JP6744288B2 - シートベルト用ショルダアジャスタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートベルト用ショルダアジャスタ装置に関し、特に、シートベルト装置に用いられるスルーアンカの高さを調整するためのシートベルト用ショルダアジャスタ装置に関する。
シートベルト用ショルダアジャスタ装置は、車体センタピラー等の車体フレームに取り付けられるもので、従来から種々提案されている。ショルダアジャスタ装置は、車体フレームに固定されるガイドレールと、このガイドレールに摺動自在に取り付けられたスライド部材と、このスライド部材に連結されてウェビングを支持するスルーアンカと、を備える。そして、スライド部材に設けられたラッチ部材がガイドレール上の複数のラッチ孔の所定位置に係合されることで、スライド部材と共にスルーアンカが適切な高さに固定される。
このようなショルダアジャスタ装置では、プリテンショナー作動時の振動など、不測の荷重Gが掛かってもラッチ部材のラッチ孔との係合を維持し、係合を解除する際には、ボタン操作等を必要とする解除防止機構(以下、「耐G機構」とも称す。)を備えたものが知られている。
一方、ラッチ孔を窪みとするように、ガイドレールにシートを取り付け、スルーアンカの高さ調整に際して、スライド部材を上方(シートベルト用ショルダアジャスタ装置を車体フレームに取り付けたときにおける上方)に引き上げる操作を行ったときに、ラッチ孔の上端部の傾斜面にラッチ部材が当接して、ラッチ部材がラッチ孔との係合を解除する方向に案内されながら移動する。これによって、ボタン操作を必要とせずに、スライド部材を上昇させるもの(以下、「イージーアップ機構」とも称す)が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−39267号公報
ところで、従来のイージーアップ機構を備えたショルダアジャスタ装置では、ラッチ部材は、ガイドレールに対して垂直方向に移動することで、ラッチ孔との係合を解除しながら、スライド部材を上昇させる。一方、耐G機構を備えたショルダアジャスタ装置では、耐G機構が作用した状態では、ラッチ部材をラッチ孔との係合を解除するように、該垂直方向に移動させることはできない。言い換えると、耐G機構を備えたショルダアジャスタ装置では、イージーアップ機構を持たせる構造と併用することができないという課題があった。
本発明は、上記事情を鑑みて為されたものであり、その目的は、ラッチ部材のラッチ孔との係合解除を防止する解除防止機構を備えると共に、該解除防止機構による係合解除防止が作用した状態で、スライド部材を上昇可能にする機構を備える、操作性に優れたシートベルト用ショルダアジャスタ装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 長手方向に所定の間隔で複数のラッチ孔を有し、車体フレームに固定可能なガイドレールと、
前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられるスライド部材と、
前記スライド部材に連結されてウェビングを支持するスルーアンカと、
前記スライド部材に移動可能に保持され、前記スライド部材から突出して前記ラッチ孔に係合することで、前記ガイドレール上での前記スライド部材の摺動を拘束するラッチ部材と、
を備え、
前記ラッチ部材が係合する前記ラッチ孔を選択することで、前記スルーアンカの高さを調整可能なシートベルト用ショルダアジャスタ装置において、
前記ラッチ部材は、前記ガイドレールに対して垂直方向に移動可能、且つ、前記ラッチ部材の一端部側の支軸回りに、前記ラッチ部材の他端部を車両の下側方向に向けて傾動可能に、前記スライド部材に保持され、
前記ラッチ部材が前記ラッチ孔の下端部に当接して、前記ラッチ孔に係合された状態において、前記ラッチ部材が前記ラッチ孔との係合を解除するように、前記ガイドレールに対して垂直方向へ移動するのを防止する解除防止機構を備え、
前記解除防止機構が前記ラッチ部材の前記垂直方向への移動を防止した状態で、前記スライド部材を上方へ摺動させたときに、前記ラッチ部材は、前記ラッチ孔の上端部に当接して車両の下側方向へ傾くことで、該ラッチ孔との係合を解除することを特徴とするシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
(2) 前記ラッチ部材を前記ラッチ孔と係合する方向、且つ、前記ラッチ部材の他端部を前記支軸回りに前記ラッチ孔の上端部に向かう方向に付勢する付勢機構が設けられることを特徴とする(1)に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
(3) 前記ラッチ部材の一端部側には、該ラッチ部材の軸線方向及び前記支軸の軸線方向に直交する方向で車両の下側方向に向けて延出するアーム部が設けられ、
前記付勢機構は、前記スライド部材と、前記アーム部との間に配置されるトーションスプリングであることを特徴とする(2)に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
(4) 前記スライド部材には、前記支軸を前記ガイドレールに対して垂直方向に移動可能、且つ、該支軸回りに傾動可能に保持する案内溝が設けられ、
前記ラッチ部材の一端部側には、該ラッチ部材の軸線方向及び前記支軸の軸線方向に直交する方向で車両の下側方向に沿って延出するアーム部が設けられ、
前記付勢機構は、
前記スライド部材に前記垂直方向に移動可能に取り付けられ、前記アーム部に前記ガイドレールと反対側から当接するピン部材と
前記ピン部材回りに配置されるコイルバネと、を備えることを特徴とする(2)に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
(5) 前記ラッチ部材には、該ラッチ部材の軸線方向に延出するアーム部が設けられ、
前記付勢機構は、
前記ガイドレールに対して垂直方向に移動可能に保持されるピン部材と、
中間部が前記ピン部材の先端部に軸支されて揺動可能に保持され、且つ前記アーム部の先端部に当接する当接内面を有する揺動部材と、
前記ピン部材回りに配置されて該ピン部材をガイドレール側へ付勢するコイルバネと、
前記揺動部材を、前記ラッチ部材が傾動したときに前記先端部を傾動から復帰する方向に付勢する復帰バネと、を備えることを特徴とする(2)に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
(6) 前記ラッチ部材には、該ラッチ部材の軸線方向に延出するアーム部が設けられ、
前記付勢機構は、前記スライド部材と、前記アーム部との間に配置され、前記ラッチ部材が係合するように前記垂直方向に付勢すると共に前記アーム部を傾動から復帰するように引っ張るトーションスプリングであることを特徴とする(2)に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
(7) 前記スライド部材には、前記ラッチ部材が挿通されるラッチ部材挿通孔が形成され、
前記ラッチ部材挿通孔は、前記スライド部材の長手方向において、前記支軸の位置に対して車両の下側方向に延在する長孔であることを特徴とする(1)〜(6)の何れかに記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
(8) 前記ラッチ孔の上端部には、該上端部の縁部から車両の下側方向に向けて且つ前記スライド部材が位置する側と反対側へ向って傾斜する傾斜面部が設けられ、
前記ラッチ部材の他端部には、前記ラッチ孔の上端部と対向する部分から底面に亙って斜めに切り欠かれた、前記傾斜面部と当接可能な切り欠き部が設けられていることを特徴とする(1)〜(7)の何れかに記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
(9) 前記スライド部材には、前記支軸を前記ガイドレールに対して垂直方向に移動可能、且つ、前記支軸回りに傾動可能に保持する案内溝が設けられ、
前記ラッチ部材の一端側端面に係止して、前記ラッチ部材が前記ラッチ孔との係合を解除する方向へ移動するのを防止するラッチ部材係止部と、前記案内溝内に案内された前記支軸と当接して、前記ラッチ部材が前記ラッチ孔との係合を解除する方向に前記支軸を移動させるラッチ解除傾斜面部と、を有するボタンが前記スライド部材の移動方向に沿って押し込まれるように設けられていることを特徴とする(1)〜(8)の何れかに記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
本発明のシートベルト用ショルダアジャスタ装置によれば、ラッチ部材は、ガイドレールに対して垂直方向に移動可能、且つ、ラッチ部材の一端部側の支軸回りに、ラッチ部材の他端部を車両の下側方向に向けて傾動可能に、スライド部材に保持されることから、ラッチ部材を、ラッチ孔の下端部に当接しているときはスライド部材を拘束でき、スライド部材を上昇させるときには、ラッチ孔の上端部に当接して傾きながら該ラッチ孔から離脱することができる。この結果、ラッチ部材のラッチ孔内からの垂直方向の移動が規制された状態でも、スライド部材の引き上げ操作だけでラッチ部材を傾動させて係合状態を解除することができる。したがって、ラッチ部材のラッチ孔との係合解除を防止する解除防止機構を備えると共に、該解除防止機構による係合解除防止が作用した状態で、スライド部材を上昇可能にする機構を備える、操作性に優れたシートベルト用ショルダアジャスタ装置を提供できる。
本発明の第1実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置の外観を示す斜視図である。 図1のII−II線沿った断面図である。 図1に示すシートベルト用ショルダアジャスタ装置においてカバーを取り外した状態の平面図である。 図1に示すシートベルト用ショルダアジャスタ装置に適用されるラッチ部材の斜視図である。 図1に示すシートベルト用ショルダアジャスタ装置のラッチ状態を示し、カバーを取り外した状態で、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるガーニッシュをV−V線に沿って切断し、且つ、一部を破断した側断面図である。 図1に示すシートベルト用ショルダアジャスタ装置のイージーアップ時の状態を示し、カバーを取り外した状態で、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるガーニッシュをVI−VI線に沿って切断した断面及び一部を破断した側断面図である。 図1に示すシートベルト用ショルダアジャスタ装置のボタン操作によるラッチ解除状態を示し、カバーを取り外した状態で、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるガーニッシュをVII−VII線に沿って切断した断面及び一部を破断した側断面図である。 本発明の変形例のシートベルト用ショルダアジャスタ装置におけるボタン操作の動作を示すためのもので、(a)は、ラッチ状態の要部断面図、(b)は、ボタン操作途中の要部断面図、(c)は、ボタン操作によるラッチ解除時の要部断面図である。 本発明の第2実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置の動作を示すためのもので、(a)は、ラッチ状態の要部断面図、(b)は、イージーアップ時の要部断面図、(c)は、ボタン操作時のラッチ解除時の要部断面図である。 第3実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置に適用されるラッチ部材の斜視図である。 本発明の第3実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置の動作を示すためのもので、(a)は、ラッチ状態の要部断面図、(b)は、イージーアップ時の要部断面図、(c)は、ボタン操作時のラッチ解除時の要部断面図である。 第4実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置に適用されるラッチ部材の斜視図である。 本発明の第4実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置の動作を示すためのもので、(a)は、ラッチ状態の要部断面図、(b)は、イージーアップ時の要部断面図、(c)は、ボタン操作時のラッチ解除時の要部断面図である。
以下、本発明に係るシートベルト用ショルダアジャスタ装置の各実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明における方向の記載については、ショルダアジャスタ装置の車体への取り付けは、ガイドレールの長手方向を上下にして取付けられるので、ショルダアジャスタ装置の上下方向とは車両(車体)の上下方向を示し、左右方向とは車体に取り付けられたショルダアジャスタ装置を車内側から見た方向を示す。また、手前方向とは、車内空間側、裏面側とは手前方向と反対方向、即ちショルダアジャスタ装置の車体取り付け面側を示す。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、第1実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置1は、センタピラー等の車体フレームに、適宜固定手段により一体に固定される。このシートベルト用ショルダアジャスタ装置1は、長手方向に所定の間隔で複数のラッチ孔12を有するガイドレール10と、ガイドレール10に係合されて上下方向に摺動自在に取り付けられるスライド部材Sと、スライド部材Sにボルト71等の固定手段により連結され、ウェビングWの長さ方向の中間部をスライド可能に支持するスルーアンカ100と、スライド部材Sに進退可能に設けられ、スライド部材Sから突出してラッチ孔12に係合することで、ガイドレール10上でのスライド部材Sの摺動を拘束するラッチ部材80と、ラッチ部材80をラッチ孔12に差し込む方向に付勢する付勢機構であるトーションスプリング90と、ラッチ部材80をトーションスプリング90の付勢力に抗してラッチ孔12から引き抜く操作を行うためのボタン40と、ボタン40の一部を外部に露出するようにスライド部材Sを覆うカバー50と、を備える。そして、ラッチ部材80が係合するラッチ孔12を選択するようにスライド部材Sをガイドレール10に沿って移動することで、スルーアンカ100の高さを調整する。
ガイドレール10は、表面が電着塗装やメッキ等によって処理された高張力鋼等の金属製からなり、センタピラーの長手方向(上下方向)に沿って緩やかに湾曲した構造を持つ。図3に示すように、ガイドレール10の両端部にはボルト挿通用の取付孔11を有し、この取付孔11に挿通したボルト19により、ガイドレール10が車体フレームに固定される。また、複数のラッチ孔12は、ガイドレール10の幅方向の中央部に形成される。さらに、複数のラッチ孔12に対して長手方向両側で、複数のラッチ孔12が形成される湾曲したレール表面の両端部に1対のストッパ13が設けられている。また、ガイドレール10の幅方向両端部には、スライド部材Sを案内するレール部14が長手方向に亘って形成されている。
ラッチ孔12の上端部12fには、該上端部12fの縁部から車両の下側方向に且つスライド部材Sが位置する側と反対側(即ち、ラッチ孔12の裏面側)へ向って傾斜する傾斜面部18が設けられている。傾斜面部18は、後述するように、イージーアップ時において、ラッチ部材80が当接するときに、該ラッチ部材80をラッチ孔12から離脱させるときの案内面を構成する。
スライド部材Sは、ガイドレール10に摺動自在に係合するスライドベース20と、スライドベース20と一体に固定されるガーニッシュ30と、必要に応じて、ガイドレール10とスライドベース20との間に介在され、スライドベース20の摺動性を向上するスライドピース(不図示)と、を備える。
スライドベース20は、表面が電着塗装やメッキ等によって処理された高張力鋼等の金属製からなり、摺動位置によりガイドレール10上の複数のラッチ孔12のうちの1つと位置が合致するラッチ部材挿通孔22と、スルーアンカ100を固定するナット70を装着するための装着孔21と、を有する。そして、スライドベース20の装着孔21にナット70が固定され、このナット70に、スルーアンカ100を軸支するボルト71を締結することで、スルーアンカ100がスライド部材Sに取り付けられる。
ガーニッシュ30は、ポリプロピレンPP等の樹脂製からなり、図2に示すように、スライドベース20に接する底部30bと、スライドベース20のラッチ部材挿通孔22と対応する位置で、底部30bから垂直方向手前側に立ち上がってラッチ部材80を移動可能に保持するラッチ部材収容室32と、を有する。このラッチ部材収容室32は、ボタン40の移動を案内するガイド溝32gを備える左右の側壁32wと、側壁32wの上端を連結しラッチ部材80の一端部側(図中上方)を覆う天井壁32uとを備えている。また、天井壁32uには、ラッチ部材80をガイドレールの方向に垂直で且つ支軸81の回りで回転する方向へ付勢するトーションスプリング90が係合している。すなわち、天井壁32uとラッチ部材80のアーム部82との間にトーションスプリング90が介装されている。また、上方の壁面30fには、ボタン4を上方へ付勢するコイルスプリング48がボタン40のボタン押圧壁41とガーニッシュ30との間に介装されている。
カバー50は、ポリプロピレン等の樹脂製からなり、スライド部材Sを覆うようにしてスライド部材Sのガーニッシュ30に取り付けられる。
ラッチ部材80は、図4に示すように、略円筒形の胴部80aと、胴部80aの一端部側面から左右方向に突出した一対の支軸81と、ラッチ部材80の軸線方向及び支軸81の軸線方向に直交する方向で車両の下側方向に延出するアーム部82とを備えている。ガイドレール10には、ラッチ孔12の上端部12fからスライド部材Sと反対方向に延びてガイドレールの底面から斜めに切り欠かれた、傾斜面部18を備える。ラッチ部材80の胴部80aの他端部には、該傾斜面部18と当接可能な切り欠き部80tが設けられている。アーム部82には、トーションスプリング90の一端部90aが係合する、例えば凹部82hが形成されている。
ラッチ部材80は、支軸81がラッチ部材収容室32に形成された案内溝34に案内されて、ガイドレール10に対して垂直方向に移動可能であると共に、支軸81回りに傾動可能に保持されている。また、ラッチ部材80は、後述するように、支軸81の軸心CLを中心にして他端部を車両の下側方向に向けて揺動可能であり、垂直方向への移動に際しては、胴部80aがラッチ部材収容室32の壁面により適宜保持されている。
トーションスプリング90は、図中下側の一端部90aがラッチ部材80のアーム部82の先端側に係合し、図中上側の他端部90bがガーニッシュ30の天井壁32uの内側に係合している。したがって、トーションスプリング90は、ラッチ部材80をラッチ孔12に向かう方向に付勢すると共に、ラッチ部材80の他端部をラッチ孔12の上端部12fに向かう方向に付勢する。
スライド部材Sのラッチ部材挿通孔22は、スライド部材Sの長手方向において、支軸81の位置に対して車両の下側方向に延在する長孔に形成されている。したがって、このラッチ部材挿通孔22によって、ラッチ部材80が揺動したときに、他端部が移動できる空間が確保されている。
ボタン40は、ポリプロピレンPP、ポリアセタールPOM等の樹脂製からなり、カバー50の開口部分から露出するボタン押圧壁41とガイドレール10の長手方向に沿って車両の下側方向に延出される左右一対のボタン側壁42を有している。そして、ボタン側壁42には、例えば左右外側に突出するガイドリブ42g(図5(a)参照)が側壁32wのガイド溝32gに案内されてガイドレール10の長手方向にスライド移動可能保持されている。
また、ボタン側壁42には、その先端側にラッチ部材80の支軸81に対してガイドレール10とは反対側から対面して、該ラッチ部材80をラッチ孔12内に係止するラッチ部材係止部42eと、上下方向において、ラッチ部材係止部42eの近傍からボタン押圧壁41側に向かって形成され、ボタン押圧壁41側に近づくに伴ってガイドレール10から離間するラッチ解除傾斜面42tと、を有している。すなわち、ラッチ解除傾斜面42tは、ラッチ部材80の支軸81に対してラッチ部材係止部42eと反対側から接触可能(図4参照)に位置され、ボタン操作のスライド移動により、支軸81を手前方向に押し上げるようにして案内溝34に沿って移動させことができる。この結果、ボタン40は、ラッチ部材80をラッチ孔12から抜き出し、スライド部材Sの拘束の解除と拘束を行う解除防止機構として機能する。
以下、スライド部材Sの操作並びにラッチ部材80の動作について、図5〜図7を参照して説明する。
先ず、図5に示すように、ラッチ部材80は、他端部がラッチ孔12の下端部12rに当接しているときは、スライド部材Sを、車両の下側方向に移動しないように拘束している。また、ラッチ部材80は、トーションスプリング90によって、ラッチ孔12と係合する方向に押圧されていると共にラッチ部材挿通孔22の上方内面22fに当接するように回転力が加えられている。このように、ラッチ部材80がラッチ部材係止部42eによってラッチ孔12に拘束された状態において、ラッチ部材80がラッチ孔との係合を解除する垂直方向への移動が防止され、不測の荷重Gが作用した場合でも、ラッチ部材80は、ラッチ孔12から離脱しない、所謂スライド部材Sの拘束状態が維持される。
一方、イージーアップ操作時においては、図6に示すように、ラッチ部材80が支軸81を中心にして図中所定の角度だけ反時計回りに回動する状態になる。すなわち、スライド部材Sを上昇させる引き上げ動作をしたときに、ラッチ部材80は、手前側への垂直方向への移動が防止された状態のまま、ラッチ孔12の上端部12fに設けられた傾斜面部18に切り欠き部80tが当接して他端部が車両の下側方向に向かって傾動することで、ラッチ孔12から離脱する。この結果、スライド部材Sの拘束状態が解除される。そして、スライド部材Sをさらに引き上げて移動させると、大きく撓んだトーションスプリング90の付勢力によって、ラッチ部材80が上方の別のラッチ孔12に押し込まれて再びスライド部材Sの拘束状態となる。
ボタン40の操作によるスライド部材Sの拘束状態の解除は、図7に示すように、ボタン40をコイルスプリング48の付勢力に抗して下方に押し込む(矢印B方向に押し込む)と、ラッチ部材係止部42eがラッチ部材80との対向位置から後退すると共に、ラッチ解除傾斜面42tが支軸81をトーションスプリング90の付勢力に抗して手前方向に押し上げる。すなわち、ラッチ部材80は、直立した状態のままトーションスプリング90を大きく撓ませて垂直方向に移動し、他端部がラッチ孔12から離脱する。この結果、スライド部材Sは、ガイドレール10の上下何れの方向に自在に動かすことができる。ボタン40の押し込み操作をやめると、ボタン40は、コイルスプリング48により元の位置に押し戻される。これに伴って、ラッチ部材80は、トーションスプリング90によってガイドレール10に向かって略垂直方向に押し戻されてラッチ孔12内に再び係合される。
以上説明したように、本実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置1によれば、ラッチ部材80は、ガイドレール10に対して垂直方向に移動可能、且つ一端部側の支軸81回りに、他端部を車両の下側方向に向けて傾動可能に、スライド部材Sに保持されている。このため、ラッチ部材80が、ラッチ孔12の下端部12rに当接して、ラッチ孔12に係合された状態において、ラッチ部材80がラッチ孔12との係合を解除するように移動するのを防止する解除防止機構を備えた構成であっても、スライド部材Sを上方に摺動させたときには、ラッチ部材80の下端部が、ラッチ孔12の上端部12fに当接して車両の下側方向に傾くことで、該ラッチ孔12との係合を解除することができる。即ち、ラッチ部材80のラッチ孔12との係合を解除する方向への移動が防止された場合でも、スライド部材Sの上方への引き上げ操作だけでラッチ部材80を倒して、当該ラッチ孔12との係合を解除し、上方に位置する別なラッチ孔12にラッチ部材80を係合させることができる。この結果、ラッチ部材80のラッチ孔12との係合解除を防止する解除防止機構を備えると共に、該解除防止機構による係合解除防止が作用した状態で、スライド部材Sを上昇可能にする機構を備える、操作性に優れたシートベルト用ショルダアジャスタ装置1を提供できる。
また、本実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置1では、トーションスプリング90は、ラッチ部材80をラッチ孔12と係合する方向と、ラッチ部材80の他端部を支軸回りにラッチ孔12の上端部に向かう方向の両方に付勢することができるので、二つの動作のための付勢部材を共用化することができる。
また、本実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置1では、ラッチ部材80の一端部側には、ラッチ部材80の軸線方向及び支軸81の軸線方向に直交する方向で車両の下側方向に延出するアーム部82が設けられ、トーションスプリング90は、スライド部材Sと、アーム部82の先端部との間に配置されて、ラッチ部材80をガイドレール10側に回転モーメントを伴う付勢をするので、付勢機構がトーションスプリング90のみで簡単な構成にでき、しかも、アーム部82によるモーメントを利用できることで、大きな回転力を得ることができ、ラッチ部材80の傾動状態からラッチ孔12との係合状態に戻すことができる。
本実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置1では、スライド部材Sには、ラッチ部材80が挿通されるラッチ部材挿通孔22が形成され、ラッチ部材挿通孔22は、スライド部材Sの長手方向において、前記支軸の位置に対して車両の下側方向に延在する長孔であるので、ラッチ部材80が傾動したときに他端部が車両の下側方向に向けて揺動する空間を確保することができる。
また、本実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置1では、ラッチ孔12の上端部12fには、該上端部12fの縁部から車両の下側方向に向けて且つスライド部材Sが位置する側と反対側へ向って傾斜する傾斜面部18が設けられ、ラッチ部材80の他端部には、ラッチ孔12の上端部12fに対向する部分から底面に亙って斜めに切り欠かれた、傾斜面部18と当接可能な切り欠き部80tが設けられているので、スライド部材Sを上昇させる際に、ラッチ部材80の切り欠き部80tが傾斜面部18に当接しながらラッチ部材80が傾動するので、ラッチ部材80の傾動動作を円滑にできる。
本実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置1によれば、スライド部材Sには、支軸81をガイドレール10に対して垂直方向に移動可能、且つ、支軸81回りに傾動可能に保持する案内溝34が設けられ、ラッチ部材80の一端側端面と当接して、前記ラッチ部材を前記垂直方向へ移動するのを防止してラッチ孔内に係止するラッチ部材係止部と、前記案内溝内に案内された前記支軸と当接して、該支軸を前記ラッチ部材が前記ラッチ孔との係合を解除する方向に移動させるラッチ解除傾斜面部と、を有するボタン40が設けられている。このため、ボタン40の操作によって、ラッチ部材80のラッチ孔12からの係合解除の防止と、ラッチ部材80のラッチ孔12からの係合解除とを切り換えることができる。
なお、本実施形態では、付勢機構にトーションスプリング90を用いたが、これに限定されるものでなく、例えば、板バネ等を用いることができる。
また、上述した実施形態では、解除防止機構を構成するボタン40をガイドレール10の長手方向(上下方向)に沿って移動する構造としたが、例えば、図8に示すように、解除防止機構を構成するボタン40は、摘まみ式で、ラッチ部材80をガイドレール10に対して垂直方向に移動させるタイプのものであっても良い。なお、図8においては、上記実施形態と同一又は同等部分については、同一符号を付して説明を省略する。
この摘まみ式のボタン40では、左右両外側壁42aは、ガーニッシュ30のロック溝35に係合するロック突起43を有している。また、ラッチ部材80は、ボタン40の側壁45に形成された支持孔46に支軸81が回転可能に軸支されている。また、トーションスプリング90は、上記実施形態と同様に、ラッチ部材80のアーム部82と天井壁32uとの間に設けられている。したがって、図8(a)に示すように、ロック突起43がロック溝35に係合した状態において、スライド部材Sのイージーアップ操作(図8における紙面手前側への移動)によって、上記実施形態と同様に、ラッチ部材80が傾動してラッチ孔12から離脱できる。
また、ボタン40の操作の際には、図8(b)に示すように、外部から左右両外側壁42aを指で摘まんで内方(矢印H方向)に撓ませ、ロック溝35に対するロック突起43のロックを解除する。
このロックを解除した状態で、図8(c)に示すように、ボタン40を垂直方向に引き上げる(矢印I方向の操作)と、ラッチ部材80は、ボタン40と一緒に移動してラッチ孔12から引き抜く方向へ移動し、ラッチ部材80は、ラッチ孔12から離脱する。
即ち、この変形例においては、ガーニッシュ30のロック溝35とボタン40のロック突起43とが、解除防止機構を構成しており、この解除防止機構がラッチ部材80の垂直方向への移動を防止した状態であっても、スライド部材Sを上方へ摺動させたときに、ラッチ部材80が傾動して、ラッチ孔12との係合を解除することができ、解除防止機構とイージーアップ機構とを両立することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るシートベルト用ショルダアジャスタ装置の第2実施形態について、図9を参照して説明する。なお、図9において、第1実施形態と同一又は同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置1においては、ラッチ部材80には、第1実施形態と同様に、スライド部材Sの車両下側方向に向って延出するアーム部82が設けられている。付勢機構90は、アーム部82に対して、ガイドレール10と反対側から当接し垂直方向に移動可能なピン部材91pと、ピン部材91p回りに配置されるコイルバネ91sとで構成されている。
詳細には、ピン部材91pは、例えば、ガーニッシュ30の天井壁32uに形成された支持孔を貫通して垂直方向に移動可能に支持されている。また、コイルバネ91sは、ガーニッシュ30の天井壁32uと、ピン部材91pの先端で該ピン部材91pの胴部よりも大径に形成された大径部91eとの間に介装されており、大径部91eをアーム部82の先端部の上面に当接するように付勢する。また、アーム部82の先端部の上面は、大径部91e側に膨らむように適宜湾曲した湾曲面82eに形成されている。
したがって、スライド部材Sを上方に移動するイージーアップ動作(矢印A方向の動作)をしたときに、図9(b)に示すように、ラッチ部材80は、第1実施形態と同様に、支軸81を支点にして車両の下側方向(図中、反時計回り)に傾動する。これにより、ラッチ部材80の他端部が、ラッチ孔12から離脱する。このとき、アーム部82は、ピン部材91pを押し上げるように回転する。この状態では、ラッチ部材80は、支軸81を中心にして、時計方向に回るように付勢されているが、ラッチ部材80の切り欠き部80tがガイドレール10の表面に当接している間は、傾いた状態が維持される。その後、ラッチ部材80の他端部が別のラッチ孔12に臨むと、他端部がラッチ孔12内に押し込まれて再びスライド部材Sは拘束状態となる。
ボタン40を押し込む操作をしない状態では、図9(a)に示すように、第1実施形態と同様に、ラッチ部材係止部42eがラッチ部材80を位置規制しており、これによって、ラッチ部材80がラッチ孔12との係合を解除する方向に移動するのを防止する。ボタン40を押すと、図9(c)に示すように、第1実施形態と同様、ラッチ部材係止部42eが車両の下側方向に後退し、これと略同時に、ラッチ解除傾斜面42tが車両の下側方向に移動(矢印B方向)移動して、支軸81を押し上げ、ラッチ部材80をラッチ孔12との係合を解除する方向に移動させる。この結果、ラッチ部材80の他端部がラッチ孔12から離脱し、スライド部材Sは、上下何れの方向にも移動可能となる。
このように、本実施形態では、スライド部材Sには、支軸81をガイドレール10に対して垂直方向に移動可能、且つ、支軸81回りに傾動可能に保持する案内溝34が設けられ、ラッチ部材80の一端部側には、該ラッチ部材80の軸線方向及び支軸81の軸線方向に直交する方向で車両の下側方向に向けて延出するアーム部82が設けられ、付勢機構90は、スライド部材Sに垂直方向に移動可能に取り付けられ、アーム部82にガイドレール10と反対側から当接するピン部材91pと、ピン部材91p回りに配置されるコイルバネ91sと、を備える。したがって、第2実施形態においても、ラッチ部材80のラッチ孔12との係合解除を防止する解除防止機構を備えると共に、該解除防止機構による係合解除防止が作用した状態で、スライド部材Sを上昇可能にする機構を備える、操作性に優れたシートベルト用ショルダアジャスタ装置1を提供できる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
(第3実施形態)
次に、本発明に係るシートベルト用ショルダアジャスタ装置の第3実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態のショルダアジャスタ装置1では、ラッチ部材80には、胴部80aの軸線方向に沿って延出されたアーム部83が設けられている。また、付勢機構90は、ガイドレール10に対して垂直方向に移動可能に保持されるピン部材92pと、中間部がピン部材92pの先端部の支持軸92fに軸支されて揺動可能に保持され、且つアーム部83の先端部83uに当接する当接内面を有する揺動部材93と、ピン部材92p回りに配置されて該ピン部材92pをガイドレール側へ付勢するコイルバネ92sと、揺動部材93を、ラッチ部材80が傾動したときに先端部83uを傾動から復帰する方向に付勢する復帰バネ93sと、を備えている。
具体的には、ラッチ部材80のアーム部83は、図10(a)に示すように、先端部83uが半球状に形成されている。また、ピン部材92pは、図11に示すように、アーム部80aの軸線方向に沿って設けられており、第2実施形態と同様に、ガイドレール11に対して垂直方向に移動可能に支持さている。また、コイルバネ92sは、第2実施形態と同様に、ガーニッシュ30の天井壁32uと、ピン部材92pの先端側の大径部92eとの間に介装されて、ピン部材92pを垂直方向において裏面側に付勢している。また、揺動部材93は、その内側の当接内面93iが、アーム部83の先端部83uに当接している。この当接内面93iは、先端部83u側に向って凹状の湾曲面に形成されており、傾動状態にあるラッチ部材80を垂直状態に容易に復帰させることができる。
また、揺動部材93は、復帰バネ93sによって、支持軸92fの周りに回転(図中、反時計回りの方向)するように付勢されている。すなわち、復帰バネ93sは、その中央部分が支持軸92fに取付けられ、一端部93bが大径部92eの係止端92tに係止され、他端部93eが揺動部材93の一端側に係合されていることで、アーム部83を垂直方向に起こす向きに付勢している。
このように構成されている場合、スライド部材Sを上方移動するイージーアップ動作(矢印A方向の動作)をしたときに、図11(b)に示すように、ラッチ部材80は、上記実施形態と同様に、支軸81を支点にして傾動してラッチ孔12との係合を解除する。このとき、アーム部83は、揺動部材93を、図中時計回り方向に押して傾動させる。このラッチ部材80の傾動状態において、揺動部材93の当接内面93iは、アーム部83の先端部83uを時計回り方向に付勢している。その後は、上記実施形態と同様に、この状態で、ラッチ部材80の切り欠き部80tがガイドレール10の表面に当接している間は、ラッチ部材80の傾いた状態が維持され、ラッチ部材80の他端部が別のラッチ孔12に臨む位置にくると、他端部がラッチ孔12内に押し込まれ、再びスライド部材Sは拘束状態となる。
ボタン40を押し込む操作をしない状態では、図11(a)に示すように、第1実施形態と同様に、ラッチ部材係止部42eがラッチ部材80を拘束状態にしている。ボタン40を押すと、図11(c)に示すように、上記実施形態と同様に、ラッチ部材80は、ラッチ孔12との係合を解除するように垂直方向に押し上げられて、ラッチ部材80の他端部がラッチ孔12から離脱し、スライド部材Sは、上下何れの方向にも移動可能となる。
本実施形態においては、付勢機構90は、ガイドレール10に対して垂直方向に移動可能に保持されるピン部材92pと、中間部がこのピン部材p92の先端部に軸支されて揺動可能に保持された揺動部材93とを備え、ピン部材92pをガイドレール側へ付勢するコイルバネ92sにより、ラッチ部材80を垂直方向に押圧することができ、また、アーム部83の先端部83uを傾動から復帰する方向に付勢する復帰バネ93sにより揺動部材93を付勢して、ラッチ部材80を傾動状態から復帰方向へ付勢することができる。このように、ラッチ部材80をラッチ孔12に係合する方向に付勢するコイルバネ92sと、傾動状態のラッチ部材80を垂直状態に揺動復帰させる復帰バネ93sとが、別部材にて構成されることで、各バネの付勢力の設定並びにバネの選定が容易になる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
(第4実施形態)
次に、本発明に係るシートベルト用ショルダアジャスタ装置の第4実施形態について、図12及び図13を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態のシートベルト用ショルダアジャスタ装置では、ラッチ部材80には、第3実施形態と同様に、胴部80aの軸線方向に延出するアーム部83が設けられ、付勢機構90は、スライド部材Sと、アーム部82との間に配置され、ラッチ部材80が係合するように垂直方向に付勢すると共にアーム部83を傾動から復帰するように引っ張るトーションスプリング94である。
本実施形態のラッチ部材80は、図12に示すように、第3実施形態と略同じ形状であるが、アーム部82にトーションスプリング94の、例えば環状に形成された一端部94cが取付られる取付突起84が支軸81と平行に突設されている。一方、トーションスプリング94の他端部94bは、ガーニッシュ30に設けられた取付部38の孔に差し込むように固定されている。
したがって、本実施形態のラッチ部材80は、引っ張り力を発生するトーションスプリング94によって、図13(a)に示すようにラッチ部材80によるスライド部材Sの拘束状態における付勢力及び図13(b)に示すようにイージーアップ時の付勢力を上記実施形態と同様に発生することができる。
また、ボタン40を押し込む操作をしない状態では、図13(a)に示すように、上記実施形態と同様に、ラッチ部材80はラッチ孔12に係合されており、ボタン40を押した場合には、図13(c)に示すように、ラッチ部材80がラッチ孔12との係合を解除するように垂直方向に押し上げられて、ラッチ部材80の他端部がラッチ孔12から離脱し、スライド部材Sは、上下何れの方向にも移動可能となる。
本実施形態によれば、付勢機構90は、ラッチ部材80のアーム部82の先端部に係合してラッチ部材80を傾動から戻る向きに引っ張るトーションスプリング94にて構成されているので、付勢機構90が一つのバネのみによる簡単な構成にでき、しかも、アーム部83によるモーメントを利用でき、ラッチ部材80の傾動からの戻り力を大きくすることができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、実施可能な範囲において適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、本発明のシートベルト用ショルダアジャスタ装置1においては、ラッチ部材、付勢機構、ボタン等の形状、配置など実施可能な範囲において任意に設計することができる。上記実施形態においては、ラッチ部材80の他端部に切り欠き部80tを有する構成としたが、切り欠き部80tを有しない構成であってもよい。
1 シートベルト用ショルダアジャスタ装置
10 ガイドレール
12 ラッチ孔
12f 上端部
20 スライドベース
22 ラッチ部材挿通孔
30 ガーニッシュ
34 案内溝
40 ボタン
42e ラッチ部材係止部
42t ラッチ解除傾斜面
80 ラッチ部材
82、83 アーム部
83u 先端部
90 トーションスプリング(付勢機構)
91p、92p ピン部材
91s、92s コイルバネ
93 揺動部材
93i 当接内面
93s 復帰バネ
100 スルーアンカ
S スライド部材

Claims (9)

  1. 長手方向に所定の間隔で複数のラッチ孔を有し、車体フレームに固定可能なガイドレールと、
    前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられるスライド部材と、
    前記スライド部材に連結されてウェビングを支持するスルーアンカと、
    前記スライド部材に移動可能に保持され、前記スライド部材から突出して前記ラッチ孔に係合することで、前記ガイドレール上での前記スライド部材の摺動を拘束するラッチ部材と、
    を備え、
    前記ラッチ部材が係合する前記ラッチ孔を選択することで、前記スルーアンカの高さを調整可能なシートベルト用ショルダアジャスタ装置において、
    前記ラッチ部材は、前記ガイドレールに対して垂直方向に移動可能、且つ、前記ラッチ部材の一端部側の支軸回りに、前記ラッチ部材の他端部を車両の下側方向に向けて傾動可能に、前記スライド部材に保持され、
    前記ラッチ部材が前記ラッチ孔の下端部に当接して、前記ラッチ孔に係合された状態において、前記ラッチ部材が前記ラッチ孔との係合を解除するように、前記ガイドレールに対して垂直方向へ移動するのを防止する解除防止機構を備え、
    前記解除防止機構が前記ラッチ部材の前記垂直方向への移動を防止した状態で、前記スライド部材を上方へ摺動させたときに、前記ラッチ部材は、前記ラッチ孔の上端部に当接して車両の下側方向へ傾くことで、該ラッチ孔との係合を解除することを特徴とするシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
  2. 前記ラッチ部材を前記ラッチ孔と係合する方向、且つ、前記ラッチ部材の他端部を前記支軸回りに前記ラッチ孔の上端部に向かう方向に付勢する付勢機構が設けられることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
  3. 前記ラッチ部材の一端部側には、該ラッチ部材の軸線方向及び前記支軸の軸線方向に直交する方向で車両の下側方向に向けて延出するアーム部が設けられ、
    前記付勢機構は、前記スライド部材と、前記アーム部との間に配置されるトーションスプリングであることを特徴とする請求項2に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
  4. 前記スライド部材には、前記支軸を前記ガイドレールに対して垂直方向に移動可能、且つ、該支軸回りに傾動可能に保持する案内溝が設けられ、
    前記ラッチ部材の一端部側には、該ラッチ部材の軸線方向及び前記支軸の軸線方向に直交する方向で車両の下側方向に向けて延出するアーム部が設けられ、
    前記付勢機構は、
    前記スライド部材に前記垂直方向に移動可能に取り付けられ、前記アーム部に前記ガイドレールと反対側から当接するピン部材と
    前記ピン部材回りに配置されるコイルバネと、を備えることを特徴とする請求項2に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
  5. 前記ラッチ部材には、該ラッチ部材の軸線方向に延出するアーム部が設けられ、
    前記付勢機構は、
    前記ガイドレールに対して垂直方向に移動可能に保持されるピン部材と、
    中間部が前記ピン部材の先端部に軸支されて揺動可能に保持され、且つ前記アーム部の先端部に当接する当接内面を有する揺動部材と、
    前記ピン部材回りに配置されて該ピン部材をガイドレール側へ付勢するコイルバネと、
    前記揺動部材を、前記ラッチ部材が傾動したときに前記先端部を傾動から復帰する方向に付勢する復帰バネと、を備えることを特徴とする請求項2に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
  6. 前記ラッチ部材には、該ラッチ部材の軸線方向に延出するアーム部が設けられ、
    前記付勢機構は、前記スライド部材と、前記アーム部との間に配置され、前記ラッチ部材が係合するように前記垂直方向に付勢すると共に前記アーム部を傾動から復帰するように引っ張るトーションスプリングであることを特徴とする請求項2に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
  7. 前記スライド部材には、前記ラッチ部材が挿通されるラッチ部材挿通孔が形成され、
    前記ラッチ部材挿通孔は、前記スライド部材の長手方向において、前記支軸の位置に対して車両の下側方向に延在する長孔であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
  8. 前記ラッチ孔の上端部には、該上端部の縁部から車両の下側方向に向けて且つ前記スライド部材が位置する側と反対側へ向って傾斜する傾斜面部が設けられ、
    前記ラッチ部材の他端部には、前記ラッチ孔の上端部と対向する部分から底面に亙って斜めに切り欠かれた、前記傾斜面部と当接可能な切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
  9. 前記スライド部材には、前記支軸を前記ガイドレールに対して垂直方向に移動可能、且つ、前記支軸回りに傾動可能に保持する案内溝が設けられ、
    前記ラッチ部材の一端側端面に係止して、前記ラッチ部材が前記ラッチ孔との係合を解除する方向へ移動するのを防止するラッチ部材係止部と、前記案内溝内に案内された前記支軸と当接して、前記ラッチ部材が前記ラッチ孔との係合を解除する方向に前記支軸を移動させるラッチ解除傾斜面部と、を有するボタンが前記スライド部材の移動方向に沿って押し込まれるように設けられていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のシートベルト用ショルダアジャスタ装置。
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