JP6738495B2 - 自動車用トノカバー装置 - Google Patents
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Description
実際の自動車のレイアウトによっては、前記のようなホイールハウス隣接床面範囲はラゲッジルームの床面全体の中で一番幅の狭い場所となるため、収納ケースおよびトノカバーの幅も必然的にその一番狭い幅以下の寸法となるように構成しなければならない。そうすると、ホールハウスの上方空間をトノカバーで覆うことが出来ず、物隠しというトノカバー本来の目的を達成できないので、かかる目的を達成するために、従来の自動車用トノカバー装置では、ホイールハウスの幅分だけラゲッジサイドトリムの一部をラゲッジルーム内に突出させる必要がある。この場合、その突出したラゲッジサイドトリムの一部とホールハウスとの間の空間部(以下「サイド空間」という)に収納ケースのガイドレール等が配置されるので、かかるガイドレール等を隠す手段として、サイド空間を縦壁で塞ぐ必要があり、その結果、サイド空間の容量分だけラゲッジルームとして有効に利用できる荷室容量が減少するという問題点がある。
図1(a)および図2(a)を参照すると、本実施形態の自動車用トノカバー装置1は、自動車リアシートの背面RS側に位置するラゲッジルームLRを覆うトノカバー2と、トノカバー2を巻取った状態で収容する収容ケース3と、収容ケース3の前面に一体に設けた操作ハンドル4と、ラゲッジルームLRの床面FLに凹設された格納凹部5と、ラゲッジルームLR内で収容ケース3をスライドさせるスライド機構6と、を備えている。
収容ケース3は、天板、底板、前板3A、後板3B、および左右の側板3C、3Cによって箱型に形成されている。また、収容ケース3内には、収容ケース長さ方向に沿って配置された図示しない巻取り軸が設けられており、トノカバー2はこの巻取り軸に巻き取られた状態で収容ケース3内に収容されている。
操作ハンドル4は、スライド機構6を利用して収容ケース3をスライドさせる際にユーザが利用するものである。このような操作ハンドル4の具体的な構成として、本実施形態の自動車用トノカバー装置1においては、ユーザが握るグリップ41を収容ケース3の前板3Aに一体に設けた構造、および、かかるグリップ41が先に説明した引出し部材9の下面に隣接して配置される構造を採用しているが、これに限定されることはない。
格納凹部5は、自動車リアシートの背面RSから見て、該自動車リアシートに隣接するホイールハウスHOを越えた位置に設けられている。ホイールハウスHOを越えた位置とは、具体的にはホールハウスHOから図示しない自動車バックドアまでの範囲内に含まれる位置を意味する。したがって、その範囲内であれば、格納凹部5は、自動車バックドアの近傍に設けられてもよいし、ホイールハウスHOの近傍に設けられてもよい。かかる範囲内において格納凹部5を設ける位置は必要に応じて適宜変更することができる。
スライド機構6は、自動車リアシートの背面RS上方から水平方向に延びてホイールハウスHOの上方を通過する第1の軌道61(以下「水平軌道61」という)と、該水平軌道61から斜め下方に傾斜して格納凹部5まで延びた第2の軌道62(以下「傾斜軌道62」という)と、収容ケース3の端部に取付けたローラ63と、を備え、かつ、ローラ63が水平軌道61および傾斜軌道62に沿って移動することにより、自動車リアシートの背面RS上方から格納凹部5までの範囲内で収容ケース3をスライド可能とする構造になっている。
図1(a)を参照すると、スライドロック手段7は、収容ケース3の両端部に一つずつ設けられている。このような左右のスライドロック手段7は同一構成であるため、以下の説明では、図1(a)における右側のスライドロック手段7の構成のみを説明し、左側のスライドロック手段7の構成説明は省略する。
まず、ラゲッジルームLR内でトノカバーを使用しない場合について説明すると、この場合、収容ケース3は図2(a)の二点破線で示したように格納凹部5内に完全に格納された状態になっている。このとき、格納凹部5の上面開口は蓋51で覆われた状態になっているので、ラゲッジルームLR内から収容ケース3が見えることはない。このように見えない状態の収容ケース3からトノカバー2を引き出してラゲッジルーム内で実際に使用する際は、蓋51を開き、操作ハンドル4を手で握って上方に引き上げる。このとき同時に、ロック解除レバー81も握って操作ハンドル4のグリップ41方向に引き寄せる。
2 トノカバー
3 収容ケース
31 仕切り壁
4 操作ハンドル
41 グリップ
5 格納凹部
51 蓋
6 スライド機構
61 水平軌道(第1の軌道)
62 傾斜軌道(第2の軌道)
63 ローラ
64 スライドベース板
65 スリット
65A スリットの縁部
66 スライド台座
67 ボス部
68 ボス挿入孔
69 軌道連結部
7 スライドロック手段
71 ロックピン
72 ロックピン挿入孔
73 付勢手段(コイルバネ)
74 貫通孔
8 ロック解除手段
81 ロック解除レバー
82 線材
9 引出し部材
10 定荷重巻取り装置
11 線材
11A 第1の線材
11B 第2の線材
12 滑車
D1 ローラの配置間隔
D2 傾斜軌道の配置間隔
FL ラゲッジルームの床面
HO ホイールハウス
LR ラゲッジルーム
RS 自動車リアシートの背面
TR ラゲッジサイドトリム
Claims (5)
- 自動車リアシートの背面側に位置するラゲッジルームを覆うトノカバーと、
前記トノカバーを巻取った状態で収容する収容ケースと、
前記収容ケースの前面に一体に設けた操作ハンドルと、
前記ラゲッジルームの床面に凹設された格納凹部と、
前記ラゲッジルーム内で前記収容ケースをスライドさせるスライド機構と、を備え、
前記格納凹部は、前記自動車リアシートの背面から見て、該自動車リアシートに隣接するホイールハウスを越えた位置に設けられ、
前記スライド機構は、前記自動車リアシートの背面上方から水平方向に延びて前記ホイールハウスの上方を通過する第1の軌道と、この第1の軌道から斜め下方に傾斜又は垂直に下降して前記格納凹部まで延びた第2の軌道と、前記収容ケースの端部に取付けたローラと、を備え、かつ、前記ローラが前記第1および第2の軌道に沿って移動することにより、前記自動車リアシートの背面上方から前記格納凹部までの範囲内で前記収容ケースをスライド可能とする構造になっており、
前記第1および第2の軌道は、2本ずつ設けられ、
前記ローラは、前記第1および第2の軌道に対応して2個設けられ、
前記2個のローラが前記第1の軌道に沿った方向で前後にずれて配置されていること、および、ずれて配置された前記2個のローラの配置間隔に合わせて前記2本の第2の軌道の配置間隔が設定されていることにより、前記収容ケースおよび前記操作ハンドルは、前記第2の軌道の範囲内で、水平の姿勢を保持するように構成したこと
を特徴とする自動車用トノカバー装置。 - 自動車リアシートの背面側に位置するラゲッジルームを覆うトノカバーと、
前記トノカバーを巻取った状態で収容する収容ケースと、
前記収容ケースの前面に一体に設けた操作ハンドルと、
前記ラゲッジルームの床面に凹設された格納凹部と、
前記ラゲッジルーム内で前記収容ケースをスライドさせるスライド機構と、を備え、
前記格納凹部は、前記自動車リアシートの背面から見て、該自動車リアシートに隣接するホイールハウスを越えた位置に設けられ、
前記スライド機構は、前記自動車リアシートの背面上方から水平方向に延びて前記ホイールハウスの上方を通過する第1の軌道と、この第1の軌道から斜め下方に傾斜又は垂直に下降して前記格納凹部まで延びた第2の軌道と、前記収容ケースの端部に取付けたローラと、を備え、かつ、前記ローラが前記第1および第2の軌道に沿って移動することにより、前記自動車リアシートの背面上方から前記格納凹部までの範囲内で前記収容ケースをスライド可能とする構造になっており、
前記自動車リアシートの背面側に向けて前記収容ケースを常時引っ張る手段として、ワイヤーまたはロッドを介して前記収容ケースに定荷重バネを連結してあること
を特徴とする自動車用トノカバー装置。 - 前記自動車リアシートの背面付近で前記収容ケースのスライドを制限するスライドロック手段と、その制限を解除するロック解除手段と、を備えたこと
を特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の自動車用トノカバー装置。 - 前記スライドロック手段は、前記収容ケースの端部から出没可能に設けられたロックピンと、該ロックピンに対応して設けられたロックピン挿入孔と、前記ロックピンを前記収容ケースの端部から突出させる方向に常時付勢する付勢手段と、を備えるとともに、前記ロックピンが前記ロックピン挿入孔に挿入されることにより、前記自動車リアシートの背面付近で前記収容ケースのスライドが制限されるように構成してあること
を特徴とする請求項3に記載の自動車用トノカバー装置。 - 前記ロック解除手段は、前記操作ハンドルの近傍に設けたロック解除レバーと、該ロック解除レバーと前記ロックピンとを連結する線材と、を備え、かつ、前記ロック解除レバーを前記操作ハンドルのグリップ方向に引き寄せることによって前記線材を介して前記ロックピンが前記ロックピン挿入孔から引き抜かれることで、前記ロックピンによる前記収容ケースのスライド制限が解除されるように構成してあること
を特徴とする請求項4に記載の自動車用トノカバー装置。
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