JP5568221B2 - 電子回路部品装着システム - Google Patents

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Description

本発明は、部品保持装置および電子回路部品装着システムに関するものであり、特に、負圧により電子回路部品を吸着して保持する装置およびその部品保持装置を備えた電子回路部品装着システムに関するものである。
電子回路部品には様々な種類があり、その種類に応じた形態で供給され、部品保持装置により保持される。例えば、下記の特許文献1には、リードを有する電子回路部品がチャックにより把持されて部品供給装置から取り出され、リードが回路基板に挿入されて装着される電子回路部品の自動挿入機が記載されている。この自動挿入機において回路基板は可動テーブルにより水平な姿勢で支持され、水平面内において互いに直交する2方向に移動させられて、部品装着箇所が所定の位置に位置決めされ、電子回路部品は、回路基板に対して傾斜した姿勢で設けられた搬送路により供給される。チャックは、回動装置により、チャックの軸線が回路基板に直角となる位置と搬送路に対して直角となる位置とに回動させられ、各回動位置において軸線方向移動装置により軸線方向に移動させられて搬送路内の電子回路部品を把持し、把持した電子回路部品のリードを回路基板に挿入する。
また、下記の特許文献2には、スティックフィーダにより供給されるチップ状の電子回路部品を吸着ノズルにより吸着して保持し、回路基板に装着する電子回路部品実装装置が記載されている。このスティックフィーダは、傾斜部および水平部を有するシュートを備え、傾斜した姿勢で配設されたスティックからシュート内へ進入した電子回路部品を傾斜部の傾斜により水平部へ移動させ、傾斜部の水平部近傍部においてはシュート内の部品供給路へエアを供給し、電子回路部品を押して吸着位置へ移動させるものとされている。電子回路部品は吸着位置においては水平な姿勢となり、吸着ノズルにより吸着されてシュートから取り出される。
特開平3−96000号公報 特開平9−18188号公報
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、傾斜した真っ直ぐなシュートにより供給される電子回路部品を吸着ノズルにより吸着して保持したり、傾斜した部品装着面を備えた回路基材に電子回路部品を装着したりすることができる電子回路部品装着システムの提供を課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の電子回路部品装着システムは、
(a)平らな吸着面を有する吸着ノズルを保持したノズル保持部が、前記吸着面に平行な唯一の回動軸線のまわりに回動可能な保持ヘッドと、(b)前記ノズル保持部を前記回動軸線のまわりに回動させることによって前記吸着面を水平面に対して傾斜させる唯一の回動装置とを含み、前記吸着面に電子回路部品を負圧により吸着して保持する部品保持装置と、
その部品保持装置を、鉛直方向に平行な回転軸線のまわりに回転させる部品保持装置回転装置と、
それら部品保持装置と部品保持装置回転装置とを共に、水平面内で互いに直交するX軸方向およびY軸方向にそれぞれ移動させるX軸方向移動装置およびY軸方向移動装置と、鉛直方向に移動させる昇降装置とから成る移動装置と、
前記回動装置,前記部品保持装置回転装置および前記移動装置を制御する制御装置であって、前記回動装置による前記ノズル保持部の回動を、前記ノズル保持部に保持された吸着ノズルの吸着面を水平面に対して傾斜させる唯一の回動とし、その唯一の回動と、前記部品保持装置回転装置による前記部品保持装置の回転との組合せにより、前記ノズル保持部に保持された吸着ノズルの吸着面を水平面に対して任意の方向に傾斜させ得るとともに、その水平面に対して任意の方向に傾斜した吸着面に直角な方向に前記保持ヘッドを移動させ得るものと
を含み、
前記吸着ノズルが保持した電子回路部品を回路基材の水平面に対して任意の方向に傾斜した部品装着面に装着可能とされた電子回路部品装着システムであって、
前記回動装置が、前記保持ヘッドに設けられて第2係合部と係合可能な第1係合部を含み、その第1係合部が前記保持ヘッドとともに前記移動装置により移動させられるのに伴って前記第1係合部が前記第2係合部と係合し、前記ノズル保持部を回動させるように構成され、
前記保持ヘッドが、前記ノズル保持部を前記回動軸線としての第1回動軸線のまわりに回動可能に保持する保持ヘッド本体を含み、
前記回動装置が、
前記保持ヘッド本体に、前記第1回動軸線からその第1回動軸線に直角な方向に隔たった位置において第1回動軸線と平行に延びる第2回動軸線のまわりに回動可能に保持され、前記第1係合部を有するレバーと、
そのレバーの回動を前記ノズル保持部の前記第1回動軸線のまわりの回動に変換する運動変換機構と
を含み、
その運動変換機構が、前記ノズル保持部の前記第1回動軸線から離れた部位に設けられた被駆動部と、前記レバーの前記第2回動軸線から離れた部位に設けられた駆動部とを含み、それら被駆動部と駆動部とが、前記レバーと前記ノズル保持部との予め定められた形態の相対回動は許容するが、それ以外の相対回動は許容しない状態で互いに係合させられたことを特徴とする。
回路基材には、例えば、(1)未だ電子回路部品が装着されていないプリント配線板、(2)一方の面に電子回路部品が搭載されるとともに電気的に接合され、他方の面には電子回路部品が未装着であるプリント回路板、(3)ベアチップが搭載され、チップ付基板を構成す
る基材、(4)ボールグリッドアレイを備えた電子回路部品が搭載される基材等が含まれる

上記の課題はまた、上記電子回路部品装着システムを、さらに、概して直線状を成す部品収容空間を備えて傾斜姿勢で配設され、下部に上方に向かう成分を有する方向に開いた取出口を備えたスティック型フィーダを含み、前記回動装置,前記部品保持装置回転装置,前記移動装置および前記制御装置が、前記吸着ノズルを移動させて、前記スティック型フィーダの前記取出口から電子回路部品を取り出させ、前記基材保持装置に保持された回路基材に装着させるものとすることにより解決される。
本発明に係る電子回路部品装着システムにおいては、回動装置によるノズル保持部の、そのノズル保持部に保持された吸着ノズルの平らな吸着面に平行な回動軸線まわりの回動と、ノズル保持部および回動装置を含む部品保持装置の、部品保持装置回転装置による鉛直な回転軸線まわりの回転との組合わせによって、ノズル保持部により保持された吸着ノズルの吸着面の水平面に対する傾斜の方向と傾斜角度とが共に変更可能である。部品保持装置を鉛直な回転軸線まわりに回転させる部品保持装置回転装置を、吸着ノズルの吸着面の水平面に対する傾斜の方向を変えるために利用することができ、それによって装置の構成を単純化することができるのである。しかも、それら部品保持装置および部品保持装置回転装置は、X軸方向移動装置,Y軸方向移動装置および昇降装置から成る移動装置により精度良く移動させることができるため、高い精度で電子回路部品を装着することができる。
本発明のさらに望ましい態様の電子回路部品装着システムにおいては、傾斜姿勢で配設されたスティック型フィーダの下部に上方に向かう成分を有する方向に開いた取出口から吸着ノズルにより電子回路部品を取り出し、そのスティック型フィーダの下部とは傾斜角度を異にする回路基材の部品装着面に装着することができる。

発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、特許請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」の下位概念発明や、上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
(1)少なくとも、平らな吸着面を有する吸着ノズルを保持したノズル保持部が、前記吸着面に平行な回動軸線のまわりに回動可能な保持ヘッドと、
前記少なくともノズル保持部を前記回動軸線のまわりに回動させる回動装置と
を含み、前記吸着面に電子回路部品を負圧により吸着して保持する部品保持装置。
本項に記載の部品保持装置によれば、吸着ノズルの姿勢を複数種類に変更することができ、自由度に富んだ部品保持装置が得られる。回動装置は、電動モータ等、電力の供給により作動するアクチュエータを駆動源とする装置としてもよい。
(2)前記回動装置が、前記少なくともノズル保持部を、少なくとも、前記吸着面が水平となる第1位置と、前記吸着面が傾斜する第2位置とに回動させる(1)項に記載の部品保持装置。
(3)さらに、前記少なくともノズル保持部を前記第1位置と前記第2位置とにそれぞれ保持する回動位置保持装置を含む(2)項に記載の部品保持装置。
ノズル保持部が第1位置あるいは第2位置からずれることがなく、ノズル保持部が第1位置と第2位置とにそれぞれ位置する状態で保持ヘッドが行う作業を安定して行うことができる。
本項の特徴は、(1)項に採用し、ノズル保持部が回動位置保持装置により、複数種類の回動位置にそれぞれ保持されるようにすることも可能である。
(4)前記回動装置が、前記保持ヘッドに設けられて第2係合部と係合可能な第1係合部を含み、その第1係合部が前記保持ヘッドとともに第1移動装置により移動させられるのに伴って前記第1係合部が前記第2係合部と係合し、前記少なくともノズル保持部を回動させる(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の部品保持装置。
第1移動装置による保持ヘッドと第2係合部との相対移動に基づいて、少なくともノズル保持部を回動させることができる。特に、吸着ノズルに保持対象物を吸着させるためや、吸着させた保持対象物を搬送させるため等、他の目的で保持ヘッドを移動させるために設けられている移動装置を第1移動装置として利用する場合には安価に目的を達成することができる。
(5)前記第1移動装置が前記保持ヘッドと前記第2係合部とを前記回動軸線に直角な方向に相対移動させるものであり、その相対移動時に前記第1係合部が前記回動軸線から外れた位置において前記第2係合部と係合し、その係合に基づいて前記少なくともノズル保持部が回動させられる(4)項に記載の部品保持装置。
例えば、吸着ノズルに保持対象物を保持させるために、保持ヘッドをノズル保持部の回動軸線に直角な方向に移動させることが必要な場合に、この保持ヘッドの移動を、ノズル保持部を回動させるための第1係合部と第2係合部との係合に利用すれば、安価に目的を達することができる。第2係合部が何らかの目的で保持ヘッドに対して移動させられる場合には、その移動を利用しても同様の効果が得られる。
(6)前記保持ヘッドが、前記ノズル保持部を前記回動軸線のまわりに回動可能に保持する保持ヘッド本体を含む(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の部品保持装置。
(7)前記第1係合部が前記保持ヘッド本体に相対移動可能に保持された可動部材に設けられており、前記回動装置が、その可動部材の運動を前記ノズル保持部の前記回動軸線のまわりの回動に変換する運動変換機構を含む(6)項に記載の部品保持装置。
可動部材は、次項におけるように回動部材とすることも、直線移動部材とすることもできる。
(8)前記可動部材が、前記保持ヘッド本体に、前記回動軸線としての第1回動軸線からその第1回動軸線に直角な方向に隔たった位置において第1回動軸線と平行に延びる第2回動軸線のまわりに回動可能に保持されたレバーであり、前記運動変換機構が、前記ノズル保持部の前記第1回動軸線から離れた部位に設けられた被駆動部と、前記レバーの前記第2回動軸線から離れた部位に設けられた駆動部とを含み、それら被駆動部と駆動部とがレバーと前記ノズル保持部との予め定められた形態の相対回動は許容するが、それ以外の相対回動は許容しない状態で互いに係合させられた(7)項に記載の部品保持装置。
予め定められた形態とは、レバーとノズル保持部とが勝手に移動せず、ノズル保持部がレバーの回動に対して一義的に決まる位置へ回動させられる形態である。
上記レバーは、第1レバー部と第2レバー部とを備えたベルクランクレバーや、レバー部を1つのみ備えたレバーとすることができる。また、上記駆動部および被駆動部は、例えば、後に実施例として説明するように、レバーとノズル保持部との一方に設けられた溝等のガイド部と、他方に設けられて溝に嵌合する突起等被ガイド部とすることや、レバーとノズル保持部とにそれぞれ固定され、第1回動軸線と第2回動軸線とをそれぞれ中心とする第1歯車および第2歯車の各歯部とすることができる。
(9)前記回動装置が、前記少なくともノズル保持部を、少なくとも、前記吸着面が水平となる第1位置と、前記吸着面が傾斜する第2位置とに回動させるものであり、かつ、
前記少なくともノズル保持部の前記第1位置および前記第2位置の一方から他方に向かう回動の限度をそれぞれ規定する第1ストッパおよび第2ストッパと、
それら第1ストッパまたは第2ストッパにより前記少なくともノズル保持部の回動限度が規定された後における前記第1移動装置の余剰運動を吸収する余剰運動吸収装置と
を含む(4)項または(5)項に記載の部品保持装置。
第1移動装置により保持ヘッドと第2係合部とを、ノズル保持部が第1,第2ストッパにより回動限度を規定された状態から更に相対移動させることができ、それにより、第1係合部,第2係合部およびノズル保持部等の損傷を回避しつつ、ノズル保持部を確実に第1位置および第2位置へ回動させることができる。
本項の特徴は(6)項ないし(8)項に記載の特徴と組み合わせて採用することも可能である。
(11)概して直線状を成し、複数の電子回路部品を収容して一端の供給口から順次供給可能なスティックを、前記一端が下端となる傾斜姿勢で保持するスティック保持装置と、
そのステック保持装置に保持されたスティックの斜め下方への延長方向に延び、前記供給口と対向する受入れ口と、その受入れ口から離れた位置において上方に向かう成分を有する方向に開いた取出口とを備えた直線状のシュートと
を含むスティック型フィーダ。
本項に記載のフィーダによれば、本発明に係る電子回路部品装着システムのスティック型フィーダについて説明した効果が得られるとともに、電動モータ等、電力の供給により作動するアクチュエータを駆動源とする送り装置を用いることなく、電子回路部品を取出口へ移動させることができ、電気的な故障の恐れがなく、電子回路部品を供給することができる。
また、スティックが概して直線状を成し、シュートが直線状を成し、電子回路部品はスティックから取出口まで直線的に移動させられるため、傾斜部と水平部とを有するシュートのように、傾斜部と水平部との間の屈曲部において電子回路部品が引っ掛かる恐れがなく、スムーズに送られ、電子回路部品供給の信頼性が高くなる。
また、スティックとは別にシュートが設けられることにより、フィーダにおいて電子回路部品が収容される収容部と、電子回路部品が取り出される取出し部とが分けられ、使い勝手の良いスティック型フィーダが得られる。例えば、シュートは、横断面形状が同じである複数種類の電子回路部品に共通に使用することができ、それぞれ異なる種類の電子回路部品が複数ずつ収容されたスティックをシュートに対して選択的に取り付け、電子回路部品を供給させることができる。傾斜部と水平部とを有するシュートは、電子回路部品の横断面形状が同じでも長さが異なれば、傾斜部と水平部との間の屈曲部を電子回路部品が通過可能な形状,寸法を有するものとすることが必要であり、供給する電子回路部品の種類の変更に対する対応が容易ではないのに対し、直線状のシュートであれば、電子回路部品の長さの違いの影響を受けず、共通して使用することができる。また、横断面形状が異なる複数種類の電子回路部品にそれぞれ応じた横断面形状を有するシュートを複数種類用意しておけば、電子回路部品の種類に応じてシュートを替えることにより、複数種類の電子回路部品の供給が可能なフィーダが容易に得られる。
(12)さらに、前記取出口に対応する位置に位置する1個の電子回路部品と、後続の電子回路部品とを互いに離間させる離間装置を含む(11)項に記載のスティック型フィーダ。
電子回路部品はスティック型フィーダから1個ずつ取り出されるのが普通であり、取出口に対応する位置に位置する電子回路部品と後続の電子回路部品とが互いに離間させられることにより、電子回路部品の取出し時に、取り出される電子回路部品と後続の電子回路部品との間の摩擦により電子回路部品の取出しが妨げられたり、後続の電子回路部品が取り出される電子回路部品につれて動かされ、その姿勢が変わったりすることが回避される。
(13)前記離間装置が、前記シュートに対して設けられた(12)項に記載のスティック型フィーダ。
スティックがシュートに対して交換される場合、離間装置は交換しなくてよく、スティックの交換を安価に実現することができる。
また、離間装置がスティック保持装置に設けられる場合に比較して、後続の電子回路部品のうち、先頭の電子回路部品が位置する位置と、取出口との距離が短くでき、先頭の電子回路部品が短時間で取出口へ移動することが可能となり、取出口からの電子回路部品の取出しを短い時間間隔で行う必要がある場合に対応することが容易である。
(14)前記離間装置が、先頭の電子回路部品の前記取出口に向かう移動を許容する状態では後続の電子回路部品の前記取出口に向かう移動を阻止し、後続の電子回路部品の前記移動を許容する状態では先頭の電子回路部品の前記移動を阻止するエスケープメントを含む(12)項または(13)項に記載のスティック型フィーダ。
2個以上の電子回路部品が1度に取出口に向かって移動することがなく、取出口に対応する位置に電子回路部品を1個ずつ、後続の電子回路部品から離して確実に移動させることができる。
(15)前記エスケープメントが、
先頭の電子回路部品の前記移動を阻止する第1阻止部材と、
前記後続の電子回路部品の前記移動を阻止する第2阻止部材と、
それら第1阻止部材と第2阻止部材との少なくとも一方の、前記シュートの長手方向の位置を変更することにより、それら第1,第2阻止部材の間隔を変更可能な間隔変更装置と
を含む(14)項に記載のスティック型フィーダ。
電子回路部品のシュートの長手方向に平行な方向における寸法が種類によって異なる場合でも、共通のエスケープメントによって電子回路部品の移動を制御することができ、複数種類の電子回路部品の供給に使用可能なフィーダが得られ、電子回路部品の供給コストを低減させ得る。
間隔変更装置は、実施例において説明するように作業者によって操作される装置でもよく、電動モータ等、電気的に作動するアクチュエータを駆動源とし、間隔が動力により、あるいはさらに自動的に、変更される装置でもよい。
(16)前記シュートが、当該スティック型フィーダの本体であるフィーダ本体に着脱可能かつ位置決め可能に設けられた(11)項ないし(15)項のいずれかに記載のスティック型フィーダ。
複数種類のシュートをフィーダ本体に選択的に取り付けることができ、スティック型フィーダにより供給される電子回路部品の種類の変更に伴ってシュートが変わるとき、シュートを交換することにより、電子回路部品の種類の変更に対応することができる。
(21)(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の部品保持装置と、
概して直線状を成す部品収容空間を備えて傾斜姿勢で配設され、下部に上方に向かう成分を有する方向に開いた取出口を備えたスティック型フィーダと、
電子回路部品が装着されるべき回路基材を保持する基材保持装置と、
前記部品保持装置を移動させて、前記スティック型フィーダの前記取出口から電子回路部品を取り出させ、前記基材保持装置に保持された回路基材に装着させる第2移動装置と
を含む電子回路部品装着システム。
本項の電子回路部品装着システムにおけるスティック型フィーダとして、前記(11)項ないし(16)項のいずれかに記載のものを採用することも可能である。
(22)前記第2移動装置が、前記保持ヘッド本体を着脱可能に保持するヘッド保持部材を含み、そのヘッド保持部材を移動させることにより前記部品保持装置を移動させるものである(21)項に記載の電子回路部品装着システム。
第2係合部は、次項におけるように、移動体に保持させて、第2移動装置により保持ヘッドと共に移動させられるようにしてもよく、スティック型フィーダと基材保持装置との間のいずれかの箇所に位置を固定して設けられてもよい。後者の場合、第1移動装置による保持ヘッドと第2係合部との相対移動によりノズル保持部が回動させられるとき、ヘッド保持部材は第1係合部と第2係合部とが係合可能な位置へ移動させられる。第2係合部はスティック型フィーダ近傍に設けられることが望ましい。吸着ノズルは、電子回路部品の取出しのために必ずスティック型フィーダへ移動するため、ヘッド保持部材の移動距離の増大が少なくて済むからである。例えば、複数のスティック型フィーダにより電子回路部品を供給する場合、それらフィーダの各取出口が並ぶ方向の中間部に対応する位置に第2係合部が設けられることが望ましい。
スティック型フィーダを含む部品供給装置が、基材保持装置に対して複数箇所に設けられる場合、複数の部品供給装置の各々について第2係合部が設けられることが望ましい。
スティック型フィーダを含む部品供給装置は、例えば、実施例において説明するように、基材保持装置の基材搬送方向に直角な方向の両側にそれぞれ1つずつ、合計2つ設けられてもよく、それに加えて基材搬送装置の上側であって、基材保持装置の基材搬送方向に平行な方向の両側の部分にそれぞれ1つずつ、合計4つ設けられてもよい。
(23)前記部品保持装置として(4)項に記載の部品保持装置を含み、前記ヘッド保持部材,前記第1移動装置および前記第2係合部が移動体に保持され、その移動体が前記第2移動装置により移動させられることによって、前記ヘッド保持部材が、前記第1移動装置および前記第2係合部と共に第2移動装置により移動させられ、かつ、第1移動装置により移動体に対して移動させられる(22)項に記載の電子回路部品装着システム。
本項に記載の電子回路部品装着システムにおいては、第2係合部と第1移動装置とがヘッド保持部材と共に第2移動装置により移動させられ、保持ヘッドが移動経路上の任意の位置に位置する状態においてノズル保持部を回動させることができ、あるいは保持ヘッドの移動中にノズル保持部を回動させることができ、電子回路部品の回路基材の装着に要する時間の増大を抑制することができる。
(24)前記部品保持装置として(5)項に記載の部品保持装置を含み、かつ、当該電子回路部品装着システムが、さらに、前記保持ヘッドとしての第1保持ヘッドと択一的に前記ヘッド保持部材に保持される第2保持ヘッドを含み、その第2保持ヘッドが、
前記保持ヘッド本体としての第1保持ヘッド本体と選択的に前記ヘッド保持部材に保持される第2保持ヘッド本体と、
その第2保持ヘッド本体の中心軸線を中心とする一円周上に、前記中心軸線と平行な方向に前記第2保持ヘッド本体に対して相対移動可能に保持された複数のノズル保持部と、
前記第2保持ヘッド本体に前記複数のノズル保持部の各々に対応して設けられた第2可動部材を備え、その第2可動部材の前記第2保持ヘッド本体に対する相対移動に基づいて前記複数のノズル保持部を前記中心軸線と平行な方向に移動させるノズル保持部移動装置と
を含み、かつ、前記第1移動装置による前記第2保持ヘッドの移動に基づいて前記第2係合部と係合し、前記ノズル保持部移動装置を作動させる第3係合部が前記第2可動部材に設けられた(22)項または(23)項に記載の電子回路部品装着システム。
ヘッド保持部材に保持された第2保持ヘッドは、第1保持ヘッドと同様に第1移動装置によって第2係合部に対して相対移動させられ、複数の第2可動部材のうちの1つの第3係合部が第2係合部に係合して動かされ、ノズル保持部と第2保持ヘッド本体とが相対移動させられる。それにより、複数の吸着ノズルのうちの1つが他の吸着ノズルに対して、軸方向において異なる位置へ移動させられ、他の吸着ノズルにより妨げられることなく、電子回路部品の吸着および装着を行うことができる。
第1保持ヘッドがヘッド保持部材に保持された状態では、第1移動装置による第1保持ヘッドと第2係合部との相対移動時に、第3係合部に代わって第1係合部が第2係合部に係合し、ノズル保持部が回動させられる。
本項の電子回路部品装着システムによれば、第1保持ヘッドのノズル保持部の回動と、第2保持ヘッドのノズル保持部の移動とがいずれも、第1移動装置による保持ヘッドと第2係合部との相対移動を利用して行われ、それら回動および移動を簡易な構成で安価に行うことができる。
(25)(a)少なくとも、平らな吸着面を有する吸着ノズルを保持したノズル保持部が、前記吸着面に平行な回動軸線のまわりに回動可能な保持ヘッドと、(b)前記少なくともノズル保持部を前記回動軸線のまわりに回動させることによって前記吸着面を水平面に対して傾斜させる回動装置とを含み、前記吸着面に電子回路部品を負圧により吸着して保持する部品保持装置と、
その部品保持装置を、水平面内で互いに直交するX軸方向およびY軸方向と、鉛直方向とに移動させる移動装置と、
前記回動装置により前記ノズル保持部が回動させられてそのノズル保持部に保持された吸着ノズルの前記吸着面が水平面に対して傾斜させられた状態で、前記移動装置を制御することによって、前記ノズル保持部を、前記傾斜させられた吸着面に直角な方向に移動させる移動制御部と
を含み、前記吸着ノズルが保持した電子回路部品を回路基材の前記水平面に対して傾斜した部品装着面に装着することが可能であることを特徴とする電子回路部品装着システム。
(26)前記部品保持装置を、前記鉛直方向に平行な回転軸線のまわりに回転させる部品保持装置回転装置を含む(25)項に記載の電子回路部品装着システム。
(27)前記回動装置が前記部品保持装置を複数種類の傾斜位置に回動させるものである(25)項または(26)項に記載の電子回路部品装着システム。
(28) さらに、(a) 前記回路基材を水平な搬送方向に搬送するコンベヤと、(b)そのコンベヤにより搬送された前記回路基材を保持する回路基材保持装置とを備えた基材搬送保持装置を含み、その基材搬送保持装置に保持された回路基材に電子回路部品を装着する(25)項ないし(27)項のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
(29)さらに、前記基材搬送保持装置に沿って設けられ、前記電子回路部品を供給する部品供給装置を含み、その部品供給装置から供給される電子回路部品を前記部品保持装置が受け取って前記回路基材に装着するとともに、電子回路部品の受取りと回路基材への装着との間に、前記回動装置が前記保持ヘッドを回動させる(28)項に記載の電子回路部品装着システム。
(30)前記回動装置が、電力の供給により作動する電動アクチュエータを駆動源とするものである(25)項ないし(29)項のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
(31)前記部品保持装置が、さらに、前記ノズル保持部を前記回動装置により回動させられた複数の回動位置に保持する回動位置保持装置を含む(25)項ないし(30)項のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に、請求可能発明の一実施例としての電子回路部品装着システムが概略的に図示されている。本電子回路部品装着システムは、図1に示すように、基材搬送装置としての基板搬送装置10,それぞれ部品供給装置の一種であるフィーダ型部品供給装置12,14,基材保持装置としての基板保持装置16,装着装置18,保持ヘッド収納装置20および制御装置22(図21参照)を含む。
基板搬送装置10は、システム本体としてのベッド30上に設けられ、回路基材としての回路基板32を一方向、本実施例では水平方向に搬送して基板保持装置16に搬入し、基板保持装置16から搬出する。基板搬送方向をX軸方向とし、基板保持装置16に保持されている回路基板32の表面であり、上面である部品装着面34に平行な一平面である水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。基板保持装置16は位置を固定して設けられ、図示は省略するが、例えば、回路基板32を下方から支持する基板支持装置と、回路基板32の基板搬送方向に平行な両縁部をそれぞれクランプするクランプ装置とを含み、基板搬送装置10により搬入された回路基板32を水平な姿勢で保持する。
フィーダ型部品供給装置12,14は、本電子回路部品装着システムでは、図1に示すように、ベッド30上の、基板搬送装置10に対してY軸方向に隔たった両側にそれぞれ設けられている。これらフィーダ型部品供給装置12,14は同様に構成されており、フィーダ型部品供給装置12を代表的に説明する。
フィーダ型部品供給装置12は、複数のフィーダにより電子回路部品を供給する装置である。フィーダは、電子回路部品を複数保持し、それら電子回路部品を整列させた状態で送り、順次部品供給部に位置決めし、供給する部品供給具であり、フィーダ支持台40に着脱可能に取り付けられる。そのため、フィーダ支持台40には、複数のフィーダ取付部42(図2参照。図2においてはフィーダ取付部42は1つのみ図示されている)が基板搬送方向に適宜の間隔を隔てて、本実施例では等間隔であって、幅が最小のフィーダが、できる限り小さい隙間を隔てて取り付けられる間隔で並べて設けられている。これらフィーダ取付部42にはそれぞれ、図2に示すように、フィーダ支持台40の上面であるフィーダ支持面44に開口させられ、前後方向に延び、横断面形状が逆T字形を成す位置決め溝46,フィーダ支持台40の前部から立ち上がる位置決め壁48に設けられた位置決め穴50,52およびフィーダ支持面44に開口させられ、左右方向に延びる係合溝54を備えている。なお、前後方向は前記Y軸方向に平行な方向であり、左右方向は前記X軸方向に平行な方向である。
フィーダ支持台40のフィーダ取付部42には、テープ型フィーダ58(図1参照)や図2に示すスティック型フィーダ60等、種々のフィーダが取り付けられるが、いずれのフィーダもフィーダ取付部42によってフィーダ支持台40に取り付けられる構造を有する。テープ型フィーダ58は、詳細な説明は省略するが、部品保持テープにより複数の電子回路部品を1列に並ぶ状態で保持し、部品保持テープをテープ送り装置によって送ることにより、電子回路部品を順次部品供給部に位置決めし、供給するフィーダであり、フィーダ支持台40に水平な姿勢で取り付けられ、部品保持テープは水平に送られる。
また、スティック型フィーダ60は、図2に示すように、複数の電子回路部品が収容されたスティック62をスティック保持装置64により傾斜姿勢で保持し、スティック62内の電子回路部品をシュート66によって部品供給部へ導き、供給するフィーダである。スティック型フィーダ60のフィーダ本体70は長手形状を成す1対の板状の側壁71(図5参照)を備え、その長手方向の一端部であって、前部の底部に、横断面形状が逆T字形を成すレール72が前後方向ないし長手方向に延びる状態で設けられ、被位置決め部を構成している。フィーダ型部品供給装置12において基板保持装置16側が前側であり、フィーダ本体70の前面には、1対の位置決め突起74,76が突設され、被位置決め部を構成している。
フィーダ本体70にはさらに、スティック型フィーダ60をフィーダ支持台40に固定するためのフィーダ固定装置78が設けられている。固定装置78は、フィーダ本体70に下方ほど後方へ向かう向きに傾斜して設けられた係合部材80と、その係合部材80を移動させる移動装置(図示省略)とを含む。移動装置は、係合部材80を、その先端部ないし下端部がフィーダ本体70の底面から突出する向きに付勢し、前記係合溝54の溝側面に係合してフィーダ60をフィーダ支持台40に固定する固定位置へ移動させる付勢装置、例えばスプリングと、操作部材と、操作部材に加えられる操作力を係合部材80に伝達し、付勢装置の付勢力に抗して、溝側面との係合が解除される解除位置へ移動させる操作力伝達装置とを含む。
スティック型フィーダ60は、レール72が、フィーダ支持台40に設けられた前記位置決め溝46に嵌合され、位置決め突起74,76が前記位置決め穴50,52に嵌合されるとともに、係合部材80が固定位置へ移動させられることにより、フィーダ支持面44によって下方から支持され、前後方向および左右方向である幅方向において位置決めされるとともに、浮上がりを防止された状態でフィーダ支持台40に固定される。固定装置78は作業者により操作され、スティック型フィーダ60のフィーダ支持台40への取付け,取外しは作業者により行われる。それぞれ位置決め部を構成する位置決め溝46,位置決め穴50,52および係合溝54が位置決め装置および浮上がり防止装置を構成している。
前記テープ型フィーダ58もスティック型フィーダ60と同様にして、フィーダ支持台40に位置決めされて固定される。本フィーダ型部品供給装置12では、いずれのフィーダがフィーダ支持台40に取り付けられる場合も、複数のフィーダはそれぞれ、各部品供給部がX軸方向に並ぶ状態で取り付けられる。
スティック型フィーダ60の前記スティック62は、図2に示すように、概して直線状を成し、横断面形状が矩形を成す筒状の部材であり、内部に概して直線状を成す部品収容空間88(図3参照)を備え、一端に供給口90(図4参照)が設けられている。スティック62は、その中に収容される電子回路部品の高さよりやや大きい厚さを有するものとされており、電子回路部品の高さが低いほど、スティック62は薄く、高さが低いものとなる。なお、ここにおいて電子回路部品の高さは、回路基板32に装着される姿勢の電子回路部品の高さに限らず、スティック62に収容された状態での高さであることもある。
スティック62の部品収容空間88には、1種類の電子回路部品が複数、1列に並んだ状態で収容される。スティック62毎に収容される電子回路部品の種類は様々であるが、比較的大きい部品であり、例えば、図3および図5に示す電子回路部品92のように、本体94と、本体94の底面96から突出させられた複数のリード98とを備えた部品が収容される。複数のリード98は、底面96の外周側の部分に長手方向に平行な2辺に沿って設けられ、回路基板32に設けられたスルーホールに挿入され、先端部が回路基板32の裏側において電極に半田付けされる。
前記スティック保持装置64の装置本体としてのフレーム110は、図2に示すように、長手形状を成し、フィーダ本体70に、スティック型フィーダ60がフィーダ支持台40に取り付けられた状態で、長手方向の一端部である前部(部品供給部側の部分)が他端部である後部より下となり、水平面に対して傾斜した姿勢で設けられている。フレーム110には、その前部と後部とにそれぞれスティック支持部材112,114が設けられ、スティック62の前部と後部とを下方から支持する。スティック支持部材112,114は板状を成し、フレーム110の傾斜方向に直角な方向における位置を調節可能に設けられている。フレーム110の前部と後部とにはまた、スティック幅方向ガイド116が1対ずつ設けられている。各対の2つのスティック幅方向ガイド116(図2には各対の一方のスティック幅方向ガイド116のみ図示されている)はそれぞれ、フレーム110の両側面に設けられ、スティック62の幅方向のずれを規制する。
スティック62は、スティック支持部材112,114により支持されるとともに、スティック幅方向ガイド116によりずれを規制され、その供給口90が設けられた側の端が下端となり、フィーダ60の前側に位置し、水平面に対して傾斜した姿勢で保持され、基板保持装置16により水平な姿勢で保持された回路基板20に対して傾斜させられている。フレーム110の前端部には、図2に示すように、供給口遮蔽装置120が設けられている。供給口遮蔽装置120は、フレーム110に、フレーム110の長手方向ないし傾斜方向に直角な方向に移動可能に設けられた遮蔽部材122と、遮蔽部材122を移動させる遮蔽部材移動装置124とを含む。フレーム110の長手方向に直角な方向は上下方向の成分を含み、遮蔽部材122の移動は昇降と考えることができる。
遮蔽部材移動装置124は、本実施例では、駆動源たる遮蔽部材駆動用モータ130と、ラックおよびピニオンを含み、遮蔽部材駆動用モータ130の回転を直線運動に変換する運動変換機構132とを備えている。遮蔽部材122は板状を成し、ラックに取り付けられている。そして、ピニオンがモータ130によって回転させられることにより、ラックが昇降させられて遮蔽部材122が昇降させられる。遮蔽部材122は、上昇端位置に位置する状態では、供給口90を解放するとともに、その下端部がスティック62の供給口90を画定する上端縁の前面に係合し、スティック62が傾斜により滑り落ちることを防止し、上昇端位置から下降させられた遮蔽位置ないし部品飛出し防止位置において供給口90を塞ぎ、スティック62からの電子回路部品の飛出しを阻止する。上昇端位置は開位置ないし供給口解放位置である。
前記シュート66は、図2に示すように、直線状を成す。シュート66の本体であるシュート本体134は、長手形状のブロック状を成し、図5(a)に示すように、その幅方向の中央部には、外側上面に開口する凹部136が長手方向に貫通して形成され、凹部136の開口がシュート本体134に固定された閉塞部材たる押さえ板138によって塞がれることにより、横断面形状が矩形を成し、閉空間状の通路140がシュート66の幅方向の中央に位置する状態で設けられている。通路140は、その中に収容される電子回路部品の高さよりやや大きい高さを有し、電子回路部品の高さが低いほど、通路140の底面により構成される部品案内面142の位置が高くなる。シュート66は、図3および図5に示すように、スティック保持装置64により傾斜した姿勢で保持された状態にあるスティック62の斜め下方への延長方向に延び、スティック62と同様に傾斜させられた状態でフィーダ本体70に着脱可能に固定されている。シュート66は、フィーダ本体70の1対の側壁71の間の部分に設けられたシュート支持部材143を介してフィーダ本体70に取り付けられる。シュート支持部材143は板状を成し、スティック62の傾斜と平行に傾斜して設けられ、図3に示すように、その前部と後部とのそれぞれ幅方向の中央部に、位置決めピン144およびマグネット146が傾斜方向に間隔を隔てて設けられている。位置決めピン144は、支持部材143の上面から、シュート支持部材143の傾斜方向と直角に突出し、マグネット146は、その一端面が支持部材143の上面内に位置する状態で設けられている。
シュート本体134には、その長手方向の前部と後部とにそれぞれ、その幅方向の中央部の長手方向に隔たった2箇所にそれぞれ、外側下面に開口して位置決め穴147が設けられるとともに、マグネット148が、外側下面の一部を構成する状態で埋設されている。シュート66は、図5(a)に示すように、1対の側壁71の間に位置させられた状態で、図3に示すように、2つの位置決め穴147がそれぞれ位置決めピン144に嵌合され、シュート支持部材143上に載せられる。この状態ではマグネット148がマグネット146に吸着され、シュート66はシュート支持部材143に、幅方向および前後方向に位置決めされ、下方から支持された状態で磁力によって固定される。なお、2つの位置決め穴147の一方、例えば、後部に設けられた位置決め穴147は、シュート66の傾斜方向に長い長穴とされている。通路140はシュート66の幅方向の中央部に位置する状態で設けられており、フィーダ本体70の幅方向の中央部に位置することとなる。シュート66は、位置決め穴147を位置決めピン144から離脱させ、マグネット148をマグネット146から離すことにより、シュート支持部材143から取り外される。本実施例においては、位置決めピン144が位置決め部たる位置決め突部を構成し、位置決め穴147が被位置決め部たる被位置決め凹部を構成し、それぞれ固定部材たるマグネット146,148が固定装置を構成している。位置決めピンがシュートに、位置決め穴がシュート支持部材に設けられてもよい。
シュート66がシュート支持部材143に支持された状態では、通路140の底面により構成される部品案内面142がスティック62の部品収容空間88の底面に続く状態となり、図3に示すように、通路140の、シュート66の上端側開口がスティック62の供給口90と対向させられて受入れ口150を構成している。シュート66の下端部においては、凹部136が押さえ板138によって塞がれず、通路140が上方に解放され、受入れ口150から離れた位置であって、シュート66の下端部において上方に向かう成分を有する方向に開いた取出口152が設けられている。取出口152は、電子回路部品92を1個、取出し可能な大きさとされ、取出口152が設けられた部分がスティック型フィーダ60の部品供給部である。
シュート66にはまた、図3に示すように、通路140の下端部であって、取出口152内にストッパ154が設けられ、電子回路部品92を、その被吸着点、例えば、本体94の中心が、後述する吸着ノズルによる部品吸着位置に位置する位置に停止させる。シュート66にはさらに、図3および図5に示すように、シュート本体134に、その外側下面および通路140の幅方向の中央部に開口するスリット156が、シュート66の長手方向に延びる状態で設けられている。前記シュート支持部材143には、スリット156に続くスリット158が設けられており、これらスリット156,158は、次に説明するエスケープメント170の爪部材の進入を許容する。
前述のようにシュート66はフィーダ本体70に着脱可能に固定されるようにされており、電子回路部品の形状,寸法に応じて通路140の横断面形状が異なる複数種類のシュート66が用意され、スティック型フィーダ60が供給する電子回路部品の種類に応じたシュート66がフィーダ本体70に取り付けられる。図5(a)〜図5(c)に3種類のシュート66の例を示す。これらシュート66は、構成要素の寸法が異なる部分があるが、構成は同じであり、同じ作用を成す構成要素には同じ符号を付して示す。電子回路部品についても符号92を付して示すこととする。
これらシュート66は、シュート本体134の外形の形状,寸法が同じものとされており、前部と後部とにそれぞれ、位置決め穴147およびマグネット148が設けられ、いずれも位置決めピン144により位置決めされるとともに、シュート支持部材143により下方から支持され、傾斜姿勢で磁力によって固定される。シュート66は、マグネットに限らず、例えば、ボルトによってシュート支持部材143に着脱可能に固定することができるが、マグネットによれば、シュート支持部材143に対するシュート66の着脱を容易にかつ迅速に行うことができ、スティック型フィーダ60が供給する電子回路部品の種類の変更に容易に対応することができる。また、通路140は、シュート66の幅方向の中央に設けられ、電子回路部品の横断面形状に応じて形状,寸法が変えられるとき、シュート本体134の幅方向の中心に対して左右対称に変えられるため、シュート66の種類が異なっても通路140およびスリット156は、フィーダ本体70の幅方向の中央に位置する。また、通路140の高さ(深さ)が変えられるとき、その上面の位置はシュート本体134の上面であって変わらないため、取出口152に位置する電子回路部品の上面の高さ方向における位置は、電子回路部品の高さが異なっても同じになる。なお、供給される電子回路部品の種類が変わっても、横断面形状が変わらないのであれば、複数種類の電子回路部品の供給にシュート66を共用することができる。この際、電子回路部品のシュート66の長手方向における長さが変わるのであれば、それに合わせて爪部材200a,200bの間隔が変更される。
スティック型フィーダ60によって供給する電子回路部品の種類が変わるとき、スティック62が替えられる。スティック62は、電子回路部品の横断面形状によって厚さが異なるが、幅は同じにされ、スティック支持部材112,114は、その上下方向の位置が、スティック62を、部品収容空間の底面が、シュート66の部品案内面142と同じ傾斜平面内に位置し、部品案内面142が部品収容空間88の底面に続く状態となる状態で支持するように調節される。また、遮蔽部材移動装置124の遮蔽部材122は、スティック62の厚さの変化に対応可能な長さを有するものとされ、スティック62の滑落を防止し、電子回路部品のスティック62からの飛出しを防止する。
フィーダ本体70には、図2に示すように、シュート66の下側にエスケープメント170が設けられ、離間装置を構成している。エスケープメント170は、シュート66に対して設けられているのである。本エスケープメント170は、図3に示すように、それぞれ部品移動阻止ユニットたる第1爪ユニット172および第2爪ユニット174を含む。これら第1,第2爪ユニット172,174は同様に構成されており、以下、第1爪ユニット172を代表的に説明し、第2爪ユニット174については説明を省略する。両ユニット172,174の各構成要素には同じ符号を付すとともに、第1爪ユニット172の構成要素には符号にaを付し、第2爪ユニット174の構成要素には符号にbを付して区別することとする。
第1爪ユニット172は、図3に示すように、フィーダ本体70の側面に設けられたユニット取付部材180に、シュート66の長手方向ないし傾斜方向に平行な方向に移動可能であって、位置変更可能に取り付けられている。ユニット取付部材180がエスケープメント170の本体を構成していると考えることもできる。ユニット取付部材180は板状を成し、シュート66の長手方向に平行に延びる1対の長穴182,184がユニット取付部材180を厚さ方向に貫通して設けられている。第1爪ユニット172のユニット本体186aはブロック状を成し、図9に示すように、その裏面側に突設された一対の突部188a,190aがそれぞれ、長穴182,184に移動可能に嵌合され、ユニット本体186aの移動が案内される。突部188a,190aはそれぞれ、横断面形状が矩形を成し、ユニット本体186aの対角線上に隔たった2箇所に設けられ、被案内部であり、長穴182,184により構成される案内部と共に案内装置を構成するとともに、ユニット本体186aの、その板面に平行な平面内における傾きを防止する傾き防止装置としても機能する。ユニット本体186aの突部188a,190aが設けられた部分には、ユニット取付部材180のフィーダ本体70側である裏側から長穴182,184を通ってボルト192aが螺合され、ボルト192aの頭部との間にユニット取付部材180を挟み、ユニット本体186aが取付部材180に固定される。なお、フィーダ本体70の長穴182,184に対応する部分には開口(図示省略)が設けられ、ユニット本体186aへのボルト192aの螺合を許容する。
ユニット本体186aには、図3,図6および図7に示すように、可動部材たるスライド194aが、シュート66の底面に直角な方向であって、シュート66の長手方向に平行な鉛直平面内においてシュート66の傾斜方向と直角な方向に移動可能に取り付けられている。ユニット本体186aには、厚さ方向に貫通して段付状を成す一対の長穴196aが設けられており、それら長穴196aにそれぞれ、ユニット本体186aの裏側から挿通されたボルト198aがスライド194aに螺合され、ボルト198aのねじ部より大径の軸部が長穴196aのユニット本体186aの表面ないし上面側に開口させられた小長穴部内を移動することにより、スライド194aのユニット本体186aに対する移動が案内される。長穴196aが案内部を構成し、ボルト198aが被案内部を構成し、これらが案内装置を構成している。軸部の長さは、小長穴部の深さより僅かに長くされ、ボルト198aが軸部がスライド194aに当接するまで螺合された状態では、ボルト198aの長穴196aの大長穴部内に直径方向に隙間を有して収容され、軸部より大径の頭部と、大長穴部の底面との間に、その頭部の移動を許容し、スライド194aの移動を許容する隙間が確保されるとともに、スライド194aががたつくことなく移動する。
スライド194aに、第1阻止部材としての爪部材200aが着脱可能に固定されている。爪部材200aは、図6および図7に示すように長手形状の板状を成し、前記シュート66のスリット156およびシュート支持部材143のスリット158を通過可能な厚さ(シュート66の幅方向に平行な方向における寸法)を有するものとされている。また、爪部材200aの先端部ないし上端部に、他の部分より幅(シュート66の長手方向に平行な方向の寸法)の狭い係合部202aが設けられている。爪部材200aにはまた、係合部202aより下側の部分に、その長手方向に延びる長穴204aが形成され、その長穴204aを通って複数のボルト206aがスライド194aに螺合されることにより爪部材200aがスライド194aに固定され、スライド194aと共にユニット本体186aに対して移動させられる。長穴204aのボルト206aに対する位置を変えることにより、係合部202aのスライド194aに対する高さ方向の位置が変えられ、上昇端位置および下降端位置が変えられる。長穴204aが位置調節部を構成している。まtま、爪部材200aは、フィーダ本体70の幅方向においては、中央に位置するように設けられている。
ユニット本体186aにはまた、図6および図7に示すように、偏心カム210aが、シュート66の傾斜方向と平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられている。偏心カム210aは、前記ユニット取付部材182に取り付けられた駆動軸212の回転により回転させられる。駆動軸212は、図7に示すように、横断面形状が非円形形状たる小判形を成し、偏心カム210を構成する円板の中心から外れた位置に設けられた横断面形状が小判形を成す嵌合穴214aに軸方向に相対的に摺動可能に嵌合されており、偏心カム210aは駆動軸212に対して相対回転不能かつ軸方向に摺動可能である。したがって、ユニット本体186aがユニット取付部材180に対して移動させられるとき、偏心カム210aは駆動軸212に対して移動させられ、第1爪ユニット172の移動を許容する。また、駆動軸212が駆動源たるカム駆動用モータ216(図3参照)によって回転させられることにより、偏心カム210aが回転させられる。
前記スライド194aには、図6および図7に示すように、偏心カム210aより下側の部分に、カムフォロワとしてのローラ220aが偏心カム210の回転軸線と平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられている。スライド194aは、ユニット本体186aとの間に配設された付勢装置の一種である弾性部材としてのスプリングである引張コイルスプリング222aにより、上方に向かう向きに付勢され、ローラ220aが偏心カム210aの外周面であるカム面224aに接触する向きに付勢されている。そのため、偏心カム210aが回転させられれば、ローラ220aが偏心カム210aに追従して移動させられ、それによりスライド194aが昇降させられ、爪部材200aがシュート66のスリット156内およびシュート支持部材143のスリット158内を昇降させられて、係合部202aがシュート66の部品案内面142を越えて通路140内に突出させられ、あるいは通路140から退避させられる。なお、引張コイルスプリング222aは、付勢装置の一種である弾性部材としてのスプリングである。以下に説明する他の圧縮コイルスプリングおよび引張コイルスプリングについても、いちいち断らないが、同様である。
前記第2爪ユニット174は第1爪ユニット172と同様に構成されている。但し、シュート66の傾斜方向に直角な平面に対して対称に設けられており、駆動軸212は2つのユニット172,174に共通であり、第2爪ユニット174の偏心カム210bも駆動軸212に相対回転不能かつ軸方向に相対的に摺動可能に嵌合されている。第1,第2爪ユニット172,174はいずれも、突部188a,190a,188b,190bおよび長穴182,184に案内されてシュート66の長手方向に移動可能であり、その移動によって爪部材200a,200bのシュート66の長手方向の位置を変更し、調節することにより、爪部材200a,200bの間隔を電子回路部品の寸法に応じた大きさに変更することができる。この変更は、作業者がボルト192a,192bの螺合を緩めてユニット本体186a,186bのユニット取付部材180に対する固定を解除し、長穴182,184に沿って移動させ、所定の位置において停止させ、ボルト192a,192bを締め、ユニット本体186a,186bをユニット取付部材180に固定することにより行われる。本実施例においては、長穴182,184,突部188a,188b,190a,190b,ボルト192a,192bおよび駆動軸212が偏心カム210a,210bに相対回転不能かつ軸方向に相対的に摺動可能に嵌合され、第1,第2爪ユニット172,174のシュート66の長手方向に平行な移動を許容する構成が間隔変更装置を構成している。
駆動軸212が2つの偏心カム210a,210bに共通とされているため、両偏心カムは同時に回転させられ、爪部材200a,202bが同時に昇降させられるが、取出口152に対応する位置へは電子回路部品92が1個ずつ移動するようにされることが必要である。そのため、偏心カム210a,210bの駆動軸212に対する取付け位相が180度異にされ、爪部材200a,200bは、図10に示すように、その昇降方向が逆にされ、それぞれの電子回路部品92の移動阻止と移動阻止解除とが交互に行われ、同時に電子回路部品92の移動阻止が解除され、移動が許容されることがないようにされている。
本実施例においては第1,第2爪ユニット170,172のうち、前側に配設された第1爪ユニット170の爪部材200aが、シュート66内に位置し、取出口152への移動に備えて待機させられた複数の電子回路部品のうちの先頭の電子回路部品92の移動を阻止し、その取出口152への移動を阻止する。したがって、爪部材200aは、その先端の係合部202aが電子回路部品92の本体94の底面96より上方に位置する状態となる阻止位置において、本体94の前面に係合して電子回路部品92の移動を阻止し、底面96より下方に位置する状態となる移動許容位置において電子回路部品92の移動を許容する。また、後側に配設された第2爪ユニット172の爪部材200bは、その先端の係合部202bが、先頭の電子回路部品92のすぐ後に続く電子回路部品92の本体94の底面96に当接の形態で係合する状態となる阻止位置において、電子回路部品92の移動を阻止し、底面96より下方に位置する状態となる移動許容位置において電子回路部品92の移動を許容する。
爪部材200a,200bは、その上昇端位置および下降端位置が、シュート66の長手方向に直角な方向において同じになるようにスライド194a,194bに取り付けられている。そのため、爪部材200aは、上昇時にシュート66の通路140内において上昇端位置まで上昇することが可能であるが、爪部材200bは、上昇の途中で電子回路部品92の本体94の底面96に当接し、上昇を阻止される。偏心カム210a,210bは板カムであるため、爪部材200bが電子回路部品92に当接した後の偏心カム210bの回転は、カムフォロワであるローラ220bがカム面224bから離間することにより許容され、偏心カム210bが再びローラ220bと係合する位相に至った後は、ローラ220bが偏心カム210bに追従して移動し、スプリング222bの付勢力に抗して下降させられて爪部材200bが下降させられる。爪部材200bは、偏心カム210bが回転させられていても昇降しない時期があるのである。爪部材200bが電子回路部品92に当接した後は、スプリング222bの付勢力が電子回路部品92に作用するが、スプリング222bのばね力は電子回路部品92を損傷しない大きさに設定されている。なお、爪部材200aが上昇端位置まで上昇する以前に、係合部202aがシュート66の下向きの内面(通路140の天井面)に当接するようにすることも可能であり、その場合には、係合部202aの当接後は、ローラ220aがカム面224aから離間することにより偏心カム210aの回転が許容される。
また、爪部材200a,200bは、本実施例では、図10に示すように、昇降ストロークの中間位置における高さが、シュート66に収容された電子回路部品92の本体94の底面96より上方において同じ高さとなるようにスライド194a,194bに取り付けられている。この底面96の高さが電子回路部品92の寸法によって変わっても、爪部材200a,200bのスライド194a,194bに対する取付位置の調節により、爪部材200a,200bの各昇降ストロークの中間位置における高さが、シュート66に収容された電子回路部品92の本体94の底面96より上方において同じ高さとなる状態が得られる。したがって、図10に示すように、爪部材200a,200bがいずれも電子回路部品92の移動を阻止する状態が重複して得られ、後続の電子回路部品92が爪部材200a,200bにより移動を阻止されず、取出口152に対応する位置へ移動してしまうことが確実に回避される。
このように爪部材200a,200bが交互に昇降させられることにより、エスケープメント170は、爪部材200aが先頭の電子回路部品92の移動を許容する状態では、爪部材200bが後続の電子回路部品92の移動を阻止し、先頭の電子回路部品92が1個のみ取出口152に対応する位置へ移動する。また、爪部材200bが後続の電子回路部品92の移動を許容する状態では、爪部材200aが電子回路部品92の移動を阻止する状態にあり、後続の電子回路部品92が移動しても爪部材200aによって止められ、待機する電子回路部品の先頭の電子回路部品となる。爪部材200aは、爪部材200bの上昇時に下降し、移動許容位置へ移動するが、爪部材200bが電子回路部品92に係合した時点では、まだ、係合部202aが電子回路部品92の底面96より上側に位置し、本体94に係合して移動を阻止することができる。また、偏心カム210a,210bの回転を止めることにより、爪部材200a,200bの少なくとも一方を部品移動阻止状態に保つことができる。
前述のように、フィーダ本体70には、供給される電子回路部品の種類に応じたシュート66が取り付けられるが、エスケープメント170は、爪部材200a,200bの長手方向における位置を調節し、それらの間隔を変更することができ、種類の異なる電子回路部品について移動を阻止し、離間させることができ、複数種類のシュート66に共用であり、フィーダ本体70に取り付けられたままである。爪部材200a,200bのシュート66の長手方向における位置はそれぞれ、電子回路部品のシュート66の長手方向における寸法に応じて変更され、両者の間隔が変更されて、それぞれ電子回路部品の移動を阻止することができるようにされる。また、シュート66においてスリット156は幅方向の中央に設けられており、通路140の幅方向の寸法は、シュート66の幅方向の中心に対して左右対称に変えられるため、シュート66の種類が変わり、供給される電子回路部品の種類が変わっても、フィーダ本体70におけるスリット156,158および電子回路部品の幅方向の中心の、シュート66の幅方向における位置は変わらず、爪部材200a,200bはスリット156,158を通り、複数種類の電子回路部品の各幅方向の中央部に係合し、移動を阻止することができる。
さらに、爪部材200a,200bはいずれも、前記スライド194a,194bに、シュート66の長手方向に直角な方向の位置が調節可能に取り付けられており、電子回路部品の高さ方向の寸法によってスライド194a,194bに対する取付け位置が調節され、係合部202a,202bの高さ方向の位置が調節されて、高さが異なる複数種類の電子回路部品について移動を阻止するようにされる。
スティック型フィーダ60はさらに、図2に示すように、制御装置240を備えている。制御装置240はフィーダ制御コンピュータ242を主体として構成され、遮蔽部材移動装置124等を制御する。フィーダ制御コンピュータ242には、部品センサ244,246が接続されている。部品センサ244は、図3および図5に示すように、フィーダ本体70のシュート66の取出口152に対応する部分に設けられている。部品センサ244は、例えば、非接触型センサの一種である光電センサたる透過型の光電センサにより構成され、発光部248および受光部250を備え、取出口152における電子回路部品92の有無によって受光部250が受光し、あるいは受光せず、異なる信号が出力され、その信号に基づいて取出口152における電子回路部品92の有無が検出される。また、部品センサ246は、図3に示すように、シュート66の取出口152から離れて待機させられる複数の電子回路部品のうち、先頭の電子回路部品の後に続く後続の電子回路部品82が位置する部分に設けられ、例えば、光電センサにより構成され、その部分に電子回路部品92があるか否かによって異なる信号を出力するように構成されている。スティック型フィーダ60はフィーダ支持台40に取り付けられ、フィーダ固定装置78によって固定されるとき、フィーダ支持台40側に設けられた接続部に接続され、電源装置からの電力供給を受け、後述する電子回路部品装着システムの制御装置のコンピュータとの間での情報伝達等が行われるようにされる。
前記装着装置18を説明する。
装着装置18は、図1,図11および図12に示すように、それぞれ保持ヘッドの一種であるシングルノズルヘッド300,マルチノズルヘッド302,ヘッド保持部材304,ヘッド移動装置306,ヘッド昇降装置308およびヘッド回転装置310を含む。ヘッド移動装置306は、図1に示すように、X軸方向移動装置314およびY軸方向移動装置316を含む。X軸方向移動装置314は、可動部材としてのX軸スライド320とX軸スライド移動装置322とを含む。X軸スライド移動装置322は、駆動源たるX軸移動用モータ324(図21参照)と、ボールねじおよびナットを含む送りねじ機構326(図21参照)とを含む。
Y軸方向移動装置316はX軸スライド320上に設けられ、可動部材としてのY軸スライド328とY軸スライド移動装置330とを含む。Y軸スライド移動装置330は、駆動源たるY軸移動用モータ332(図21参照)と、ボールねじ334およびナット336を含む送りねじ機構338(図11参照)とを含む。
図11に示すように、Y軸スライド328に前記ヘッド保持部材304,ヘッド昇降装置308およびヘッド回転装置310が設けられ、X軸スライド320およびY軸スライド328の移動により、ヘッド保持部材304等が水平面上の任意の位置へ移動させられる。ヘッド保持部材304は、軸状部材340と、軸状部材340の下端部に一体的に設けられたヘッド保持部342とを含む。軸状部材340は、横断面形状が円形を成し、外周面にスプライン344が設けられたスプライン軸部材である。ヘッド保持部342は、横断面形状が円形を成し、軸状部材340より大きい直径を有する。
ヘッド回転装置310は、図12に示すように、Y軸スライド328に、基板保持装置16に保持された回路基板32の部品装着面34に直角な軸線であって、鉛直な軸線まわりに回転可能に保持された回転部材としての回転体346と、回転部材駆動装置としての回転体駆動装置348とを含む。回転体駆動装置348は回転用モータ350(図21参照)を駆動源とし、その回転が回転体346に固定のギヤ352等を含む回転伝達装置により回転体346に伝達され、回転体346が鉛直な回転軸線まわりに正逆両方向に任意の角度回転させられる。回転体346は円筒状を成し、その内周面にスプライン354が設けられてスプライン穴が設けられ、軸状部材340のスプライン344が軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に嵌合され、回転体346の回転により軸状部材340およびヘッド保持部342が鉛直軸線まわりに正逆両方向に任意の角度回転させられる。
前記ヘッド昇降装置308は、図11に示すように、Y軸スライド328に、鉛直方向に移動可能であって、昇降可能に設けられた昇降部材360と、駆動源としての昇降用モータ362(図21参照)と、Y軸スライド328に軸方向に相対移動不能かつ鉛直軸線まわりに回転可能に設けられたねじ軸としてのボールねじ364および昇降部材360に固定のナット366を含む送りねじ機構368とを含む。軸状部材340の上部は、昇降部材360により相対回転可能かつ軸方向に相対移動不能に保持されており、ボールねじ364が昇降用モータ362により回転させられ、昇降部材360が昇降させられることによりヘッド保持部材304がY軸スライド328に対して昇降させられ、鉛直方向に移動させられる。ヘッド昇降装置308は、ノズルヘッド300,302と基板保持装置16とを互いに接近,離間させる接近・離間装置であり、ヘッド移動装置306と共に、ノズルヘッド300,302と基板保持装置16とを、基板保持装置16に対して相対移動させる相対移動装置を構成している。
軸状部材340内には、図11に示すように、その軸線上に通路370が設けられるとともに、その外側に円環状通路372が設けられ、円環状通路372は負圧ポンプ等の負圧源380に接続されている。負圧源380から円環状通路372への負圧の供給は、開閉装置382により許容,遮断される。以後、円環状通路372を負圧供給通路372と称する。通路370は、コンプレッサ等の正圧源384および前記負圧源380に接続されている。通路370への正圧の供給と負圧の供給とは切換装置386により切り換えられ、正圧と負圧とが択一的に供給される。切換装置386により、通路370が大気に開放された状態も得られる。以後、通路370を正圧・負圧供給通路370と称する。
前記ヘッド保持部342は、図11に示すように、その軸線に直角な一平面状を成し、水平で下向きの吸着面390を備えている。ヘッド保持部342には、吸着面390に開口し、その軸線を中心線とする円環状の負圧室用凹部392が形成され、通路394により負圧供給通路372に連通させられている。前記正圧・負圧供給通路370の下端部は、吸着面390に開口させられている。
前記マルチノズルヘッド302を説明する。
マルチノズルヘッド302は、特開2006−261325公報に記載のマルチノズルヘッドと同様に構成されており、図12に示すように、保持ヘッド本体としてのノズルヘッド本体(以後、ヘッド本体と略称する)400,複数、本実施例では3つ以上、例えば、12個のノズル取付部402,それぞれノズル取付部402に取り付けられた吸着ノズル404,複数の吸着ノズル404の各々について設けられたバルブ装置406およびノズル昇降装置408を備えている。 ヘッド本体400は、製造の都合上、複数の部材が互いに組み付けられて成り、組付け後は一体のヘッド本体400として機能する。
ヘッド本体400は横断面形状が円形を成し、その軸線に平行な方向の一端部が被保持部409とされ、ヘッド本体400の軸線に直角で一平面状の被吸着面410が設けられている。この被吸着面410が前記吸着面390に密着させられて負圧室用凹部392の開口が塞がれることにより、ヘッド吸着用負圧室412が形成され、負圧供給通路372からヘッド吸着用負圧室412に供給される負圧によってマルチノズルヘッド302がヘッド保持部材304により吸着され、同心に保持される。マルチノズルヘッド302はヘッド保持部材304により保持された状態では、軸線が上下(鉛直)方向となり、ヘッド保持部材304の昇降,回転により昇降,回転させられる。
ヘッド本体400には、図12に示すように、その回転軸線である中心軸線を中心とする一円周上に複数、本実施例では12個の嵌合孔420が形成されている。これら嵌合孔420はそれぞれ、横断面形状が円形を成し、ヘッド本体400の回転軸線に平行に延び、ヘッド本体400の被吸着面410とは反対側の面に開口させられた有底孔であり、下方に開口させられている。
12個の嵌合孔420にはそれぞれ、図12に2つを示すように、昇降部材422が上下方向に相対移動可能であって、ヘッド本体500の中心軸線に平行な方向に移動可能に嵌合されている。12個の昇降部材422はいずれも、それぞれについて設けられた昇降駆動装置424により個々に昇降させられ、ヘッド本体400の中心軸線と平行な方向に移動させられる。昇降駆動装置424は、ヘッド本体400の嵌合孔420より外周側の部分に軸426により、嵌合孔420の中心線と直角に立体交差する水平な軸線まわりに回動可能に取り付けられた駆動部材としてのレバー428を備えている。レバー428は板状を成し、軸426から延び出させられた一方のアーム部430において、昇降部材422の上端部に、レバー428の回動軸線と平行に設けられた係合部としての軸状部432に相対回動可能に係合させられている。レバー428の他方のアーム部434は、軸426からヘッド本体400の外へ延び出させられ、その延び出し端部に部分円筒面状を成す係合部436が下向きに設けられている。レバー428は、アーム部430とヘッド本体400との間に配設された圧縮コイルスプリング438により、昇降部材422を上昇させる向きに付勢されている。このスプリング438の付勢によるレバー428の回動限度は、昇降部材422が嵌合孔420の底面に当接することにより規定される。昇降部材422の嵌合孔420の底面に当接する位置が上昇端位置である。
12個の昇降部材422にはそれぞれ、図12に2個を示すように、その内部に下方に開口する有底の嵌合孔439が形成され、各嵌合孔439に前記吸着ノズル404が軸方向に摺動可能にかつ相対回転不能に嵌合され、嵌合孔439から抜け出し不能に保持されている。吸着ノズル404内には、その中心を貫通して負圧孔(図示省略)が形成され、先端の吸着面に負圧が供給される。また、吸着ノズル404は、嵌合孔439の底面との間に配設された圧縮コイルスプリング440により、嵌合孔439から下方へ突出する向きに付勢されている。本マルチノズルヘッド302においては、嵌合孔420が設けられた部分がノズル取付部402を構成している。
前記昇降駆動装置424のレバー428は、図12に示すように、前記回転体346に、マルチノズルヘッド302の回転軸線まわりに相対回転可能に設けられたレバー駆動部材442により駆動される。レバー駆動部材442は、回転体346およびリセット部材444により、それら回転体346およびリセット部材444に対して、ヘッド保持部材304の回転軸線であって、マルチノズルヘッド302の回転軸線まわりに相対回転可能に支持された回転体445の外周側から下方へ延び出させられ、旋回装置446により旋回させられる。旋回装置446は、図11に示すように、駆動源としての旋回用モータ448と、回転体445の外周部に設けられたギヤ450およびギヤ450と噛み合わされたギヤ452を含む回転伝達機構455とを備え、レバー駆動部材442は、マルチノズルヘッド302のまわりを正逆両方向に任意の角度、旋回させられる。レバー駆動部材442は、その回転体445からの延び出し端部であって下端部に、その旋回軸線側であってマルチノズルヘッド302側に突出させられた係合部456を備えている。ヘッド保持部材304,ヘッド昇降装置308およびレバー駆動部材442はいずれもY軸スライド328に設けられ、共にヘッド移動装置306により移動させられる。レバー駆動部材442は、回転体346およびリセット部材444により支持されていて昇降させられず、ヘッド保持部材304はヘッド昇降装置308によって昇降させられるとき、レバー駆動部材442に対して昇降させられ、鉛直方向に相対移動させられる。
ヘッド保持部材304により保持されたマルチノズルヘッド302が下降させられるとき、レバー428も下降させられるが、その係合部436は、レバー駆動部材442の係合部454の上向きの係合面456に係合して下降を阻止される。それにより、マルチノズルヘッド302が更に下降させられるのに伴ってレバー428の回動軸線が係合部436に対して下降させられるとともに、レバー428がスプリング438の付勢力に抗して回動させられて昇降部材422が下降させられる。本マルチノズルヘッド302においてはアーム部430,434の長さが同じにされており、昇降部材422は、マルチノズルヘッド302の下降距離の2倍の距離下降させられ、12個の昇降部材422のうち、電子回路部品の吸着あるいは装着を行う吸着ノズル404を保持した昇降部材422が、他の吸着ノズル404を保持した昇降部材422より下方へ突出させられ、吸着ノズル404が選択される。マルチノズルヘッド302の上昇時には、レバー428はスプリング438により付勢され、昇降部材422を上昇させる方向に回動させられ、昇降部材422がマルチノズルヘッド302と共に上昇させられつつ、ヘッド本体400に対して上昇させられて上昇端位置へ戻り、その昇降部材422に保持された吸着ノズル404が他の吸着ノズル404と同じ高さの位置であって、選択されていない非選択位置に戻る。昇降部材422および昇降駆動装置424がノズル昇降装置408を構成している。
前記複数のバルブ装置406はそれぞれ、図12に示すように、第1バルブ460および第2バルブ462を備えている。これら第1,第2バルブ460,462は、本実施例においてはいずれもスプールバルブとされており、それぞれ第1バルブスプール464,第2バルブスプール466を備えている。第1,第2バルブスプール464,466はそれぞれ、ヘッド本体400に、マルチノズルヘッド302の軸線に平行な方向に相対移動可能に嵌合されている。
第1バルブスプール464は、図12に示すように、前記負圧供給通路372からヘッド本体400内に形成された負圧通路に供給される負圧の吸着ノズル404への供給を阻止する原位置と、原位置からヘッド本体400に対して上昇させられた切換位置であって、吸着ノズル404への負圧の供給を許容する負圧供給位置とに移動させられる。また、第2バルブスプール466は、第1バルブスプール464への負圧の供給を許容するとともに、前記正圧・負圧供給通路370から、ヘッド本体400内に形成された正圧通路に供給される正圧の吸着ノズル404への供給を阻止する原位置と、ヘッド本体400に対して原位置から上昇させられ、第1バルブスプール464への負圧の供給を遮断するとともに、吸着ノズル404への正圧の供給を許容する正圧供給位置とに移動させられる。
これら第1,第2バルブスプール464,466はそれぞれ、前記レバー駆動部材442により、原位置から負圧供給位置,正圧供給位置へ移動させられる。そのため、第1,第2バルブスプール464,466の各上端部には、図12に示すように、ヘッド本体400から半径方向外向きに突出する係合部470,472が設けられ、マルチノズルヘッド302の下降時にレバー駆動部材442の係合面456に係合して下降を阻止され、ヘッド本体400に対して上昇させられる。それぞれ負圧供給位置と正圧供給位置とに移動させられた第1,第2バルブスプール464,466は、マルチノズルヘッド302が、電子回路部品の吸着,装着時における上昇端位置より更に上方へ移動させられることにより、前記リセット部材444によってヘッド本体400に対して下降させられ、原位置へ戻される。
さらに、レバー駆動部材442の係合部454の下面478には、図11ないし図13に示すように、基準マーク480が設けられている。基準マーク480は、図13に示すように、例えば、円形を成す。基準マーク480は、例えば、印刷,シールの貼付等により設けられるが、いずれにしても、基準マーク480と、下面478等、レバー駆動部材442の基準マーク480以外の部分とでは光の反射率が大きく異ならされ、撮像時に基準マーク80の像が明瞭に形成されるようにされている。例えば、色,輝度,材料等の選択により反射率が異ならされる。基準マーク480は、レバー駆動部材442が旋回させられることにより、ヘッド保持部材304の軸線まわりの任意の位置へ移動させられる。
この基準マーク480は、特開2008−21734公報に記載されているように、シングルノズルヘッド300がヘッド保持部材304により保持され、電子回路部品の回路基板32への装着を行う際に、シングルノズルヘッド300による電子回路部品の保持位置誤差を取得する際に使用される。後述するように、シングルノズルヘッド300により保持された電子回路部品は部品撮像装置により撮像されるが、その際、図14に示すように、電子回路部品482と共に基準マーク480が撮像され、基準マーク480の像の中心の位置と、基準マーク480の中心とシングルノズルヘッド300の回転軸線(シングルノズルヘッド300に保持された吸着ノズルの回転軸線)との設計上の距離(基準マーク480の回転半径)と、基準マーク480のノズル回転軸線まわりにおける回転位置とに基づいて、部品撮像装置の撮像面484(図14参照)上におけるノズル回転軸線の位置が取得され、吸着ノズルと部品撮像装置との相対位置決め誤差の影響を受けることなく、吸着ノズルによる電子回路部品の保持位置が精度良く検出されるようにされるのである。吸着ノズルは電子回路部品を吸着した状態では電子回路部品に隠れ、撮像されず、吸着ノズルの回転軸線の位置を直接取得することができないため、基準マーク480を用いて吸着ノズルの回転軸線の位置が取得される。ヘッド回転軸線の位置は、電子回路部品装着システムの運転中一定時間毎に取得されてもよく、電子回路部品の保持位置誤差の検出の際、毎回取得されてもよい。
基準マーク480は、シングルノズルヘッド300に保持された電子回路部品とは、ヘッド回転軸線に平行な方向における位置がほぼ同じであり、電子回路部品の形状,寸法によっては、シングルノズルヘッド300に保持された電子回路部品とレバー駆動部材442の係合部454とが干渉する恐れがある。基準マーク480はヘッド保持部材304に対して回転させられるレバー駆動部材442に設けられており、シングルノズルヘッド300に対して回転可能であり、シングルノズルヘッド300がヘッド保持部材304に保持され、フィーダ型部品供給装置12あるいは14から電子回路部品を取り出す際に、吸着ノズルにより吸着された電子回路部品とレバー駆動部材442の係合部454とが干渉する恐れがあるのであれば、レバー駆動部材442が旋回させられ、電子回路部品と干渉せず、かつ、基準マーク480が電子回路部品と共に撮像される位置へ移動させられる。また、撮像後、図14に示すように、電子回路部品の姿勢が変更される場合、レバー駆動部材442がシングルノズルヘッド300の回転により回転させられる電子回路部品と干渉するのであれば、レバー駆動部材442はシングルノズルヘッド300と同期して回転させられ、係合部454の電子回路部品との干渉が回避されるようにされる。
前記シングルノズルヘッド300を説明する。
シングルノズルヘッド300は、マルチノズルヘッド302と同様に、ヘッド保持部342によって負圧により吸着されて保持され、ヘッド保持部材304によりシングルノズルヘッド300とマルチノズルヘッド302とが選択的に保持される。そのため、シングルノズルヘッド300の保持ヘッド本体たるノズルヘッド本体(以後、ヘッド本体と略称する)500は、図15および図17に示すように、横断面形状が円形を成す被保持部502を有し、その軸線に直角な被吸着面504を有する。シングルノズルヘッド300は、被保持部502により前記ヘッド保持部材304の負圧室用凹部392の開口を塞いでヘッド吸着用負圧室505を形成し、負圧供給通路372からヘッド吸着用負圧室505(図11参照)に供給される負圧により、被吸着面504において吸着面390に同心状に吸着される。シングルノズルヘッド300がヘッド保持部材304によって保持された状態では、被保持部502の中心を軸線に平行な方向に貫通して形成された通路506(図16および図17参照)が、前記正圧・負圧供給通路370に連通させられる状態となる。
ヘッド本体500はまた、図16および図17に示すように、被保持部502の被吸着面504とは反対側の面から突出させられた1対の支持部510を有し、ノズル保持体512が、ヘッド本体500の軸線(被保持部502の軸線をヘッド本体500およびシングルノズルヘッド300の軸線とする)と直交する軸線まわりに回動可能に支持され、ノズル保持部を構成している。
ノズル保持体512は、図16に示すように、その長手方向の一端部を除く部分は筒状を成し、横断面形状が多角形状、例えば、八角形状の保持部514とされている。ノズル保持体512には、保持部514の互いに平行な2つの外側面の上記一端部側の部分からそれぞれ軸部516が、ノズル保持体512の軸線である中心軸線と直交する向きに同心状に延び出させられており、これら軸部516において1対の支持部510により回動可能に支持されている。ノズル保持体512の回動軸線は、シングルノズルヘッド300がヘッド保持部材304によって保持された状態では水平となる。ノズル保持体512の上記一端部は、ノズル保持体512の軸線と回動軸線との交点を中心とする球の一部に相当する形状の嵌合部518とされ、ヘッド本体500に設けられた凹部520に回動可能に嵌合されている。凹部520の内側面は、嵌合部518の外側面に対応する部分球面状を成し、ヘッド本体500の軸線上の1点を中心として形成され、嵌合部518は凹部520に沿って回動させられる。
ノズル保持体512には、図16に示すように、嵌合部518とは反対側の端部に開口する有底の嵌合孔526が形成され、吸着ノズル528が軸方向に摺動可能かつ相対回転不能に嵌合されるとともに、嵌合孔526の底面との間に配設された圧縮コイルスプリング530により、嵌合孔526から突出する向きに付勢されている。吸着ノズル528はその軸線に直角で一平面状の吸着面532を有する。吸着ノズル528がノズル保持体512に保持された状態では、ノズル保持体512の回動軸線は吸着面532と平行となる。
ノズル保持体512がヘッド本体500に保持された状態では、嵌合部518の中心を貫通して形成され、嵌合孔526に連通させられた通路540が、被保持部502に形成された通路506に連通させられ、正圧・負圧供給通路370から吸着ノズル528に正圧と負圧とが選択的に供給される状態となる。通路540は通路506より直径が大きく、ノズル保持体512がヘッド本体500に対して回動端位置まで回動させられても、通路506と連通した状態に保たれ、吸着ノズル528への負圧の供給が維持されるとともに、凹部520から外れず、外部に連通させられて負圧が漏れることがないように形成されている。嵌合部518には、図16に示すように、通路540の外周側に円環状のシール部材542が埋設され、負圧の漏れが防止されている。
シングルノズルヘッド300には、ノズル保持体512を、その回動軸線のまわりに回動させる回動装置の一部である保持ヘッド側ノズル保持部駆動装置550が設けられている。保持ヘッド側ノズル保持部駆動装置550は、図15,図16および図18に示すように、可動部材としてのレバーの一種であるベルクランクレバー552および運動変換機構554を含む。
ベルクランクレバー552は、図15ないし図18に示すように、第1レバー部560および第2レバー部562を含む。本ベルクランクレバー552では、これらレバー部560,562は別体に形成され、余剰運動吸収装置574を介して第1レバー部560の回動が第2レバー部562に伝達され、レバー部560,562が常には一体的に回動させられてベルクランクレバーとして機能するようにされている。
第2レバー部562は、図15および図16に示すように板状を成し、ヘッド本体500の一方の支持部510に、その内側面、すなわちノズル保持体512側の面に開口させられた扇形の凹部568に収容されるとともに、図16に示すように、その長手方向の一端部に突設された軸部570が、支持部510の、ノズル保持体512を回動可能に支持する部分から離れた位置であって、ノズル保持体512の回動軸線から、その回動軸線に直角な方向に隔たった位置において、ノズル保持体512の回動軸線と平行に延びる軸線まわりに回動可能に支持されている。軸部570は支持部510から外方へ突出させられるとともに、その突出部に、図16および図18に示すように、横断面形状が非円形形状の一種であるほぼ正方形状を成す回動伝達部572が設けられている。
前記第1レバー部560は、図17に示すように、平面視の形状がコの字形を成し、1対の脚部578,580の一方である脚部578は、図16に示すように、ヘッド本体500の1対の支持部510のうち、第2レバー部562が保持された支持部510とは反対側の支持部510により、第2レバー部562の回動軸線と同心の回動軸線まわりに回動可能に支持されている。他方の脚部580は、図16および図18に示すように、前記余剰運動吸収装置564を介して第2レバー部562の回動伝達部572に嵌合されている。
余剰運動吸収装置564は、図18に示すように、保持部材たるリング582に保持された複数、本実施例では4つの弾性部材の一種であるゴム584を含む。リング582は、外周面は円筒面状を成し、内周面は、横断面形状がほぼ正方形状を成す。4つのゴム584はそれぞれ、横断面形状がほぼ三角形状の長手形状を成す。リング582は回転伝達部572の外側に、その内周面および回転伝達部572の各横断面形状を成す正方形が位相を45度異にする状態で嵌合されるとともに、リング582の内周面の4つの角部と、回転伝達部572の4つの側面との間にそれぞれ、ゴム584が弾性変形させられた状態で挟まれ、リング582と回転伝達部572とに係合させられた状態で配設されている。
第1レバー部560の他方の脚部580には、図18に示すように、リング582の外側に嵌合される嵌合穴586が形成されるとともに、その嵌合穴586を画定する部分に、脚部580の外面から嵌合穴586に至るスリット588が形成されており、脚部580は嵌合穴586においてリング582に嵌合された状態でボルト590が螺合され、スリット588が収縮させられることによりリング582を締め付け、固定される。
それにより、第1レバー部560はヘッド本体500に、第2レバー部562の回動軸線のまわりに回動可能に取り付けられ、第1レバー部560が回動させられれば、その回動はゴム584および回動伝達部572によって第2レバー部562に伝達される。第2レバー部562の回動が許容される状態では、第1,第2レバー部560,562が一体的に回動させられ、第2レバー部562の回動が阻止された状態において第1レバー部560が回動させられるとき、ゴム584の弾性変形により第1レバー部560の第2レバー部562に対する回動が許容される。
図15および図17に示すように、第1レバー部560の1対の脚部578,580の間の部分に腕部594,596がヘッド本体500から離れる向きに突設されている。これら腕部594,596は、シングルノズルヘッド300の軸線上の1点を中心とする1円周の半径方向に延び出す向きに設けられ、ノズル保持体512の回動軸線から外れた位置に設けられ、一平面内に位置するが、シングルノズルヘッド300の軸線まわりの位置を異にする。腕部594は、その先端部が、シングルノズルヘッド300がヘッド保持部材304により保持された状態では、シングルノズルヘッド300の軸線に平行な方向から見た場合に、その軸線と直交する方向において、前記レバー駆動部材442の係合部454の基準マーク480が設けられた部分と同じ位置に位置する長さを有し、その先端部の下面には、図15および図18に示すように、先端よりやや基端部側の部分が上方へくぼまされて逃げ部ないし凹部598が設けられ、それにより腕部594の先端部に下方に突の下向き係合突部600が設けられている。下向き係合突部600の下側面は、部分円筒面状を成す。
腕部596は、腕部594より長く、図15および図17に示すように、その先端部が、レバー駆動部材442の係合部454の、基準マーク480より外周側の部分に至る長さを有する。この先端部の上面には、図15および図18に示すように、先端よりやや基端部側の部分が下方へくぼまされて逃げ部ないし凹部604が設けられ、それにより腕部596の先端部に上方に突の上向き係合突部606が設けられている。上向き係合突部606の上側面は、部分円筒面状を成す。腕部596にはまた、図17に示すように、その先端部の下面に、被認識部材ないし情報記録部材の一種であるバーコード608が設けられている。本バーコード608は、シングルノズルヘッド300の種類を規定するデータ等を有するものとされている。
前記運動変換機構554は、図15および図16に示すように、前記ベルクランクレバー552の第2レバー部562の自由端部に設けられた駆動部たる溝620と、前記ノズル保持体512の保持部514の外面に突設された被駆動部たる突部622とを含む。溝620は、第2レバー部562の自由端部に開口させられるとともに、本実施例では、第2レバー部562の回動軸線と直交する方向に形成され、ベルクランクレバー552の回動軸線から離れた部位に設けられている。
また、突部622は横断面形状が円形を成し、ノズル保持体512の、その回動軸線に直角な外側面であって、前記1対の軸部516の一方が設けられた外側面の一方であって、第2レバー部562と対向する側の外側面のノズル保持体512の回動軸線から離れた部位、本実施例では、ノズル保持体512の回動軸線および中心軸線を含む平面と、その平面と直交し、回動軸線を含む平面とのいずれからも外れた部位に、その回動軸線と平行に突設され、溝620に、溝620の長手方向には相対移動可能であるが、第2レバー部562の回動軸線を中心とする円の周方向には相対移動不能に嵌合されている。したがって、第2レバー部562が回動させられれば、溝620の移動に伴って突部622が溝620に対して溝620の長手方向に移動させられつつ、第2レバー部562と共に移動させられ、ノズル保持体512が回動させられる。
本実施例では、ノズル保持体512の回動軸線と突部622の軸線との距離は、突部622の軸線とベルクランクレバー552の回動軸線との距離より短くされており、ノズル保持体512は第2レバー部562より大きい角度、回動させられる。本運動変換機構554は増角機能を備えた機構であり、それにより、後述するように、レバー駆動部材442を利用してノズル保持体512を回動させるにあたり、ノズル保持体512を所定の角度、回動させ、第2位置へ回動させることができる。
ヘッド本体500には、図15および図17に示すように、ノズル保持体512の回動限度を規定する第1ストッパ630および第2ストッパ632が設けられている。これらストッパ630,632は、ヘッド本体500の、ノズル保持体512の回動軸線およびヘッド本体500の軸線に直角な方向に隔たった2箇所に設けられ、ノズル保持体512の回動平面内に設けられている。第1ストッパ630は、ヘッド本体500の1対の支持部510の、ノズル保持体512に対して前記第1レバー部560の腕部594,596が設けられた側に設けられ、それら支持部510に取り付けられたブラケット634に、ヘッド本体500の軸線と直交する向きに螺合されたボルト636により構成されている。第1ストッパ630は、図15に実線で示すノズル保持体512の保持部514の、ノズル保持体512の回動軸線に平行な1対の外側面の一方により構成される一平面状の被ストッパ部たる被ストッパ面638(図17参照)に当接し、ノズル保持体512の回動限度を、吸着ノズル528の吸着面532が水平となる第1位置に規定する。ノズル保持体512は、第1位置に位置する状態ではヘッド本体500と同心となる。
第2ストッパ632は、図15および図17に示すように、ヘッド本体500のノズル保持体512に対して第1ストッパ630が設けられた側とは反対側に設けられ、1対の支持部510に取り付けられたブラケット640に螺合されたボルト642により構成されている。このボルト642は、ヘッド本体500の軸線に対して傾斜する向きに螺合され、図15に二点鎖線で示すノズル保持体512の被保持部514の、ノズル保持体512の前記ノズル保持体512の回動軸線に平行な1対の外側面の他方により構成される一平面状の被ストッパ面644(図17参照)に当接し、ノズル保持体512の回動限度を、第1位置から回動させられ、吸着面532が傾斜する位置である第2位置に規定する。第2位置は、吸着ノズル528の軸線がスティック型フィーダ60に収容された電子回路部品に対して直角となる位置である。これら第1,第2ストッパ630,632はそれぞれ、図15に示すように、ボルト636,642が、ノズル保持体512の回動軸線から離れた自由端部に近い側の部分に当接するように設けられ、第1,第2位置のいずれも、ボルト636,642の螺合量の調節により調節可能である。また、被ストッパ面638,644は一平面状を成し、ボルト636,642が安定して当接し、ノズル保持体512が第1位置,第2位置に安定して位置決めされる。
ヘッド本体500にはまた、ノズル保持体512を第1位置と第2位置とにそれぞれ保持する回動位置保持装置650が設けられている。回動位置保持装置650は、本実施例では、図19に示すように、1対の押さえ具652,654を含む。押さえ具652,654は、ケーシング656と、ケーシング656内に移動可能に収容された係合部材ないし摩擦部材としての樹脂製のシュー658と、シュー658をケーシング656から突出する向きに付勢するスプリング660とを含み、ケーシング656において、ヘッド本体500の1対の支持部510のそれぞれ、ノズル保持体512の自由端部側の部分に、ヘッド本体500の軸線と直角に立体交差する方向であり、ノズル保持体512の回動軸線と平行な方向であって、水平方向に螺合されている。シュー658は、円柱状を成し、ケーシング656内に軸方向に摺動可能に嵌合されるとともに、一端部がケーシング656の開口から突出させられ、スプリング660の付勢により、図16および図19に示すように、その一平面状の摩擦面ないし係合面661がノズル保持体512の保持部514の外面に設けられた1対の被係合部たる被係合面662の一方に係合させられている。
1対の被係合面662は、一方を図20に示すように、ノズル保持体512の保持部514の、ノズル保持体512の回動軸線に対して直角な1対の外側面であって、前記1対の軸部516がそれぞれ延び出させられた1対の外側面にそれぞれ開口し、ノズル保持体512の中心軸線およびノズル保持体512の回動軸線に対して直角に立体交差する方向に貫通して形成された溝の底面により構成され、上記方向に長い平面状を成し、ノズル保持体512の回動軸線を中心とする円弧を含む状態で形成されている。したがって、ノズル保持体512が第1,第2位置のいずれに回動させられた状態でも常時、押さえ具652,654がそれぞれ被係合面662と対向する状態が得られる。シュー658は、ノズル保持体512の回動時には、被係合面662に対して滑り、ノズル保持体512の回動を許容し、ノズル保持体512の回動がストッパ630,632によって止められた状態では、スプリング660の付勢により被係合面662に押し付けられて係合した状態に保たれ、被係合面662との間の摩擦力によりノズル保持体512を第1位置あるいは第2位置に位置する状態に保つ。シュー658はブレーキとして機能するのであり、被係合面662と係合可能な位置であれば、いずれの位置においてもノズル保持体512の位置を保つ。そのため、前記第1,第2ストッパ630,632による回動限度規定位置が調節され、第1,第2位置が調節されても、回動位置保持装置650によりノズル保持体512を第1,第2位置に位置する状態に保つことができる。
さらに、図1に概略的に示すように、前記ヘッド移動装置306のX軸スライド320には2組の部品撮像システム670が設けられている。これら部品撮像システム670はそれぞれ、部品撮像装置672(図21参照)および照明装置(図示省略)を含む。部品撮像装置は、撮像デバイスの一種であるCCDカメラにより構成され、面撮像装置であり、マルチノズルヘッド302が全部のノズル取付部402によって吸着ノズル404が保持された状態において、全部の吸着ノズル404がそれぞれ保持した電子回路部品を一挙に撮像することができるものとされている。また、Y軸スライド328にはマーク撮像システム674が設けられ、ヘッド保持部材304と共に水平面内の任意の位置へ移動させられる。マーク撮像システム674は、マーク撮像装置676(図21参照)および照明装置(図示省略)を含み、回路基板32に設けられた基準マーク677(図1参照)を撮像する。マーク撮像装置676は、例えば、CCDカメラにより構成されている。
また、前記保持ヘッド収納装置20は、図1に示すように、ベッド30に設けられている。保持ヘッド収納装置20は複数のヘッド収納部678を備え、前記シングルノズルヘッド300およびマルチノズルヘッド302が少なくとも1つずつ収納される。
前記制御装置22は、図21に示すように、CPU680,ROM682,RAM684およびそれらを接続するバス688を含む制御コンピュータ690を主体とするものであり、入・出力部692には、部品撮像装置672およびマーク撮像装置676の撮像により得られた画像データを処理する画像処理コンピュータ694,エンコーダ付サーボモータのエンコーダ696等が接続されている。本システムを構成する各種装置の駆動源の多くはエンコーダ付サーボモータにより構成され、それらエンコーダが接続されているのである。サーボモータは、回転角度の正確な制御が可能な電動回転モータであり、サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。リニアモータを用いてもよい。入・出力部692にはまた、前記スティック型フィーダ60のフィーダ制御コンピュータ242が接続されている。入・出力部692にはさらに、駆動回路700を介してX軸移動用モータ324等、種々のアクチュエータ等が接続されている。また、ROM682には、図示を省略するメインルーチン,部品装着プログラム等、種々のデータおよびプログラム等が記憶させられている。
以上のように構成された電子回路部品装着システムにおいて回路基板32への電子回路部品の装着時には、装着される電子回路部品の種類に応じて、ヘッド保持部材304によりシングルノズルヘッド300とマルチノズルヘッド302とが選択的に保持され、フィーダ型部品供給装置12,14からの電子回路部品の受取りおよび回路基板32への装着を行う。
マルチノズルヘッド302の使用による電子回路部品の回路基板32への装着を説明する。この装着動作は、特開2006−261325公報等により既に知られており、簡単に説明する。
マルチノズルヘッド302を吸着し、保持したヘッド保持部材304は、フィーダ型部品供給装置12,14の一方へ移動させられ、フィーダ支持台40に取り付けられたフィーダ、例えば、テープ型フィーダ58から電子回路部品を受け取る。この際、マルチノズルヘッド302がヘッド回転装置310によって回転させられることにより、12個の吸着ノズル404が順次、予め設定された部品吸着位置へ旋回させられる。レバー駆動部材442は、部品吸着位置へ旋回させられており、マルチノズルヘッド302がヘッド昇降装置308によって下降させられる途中で、ノズル昇降装置308のレバー428の係合部436がレバー駆動部材442の係合部454の上向きの係合面456に係合して回動させられ、吸着ノズル404が選択されて電子回路部品を吸着する。また、マルチノズルヘッド302の下降の途中で第1バルブ460の第1バルブスプール464の係合部470が係合面456に係合し、第1バルブスプール464が原位置から負圧供給位置へ移動させられ、吸着ノズル404に負圧が供給されて電子回路部品が吸着される。そして、マルチノズルヘッド302の上昇により吸着ノズル404が上昇させられ、電子回路部品がテープ型フィーダ58から取り出される。この上昇時にレバー428がスプリング438により付勢されてヘッド本体400に対して上昇させられ、吸着ノズル404が非選択位置へ復帰させられる。
12個の吸着ノズル404が順次、部品吸着位置へ旋回させられ、マルチノズルヘッド302の昇降により電子回路部品を吸着する。全部の吸着ノズル404が電子回路部品を吸着したならば、マルチノズルヘッド302は回路基板32へ移動させられて電子回路部品を装着するが、その移動の途中で部品撮像装置672により電子回路部品が撮像され、吸着ノズル404による電子回路部品の保持位置誤差が算出される。この保持位置誤差には、X軸,Y軸方向における各位置誤差および軸線まわりの位置誤差である回転位置誤差が含まれ、それら位置誤差は、回路基板32の基準マーク677の撮像により得られる部品装着箇所のX軸,Y軸方向における各位置誤差および回転位置誤差と合わせて修正される。
X軸,Y軸方向における各位置誤差は、マルチノズルヘッド302の移動位置の修正により修正され、回転位置誤差は、マルチノズルヘッド302を回転させることにより修正される。この回転による電子回路部品のX軸,Y軸方向の位置ずれも修正される。そして、レバー駆動部材442は、回路基板32に装着される電子回路部品を保持した吸着ノズル404に追従して旋回させられ、その吸着ノズル404が位置する位置に位置させられる。そのため、電子回路部品の装着時にマルチノズルヘッド302が下降させられるとき、その下降の途中でレバー428の係合部436がレバー駆動部材442の係合面456に係合し、電子回路部品を装着する吸着ノズル404が選択された状態で下降させられ、電子回路部品を回路基板32に装着する。また、第2バルブ462の第2バルブスプール466の係合部472が係合面456に係合し、ヘッド本体400に対して上昇させられて、原位置から正圧供給位置へ移動させられ、吸着ノズル404への負圧の供給が遮断されるとともに正圧が供給され、吸着ノズル404が電子回路部品を積極的に解放する。そして、マルチノズルヘッド302が上昇させられるとともに移動させられ、全部の吸着ノズル404が順次、部品装着箇所へ移動させられ、電子回路部品を回路基板32に装着する。レバー駆動部材442の係合部454の係合面456は、レバー428の係合部436と、第1,第2バルブスプール464,466の係合部470,472の一方とが同時に係合し得る幅を有し、レバー駆動部材442は、吸着ノズル404による電子回路部品の吸着時には、係合部436および第1バルブスプール464の係合部470と係合する位置へ旋回させられ、電子回路部品の装着時には、係合部436および第2バルブスプール466の係合部472と係合する位置へ旋回させられる。
シングルノズルヘッド300を使用した電子回路部品の回路基板32への装着を説明する。回路基板32への電子回路部品の装着にシングルノズルヘッド300が使用される場合、ヘッド保持部材304はシングルノズルヘッド300を吸着し、同心に保持する。シングルノズルヘッド300を保持したヘッド保持部材304は、回路基板32への電子回路部品の装着開始に先立って部品撮像装置672へ移動させられ、第1レバー部560の腕部596に設けられたバーコード608が撮像され、その撮像データが画像処理されて、記録された情報内容が読み取られる。それにより、ヘッド保持部材304が保持すべき種類のシングルノズルヘッド300を保持しているか否かが判定され、間違った種類のシングルノズルヘッド300あるいはマルチノズルヘッド302を保持している場合には、保持ヘッド収納装置20へ移動させられて空のヘッド収納部678にノズルヘッドを収納し、保持すべきシングルノズルヘッド300を保持する。そして、シングルノズルヘッド300により、スティック型フィーダ60によって供給される電子回路部品、例えば、前記電子回路部品92を回路基板32に装着するのであれば、シングルノズルヘッド300はスティック型フィーダ60へ移動させられ、電子回路部品92を取り出す。本フィーダ支持台40にはテープ型フィーダ58もスティック型フィーダ60も取り付けることができ、電子回路部品装着システムにおける電子回路部品供給の一態様として、図1に示すように、2つのフィーダ型部品供給装置12,14の各フィーダ支持台40にそれぞれ、テープ型フィーダ58およびスティック型フィーダ60がそれぞれ、複数ずつ取り付けられている。電子回路部品供給の別の態様として、2つのフィーダ型部品供給装置12,14の一方の全部あるいは一部にスティック型フィーダ60が設けられてもよく、両方の全部にスティック型フィーダ60が設けられてもよい。
スティック型フィーダ60は、シングルノズルヘッド300による電子回路部品92の取出しに備えて待機する状態では、図26(d)に示すように、電子回路部品92がシュート66の取出口152に対応する位置に位置させられ、その電子回路部品92を除く電子回路部品92であって、シュート66内に位置する複数の電子回路部品92のうち、先頭の電子回路部品92はエスケープメント170の爪部材200aが前面に係合して移動を阻止され、後続の電子回路部品92は爪部材200bが本体94に係合し、移動を阻止された状態にある。
シングルノズルヘッド300においてノズル保持体512は、電子回路部品の回路基板32への装着時に第1位置に位置させられているが、傾斜させられたスティック型フィーダ40から電子回路部品を取り出す際には、第2位置へ回動させられ、吸着ノズル528が電子回路部品92に対して直角となるようにされる。第1位置は部品装着位置であり、第2位置は部品吸着位置ないし部品取出位置である。そのため、ヘッド保持部材304はヘッド移動装置306によりスティック型フィーダ60の1つへ移動させられるが、その途中でノズル保持体512が第1位置から第2位置へ回動させられる。
ノズル保持体512を回動させるために、シングルノズルヘッド300が下降させられるが、その下降開始に先立ってレバー駆動部材442が旋回させられ、図22に示すように、その係合部454が、保持ヘッド側ノズル保持部駆動装置550の第1レバー部560の腕部594と位相が一致する位置へ移動させられる。そのため、図26(a)に示すように、シングルノズルヘッド300は、その下降の途中で腕部594の下向き係合突部600が、レバー駆動部材442の係合部454の係合面456に係合し、下降を阻止されるが、シングルノズルヘッド300は更に下降させられるため、第1レバー部560の回動軸線側の部分が下降させられ、図23に示すように、第1レバー部560がヘッド本体500に対して回動させられる。それにより第2レバー部562が回動させられ、その回動運動が運動変換機構554によりノズル保持体512の回動運動に変換され、図23および図26(b)に示すように、ノズル保持体512が回動させられる。ノズル保持体512は第2ストッパ632のボルト642に当接するまで回動させられ、第2位置において停止させられる。このように第1レバー部560が回動させられるとき、凹部598により腕部594と係合部454の先端部との干渉が回避され、下向き係合突部600が係合面456に係合した状態に保たれる。
ノズル保持体512が回動させられる間、押さえ具652,654のシュー658はノズル保持体512の被係合面662に対して滑り、ノズル保持体512の回動を許容し、ノズル保持体512が移動を停止した状態では、スプリング660により被係合面662に押し付けられ、摩擦力によりノズル保持体512を第2位置に位置する状態に保つ。そのため、レバー駆動部材442が旋回させられ、第1レバー部560との係合から外れても、保持体512は押さえ具652,654によって第2位置に位置する状態に保たれる。シュー658は面で被係合面662に当たり、ノズル保持体512を安定して第2位置に位置する状態に保つ。
シングルノズルヘッド300は、ノズル保持体512がボルト642に当接し、第2位置へ到達した状態から更に小距離下降させられる。そのため、第1レバー部560には、ノズル保持体512の第2位置への回動後も、ノズル保持体512を第2位置へ回動させる向きの力が作用するが、第1レバー部560と第2レバー部562とは余剰運動吸収装置564を介して嵌合されており、第1レバー部560はゴム584を弾性変形させて第2レバー部562に対して回動し、ゴム584の弾性変形により、ノズル保持体512が第2位置へ回動した後の下向き係合突部600が係合部454に係合した状態におけるシングルノズルヘッド300の下降が吸収,許容され、ノズル保持体512が損傷を回避しつつ確実に第2位置に回動させられる。
シングルノズルヘッド300は、ノズル保持体512を第2位置へ回動させるために予め設定された位置まで下降させられた後、小距離上昇させられ、下向き係合突部600がレバー駆動部材442の係合部454から離間させられる。シングルノズルヘッド300の上昇開始時には、第1レバー部560がゴム584の弾性復元力により、第2レバー部562に対して回動させられた分、戻され、その状態から更にシングルノズルヘッド300が上昇させられることにより、図26(c)に示すように、下向き係合突部600が係合部454から離間させられる。シングルノズルヘッド300は低速で上昇させられ、第1レバー部560がゴム584の弾性復元力によりゆっくり回動させられる。そのため、この第1レバー部560の回動は、ノズル保持体512を第2位置へ回動させる際とは逆方向の回動であるが、第2レバー部562に伝達されることがなく、ノズル保持体512が第2位置へ回動させられた状態に確実に保たれる。また、第1レバー部560は、図23に示すように、ヘッド本体500に対して回動し、ノズル保持体512をちょうど第2位置へ回動させた位置に位置する状態となる。このようにシングルノズルヘッド300が上昇させられ、下向き係合突部600が係合部454から離間した後、レバー駆動部材442が旋回させられ、図26(d)にレバー駆動部材442を図示しないように、第1レバー部560の腕部594,596とは位相を異にする位置へ移動させられ、シングルノズルヘッド300の下降を許容する。
なお、フィーダ型部品供給装置12,14は、基板搬送装置10の両側に設けられ、左右対称に設けられており、シングルノズルヘッド300がフィーダ型部品供給装置12,14のいずれのスティック型フィーダ60から電子回路部品を受け取るかによって、第2位置に位置する状態におけるノズル保持体512の向きが逆になる。したがって、電子回路部品を受け取るスティック型フィーダ60を有する部品供給装置に応じてシングルノズルヘッド300の位相が変えられ、第2ストッパ632が、シングルノズルヘッド300の軸線に対して、電子回路部品を受け取る部品供給装置側に位置する位相とされ、ノズル保持体512が第2位置へ回動させられたとき、吸着ノズル528の軸線がシュート66の長手方向に対して直角となり、電子回路部品に対して直角となるようにされる。そして、レバー駆動部材442は、シングルノズルヘッド300の位相に応じて、第1レバー部560の腕部594あるいは腕部596が位置する位置へ旋回させられる。このように、電子回路部品を受け取る部品供給装置に応じて第2ストッパ632の位相を変えることにより、フィーダ型部品供給装置12,14の両方にスティック型フィーダ60を保持させ、いずれのフィーダ60からもシングルノズルヘッド300に電子回路部品を受け取らせることができる。スティック型フィーダ60がフィーダ型部品供給装置12,14のいずれか一方にのみ保持されるのであれば、スティック型フィーダ60からの電子回路部品の受取り時における第2ストッパ632の位相は1つに決まる。
このようにノズル保持体512が第2位置へ回動させられたシングルノズルヘッド300は、X軸方向においては電子回路部品92を受け取るスティック型フィーダ60に対応する位置に位置し、Y軸方向においては、図26(d)に示すように、取出口152から前方(基板保持装置16側)へ外れた位置へ移動させられたならば、図27(a)に示すように、下降させられつつ、Y軸方向においてスティック型フィーダ60へ接近する向きに移動させられ、吸着ノズル528が取出口152に対応する位置に位置する電子回路部品92に直角に接近させられる。それにより、図27(b)に示すように、吸着ノズル528の吸着面532が電子回路部品92に接触させられ、吸着する。吸着後、シングルノズルヘッド300は、図27(c)に示すように、上昇させられつつY軸方向に移動させられ、取出口152に対して直角な方向に後退させられ、電子回路部品92を取出口152を通ってシュート66から取り出す。
レバー駆動部材442は、シングルノズルヘッド300が、ノズル保持体512が第2位置へ回動させられた後の小距離の上昇後、更に下降させられて第1レバー部560の係合突部600,606が係合部454より下方に位置する状態となった後、旋回させられ、図24に示すように、係合部454が腕部596と位相が一致する位置へ移動させられ、シングルノズルヘッド300の上昇に備えて待機させられている。そのため、吸着ノズル528が電子回路部品92を吸着し、シングルノズルヘッド300が上昇させられるとき、図25および図27(d)に示すように、腕部596の上向き係合突部606が係合部454の下面478に係合する。下面478は係合面を構成している。腕部596は腕部594より長くされており、上向き係合突部606は下面478に設けられた基準マーク480を避けて係合部454に係合させられる。基準マーク480は、電子回路部品と共に部品撮像装置672によって撮像されるため、撮像時に撮像面内に位置する位置に設けられることが必要であり、レバー駆動部材442の係合部454の下面478であって、ヘッド回転軸線に近い側に設けられているが、腕部596が長くされることにより、基準マーク480との干渉が避けられるのである。
シングルノズルヘッド300は上向き係合突部606が係合部454に係合した状態から更に上昇させられる。第1レバー部560は上向き係合突部606が係合部454に下方から係合しているため、下向き係合突部600が係合部454に上方から係合する場合とは逆向きに回動させられ、第2レバー部562が一体的に回動させられるとともに、その回動運動が運動変換機構554によりノズル保持体512に伝達され、図28(a)に実線で示し、図25に二点鎖線で示すように、ノズル保持体512が第2位置から第1位置へ回動させられ、吸着ノズル528の吸着面532が水平な姿勢とされる。
第1レバー部560は、水平面に対して傾斜した姿勢から水平な姿勢に戻されるが、図25に示すように、腕部596は凹部604において基準マーク480との干渉が回避され、基準マーク480の損傷が回避される。レバー駆動部材442は、シングルノズルヘッド300の下降時には、その上向きの係合面456が第1レバー部560に係合して回動させ、シングルノズルヘッド300の上昇時には、その下向きの係合面478が第1レバー部560に係合して回動させるが、第1レバー部560は長さが異なる2つの腕部594,596を備え、シングルノズルヘッド300の下降時と上昇時とで、係合部454のシングルノズルヘッド300の軸線と直交する方向において異なる部分に係合するようにされているため、基準マーク480との干渉を回避することができる。また、2つの腕部594,596はそれぞれ、シングルノズルヘッド300の下降時と上昇時との一方においてのみ係合部454に係合し、上下いずれかの面は係合部454に係合しないため、腕部596の先端部の下面にバーコード608を設け、その損傷が回避されるようにすることができる。
シングルノズルヘッド300の上昇により回動させられたノズル保持体512は、第1ストッパ630のボルト636に当接して止められ、第1位置において停止させられる。この回動時にも、押さえ具652,654の各シュー658は被係合面662に対して滑り、ノズル保持体512の回動を許容し、第1位置への回動後はスプリング660により被係合面662に押し付けられ、摩擦力によりノズル保持体512を第1位置に位置する状態に保つ。
シングルノズルヘッド300は、ノズル保持体512がボルト636に当接し、第1位置へ到達した状態から更に小距離上昇させられ、ノズル保持体512が確実に第1位置へ回動させられるようにされる。この上昇は、第1レバー部560がゴム584を弾性変形させて第2レバー部562に対して回動することにより許容され、ゴム584の弾性変形により吸収され、第1レバー部560の回動は第2レバー部562には伝達されず、ノズル保持体512は損傷することなく、確実に第1位置に回動させられる。シングルノズルヘッド300は、ノズル保持体512を第1位置へ回動させるために予め設定された位置へ上昇させられた後、小距離下降させられ、上向き係合突部606が係合部454から離間させられる。シングルノズルヘッド300の下降開始時には、第1レバー部560がゴム584の弾性復元力により、第2レバー部562に対して回動させられた分、戻され、水平な姿勢となり、その状態から更にシングルノズルヘッド300が下降させられることにより、図28(b)に示すように、上向き係合突部606がレバー駆動部材442の係合部454から離間させられる。シングルノズルヘッド300は低速で下降させられ、第1レバー部560がゴム584の弾性復元力によりゆっくり回動させられる。そのため、この第1レバー部560は第2レバー部562に伝達されず、ノズル保持体512が第1位置に位置する状態に確実に保たれる。
レバー駆動部材442は、シングルノズルヘッド300が設定距離、下降させられ、上向き係合突部606が係合部454から離間した後、旋回させられ、図28(c)において図示されないように、第1レバー部560の腕部594,596とは位相を異にし、係合突部600,606と干渉しない位置へ移動させられ、シングルノズルヘッド300の上昇を許容する。
電子回路部品取出し時における上昇端位置へ上昇させられたシングルノズルヘッド300は、図28(d)に示すように、回路基板32へ移動させられるが、その途中で部品撮像装置672により電子回路部品92が撮像される。この撮像の際、基準マーク480が電子回路部品92と共に撮像されるのであれば、レバー駆動部材442は、係合部454が電子回路部品92と干渉せず、かつ、電子回路部品92と共に撮像される位置へ旋回させられ、吸着ノズル528の回転軸線の位置が取得され、電子回路部品92の保持位置誤差が精度良く取得されるようにされる。レバー駆動部材442は、ノズル保持体512を第1位置へ回動させた後、係合突部600,606と干渉しない位置への退避時に撮像位置へ旋回させられてもよい。第1レバー部560の腕部596がレバー駆動部材442に係合してノズル保持体512が第1位置へ回動させられる際には、電子回路部品92はレバー駆動部材442の係合部454より下方に位置し、その寸法,形状が係合部454と干渉するものであっても支障はない。
撮像により得られる画像データに基づいて、吸着ノズル528による電子回路部品92の保持位置誤差、本実施例では、X軸方向,Y軸方向における各位置誤差および回転位置誤差が取得され、回路基板32の部品装着箇所について取得されたX軸方向,Y軸方向における各位置誤差および回転位置誤差と合わせて修正され、電子回路部品92が設定された部品装着個所に正規の姿勢で装着される。X軸,Y軸方向の位置誤差は、ヘッド保持部材304の移動位置の修正により修正され、回転位置ずれは、シングルノズルヘッド300がヘッド回転装置310によって回転させられることにより修正される。このシングルノズルヘッド300の回転による電子回路部品92のX軸,Y軸方向の位置ずれも修正される。そして、図28(d),図29(a)〜図29(c)に示すように、シングルノズルヘッド300がヘッド昇降装置308により下降させられ、電子回路部品92が回路基板32に装着される。
電子回路部品92の装着後、シングルノズルヘッド300は、図30に示すように、上昇させられるとともに、再びフィーダ型部品供給装置12へ移動させられ、スティック型フィーダ60から電子回路部品92を受け取る。そのため、フィーダ60では、取出口152から電子回路部品92が取り出された後、シュート66内に待機させられている先頭の電子回路部品92が取出口152に対応する位置へ移動させられる。
電子回路部品92が取り出され、取出口152に対応する位置に電子回路部品92がないことは、部品センサ244の信号に基づいて検出される。その検出に基づいてエスケープメント180において偏心カム210a,210bが回転させられ、図29(a)に示すように、爪部材200aが下降させられ、阻止位置から移動許容位置へ移動させられる。爪部材200aの係合部202aが電子回路部品92の本体94より下へ移動すれば、図29(b)に示すように、先頭の電子回路部品92がシュート66の傾斜により滑り落ち、取出口152に対応する位置へ移動する。
偏心カム210a,210bの回転は、爪部材200aが下降端位置へ下降させられた状態で停止させられ、先頭の電子回路部品92の移動が待たれる。また、爪部材200aの下降開始から停止までの間、爪部材200bは偏心カム210bから離間させられており、阻止位置に位置し、電子回路部品92の本体94に係合して電子回路部品92の移動を阻止する状態に保たれ、取出口152に対応する位置へは、電子回路部品92が1個のみ移動する。
先頭の電子回路部品92が取出口152に対応する位置へ移動すれば、その移動が部品センサ244の信号に基づいて検出され、偏心カム210a,210bの回転が再開させられる。偏心カム210a,210bの回転再開により、図30(a)に示すように、爪部材200aが上昇させられ、阻止位置へ移動させられる。その後、偏心カム210bの位相がローラ220bに係合する位相となり、爪部材200bが下降を開始させられ、図30(b)に示すように、電子回路部品92の本体94から離間し、その移動を許容する。
偏心カム210a,210bの回転は、爪部材200bが下降端位置へ下降させられ、爪部材200aが上昇端位置へ移動させられた状態で停止させられ、図30(c)に示すように、後続の電子回路部品92が滑り落ち、爪部材200aに移動を阻止されて先頭の電子回路部品92となる。また、この電子回路部品92に続く電子回路部品92も滑り落ちて先頭の電子回路部品92に当接して移動を止められ、爪部材200aより上流側に複数の電子回路部品92が連続して並ぶ状態が得られる。この状態で偏心カム210a,210bの回転が再開され、図30(d)に示すように、爪部材200bが上昇させられて後続の電子回路部品92の本体94に係合し、その移動を阻止する。先頭の電子回路部品92に続いて後続の電子回路部品92が並ぶ状態になったことは、爪部材200bが下降端位置へ移動させられた状態において、部品センサ246が電子回路部品92を検出する状態が設定時間以上、継続することにより検出される。偏心カム200a,200bの回転は、このように爪部材200bが後続の電子回路部品92の本体94に係合してその移動を阻止し、爪部材200aが先頭の電子回路部品92の本体94の前面に位置してその移動を阻止する状態で停止させられ、シュート66内において、取出口152に対応する位置に電子回路部品92が1個位置させられ、その電子回路部品92とは離れた位置に後続の電子回路部品92が位置させられた状態が得られる。
なお、スティック型フィーダ60においてスティック62がスティック保持装置64によって保持されるとき、供給口遮蔽装置120によって供給口90が閉じられ、スティック62からの電子回路部品92の飛出しが防止されるが、保持後、供給口90が開かれる。この際、エスケープメント170においては、偏心カム200a,200bの位相の設定により、爪部材200aが部品阻止位置に位置させられ、爪部材200bが移動許容位置に位置させられた状態とされる。例えば、爪部材200aが上昇端位置に位置し、爪部材200bが下降端位置に位置する状態で偏心カム200a,200bの回転が停止させられるのであり、それにより、スティック62内の電子回路部品92はシュート66へ進入し、爪部材200aによって阻止されるまでシュート66を滑り降りる。2個以上の電子回路部品92がシュート66に進入し、爪部材200aに電子回路部品92が当接し、後続の電子回路部品が先頭の電子回路部品92に当接する状態になれば、偏心カム200a,200bが回転させられ、爪部材200bが移動阻止位置へ上昇させられ、後続の電子回路部品92の本体94に係合させられ、その移動を阻止する。
また、シングルノズルヘッド300は、テープ型フィーダやトレイ型フィーダのように、水平に設けられたフィーダからの電子回路部品の取出しおよび回路基板32への装着にも使用することができる。この場合、ノズル保持体512は常に第1位置に位置する状態に保たれ、レバー駆動部材442は、シングルノズルヘッド300の昇降時に第1レバー部560の係合突部600,606と係合しない位置へ旋回させられている。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、腕部594,596が第1係合部を構成し、レバー駆動部材442の係合部454が第2係合部を構成し、ヘッド昇降装置308が第1移動装置の一種であるヘッド軸線方向移動装置を構成し、ベルクランクレバー552,運動変換機構554,第1,第2ストッパ630,632および余剰運動吸収装置564と共に回動装置を構成している。係合部454およびヘッド昇降装置308は、シングルノズルヘッド300およびマルチノズルヘッド302に対して、ヘッド保持部材304側に設けられており、ヘッド保持部材側ノズル保持部駆動装置を構成し、腕部594,596,ベルクランクレバー552,運動変換機構554,第1,第2ストッパ630,632および余剰運動吸収装置564を含む保持ヘッド側ノズル保持部駆動装置550と共に回動装置を構成している。この回動装置は広義の回動装置であり、保持ヘッド側ノズル保持部駆動装置が狭義の回動装置を構成する。回動装置が狭義の回動装置とされる場合、部品保持装置は係合部454およびヘッド昇降装置308を含まないこととなる。また、昇降部材422がノズル保持部を構成し、レバー428が第2可動部材を構成し、スプリング438および軸状部432と共にノズル保持部移動装置を構成し、係合部436が第3係合部を構成し、Y軸スライド328が移動体を構成し、ヘッド移動装置306が第2移動装置を構成している。
さらに、レバー駆動部材442は、ヘッド保持部材304の移動である昇降に機械的に連動して複数の吸着ノズル404の任意のものをヘッド本体400に対して、ヘッド本体400の中心軸線と平行な方向に相対的に移動させる相対移動装置たる相対昇降装置を構成し、旋回装置446が相対移動装置旋回装置たる相対昇降装置旋回装置を構成している。相対昇降装置は、ノズル保持部移動装置を駆動する装置である。レバー駆動部材442は、バルブスプール464,466に係合し、それらをヘッド本体400に対してヘッド本体400の軸線に平行な方向に相対移動させるバルブ切換部材を兼ね、ヘッド保持部材304の昇降に連動して第1,第2バルブ460,462を機械的に切り換えるバルブ切換装置を構成し、旋回装置446はバルブ切換装置旋回装置を構成している。
ノズル保持部を回動させる回動装置の運動変換機構は、複数の歯車を含む機構としてもよい。その実施例を図31に基づいて説明する。
本実施例の運動変換機構750は、扇形歯車752および円板状の歯車754を含む。扇形歯車752は、前記ベルクランクレバーの第2レバー部に代えて、ヘッド本体に回動可能に取り付けられ、ベルクランクレバーの回動軸線を中心とする一円周上の一部に歯部を備えている。第2レバー部と扇形歯車とが一体的に設けられていると考えることもできる。歯車754は、ノズル保持体のヘッド本体により回動可能に支持される軸部に相対回転不能に取り付けられてノズル保持体に固定され、ノズル保持体の回動軸線を中心とする一円周上の全部に歯部を備え、扇形歯車752と噛み合わされている。したがって、シングルノズルヘッドの昇降に伴って第1レバー部がレバー駆動部材に係合し、回動させられれば、扇形歯車752が回転させられるとともに、歯車754が回転させられ、ノズル保持体が回動させられる。歯車752,754の歯数比(扇形歯車752については、円板状を成すと仮定した場合の歯数)の設定により、ノズル保持体の回動角度をベルクランクレバーより大きくし、あるいは小さくすることができる。本実施例においては、扇形歯車752の歯部が駆動部を構成し、歯車754の歯部が被駆動部を構成している。ノズル保持体に取り付ける歯車も扇形歯車としてもよい。
保持ヘッドにおいてノズル保持部を第1位置と第2位置とにそれぞれ保持する回動位置保持装置は、ボールプランジャおよびノッチを含む装置としてもよい。その実施例を図32に基づいて説明する。
本実施例の回動位置保持装置770は、ヘッド本体772の1対の支持部774にそれぞれ設けられたボールプランジャ776と、ノズル保持体778に、1対の支持部774の各ボールプランジャ776について2つずつ設けられたノッチ780,782とを含む。図32には、一方の支持部774のボールプランジャ776および2つのノッチ780,782が図示されている。
ボールプランジャ776は、ケーシング786と、ケーシング786内に移動可能に収容されたボール788と、ボール788をケーシング786から突出する向きに付勢するスプリング790とを含む。2つのノッチ780,782はそれぞれ、ノズル保持体778の外面に開口させられ、ノズル保持体778の回動軸線を中心とする円の円周上において距離を隔てた2つの位置であって、ボールプランジャ776と共に、ノズル保持体778を第1位置および第2位置にそれぞれ回動させられた状態に保つ位置に設けられている。
ボールプランジャ776は、ボール788がスプリング790により付勢されてノッチ780あるいは782に嵌入し、ノズル保持体778を第1位置あるいは第2位置に位置する状態に保つが、本実施例では、ノズル保持体778がストッパに当接して回動を止められた状態において、ノッチの内周面のノズル保持体778の回動方向において下流側の部分に係合し、斜面の作用によりノズル保持体778をストッパに押し付けて回動位置に維持するが、上流側の部分との間には隙間が生じる位置に設けられている。
ノズル保持体778の回動時には、ボール788はスプリング790の付勢力に抗してノッチ780,782から押し出され、ケーシング786内に引っ込まされてノズル保持体778の回動を許容する。ノズル保持体778がストッパに当接し、止まれば、ボール788がスプリング790の付勢によりノッチに嵌入し、ノッチの内周面のノズル保持体778の回動方向において下流側の部分に係合した状態に保たれ、ノズル保持体778を回動位置に維持する状態に保つ。ボール788と、ノッチの内周面のノズル保持体778の回動方向において上流側の部分との間には隙間があり、その隙間の範囲内においてノズル保持体778の回動位置を調節することができる。
回動位置保持装置を構成するボールプランジャを、ノズル保持部の回動限度を規定するストッパとして機能させるようにしてもよい。図33に示す回動位置保持装置800のボールプランジャ802およびノッチ804,806はそれぞれ、ノズル保持体808がちょうど第1位置と第2位置とに回動した状態において、ノッチ804,806の各中心線と、ボールプランジャ802の中心線とが一致する位置に精度良く設けられており、ボール810がノッチ804あるいは806に嵌入させられ、ノズル保持体808を第1位置あるいは第2位置に位置する状態に保つ。符号812は、ヘッド本体である。
ボールプランジャ802のボール810は、ノズル保持体808がノッチ804,806の中心線がボール810の中心からやや外れた位置において停止させられても、第1係合部と第2係合部との離間後、斜面の作用により、ノズル保持体808を移動させつつノッチ804,806に嵌入し、ノズル保持体808を第1位置あるいは第2位置に位置決めすることができる。ノズル保持体808の停止位置のばらつきをボール810およびノッチ804,806によるノズル保持体808の位置決めによって吸収することができるのであり、ノズル保持体808は、ボール810がノッチ804,806に嵌入可能なおおよその位置に停止させればよく、ノズル保持体808を第1,第2位置にそれぞれ位置決めするストッパが不要であり、また、ノズル保持体808を第1,第2位置へ確実に回動させるために第1移動装置を余分に作動させなくてよく、余剰運動吸収装置も不要である。
なお、前記スティック型フィーダのエスケープメントの爪ユニットにおいてユニット本体の移動は、ユニット本体をユニット取付部材に固定するボルトに案内させるようにしてもよい。例えば、ボルトを、直径が頭部より小さい軸部を有するものとし、その軸部をユニット取付部材に設けられた長穴に、長穴の長手方向に移動可能に嵌合し、ユニット本体の移動を案内させる。ボルトは、爪ユニットの移動時には螺合が緩められ、位置調節後、締め付けられ、ユニット本体は、ボルトの頭部との間にユニット取付部材を挟んでユニット取付部材に固定される。これら2個のボルトは、ユニット本体の対角線上の位置においてユニット本体に螺合され、長穴に嵌合されるようにすることが、ユニット本体の傾きを防止する上で望ましい。
また、偏心カムと駆動軸との間に、偏心カムの回転軸線と直交する軸線まわりの傾きを許容する隙間があり、その隙間より、ボルトのねじ部と長穴との間の隙間が小さくされるのであれば、ユニット本体の傾きにより偏心カムの回転が妨げられることなく、ねじ部によりユニット本体の移動が案内されるようにすることが可能である。
また、回動装置においてレバーの回動角度がノズル保持部に増角されて伝達されることは不可欠ではなく、ノズル保持部がレバー回動角度と同じ角度、回動させられるようにしてもよく、あるいはレバーの回動角度より小さい角度、回動させられるようにしてもよい。
さらに、回動装置を構成するレバーのノズル保持部を第1位置と第2位置とに回動させた状態における2つの位置はそれぞれ、水平に対して振り分けられた2つの位置とされてもよく、その振り分けは均等に行われてもよい。
また、回動装置において余剰運動吸収装置を省略してもよく、ノズル保持部を第1位置あるいは第2位置へ回動させた際、第1係合部と第2係合部とが係合している状態で、第2係合部を第1係合部と干渉しない位置へ移動させてもよい。
さらに、部品保持装置の回動位置保持装置がボールプランジャを含む装置とされる場合、ボールプランジャがノズル保持部に設けられ、ノッチがヘッド本体に設けられてもよい。また、押さえ具および被係合面を含む回動位置保持装置において、押さえ具がノズル保持部に設けられ、被係合面がヘッド本体に設けられてもよい。
さらに、ノズル保持部が回動させられる保持ヘッドにおいて、ノズル保持部は吸着ノズルを複数保持するものとしてもよい。これら吸着ノズルは、電子回路部品の吸着を同時に行うものとしてもよく、選択的に行うものとしてもよい。
また、レバー駆動部材の係合部に基準マークが設けられない場合、あるいは設けられても係合突部の係合により損傷する恐れのないものである場合には、第1係合部を2つの係合部を含むものとすることは不可欠ではなく、1つの係合部とし、その係合部をレバー駆動部材の係合部の上側の係合面と下側の係合面とに係合させるようにしてもよい。バーコード等、保持ヘッドについてのデータを有する認識部材についても同様のことが言える。
また、部品供給装置は、基板保持装置に対して一方の側のみに設けられてもよく、この一方の部品供給装置の全部あるいは一部にスティック型フィーダが設けられる。
一実施例である部品保持装置を備えた電子回路部品装着システムを概略的に示す平面図である。 上記電子回路部品装着システムのスティック型フィーダを示す側面図である。 上記スティック型フィーダのシュートを示す側面図(一部断面)である。 上記スティック型フィーダのスティックを示す正面図である。 上記シュートを示す側面断面図であり、供給する電子回路部品の種類が異なる3種類のシュートを示す図である。 上記スティック型フィーダのエスケープメントの爪ユニットを示す側面図である。 上記爪ユニットを示す正面図である。 上記爪ユニットを示す平面図(一部断面)である。 上記爪ユニットのユニット取付部材に取り付けられた部分を示す正面図(一部断面)である。 上記エスケープメントの2つの爪ユニットの各爪部材の昇降動作の関係を示すタイミングチャート図である。 上記電子回路部品装着システムの装着装置においてヘッド保持部材がシングルノズルヘッドを保持した状態を示す側面図(一部断面)である。 上記ヘッド保持部材によりマルチノズルヘッドが保持された状態を示す側面図(一部断面)である。 上記装着装置のレバー駆動部材に設けられた基準マークを示す底面図である。 上記基準マークが電子回路部品と共に撮像される際の位置を示す図である。 上記シングルノズルヘッドを示す側面図である。 上記シングルノズルヘッドを示す背面断面図である。 上記シングルノズルヘッドの一部を切り欠いて示す平面図である。 上記シングルノズルヘッドの余剰運動吸収装置を示す側面図(一部断面)である。 上記シングルノズルヘッドの回動位置保持装置を示す背面図(一部断面)である。 上記シングルノズルヘッドのノズル保持部に設けられた被係合面を示す側面図である。 上記電子回路部品装着システムを制御する制御装置の構成を概念的に示すブロック図である。 上記シングルノズルヘッドにおいてノズル保持体を第2位置へ回動させる際に下向き係合突部とレバー駆動部材の係合部との位相が合わされた状態を示す平面図(一部断面)である。 上記シングルノズルヘッドにおいてノズル保持体が第2位置へ回動させられた状態を示す側面図である。 上記シングルノズルヘッドにおいてノズル保持体を第1位置へ回動させる際に上向き係合突部とレバー駆動部材の係合部との位相が合わされた状態を示す平面図(一部断面)である。 上記シングルノズルヘッドにおいてノズル保持体の第2位置から第1位置への回動を説明する側面図である。 上記シングルノズルヘッドによる前記スティック型フィーダからの電子回路部品の受取りを説明する図であり、ノズル保持体の第1位置から第2位置への回動およびスティック型フィーダへの接近を説明する図である。 上記第2位置へ回動させられたノズル保持体の吸着ノズルが電子回路部品を吸着し、スティック型フィーダから取り出す状態およびノズル保持体の第2位置から第1位置への回動を説明する図である。 上記ノズル保持体の第2位置から第1位置への回動および電子回路部品の回路基板への装着を説明する図である。 上記スティック型フィーダから取り出された電子回路部品の回路基板への装着およびスティック型フィーダにおける電子回路部品の取出口に対応する位置への移動を説明する図である。 上記スティック型フィーダにおける電子回路部品の爪部材により移動を阻止される位置への移動および爪部材による電子回路部品の移動の阻止を説明する図である。 別の実施例である回動装置の運動変換機構を示す側面図である。 さらに別の実施例である部品保持装置の回動位置保持装置の一部を示す平面断面図である。 部品保持装置の回動位置保持装置のさらに別の実施例の一部を示す平面断面図である。
符号の説明
12,14:フィーダ型部品供給装置 16:基板保持装置 18:装着装置 22:制御装置 32:回路基板 60:スティック型フィーダ 62:スティック 64:スティック保持装置 66:シュート 92:電子回路部品 150:受入れ口 152:取出口 170:エスケープメント 172:第1爪ユニット 174:第2爪ユニット 200a,200b:爪部材 210a,210b:偏心カム 240:制御装置 300:シングルノズルヘッド 302:マルチノズルヘッド 304:ヘッド保持部材 306:ヘッド移動装置 308:ヘッド昇降装置 400:ヘッド本体 404:吸着ノズル 422:昇降部材 424:昇降駆動装置 442:レバー駆動部材 446:旋回装置 454:係合部 478:下面 480:基準マーク 500:ヘッド本体 512:ノズル保持体 528:吸着ノズル 532:吸着面 552:ベルクランクレバー 554:運動変換機構 564:余剰運動吸収装置 600:下向き係合突部 604:凹部 606:上向き係合突部 620:溝 622:突部 630:第1ストッパ 632:第2ストッパ 650:回動位置保持装置 652,654:押さえ具 750:運動変換機構 752:扇形歯車 754:歯車 770:回動位置保持装置 772:ヘッド本体 776:ボールプランジャ 778:ノズル保持体 780,782:ノッチ 800:回動位置保持装置 802:ボールプランジャ 804,806:ノッチ 808:ノズル保持体 812:ヘッド本体

Claims (8)

  1. (a)平らな吸着面を有する吸着ノズルを保持したノズル保持部が、前記吸着面に平行な唯一の回動軸線のまわりに回動可能な保持ヘッドと、(b)前記ノズル保持部を前記回動軸線のまわりに回動させることによって前記吸着面を水平面に対して傾斜させる唯一の回動装置とを含み、前記吸着面に電子回路部品を負圧により吸着して保持する部品保持装置と、
    その部品保持装置を、鉛直方向に平行な回転軸線のまわりに回転させる部品保持装置回転装置と、
    それら部品保持装置と部品保持装置回転装置とを共に、水平面内で互いに直交するX軸方向およびY軸方向にそれぞれ移動させるX軸方向移動装置およびY軸方向移動装置と、鉛直方向に移動させる昇降装置とから成る移動装置と、
    前記回動装置,前記部品保持装置回転装置および前記移動装置を制御する制御装置であって、前記回動装置による前記ノズル保持部の回動を、前記ノズル保持部に保持された吸着ノズルの吸着面を水平面に対して傾斜させる唯一の回動とし、その唯一の回動と、前記部品保持装置回転装置による前記部品保持装置の回転との組合せにより、前記ノズル保持部に保持された吸着ノズルの吸着面を水平面に対して任意の方向に傾斜させ得るとともに、その水平面に対して任意の方向に傾斜した吸着面に直角な方向に前記保持ヘッドを移動させ得るものと
    を含み、
    前記吸着ノズルが保持した電子回路部品を回路基材の水平面に対して任意の方向に傾斜した部品装着面に装着可能とされた電子回路部品装着システムであって、
    前記回動装置が、前記保持ヘッドに設けられて第2係合部と係合可能な第1係合部を含み、その第1係合部が前記保持ヘッドとともに前記移動装置により移動させられるのに伴って前記第1係合部が前記第2係合部と係合し、前記ノズル保持部を回動させるように構成され、
    前記保持ヘッドが、前記ノズル保持部を前記回動軸線としての第1回動軸線のまわりに回動可能に保持する保持ヘッド本体を含み、
    前記回動装置が、
    前記保持ヘッド本体に、前記第1回動軸線からその第1回動軸線に直角な方向に隔たった位置において第1回動軸線と平行に延びる第2回動軸線のまわりに回動可能に保持され、前記第1係合部を有するレバーと、
    そのレバーの回動を前記ノズル保持部の前記第1回動軸線のまわりの回動に変換する運動変換機構と
    を含み、
    その運動変換機構が、前記ノズル保持部の前記第1回動軸線から離れた部位に設けられた被駆動部と、前記レバーの前記第2回動軸線から離れた部位に設けられた駆動部とを含み、それら被駆動部と駆動部とが、前記レバーと前記ノズル保持部との予め定められた形態の相対回動は許容するが、それ以外の相対回動は許容しない状態で互いに係合させられたことを特徴とする電子回路部品装着システム。
  2. 前記回動装置が、1つの電動モータを駆動源として前記ノズル保持部を回動させるものである請求項1に記載の電子回路部品装着システム。
  3. 前記回動装置が前記ノズル保持部を複数種類の傾斜位置に回動させるものである請求項1に記載の電子回路部品装着システム。
  4. 前記部品保持装置が、さらに、前記ノズル保持部を前記回動装置により回動させられた複数の回動位置に保持する回動位置保持装置を含む請求項3に記載の電子回路部品装着システム。
  5. さらに、(a) 前記回路基材を水平な搬送方向に搬送する基材搬送装置と、(b)その基材搬送装置により搬送された前記回路基材を保持する回路基材保持装置とを備えた基材搬送保持装置を含み、その基材搬送保持装置に保持された回路基材の部品装着面に電子回路部品を装着する請求項1ないし4のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
  6. さらに、前記基材搬送保持装置に沿って設けられ、前記電子回路部品を供給する部品供給装置を含み、その部品供給装置から供給される電子回路部品を前記部品保持装置が受け取って前記回路基材の部品装着面に装着するとともに、電子回路部品の受取りと部品装着面への装着との間に、前記回動装置が前記保持ヘッドを回動させる請求項5に記載の電子回路部品装着システム。
  7. 前記部品保持装置が前記部品保持装置回転装置により回転させられるヘッド保持部材を含み、そのヘッド保持部材に前記保持ヘッドが着脱可能に保持される請求項1ないし6のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
  8. さらに、概して直線状を成す部品収容空間を備えて傾斜姿勢で配設され、下部に上方に向かう成分を有する方向に開いた取出口を備えたスティック型フィーダを含み、前記回動装置,前記部品保持装置回転装置,前記移動装置および前記制御装置が、前記吸着ノズルを移動させて、前記スティック型フィーダの前記取出口から電子回路部品を取り出させ、前記基材保持装置に保持された回路基材に装着させる請求項1ないし7のいずれかに記載の電子回路部品装着システム。
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