JP6747306B2 - 電力制御装置の車載構造 - Google Patents

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本明細書は、走行用モータに供給する電力を制御する電力制御装置の車載構造を開示する。
自動車のフロントコンパートメントには、様々な機器が搭載されている。フロントコンパートメントに搭載される機器のなかには、カウルパネルの前方に配置されるものがある(例えば特許文献1)。カウルパネルは、車両のフロントコンパートメントの後端とフロントウインドシールドの前縁との間に位置する部材であり、その両端がサスペンションタワーまたはフロントピラーに連結されている部材である。
一方、走行用モータを備える電気自動車の多くは、走行用モータに供給する電力を制御する電力制御装置を車両のフロントコンパートメントに搭載している。特許文献2、3に開示された電力制御装置は、その上面後方にコネクタが取り付けられている。なお、本明細書における「電気自動車」には、走行用のモータとエンジンの両方を備える自動車も含まれる。
特開2013−095153号公報 特開2015−133803号公報 特開2012−095482号公報
フロントコンパートメントのレイアウトの制約、及び、電力制御装置の内部の部品レイアウトの制約から、電力制御装置の筐体後部にコネクタが取り付けられるとともに、そのコネクタの後方にカウルパネルが位置してしまう場合が生じ得る。フロントコンパートメントに搭載された電力制御装置は、車両が前方の障害物と衝突した際、衝突の衝撃で後退する可能性がある。電力制御装置が後退すると、電力制御装置の筐体後部に取り付けられたコネクタがカウルパネルと干渉し、コネクタがダメージを受ける可能性がある。一方、電力制御装置は、走行用モータに供給する電力を蓄えるバッテリでチャージされるコンデンサを備えているとともに、衝突時にそのコンデンサを放電する放電回路を備えている。衝突時、電力制御装置は、コネクタを通じて外部から放電指令を受信してコンデンサを放電する。衝突時にコネクタがダメージを受けると放電指令が放電回路に伝わらずにコンデンサの放電が行われなくなるおそれがある。本明細書は、電力制御装置が後退したときに上面後方のコネクタをカウルパネルとの衝突から保護する技術を提供する。
本明細書が開示する車載構造では、走行用モータの電力制御装置は、車両のフロントコンパートメントに搭載されている。電力制御装置の筐体の後部にコネクタが取り付けられている。コネクタの後方にカウルパネルが位置している。電力変換装置の筐体には、一対の突起が設けられている。一対の突起の夫々は、車両前方からみてコネクタの夫々の側方に位置するように配置されている。一対の突起の後端はコネクタよりも後方に位置している。
上記の車載構造によれば、衝突の衝撃で電力制御装置が後退したとき、コネクタの両側の突起がコネクタよりも先にカウルパネルと接触してそれを押し退け、コネクタを保護する。一対の突起は、電力変換装置の筐体に設けられる。軽量化のため、突起は中空であることが望ましい。一方、中空の突起は筐体の共振周波数を下げ、振動騒音を大きくする要因となる。そこで本明細書が開示する電力制御装置では、中空の突起の内側に補強リブを設ける。補強リブにより筐体の共振周波数の低下が防止され、振動騒音の増大が回避される。補強リブの数や大きさは、筐体の構造は振動源(例えば筐体内部の振動部品など)の特性により定めればよい。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の車載構造を採用したハイブリッド車の電力系のブロック図である。 実施例の車載構造を含むハイブリッド車のフロントコンパートメントの様子を示す斜視図である。 車載された電力制御装置の平面図である。 車載された電力制御装置の側面図である。 突起の具体的な形状の一例を示す部分斜視図である。 図5の部分斜視図において突起の一部をカットした図である。 補強リブの変形例を示す部分斜視図である。 変形例の車載構造を示す平面図である。
図面を参照して実施例の車載構造を説明する。実施例の車載構造は、走行用のモータとエンジンを備えるハイブリッド車100に適用されている。まず、ハイブリッド車100の電力系を説明する。図1にハイブリッド車100の電力系のブロック図を示す。図1のブロック図では、本明細書が開示する技術の説明に必要のない一部の部品は図示を省略してあることに留意されたい。
ハイブリッド車100は、走行用に電気モータ8(走行用モータ8)とエンジン13を備える。以下では説明を簡単にするため、走行用モータ8を単純にモータ8と表記する。モータ8には電力制御装置5が接続されている。電力制御装置5は、モータ8に供給される電力を制御する。具体的には、電力制御装置5は、高電圧バッテリ3の直流電力をモータ駆動用の交流電力に変換する。モータ8の出力とエンジン13の出力は動力分配機構9により合成され車軸11に出力される。動力分配機構9は、エンジン13の出力トルクを車軸11とモータ8に分配する場合がある。このとき、モータ8は、エンジン13の出力トルクの一部により発電する。また、運転者がブレーキペダルを踏んだとき、モータ8は、車両の運動エネルギを利用して発電する。発電で得られた電力(回生電力)は電力制御装置5を介して高電圧バッテリ3に供給される。モータ8が発電した交流の回生電力は、電力制御装置5によって直流電力に変換されて高電圧バッテリ3へ供給される。
エンジン13の筐体には、エンジンコントローラ12が取り付けられている。エンジンコントローラ12は、車両全体の制御を司るHVコントローラ6とエンジンワイヤハーネス28で接続されている。エンジンワイヤハーネス28は、HVコントローラ6とエンジンコントローラ12との間で様々な信号を伝達するための通信ケーブルである。
電力制御装置5は、電圧コンバータ回路とインバータ回路を備えている。電圧コンバータ回路は、高電圧バッテリ3の電力をモータ8の駆動に適した電圧まで昇圧する。高電圧バッテリ3の出力電圧は例えば300ボルトであり、昇圧後の電圧は例えば600ボルトである。インバータ回路は、昇圧された直流電力を、モータ8の駆動に適した周波数の三相交流電力に変換する。インバータ回路は、モータ8が発電した交流電力を直流電力に変換する機能も有している。電圧コンバータ回路は、インバータ回路で直流変換された電力の電圧を高電圧バッテリ3の電圧まで降圧する機能も有している。即ち、電力制御装置5に内蔵されている電圧コンバータ回路は、双方向DC−DCコンバータである。電圧コンバータ回路とインバータ回路についての詳しい説明は省略する。
電力制御装置5には、高電圧バッテリ3の電流を平滑化するコンデンサ16が備えられている。さらに、電力制御装置5には、車両衝突時にコンデンサ16を放電する放電回路17が備えられている。放電回路17は、例えば放電抵抗である。あるいは、先に述べた昇圧コンバータ回路やインバータ回路が放電回路として利用されてもよい。
コンデンサ16は高電圧バッテリ3によってチャージされた状態にあり、衝突の際に放電回路17がコンデンサ16を放電することで電力制御装置5の安全性が確保される。HVコントローラ6から電力制御装置5へ、コンデンサ16を放電させるべく放電回路17を起動させる放電指令が伝達される。HVコントローラ6は、エアバックコントローラ18から、車両が衝突したことを示す信号を受け取ると、電力制御装置5へ放電指令を送信する。同時にHVコントローラ6は、高電圧バッテリ3と電力制御装置5を電気的に接続しているシステムメインリレー4を開放する。システムメインリレー4が開放されると、電力制御装置5が高電圧バッテリ3から切り離され、コンデンサ16への電力供給が止まり、コンデンサ16の放電が可能になる。なお、エアバックコントローラ18は、衝突を検知する加速度センサを備えており、加速度センサが所定の大きさ以上の加速度を検知すると、車両が衝突したことを示す信号をHVコントローラ6へ送信する。
高電圧バッテリ3と電力制御装置5は、高電圧電力線24で接続されている。高電圧電力線24の一端には高電圧コネクタ22が接続されており、その高電圧コネクタ22が電力制御装置5に取り付けられている。即ち、高電圧電力線24と高電圧コネクタ22が、高電圧バッテリ3の電力を電力制御装置5に伝達する。高電圧電力線24の途中にシステムメインリレー4が備えられている。
電力制御装置5には、低電圧で駆動する制御回路も収容されている。ここで、低電圧とは、上記した高電圧バッテリ3の出力電圧よりも低い電圧を意味する。その制御回路へ電力を供給するために、電力制御装置5は、補機バッテリ7とも接続されている。補機バッテリ7の出力電圧は、高電圧バッテリ3の出力電圧よりも低く、例えば12ボルトである。補機バッテリ7は、補機共通電力線14と低電圧電力線26を介して電力制御装置5と接続されている。低電圧電力線26の一端には低電圧コネクタ21が接続されており、その低電圧コネクタ21が電力制御装置5に取り付けられている。補機共通電力線14は、車内に張り巡らされている電力線であり、様々な補機に電力を供給する。「補機」とは、低電圧で駆動するデバイス群の総称である。補機の一例は、カーナビゲーション装置15である。電力制御装置5に実装されている回路であって低電圧で動作する制御回路も「補機」に属する。
低電圧コネクタ21には、低電圧電力線26のほか、信号ワイヤハーネス27が接続されている。信号ワイヤハーネス27は、電力制御装置5とHVコントローラ6の間で様々な信号をやり取りするための通信ケーブルである。先に述べた放電指令も、信号ワイヤハーネス27を通じてHVコントローラ6から電力制御装置5へ伝達される。車両が衝突した際、HVコントローラ6が電力制御装置5へ放電指令を送信する前に低電圧コネクタ21がダメージを受けると、電力制御装置5は放電指令を適切に受信できず、コンデンサ16の放電が実施されないおそれがある。ハイブリッド車100は、前方からの衝突の際に低電圧コネクタ21がダメージを受け難い構造を備えている。次に、電力制御装置5の車載構造2を説明する。
図2から図4を参照して電力制御装置5の車載構造2を説明する。図2はハイブリッド車100のフロントコンパートメント90におけるデバイスレイアウトを示す斜視図である。図3は、フロントコンパートメント90に搭載された電力制御装置5の平面図である。図4は、フロントコンパートメント90に搭載された電力制御装置5の側面図である。図3の平面図は、電力制御装置5とその周辺のみを描いてある。図4の符号43はフロントコンパートメント90を覆うフードを示している。図2と図3では、フード43の図示を省略してある。また、符号10は、電力制御装置5の筐体を示している。
図中の座標系について説明する。座標系のF軸が車両前方を示し、H軸が車幅方向を示し、V軸が車両上方を示している。以下、本明細書における「前」とは車両前後方向の「前」を意味し、「後」とは車両前後方向の「後」を意味する。フロントコンパートメント90は、車両前部空間に相当する。
フロントコンパートメント90には、エンジン13、トランスアクスル30、電力制御装置5、補機バッテリ7が格納されている。なお、フロントコンパートメント90には、他にも様々な部品が格納されているが、ここでは、上記した部品以外は説明を割愛する。補機バッテリ7のケーブルなどの図示も省略した。
トランスアクスル30には、走行用のモータ8と、動力分配機構9と、デファレンシャルギアが収容されている。即ち、トランスアクスル30は、走行用のモータ8を収容するハウジングでもある。トランスアクスル30はエンジン13と車幅方向で連結されている。エンジン13の出力トルクとモータ8の出力トルクはトランスアクスル30の中の動力分配機構9にて合成され、デファレンシャルギアを介して車軸へ伝達される。
エンジン13とトランスアクスル30は、フロントコンパートメント90の下方で車両前後方向に延びる2本のサイドメンバ92の間に懸架されている。なお、図2では一方のサイドメンバは隠れて見えない。トランスアクスル30の上に電力制御装置5が固定されている。
電力制御装置5の筐体10は、トランスアクスル30に固定されている。より詳しくは、電力制御装置5の筐体10は、フロントブラケット31とリアブラケット32により、トランスアクスル30の上方に固定されている。図4に示されているように、フロントブラケット31とリアブラケット32によって、電力制御装置5の筐体10とトランスアクスル30との間には隙間が確保されている。即ち、電力制御装置5の筐体10は、直接にはトランスアクスル30に触れておらず、フロントブラケット31とリアブラケット32を介してトランスアクスル30に支持されている。これは、エンジン13の振動やモータ8の振動から電力制御装置5を保護するためである。なお、図示は省略しているが、フロントブラケット31と筐体10の間、及び、リアブラケット32と筐体10の間には防振ブッシュが組み込まれている。電力制御装置5の筐体10は、フロントブラケット31とリアブラケット32により支持されているため、前方から衝突荷重を受けると後退する場合がある。
電力制御装置5の筐体10後部(上面後方)には低電圧コネクタ21が取り付けられている。低電圧コネクタ21は、先に述べたように、補機バッテリ7に接続されている低電圧電力線26と、HVコントローラ6に接続されている信号ワイヤハーネス27を電力制御装置5に接続するコネクタである。
図4に示されているように、電力制御装置5の筐体10の後面には高電圧コネクタ22が取り付けられている。高電圧コネクタ22は、高電圧バッテリ3(図1)と接続されている高電圧電力線24を電力制御装置5に接続するコネクタである。なお、図3では、高電圧コネクタ22に接続されている高電圧電力線24の図示は省略した。
フロントコンパートメント90の車両後方側には、金属製のカウルパネル44が配置されている。カウルパネル44は、フロントコンパートメント90と車室を区画するダッシュパネル48に連結されている。カウルパネル44は、車幅方向に延びており、その両端がステー52を介してサスペンションタワー53に連結されている。また、カウルパネル44の両端は、フロントピラー51にも連結されている。
図4に示されているように、カウルパネル44において、車両前後方向(図中のF軸方向)と車両上下方向(図中のV軸方向)に拡がる平面でカットした断面は、上に開いている湾曲形状を成している。「上に開いている湾曲形状」とは、別言すれば、下に向けて凸となるように湾曲していることである。カウルパネル44の後縁はフロントガラス46の下縁と接しており、その前縁にはフロントコンパートメント90を覆うフード43が接している(図4参照)。
上に開いているカウルパネル44の上方は樹脂製のカウルトップパネル45で覆われている。また、カウルパネル44の上方に(湾曲の内側に)、ワイパーピボット41が配置されている。ワイパーピボット41は、ピボットホルダ49で支持されている。そのピボットホルダ49は、カウルパネル44に固定されている。ワイパーピボット41は、カウルトップパネル45を貫通しており、その一部が露出している。ワイパーピボット41は、ワイパーアームを回転させるアクチュエータである。図3では、ワイパーピボット41とワイパーアームの図示を省略し、図4ではワイパーアームの図示を省略した。カウルパネル44は、フロントコンパートメント90の後端にて、フード43の後端からフロントガラス46の前端までの間の隙間をカバーするとともに、ワイパーの主要部品であるワイパーピボット41を格納する部品である。
図4に示されているように、低電圧コネクタ21の後方にカウルパネル44が位置している。符号44aは、カウルパネル44のうち、低電圧コネクタ21と同じ高さで低電圧コネクタ21に対向する部位(対向部位44a)を示している。図3では対向部位44aを破線で示してある。対向部位44aは、カウルパネル44のうち、高さが低電圧コネクタ21と同じであり、かつ、車幅方向の位置が低電圧コネクタ21と同じである範囲を指す。ハイブリッド車100が前方の障害物と衝突すると、その衝撃でブラケット31、32が外れ、電力制御装置5が後退することがある。電力制御装置5が後退すると、低電圧コネクタ21が金属製のカウルパネル44(対向部位44a)と接触する。カウルパネル44との接触で低電圧コネクタ21がダメージを受けると、信号ワイヤハーネス27を通じてHVコントローラ6から送られる放電指令が電力制御装置5の内部の放電回路17に伝達されなくなるおそれがある。そこで、電力制御装置5の車載構造2では、電力制御装置5が後退したときの低電圧コネクタ21のカウルパネル44との接触を回避する構造が採用されている。
電力制御装置5の筐体10の後部(上面後方)に一対の突起33、34が設けられている。一対の突起33、34は、車両前方からみて低電圧コネクタ21の夫々の側方に一つずつ配置されている。図3、図4に示すように、一対の突起33、34は、その後端が、低電圧コネクタ21の後端よりも後方に位置するように配置されている。図3において、破線WLが、低電圧コネクタ21の後端を示している。一対の突起33、34の後端は、いずれも、破線WLよりも後方に位置している。従って、電力制御装置5が後退したとき、低電圧コネクタ21よりも先に一対の突起33、34がカウルパネル44と接触する。電力制御装置5がさらに後退すると、低電圧コネクタ21の両側で一対の突起33、34がカウルパネル44を後方へ押す。カウルパネル44の強度が、電力制御装置5から受ける荷重に耐えられれば、電力制御装置5の後退が止まる。カウルパネル44の強度が、電力制御装置5から受ける荷重に耐えられなければ、カウルパネル44が後方へ押しやられる。いずれにしても、電力制御装置5が後退した際、低電圧コネクタ21はカウルパネル44との接触から保護される。
図3の一点鎖線CLは、車幅方向での車両中心線を表している。図3に示すように、突起33は、突起34よりも、車両中心線CLに近い。そして、図3、図4に示すように、車両中心線CLに近い側の突起33の後端からカウルパネル44(対向部位44a)までの距離L1が、車両中心線CLから遠い側の突起34の後端からカウルパネル44(対向部位44a)までの距離L2よりも短い。この構造には、以下の利点がある。カウルパネル44は車幅方向の両端で車両(サスペンションタワー53あるいはフロントピラー51)に固定されている。そのため、カウルパネル44は、車幅方向の端に近いほど前後方向の荷重に対する強度が高くなる。逆に言えば、カウルパネル44は車幅方向の車両中心線CLに近いほど強度が低くなる。一方、一対の突起33、34の位置関係により、電力制御装置5が後退すると、車両中心線CLに近い側の突起33が、遠い側の突起34よりも先にカウルパネル44に接触する。即ち、カウルパネル44の強度の低い箇所に先に突起33が接触し、カウルパネルを後方へ押し始める。車両中心線CLに近い側の突起33が、遠い側の突起34よりもカウルパネルを大きく変形させることになる。一対の突起33、34に加わる荷重がバランスし、一方の突起に加わる荷重が過大となることが防止される。
図2−図4では、筐体10と一対の突起33、34の形状を模式的に表していた。図5を参照して、突起33、34の具体的な形状の一例を説明する。図5は、一対の突起33、34を備える電力制御装置5の部分斜視図を示す。図5では、低電圧コネクタ21につながっているケーブルの図示は省略した。低電圧コネクタ21は、電力制御装置5の筐体10の上面(アッパーカバー10a)の後方に取り付けられている。一対の突起33、34は、筐体10の上面(アッパーカバー10a)に設けられている。一対の突起33、34は、夫々が、車両前方からみて低電圧コネクタ21の夫々の側方に位置するように配置されている。一対の突起33、34は、アッパーカバー10aと一体で作られている。アッパーカバー10aと一対の突起33、34は、アルミニウムの射出成形でアッパーカバー10aと同時に成形される。
図6に、夫々の突起33、34の一部をカットした斜視図を示す。図6では、理解し易いように、突起33、34の断面をグレーで示してある。また、カットされた部分は破線で示してある。図6に示すように、突起33は、中空であり、その内部に補強リブ33aが設けられている。補強リブ33aは、突起33の一方の内面(図中の座標系のH軸方向を向く内面)からその反対側の内面まで延びている。別言すれば、補強リブ33aは、突起33の一方の内面(図中の座標系のH軸方向を向く内面)と、その反対側の内面を連結する。補強リブ33aは、突起33の振動を抑制する。突起33の振動とは、例えば、筐体10に収容された電力制御装置5の電子部品の振動に伴って生じる筐体振動である。電力制御装置5は、先に述べたコンデンサ16や、リアクトルを備えており、それらの部品は、交流の電流成分が印加されると振動を生じることがある。電子部品の振動が筐体10に伝わり、筐体10の全体が共鳴して騒音を生じる。特に、中空の突起33は撓み易いので、突起の存在によって振動騒音が大きくなるおそれがある。突起33の一つの内面とその反対側の内面を連結する補強リブ34aは、突起33を含む筐体10の共振周波数を高め、筐体10の振動騒音を抑制する。
突起34も中空であり、その内部に補強リブ34aが設けられている。補強リブ34aは、突起34の一方の内面(図中の座標系のH方向を向く内面)からその反対側の内面まで延びている。別言すれば、補強リブ34aは、突起34の一方の内面(図中の座標系のH方向を向く内面)と、その反対側の内面を連結する。突起34の内側の補強リブ34aも、補強リブ33aと同様に、筐体10の振動騒音を抑制する。なお、補強リブ33a、34aは、筐体10の振動騒音を抑制するという利点のみならず、突起33、34の強度が増すので、カウルパネル44との衝突時に壊れ難いという利点も与える。
図7は、補強リブの変形例を示す部分斜視図である。図7も、図6と同様に、突起33、34の一部をカットして描いてあり、それらの断面をグレーで示してある。また、カットされた部分は破線で示してある。先に示した図6の補強リブ33a、34aは、図中の座標系のH軸方向に延びていた。図7の変形例の補強リブ33b、34bは、図中の座標系のF軸方向に延びている。即ち、補強リブ33bは、突起33の一方の内面(図中の座標系のF軸方向を向く内面)からその反対側の内面まで延びている。補強リブ34bは、突起34の一方の内面(図中の座標系のF軸方向を向く内面)からその反対側の内面まで延びている。別言すれば、補強リブ33bは、突起33の一方の内面(図中の座標系のF軸方向を向く内面)とその反対側の内面を連結する。補強リブ34bは、突起34の一方の内面(図中の座標系のF軸方向を向く内面)とその反対側の内面を連結する。
突起33、34の内部に設けられる補強リブの向きのほか、その厚み、高さ(図中の座標系のV軸方向の長さ)は、振動源となる電子部品の振動特性に応じて定めればよい。一つの突起の内部に設ける補強リブの数も、一つに限らず、振動源となる電子部品の振動特性に応じて定めればよい。
図8を参照して、変形例の車載構造202を説明する。変形例の車載構造202は、ハイブリッド車200に適用されている。この変形例では、高電圧コネクタ22の後方にカウルパネル44の対向部位44aが位置している。そして、この変形例では、高電圧コネクタ22が衝突時に保護すべきコネクタに相当する。図8は、ハイブリッド車200のフロントコンパートメント90の平面図である。図8でも、図3の平面図と同様に、電力制御装置5とその周辺のみを描いてある。また、図8において、図3に示した部品と同じ部品には同じ符号を付してある。高電圧コネクタ22は、電力制御装置5の筐体210の後部(後面)に取り付けられている。そして、筐体210の後面には、一対の突起233、234が設けられている。一対の突起233、234の夫々は、車両前方からみて高電圧コネクタ22の夫々の側方に位置するように配置されている。図8において、破線WLは、高電圧コネクタ22の後端を示している。一対の突起233、234は、破線WLよりも後方へ延びている。即ち、一対の突起233、234の後端は、高電圧コネクタ22よりも後方に位置している。さらに、車幅方向で車両中心線CLに近い側の突起233の後端からカウルパネル44の対向部位44aまでの距離L1が、車両中心線CLから遠い側の突起234の後端から対向部位44aまでの距離L2よりも短くなっている。この変形例の車載構造202は、衝突時に高電圧コネクタ22をカウルパネル44との干渉から保護する。この車載構造202は、高電圧コネクタ22に対して、図2−図6に示した車載構造2と同様の効果を得ることができる。
また、一対の突起233、234は、アルミニウム製の筐体210と一体で作られており、その内部が中空である。夫々の突起233、234の内部には、補強リブが設けられている。
実施例で説明した車載構造2の特徴を以下にまとめる。電力制御装置5は、フロントコンパートメント90にて、走行用モータ8を収容しているハウジング(トランスアクスル30)の上に固定されている。電力制御装置5は、直流電源(高電圧バッテリ3)の電流を平滑化するコンデンサ16と、コンデンサ16を放電する放電回路17を備えている。他のデバイス(HVコントローラ6)からコンデンサ16を放電させる放電指令を伝達するワイヤハーネス(信号ワイヤハーネス27)が、電力制御装置5の筐体10の後部(上面後方)に取り付けられたコネクタ(低電圧コネクタ21)を介して電力制御装置5に接続されている。フロントコンパートメント90の中にて、低電圧コネクタ21の後方にカウルパネル44が位置している。そして、電力制御装置5の筐体10の後部(上面後方)には、低電圧コネクタ21を保護する一対の突起33、34が設けられている。一対の突起33、34の夫々は、車両前方からみて低電圧コネクタ21の夫々の側方に位置する。一対の突起33、34の夫々の後端は、低電圧コネクタ21よりも車両後方に位置している。車幅方向で車両中心線CLに近い側の突起33の後端からカウルパネル44までの距離L1が、車両中心線CLから遠い側の突起34の後端からカウルパネル44までの距離L2よりも短い。そして、突起は内部が中空であり、その内部に、共振周波数を高めるための補強リブが設けられている。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。保護すべきコネクタとそのコネクタを保護する一対の突起は、上面後部、側面後部、あるいは、後面に設けられていればよい。本明細書が開示する車載構造は、エンジンを備えない電気自動車に適用することも可能である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:車載構造
3:高電圧バッテリ
4:システムメインリレー
5:電力制御装置
6:HVコントローラ
7:補機バッテリ
8:モータ
9:動力分配機構
10、210:筐体
10a:アッパーカバー
11:車軸
13:エンジン
14:補機共通電力線
16:コンデンサ
17:放電回路
18:エアバックコントローラ
21:低電圧コネクタ
22:高電圧コネクタ
27:信号ワイヤハーネス
28:エンジンワイヤハーネス
30:トランスアクスル
31、32:ブラケット
33、34、233、234:突起
33a、33b、34a、34b:補強リブ
44:カウルパネル
44a:対向部位
45:カウルトップパネル
48:ダッシュパネル
49:ピボットホルダ
51:フロントピラー
52:ステー
53:サスペンションタワー
90:フロントコンパートメント
92:サイドメンバ
100、200:ハイブリッド車

Claims (1)

  1. 走行用モータに供給する電力を制御する電力制御装置の車載構造であり、
    前記電力制御装置は、車両のフロントコンパートメントに搭載されており、
    前記電力制御装置の筐体の後部にコネクタが取り付けられており、
    前記コネクタの後方にカウルパネルが位置しており、
    前記筐体に一対の突起が設けられており、
    前記一対の突起の夫々は、車両前方からみて前記コネクタの夫々の側方に位置するように配置されているとともに、前記一対の突起の後端が前記コネクタよりも後方に位置しており、
    前記一対の突起は中空であり、前記一対の突起の夫々の内側に補強リブが設けられている、電力制御装置の車載構造。
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