JP6741896B1 - 組立治具 - Google Patents
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また、例えば特許文献1に記載のクランプ治具を用いた場合、金属板の短手方向の両端部付近を、締め付けネジ(つまみネジ)と治具本体で挟持するので、その挟持している部分に仮付け溶接(組立溶接)を行うことができない。
仮付け溶接対象の矩形の第1の金属板、第2の金属板、及び第3の金属板を保持可能な組立治具であって、
前記第1の金属板よりも幅広の前記第2の金属板と前記第3の金属板を、前記第1の金属板の幅よりも短い所定距離だけ幅方向に離間し、前記第1の金属板の片面に当接した状態で載置可能な台部と、
前記第2の金属板および前記第3の金属板を前記台部に向けて押圧可能な押圧部と、
前記台部の前記幅方向の両端部から立設する一対の柱部材と、前記一対の柱部材に架設された水平部材とを有し前記押圧部を上下動自在に支持する支持部と、
前記台部に載置された前記第1の金属板に配置可能であり、前記第1の金属板に対する前記第2の金属板と前記第3の金属板の位置決めを行う遊間確保部材と、
前記支持部から上方に向けて突出する一対の脚部とを備え、
前記押圧部は、前記第2の金属板を押圧可能な第1の押圧部材と、前記第3の金属板を押圧可能な第2の押圧部材とを有し、
前記第1の押圧部材及び前記第2の押圧部材は、ネジ部材からなり、前記水平部材に形成されたネジ孔に螺挿され、ネジ先が前記水平部材よりも下方に位置し、前記ネジ部材の頭部が前記水平部材よりも上方に位置し、
前記一対の脚部は、前記第1の押圧部材及び前記第2の押圧部材のネジ部材の頭部よりも上方に突出するように形成されていることを特徴とする。
第1の金属板、第2の金属板、第3の金属板を組立治具により保持した状態で、組立治具を上下反転し、脚部を作業台等に当接させることで組立治具を安定させ、仮付け溶接(組立溶接)を行う。
そして、組立治具を取り外し、仮付け溶接(組立溶接)された第1の金属板、第2の金属板、第3の金属板に対して、すみ肉溶接などの溶接を行う。
詳細には、仮付け溶接(組立溶接)を行う場合、図2に示すように、2つの金属板(第2の金属板22と第3の金属板23)を所定距離だけ幅方向(X軸方向)に離した状態で、その所定距離よりも幅広の裏当て材(第1の金属板21)の片面(上面等)に当接させ、組立治具1により保持する。
そして、第2の金属板22の裏面と第1の金属板21の側面の間の部分K1、及び第3の金属板23の裏面と第1の金属板21の側面の間の部分K1に、仮付け溶接(組立溶接)が行われる。詳細には、図2(a),図2(b)に示すように、第2の金属板22と第1の金属板21の重なる部分のY軸方向の両端部付近、第3の金属板23と第1の金属板21の重なる部分のY軸方向の両端部付近に、仮付け溶接(組立溶接)が行われる。
第2の金属板22及び第3の金属板23の幅(X軸方向の長さ)は、第1の金属板21の幅よりも大きい。第2の金属板22と第3の金属板23の幅は、第1の金属板21の幅の約2.5倍である。
第2の金属板22、第3の金属板23の奥行き長さ(Y軸方向の長さ)は、第1の金属板21の奥行き長さ(Y軸方向の長さ)と同じ又は短い。
組立治具1は、溶接対象の金属板の厚さ、厚さ、幅、奥行き(長さ)に応じて、適宜、台部11等の形状が規定される。
台部11は、図1,図3に示すように、第1の金属板21、第2の金属板22、第3の金属板23を水平に載置する載置部を有する。本実施形態では、図1に示すように、台部11は、Y軸方向に沿った断面がU字形状に形成されている。台部11は、水平配置されたウェブ11a(水平平坦部)と、ウェブ11aの両端(Y軸方向の両端)から上方に向かって突出した形状の一対のフランジ11b(壁部)を有する。
一対のフランジ11bの間の距離(Y軸方向に沿った距離)は、第1の金属板21、第2の金属板22、第3の金属板23のY軸方向の長さ(奥行き)よりも短く、本実施形態では約1/2になるように規定されている。
台部11のX軸方向の長さは、図2,図3に示すように、第2の金属板22と第3の金属板23が所定距離だけX軸方向に離れて配置できるように、第2の金属板22の幅(X軸方向の長さ)+第3の金属板23の幅(X軸方向の長さ)+所定距離(第2の金属板22と第3の金属板23の間隔)よりも長くなるように設定されている。
詳細には、第2の載置部112F,112Rと第3の載置部113F,113Rは、同じ高さとなるように規定されている。
第2の載置部112F,112Rと、第3の載置部113F,113Rの間に、第1の載置部111F,111Rが形成されている。
第1の載置部111F,111Rは、フランジ11bの上端の中央に形成されている凹形状部(切欠き部)であり、第2の載置部112F,112R及び第3の載置部113F,113Rよりも、第1の金属板21の厚さ分だけ下方に凹設されている。第1の載置部111F,111Rの長さ(X軸方向の長さ)は、第1の金属板21の幅(X軸方向の長さ)と同じ又は僅かに長くなるように形成されている。
本実施形態では、台部11が断面U字形状に形成されているので、例えば四角柱形状の台部(比較例)と比較して軽量である。
支持部13は、金属板を台部11に向かって押圧可能な押圧部を支持する。
詳細には、支持部13は、図1に示すように、柱部材131L,131R、水平部材132を有する。
台部11の長手方向(X軸方向)の両端又は両端付近から上方に向かって柱部材131L,131Rが立設されている。
本実施形態では、台部11のウェブ11aの長手方向(X軸方向)の両端又は両端付近から上方に向かって柱部材131L,131Rが立設されており、柱部材131L,131Rの上端の間には、矩形板状の水平部材132が架設されている。
つまり、組立治具1は、支持部13の水平部材132を把持することにより、容易に持ち運ぶことができる。
図1(c)に示すように、X軸方向から視た場合、台部11の一対のフランジ11bの間のウェブ11a(水平平坦部)の中央に、柱部材131L,131Rが立設している。
台部11の上方に押圧部の押圧部材12L,12Rが配置されており、水平部材132により支持されている。
本実施形態では、押圧部は、押圧部材12L,12Rを有する。押圧部材12Lは、台部11の第2の載置部112F,112Rに載置された第2の金属板22を台部11に向かって押圧可能に構成されている。
図1,図3に示す例では、押圧部材12Lは、第2の金属板22の端部の第1の金属板21に重なる部分、又はその近傍を押圧可能に構成されている。
押圧部材12Rは、台部11の第3の載置部113F,113Rに載置された第3の金属板23を台部11に向かって押圧可能に構成されている。
押圧部材12Rは、第3の金属板23の端部の第1の金属板21に重なる部分、又はその近傍を押圧可能に構成されている。
支持部13の水平部材132には、ネジ孔13HL,13HRが形成されており、それぞれに押圧部材12L,12Rのネジ部材(締め付けネジ)が螺挿され、ネジ先12a(下端部)が、水平部材132の下端よりも下方に位置している。
また、押圧部材12L,12Rのネジ部材の頭部12Hは、水平部材132の上端よりも上方に位置している。
押圧部材12L,12Rのネジ部材の頭部12Hには、例えばつまみ12T、蝶形突起部、レバー等が設けられており、指等で回転操作可能に構成されている。
つまり、支持部13の水平部材132に設けられた押圧部材12L,12Rのネジ部材は、例えばつまみ12Tを回転操作することにより上下動可能に構成されている。
脚部14L,14Rは、台部11に設けられた支持部13のX軸方向の両端から上方に向けて突出するように構成されている。一対の脚部14L,14Rは、押圧部材12L,12Rのネジ部材の頭部12Hよりも上方に突出するように形成されている。
本実施形態では、脚部14L,14Rとしては、上端が平坦なY軸方向に所定の長さの金属板を採用している。
すなわち、組立治具1を上下反転した場合、脚部14Lの端部、脚部14Rの端部が、支持部または台部の載置部からの高さ(上下方向の距離)が同じである。
遊間確保部材15は、第1の金属板21に対する第2の金属板22及び第3の金属板23の位置決めを行うための治具である。
本実施形態では、図4、図5に示すように、遊間確保部材15は、長尺の矩形部材151、凹形状部材152を有する。遊間確保部材15は、金属部材であってもよいし、非金属製の部材であってもよい。
矩形部材151の長手方向(Y軸方向)の長さは、図3,図5に示すように、第1の金属板21と同じ又は略同じ長さに規定されている。
また、遊間確保部材15の形状は、この実施形態に限られるものではなく、第2の金属板22と、第3の金属板23とを水平に所定距離だけ離間した状態で、第1の金属板21に第2の金属板22、第3の金属板23の一部分だけ重ね合わせ、第1の金属板21の中央に位置決めすることができる形状であればよい。
また、1つの凹形状部材152により、細長の矩形部材151の長手方向の両端部のうち一方の端部又は端部付近を位置決めした後、他方の端部又は端部付近を位置決めしてもよい。
そして、押圧部材12Lのネジ部材を締め付けて、押圧部材12Lにより第2の金属板22を台部11へ押圧する。
そして、押圧部材12Rのネジ部材を締め付けて、押圧部材12Rにより第3の金属板23を台部11へ押圧する。
遊間確保部材15の矩形部材151を、組立治具1を上下反転した後に取り外してもよいし、組立治具1を上下反転する前に取り外してもよいし、後述する仮付け溶接の後に取り外してもよい。
本実施形態では、細長の第1の金属板21の両端部(長手方向の両端部)又は両端部付近の4箇所(K1)に対して、仮付け溶接(組立溶接)を行う。
図6(b)に示すように、細長の第1の金属板21の両端部(長手方向の両端部)は、組立治具1の台部11から所定距離だけ離れており、露出しているので、容易に仮付け溶接(組立溶接)を行うことができる。
詳細には、図6に示した姿勢の組立治具1を、上下反転させて、図1に示した元の姿勢に戻し、押圧部材12L,12Rのネジ部材を緩めることにより、ネジ先を第2の金属板22と第3の金属板23から離間させ、第1の金属板21、第2の金属板22、第3の金属板23を取り外す。
図2に示すように、第2の金属板22と第3の金属板23は、第1の金属板21の幅よりも短い所定距離だけ幅方向に離れた状態で、且つ第1の金属板21の片面に当接した状態で組立溶接されている。
つまり、組立治具1を用いて各金属板を高精度に仮付け溶接を行っているので、組立治具1を取り外した後、金属板の重ね継ぎ手溶接をきれいに行うことができる。
なお、溶接としては、被覆アーク溶接、マグ溶接などを挙げることができる。
台部11は、第1の金属板21よりも幅広の第2の金属板22と第3の金属板23を、第1の金属板21の幅よりも短い所定距離だけ幅方向に離間し、第1の金属板21の片面(上面)に当接した状態で載置可能に構成されている。
押圧部(押圧部材12L,12R)は、第2の金属板22および第3の金属板23を台部11に向けて押圧可能に構成されている。
支持部13は、台部11の幅方向の両端部から立設する一対の柱部材131L,131Rと、一対の柱部材131L,131Rに架設された水平部材132とを有し押圧部(押圧部材12L,12R)を上下動自在に支持する。
遊間確保部材15は、台部11に載置された第1の金属板21に配置可能であり、第1の金属板21に対する第2の金属板22と第3の金属板23の位置決めを行う。
一対の脚部14L,14Rは、支持部13から上方に向けて突出するように構成されている。
また、押圧部(12L,12R)は、第2の金属板22を押圧可能な押圧部材12L(第1の押圧部材)と、第3の金属板23を押圧可能な押圧部材12R(第2の押圧部材)とを有する。
押圧部材12L及び押圧部材12Rは、ネジ部材からなり、水平部材132に形成されたネジ孔13HL,13HRに螺挿され、ネジ先が水平部材132よりも下方に位置し、ネジ部材の頭部12Hが水平部材132よりも上方に位置する。
一対の脚部14L,14Rは、押圧部材12L及び押圧部材12Rのネジ部材の頭部12Hよりも上方に突出するように形成されている。
すなわち、組立治具1により第2の金属板22と第3の金属板23を所定間隔だけ離した状態で、第1の金属板21の片面に当接保持した状態で、組立治具1を上下反転し、一対の脚部14L,14Rを作業台Wや地面等の当接させることにより、安定した状態で組立溶接(仮付け溶接)等を行うことが可能な、簡単な構成の組立治具を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る組立治具1は、例えばWES8101(すみ肉溶接資格認定基準)等の溶接試験に用いられる鋼材を保持するために用いてもよい。組立治具1を用いることにより、第1の金属板21、第2の金属板22、第3の金属板23を、短時間で高精度に、図2に示すような状態となるように、仮付け溶接(組立溶接)を行うことができる。
第1の載置部111F,111Rは、第2の載置部112F,112Rと第3の載置部113F,113Rの間に設けられ、第1の金属板21の厚さ分だけ第2の載置部112F,112R又は第3の載置部113F,113Rよりも下方に向けて凹形状に形成されている。
この台部11は、当該台部11に載置された第1の金属板21、第2の金属板22、及び第3の金属板23よりも、幅方向(X軸方向)に直交する方向(Y軸方向)の長さが短い。
すなわち、台部11に載置された第1の金属板21、第2の金属板22、及び第3の金属板23のY軸方向の両端部は、台部11よりも外側に位置しており、組立治具1を上下反転させた場合、各金属板のY軸方向の両端部付近に、容易に仮付け溶接を行うことができる、簡単な構造の組立治具1を提供することができる。
また、本実施形態では、台部11が断面U字形状に形成されているので(いわゆるCチャンネル)、軽量である。
すなわち、第1の載置部111F,111Rに載置された第1の金属板21上に矩形部材151を配置し、凹形状部材152を嵌合させることにより、高精度に、第1の金属板21の中央に矩形部材151を配置することができる。
そして、凹形状部材152を取り外し、第1の金属板21上の矩形部材151の両端面(X軸方向の両端面)に、第2の金属板22、第3の金属板23を当接させた状態で、押圧部材12L,12Rにより台部11に向かって押圧、保持した後、遊間確保部材15の矩形部材151を取り外す。
すなわち、簡単な構成で、遊間確保部材により、第1の金属板21に対して、第2の金属板22及び第3の金属板23を所定位置に位置決め可能な、組立治具1を提供することができる。
すなわち、組立治具1を持ち運んだ場合であっても、遊間確保部材15を紛失し難い、組立治具1を提供することができる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的、構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
11…台部
12L,12R…押圧部材(押圧部)
13…支持部
14,14L,14R…脚部
15…遊間確保部材(遊間確保治具)
21…第1の金属板(試験体又は試験材)
22…第2の金属板(試験体又は試験材)
23…第3の金属板(試験体又は試験材)
111F,111R…第1の載置部
112F,112R…第2の載置部
113F,113R…第3の載置部
131L,131R…柱部材
132…水平部材
151…矩形部材
152…凹形状部材
Claims (3)
- 仮付け溶接対象の矩形の第1の金属板、第2の金属板、及び第3の金属板を保持可能な組立治具であって、
前記第1の金属板よりも幅広の前記第2の金属板と前記第3の金属板を、前記第1の金属板の幅よりも短い所定距離だけ幅方向に離間し、前記第1の金属板の片面に当接した状態で載置可能な台部と、
前記第2の金属板および前記第3の金属板を前記台部に向けて押圧可能な押圧部と、
前記台部の前記幅方向の両端部から立設する一対の柱部材と、前記一対の柱部材に架設された水平部材とを有し前記押圧部を上下動自在に支持する支持部と、
前記台部に載置された前記第1の金属板に配置可能であり、前記第1の金属板に対する前記第2の金属板と前記第3の金属板の位置決めを行う遊間確保部材と、
前記支持部から上方に向けて突出する一対の脚部とを備え、
前記押圧部は、前記第2の金属板を押圧可能な第1の押圧部材と、前記第3の金属板を押圧可能な第2の押圧部材とを有し、
前記第1の押圧部材及び前記第2の押圧部材は、ネジ部材からなり、前記水平部材に形成されたネジ孔に螺挿され、ネジ先が前記水平部材よりも下方に位置し、前記ネジ部材の頭部が前記水平部材よりも上方に位置し、
前記一対の脚部は、前記第1の押圧部材及び前記第2の押圧部材のネジ部材の頭部よりも上方に突出するように形成されている
ことを特徴とする組立治具。 - 前記台部は、前記第1の金属板を水平に載置可能な第1の載置部と、
前記第2の金属板を水平に載置可能な第2の載置部と、
前記第2の載置部と同じ高さに形成され、前記第3の金属板を水平に載置可能な第3の載置部とを有し、
前記第1の載置部は、前記第2の載置部と前記第3の載置部の間に設けられ、前記第1の金属板の厚さ分だけ前記第2の載置部又は前記第3の載置部よりも下方に向けて凹形状に形成され、
前記台部は、当該台部に載置された前記第1の金属板、前記第2の金属板、及び前記第3の金属板よりも前記幅方向に直交する方向の長さが短い
ことを特徴とする請求項1に記載の組立治具。 - 前記遊間確保部材は、前記第2の金属板と前記第3の金属板の間の距離に対応する幅の矩形部材と、
前記第1の金属板、及び前記第1の金属板の中央に配置される前記矩形部材に嵌合可能な凹部を有する凹形状部材とを有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の組立治具。
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