JP3064781B2 - 電子部品保持装置 - Google Patents

電子部品保持装置

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JP3064781B2
JP3064781B2 JP5336486A JP33648693A JP3064781B2 JP 3064781 B2 JP3064781 B2 JP 3064781B2 JP 5336486 A JP5336486 A JP 5336486A JP 33648693 A JP33648693 A JP 33648693A JP 3064781 B2 JP3064781 B2 JP 3064781B2
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東輔 河田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子部品保持装置に関す
るものであり、特に、部品保持ヘッドの交換が可能な電
子部品保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品保持装置には、ホルダと、その
ホルダに着脱可能に保持されて電子部品を保持する部品
保持ヘッドとを有するものがある。近年、電子部品の種
類は多様化しており、電子部品の形状,寸法によっては
同じ部品保持ヘッドにより保持することができず、電子
部品の種類に応じて異なる部品保持ヘッドを使用するこ
とが必要な場合がある。そのため、ホルダに部品保持ヘ
ッドを着脱可能に保持させ、電子部品の種類に応じた部
品保持ヘッドをホルダに保持させるようにするのであ
り、また、部品保持ヘッドが損傷したり、寿命に達した
とき、部品保持ヘッドをホルダに対して着脱し得るので
あれば、部品保持ヘッドのみを交換すればよく、ホルダ
ごと交換する場合に比較して装置コストを低減すること
ができる。
【0003】そして、従来の電子部品保持装置において
は、ホルダに係合部材が、部品保持ヘッドに被係合部材
がそれぞれ設けられ、かつ、係合部材が被係合部材に係
合する係合位置と係合しない非係合位置とに移動可能な
ものとされるとともに、部品保持ヘッドのホルダへの着
脱時に係合部材を移動させて被係合部材と係合部材とを
係合させ、あるいは係合を解除する駆動機構を有するも
のとされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにしてホルダに部品保持ヘッドを保持させれば、係合
位置と非係合位置とに移動する係合部材および駆動機構
が必要であって構造が複雑となり、コストが高くなる。
請求項1の発明は、ホルダが部品保持ヘッドを簡単な構
造で保持し得、かつ、ホルダおよび部品保持ヘッドの損
傷を回避し得る電子部品保持装置を提供することを課題
として為されたものである。請求項2の発明は、請求項
1の発明の課題を解決し得るとともに、部品保持ヘッド
が発光板を有する電子部品保持装置において発光板への
電流の供給が容易な電子部品保持装置を提供することを
課題として為されたものである。請求項3の発明は、請
求項1の発明の課題または請求項2の発明の課題を解決
し得、かつ、吸着管により電子部品を吸着保持するタイ
プの部品保持ヘッドをホルダに容易に着脱し得るように
することを課題として為されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
上記の課題を解決するために、(a)負圧源と、(b)
その負圧源に接続された負圧供給通路およびその負圧供
給通路が開口する吸着面を有するホルダと、(c)前記
吸着面に密着して前記ホルダの前記開口を気密に閉塞す
る閉塞面と電子部品を保持する部品保持部とを有する部
品保持ヘッドとを含む電子部品保持装置において、ホル
ダと部品保持ヘッドとの互いに最も近い面をそれぞれ一
平面とし、それら一平面の各々を前記吸着面および前記
閉塞面としたことを特徴とする
【0006】請求項2に係る発明は、(a)負圧源と、
(b)その負圧源に接続された負圧供給通路およびその
負圧供給通路が開口する吸着面を有するホルダと、
(c)前記吸着面に密着して前記ホルダの前記開口を気
密に閉塞する閉塞面と電子部品を保持する部品保持部と
を有する部品保持ヘッドとを含む電子部品保持装置にお
いて、部品保持ヘッドに電気回路への電流の供給により
発光する前記閉塞面と逆向きの発光板を設け、前記閉塞
面の中央部および外周部にそれぞれ前記電気回路に接続
した第一中央電極および第一外周電極を設ける一方、前
記吸着面の第一中央電極および第一外周電極にそれぞれ
対応する位置に第二中央電極および第二外周電極を設
け、それら第二中央電極および第二外周電極の一方を電
源に接続し、他方をアースして、前記閉塞面が前記吸着
面に密着した状態では前記電気回路を含む閉回路が形成
されるようにするとともに、第一中央電極と第一外周電
極とが部品保持ヘッドのうちで最もホルダに近い部分で
あって平らな閉塞面を形成し、第二中央電極と第二外周
電極とがホルダのうちで最も部品保持ヘッドに近い部分
であって平らな吸着面を形成するようにしたことを特徴
とする。
【0007】請求項3に係る発明は、請求項1または請
求項2の発明に係る電子部品保持装置において、部品保
持ヘッドに、電子部品を吸着保持する吸着管と、その吸
着管に一端において連通するとともに他端において前記
閉塞面に開口するヘッド側負圧通路とを設ける一方、ホ
ルダに、第一ホルダ側通路としての前記負圧通路とは隔
離された状態で形成され、前記吸着面の前記ヘッド側負
圧通路の開口に対応する位置に開口する第二ホルダ側負
圧通路を設けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1の発明に係る電子部品保持装置におい
ては、平面である吸着面と閉塞面とが密着した状態で部
品保持ヘッドがホルダに保持される。
【0009】請求項2の発明に係る電子部品保持装置に
おいては、ホルダの吸着面と部品保持ヘッドの閉塞面と
が互に密着させられたとき、発光板の電気回路を含む閉
回路が形成され、電気回路に電流が供給されて発光板が
閉塞面とは逆向きに光を放射し、例えば、部品保持ヘッ
ドにより保持された電子部品の投影像を形成する。
【0010】請求項3の発明に係る電子部品保持装置に
おいては、部品保持ヘッドがホルダに吸着保持されれ
ば、第一ホルダ側負圧通路が部品保持ヘッドの閉塞面に
より閉塞される一方、第二ホルダ側負圧通路がヘッド側
負圧通路に連通する状態となり、それら第二ホルダ側負
圧通路およびヘッド側負圧通路を経て吸着管に負圧を供
給可能となる。
【0011】
【発明の効果】このように請求項1の発明によれば、ホ
ルダに負圧供給通路および吸着面を設け、部品保持ヘッ
ドに閉塞面を設け、負圧供給通路に負圧を供給すること
により部品保持ヘッドはホルダを保持することができ、
従来のように移動の必要な係合部材や駆動機構を設ける
場合に比較して構成が簡単であり、安価な電子部品保持
装置を得ることができる。
【0012】その上、吸着面および閉塞面が平面である
ため、部品保持ヘッドとホルダとは吸着面および閉塞面
に平行な方向の相対移動が可能であり、例えば、電子部
品保持装置が吸着面および閉塞面に平行な方向に移動す
る装置であるとき、移動中に部品保持ヘッドが障害物に
衝突しても、吸着面と閉塞面との間に滑りが生じてホル
ダの移動が許容されるため、無理な負荷が加えられるこ
とがなく、損傷が回避される。電子部品保持装置が移動
しない装置であって、吸着面および閉塞面に平行な方向
に移動する障害物が部品保持ヘッドに衝突した場合も同
様である。
【0013】また、負圧供給通路の開口が閉塞面により
閉塞されれば、部品保持ヘッドは負圧で吸着されて保持
されるため、ホルダと部品保持ヘッドとの軸心が互にず
れていてもホルダは部品保持ヘッドを保持することがで
きる。したがって、ホルダに部品保持ヘッドを保持させ
る際にホルダと部品保持ヘッドとの位置決め精度をそれ
ほど高くしなくてもよく、保持を容易に行うことができ
る。また、着脱される部品保持ヘッドを収容する収容装
置を、部品保持ヘッドを高精度で位置決めして収容し得
るものとする必要がなく、安価に製造することができ
る。
【0014】請求項2の発明によれば、ホルダによる部
品保持ヘッドの保持と同時に閉回路が形成されるため、
部品保持ヘッドを交換する毎に、いちいち発光板の電気
回路と電源とをつなぐ配線の取外しおよび接続作業を行
わなくてもよく、発光板を有する部品保持ヘッドを迅速
に交換することができる。
【0015】請求項3の発明によれば、請求項1または
請求項2の発明の効果が得られる上、部品保持ヘッドを
ホルダに吸着保持させるのみで、吸着管への負圧供給通
路が連通し、負圧の供給が可能になる効果が得られる。
【0016】
【実施例】以下、請求項1ないしの発明に共通の実施
例である電子部品保持装置を備え、電子部品をプリント
基板に装着する装置を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】図6において10はベースである。ベース
10上には複数本のコラム12が立設されており、コラ
ム12上に固定の固定台14に操作盤16等が設けられ
ている。ベース10上にはまた、図8に示すように、装
着対象材としてのプリント基板20をX軸方向(図6お
よび図8において左右方向)に搬送する基板コンベア2
2が設けられている。プリント基板20は基板コンベア
22により搬送され、プリント基板20は図示しない位
置決め支持装置により予め定められた位置に位置決めさ
れ、支持される。
【0018】ベース10の水平面内においてX軸方向と
直交するY軸方向の両側にはそれぞれ、カートリッジ型
電子部品供給装置26およびトレイ型電子部品供給装置
28が設けられている。カートリッジ型電子部品装着装
置26においては、多数の部品供給カートリッジ30が
X軸方向に並べて設置される。各部品供給カートリッジ
30にはテーピング電子部品がセットされる。テーピン
グ電子部品は、キャリヤテープに等間隔に形成された部
品収容凹部の各々に電子部品が収容され、それら部品収
容凹部の開口がキャリヤテープに貼り付けられたカバー
フィルムによって塞がれることにより、キャリヤテープ
送り時における電子部品の部品収容凹部からの飛び出し
が防止されたものである。このキャリヤテープがY軸方
向に所定ピッチずつ送られ、カバーフィルムが剥がされ
るとともに、電子部品が部品供給位置へ送られる。その
他の構成は本出願人に係る特願平4−185966号に
記載の部品供給カートリッジと同じであり、詳細な説明
は省略する。
【0019】また、トレイ型電子部品供給装置28は、
電子部品を部品トレイ34(図2参照)に収容して供給
する。電子部品は部品トレイ34に設けられた多数の部
品収容凹部36(図5参照)に1個ずつ収容されてお
り、部品収容凹部36には、重量軽減のために貫通穴3
7が設けられている。部品トレイ34は、図7に示すよ
うに上下方向に配設された多数の部品トレイ収容箱38
内にそれぞれ複数枚ずつ積まれている。これら部品トレ
イ収容箱38はそれぞれ図示しない支持部材により支持
され、コラム40内に設けられた昇降装置により順次部
品供給位置へ上昇させられるのであるが、部品供給位置
の上方には後述する部品保持ユニットが電子部品を取り
出すためのスペースを確保することが必要である。
【0020】そのため、電子部品を供給し終わった部品
トレイ収容箱38は、次の部品トレイ収容箱38が部品
供給位置へ上昇させられるのと同時に、上記スペース分
上昇させられ、上方の退避領域へ退避させられる。この
トレイ型電子部品供給装置28は、部品トレイ34が電
子部品を供給し終わっても部品トレイ収容箱38は部品
トレイ1枚分ずつ上昇させられず、部品トレイ34が排
出されるにつれて部品供給位置が部品トレイ34の1枚
分ずつ下がることを除いて、特公平2−57719号公
報に記載の電子部品供給装置と同じであり、説明は省略
する。なお、部品トレイ収容箱38は、図8に二点鎖線
で示すようにX軸方向に引き出して作業者が内部の点検
等を行うことができるようにされている。
【0021】これらカートリッジ型電子部品供給装置2
6およびトレイ型電子部品供給装置28により供給され
る電子部品44(図2参照)は、ベース10上に設けら
れた電子部品装着装置46によってプリント基板20に
装着される。ベース10上の基板コンベア22のY軸方
向における両側にはそれぞれ、図7に示すようにX軸方
向に延びるガイドレール48が設けられ、第一移動部材
としてのX軸スライド50がガイドブロック52におい
て移動可能に嵌合されている。
【0022】X軸スライド50は、図8に示すように、
カートリッジ型電子部品供給装置26から基板コンベア
22を越えてトレイ型電子部品供給装置28にわたる長
さを有し、2個のナット54(図2には1個のみ示され
ている)がそれぞれボールねじ56に螺合され、それら
ボールねじ56がそれぞれX軸サーボモータ58によっ
て同期して回転させられることにより、X軸方向に移動
させられる。X軸方向が第一移動方向であり、ナット5
4,ボールねじ56およびX軸サーボモータ58が第一
駆動装置を構成し、X軸スライド50と共に第一移動装
置を構成しているのである。
【0023】X軸スライド50上には、第二移動部材と
してのY軸スライド60が第二移動方向であるY軸方向
に移動可能に設けられている。X軸スライド50の垂直
な側面62には、図7に示すように、Y軸方向に延びる
ボールねじ64が取り付けられるとともに、Y軸スライ
ド60がナット66(図2参照)において螺合されてお
り、ボールねじ64が図8に示すY軸サーボモータ68
によりギヤ70,72を介して回転させられることによ
り、Y軸スライド60は一対のガイドレール74に案内
されてY軸方向に移動させられる。ボールねじ64,ナ
ット66およびY軸サーボモータ68等が第二駆動装置
を構成し、Y軸スライド60と共に第二移動装置を構成
しているのである。
【0024】Y軸スライド60の垂直な側面78には、
図2および図3に示すように、部品保持ユニット80が
昇降可能かつ回転可能に取り付けられるとともに、部品
保持ユニット80を昇降させる昇降装置82,部品保持
ユニット80により保持された電子部品44を中心線ま
わりに回転させる回転装置84,プリント基板20に設
けられた基準マークを撮像するCCDカメラ86(図8
参照)および電子部品44を撮像する撮像装置としての
CCDカメラ88が設けられている。
【0025】部品保持ユニット80は、電子部品44を
吸着する部品保持ヘッドとしての部品吸着ヘッド90
と、その部品吸着ヘッド90を保持するホルダ92とを
有する。ホルダ92は前記第一移動装置および第二移動
装置によって移動させられるのであり、これら第一移動
装置および第二移動装置がホルダ移動装置を構成してい
る。なお、電子部品44には小,大,特大のものがあ
り、部品吸着ヘッド90は大きい電子部品44を吸着す
るものであるため、以下、部品吸着ヘッド90を大部品
吸着ヘッド90と称することとする。
【0026】ホルダ92は図3に示すようにスプライン
軸94を有し、スリーブ96のスプライン孔98に嵌合
されている。スリーブ96は、Y軸スライド60の側面
78に突設されたアーム100に回転可能かつ軸方向に
移動不能に保持されており、スリーブ96のアーム10
0から突出した下端部にはバックラッシュ除去のために
一対のギヤ102,104が設けられ、回転装置84の
回転駆動モータ106により回転させられるギヤ108
に噛み合わされている。それによりスプライン軸94
は、ギヤ102,104,108およびスリーブ96を
介して回転駆動モータ106により自身の軸心まわりに
精度良く回転させられ、大部品吸着ヘッド90により保
持された電子部品44が回転させられる。回転駆動モー
タ106もサーボモータである。
【0027】なお、電子部品44を撮像するCCDカメ
ラ88は、図2に示すように、アーム100の突出端部
であって、Y軸方向における位置が部品吸着ユニット8
0と一致する位置に下向きに設けられている。
【0028】また、スプライン軸94の上端部には金属
製の係合部材110が相対回転可能かつ軸方向に相対移
動不能に取り付けられるとともに、係合部材110から
水平に延び出させられた係合片112はソレノイド11
4に下方から支持されている。ソレノイド114は、昇
降装置82の昇降部材としての昇降スライド120に取
り付けられている。大部品吸着ヘッド90は、ソレノイ
ド114および係合部材110を介して昇降部材120
により下方から支持されているのである。
【0029】昇降スライド120は、Y軸スライド60
の側面78に上下方向に取り付けられたボールねじ12
2に図示しないナットにおいて螺合されており、ボール
ねじ122がプーリ124,126,ベルト128を介
して昇降用モータ130によって回転させられることに
より、昇降スライド120が昇降させられるとともに、
ソレノイド114,係合部材110を介して大部品吸着
ヘッド90が昇降させられる。大部品吸着ヘッド90は
昇降スライド120により下方から支持されているた
め、昇降スライド120が下降するときには追従して下
降し、上昇するときには持ち上げられて上昇するのであ
る。昇降用モータ130はサーボモータであり、昇降用
モータ130の回転量はエンコーダ132によって検出
されるようになっており、昇降スライド120、延いて
は大部品吸着ヘッド90の昇降距離がわかる。
【0030】ソレノイド114はコイルが巻かれたヨー
クを有している。ヨークは電気的に絶縁されて昇降スラ
イド120に取り付けられるとともに、上面が係合部材
110の係合片112の下面に接触するようにされてい
る。したがって、コイルに励磁電流が供給され、磁界が
形成されれば、係合部材110はヨークに吸着され、昇
降スライド120に固定される。ソレノイド114が、
部品保持ヘッドである大部品吸着ヘッド90を昇降部材
である昇降スライド120に引き付ける引付力を作用さ
せる部品保持ヘッド引付装置を構成しているのである。
なお、ソレノイド114が引付力を作用させる時期につ
いては後に説明する。
【0031】また、ソレノイド114のヨークと係合部
材110とはそれぞれ図示しない電源に接続され、ヨー
クが係合部材110に接触した状態では両者間が導通
し、離間により導通しなくなることにより、係合部材1
10がソレノイド114に接触しているか否かを検出す
る接触検出スイッチ134(図9参照)が構成されてい
る。
【0032】前記ホルダ92のスプライン軸94の下端
部には、図1に示すように樹脂製のリング136が固定
されている。このリング136はスプライン軸94より
径が大きいが、その下面はスプライン軸94の下端面1
38より小距離引っ込んでいる。リング136の外側に
は金属製の吸着体140が固定されている。吸着体14
0の下面142はスプライン軸94の下端面138と同
一平面内に位置させられており、これら下端面138お
よび下面142が吸着面144を構成している。
【0033】スプライン軸94内には、図1および図3
に示すように軸方向に延びる部品用通路146および負
圧供給通路としてのヘッド用通路148が平行に設けら
れている。部品用通路146の下端部は、図1に示すよ
うにスプライン軸94の軸心と同心とされて下端面13
8に開口させられ、ヘッド用通路148はリング136
の下面149に開口させられている。
【0034】部品用通路146は、図3に示すように、
係合部材110と一体に形成されたロータリ継手15
0,それに接続された配管および配管の途中に設けられ
た電磁方向切換弁151,152を介して負圧源15
3,正圧源154および大気に択一的に連通させられ
る。また、ヘッド用通路148は、係合部材110と一
体に形成されたロータリ継手156,それに接続された
配管および配管の途中に設けられた電磁方向切換弁15
8によって負圧源153と大気とに択一的に連通させら
れる。
【0035】大部品吸着ヘッド90は、図1に示すよう
に、発光体160と拡散板162と部品保持部としての
吸着管164とを有する。発光体160は円環状のプリ
ント基板166に多数の発光ダイオード168が取り付
けられたものであり、プリント基板166の内周側の部
分は樹脂製で直径が前記吸着体140の直径と等しい支
持板172に固定されているが、プリント基板166の
外周側の部分は支持板172に固定されず、支持板17
2に対して接触,離間可能とされている。
【0036】このように支持板172に支持された発光
体160は、支持板172と共に拡散板162の中心に
突設された突部173に嵌合されて固定されるととも
に、拡散板162に形成された円環状の凹部170内に
収容されている。なお、発光体160および支持板17
2は、拡散板162に固定された状態でそれぞれ、発光
ダイオード168と凹部170の底面との間に僅かな隙
間175が設けられ、支持板172の外周縁部と拡散板
162の凹部170を画定する外周壁の上面との間に僅
かな隙間177が設けられるようにされている。
【0037】支持板172の上面には、前記スプライン
軸84の下端面138より僅かに径の大きい金属製の円
板178と、外径が支持板172の直径に等しい金属製
の円環状板180とが同心的に固定されている。円板1
78の上面182および円環状板180の上面184は
それぞれ、支持板172の上面より上方に突出させられ
るとともに同一平面内に位置させられ、前記吸着面14
4に密着する閉塞面186を構成している。支持板17
2にはまた、円環状板180と円板178とが固定され
た部分にそれぞれ、中心線方向に貫通する複数個ずつの
貫通穴が設けられて各々スプリング174,176が収
容され、スプリング174,176の一端部は発光体1
60のプリント基板166の電気回路に接触させられ、
他端部は円環状板180および円板178に接触させら
れている。また、これら拡散板162,支持板172お
よび円板178の中心を貫通して貫通孔188が設けら
れ、吸着管164が嵌合されている。
【0038】吸着面144と閉塞面186とが接触させ
られた状態では、吸着管164は部品用通路146に連
通させられ、ヘッド用通路148は円板178,円環状
板180,支持板172および吸着体140により囲ま
れて成る空間190に開口させられることとなる。した
がって、この状態で部品用通路146に負圧が供給され
れば吸着管164は電子部品44を吸着し、ヘッド用通
路148に負圧が供給されれば吸着面144に閉塞面1
86が吸着され、大部品吸着ヘッド90がホルダ92に
負圧によって吸着保持されることとなる。
【0039】吸着体140は図示しないリード線によっ
てスイッチを介して電源に接続され、スプライン軸14
6はアースされている。また、プリント基板166のプ
ラス側回路と円環状板180とはスプリング174によ
って電気的に接続され、マイナス側回路と円板178と
はスプリング176によって接続されている。したがっ
て、大部品吸着ヘッド90がホルダ92によって吸着さ
れた状態では、吸着体140,円環状板180,スプリ
ング174,発光ダイオード168,スプリング17
6,円板178およびスプライン軸94を含む電気回路
に電流が供給され、吸着管164により吸着された電子
部品44が照射される。
【0040】本実施例においては、スプライン軸146
が第一中央電極、吸着体140が第一外周電極、円板1
78が第二中央電極、円環状板180が第二外周電極を
構成し、第一中央電極および第一外周電極はそれぞれ、
スプリング176,174によって発光体160のプリ
ント基板166の電気回路に接続されているのである。
【0041】なお、発光体160はプリント基板166
の内周側の部分において支持板172に固定され、外周
部の部分は支持板172に接触,離間可能とされている
ため、ホルダ92が部品吸着ノズル90を吸着する際に
スプライン軸94の下端面138と円板178および吸
着体140の下面142と円環状板180とが同時に接
触することができなくても、いずれをも接触させ、導通
を確実にすることができる。
【0042】例えば、吸着面144を構成する下端面1
38が吸着面144を構成する下面142より先に上面
182に接触する場合には、支持板172は負圧によっ
て吸引されることにより、プリント基板166から離れ
てスプライン軸94側に凹に撓み、上面184が下面1
42に接触させられる。
【0043】また、逆に、下端面138が上面182に
接触するより先に下面142が上面184に接触する場
合には、支持板172は負圧によって吸引されることに
より、スプライン軸94側に凸に撓んで上面182が下
端面138に接触させられる。プリント基板166の外
周部が支持板172に固定されておらず、支持板172
の剛性が低くされており、しかも発光ダイオード168
と拡散板162の凹部170の底面との間および支持板
172の外周縁部と拡散板162の外周縁部との間には
それぞれ隙間175,177が設けられているため、支
持板172の撓みが許容されるのであり、閉塞面186
は確実に吸着面144に接触させられて導通が確保され
る。
【0044】また、このように支持板172が撓んで吸
着されても、プリント基板166のプラス側回路と円環
状板180との電気的接続およびマイナス側回路と円板
178との電気的接続は、スプリング174,176の
伸縮によって維持される。さらに、このように閉塞面1
86が吸着面144に確実に接触させられることにより
負圧の漏れが防止され、部品吸着ノズル90はホルダ9
2により強固に保持される。
【0045】部品吸着ヘッドは、電子部品44の形状,
寸法等に応じて異なるものが使用される。例えば、電子
部品44の寸法が小さい場合には、吸着管164および
発光体160は小さいものでよく、図4に一点鎖線で示
すように吸着管164および発光体160がいずれも小
径の小部品吸着ヘッド194が用いられる。なお、この
ように小さい電子部品44は部品供給カートリッジ30
によって供給されるのが普通であり、キャリヤテープの
部品収容凹部は浅いため、吸着管164は短いものとさ
れている。
【0046】また、電子部品44が比較的大きい場合に
は、図1に示す前記大部品吸着ヘッド90のように、拡
散板162の直径がホルダ92の吸着体140と等し
く、吸着管164が太く、長い大部品吸着ヘッドが用い
られる。大きい電子部品44は部品トレイ34によって
供給されることが多く、大きい電子部品用の大部品吸着
ヘッド90の吸着管164は、部品トレイ収容箱38の
最下段に収容された部品トレイ34からも電子部品44
を取り出し得る長さのものとされている。このサイズの
大部品吸着ヘッド90は部品供給カートリッジ30から
も電子部品44を取り出すことが可能である。
【0047】さらに、電子部品44が極めて大きい場合
には、図4に実線で示すように、発光体160がホルダ
92の吸着体140より大径であって、吸着管164が
更に太い特大部品吸着ヘッド196が使用される。
【0048】前記トレイ型電子部品供給装置28の部品
トレイ34は、例えば、部品トレイ34内に収容された
全部の電子部品44が装着されたならば排出することが
必要である。そのため、本電子部品装着装置において
は、ホルダ92に大部品吸着ヘッド90に代えて図5に
示すトレイ吸着ヘッド200を保持させ、電子部品装着
装置46によって部品トレイ34を排出するようにされ
ている。この場合には、トレイ吸着ヘッド200がトレ
イ保持ヘッドを構成することとなる。
【0049】トレイ吸着ヘッド200は、円筒状の吸着
体202と、空気供給体204とを有する。吸着体20
2は、円筒部206の長手方向の両端部にそれぞれ半径
方向外向きに延び出すフランジ部208,210が形成
されたものである。フランジ部208の直径は、ホルダ
92の吸着体140の直径と等しく、フランジ部210
の直径はフランジ部208より大きく、特大部品吸着ヘ
ッド196の拡散板162の直径に等しくされており、
また、円筒部206のフランジ部208に隣接する部分
には、複数の貫通穴212が等角度間隔に形成されてい
る。
【0050】さらに、円筒部206の貫通穴212が形
成された部分とフランジ部210との間の部分の内周面
のうち、貫通穴212に隣接する部分は、フランジ部2
10側ほど内径が漸減する部分円錐面214とされ、部
分円錐面214に続く部分は円筒面216とされ、さら
に円筒面216に続く部分はフランジ部210側ほど内
径が漸増する部分円錐面218とされている。
【0051】空気供給体204は、フランジ部208と
直径が等しい円板部222と、円板部222の中心に突
設された突部224とを有し、突部224が円筒部20
6内に嵌入させられるとともに、円板部222がフラン
ジ部208に着座させられて固定されている。突部22
4の突出端部226はフランジ部210より僅かに引っ
込まされるとともに大径とされ、突出端部226の円板
部222側の外周面は、突出端側ほど直径が漸増する部
分円錐面228とされ、部分円錐面228に続く円筒面
230が形成された後、先端側の外周面は先端ほど径が
漸減する部分円錐面232とされている。それにより突
出端部226と円筒部206との間の円環状の空間のう
ち、中心線方向において貫通穴212側の部分とフラン
ジ部210側の部分との間には、狭い円環状通路234
が形成されている。
【0052】突部224には、円板部222に開口する
有底の空気通路238が形成されるとともに、突出端部
226には、部分円錐面228に開口する複数個の噴出
口240が前記貫通穴212に向かって斜めに形成され
ている。また、突出端部226の突出端面にはスポンジ
242が取り付けられ、フランジ部210より突出させ
られている。
【0053】このように構成されたトレイ吸着ヘッド2
00および前記特大部品吸着ヘッド196は使用回数が
少なく、前記大部品吸着ヘッド90および小部品吸着ヘ
ッド194は使用回数が多い。そのため、これらヘッド
は、非使用時には、図8に示すように、基板コンベア2
0の上方の基板搬送方向に隔たった2個所にそれぞれ設
けられた第一ヘッド支持台250と第二ヘッド支持台2
52とに分けて支持されるようになっている。
【0054】第一ヘッド支持台250は、大部品吸着ヘ
ッド90および小部品吸着ヘッド194用であり、第二
ヘッド支持台252は特大部品吸着ヘッド196および
トレイ吸着ヘッド200用であって、それぞれヘッド支
持部としての5個のヘッド嵌合穴254および3個のヘ
ッド嵌合穴256が設けられている。これらヘッド嵌合
穴254,256は、寸法の違いを除いて構造は同じで
あり、ヘッド嵌合穴256を代表的に説明する。
【0055】3個のヘッド嵌合穴256は、図8に示す
ように第二ヘッド支持台252を上下方向に貫通して千
鳥状に形成され、第二ヘッド支持台252のY軸方向の
寸法が3個のヘッド嵌合穴256をY軸方向に一直線に
並べて形成する場合より小さくコンパクトにされてい
る。各ヘッド嵌合穴256の上面側の直径は、図4に示
すように特大部品吸着ヘッド196の拡散板162の直
径と等しくされ、下面側の直径はそれより僅かに小さい
段付状とされて、上向きの支持座面260が形成されて
いる。また、第二ヘッド支持台252には、図8に示す
ように、ヘッド嵌合穴256と第二ヘッド支持台252
の前面とに開口し、吸着管164が通過するのに十分な
幅の切欠262が形成されている。
【0056】なお、トレイ吸着ヘッド200は、図4に
示すようにフランジ部210においてヘッド嵌合穴25
6の支持座面260に着座させられる。そのため、3個
のヘッド嵌合穴256のうち前端側のヘッド嵌合穴25
6がトレイ吸着ヘッド200用とされ、他の特部品吸着
ヘッド196用のヘッド嵌合穴256より下方に設けら
れ、フランジ部208の上面が特大部品吸着196の上
面と同一平面内に位置するようにされている。それによ
りホルダ92は、トレイ吸着ヘッド200を特大部品吸
着ヘッド196の吸着時と同じ昇降距離で保持,解放す
ることができる。
【0057】前記X軸スライド50には、図2および図
8に示すように2個の反射装置としてのプリズム270
が固定され、前記CCDカメラ88と共に撮像システム
を構成している。これらプリズム270は、X軸スライ
ド50の下部のY軸方向においてちょうどX軸スライド
50を移動させるボールねじ56に対応する位置であっ
て、カートリッジ型電子部品供給装置26とプリント基
板20との間およびトレイ型電子部品供給装置28とプ
リント基板20との間の位置に設けられている。
【0058】これらプリズム270の構成は同じであ
る。プリズム270のケーシング272は、図2に示す
ようにX軸スライド50に固定されており、プリズム2
70は、大部品吸着ヘッド90のY軸方向の移動経路の
真下において、大部品吸着ヘッド90の中心線を含む垂
直面に対して約45度傾斜させられ、そのX軸スライド
50から遠い側の端部が下方に位置する反射面274
と、CCDカメラ88のY軸方向の移動経路の真下の位
置に、反射面274と垂直面に対して対称に位置する反
射面276とを有する。反射面274の外面にはハーフ
ミラー処理が施され、大部品吸着ヘッド90側から照射
される光の大半を反射する一方、下方から照射された光
を透過させるようになっている。
【0059】また、ケーシング272のX軸スライド5
0側とは反対の外側面にはシャッタ280が固定されて
いる。シャッタ280はY軸方向の寸法が反射面27
4,276と同じであり、ケーシング272から上方へ
突出させられるとともに、突出端部はX軸スライド50
側に水平に曲げられ、反射面276とCCDカメラ88
との間に突出する遮蔽部282とされている。また、遮
蔽部282のY軸方向の中央部には切欠284が設けら
れている。したがって、Y軸スライド60が移動すると
き、CCDカメラ88は遮蔽部282上を移動し、切欠
284を通過するときに反射面276からの反射光が得
られるのであり、切欠284のX軸方向の寸法は、反射
面276からの反射される像形成光を通過させるのに十
分な大きさとされ、切欠284のY軸方向の寸法は、C
CDカメラ88のY軸方向の移動速度vに露光時間tを
掛けた長さvtとされている。
【0060】図10に示すように、CCDカメラ88の
撮像素子により構成される撮像面には、反射面276か
らの反射光がレンズにより反転されて入光し、CCDカ
メラ88の視野範囲は実線で示す範囲である。CCDカ
メラ88が図に矢印で示すY軸方向に移動するとき、撮
像面には視野範囲内のそれぞれ対応する位置からの光が
入光する。撮像面の移動方向において上流側の端を例に
取れば、CCDカメラ88が図に実線で示す位置から一
点鎖線で示す位置へ移動するまでの間、視野範囲の移動
方向において下流側の端からの反射光が切欠284を通
って入光し、撮像素子を露光する。したがって、切欠2
84のY軸方向の長さをCCDカメラ88の露光時間t
に移動速度vを掛けた長さにしておけば、撮像素子が撮
像に必要な時間だけ露光されて電子部品44を撮像する
ことができるのである。
【0061】また、反射面274,276のY軸方向の
長さは、CCDカメラ88の撮像面に反射面276から
の反射光が反転して入光するため、二点鎖線で示すよう
に撮像面の移動方向において下流側の端への光の入射が
開始する位置から、一点鎖線で示すように撮像面の移動
方向において上流側の端への光の入射が終了する位置ま
での長さが最低必要であり、それよりもやや長くされ
る。この反射面274,276のY軸方向の長さは、切
欠284のY軸方向の長さによって変わり、CCDカメ
ラ88の視野範囲より狭いこともあるが、本実施例では
視野範囲より広くなっている。
【0062】X軸スライド50には更に、図2に示すよ
うに、プリズム270の反射面274の下側と上側とに
それぞれ、フロントライト290,292が図示しない
取付部材によって取り付けられている。反射面274の
下側のフロントライト290は、プリント基板294に
多数の発光ダイオード296が固定されて成り、水平に
配設されている。また、反射面274の上側のフロント
ライト292は、内周面および外周面がテーパ面を成す
プリント基板298の内周面に多数の発光ダイオード3
00が固定されて成り、部品保持ユニット80がプリズ
ム270のY軸方向け中央位置にあるとき部品保持ユニ
ットと同心となる位置に大径側を上にして設けられてい
る。これらフロントライト290,292は電子部品4
4に下方から光を照射し、電子部品44の表面像を取得
するときに使用される。
【0063】本電子部品装着装置は、図9に示す制御手
段としての制御装置310によって制御される。制御装
置310は、CPU312,ROM314,RAM31
6およびそれらを接続するバス318を有するコンピュ
ータを主体とするものである。バス318には画像入力
インタフェース322が接続され、前記CCDカメラ8
6,88が接続されている。バス318にはまた、サー
ボインタフェース324が接続され、エンコーダ13
2,X軸サーボモータ58,Y軸サーボモータ68,回
転駆動モータ106,昇降用モータ130が接続されて
いる。バス318にはまたデジタル入力インタフェース
326が接続され、接触検出スイッチ134が接続され
ている。バス318にはさらに、デジタル出力インタフ
ェース328が接続され、基板コンベア22,電磁方向
切換弁151,152,158が接続されている。
【0064】次に作動を説明する。プリント基板20に
電子部品を装着する場合には、部品保持ユニット80
は、X軸スライド50およびY軸スライド60の移動に
よりカートリッジ型電子部品供給装置26あるいはトレ
イ型電子部品供給装置28の部品供給位置へ移動して電
子部品44を保持する。ここでは大部品吸着ヘッド90
がホルダ92により保持され、カートリッジ型電子部品
供給装置26により供給される大きい電子部品44を装
着するものとする。
【0065】部品保持ユニット80は装着すべき電子部
品44の種類を指定するデータに従って所定の電子部品
44を供給する部品供給カートリッジ30の部品供給位
置上へ移動する。移動後、昇降装置82により下降させ
られるのであるが、この下降速度は、図11のグラフに
示すように、一定距離加速された後、一定高速度とさ
れ、減速された後、吸着管164が電子部品44に接触
する直前に一定低速度とされて吸着管164が電子部品
44に衝撃少なく接触するようにされる。ソレノイド1
14は加速時に励磁され、係合部材110がヨークに吸
着されて一体的に下降させられ、下降加速度が重力加速
度より大きくても、慣性により部品保持ユニット80が
昇降スライド120から離れることがないようにされ
る。
【0066】また、ソレノイド114は加速時以外には
消磁される。したがって、吸着管164が電子部品44
に接触するときにはソレノイド114は係合部材110
を吸着しておらず、昇降スライド120の下降距離は、
下降開始前の吸着管164と電子部品44との間の距離
より長くされ、吸着管164が確実に電子部品44に接
触するようにされているが、吸着管164が電子部品4
4に接触した後、ソレノイド114が係合部材110か
ら離れ、昇降スライド120は余分な距離だけ下降する
ことができる。このようにソレノイド114が係合部材
110から離間し、吸着管164が電子部品44に接触
したことは接触検出スイッチ134により検出される。
【0067】また、ソレノイド114が係合部材110
から離れるため、電子部品44には部品保持ユニット8
0の重さのみが加えられる。このように昇降スライド1
20に部品保持ユニット80をソレノイド114によっ
て下方から支持させ、ソレノイド114の励磁により係
合部材110を吸着して部品保持ユニット80が昇降ス
ライド120から離れないようにすれば、昇降スライド
120にソレノイド114に代えて支持部材を設けて係
合部材110を下方から支持させ、支持部材にロッドを
突設して係合片112の上方へ突出させるとともに、そ
の突出端部と係合片112との間にスプリングを配設し
て係合片112を支持部材に押し付け、下降時に係合部
材110が昇降スライド120から離れないようにする
場合に比較して電子部品44に加えられる負荷が小さく
て済む。
【0068】スプリングを用いて下降時に部品保持ユニ
ット80が昇降スライド120から離れないようにする
ためには、スプリングのセット荷重Fを(1)式が成立
する大きさに設定することが必要である。 (α−g)m≦F・・・・・(1) ただし、 α:昇降スライド120の最大下降加速度 g:重力加速度 m:部品保持ユニット80の質量
【0069】そして、大部品保持ヘッド90の吸着管1
64が電子部品44に接触した後、更に昇降スライド1
20が下降するためにはスプリングのセット荷重Fに打
ち勝ってスプリングを圧縮することが必要であり、電子
部品44には部品保持ユニット80の重量とスプリング
のセット荷重とが加えられる。それに対し、係合部材1
10をソレノイド114により吸着し、部品吸着ヘッド
90が電子部品44に接触するときには解放して昇降ス
ライド120が部品保持ヘッド80から離れるようにす
れば、電子部品44には部品保持ユニット80の重量m
gのみが加えられることとなり、負荷が小さくて済むの
である。
【0070】また、部品保持ユニット80が下降させら
れる際、下降速度が次のように制御される。電子部品4
4の寸法および部品供給カートリッジ30のキャリヤテ
ープに形成された部品収容凹部の底面の位置にばらつき
があっても、部品保持ユニット80が一定低速度で下降
させられる距離が0.3mmになるようにされるのであ
る。電子部品44の寸法や部品収容凹部の底面の位置に
ばらつきがあり、吸着管164の下端面と電子部品44
の上面の実際の距離が、それらばらつきがない場合より
短ければ、十分減速されない状態で部品保持ヘッド80
が電子部品44に接触して大きな衝撃が生じ、また、実
際の距離がばらつきがない場合より長ければ一定低速度
での下降時間が長くなって、部品吸着に長時間を要する
ことになる。そのため衝撃が大きくなることも下降時間
が長くなることもない速度制御が行われるのである。
【0071】まず、電子部品44の吸着開始時に、吸着
管164が電子部品44に接触する直前に一定低速度で
下降させられる距離がほぼ2mmとなるように初期設定が
行われる。加速距離および減速距離は一定とし、加速後
に下降速度を一定高速度とする距離L1 を調節して一定
低速度下降距離が2mmになるようにされるのである。そ
して、部品保持ユニット80を下降させ、減速から一定
低速度への速度切換え時期,接触検出スイッチ134に
より検出される吸着管164の電子部品44への接触時
期および各時期におけるエンコーダ132の検出値か
ら、図11に示すように、一定低速度で下降した実際の
距離LR が算出され、この距離LR と0.3mmとの差
が、一定高速度で下降する距離L1 に加えられる。これ
によって、距離LR が0.3mmより長い場合には距離L
1 が長くなり、距離LR が0.3mmより短い場合には距
離L1 が短くなることにより、吸着管164が電子部品
44に接触する直前に一定低速度で下降する距離が0.
3mmになる。
【0072】このように一定低速度での下降距離を0.
3mmとするための距離L1 の補正は、部品供給カートリ
ッジ30毎に行われる。この際、電子部品44の寸法や
部品収容凹部の寸法の違いにより電子部品44の上面の
高さが異なる場合には、初期設定時に距離L1 は、電子
部品44の上面の高さに応じた距離に設定される。電子
部品44の上面と吸着管164の下端面との距離は予め
わかっており、距離L 1 を電子部品44の高さに応じた
距離に設定できるのである。
【0073】そして、部品供給カートリッジ30の種類
と対応付けて距離L1 がRAM316に記憶され、次に
同じ部品供給カートリッジ30から電子部品44が取り
出されるとき、距離L1 がRAM316から読み出さ
れ、部品保持ヘッド80は、吸着管164が電子部品4
4に接触する直前の0.3mmを一定低速度下降させられ
る。同じ部品供給カートリッジ30からの2個目以降の
電子部品44の取出し時にも、吸着管164が電子部品
44に接触する時期は接触検出スイッチ134により検
出され、実際の距離LR が算出されて一定低速度での下
降距離が0.3mmになるように距離L1 が補正される。
それにより電子部品44の寸法誤差や部品収容凹部の底
面の高さに誤差があっても、吸着管164を電子部品4
4に衝撃少なくかつ迅速に接触させることができる。
【0074】なお、部品保持ユニット80が電子部品4
4に接触する直前の一定低速度の下降速度は、例えば、
部品保持ユニット80が電子部品44に接触する際の衝
撃力の大きさおよび部品保持ユニット80の重さによっ
て決められる。
【0075】このように吸着管164が電子部品44に
接触させられた後、部品用通路146に負圧が供給され
て吸着管164が電子部品44を吸着する。吸着後、昇
降スライド120の上昇により部品保持ユニット80が
上昇させられる。その後、部品保持ユニット80は部品
供給カートリッジ30の部品供給位置とプリント基板2
0の部品装着位置とを結ぶ直線に沿って部品装着位置へ
移動させられるのであるが、この際、X軸スライド50
の部品供給位置と部品装着位置との間の位置に固定され
ているプリズム270上を通過する。
【0076】部品供給位置および部品装着位置がカート
リッジ型電子部品供給装置28およびプリント基板20
のいずれの位置にあっても、部品保持ユニット80が部
品供給位置から部品装着位置へ移動するためには必ず、
X軸スライド50上をY軸方向へ移動してカートリッジ
型電子部品供給装置26とプリント基板20との間の部
分を通る。したがって、X軸スライド50の部品供給位
置と部品装着位置との間に位置する部分にプリズム27
0を固定しておけば、部品保持ユニット80は必ずプリ
ズム270上を通過するのである。
【0077】このとき、発光体160から照射されて電
子部品44の投影像を形成する光は、反射面274によ
り反射された後、反射面276により上方へ反射され
る。部品保持ユニット80がプリズム270上を通過す
るとき、電子部品44は反射面274上を通り、CCD
カメラ88は反射面276上を通過し、シャッタ280
の遮蔽部282に形成された切欠284を通って撮像面
に入光する像形成光により電子部品44を撮像する。
【0078】CCDカメラ88は部品保持ユニット80
と共にアーム100に設けられ、部品保持ユニット80
に保持された電子部品44と一体的に移動するため、電
子部品44およびCCDカメラ88がプリズム270上
を通過するとき、反射面276により反射される像形成
光はCCDカメラ88に追従してくることとなり、CC
Dカメラ88は電子部品44を静止しているのと同じ状
態で撮像することができる。前述のようにシャッタ28
0の切欠284のY軸方向の長さはCCDカメラ88の
露光時間に移動速度を掛けた長さとされており、撮像素
子は像形成光により十分に露光され、電子部品44を撮
像する。
【0079】撮像された像のデータはコンピュータ32
0において保持位置誤差のない正規の像データと比較さ
れ、中心位置誤差ΔX,ΔYおよび回転位置誤差Δθが
算出される。また、プリント基板20の水平位置誤差Δ
X′,ΔY′はプリント基板20に設けられた基準マー
クを予めCCDカメラ86によって撮像することにより
算出されており、部品装着位置へ移動するまでの間にこ
れら誤差に基づいて電子部品の移動距離が修正されると
ともに電子部品44が回転装置84により回転させられ
て回転位置誤差Δθが修正され、電子部品44はプリン
ト基板20の部品装着位置へ正規の姿勢で装着される。
【0080】部品保持ユニット80はプリント基板20
の部品装着位置上へ移動させられた後、昇降装置82に
より下降させられて電子部品44をプリント基板20に
装着する。このとき、下降速度は、電子部品44を部品
供給カートリッジ30から取り出す場合と同様に、図1
1に示すように、加速後、一定高速度とされ、減速され
た後、電子部品44がプリント基板20に接触する直前
に一定低速度とされる。また、加速時にはソレノイド1
14が励磁されて係合部材110を吸着し、下降加速度
が重力加速度より大きくても部品保持ユニット80を昇
降スライド120と一体的に下降させるとともに、加速
時以外には消磁され、電子部品44がプリント基板20
上に載置された後、電子部品44の吸着時と同様に昇降
スライド120が余分に下降することが許容される。
【0081】電子部品44をプリント基板20に装着す
るときにも、部品保持ユニット80が電子部品44を保
持する場合と同様に、電子部品44がプリント基板20
に接触する直前に一定低速度で下降する距離が0.3mm
になるように下降速度が制御される。装着開始時に初期
設定が行われ、一定低速度での下降距離が2mmになるよ
うに距離L1 が設定されて電子部品44がプリント基板
20に装着された後、一定低速度での下降距離が0.3
mmになるように距離L1 が補正される。このように下降
速度の制御を行うことにより、プリント基板20に製造
誤差や製造後の歪の発生により凹凸があっても下降時間
を長くすることなく、かつ、衝撃少なく電子部品44を
プリント基板20に装着することができる。
【0082】なお、電子部品44のプリント基板20へ
の装着時には、部品保持ユニット80は上昇端位置から
プリント基板20へ下降させられるが、電子部品44の
寸法により、電子部品44とプリント基板20との距離
が異なる。装着すべき電子部品44の種類,寸法はわか
っているため、初期設定時に距離L1 は、電子部品44
毎にそれぞれ、プリント基板20に接触する直前の一定
低速度での下降距離が2mmになるように異なる値に設定
される。
【0083】距離L1 は、電子部品44の種類およびプ
リント基板20の電子部品装着位置と対応付けてRAM
136に記憶される。そして、次に同じ種類の電子部品
44を同じ種類のプリント基板20の同じ部品装着位置
に装着するときにRAM136から読み出され、電子部
品44がプリント基板20に接触する0.3mm直前に一
定低速度で下降するようにされる。距離L1 は、電子部
品44がプリント基板20に装着される毎に補正され
る。
【0084】また、装着プログラムが変更された場合
や、装着される電子部品44の種類,プリント基板20
の種類および部品装着位置が同じであっても、部品供給
カートリッジ30や部品トレイ34が交換された場合等
には距離L1 は初期化され、電子部品44がプリント基
板20に接触する直前の速度が一定となる距離が2mmと
なるようにされた後、補正される。
【0085】このように電子部品44をプリント基板2
0に装着する場合にも、昇降スライド120はソレノイ
ド114を介して部品保持ユニット80を下方から支持
しており、かつ、最終段階では一定低速度で下降させら
れるため、電子部品44がプリント基板20上に載置さ
れ、ソレノイド114が係合部材110から離間すれ
ば、電子部品44は部品保持ユニット80の重さで決ま
る適正な押付力でプリント基板20に押し付けられる。
電子部品44がプリント基板20上に載置された後、部
品保持ユニット80がプリント基板20から離れると
き、電磁方向切換弁152が切り換えられて部品用通路
146への負圧の供給が断たれる一方、正圧が短時間供
給されて大部品吸着ノズル90による電子部品44の保
持が解放され、解放後、部品用通路146は大気に連通
させられる。
【0086】次に部品吸着ヘッドの交換について説明す
る。プリント基板20に装着する電子部品44の種類が
変わり、あるいは部品吸着ヘッドに損傷が生ずる等の理
由により部品吸着ヘッドを交換することが必要となった
場合には、部品保持ユニット80は、まず、現在ホルダ
92が保持している部品吸着ヘッドをヘッド支持台に支
持させる。ここではホルダ92は大きい電子部品44用
の大部品吸着ヘッド90を保持しているため、部品保持
ユニット80は第一ヘッド支持台250へ移動させられ
る。このとき、部品保持ユニット80は上昇端位置に移
動させられている。この上昇端位置において部品保持ユ
ニット80はX軸スライド50に干渉しないが、大部品
吸着ヘッド90の吸着管164は第一ヘッド支持台25
0と干渉する高さであり、部品保持ユニット80は、空
いているヘッド嵌合穴254の切欠262を吸着管16
4が通ってヘッド嵌合穴254内に進入させられた後、
拡散板162が支持座面260に着座するまで下降させ
られる。下降後、ヘッド用通路148に大気に解放され
てホルダ92による大部品吸着ヘッド90の保持が解除
される。
【0087】次いで、ホルダ92が上昇させられ、次に
保持する部品吸着ヘッド上へ移動させられる。ここでは
第一ヘッド支持台250により支持された小部品吸着ヘ
ッド194を保持するとする。ホルダ90は小部品吸着
ヘッド194上へ移動させられた後、下降させられ、吸
着面144が小部品吸着ヘッド194の閉塞面186に
密着させられるとともにヘッド用通路148に負圧が供
給され、小部品吸着ヘッド194を吸着する。吸着後、
ホルダ90は僅かに上昇させられて小部品吸着ヘッド1
94の拡散板162が支持座面260から持ち上げられ
た後、X軸方向に移動させられ、吸着管164が切欠2
62を通ってヘッド嵌合254から抜け出させられる。
そして、カートリッジ型電子部品供給装置26へ移動し
て小さい電子部品44を取り出し、プリント基板20に
装着する。
【0088】このように部品吸着ヘッド90,194,
196および後述するようにトレイ排出ヘッド200を
ホルダ92が負圧によって吸着保持するようにすれば、
部品保持ユニット80が移動中に部品吸着ヘッド90,
194,196およびトレイ排出ヘッド200が何らか
の障害物に衝突することがあっても、ホルダ92とヘッ
ド90,194,196,200との間に水平方向の相
対移動が生じてホルダ90の移動が許容され、部品保持
ユニット80を移動させる第一,第二の移動装置に無理
な負荷が加えられることがなく、損傷が回避される。
【0089】また、部品吸着ヘッド90は電子部品44
を負圧で吸着するものとされていて負圧源153が設け
られており、この負圧源153を利用してホルダ92は
部品吸着ヘッド90,194,196を負圧によって吸
着保持することができるため、部品吸着ヘッドを保持す
るために専用の負圧源を設ける場合に比較して装置コス
トを低減することができる。
【0090】なお、部品吸着ヘッドの損傷や装着する電
子部品の種類の変更等により第一,第二ヘッド支持台2
50,252に支持された部品吸着ヘッドを交換する場
合には、作業者が交換してもよく、自動交換装置を設け
て自動的に交換してもよい。
【0091】トレイ型電子部品供給装置28から電子部
品44を取り出して装着するとき、部品トレイ34内の
電子部品44がなくなれば、部品吸着ヘッドがトレイ吸
着ヘッド200に交換され、部品トレイ34は電子部品
装着装置46により搬送されて排出される。電子部品装
着装置46がトレイ排出装置を兼ねているのであり、専
用のトレイ排出装置を設ける必要がない。
【0092】部品トレイ排出時には、部品保持ユニット
80はまず、第一ヘッド支持台250あるいは第二ヘッ
ド支持台252へ移動し、ホルダ92が保持している部
品吸着ヘッドを支持させる。次いで、第二ヘッド支持台
252により支持されたトレイ吸着ヘッド200上へ移
動させられ、吸着保持する。図5に示すように、吸着体
140がトレイ吸着ヘッド200の円板部222に接触
させられ、ヘッド用通路148に負圧が供給されて吸着
するのである。また、この状態でトレイ吸着ヘッド20
0に設けられた空気通路238が部品用通路146に連
通させられる。
【0093】そして、トレイ吸着ヘッド200は、X軸
スライド50およびY軸スライド60の移動により部品
トレイ34の予め定められた保持位置上へ移動させられ
た後、下降させられ、フランジ部210が部品トレイ3
4に接触させられる。フランジ部210が部品収容凹部
36を画定する部分に接触するとともに、スポンジ24
2が部品収容凹部36に形成された貫通穴37を閉塞す
る。トレイ吸着ヘッド200が部品トレイ34のいずれ
の部分を保持するかは、保持バランス等を考慮して予め
設定されており、その保持位置に貫通穴37がある場合
にスポンジ242によって閉塞するようにされているの
である。
【0094】この状態で電磁方向切換弁151,152
が切り換えられ、部品用通路146に圧縮空気が供給さ
れる。この圧縮空気は、噴出口240を通って突部22
4と円筒部206との間の空間に噴出するのであるが、
この噴出速度が大きいため、噴出口240の出口周辺に
負圧が生ずる。突部224と円筒部206との間の狭い
円環状通路234の上側開口周辺が負圧になるのであ
り、この円環状通路234より部品トレイ34側の空間
内の空気が負圧により吸い出され、その空間内の圧力が
負圧となって部品トレイ34が吸着される。電子部品収
容凹部36に形成された貫通穴37はスポンジ242に
よって塞がれているため、部品トレイ34とトレイ吸着
ヘッド200との間に空気が入ることはなく、部品トレ
イ34は負圧により吸着されるのである。また、円筒部
206の内周面および突出端部228の外周面は部分円
錐面214,218,228,232とされており、空
気の流れを妨げず、円環状通路234へ導き、また、貫
通穴212側へ導く。
【0095】トレイ吸着ヘッド200は部品トレイ34
を吸着した後、トレイ型電子部品供給装置28に隣接し
て設けられた図示しないシュータ上方へ移動させられ、
部品トレイ34を投棄し、部品トレイ34はシュータに
より排出される。
【0096】このようにトレイ吸着ヘッド200は部品
トレイ34を負圧により吸着するのであるが、負圧は、
部品吸着ヘッドが電子部品44を吸着する際に負圧を供
給する部品用通路146に正圧を供給することによって
得られるようにされており、正圧供給用の専用の空気通
路を設ける必要がなく、正圧を容易に供給することがで
きる。
【0097】正圧を負圧に変えるのではなく、トレイ吸
着ヘッド200に直接負圧を供給して部品トレイ34を
吸着させることもできるのであるが、部品トレイ34が
大きく、大量の負圧が必要であり、部品吸着ヘッド90
が電子部品44を吸着するために十分な量の負圧を供給
する大きさの部品用通路146では負圧の供給量が不足
する。それに対し、正圧であれば圧縮して供給すること
により、通路が狭くても部品トレイ34の吸着に十分な
量の負圧が得られる正圧を供給することができ、部品用
通路146を共用でき、装置を小形にかつ簡易に構成す
ることができるのである。
【0098】また、正圧源154も吸着管164による
電子部品44の保持を解放するために正圧を供給すべく
既に設けられており、この正圧源154を利用するた
め、正圧の供給は容易であり、装置コストが高くなるこ
とがない。
【0099】なお、電子部品44をトレイ型電子部品供
給装置28の部品トレイ34から取り出す場合にも、電
子部品44を部品供給カートリッジ30から取り出す場
合と同様に下降速度の制御が行われる。この場合には、
部品供給トレイ34の歪を考慮し、初期設定において一
定低速度での下降距離が4mmになるように一定高速度で
の下降距離L1 が設定される。また、通常の電子部品取
出し時には、吸着管164が電子部品44に接触する直
前の一定低速度での下降距離は0.5mmに設定される。
【0100】そして、一定低速度での下降距離が4mmで
電子部品44の取り出しが行われた後、0.5mmになる
ように一定高速度での下降距離L1 が補正され、以下、
同じ部品トレイ34から電子部品44を取り出す間、一
定低速度での実際の下降距離に基づいて逐次距離L1
補正される。そして、部品トレイ34内の電子部品44
がなくなり、排出されて次の部品供給トレイ34から電
子部品44が取り出されるときには、部品保持ユニット
80の下降距離が部品トレイ34の1枚の厚さ分増え、
距離L1 が一定低速度での下降距離が4mmになるように
初期設定される。
【0101】また、電子部品44の投影像を撮像する場
合に、前述のように、発光体160が発光することによ
り電子部品44が照明されるのであるが、例えば、電子
部品が本体の側面から延び出させられたリード線の先端
部が内向きに曲げられて電子部品の中心線方向において
本体と重なるものであって、表面像(図1において下方
から見た像)を取得することが必要な場合には、フロン
トライト290,292により電子部品に光を照射す
る。フロントライト290が照射する光は反射面274
を透過して電子部品を照射し、フロントライト292が
照射する光は電子部品を直接照射する。いずれにしても
電子部品からの反射光は反射面274,276により反
射され、電子部品の表面像がCCDカメラ88により撮
像される。
【0102】なお、上記実施例において部品保持ユニッ
ト80は、X軸方向の直線移動とY軸方向の直線移動と
の組合わせによって水平面内の任意の位置に移動させら
れるようになっていたが、回動と直線移動との組合わせ
によって水平面内の任意の位置に移動させるようにして
もよい。
【0103】また、上記実施例において電子部品はカー
トリッジ型電子部品供給装置26とトレイ型電子部品供
給装置28との両方によって供給されるようにされ、プ
リズム270は2個設けられていたが、電子部品供給装
置26,28のいずれか一方のみにより電子部品を供給
し、プリズム270は1個のみ設けてもよい。
【0104】さらに、上記実施例においてトレイ保持ヘ
ッドは、部品トレイ34を圧縮空気の噴出によって発生
させられる負圧により吸着するものとされていたが、ト
レイ吸着ヘッド200を大部品吸着ヘッド90と同様に
負圧源から供給された負圧によって部品トレイ34を吸
着するものとしてもよい。さらに、磁石の磁力による吸
着,チャックによる把持,串状の部材による突き刺し等
によって保持するものとしてもよい。
【0105】また、上記実施例において電子部品44を
保持し、または装着する直前の一定低速度移動の距離を
一定にするために、加速パターン,減速パターンを一定
にし、一定高速度で移動する距離を変えることが行われ
ていたが、加速,減速パターンの変更によって一定低速
度移動の距離を一定にすることができる。特に、部品ト
レイにより電子部品を供給する場合のように下降端位置
が大きく変わる場合に有効である。例えば、下降端位置
が下降距離が長くなる方向に変わる場合、加速距離を長
くし、迅速に下降させることができるからである。
【0106】さらに、上記実施例においてソレノイド1
14は、昇降スライド120の下降加速時に励磁されて
大部品吸着ヘッド90を昇降スライド120に引き付
け、下降加速時以外には消磁されて引付力が解除される
ようになっていたが、加速時であっても下降加速度が重
力加速度より小さいときには励磁により引き付けること
は不可欠ではなく、少なくとも下降加速時が重力加速度
より大きい間、励磁すれば部品保持ユニット80を昇降
スライド120と一体的に下降させることができる。ま
た、ソレノイド114は、少なくとも大部品吸着ヘッド
90が電子部品44に接触するとき、また、電子部品4
4がプリント基板20に接触するときに消磁されて、昇
降スライド120が大部品吸着ヘッド90から離れるよ
うにされていればよい。部品保持ヘッド引付装置は、昇
降部材の少なくとも下降加速度が重力加速度より大きい
間は部品保持ヘッドを昇降部材に引き付ける引付力を作
用させ、それ以外の間の少なくとも一時期には引付力を
解除するものとすればよいのである。
【0107】また、部品保持ヘッド引付装置はソレノイ
ド114に限らず、例えば、負圧により引付力を作用さ
せるなど、種々の手段が採用可能である。
【0108】さらに、上記実施例において第一,第二ヘ
ッド支持台250,252はヘッド嵌合穴254,25
6に大部品吸着ヘッド90,194,196が嵌合され
て支持するものとされていたが、例えば、ヘッド支持台
に開閉可能な爪部材を設けて部品吸着ヘッドを把持させ
るなど、種々の態様で支持することができる。
【0109】また、ヘッド支持台は水平に設けられてい
たが、垂直等、他の姿勢に設けてもよく、また、基板コ
ンベア22上を移動可能に設け、基板コンベア22上に
おいてヘッドを供給する供給位置と基板コンベア22上
から退避した退避位置とに移動させるようにしてもよ
い。
【0110】さらに、上記実施例においてカートリッジ
型電子部品供給装置26は位置固定に設けられていた
が、X軸方向,Y軸方向あるいはX軸,Y軸の両方向に
移動させて電子部品44を供給するようにしてもよい。
【0111】また、上記実施例において部品保持ヘッド
は第二移動部材に1個のみ設けられていたが、複数個設
けてマルチヘッドとしてもよい。この場合にも、例え
ば、反射装置をマルチヘッドにより保持された全部の電
子部品の像を形成する光を反射し得るものとし、また、
撮像装置を上記全部の電子部品の像を一度に撮像し得る
CCDカメラや、第一移動方向に並ぶ全部の電子部品の
像を一度に読み取り得るラインセンサ等とすれば、部品
保持ヘッド1個の場合と同様に撮像することができる。
【0112】さらにまた、本発明は、以上述べた種々の
態様を組み合わせた態様によって実施することができ
る。その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業
者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本
発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1ないしの発明に共通の実施例である
電子部品保持装置のホルダおよび部品吸着ヘッドを示す
正面断面図である。
【図2】上記ホルダおよび部品吸着ヘッドを電子部品装
着装置の撮像システムと共に示す側面図(一部断面)で
ある。
【図3】上記ホルダおよび部品吸着ヘッドを昇降装置お
よび回転装置と共に示す正面図(一部断面)である。
【図4】上記部品吸着ヘッドを支持する第二ヘッド支持
台を示す正面図(一部断面)である。
【図5】トレイ吸着ヘッドを示す正面断面図である。
【図6】上記電子部品装着装置を示す正面図である。
【図7】上記電子部品装着装置を示す側面図である。
【図8】上記電子部品装着装置を示す平面図である。
【図9】上記電子部品装着装置を制御する制御装置のブ
ロック図である。
【図10】上記電子部品装着装置の撮像システムを構成
するシャッタの切欠およびプリズムの反射面のY軸方向
の長さの設定を説明する図である。
【図11】上記電子部品装着装置による電子部品装着時
の部品保持ユニットの下降速度の制御を説明する図であ
る。
【符号の説明】
44 電子部品 80 部品保持ユニット 90 部品吸着ヘッド 92 ホルダ 94 スプライン軸 140 吸着体 144 吸着面 148 ヘッド用通路 153 負圧源 160 発光体 164 吸着管 166 プリント基板 178 円板 180 円環状板 186 閉塞面 194 小部品吸着ヘッド 196 特大部品吸着ヘッド 310 制御装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 13/04 B23P 21/00 305 B25J 15/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負圧源と、 その負圧源に接続された負圧供給通路およびその負圧供
    給通路が開口する吸着面を有するホルダと、 前記吸着面に密着して前記ホルダの前記開口を気密に閉
    塞する閉塞面と電子部品を保持する部品保持部とを有す
    る部品保持ヘッドとを含む電子部品保持装置において、 前記ホルダと前記部品保持ヘッドとの互いに最も近い面
    をそれぞれ一平面とし、それら一平面の各々を前記吸着
    面および前記閉塞面としたことを特徴とする 電子部品保
    持装置。
  2. 【請求項2】 負圧源と、 その負圧源に接続された負圧供給通路およびその負圧供
    給通路が開口する吸着面を有するホルダと、 前記吸着面に密着して前記ホルダの前記開口を気密に閉
    塞する閉塞面と電子部品を保持する部品保持部とを有す
    る部品保持ヘッドとを含む電子部品保持装置において、 前記部品保持ヘッド電気回路への電流の供給により発
    光する前記閉塞面と逆向きの発光板を設け、前記閉塞面
    の中央部および外周部にそれぞれ前記電気回路に接続
    第一中央電極および第一外周電極を設ける一方、前記
    吸着面の第一中央電極および第一外周電極にそれぞれ対
    応する位置に第二中央電極および第二外周電極を設け
    それら第二中央電極および第二外周電極の一方電源に
    接続、他方アースして、前記閉塞面が前記吸着面に
    密着した状態では前記電気回路を含む閉回路が形成され
    るようにするとともに、第一中央電極と第一外周電極と
    が部品保持ヘッドのうちで最もホルダに近い部分であっ
    て平らな閉塞面を形成し、第二中央電極と第二外周電極
    とがホルダのうちで最も部品保持ヘッドに近い部分であ
    って平らな吸着面を形成するようにしたことを特徴とす
    る電子部品保持装置。
  3. 【請求項3】 前記部品保持ヘッド、電子部品を吸着保
    持する吸着管と、その吸着管に一端において連通すると
    ともに他端において前記閉塞面に開口するヘッド側負圧
    通路とを設ける一方、前記ホルダ、第一ホルダ側通路
    としての前記負圧通路とは隔離された状態で形成され、
    前記吸着面の前記ヘッド側負圧通路の開口に対応する位
    置に開口する第二ホルダ側負圧通路を設けたことを特徴
    とする請求項1または2に記載の電子部品保持装置。
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