所定の高さに位置する前面に、自動車の前面に見立てた一般的な乗用車と同様な固さを有するアルミハニカムの衝撃吸収部材を取り付けられた台車を、ボディサイド(車体側部)のセンターピラー付近に衝突させる。
これまでにも、自動車車体の耐側面衝突性能を高めることを目的とする発明が多数開示されている。
例えば特許文献1には、サイドシルの底面にビードを設けることによりサイドシルの曲げ変形強度を高めて耐側面衝突性能を高める発明が開示されている。
特許文献2にも、サイドシルの天井面および底面に車両前後方向へ延びるビードを設けることによりサイドシルの曲げ変形強度を高めて耐側面衝突性能を高める発明が開示されている。
特許文献3には、サイドシルの内部に補強部材(バルクヘッド)を配置することによりサイドシルのねじり変形強度を高めて耐側面衝突性能を高める発明が開示されている。
ポール側突試験における耐衝突性能を高めるためには、衝突直後のサイドシルはセンターピラーと略同時に室内側への変形を開始して三点曲げ変形と類似の曲げ変形を生じることから、サイドシルを構成するシルインナーレインフォースの水平面にビードを配置して三点曲げ変形における荷重を大きくすることが有効である。
これに対し、台車側突試験では、変形開始時のシルインナーレインフォースには、その中心軸周りへのねじり変形が発生する。このため、台車側突試験における耐衝突性能を高めるためには、ねじり変形時のモーメントを大きくする必要がある。
このように、側面衝突時には、衝突の態様によって、サイドシルには、曲げ変形に加えてねじり変形も発生するため、自動車車体の耐側面衝突性能を高めるためには、サイドシルの曲げ変形強度のみならずねじり変形強度をも高めることが必要である。
特許文献1,2により開示された発明は、サイドシルの水平面(底面や底面および天井面)にビードを付与するため、サイドシルの曲げ変形強度を高めることは確かに可能であるものの、サイドシルのねじり変形強度を高めることはできない。
さらに、特許文献3により開示された発明は、サイドシルの曲げ変形強度を確かに高めることは可能であるものの、サイドシルの内部に補強部材を追加して配置するために、サイドシルの重量増加は免れず、自動車の軽量化の要請に応えることができない。
図13,14は、いずれも、特許文献4により開示された車両骨格構造9−1,9−2を示す説明図である。
図13,14に示すように、特許文献4には、サイドシル9Aと、サイドシル9Aの長手軸方向中間部に一端が結合されるセンターピラー9Bとを備え、サイドシル9Aがセンターピラー9Bから捩じり入力を受ける車両骨格構造9−1,9−2が開示されている。この車両骨格構造9−1,9−2では、サイドシル9Aは、少なくとも2つの稜線とこれら稜線をつなぐ平面部分とにより構成されるハット型断面を有し、この平面部分に、サイドシル9Aの長手軸方向に対して傾斜する方向でかつ圧縮応力の作用方向に沿って延びるビード9Cが設けられている。
センターピラー9Bの中間部分に車両幅方向外側から内側へ向かう入力が側突等により作用すると、センターピラー9Bに結合されるロッカー9Aは捩じり入力を受け、ロッカー9Aの各外面に圧縮応力が作用して波打つように変形しようとするが、圧縮応力の作用方向に沿って延びるビード9Cを各外面に設けて補強してあるため、外面の変形が抑制され、ロッカー10の断面崩れが抑制され、これにより、センターピラー20のロッカー10の捩じれ方向への変形が抑えられ、ロッカー10に結合されるセンターピラー20の車室内側へ凸となる変形が抑えられるため、側突時のセンターピラー20の車室内側への進入量を抑えることができ、骨格部材の捩じり強度を向上できる、としている。
特開2012−86692号公報 特開2010−137839号公報 特開2009−173109号公報 特開2011−143762号公報
図13,14に示すように、特許文献4により開示された車両骨格構造11におけるビード28は、シルインナーレインフォースやシルインナーの一方または双方の平面部に設けられるが、この平面部分の両端に位置する2つの稜線にまで跨って形成されている。
本発明者らの検討結果によれば、この車両骨格構造11では、ビード28が2つの稜線にまで跨って形成されているために、センターピラー20の中間部分に車両幅方向外側から内側へ向かう入力が側突等により作用すると、シルインナーレインフォースやシルインナーの稜線にひずみが集中し、いわゆる断面崩れ、シルインナーレインフォースやシルインナーの折れおよび座屈の起点となって、目的とするねじり変形強度を得られないことが判明した。
さらに、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特許文献4に記載されたビードは、シルインナーレインフォースやシルインナーの各外面に発生するしわと交差する方向へ伸びているため、変形の極初期においては断面崩れを抑制することができるものの、変形の極初期以降は、逆に壁面の崩れを誘発してしまい、所望の性能を得られないことが判明した。
本発明は、従来の技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、重量増加を伴うことなく、曲げ変形強度およびねじり変形強度をいずれも高めた自動車車体の構造部材、その製造方法および自動車車体、ならびに衝撃エネルギー吸収方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下に列記の知見A〜Cを得て、本発明を完成した。
(A)台車側突試験においては、衝突時にシルインナーレインフォースやシルインナーよりも先にセンターピラーが室内側へ倒れ込み始め、室内側へ倒れ込むセンターピラーに引きずられて、シルインナーレインフォースやシルインナーも室内側への変形が始まる。その後、この変形により、サイドシルの垂直面(シルインナーレインフォースやシルインナーの縦壁部)には、サイドシルの長手方向からセンターピラーに向かって斜め上方へ傾斜する方向へ向かうしわが発生し、しわの発生に起因して断面形状が大きく変形するためサイドシルのねじり変形強度が低下する。
(B)このため、サイドシルの垂直面(シルインナーレインフォースやシルインナーの縦壁部)に、台車衝突試験におけるこのしわに起因した断面の変形を抑制できるねじり変形強度増加部を形成しておくことにより、サイドシルの重量増加を伴うことなく曲げ変形強度およびねじり変形強度をいずれも高めることが可能になる。
(C)ねじり変形強度増加部としては、サイドシルの長手方向からセンターピラーへ向けて斜め上方へ所定角度傾斜する方向、すなわち上記しわの形成が予測される方向と略平行な方向へ延びる凹ビードまたは凸ビードを形成することが例示される。
(D)サイドシルと同様にセンターピラーの上部が接続するルーフレール(ルーフサイドレール)も、台車側突試験においては、衝突時にルーフレールインナーレインフォースやルーフレールインナーよりも先にセンターピラーが室内側へ倒れ込み始め、室内側へ倒れ込むセンターピラーに引きずられて、ルーフレールインナーレインフォースやルーフレールインナーも室内側への変形が始まる。このため、上記A〜Cの知見は、ルーフレールにも同様に適用される。
本発明は以下に列記の通りである。
(1)縦壁部を有する横断面のインナーレインフォースと縦壁部を有するインナーとが接合された閉断面を有し、車両の前方側から後方側へ向けて順にフロントピラー、センターピラーおよび他の構造部材と接合される、自動車車体の長尺の構造部材において、
前記構造部材の長手方向に関する、前記フロントピラーとの接合部と前記センターピラーとの接合部との間である第1の間隙部、および/または、前記センターピラーの接合部と前記他の構造部材との接合部との間である第2の間隙部における前記インナーレインフォースの前記縦壁部、および/または、前記インナーの前記縦壁部であって該縦壁部に連続する稜線部に会合しない位置に、前記長手方向から前記センターピラーへ向けて水平面から斜め上方へ所定角度θb(°)傾斜する方向へ延びて存在するねじり変形強度増加部を備えること
を特徴とする自動車車体の構造部材。
(2)前記ねじり変形強度増加部は凹ビードまたは凸ビードである1項に記載された自動車車体の構造部材。
(3)前記ねじり変形強度増加部は、前記第1の間隙部および前記第2の間隙部それぞれの前記長手方向への長さをL(mm)とする場合に、前記センターピラーからの距離Lb(mm)が下記(1)式を満足する領域に、存在する1項または2項に記載された自動車車体の構造部材。
L/2−200<Lb<2/L+200 ・・・・・・・(1)
(4)前記ねじり変形強度増加部は、側面衝突時に前記インナーレインフォースおよび/または前記インナーよりも先に前記センターピラーが室内側へ倒れ込むことに起因して前記インナーレインフォースの前記縦壁部および/または前記インナーの前記縦壁部にしわが発生する領域に、存在する1項から3項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材。
(5)前記所定角度は10〜65(°)である1項から4項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材。
(6)前記所定角度は、側面衝突時に前記インナーレインフォース、および/または、前記インナーよりも先に前記センターピラーが室内側へ倒れ込むことに起因して前記インナーレインフォースの前記縦壁部、および/または、前記インナーの前記縦壁部に発生するしわの、水平方向に対する角度をθw(°)とする場合に、下記(2)式を満足する1項から5項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材。
θw−10<θb<θw+40 ・・・・・・・(2)
(7)サイドシルであり、かつ、前記インナーレインフォースはシルインナーレインフォースであり、前記インナーはシルインナーであるとともに、前記他の構造部材はリアホイールハウスである1項から6項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材。
(8)ルーフサイドレールであり、かつ、前記インナーレインフォースはルーフサイドレールインナーレインフォースであり、前記インナーはルーフサイドレールインナーであるとともに、前記他の構造部材はリアピラーである1項から6項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材。
(9)1項から8項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材を有する側部構造を備えることを特徴とする自動車車体。
(10)縦壁部を有する横断面のインナーレインフォースと縦壁部を有するインナーとが接合された閉断面を有し、車両の前方側から後方側へ向けて順にフロントピラー、センターピラーおよび他の構造部材と接合される、自動車車体の長尺の構造部材を製造する際に、
前記構造部材の長手方向に関する、前記フロントピラーとの接合部と前記センターピラーとの接合部との間である第1の間隙部、および/または、前記センターピラーの接合部と前記他の構造部材との接合部との間である第2の間隙部における前記インナーレインフォースの前記縦壁部、および/または、前記インナーの前記縦壁部に、前記長手方向から前記センターピラーへ向けて水平面から斜め上方へ所定角度θb(°)傾斜する方向へ延びて存在するねじり変形強度増加部を形成すること
を特徴とする自動車車体の構造部材の製造方法。
(11)前記ねじり変形強度増加部は凹ビードまたは凸ビードである10項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
(12)前記ねじり変形強度増加部を、前記第1の間隙部および前記第2の間隙部それぞれの前記長手方向への長さをL(mm)とする場合に、前記センターピラーからの距離Lb(mm)が下記(1)式を満足する領域に、形成する10項または11項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
L/2−200<Lb<2/L+200 ・・・・・・・(1)
(13)前記ねじり変形強度増加部を、側面衝突時に前記インナーレインフォースおよび/または前記インナーよりも先に前記センターピラーが室内側へ倒れ込むことに起因して前記インナーレインフォースの前記縦壁部および/または前記インナーの前記縦壁部にしわが発生する領域に、形成する10項から12項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
(14)前記所定角度は10〜65(°)である10項から13項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
(15)前記所定角度は、側面衝突時に前記インナーレインフォース、および/または、前記インナーよりも先に前記センターピラーが室内側へ倒れ込むことに起因して前記インナーレインフォースの前記縦壁部、および/または、前記インナーの前記縦壁部に発生するしわの、水平方向に対する角度をθw(°)とする場合に、下記(2)式を満足する10項から14項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
θw−10<θb<θw+40 ・・・・・・・(2)
(16)前記自動車車体の構造部材はサイドシルであり、かつ、前記インナーレインフォースはシルインナーレインフォースであり、前記インナーはシルインナーであるとともに、前記他の構造部材はリアホイールハウスである10項から15項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
(17)前記自動車車体の構造部材はルーフサイドレールであり、かつ、前記インナーレインフォースはルーフサイドレールインナーレインフォースであり、前記インナーはルーフサイドレールインナーであるとともに、前記他の構造部材はリアピラーである10項から15項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
(18)1項から8項までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材を自動車車体の側部構造の構造部材として配置し、側面衝突時に前記インナーレインフォース、および/または、前記インナーよりも先に前記センターピラーが室内側へ倒れ込む際に、前記インナーレインフォースの前記縦壁部、および/または、前記インナーの前記縦壁部におけるしわの発生を抑制することを特徴とする自動車車体の衝撃エネルギーの吸収方法。
本発明によれば、重量増加を伴うことなく曲げ変形強度およびねじり変形強度をいずれも高めた、例えばサイドシルやルーフサイドレール等の自動車車体の構造部材を提供できる。
図1は、本発明に係る自動車車体の構造部材の一例であるサイドシルを有する側部構造を備える自動車車体を、その一部を簡略化および省略して模式的に示す説明図である。 図2は、図1におけるA矢視図であって、本発明に係る自動車車体の側部構造を簡略化および省略して模式的に示す説明図である。 図3は、台車衝突試験においてサイドシルの垂直面に発生するしわを示す説明図である。 図4(a)は、シルインナーレインフォースおよびシルインナーを有するサイドシルの解析モデルの形状を示す説明図であり、図4(b)は解析モデルの寸法を示す断面図である。 図5は、解析モデルのシルインナーレインフォース,シルインナーに設けたビードの傾斜角度を示す説明図である。 図6は、解析モデルに与えたねじり角度φとモーメントとの関係の解析結果を示すグラフである。 図7は、ねじり角度φが10度である場合に、凸ビードが解析モデルの長手方向から斜めへ傾斜する所定角度θbが0,60,120度であるときの解析モデルのしわの発生状況を曲率分布として示す説明図である。 図8は、角度θbと最大モーメントとの関係を示すグラフである。 図9は、角度θbと角度θb=0の最大モーメントに対する最大モーメントの比率との関係を示すグラフである。 図10は、ポール側面衝突を想定した3点曲げ解析条件を示す説明図である。 図11は、解析結果(インパクタストローク100mmの吸収エネルギー)を示すグラフである。 図12は、モノコック構造の自動車のボディシェルにおけるボディサイド(車体側部)の一例を、その一部を簡略化して模式的に示す説明図である。 図13は、特許文献4により開示された車両骨格構造を示す説明図である。 図14は、特許文献4により開示された車両骨格構造を示す説明図である。
本発明を、添付図面を参照しながら説明する。なお、以降の説明では、本発明に係る自動車車体の構造部材がサイドシルであって、インナーレインフォースがシルインナーレインフォースであり、インナーがシルインナーであるとともに、他の構造部材がリアホイールハウスである場合を例にとるが、本発明はサイドシルに限定されるものではなく、本発明はサイドシル以外にルーフサイドレールにも適用可能であり、この場合には、インナーレインフォースがルーフサイドレールインナーレインフォースであり、インナーがルーフサイドレールインナーであるとともに、他の構造部材はリアピラーである。
1.本発明に係るサイドシル10,自動車車体12
図1は、本発明に係る自動車車体の構造部材の一例であるサイドシル10を有する側部構造11を備える自動車車体12を、その一部を簡略化および省略して模式的に示す説明図である。図2は、図1におけるA矢視図であって、側部構造11を簡略化および省略して模式的に示す説明図である。さらに、図3は、台車衝突試験においてサイドシル10の垂直面に発生するしわ18を示す説明図である。なお、以降の説明では、図10と共通する部分には、同一の符号を付けることにより、重複する説明を適宜省略する。
図1,2に示すように、本発明に係る自動車車体12は、その側部構造11の構成部材として本発明に係るサイドシル10を有する。
図1,2において、実線で示すサイドシル10は、長尺かつ閉断面を有する自動車車体12の構造部材である。サイドシル10は、シルインナーレインフォース3およびシルインナー4を有する。
シルインナーレインフォース3は、縦壁部3aと二つのフランジ3b,3bとを有する略ハット型の横断面形状を有する。また、シルインナー4も、シルインナーレインフォース3と同様に、縦壁部4aと二つのフランジ4b,4bとを有する略ハット型の横断面形状を有する。シルインナーレインフォース3,シルインナー4ともに、略ハット型の横っ断面形状を有する必要はなく、それぞれが、少なくとも、縦壁部3aおよびフランジ3b,3b、縦壁部4aおよびフランジ4b,4bを有する横断面形状を有していればよい。
シルインナーレインフォース3,シルインナー4は、いずれも、引張強度が590MPa以上、望ましくは980MPa以上、さらに望ましくは1180MPa以上の高張力鋼板の成形体(例えばプレス成形体)であり、その板厚は0.8mm以上、望ましくは1.0mm以上である。
シルインナーレインフォース3およびシルインナー4は、それぞれのフランジ3b,3b,4b,4bを互いに重ね合わされて例えば抵抗スポット溶接により接合されて、閉断面をなす。
図1に示すように、シルインナーレインフォース3の外側には、ボディサイド1の全周を覆うサイドパネル5がそのフランジ5b,5bをフランジ4b,4bに重ね合わされて例えば抵抗スポット溶接により接合される。なお、図面を見易くするため、図1では、図10と同様にサイドパネル5の一部およびサイドシル2の一部をいずれも除去された状態で示すとともに、図2ではサイドパネル5を省略して示す。
サイドシル2およびサイドパネル5は、車両の前方側から後方側へ向けて順に、一点鎖線で示すフロントピラー6の下部6a、二点鎖線で示すセンターピラー7の下部7a、および二点鎖線で示すリアホイールハウス8それぞれと重ね合わされて、例えば抵抗スポット溶接により接合される。
本発明における第1の間隙部14は、シルインナーレインフォース3の長手方向に関する、フロントピラー6との接合部3cとセンターピラー7との接合部3dとの間の領域である。また、本発明における第2の間隙部15は、シルインナーレインフォース3の長手方向に関する、センターピラー7の接合部3eとリアホイールハウス8との接合部3fとの間の領域である。
本発明では、第1の間隙部14または第2の間隙部15の一方または双方における、シルインナーレインフォース3の縦壁部3aまたはシルインナー4の縦壁部4aの一方または双方に、サイドシル10の長手方向からセンターピラー7へ向けて斜め上方へ所定角度θb(°)傾斜する方向へ延びるねじり変形強度増加部16,17が形成されている。
ねじり変形強度増加部16,17を形成する理由を説明する。上述したように、台車側突試験においては、衝突時にシルインナーレインフォース3やシルインナー4よりも先にセンターピラー7が室内側へ倒れ込み始め、室内側へ倒れ込むセンターピラー7に引きずられて、シルインナーレインフォース3やシルインナー4も室内側への変形が始まる。その後、この変形により、サイドシル10の垂直面(シルインナーレインフォース3やシルインナー4の縦壁部)には、サイドシル10の長手方向からセンターピラー7に向かって斜め上方へ傾斜する方向へ向かうしわ18が発生し、しわ18の発生に起因してサイドシル10のねじり変形強度が低下する。
このため、第1の間隙部14,第2の間隙部15の一方または双方における、シルインナーレインフォース3の縦壁部3aまたはシルインナー4の縦壁部4aの一方または双方にねじり変形強度増加部16,17を形成しておくことにより、サイドシル10の重量増加を伴うことなくねじり変形強度を高めることができる。
ねじり変形強度増加部16,17を、第1の間隙部14,第2の間隙部15の一方または双方における、シルインナーレインフォース3の縦壁部3aに連続する稜線や、シルインナー4の縦壁部4aに連続する稜線にまで設けると、これら稜線にひずみが集中し、いわゆる断面崩れ、シルインナーレインフォース3やシルインナー4の折れや座屈の起点となり、ねじり変形強度を高めることができない。このため、ねじり変形強度増加部16,17は、第1の間隙部14,第2の間隙部15の一方または双方における、シルインナーレインフォース3の縦壁部3aやシルインナー4の縦壁部4aの内部に形成し、縦壁部3aに連続する稜線や、シルインナー4の縦壁部4aに連続する稜線には到達しないように形成する。
また、ねじり変形強度増加部16,17は、シルインナーレインフォース3の縦壁部3aまたはシルインナー4の縦壁部4aの一方または双方に形成されるため、衝突直後のサイドシル10がセンターピラー7と略同時に室内側への変形を開始して三点曲げ変形と類似の曲げ変形を生じるポール側突試験における耐側面衝突性能を高めることもできる。
このため、サイドシル10の垂直面(シルインナーレインフォース3の縦壁部3aまたはシルインナー4の縦壁部4aの一方または双方)に、ねじり変形強度増加部16,17を形成しておくことにより、サイドシル10の重量増加を伴うことなく曲げ変形強度およびねじり変形強度をいずれも高めることができる。
ねじり変形強度増加部16,17としては、シルインナーレインフォース3の縦壁部3aやシルインナー4の縦壁部4aに形成された、車外側へ凸となる凸ビードや、車内側へ凸となる凹ビードが例示される。以降の説明では、ねじり変形強度増加部16,17が凸ビードまたは凹ビードである場合を例にとるが、本発明におけるねじり変形強度増加部16,17は、凸ビードまたは凹ビードに限定されるものではなく、例えば段差を変形強度増加部16,17として用いることができる。
ねじり変形強度増加部16,17としては、凸ビードまたは凹ビードのいずれであっても本発明における機能は同じである。そこで、以降の説明では単に「ビード」と総称する。このビードの深さは2〜15mm程度、長さは30〜150mm程度、幅は5〜60mm程度である。
ビード16,17の形成数は、第1の間隙部14,第2の間隙部15に一つ形成することに限定されるものではなく、第1の間隙部14,第2の間隙部15に複数形成してもよい。
ビード16,17は、直線状に形成することに限定されるものではなく、屈曲した直線状や曲線状、さらにはこれらを組み合わせた形状に形成してもよい。
ビード16,17は、第1の間隙部14および第2の間隙部15それぞれの、サイドシル10の長手方向への長さをL(mm)とする場合に、センターピラー7からの距離Lb(mm)が、L/2−200<Lb<2/L+200を満足する領域に設けられることが望ましい。この式が示す領域に、図3に例示するしわ18が発生することが多いことが経験的に判明しているからである。
また、ビード16,17は、側面衝突時にシルインナーレインフォース3やシルインナー4よりも先にセンターピラー7が室内側へ倒れ込むことによりシルインナーレインフォース3の縦壁部3aやシルインナー4の縦壁部4aにしわ18が発生する領域を、コンピュータ解析や実験により事前に求めておき、事前に求めたこの領域内に設けるようにしてもよい。
また、ビード16,17がサイドシル10の長手方向からセンターピラー7へ向けて斜め上方へ傾斜する所定角度θbは、10〜65(°)であることが望ましい。この範囲を指向して上述のしわ18が発生することが多いことが経験的に判明しているからである。なお,ビード16,17や段差が直線状でない場合はこれらの接線の平均角度を所定角度θbとすればよい。
また、所定角度θbは、側面衝突時にシルインナーレインフォース3やシルインナー4よりも先にセンターピラー7が室内側へ倒れ込むことによりシルインナーレインフォース3の縦壁部3aやシルインナー4の縦壁部4aに発生するしわ18の長手方向に対する角度θw(°)を、コンピュータ解析や実験により事前に求めておき、θw−10<θb<θw+40を満足するように所定角度θbを決定することとしてもよい。
2.サイドシル10の製造方法
図1,2に示す自動車車体12の構造部材である長尺のサイドシル10、すなわち、縦壁部3aを有する横断面のシルインナーレインフォース3と縦壁部4aを有するシルインナー4とが接合された閉断面を有し、車両の前方側から後方側へ向けて順にフロントピラー6、センターピラー7およびリアホイールハウス8と接合されるサイドシル10を製造する際に、サイドシル10の長手方向に関する、フロントピラー7との接合部3cとセンターピラー7との接合部3dとの間である第1の間隙部14、および/または、センターピラー7の接合部3eとリアホイールハウス8との接合部3fとの間である第2の間隙部15におけるシルインナーレインフォース3の縦壁部3a、および/または、シルインナー4の縦壁部4aに、長手方向からセンターピラー7へ向けて水平面から斜め上方へ所定角度θb(°)傾斜する方向へ延びて存在するねじり変形強度増加部であるビード16,17を形成することによって、サイドシル10を製造する。
ビード16,17を、第1の間隙部14および/または第2の間隙部15における縦壁部3aおよび/または縦壁部4aに、長手方向からセンターピラー7へ向けて水平面から斜め上方へ所定角度θb(°)傾斜する方向へ延びて形成する時期は、シルインナーレインフォース3および/またはシルインナー4の成形(例えばプレス成形)の際に同時に成形することが最も簡便であるが、シルインナーレインフォース3および/またはシルインナー4の成形後に適当な手段により成形してもよいことは言うまでもない。
そして、長手方向の上述の所定の領域に、同じく上述の所定の向きにビード16,17を形成されたシルインナーレインフォース3およびシルインナー4を、それぞれのフランジ3b,3b,4b,4bを互いに重ね合わせて例えば抵抗スポット溶接により接合することにより、サイドシル10を製造する。
3.衝撃吸収方法
サイドシル10を自動車車体12の側部構造の構造部材として所定の位置に配置し、側面衝突時にシルインナーレインフォース3、および/または、シルインナー4よりも先にセンターピラー7が室内側へ倒れ込む際に、シルインナーレインフォース4の縦壁部4a、および/または、シルインナー3の縦壁部3aにおけるしわの発生を、抑制する。
これにより、重量増加を伴うことなくサイドシル10の曲げ変形強度およびねじり変形強度をいずれも高めながら、自動車車体の側面衝突時衝撃エネルギーを効果的に吸収することができる。
このようにして、本実施の形態によれば、重量増加を伴うことなく曲げ変形強度およびねじり変形強度をいずれも高めたサイドシル10と、このサイドシル10を有する側部構造11を備える自動車車体12を提供できる。
図4(a)は、シルインナーレインフォース3およびシルインナー4を有するサイドシル10の解析モデルの形状を示す説明図であり、図4(b)は解析モデルの寸法を示す断面図である。
この解析では、図4(a)に示すように、図1,2に示すサイドシル10とリアホイールハウス8との接続部3fを完全拘束し、サイドシル10とセンターピラー7との接続部3eに、側面衝突を想定したねじり変形を加える。図4(a)は、ねじり変形を加える前の状態の接続部3eから接続部3fまでのサイドシル10を示す。
また、図5は、解析モデルのシルインナーレインフォース3,シルインナー4に設けたビード17の傾斜角度θbを示す、図4中のA矢視図である。なお、図5では、実線はシルインナーレインフォース3に設けたビード17を示し、破線はシルインナー4に設けたビード17を示す。また、図5中の傾斜角度θb=0,90degでは、シルインナー4に設けたビード17はシルインナーレインフォース3に設けたビード17と完全に重なっているため、破線は現れていない。
解析モデルの全長は500mmであり、シルインナーレインフォース3およびインナーパネル4はそれぞれのフランジ3b,3b,4b,4bにおいてスポット打点間隔30mmで抵抗スポット溶接により溶接されている。
凸ビード16の深さは3.0mmとし、長さは80mmとし幅は30mmとした。
この解析モデルの長手方向の一方の端部を全周固定し、他方の端部に回転を付与することにより、ねじり角度とねじりモーメントを求めた。
図6は、解析モデルに与えたねじり角度φと、モーメントとの関係の解析結果を示すグラフである。
図6のグラフに示すように、ねじり角度φが2度以上である場合には、凸ビード16が解析モデルの長手方向から斜めへ傾斜する所定角度θbが60度であると、モーメントが高くなることがわかる。
図7は、ねじり角度φが10度である場合に、凸ビード16が解析モデルの長手方向から斜めへ傾斜する所定角度θbが0,60,120度であるときの解析モデルのしわの発生状況を曲率分布として示す説明図である。ここで曲率の絶対値が小さいほどしわが小さいことを意味している。
図7に示す角度θbが60度のときの○で囲んだ位置の曲率の絶対値は0.35であり、角度θbが0度のときの同一の位置の曲率の絶対値は0.50であり、角度θbが120度のときの同一の位置の曲率の絶対値は0.70であった。
図7に示すように、角度θbが本発明で規定する60度であること、すなわち形成した凸ビード16の方向と、発生するしわの方向とが平行に近いことにより、しわの発生が抑制されて曲率の絶対値が小さくなるのに対し、本発明の規定外である角度θbが0度,120度であると曲率の絶対値は大きくしわの発生を抑制できないことがわかる。
図8は、角度θbと最大モーメントとの関係を示すグラフであり、図9は、角度θbと角度θb=0の最大モーメントに対する最大モーメントの比率との関係を示すグラフである。図8のグラフにおける△印は、ビードを稜線まで配置した比較例を示す。
図8,9のグラフから、凸ビード16が発生するしわと平行に近い条件で形成されることにより、ねじり変形強度が向上することがわかる。
図10は、ポール側面衝突を想定した3点曲げ解析条件を示す説明図である。
図4(b)に示す断面形状を有するサイドシル10を部材長1000mmに延長し、図10に示すように、支点間隔800mmでR127mmのインパクタ19を29km/hの速度で移動させて3点曲げ解析を行った。
サイドシル10にビード17を付与しない条件と、サイドシル10を構成するシルインナーレインフォース3に、図5に示すビード17を付与しその角度θbを0,45degとした。なお、シルインナーレインフォース3およびシルインナー4は、板厚1.0mmの980MPa級冷延鋼板製とした。
図11は、解析結果(インパクタストローク100mmの吸収エネルギー)を示すグラフである。図11のグラフにおける「θb=45度 稜線までビード配置」とは、角度θb=45度でビードを稜線まで配置した比較例を示す。
図11のグラフに示すように、ビード無しに比べて角度θb;0,45度で図5に示すビード17を設けることにより、吸収エネルギーが大きく3点曲げ衝突特性に及ぼすビードの効果が大きいことがわかる。
さらに、図11のグラフに示すように、稜線までビードを配置すると稜線にひずみが集中するため、角度θbが同じ本発明例よりも吸収エネルギーが同じ小さくなることがわかる。
3 シルインナーレインフォース
3a 縦壁部
3b フランジ
3c〜3f 接合部
4 シルインナー
4a 縦壁部
4b フランジ
5 サイドパネル
5b フランジ
6 フロントピラー
7 センターピラー
8 リアホイールハウス
10 サイドシル
11 側部構造
12 自動車車体
18 しわ
14 第1の間隙部
15 第2の間隙部
16,17 ねじり変形強度増加部(凸ビードまたは凹ビード)
18 しわ

Claims (18)

  1. 縦壁部を有する横断面のインナーレインフォースと縦壁部を有するインナーとが接合された閉断面を有し、車両の前方側から後方側へ向けて順にフロントピラー、センターピラーおよび他の構造部材と接合される、自動車車体の長尺の構造部材において、
    前記構造部材の長手方向に関する、前記フロントピラーとの接合部と前記センターピラーとの接合部との間である第1の間隙部、および/または、前記センターピラーの接合部と前記他の構造部材との接合部との間である第2の間隙部における前記インナーレインフォースの前記縦壁部、および/または、前記インナーの前記縦壁部であって該縦壁部に連続する稜線部に会合しない位置に、前記長手方向から前記センターピラーへ向けて水平面から斜め上方へ所定角度θb(°)傾斜する方向へ延びて存在するねじり変形強度増加部を備えること
    を特徴とする自動車車体の構造部材。
  2. 前記ねじり変形強度増加部は凹ビードまたは凸ビードである請求項1に記載された自動車車体の構造部材。
  3. 前記ねじり変形強度増加部は、前記第1の間隙部および前記第2の間隙部それぞれの前記長手方向への長さをL(mm)とする場合に、前記センターピラーからの距離Lb(mm)が下記(1)式を満足する領域に、存在する請求項1または請求項2に記載された自動車車体の構造部材。
    L/2−200<Lb<2/L+200 ・・・・・・・(1)
  4. 前記ねじり変形強度増加部は、側面衝突時に前記インナーレインフォースおよび/または前記インナーよりも先に前記センターピラーが室内側へ倒れ込むことに起因して前記インナーレインフォースの前記縦壁部および/または前記インナーの前記縦壁部にしわが発生する領域に、存在する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材。
  5. 前記所定角度は10〜65(°)である請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材。
  6. 前記所定角度は、側面衝突時に前記インナーレインフォース、および/または、前記インナーよりも先に前記センターピラーが室内側へ倒れ込むことに起因して前記インナーレインフォースの前記縦壁部、および/または、前記インナーの前記縦壁部に発生するしわの、水平方向に対する角度をθw(°)とする場合に、下記(2)式を満足する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材
    θw−10<θb<θw+40 ・・・・・・・(2)
  7. サイドシルであり、かつ、前記インナーレインフォースはシルインナーレインフォースであり、前記インナーはシルインナーであるとともに、前記他の構造部材はリアホイールハウスである請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材。
  8. ルーフサイドレールであり、かつ、前記インナーレインフォースはルーフサイドレールインナーレインフォースであり、前記インナーはルーフサイドレールインナーであるとともに、前記他の構造部材はリアピラーである請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材を有する側部構造を備えることを特徴とする自動車車体。
  10. 縦壁部を有する横断面のインナーレインフォースと縦壁部を有するインナーとが接合された閉断面を有し、車両の前方側から後方側へ向けて順にフロントピラー、センターピラーおよび他の構造部材と接合される、自動車車体の長尺の構造部材を製造する際に、
    前記構造部材の長手方向に関する、前記フロントピラーとの接合部と前記センターピラーとの接合部との間である第1の間隙部、および/または、前記センターピラーの接合部と前記他の構造部材との接合部との間である第2の間隙部における前記インナーレインフォースの前記縦壁部、および/または、前記インナーの前記縦壁部に、前記長手方向から前記センターピラーへ向けて水平面から斜め上方へ所定角度θb(°)傾斜する方向へ延びて存在するねじり変形強度増加部を形成すること
    を特徴とする自動車車体の構造部材の製造方法。
  11. 前記ねじり変形強度増加部は凹ビードまたは凸ビードである請求項10に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
  12. 前記ねじり変形強度増加部を、前記第1の間隙部および前記第2の間隙部それぞれの前記長手方向への長さをL(mm)とする場合に、前記センターピラーからの距離Lb(mm)が下記(1)式を満足する領域に、形成する請求項10または請求項11に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
    L/2−200<Lb<2/L+200 ・・・・・・・(1)
  13. 前記ねじり変形強度増加部を、側面衝突時に前記インナーレインフォースおよび/または前記インナーよりも先に前記センターピラーが室内側へ倒れ込むことに起因して前記インナーレインフォースの前記縦壁部および/または前記インナーの前記縦壁部にしわが発生する領域に、形成する請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
  14. 前記所定角度は10〜65(°)である請求項10から請求項13までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
  15. 前記所定角度は、側面衝突時に前記インナーレインフォース、および/または、前記インナーよりも先に前記センターピラーが室内側へ倒れ込むことに起因して前記インナーレインフォースの前記縦壁部、および/または、前記インナーの前記縦壁部に発生するしわの、水平方向に対する角度をθw(°)とする場合に、下記(2)式を満足する10請求項10から請求項14までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
    θw−10<θb<θw+40 ・・・・・・・(2)
  16. 前記自動車車体の構造部材はサイドシルであり、かつ、前記インナーレインフォースはシルインナーレインフォースであり、前記インナーはシルインナーであるとともに、前記他の構造部材はリアホイールハウスである請求項10から請求項15までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
  17. 前記自動車車体の構造部材はルーフサイドレールであり、かつ、前記インナーレインフォースはルーフサイドレールインナーレインフォースであり、前記インナーはルーフサイドレールインナーであるとともに、前記他の構造部材はリアピラーである請求項10から請求項15までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材の製造方法。
  18. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された自動車車体の構造部材を自動車車体の側部構造の構造部材として配置し、側面衝突時に前記インナーレインフォース、および/または、前記インナーよりも先に前記センターピラーが室内側へ倒れ込む際に、前記インナーレインフォースの前記縦壁部、および/または、前記インナーの前記縦壁部におけるしわの発生を抑制することを特徴とする自動車車体の衝撃エネルギーの吸収方法。
JP2015163675A 2015-08-21 2015-08-21 自動車車体の構造部材、その製造方法および自動車車体、ならびに衝撃エネルギー吸収方法 Active JP6613712B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015163675A JP6613712B2 (ja) 2015-08-21 2015-08-21 自動車車体の構造部材、その製造方法および自動車車体、ならびに衝撃エネルギー吸収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015163675A JP6613712B2 (ja) 2015-08-21 2015-08-21 自動車車体の構造部材、その製造方法および自動車車体、ならびに衝撃エネルギー吸収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017039443A true JP2017039443A (ja) 2017-02-23
JP6613712B2 JP6613712B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=58202760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015163675A Active JP6613712B2 (ja) 2015-08-21 2015-08-21 自動車車体の構造部材、その製造方法および自動車車体、ならびに衝撃エネルギー吸収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6613712B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021024444A (ja) * 2019-08-06 2021-02-22 本田技研工業株式会社 車体側部構造

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011143762A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Toyota Motor Corp 車両骨格構造
JP2016193674A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 マツダ株式会社 車両の側部車体構造

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011143762A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Toyota Motor Corp 車両骨格構造
JP2016193674A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 マツダ株式会社 車両の側部車体構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021024444A (ja) * 2019-08-06 2021-02-22 本田技研工業株式会社 車体側部構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP6613712B2 (ja) 2019-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5598632B2 (ja) 自動車車体
JP6449562B2 (ja) 車両用骨格構造
EP3219589B1 (en) Structural member
JP7135274B2 (ja) 車両用構造部材
JP2007191008A (ja) 自動車サイドシル
JP2011143762A (ja) 車両骨格構造
JP2008254471A (ja) 側面衝突性能を強化させた自動車用ドア
CN105636833B (zh) 用于机动车辆的减震系统
JP5328057B2 (ja) 車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造
JP5630575B2 (ja) 車両用構造体
JP4834353B2 (ja) 車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造
JP6613712B2 (ja) 自動車車体の構造部材、その製造方法および自動車車体、ならびに衝撃エネルギー吸収方法
JP5235007B2 (ja) クラッシュボックス
JP5180950B2 (ja) バンパー構造体
JP5692187B2 (ja) 車体前部構造
JP6908204B2 (ja) フロントピラーアウタ
WO2021010389A1 (ja) フロントピラーアウタ
JP6687179B1 (ja) 自動車骨格部材および電気自動車
JP5454290B2 (ja) 自動車の衝突エネルギー吸収部材の補強構造
EP3604086B1 (en) Shock-absorbing member and side member of automobile
JP4706656B2 (ja) バンパステイ
WO2020085383A1 (ja) 自動車骨格部材および電気自動車
JP2023077041A (ja) 車体構造

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20151016

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191021

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6613712

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151