(1.部品装着機1の概略構成)
以下、本発明に係る部品装着機を適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、部品装着機1の概略構成を説明する。なお、以下の説明において、水平幅方向(図1左右方向)をX軸方向、水平方向においてX軸方向に直交する水平長手方向(図1上下方向)をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する鉛直方向(図1紙面垂直方向)をZ軸方向とする。
図1に示すように、部品装着機1は、基板搬送装置10と、部品供給装置20と、部品移載装置30と、基板カメラ40と、ツールステーション50と、ノズルステーション60と、制御装置70と、を主に備える。基板搬送装置10は、ベルトコンベア等により構成され、基板PBをX軸方向へ順次搬送する。基板搬送装置10は、部品装着機1の機内に搬入された基板PBを所定位置に位置決めすると共に、部品の装着が完了した基板PBを部品装着機1の機外へ搬出する。
部品供給装置20は、フィーダ21と、パレット22とを備える。フィーダ21は、その後部(図1下側)にリールRを交換可能に保持する。リールRには、複数の部品を収容したキャリアテープが巻回される。パレット22は、略矩形状に形成される。パレット22の上面には、Y軸方向に延びる複数のスロット23が形成される。それら複数のスロット23が形成される位置には、フィーダ21が着脱可能に装着される。部品供給装置20は、リールRからキャリアテープを所定のピッチで引き出し、部品をフィーダ21の前方(図1上側)へ順次、送り込む。
部品移載装置30は、XYロボット31と、移動台32と、装着ヘッド80と、複数種の第一保持ツール90及び第二保持ツール190と、を備える。XYロボット31は、直動機構により移動台32をX軸方向及びY軸方向へ移動させる。移動台32には、装着ヘッド80が着脱可能に装着され、装着ヘッド80には、複数種の第一保持ツール90及び第二保持ツール190の中から、選択された一つの保持ツールが着脱可能に装着される。なお、装着ヘッド80、第一保持ツール90及び第二保持ツール190の詳細な構成については、後述する。
基板カメラ40は、光軸を下方へ向けた状態で移動台32に固定され、基板搬送装置10により位置決めされた基板PBを撮像する。基板カメラ40により撮像された画像は、基板PBの正確な座標位置を把握する際に用いられる。ツールステーション50は、複数種の第一保持ツール90及び第二保持ツール190を配置する領域であり、ノズルステーション60は、第一保持ツール90に着脱可能に装着される複数種の第一部品保持部100を配置する領域である。部品装着機1は、装着する部品に応じて、使用する第一保持ツール90、第二保持ツール190及び第一部品保持部100を選択し、装着ヘッド80に装着する保持ツール及び第一部品保持部100の交換を自動で行う。制御装置70は、予め入力された情報に基づいて、基板搬送装置10、部品供給装置20、部品移載装置30等に関する制御を行い、基板PBに対する部品の装着作業を実行する。
(2.装着ヘッド80の詳細)
次に、図2から図4を参照して、装着ヘッド80の詳細を説明する。図2から図4に示すように、装着ヘッド80は、ヘッド本体81と、第一ヘッド昇降部82と、第一回転駆動部83と、第一昇降駆動部84と、第二回転駆動部85と、第二ヘッド昇降部86と、第二昇降駆動部88と、を主に備える。ヘッド本体81は、移動台32(図1参照)に固定され、XYロボット31(図1参照)によりX軸方向及びY軸方向へ移動可能に設けられる。
第一ヘッド昇降部82は、円柱状の部位であり、ヘッド本体81に対して昇降可能に、且つ、第一ヘッド昇降部82の中心軸線まわりに回転可能に設けられる。第一回転駆動部83は、第一ヘッド昇降部82に固定されるR軸ギヤ83aと、R軸ギヤ83aを回転させる駆動源となるR軸モータ83bとを備える。第一ヘッド昇降部82は、R軸モータ83bを駆動させることにより、R軸ギヤ83aと一体回転する。第一昇降駆動部84は、第一ヘッド昇降部82に連結される直動機構としてのねじ送り機構(図示せず)と、ねじ送り機構の駆動源であるZ1軸モータ84aとを備える。第一ヘッド昇降部82は、Z1軸モータ84aを駆動させることにより、ヘッド本体81に対して上下方向へ昇降する。
第二回転駆動部85は、第一ヘッド昇降部82に対して相対回転可能に設けられるQ軸大ギヤ85aと、Q軸大ギヤ85aを回転させる駆動源となるQ軸モータ85bとを備える。Q軸大ギヤ85aは、Q軸モータ85bを駆動させることにより、第一ヘッド昇降部82に対して相対回転する。また、Q軸大ギヤ85aの下端部には、後述する第一保持ツール90のQ軸円筒ギヤ94(図4参照)に噛合するヘッド側クラッチ部85cが形成される。
また、第一ヘッド昇降部82の下端面には、ヘッド側連結部87が設けられる。ヘッド側連結部87は、第一ヘッド昇降部82に対して第一保持ツール90及び第二保持ツール190を一体回転可能に連結する。ヘッド側連結部87は、軸状部87aと、ヘッド側筒状部87bと、4個の窓部87cと、4個の係止部87dと、4個の基準マーク87eと、4個のクランプ部材87fと、2つの位置基準ピン87gとを主に備える。
図3に示すように、軸状部87aは、中央に貫通孔を有する円筒状の部位であり、第一ヘッド昇降部82と同軸に配置される。ヘッド側筒状部87bは、軸状部87aの下端面から下方へ突出する筒状の部位である。窓部87cは、ヘッド側筒状部87bに貫通形成される円孔であり、ヘッド側筒状部87bには4個の窓部87cが周方向等間隔に形成される。係止部87dは、ヘッド側筒状部87bの外周面から径方向外側に突出する部位である。4個の係止部87dは、窓部87cよりも下方であって、4個の窓部87cに対して位相をずらしつつ周方向等間隔に形成される。4個の基準マーク87eは、ヘッド側筒状部87bの下端面に設けられ、第一ヘッド昇降部82の中心位置を検出する際に用いられる。
クランプ部材87fは、球体である。4個のクランプ部材87fは、各々の窓部87cに1個ずつ配置され、各々のクランプ部材87fは、窓部87cの内部において移動可能に設けられる。位置基準ピン87gは、軸状部87aの下端面から下方へ延びる柱状の部位であり、2つの位置基準ピン87gは、180度間隔に配置される。
図4に示すように、第二ヘッド昇降部86は、ヘッド本体81に対し、昇降可能に設けられる。第二ヘッド昇降部86は、昇降レバー86aと、ローラ86bとを備える。昇降レバー86aは、ヘッド本体81に対して上下方向へ相対移動可能に支持される。昇降レバー86aの下端部分86a1は、L字状に屈曲形成され、昇降レバー86aの下端部分86a1の先端は、装着ヘッド80における径方向内側(図4右側)へ向けられている。ローラ86bは、昇降レバー86aの下端部分86a1よりも上方において昇降レバー86aに固定されたローラ軸86b1に対し、回転可能に支持される。そして、ローラ86bと昇降レバー86aの下端部分86a1との間には、隙間が形成される。
第二昇降駆動部88は、昇降レバー86aに連結される直動機構としてのねじ送り機構(図示せず)と、ねじ送り機構の駆動源であるZ2軸モータ88aとを備える。第一ツール昇降部92は、Z2軸モータ88aを駆動させることにより、第一ツール本体91に対して上下方向へ昇降する。
(3.第一保持ツール90)
次に、複数種の第一保持ツール90について説明する。図5に示すように、複数種の第一保持ツール90は、第一ツール本体91と、複数の第一ツール昇降部92と、複数の第一部品保持部100とをそれぞれ備える。ここでは、複数種の第一保持ツール90の一例として、12個の第一ツール昇降部92を有する第一保持ツール90について説明するが、第一ツール昇降部92の個数は、これに限られるものではない。
第一ツール本体91は、装着ヘッド80に着脱可能に装着される。第一ツール本体91は、ツール側連結部93と、Q軸円筒ギヤ94とを主に備える。ツール側連結部93は、第一ヘッド昇降部82に設けられたヘッド側連結部87(図3参照)に連結される部位であり、第一ツール本体91の上面であってQ軸円筒ギヤ94の内側に形成される。
図6に示すように、ツール側連結部93は、ツール側筒状部93aと、2個の位置決め孔93bと、爪部93cと、4個の切欠部93dとを備える。ツール側筒状部93aは、第一ヘッド昇降部82の下端面に形成されたヘッド側筒状部87b(図3参照)を挿入可能な筒状の部位である。位置決め孔93bは、ヘッド側筒状部87bの下端面に設けられた位置基準ピン87g(図3参照)を挿入可能な孔であり、2つの位置決め孔93bは、2つの位置基準ピン87gと対応する位置に形成される。ツール側連結部93にヘッド側連結部87が連結された状態において、ヘッド側筒状部87bはツール側筒状部93aに、2つの位置基準ピン87gは位置決め孔93bに、それぞれ収容される。
爪部93cは、ツール側筒状部93aの内周面から径方向内側へ突出する環状の部位であり、爪部93cの内径は、ヘッド側筒状部87bの外径よりも小さな寸法に設定されている。切欠部93dは、爪部93cの内周面から径方向外側へ向けて切欠き形成された部位であり、爪部93cには4つの切欠部93dが周方向等間隔に形成される。
ここで、ヘッド側筒状部87bの外周面から径方向外側に突出する4つの係止部87d(図3参照)は、4つの切欠部93dと対応する位置に形成される。そして、4つの係止部87dは、第一ヘッド昇降部82の中心軸線方向において、4つの切欠部93dを通過可能であって、爪部93cに対して係合可能である。
よって、4つの係止部87dと4つの切欠部93dとの位相を一致させた状態で、第一ヘッド昇降部82の中心軸線方向に沿って第一ヘッド昇降部82を第一ツール本体91に対して相対移動させると、4個の係止部87dは、爪部93cに係合することなく、切欠部93dを通過する。一方、4つの係止部87dの位相と4つの切欠部93dの位相とをずらした状態で、第一ヘッド昇降部82の中心軸線方向に沿ってヘッド側筒状部87bをツール側筒状部93aに対して相対移動させると、4つの係止部87dは、爪部93cに係合する。即ち、4つの係止部87dは、爪部93cを越えて第一ヘッド昇降部82の中心軸線方向へ相対移動することが規制される。
ここで、図1、図2及び図4を適宜参照しながら、装着ヘッド80に対する第一保持ツール90の装着手順を説明する。最初に、制御装置70は、XYロボット31により、装着ヘッド80をツールステーション50の上方に移動させる。続いて、制御装置70は、第一回転駆動部83により、4つの係止部87dの位相が4つの切欠部93dの位相と一致するように、第一ヘッド昇降部82を第一ヘッド昇降部82の中心軸線まわりに回転させる。次に、制御装置70は、第一昇降駆動部84により、装着ヘッド80を下降させ、4つの係止部87dを爪部93cよりも下方に移動させる。
次に、制御装置70は、第一回転駆動部83により、装着ヘッド80を第一保持ツール90に対して回転方向一方側へ相対回転させ、4つの切欠部93dに対して4つの係止部87dの位相をずらしつつ、2つの位置基準ピン87gと2つの位置決め孔93bとの位相を一致させる。その後、制御装置70は、第一昇降駆動部84により、装着ヘッド80を更に下降させる。これにより、ヘッド側筒状部87bがツール側筒状部93aに、位置基準ピン87gが位置決め孔93bに、それぞれ収容される。なおこのとき、窓部87cは、爪部93cよりも上方に配置される。
最後に、図示しないピストン機構を用いて、窓部87cに配置されたクランプ部材87fを径方向外側へ移動させる。これにより、クランプ部材87fは、ヘッド側筒状部87bの外周面よりも径方向外側へ突出し、爪部93cを押圧する。これにより、第一保持ツール90が、装着ヘッド80にクランプされた状態となり、第一保持ツール90は、装着ヘッド80に対して一体回転可能に装着される。
図5に戻り、Q軸円筒ギヤ94について説明する。Q軸円筒ギヤ94は、ツール側連結部93を包囲するように配置され、第一ツール本体91の上面に第一ツール本体91と一体回転可能に固定される。Q軸円筒ギヤ94の上端部には、Q軸大ギヤ85aの下端部に形成されたヘッド側クラッチ部85c(図2参照)に噛合するツール側クラッチ部94aが形成される。Q軸円筒ギヤ94は、ツール側クラッチ部94aをヘッド側クラッチ部85cに噛合させることで、Q軸大ギヤ85aに対して一体回転可能に連結される。そして、Q軸モータ85bを駆動させることにより、第一ツール本体91は、第一ヘッド昇降部82に対し、第一ヘッド昇降部82の中心軸線まわりに相対回転する。
第一ツール昇降部92は、第一ツール本体91に対し、昇降可能に、且つ、第一ツール昇降部92の中心軸線まわりに回転可能に設けられる。そして、各々の第一ツール昇降部92の上部には、第一保持ツール90における径方向外側へ向けて張り出す係合部95が形成される。
図4に示すように、係合部95は、第一ツール昇降部92を昇降させる際に、装着ヘッド80の第二ヘッド昇降部86により操作される部位である。係合部95は、ローラ86bと昇降レバー86aの下端部分86a1との間に形成された隙間に挿入されることにより、第二ヘッド昇降部86に係合可能に配置される。また、係合部95の下方には、スプリング96が設けられている。スプリング96は、係合部95と第一ツール本体91との間に挟まれた状態で配置されており、第一ツール昇降部92の下降に伴って圧縮する。
第二ヘッド昇降部86を下降させると、係合部95がローラ86bにより押圧され、第一ツール昇降部92が下降する。このとき、第一ツール昇降部92には、スプリング96から係合部95に対し、係合部95を上方へ押し戻そうとする付勢力が加わる。従って、第一ツール昇降部92を第一ツール本体91に対して下降させた状態から上昇させると、第一ツール昇降部92は、スプリング96から係合部95に加わる付勢力により、第二ヘッド昇降部86に追従するように上昇する。なおこのとき、係合部95の下方には昇降レバー86aの下端部分86a1が配置されているので、何らかの不具合により圧縮状態にあるスプリング96が伸長しない場合であっても、昇降レバー86aの下端部分86a1により係合部95を強制的に持ち上げることができる。
また、第二ヘッド昇降部86が上昇した状態において、全ての第一ツール昇降部92の係合部95は、同じ高さ位置に配置される(図5参照)。この状態で、第一保持ツール90を装着ヘッド80に対して相対回転させると、係合部95が第一ヘッド昇降部82の中心軸線まわりに回転移動する。これにより、部品装着機1は、第二ヘッド昇降部86に係合させる係合部95を変更することができ、第二ヘッド昇降部86により昇降させる第一ツール昇降部92を変更することができる。
図5に戻り、説明を続ける。各々の第一ツール昇降部92の上部には、Q軸円筒ギヤ94に噛合するQ軸小ギヤ97が固定されている。Q軸円筒ギヤ94が回転すると、Q軸小ギヤ97は、Q軸円筒ギヤ94に噛合しながら第一ツール昇降部92の中心軸線まわりに回転し、第一ツール昇降部92は、Q軸小ギヤ97と一体的に回転する。即ち、第一ツール昇降部92は、Q軸大ギヤ85a(図2参照)、Q軸円筒ギヤ94及びQ軸小ギヤ97を介して伝達されるQ軸モータ85bの駆動力により回転する。
第一部品保持部100は、吸着により部品を保持可能なノズルであり、各々の第一ツール昇降部92の下端部に着脱可能に装着される。ノズルステーション60(図1参照)には、複数種の第一部品保持部100が配置されており、部品装着機1は、移載する部品に応じて、第一ツール昇降部92に装着する第一部品保持部100を自動交換する。
(4.第二保持ツール190)
次に、図7から図9Bを参照して、第二保持ツール190について詳細に説明する。図7から図8Bに示すように、第二保持ツール190は、第二ツール本体191と、複数の第二ツール昇降部192と、第二部品保持部200と、支持部材210と、姿勢保持部220と、を主に備える。なお、ここでは、第二保持ツール190が2個の第二ツール昇降部192を有する場合を例に挙げて説明する。
第二ツール本体191は、装着ヘッド80に着脱可能に装着される。第二ツール本体191は、第一ヘッド昇降部82に設けられたヘッド側連結部87(図2参照)に連結されるツール側連結部193を備える。ツール側連結部193は、第一保持ツール90に設けられたツール側連結部93と同等の構成を有する。
2つの第二ツール昇降部192は、第二ツール本体191に対し、昇降可能に設けられる。2つの第二ツール昇降部192は、吸着姿勢用押圧部194と、装着姿勢用押圧部195とを備える。吸着姿勢用押圧部194及び装着姿勢用押圧部195の上部には、第二保持ツール190における径方向外側へ向けて張り出す係合部196が設けられる。係合部196は、第一保持ツール90の第一ツール昇降部92に設けられた係合部95(図2参照)と同等の構成を有し、装着ヘッド80の第二ヘッド昇降部86(図4参照)により操作される。
第二部品保持部200は、吸着により部品を保持可能なノズルである。第二部品保持部200は、保持部本体201と、支軸202と、第一ローラ203及び第二ローラ204と、を主に備える。保持部本体201は、第二ツール本体191の下端側において、第二ツール本体191に揺動可能に保持される。保持部本体201は、部品を吸着する際に負圧が供給されるノズル口201aを備える。
支軸202は、ノズル口201aの開口面が向く方向に対して直交する方向を中心軸線とする円柱状の部位であり、保持部本体201に固定される。なお、支軸202は、第二ツール本体191に固定されていてもよい。支軸202は、第二ツール本体191に回転可能に支持される。これにより、保持部本体201は、第二ツール本体191に対し、支軸202の中心軸線まわりに揺動可能に保持され、ノズル口201aの開口面の向きは、第二ツール本体191の揺動に伴って変更される。
第一ローラ203及び第二ローラ204は、支軸202を挟んだ両側において、保持部本体201に回転可能に支持される。また、第一ローラ203の上方には吸着姿勢用押圧部194が、第二ローラ204の上方には装着姿勢用押圧部195が、それぞれ配置される。即ち、吸着姿勢用押圧部194及び装着姿勢用押圧部195は、第二ツール本体191における周方向において、支軸202を挟んだ両側に配置される。第二保持ツール190は、吸着姿勢用押圧部194により第一ローラ203を下方へ押圧することにより、又は、装着姿勢用押圧部195により第二ローラ204を下方へ押圧することにより、ノズル口201aの開口面の向きを変えるような第二部品保持部200の姿勢変更を行うことができる。
このようにして、部品装着機1は、第二保持ツール190の使用時において、吸着姿勢用押圧部194及び装着姿勢用押圧部195により第二部品保持部200を下方へ向けて押圧することにより、第二部品保持部200は、支軸202まわりに揺動する。これにより、部品装着機1は、第二部品保持部200に保持された部品に関し、その部品の下方を向く面を変えるような姿勢変更を行うことができる。
なお、以下において、ノズル口201aの開口面が側方へ向けられた状態における保持部本体201の姿勢(図7及び図8Bに示す保持部本体201の姿勢)を「装着姿勢」と称し、ノズル口201aの開口面が下方へ向けられた状態における保持部本体201の姿勢(図8Aに示す保持部本体201の姿勢)を「吸着姿勢」と称す。
支持部材210は、第二部品保持部200が装着姿勢であるときに、第二部品保持部200に保持されている部品を上方から支持する部材であり、第二ツール本体191に固定される。支持部材210は、保持部本体201が装着姿勢である第二部品保持部200に保持される部品を、上方から支持する。よって、部品装着機1は、保持部本体201を装着姿勢にした状態で部品を基板PBに装着する際に、支持部材210によって部品を上方から押さえることができるので、基板PBに部品を確実に装着することができる。
図9A及び図9Bに示すように、姿勢保持部220は、保持部本体201の姿勢を保持する。姿勢保持部220は、ボールプランジャ221とプランジャ係止部222とを備える。ボールプランジャ221は、ハウジング223と、摺動体224と、ボール225と、スプリング226とを備える。
ハウジング223は、軸方向一方側が開口する筒状の部位であり、保持部本体201のうちノズル口201aの開口面とは反対側を向く面に固定される。摺動体224は、ハウジング223に摺動可能に支持される。摺動体224の先端には、ボール225が回転可能に支持され、ボール225及び摺動体224の一部がハウジング223から突出している。スプリング226は、ハウジング223の内部に収容され、ノズル口201aとは反対側へ向けて摺動体224を付勢する。
プランジャ係止部222は、転動面227と、吸着姿勢用係止面228及び装着姿勢用係止面229とを備える。転動面227は、保持部本体201の姿勢変更時にボール225が転動する部位である。吸着姿勢用係止面228は、保持部本体201が吸着姿勢であるときにボール225が係止される部位であり、支軸202の上方に形成される。装着姿勢用係止面229は、保持部本体201が装着姿勢であるときにボール225が係止される部位であり、支軸202の側方に形成される。
吸着姿勢用係止面228及び装着姿勢用係止面229は、転動面227よりも支軸202の中心軸線から離れた位置にある。転動面227を転動するボール225が吸着姿勢用係止面228又は装着姿勢用係止面229に到達すると、スプリング226に付勢された摺動体224は、ハウジング223から突出し、ボール225が吸着姿勢用係止面228又は装着姿勢用係止面229に押し付けられる。これにより、ボール225は、吸着姿勢用係止面228又は装着姿勢用係止面229を乗り越えて転動面227に移動することを規制された状態となり、保持部本体201は、吸着姿勢又は装着姿勢となった状態が維持される。
(5、第二保持ツール190の動作)
ここで、図9A及び図9Bを参照して、ノズル口201aの開口面の向きを変える際の第二保持ツール190の動作について説明する。なお、図9A及び図9Bには、支軸202、第一ローラ203及び第二ローラ204の位置が一点鎖線で模式的に図示されている。
図9Aに示すように、保持部本体201が装着姿勢であるとき、第一ローラ203は、支軸202よりも上方に、第二ローラ204は、支軸202よりも下方に、それぞれ位置する。このとき、ボール225は、摺動体224を介して加わるスプリング226の付勢力により、装着姿勢用係止面229に押し付けられている。即ち、第二部品保持部200は、姿勢保持部220により、図9Aに示す反時計回り方向への揺動が規制され、保持部本体201の姿勢が装着姿勢である状態を維持できる。
図9Aに示す状態において、第一ローラ203が下方へ押圧されると、保持部本体201には、図9Aに示す反時計回り方向へ保持部本体201及び姿勢保持部220を揺動させようとする力が発生する。これに伴い、ボール225は、装着姿勢用係止面229を乗り越えて転動面227に移動し、保持部本体201の揺動規制が解除される。そして、保持部本体201及び姿勢保持部220は、図9Aに示す反時計回り方向へ揺動する。
図9Aに示す状態から保持部本体201及び姿勢保持部220が反時計回り方向へ90度揺動すると、ボール225は、吸着姿勢用係止面228に到達する。そして、ボール225は、摺動体224を介して加わるスプリング226の付勢力により、吸着姿勢用係止面228に押し付けられる。その結果、図9Bに示すように、第二保持ツール190は、図9Bに示す時計回り方向への揺動が規制されるので、第二部品保持部200は、保持部本体201が吸着姿勢である状態を維持できる。従って、保持部本体201が吸着姿勢にある状態において、第一ローラ203に対する下方への押圧を解除したとしても、第二部品保持部200は、保持部本体201が吸着姿勢である状態を維持できる。
また、保持部本体201が図9Bに示す吸着姿勢にあるとき、第一ローラ203は支軸202よりも下方に、第二ローラ204は支軸202よりも上方に、それぞれ位置する。この状態において、第二ローラ204が下方へ押圧されると、保持部本体201には、図9Bに示す時計回り方向へ保持部本体201及び姿勢保持部220を揺動させようとする力が発生する。これに伴い、ボール225は、吸着姿勢用係止面228を乗り越えて転動面227に移動し、保持部本体201の揺動規制が解除される。そして、保持部本体201及び姿勢保持部220は、図9Bに示す時計回り方向へ揺動する。
図9Bに示す状態から保持部本体201及び姿勢保持部220が時計回り方向へ90度揺動すると、ボール225は、吸着姿勢用係止面228に到達する。そして、ボール225は、摺動体224を介して加わるスプリング226の付勢力により、装着姿勢用係止面229に押し付けられる。その結果、図9Aに示すように、第二保持ツール190は、図9Aに示す時計回り方向への揺動が規制されるので、第二部品保持部200は、保持部本体201が装着姿勢である状態を維持できる。従って、保持部本体201が装着姿勢にある状態において、第二ローラ204に対する下方への押圧を解除したとしても、第二部品保持部200は、保持部本体201が装着姿勢にある状態を維持できる。
このように、第二保持ツール190は、吸着姿勢用押圧部194又は装着姿勢用押圧部195を下降させることにより、第一ローラ203又は第二ローラ204を介して保持部本体201が押圧され、第二部品保持部200の姿勢が吸着姿勢及び装着姿勢の何れかに変更される。また、吸着姿勢用押圧部194又は装着姿勢用押圧部195の昇降動作は、装着ヘッド80に第一保持ツール90が装着された場合に第一ツール昇降部92の昇降動作を行う第二ヘッド昇降部86を利用して行われる。このように、部品装着機1は、第一保持ツール90を使用する場合及び第二保持ツール190を使用する場合において、共通の装着ヘッド80を使用することができると共に、第二ヘッド昇降部86の共用化を図ることができる。
そして、部品装着機1は、装着ヘッド80に第二保持ツール190を装着することにより、吸着時と装着時とで部品の下方へ向けられる面を変えるような部品の姿勢変更を行うことができる。また、装着ヘッド80に第二保持ツール190が装着されている場合において、吸着時と装着時と部品の下方へ向ける面を変える必要がないときには、保持部本体201が吸着姿勢に状態を維持したまま、部品の装着を行うことができる。よって、第二保持ツール190の汎用性を高めることができる。
(6.第二保持ツール190による部品装着処理)
次に、図10に示すフローチャートを参照し、第二保持ツール190による部品装着処理について説明する。なお、第二保持ツール190による部品装着処理とは、装着ヘッド80に第二保持ツール190が装着されている場合に、フィーダ21から部品供給位置に配置された部品を移送し、移送した部品の下方を向く面を変更させた後に、基板PB上の部品装着位置に部品を装着するまでの処理のことである。
図10に示すように、部品装着処理において、最初に、制御装置70は、XYロボット31により、装着ヘッド80を部品供給位置へ移動させる(S1)。次に、制御装置70は、吸着姿勢用押圧部194を下降させることにより、第二部品保持部200の姿勢を、ノズル口201aが下方へ向けられた吸着姿勢にする(S2)。S2の処理後、制御装置70は、第一ヘッド昇降部82を下降させることにより、第二部品保持部200を部品に近づけ、ノズル口201aに部品を吸着させる(S3)。
S3の処理後、吸着した部品を移送するため、部品供給位置にある装着ヘッド80を部品装着位置へ移動させる(S4)。なおこのとき、必要に応じて第一ヘッド昇降部82を上昇させてもよい。これにより、第二部品保持部200に保持された部品の移送を行う際に、部品が部品装着機1の機内に配置された各種装置に接触することを回避できる。
装着ヘッド80の部品装着位置への移動が終了した後、制御装置70は、装着姿勢用押圧部195を下降させることにより、第二部品保持部200の姿勢を、ノズル口201aが側方へ向けられた装着姿勢に変更する(S5)。その後、制御装置70は、第一ヘッド昇降部82を下降させることにより、ノズル口201aを吸着された部品を基板PBの部品装着位置に近づけ、部品を基板PBに装着する(S6)。
以上説明したように、部品装着機1は、装着ヘッド80に対し、複数種の第一保持ツール90及び第二保持ツール190のうち選択された一つの保持ツールを装着できる。よって、部品装着機1では、第一保持ツール90を装着した場合には、複数の部品を同時に保持することを可能としつつ、第二保持ツール190を装着した場合には、保持した部品の上下方向を向く面を変更することができる。よって、部品装着機1は、多様な部品に対応することができる。また、部品装着機1では、第一保持ツール90から第二保持ツール190への交換及び第二保持ツール190から第一保持ツール90への交換を行う際に、装着ヘッド80の交換を併せて行う必要がないので、部品装着機1による部品の装着作業を効率良く行うことができる。
そして、第一保持ツール90が装着ヘッド80に装着された状態において、第二ヘッド昇降部86は、第一ツール昇降部92の昇降動作を通じて、第一部品保持部100の昇降を行う際に使用される。一方、第二保持ツール190が装着ヘッド80に装着された状態において、第二ヘッド昇降部86は、第二ツール昇降部192の昇降動作を通じて、第二部品保持部200に保持された部品の下方を向く面の変更を行う際に使用される。このように、部品装着機1は、第一保持ツール90を使用する場合及び第二保持ツール190を使用する場合において、第二ヘッド昇降部86の共用化を図ることができる。
また、第一保持ツール90が装着ヘッド80に装着された状態において、複数の第一ツール昇降部92の各々は、第一ヘッド昇降部82がヘッド本体81に対して回転することにより、第二ヘッド昇降部86に対する係合位置に位置決めされる。そして、第一ツール昇降部92が第二ヘッド昇降部86に対する係合位置に位置する状態で、第二ヘッド昇降部86の昇降動作を行うことにより、第一ツール昇降部92は、第一ツール本体91に対して昇降する。
一方、第一保持ツール90が装着ヘッド80に装着された状態において、吸着姿勢用押圧部194及び装着姿勢用押圧部195は、第一ヘッド昇降部82がヘッド本体81に対して回転することにより、第二ヘッド昇降部86に対する係合位置が位置決めされる。そして、第一ツール昇降部92が第二ヘッド昇降部86に対する係合位置に位置する状態で、第二ヘッド昇降部86の昇降動作を行うことにより、第二ツール昇降部192は、第二ツール本体191に対して昇降する。
さらに、第一ヘッド昇降部82は、第一保持ツール90が装着ヘッド80に装着されている場合において、ノズルステーション60における第一部品保持部100の交換時に使用される。これに対し、第一ヘッド昇降部82は、第二保持ツール190が装着ヘッド80に装着されている場合において、部品の吸着時及び装着時における第二部品保持部200の昇降に使用される。よって、部品装着機1は、第一保持ツール90を使用する場合及び第二保持ツール190を使用する場合において、装着ヘッド80が有する第一ヘッド昇降部82の共用化を図ることができる。
また、第二ヘッド昇降部86は、第一保持ツール90が装着ヘッド80に装着されている場合において、部品の吸着時及び装着時における第二部品保持部200の昇降に使用される。これに対し、第二ヘッド昇降部86は、第二保持ツール190が装着ヘッド80に装着されている場合において、第二部品保持部200の姿勢変更時に使用される。よって、部品装着機1は、第一保持ツール90を使用する場合及び第二保持ツール190を使用する場合において、装着ヘッド80が有する第二ヘッド昇降部86の共用化を図ることができる。
(7.その他)
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、第二保持ツール190において、第二部品保持部200が吸着姿勢にある状態から90度揺動した状態を装着姿勢とする場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。即ち、第二部品保持部200が吸着姿勢にある状態から90度未満、或いは、90度を越えて揺動した状態を装着姿勢としてもよい。また、上記実施形態では、第二部品保持部200の装着姿勢が1パターン(吸着姿勢にある状態から90度揺動した状態)のみである場合について説明したが、第二部品保持部200の装着姿勢が2パターン以上(例えば、吸着姿勢にある状態から90度揺動した状態と、45度揺動した状態など)であってもよい。
上記実施形態では、第二保持ツール190が2つの第二ツール昇降部192(吸着姿勢用押圧部194及び装着姿勢用押圧部195)を備える場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、第二保持ツール190が1つの第二ツール昇降部192(吸着姿勢用押圧部194及び装着姿勢用押圧部195の何れかの一方)を備え、第二ツール昇降部192が第二部品保持部200に連結されることにより、第二部品保持部200が第二ツール昇降部192の昇降に伴って揺動する構成としてもよい。
上記実施形態では、昇降レバー86aの下端部分86a1がL字状に屈曲形成され、その昇降レバー86aの下端部分86a1とローラ86bとの間に隙間が形成される場合について説明した。しかしながら、これに限られたものではなく、昇降レバー86aには、少なくとも係合部95を上方から押圧するための部材が設けられていればよい。即ち、昇降レバー86aは、ローラ86bの代わりに設けられた他の部材(昇降レバー86aに固定された棒状又は板状の部材など)によって係合部95を上方から押圧してもよく、昇降レバー86aの下端部分86a1(L字状に屈曲形成され、ローラ86bとの間に隙間を形成する部位)を省略してもよい。
(8.効果)
以上説明したように、本発明における部品装着機1は、複数の部品を同時に保持可能な第一保持ツール90と、部品を保持し、且つ、部品の姿勢を変更可能な第二保持ツール190と、第一保持ツール90及び第二保持ツール190のうち選択された一つの保持ツールが装着される装着ヘッド80と、を備える。装着ヘッド80は、ヘッド本体81と、ヘッド本体81に対して昇降可能に、且つ、回転可能に設けられ、選択した一つの保持ツールが着脱可能に連結される第一ヘッド昇降部82と、ヘッド本体81に昇降可能に設けられる第二ヘッド昇降部86と、を備える。
第一保持ツール90は、第一ヘッド昇降部82に連結される第一ツール本体91と、第一ツール本体91に対して昇降可能に設けられ、第二ヘッド昇降部86の昇降動作により第一ツール本体91に対して昇降する複数の第一ツール昇降部92と、複数の第一ツール昇降部92の各々に保持され、部品を保持する複数の第一部品保持部100と、を備える。第二保持ツール190は、第一ヘッド昇降部82に連結される第二ツール本体191と、第二ツール本体191に対して揺動可能に設けられ、第二ヘッド昇降部86の昇降動作により第二ツール本体191に対して昇降する第二ツール昇降部192と、第二ツール昇降部192の下方に配置され、部品を保持し、且つ、第二ツール昇降部192の昇降動作により部品の下方を向く面を変更可能な第二部品保持部200と、を備える。
この部品装着機1によれば、装着ヘッド80に対し、第一保持ツール90が着脱可能に装着されると共に、第二保持ツール190が着脱可能に装着される。よって、部品装着機1では、第一保持ツール90を装着した場合には、複数の部品を同時に保持することを可能としつつ、第二保持ツール190を装着した場合には、保持した部品の上下方向を向く面を変更することができる。よって、部品装着機1は、多様な部品に対応することができる。
また、第一保持ツール90が装着ヘッド80に装着された状態において、第二ヘッド昇降部86は、第一ツール昇降部92の昇降動作を通じて、第一部品保持部100の昇降を行う際に使用される。一方、第二保持ツール190が装着ヘッド80に装着された状態において、第二ヘッド昇降部86は、第二ツール昇降部192の昇降動作を通じて、第二部品保持部200に保持された部品の下方を向く面の変更を行う際に使用される。このように、部品装着機1は、第一保持ツール90を使用する場合及び第二保持ツール190を使用する場合において、第二ヘッド昇降部86の共用化を図ることができる。
上記した部品装着機1において、第二部品保持部200は、部品を吸着する際の吸着姿勢と部品を装着する際の装着姿勢とに変更され、第二ツール昇降部192は、第二部品保持部200を下方へ向かって押圧することにより、第二部品保持部200を吸着姿勢に変更する吸着姿勢用押圧部194と、第二部品保持部200を下方へ向かって押圧することにより、第二部品保持部200を装着姿勢に変更する装着姿勢用押圧部195と、を備える。
この部品装着機1は、吸着姿勢用押圧部194又は装着姿勢用押圧部195を下降させることにより、第二部品保持部200の姿勢を吸着姿勢と装着姿勢とに変えることができる。よって、第一保持ツール90を使用する場合及び第二保持ツール190を使用する場合において、共通の装着ヘッド80を使用することができる。
上記した部品装着機1において、第二保持ツール190は、第二ツール昇降部192が昇降する方向に対して直交する方向を中心軸線とする支軸202を備える。支軸202は、第二ツール本体191に対して第二部品保持部200を揺動可能に支持し、吸着姿勢用押圧部194及び装着姿勢用押圧部195は、支軸202の中心軸線を挟んだ両側に配置される。
この部品装着機1は、吸着姿勢用押圧部194及び装着姿勢用押圧部195が、第二部品保持部200を下方へ向かって押圧し、第二部品保持部200を支軸202まわりに揺動させることにより、部品の下方を向く面を変更することができる。
上記した部品装着機1において、複数の第一ツール昇降部92の各々は、第一ヘッド昇降部82がヘッド本体81に対して回転することにより、第二ヘッド昇降部86に対する係合位置に位置決めされ、係合位置に位置する場合に、第二ヘッド昇降部86の昇降動作により、第一ツール本体91に対して昇降する。吸着姿勢用押圧部194及び装着姿勢用押圧部195は、第一ヘッド昇降部82がヘッド本体81に対して回転することにより、第二ヘッド昇降部86に対する係合位置が位置決めされ、係合位置に位置する場合に、第二ヘッド昇降部86の昇降動作により、第二ツール本体191に対して昇降する。
この部品装着機1は、第一保持ツール90を使用する場合及び第二保持ツール190を使用する場合において、共通の装着ヘッド80を使用することができ、第一ヘッド昇降部82及び第二ヘッド昇降部86の共用化を図ることができる。
上記した部品装着機1において、第二保持ツール190は、第二部品保持部200が第一ヘッド昇降部82の昇降方向とは異なる方向へ向けられた場合に、第二部品保持部200に吸着された部品を上方から支持する支持部材210を備える。この部品装着機1は、第二部品保持部200が第一ヘッド昇降部82の昇降方向とは異なる方向へ向けられた場合において、部品を装着する際に、支持部材210により部品を上方から押さえることができる。よって、部品装着機1は、部品を確実に装着することができる。
上記した部品装着機1は、第一保持ツール90が装着ヘッド80に装着されている場合には、部品の装着時及び装着時における第一部品保持部100の昇降を、第二ヘッド昇降部86により行い、第二保持ツール190が装着ヘッド80に装着されている場合には、部品の吸着時及び装着時における第二部品保持部200の昇降を、第一ヘッド昇降部82により行う。
この部品装着機1は、第一保持ツール90を使用する場合及び第二保持ツール190を使用する場合において、共通の装着ヘッド80を使用することができ、第一ヘッド昇降部82及び第二ヘッド昇降部86の共用化を図ることができる。