JP5273973B2 - 車両のトノカバー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車体後部の荷室フロアの上方でバックドアの開閉に連動して後端側を略上下方向に移動させる連動手段を有する車両のトノカバー装置に関し、車両における内装の技術分野に属する。
車体後部には荷室フロアが設けられると共に、車体後面には該荷室フロアへの荷物等の搬出入のための開口部と、該開口部を開閉可能に覆うバックドアとが設けられる場合がある。
このような車両においては、荷室フロアに載置した荷物を後部ウインド等を介して車外から視認できないように、荷室フロアの上方において略水平に展開可能なトノカバー装置が設けられる場合がある。
例えば、このようなトノカバー装置として、後端が車体の左右の側部内面に取り付けられたガイドレールと、該ガイドレールにスライド可能に支持されたスライダと、前端が車体の左右の側部内面に支持され、後端が前記スライダに支持されたトノカバーと、前記バックドアとスライダとを連結する連係部材とを有し、バックドアを開くと、連係部材を介してスライダが上方へ移動させられることにより、トノカバーの後端側が上方へ移動し、バックドアを閉じると、連係部材を介してスライダが下方へ移動させられることにより、トノカバーの後端側が下方へ移動するように回動するように構成したものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、荷室フロアへの荷物の搬出入等に際してトノカバーの持ち上げ操作が不要となり、利便性が向上する。
特許第3613581号公報(図2〜図4等)
ところで、特許文献1に記載のトノカバー装置においては、バックドアの開閉に連動して連係部材によりスライダを直接上下方向に移動させるようになっているので、バックドアの開閉量がスライダ位置及びその上下動可能量等により制限され、車両設計の自由度が制限されることともなる。
そこで、本発明は、車両設計の自由度を向上可能な車両のトノカバー装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車体後面の開口部を開閉可能に覆うバックドアと、該開口部の前方に広がる荷室フロアとが備えられており、かつ、荷室フロアの上方に離間して配置されたトノカバーと、前記バックドアの開閉に連動してトノカバーの後端側を略上下方向に移動させる連動手段とが備えられた車両のトノカバー装置であって、前記連動手段は、荷室の左右の側面において上下に離間して設けられた一対のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、前記トノカバーの後端側が連結された第1連係部材と、両プーリ間で該第1連係部材が巻き掛けられ、または巻き付けられた回転部材と、一端が前記バックドアに連結されると共に、他端側が前記回転部材に巻き付けられて係止され、前記バックドアの開閉に連動して該回転部材を回転させる第2連係部材とを有すると共に、前記トノカバーと第1連係部材との連結部の移動軌跡を規定するガイドレールが備えられ、該ガイドレールは、ピラー本体と該ピラー本体を覆うピラートリムとで構成される後部ピラーに前傾状態で設けられて、該後部ピラーの前記ピラー本体とピラートリムとの間の空間に配設されており、前記回転部材は、前記第1連係部材が巻き掛けられ、または巻き付けられる第1回転部材と、該第1回転部材より外径が大きく、前記第2連係部材が巻き付け係止される第2回転部材とを有し、第1回転部材と第2回転部材とが同一回転軸心上に設けられ、一体回転するように構成されて、前記ガイドレールと前記ピラートリムの後端縁との間の空間に配設されており、かつ、前記トノカバーの後端部に前端部が連結されると共に、前記バックドアに後端部が連結され、かつシート部材により巻取り可能に構成された第2のトノカバーが設けられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両のトノカバー装置において、前記トノカバーと前記第2のトノカバーとの少なくとも一方が、車体に対して取り外し可能に構成されていることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、バックドアを開閉すると、第2連係部材が移動することによりこれに連動して回転部材が回転することとなる。そして、その結果、この回転部材及び一対のプーリ間に巻き掛けられ、または巻き付けられた第1連係部材が回転し、該第1連係部材に連結されたトノカバーの後端側が略上下方向に移動することとなる
その場合に、第2連係部材はドアの開閉に連動して回転部材を回転できさえすればよいので、第2連係部材の移動方向と一対のプーリの配設位置等の関係を自由に設定することができる。したがって、第2連係部材のバックドアへの連結部の位置や、回転部材及び一対のプーリの配設位置等を自由に設定することができ、換言すれば、車両の側面、例えば後部ピラー等の形状に対する制約が解消され、車両の設計の自由度が向上することとなる。また、この発明によれば、前記連動手段は、前記トノカバーと第1連係部材との連結部の移動軌跡を規定するガイドレールを有しているので、トノカバーの後端側の移動軌跡が前後左右にぶれるのが防止される。さらに、前記ガイドレールが後部ピラーを構成するピラー本体とピラートリムとの間の空間に配設され、前記回転部材が前記ガイドレールと前記ピラートリムの後端縁との間の空間に配設されているから、後部ピラー内のデッドスペースを有効利用して回転部材を配設することができる。
また、この発明によれば、回転部材は、前記第1連係部材が巻き掛けられ、または巻き付けられる第1回転部材と、前記第2連係部材が巻き付け係止される第2回転部材とを有し、第1回転部材の径と第2回転部材の径とが異なっていると共に、第1回転部材と第2回転部材とが同一回転軸心上に設けられ、一体回転するように構成されているので、バックドアの開閉時における、第1連係部材とトノカバーとの連結部の移動量と、第2連係部材の第2回転部材からの引き出し量とが異なることになる。
また、この発明によれば、前記ガイドレールが後部ピラーに前傾状態で設けられているから、後部ピラーが前傾しているような場合に、平行にレイアウトできる。
さらに、この発明によれば、前記トノカバーの後端部に前端部が連結されると共に、前記バックドアに後端部が連結された第2のトノカバーが設けられているから、トノカバーの後端部とバックドアとの間の部分を良好に覆うことができる。また、第2のトノカバーは、シート部材により巻取り可能に構成されているから、バックドアの開閉に伴って、トノカバーの後端部との連結部とバックドアとの連結部との間の距離が変化した場合でも、これに良好に追従することとなる。
そして、請求項2に記載の発明によれば、前記トノカバーと前記第2のトノカバーとの少なくとも一方が、車体に対して取り外し可能に構成されているから、不要なときに取り外して荷室を上方に拡大することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る車両のトノカバー装置について説明する。
図1はトノカバー装置を装着した荷室の上方斜視図、図2はトノカバー装置を装着した荷室の側面図、図3はトノカバー装置を装着した荷室の下方斜視図である。
本実施形態の車両1の荷室Tは、図1に示すように車体後部のリアシート5後方に設けられており、荷室フロアを構成するリアフロアパネル2と、車体側面部3(図2参照)と、車体後面に設けられたバックドア4と、リアシート5のシートバック5aと等により区画された空間とで構成されている。
リアフロアパネル2は、車体後部で略水平に設けられており、その上面に荷物を載置可能に構成されている。また、その後部には、下方に凹設して車幅方向に延びるサプトランク部2aが形成されている。このサブトランク部2aは、上方からトランクボード2bで覆われている。
車体側面部は、車体側部で車両前後方向に延び、略上下方向に設けられている。車体側面部3には、その下部に後輪形状に対応して車室内方側に膨出するホイールハウス3aが形成され、また、その上方に、クオーターウィンドウガラス6が装着されている。
クオーターウィンドウガラス6の車体後方側には、上下方向に前傾して延びる後部ピラー7が設けられている。この後部ピラー7は、車体デザイン上、比較的大きく前傾していると共に、上方側ほど左右のピラー7,7の間隔が狭くなるように車幅方向内側に内倒れしている。
バックドア4は、その上端が回転ヒンジ4aを介して車体後部の上端に軸支されており、車体後面の開口部1aを開閉自在に覆うように構成されている。また、このバックドア4の上部には、後方視界を確保するためバックウィンドウガラス8が装着されている。
側面部3の車体を構成するインナパネル9は、後部ピラートリム11、トランクサイドアッパトリム12、トランクサイドロアトリム13等により車室内側から覆われている。また、ルーフ部においてはルーフトリム14等により覆われ、バックドア4においてはドアトリム15等により覆われている。
荷室T内には、リヤフロアパネル2の上方に離間して略水平方向に展開するトノカバー装置10が配設され、荷室T内の荷物が外部から視認できないようになっている。
トノカバー装置10は、車体前方側に設けられるボード状の前部トノカバー20と、車体後方側に設けられる巻取り式の後部トノカバー30と、前部トノカバー20の後端と後部トノカバー30の前端を、バックドアの開閉に連動して略上下方向に移動させる連動機構40とを有する。
前部トノカバー20は、合成樹脂材又は合板等によって形成した複数のボード部材21,22,23,24によって構成されており、トランクサイドアッパトリム12に車両前後方向に延びるように形成された棚部12aに、左右両端部が載置される。
各ボード部材21,22,23,24は、その上面及び下面がそれぞれ被覆材25,25によって連続的に被覆されており、上下の被覆材25,25を隣接するボード間において縫合糸26等で縫い合わせることにより、各ボード部材21,22,23,24を一体としている(図6参照)。この各ボード部材の間隔は、各ボード部材21,22,23,24を上下に折畳めるだけの長さを有するように設定されている。このため、各ボード部材21,22,23,24は、山折れ(稜線が上側に移行する折れ曲り)でも、谷折れ(稜線が下側に移行する折れ曲り)でも、いずれの方向にも折れ曲げることができるようになっている。
第1ボード21は、前後方向長さが最も長い略長方形形状の板材で形成している。この第1ボード21の下面左右両側には、図3に示すように(図3では一方のみ)、ヒンジピン27aを備えたヒンジユニット27が固定されている。
このヒンジピン27aは、図4に示すように、トランクサイドアッパトリム12の棚部12aに形成されたホルダー凹部12bに対して上方から差し込むことで、ホルダー凹部12bに固定保持される。こうしてヒンジピン27aがホルダー凹部12bに固定保持されることで、トノカバー装置10の荷室Tでの位置が規定される。
また、第1ボード21の下面には、図3に示すように、トノカバー装置10を車体から取り外した際に、トノカバー装置10の折畳み状態を保持する締結バンド28,28が設けられている。
締結バンド28は、左右それぞれ一本ずつ設けられており、一端部28aが第ボード部材24の下面に接合固定され、他端部に金属製のフック28bが設けられている。そして、このフック28bを利用して、左右の締結バンド28,28を連結すれば、展開時に下方に垂れ下がらないようになっている。
図6、図7は、前部トノカバー20及び後部トノカバー30を折畳んだ状態を示す側面図である。この図に示すように、前部トノカバー20は、各ボード部材21,22,23,24を上下方向に積層するように折畳み、最下部に第1ボード21を、その上に第2ボード22と第3ボード23を順に折畳み、最上部に第4ボード24を位置するように折畳んでいる。また、第2ボード22等を折畳んだ反対側には、第1ボード21の一部である先端ボード21aを折畳み、折畳んだ際の車両前後方向長さをコンパクトにしている。なお、第1ボード21の折畳み構造は、前述の構造と同様とされている。
そして、このように折り畳むと、先端ボード21aの上方に、後部トノカバー30の巻取りユニット31等が位置することとなり、この状態で、締結バンド28を巻き掛けて、第1ボード21の下面にフック28bを係止すると、前部トノカバー20及び後部トノカバー30が折畳み状態で拘束されるようになっている。
このように、前部トノカバー20と後部トノカバー30をコンパクトに折畳むことで、取り外した際に、図7に仮想線で示すように、前部トノカバー20と後部トノカバー30をサブトランク部2a内に収納できる。
図3に示すように、第4ボード24の後方には、後部トノカバー30の巻取りユニット31を固定する固定ボード29が設けられている。この固定ボード29は、第4ボード24の後端部の下面に、3つの連結部材29aを介して、第4ボード24に対して回動可能に連結されている。また、固定ボード29には、車幅方向に延びる巻取りユニット31が固定ボルト29bにより固定されており、前部トノカバー20と後部トノカバー30とを連結している。
一方、後部トノカバー30は、図2、図3に示すように、巻取りユニット31と、巻取りユニット31から引き出されるシート部材32と、シート部材32の先端(後端)に固定される係合ハンドル部33,33とを有している。
このうち巻取りユニット31は、車幅方向に延びる略角柱上のケーシング31aを有し、その内部には、シート部材32を巻き取る巻取りローラ34が設けられている。この巻取りローラ34には、シート部材32を巻取り方向に引き込む付勢部材(図示せず)が設けられている。
また、巻取りユニット31の前部上端には、トノカバー装置10の開放時、第4ボード24が上方に変位していく際に、第4ボード24と一体的に変位するよう、第4ボード24に係合する係止片部35(図6参照)が設けられている。また、巻取りユニット31の車幅方向両側端部には、後述するスライダー部材に嵌合支持(連結)される係合ボス部36,36が、車幅方向に延びるように設けられている。
シート部材32は、車幅方向全幅にわたって展開する幅広の合皮製又は布製のシート材によって構成されており、巻取りユニット31の後部下端で、車幅方向に延びる引出し口(図示せず)から、車体後方側に向って引き出されるようになっている。
そして、シート部材32は、図2に示すように、途中まで引き出されることで荷室Tの後部上方を覆い、バックドア4との係合を外した際には巻取りユニット31内に巻き込まれ、バックドア4を開放した際にはバックドア4に追従して大きく上方へ引き出され、荷室T上部と車体後部との間で略上下方向にスクリーン状に展開するようになっている。
また、シート部材32には、その両側位置に略半円状に切欠いた側方凹部(図示せず)が形成されている。この側方凹部は、シート部材32をスクリーン状に展開した際に、車体後面の開口部1aの側縁との干渉を防ぐために設けられている。
係合ハンドル部33は、図3に示すように、シート部材32の後端に左右2つ設けられており、ベース33aと、ベース33a内に設けたピン33bとで構成されている。そして、この係合ハンドル部33のピン33bを、図5に示すように、バックドア4に設けた係止フック91の上下の係止部91a,91bに嵌め込むと、係合ハンドル部33がバックドア4に固定されるようになっている。なお、シート部材32を巻取りユニット31内に収容する場合には、係止フック91からピン33bを取り外せばよい。
次に、連動機構40について説明する。すなわち、連動機構40は、図8に示すように、後部ピラー7のインナパネル9(車体構成部材)と後部ピラートリム11との間の空間に配設されており、図9に示すように、ガイドレール41と、該ガイドレール41に沿ってスライド可能なスライダ42と、該ガイドレール41の両端部に設けられたプーリ支持ケース43,44と、該支持ケース43,44内に回動可能に収容支持された一対のプーリ45,46と、ガイドレール41の長手方向ほぼ中央に取り付けられた回転部材支持ケース47と、該回転部材支持ケース47内に回動可能に収容支持された回転部材50と、前記プーリ45,46及び第1回転部材50に巻き掛けられた第1連係ワイヤ51と、バックドア4の内面(トリム15)に固定される連結部材52と、一端が該連結部材52に、他端側が前記第2回転部材49に巻き掛けられて連結された第2連係ワイヤ53とを有している。なお、連動機構40は、左右のリアピラー7,7にそれぞれ設けている。
プーリ支持ケース43,44は、プーリ45、46を収容可能な空間を構成する一対の半割りケース43a,43b,44a,44bで構成されている。
そのうち、後部ピラー7内において上方に位置する方のプーリ支持ケース43は、ガイドレール41の端部に直接固定されているが、他方のプーリ支持ケース44は、ガイドレール41の両端部にケース支持部材54を介してガイドレール41の長手方向に移動可能に取り付けられている。ケース支持部材54とプーリ支持ケース44との間には、該ケース44をガイドレール41の長手方向であって該レール41から離反する方向に付勢するバネ55が設けられている。
回転部材50は、同一回動軸心上に配置された第1、第2回転部材48,49で構成されている。第1、第2回転部材48,49には、それぞれ位置決め部49c(図11においては第1回転部材の位置決め部は紙面裏側に位置しており、あらわれていない)が設けられており、これらの位置決め部49cを係合させることにより、1、第2回転部材48,49の周方向位相が所定の位相に合わされるようになっていると共に、一体回転するようになっている。
第1回転部材48の外周部には2本の溝48a,48bが平行に設けられ、第2回転部材49には1本の溝49aが設けられている。
第2回転部材49の外径は、第1回転部材48の外径よりも大きくされている。なお、外径の比は、前記スライダ42が下端位置から上端位置まで移動した場合における第2連係ワイヤ53の引き出し量を考慮して設定される。
回転部材支持ケース47は、回転部材50を収容可能な空間を構成する一対の半割りケース47a,47bで構成されている。一方の半割りケース47bの外面側には、ぜんまいばね機構56(図示せず)が取り付けられている。
このぜんまいばね機構56は、詳しくは図示しないが、ぜんまいばねと、該ぜんまいばねを収容する空間を前記外側の半割りケースとで形成し、ぜんまいバネの一端が固定されるぜんまいばね収容ケースと、半割りケース47bを貫通し、ぜんまいばねの他端が固定される矩形状の軸部材56aとを有している。
ガイドレール41は、断面略C形の溝形鋼材により構成されており、両端部には、蓋部材41a,41bが取り付けられている。
スライダ42には、具体構造については後述するが、ガイドレール41のスリット41cを介してガイドレール41の外部に延びるホルダ取付ブラケット57が固定されている。ホルダ取付ブラケット57の先端側は、後部ピラートリム11に、ガイドレール41に平行となるように形成されたスリット11r(図2参照)を介して後部ピラートリム11の表面側に臨んでおり、該ホルダ取付ブラケット57の先端側には、前記巻取りユニット31の両端の係合ボス部36,36部を保持する略矩形形状のホルダー部材58が固定されている。なお、スリット11rの幅は、ホルダー部材58の寸法よりも小さくされている。
ガイドレール41の下端側の蓋部材41bから長手方向に所定距離離れた位置には、ストッパ部材59が取り付けられており、スライダ42が当該蓋部材41b側に移動してきたときに、ホルダ取付ブラケット57が当接するようになっている。
ホルダー部材58には、巻取りユニット31の係合ボス部36を嵌め込むための嵌合溝部58aが形成されており、この嵌合溝部58aに係合ボス部36を上方から嵌め込むことにより、巻取りユニット31がホルダー部材58に支持されるようになっている。
第1連係ワイヤ51は、一端部51abがスライダ42の一端部に固定され、他端側が、第1プーリ45を介して第1回転部材48の第1溝48aに巻き掛けられて、その端部51aaが第1回転部材48の第1係合部48cに係止された第1部材51aと、一端部51bbがスライダ42の他端部に固定され、他端側が第1回転部材48の第2溝48bに第1部材51aとは逆回転方向に巻き掛けられて、その端部51baが第1回転部材48の第2係合部48dに係止された第2部材51bとで構成されている。第1、第2部材51a,51bの長さは、それぞれ、スライダ42がガイドレール41における一端部から他端部まで移動可能な長さとされている。
第2連係ワイヤ53は、一端部が前述のように前記連結部材52に連結され、他端側が第2回転部材49の溝49aに巻き掛けられて、その端部53aが第2回転部材49の係合部49bに係止されている。なお、第2連係ワイヤ53は、後部ピラートリム11の後縁部に形成された車内側への凸部11pに設けられた貫通孔11qを介して後部ピラートリム11の外部に導かれている(図2参照)。
バネ55は、前記第1、第2連係ワイヤ51,53が巻きかけられた状態の回転部材50を回転部材支持ケース47内にその側方から移動させて収容する際、プーリ支持ケース44をケース45側に押してバネ55を圧縮させることにより、第1連係ワイヤ51の張力を緩め、回転部材50を回転部材支持ケース内47に収容しやすくさせることを目的として設けられている。
連結部材52には、クリップ部材76(図11参照)を収容可能なクリップ係合孔が形成されており、バックドア4に固定されたクリップ部材76をクリップ係合孔に差し込むことにより、該連結部材52がバックドア4に固定されるようになっている。そして、連結部材52は、固定状態において、クリップ部材76を中心として回動可能に支持される。なお、連結部材52の具体的構造については、後述する。
次に、この連動機構40の取付構造について説明する。
連動機構40は、図8に示すように、ガイドレール41にネジ止めや接合等に固着された複数のブラケット71,72,73を介して、後部ピラートリム11や車体を構成するインナパネル9へ固定されている。
第1ブラケット71は、ガイドレール41の長手方向に沿う長い矩形状のもので、下端側においてこれに直行する方向であって車両後方側に延びる第1取付部71bと、長手方向ほぼ中央でこれに直行する方向であって車両前方側に延びる第2取付部71aとを有している。第1取付部71b及び第2取付部71aは、後部ピラートリム11の内面に膨出形成されたボス部11a,11bにネジN,Nにより固定されている。
第2ブラケット72は、基端部72aがガイドレール41の下部側に第1ブラケット71の下部側に重ねて固着され、先端側がこれに直行する方向であって車両前方側に、後部ピラートリム11の前縁部下部に突出形成された取付部11cにまで延びる舌状形状をしている。第2ブラケット72の先端部72b及び後部ピラートリム11の取付部11cには、それぞれボルト挿通孔72c(ピラートリム11側の孔は図示されていない)が形成されており、先端部72b及び取付部11が重ねられた状態で、両ボルト挿通孔72cにボルトB1が挿通されて、車体のインナパネル9に共締めされている。
第3ブラケット73は、基端部73a(図8にはあらわれていない)がガイドレール41の上端側に固定され、先端側が上方に延びる舌状形状をしており、先端部73bには、ボルト挿通用の孔73cと、位置決め用孔73dとが形成されている。一方、後部ピラートリム11の上部には、車幅方向外側に凹む凹部11dが形成されていると共に、該凹部11dの底部には、車幅方向外側に位置決めピン11e及びボルト挿通孔11f(図示せず)が突出形成されている。そして、凹部11dの底部の位置決めピン11eと第3ブラケット73の先端部73bの位置決め孔73dとが嵌合された状態で、両ボルト挿通孔73c,11fにボルトB2が挿通されて、車体のインナパネル9に共締めされている。
また、後部ピラートリム11の上部後側内面に突出形成されたボス部11gには、前記インナパネル9へ固定するためのクリップ11hが突出形成されている。また、後部ピラートリム11の上下方向略中間部後側内面に突出形成されたボス部11iには、同様のクリップ11jと、インナパネル9に対して位置決めするための位置決めピン11kが形成されている。
また、後部ピラートリム11の下縁部後部には、下方に突出する取付部11mが形成されており、該取付部11mに形成された孔部11n、及び車体のインナパネル9における前記孔部11nに対応形成された孔部に別体のクリップC1が挿通されることにより、後部ピラートリム11の下部側が車体に対して固定されるようになっている。
なお、後部ピラートリム11の凹部11dの共締め用ボルトB2は、凹部11dに表面側から蓋16をすることにより覆い隠されるようになっている(図2参照)。また、トランクサイドアップトリム12を後部ピラートリム11の後で車体に対して取り付けることにより、共締め用ボルトB1及びクリップC1についても、トランクサイドアップトリム12により覆い隠されるようになっている。
次に、このように構成されたトノカバー装置の動作について説明する。
まず、バックドア4が完全に閉じられた状態では、図2に示すように、連動機構40の連結部材52は、後部ピラー7の後縁の近傍に位置し、第2連係ワイヤ53は最も引きだされていない状態となっている。そして、スライダ42は、図13に示すように、ブラケット57がストッパ59に当接する下端位置に位置している。したがって、前部トノカバー20は、図2に示すように、これを構成する複数のボード部材21〜24が、左右のトランクサイドトリム12の棚部12aに左右両端部が載置された状態であり、ほぼ平坦な状態となっている。一方、後部トノカバー30は、後部側がバックドア4に連結され、前部側が前方に引っ張られていることにより、シート状でありながら、ほぼ水平な状態となっている。すなわち、荷室フロア2から上方に離間した位置で、その下方を覆った状態となっている。
そして、バックドア4を開いていくと、連動機構40の連結部材52がこれに伴って後方上方へ移動することにより、第2回転部材49に巻き付けられた状態の第2連係ワイヤ53が、図12に示すように、ぜんまいばね機構56のばねによる巻取り力(付勢力)に抗して引き出されることとなる。また、このとき、第1回転部材48が第2回転部材49と共に一体回転し、その結果、第1連係ワイヤ51a,51bを介してスライダ42がガイドレール41に沿って上方に移動することとなる。
そして、これにより、前部トノカバー20は、後端側が前方上方へ移動して、その前端側枢支部と後端側連結部との距離が徐々に短くなることにより、後側のボード部材23,24間から順に折れ曲がり、かつ後側のボード部材24から持ち上がり始める。
一方、後部トノカバー30は、巻取りユニット31から巻取り力に抗して引き出されることとなる。なお、このとき、後部トノカバー30は、巻取りユニット31の巻取り力により、下方へ垂れ下がるのが防止される。
そして、図13に示すように、バックドア4を完全に開くと、第2連係ワイヤ53が引き出されることにより、スライダ42が図12に示すようにガイドレール41の上端部にまで移動し、その結果、前部トノカバー20が折れ曲がった状態で持ち上がると共に、後部トノカバー30は、後端が上方に持ち上がってスクリーン状に展開することとなる。したがって、荷室フロアへの荷物の搬出入を容易に行うことができるようになる。
その場合に、本実施の形態においては、前述のように、バックドア4側と、第1連係ワイヤ51とは、連結部材52、第2連係ワイヤ53、及び回転部材50を介して連結されているが、第2連係ワイヤ53はバックドア4の開閉に連動して回転部材50を回転できさえすればよいので、第2連係部材53の移動方向と一対のプーリ45,46の配設位置等の関係を自由に設定することができる。したがって、図14(a)に示すように、第2連係部材53のバックドア4への連結部の位置や、回転部材50及び一対のプーリ45,46の配設位置等を例えば仮想線ア,イで示すように自由に設定することができる。換言すれば、車両の側面、例えば後部ピラー7等の形状に対する制約が解消され、車両の設計の自由度が向上することとなる。例えば、図14(b)に示すように、後部ピラー7がほぼ鉛直方向に延びているような場合でも、前記各部材を配設しつつ、所用の機能を達成することができる。
また、トノカバー10と第1連係部材51との連結部(係合ボス部36及びホルダ部材58)の移動軌跡を規定するガイドレール41が備えられているので、前部トノカバー20の後端側の移動軌跡が前後左右にぶれるのが防止される。また、このガイドレール41は、後部ピラー7に前傾状態で設けられているから、後部ピラー7が前傾しているような場合に、平行にレイアウトできる。
また、前記後部ピラー7が、ピラー本体9と、該ピラー本体9を覆うピラートリム11とで構成されていると共に、ガイドレール41が前記ピラー本体9とピラートリム11との間の空間に配設されている場合に、回転部材50は、ガイドレール41と前記ピラートリム11の後端縁との間の空間に配設されているから、後部ピラー7内のデッドスペースを有効利用して回転部材50を配設することができる。
また、前部トノカバー20は、前後方向に分割されて複数のボード部材21〜24により構成され、かつ、隣接するボード部材間で折り曲げ可能に連結されているから、前端側が荷室の左右の側面に支持され、かつ後端側が第1連係ワイヤ51に連結されている場合、バックドア4の開閉の際、これに連動して折り曲げられることとなる。また、ボード部材を用いることにより、美観を優れたものとすることができる。
また、前部トノカバー20は、後端側の連結部(係合ボス部36及びホルダ部材58)を取り外した状態において、ボード部材21〜24を重ねて折り畳み可能に連結されているから、前部トノカバー20を不要なときにコンパクト化することができる。
また、前部トノカバー20の後端部に前端部が連結されると共に、前記バックドア4に後端部が連結された後部トノカバー30が設けられているから、前部トノカバー20の後端部とバックドア4との間の部分を良好に覆うことができる。また、後部トノカバー30は、シート部材により巻取り可能に構成されているから、バックドア4の開閉に伴って、前部トノカバー20の後端部との連結部(係合ボス部36及びホルダ部材58)とバックドア4との連結部との間の距離が変化した場合でも、これに良好に追従することとなる。
また、前部トノカバー20及び後部トノカバー30が、車体に対して取り外し可能に構成されているから、不要なときに取り外して荷室を上方に拡大することができる。
ところで、バックドア4の開放時の角度は、バックドア4を開放状態で支持するためのダンパの伸縮量の差、製造誤差等により、図12に仮想線で示すように、製造された車両毎に例えば規定開放角度に対して±5°程度の差が生じる。そして、開放角度が+側の場合、すなわち規定角度以上に開きすぎる場合、スライダ42がガイドレール41の上端壁41aに当接しても、該スライダ42が上端壁41aに押付けられながらさらに引っ張られることとなり、第1連係ワイヤ51や第2連係ワイヤ53の破断や、その他連動機構40を構成する部品の破損、あるいは連動機構40が取り付けられる車体側部材の破損を招く虞がある。また、開放角度が−側の場合、すなわち規定角度まで開かない場合、スライダ42がガイドレール41における上端位置にまで移動せず、すなわち、前部トノカバー20の後端側や後部トノカバー30の前端側が所定位置まで上昇せず、その結果、前部トノカバー20の後端側や後部トノカバー30が、荷室フロア2への荷物の搬出入に際しての障害となりやすくなる。しかし、本実施の形態に係る連動機構40においては、規定開度に対する差が生じた場合でも問題が生じないように、前述した連結部材52が以下のように構成されている。
すなわち、連結部材52は、図15に示すように、中空円筒状の第1ケース71と、該第1ケース71の一端部側に被さったキャップ状の第2ケース72と、第1ケース71の中空部71aでその長手方向に摺動可能に装着された移動部材73と、該移動部材73の大径部73aとケースの下端壁71bとの間に介設されたコイル状バネ74と、第2ケース72の頂部内面にネジ止めされた板バネ75とを有している。
第1ケース71は、一対の半割りケース71a,71bにより構成され(図11参照)ている。また、第1ケース71の底部71bには、前記第2連係ワイヤ53を通す貫通孔71cが設けられている。この貫通孔71cの径は、第2連係ワイヤ53の径よりも十分に大きくされている。
第2ケース72には、クリップ部材76(図11参照)を収容可能なクリップ係合孔が形成されており、バックドア4に固定されたクリップ部材76をクリップ係合孔に差し込むことにより、該第2ケース72(連結部材52)がバックドア4に固定されるようになっている。なお、連結部材52は、固定状態において、クリップ部材76を中心として回動可能に支持される。
移動部材73の径方向中心には、長手方向に延びる第2連係ワイヤ53を通す貫通孔73bが形成されている。この貫通孔73bは、大径部73a部分において径が大きくされ、第2連係ワイヤ53の端部53bが係止される。そして、これにより、第1ケース71側は、第2連係ワイヤ53を介して、回転部材50側に連結される。
バネ74のバネ力は、回転部材50用のぜんまいばね機構56のバネ力よりも大きく設定されている。
第1ケース71の中空部71a内面には、長手方向に延びる溝71dが形成されていると共に、移動部材73の大径部73aには突起73cが形成され、該突起73cが第1ケース71の溝71dに嵌合している。この構造は、移動部材73の回転による第2連係ワイヤ53のねじれを防止するために設けられている。
第1ケース71における第2ケース72側の底部71eには、第2ケース72側に突出し、長手方向中間部がくびれた突出部71fが形成されている。また、第2ケース72側の板バネ75は、この突出部71fの側面に沿うような形状とされ、該突出部71fを弾性力により挟み込んでいる。そして、これにより、第1ケース71側と第2ケース72側とが一体とされている。
その場合に、第2連係ワイヤ53の引き出し可能量は、バックドア4の開度が、規定開度±0°の状態で、すなわち、スライダ42がガイドレール41の上端壁に当接して、それ以上上方に移動できなくなった状態のときに、図15(a)、図16に示すように、連結部材52の移動部材73がバネ部材74を所定量圧縮して移動可能範囲の中間位置に位置することとなる量に設定されている。
このように構成したことにより、規定開度以上(ただし、規定開度+5度未満)にバックドア4が開いたときには、図15(b)に示すように、バネ74がさらに圧縮されながら、第1、第2ケース71,72のみがバックドア4と共にさらに上方へ移動することとなる。すなわち、第2連係ワイヤ53が引き出せなくなった後も、バックドア4をさらに開放させることができる。
また、規定開度以上(規定開度+5度以上、移動部材73が第1ケース71の溝71dの下端71gに当接して移動不可能となる開度)にバックドア4が開いたときには、図15(c)に示すように、第2ケース72側の板バネ75と第1ケース71側の突起部71fとの係合が外れることとなる。したがって、前述した連動機構40や車体を構成する部品の破損が防止されることとなる。なお、この機構によれば、例えばトノカバー10上に比較的重量の大きなものが載置されていることにより、バックドア4の開放方向移動時に第2連係ワイヤ53及び連結部材52を介してバックドア4の内面等に大きな荷重が作用したときに、第2ケース72側の板バネ75と第1ケース71側の突起部71fとの係合がはずれることとなり、これにより、重量物がトノカバー10上に載置されることによる前記各種部品類の破損が防止されることとなる。
一方、規定開度未満しかバックドア4が開かないときは、バネ74の復元力により、移動部材73が第1ケース71の上端壁側に移動し、これにより、第2連係ワイヤ53が連結部材52側に引っ張られ、図15(d)に示すようにスライダ42がガイドレール41の上端側蓋部41aに当接するまで上方に移動することとなる。すなわち、バックドア4が規定開度まで開かない場合でも、前部トノカバー20の後端側や後部トノカバー30の前端側が所定位置まで上昇することとなり、荷室フロアへの荷物の搬出入の際の障害が回避されることとなる。
ところで、ここまでは、バックドア4の開放時の角度が、規定開度に対して±5°程度の差が生じることによる問題及びその対策について説明したが、バックドア4の閉鎖時の角度については、バックドア4が車体後面の開口部を閉鎖する位置で直接規定されるため規定角度に対する角度上の差を生じることはない。しかしながら、バックドア4の閉鎖時についても、例えば第1連係ワイヤ51や第2連係ワイヤ53のワイヤ長のバラツキや製造誤差等の問題により、スライダ42がガイドレール41における所定の下端位置まで移動せず、すなわち、前部トノカバー20の後端側や後部トノカバー30の前端側が所定位置まで下降せず、その結果、前部トノカバー20の後端側や後部トノカバー30の前端側が、上方へ盛り上がったような状態となり、見映え状の問題を生じる虞がある。また、これを対策すべく所定の下端位置を規定するストッパを設け、誤差が生じても必ずストッパで下端位置が規定されるように構成することが考えられるものの、この場合にはスライダ42がストッパに当接した状態でワイヤに余り代が存在する場合、ワイヤに緩みを生じ、周辺部材と干渉して動作に悪影響を与えたり、見映えの面でも問題を生じる虞がある。そこで、本実施の形態に係る連動機構40においては、前述のスライダ42が以下のように構成されており、これにより、上記バラツキや誤差が生じた場合でも、問題が生じないように構成されている。
すなわち、図17(a)に示すように、スライダ42は、外側スライダ部材81と、該外側スライダ部材81の両端側の壁部に両端が支持固定されたシャフト82と、該シャフト82にその軸方向に摺動可能に支持された内側スライダ部材83と、前記シャフト82上に、外側スライダ部材81の下端側壁部と内側スライダ部材83との間に介設されたコイルバネ84とを有している。そして、内側スライダ部材83に、ガイドレール41のスリット41cを介してガイドレール41の外部に延びる前述のホルダ取付ブラケット57が固定され、該ホルダ取付ブラケット57に、前記ホルダー部材58が固定されている。スライダ42のバネ84のバネ力は、回転部材50用のぜんまいばね機構56のバネのバネ力よりも小さく設定されている。
ここで、内側スライダ部材83のホルダ取付ブラケット57は、バックドア4を閉じている途中でバックドア4が閉鎖位置の若干手前に位置する状態のときに、図17(b)、図18に示すように、ストッパ部材59に当接し、それ以上にバックドア4が閉じられていくと、バネ84が圧縮されながら、外側スライダ部材81のみがさらに下方へ移動し、そして、バックドア4が閉鎖位置のときに、図17(a)、図18に示すように外側スライダ部材81がガイドレール41の下端側蓋部41bに当接する手前の位置に停止するようになっている。換言すれば、前記第1連結ワイヤ51の各部材51a,51bの長さ、及びストッパ部材59とガイドレール41の下端側蓋部41b間の距離が、このような状態が実現可能なように設定されている。
このように構成したことにより、バックドア4を閉じたときには、閉鎖位置の若干手前の位置で内側スライダ部材83はストッパ部材59に当接した状態のまま、バネ84がさらに圧縮されながら、外側スライダ部材81のみがさらに下方へ移動することとなる。したがって、スライダ42のガイドレール41における所定の下端位置がストッパ部材59によって確実に規定されると共に、第1連係ワイヤ51、第2連係ワイヤ53がバネ84の圧縮による外側スライダ部材81の下方移動で弛みのない状態に設定されることとなり、スライダ42の下端位置への確実な移動と、ワイヤの弛みによる周辺部材との干渉防止、見映え悪化防止の両立が図れることとなる。また、ホルダ取付ブラケット57(ホルダー部材58)がガイドレール41の下端位置においてバネ84により常時ストッパ59に付勢された状態とされることから、下端位置におけるホルダ取付ブラケット57、すなわち前部トノカバー20の後端側や後部トノカバー30の前端側のがたつきを防止する機能も合わせて有している。
なお、内側スライダ部材83には、外側スライダ部材81の内面に対向する部位に、凹部83aが形成されていると共に、該凹部83aには、板バネ85が係止されており、該板バネ85は、内側スライダ部材83及び外側スライダ部材81が図7において上下に離反するように、すなわち、内側スライダ部材83及び外側スライダ部材81がガイドレール41の内面に押付けられるようにこれらの部材を付勢している。これによれば、スライダ42がガイドレール41内でがたつくのが防止されることとなる。
なお、本実施の形態においては、第1連係ワイヤ51は、回転部材50に対して両端部が係止されて、巻き付けられているが、プーリ45,46同様に巻き掛けでもよい。この場合、回転部材50に対して滑りが生じにくくなる措置を施しておけばよい。
次に、第2の実施の形態について説明する。
この第2の形態においては、図19に示すように、前部トノカバー20′が前記第1の実施の形態の後部トノカバー30同様に巻取り可能に構成されている。前部トノカバー20′は、巻取りユニット21′とシート部材22′とを有しており、巻取りユニット21′の左右両端部には係合ボス部26′が設けられ、該係合ボス部26′が、トランクサイドアッパトリム12′に回動可能に支持されている。一方、シート部材22′の後端部は、後部トノカバー30′の巻取りユニット31′に結合されている。このように構成することにより、バックドア4の開放時には、前部トノカバー20′のシート部材22′が巻取りユニット31′内に巻き取られながら、後部トノカバー30′の巻取りユニット31′が上方に移動することとなる。本実施の形態によれば、前部トノカバー20′についても巻き取ることができるので、不要なときにトノカバー10を一層コンパクト化することができる。
本発明は、車体後部の荷室フロアの上方でバックドアの開閉に連動して後端側を略上下方向に移動させる連動手段を有する車両のトノカバー装置に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係る車両後部の上方斜め前方からの斜視図である。 車両後部の側面図である。 車両後部の下方斜め前方からの斜視図である。 前部トノカバーの側部の車体側部内面への支持部の拡大図である。 後部トノカバーの後端部のバックドアへの連結部の拡大図である。 トノカバーを折り畳んだ状態の拡大図である。 トノカバーを折り畳んで収納した状態等の説明図である。 後部ピラーへの連動機構の取付部の拡大図である(後部ピラートリムの裏面側からの斜視図である。) 連動機構の分解図である(その1)。 連動機構の分解図である(その2)。 連動機構の基本構造図である。 連動機構による効果の説明図である(その1)。 バックドアを全開とした状態での車両後部の側面図である。 連動機構による効果の説明図である。 連結部材の詳細構造図である。 連結部材による作用の説明図である。 スライダ部材の詳細構造図である。 スライダ部材による作用の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトノカバー装置についての図2相当の図である。
符号の説明
1 車両
2 荷室フロア
4 バックドア
7 後部ピラー
10 トノカバー装置
20 前部トノカバー(トノカバー)
30 後部トノカバー(第2のトノカバー)
36 係合ボス部36(トノカバーと第1連係部材の連結部)
40 連動機構(連動手段)
41 ガイドレール
42 スライダ
45,46 プーリ(一対のプーリ)
48 第1回転部材
49 第2回転部材
50 回転部材
51 第1連係ワイヤ(第1連係部材)
52 連結部材
53 第2連係ワイヤ(第2連係部材)
58 ホルダ部材(トノカバーと第1連係部材の連結部)

Claims (2)

  1. 車体後面の開口部を開閉可能に覆うバックドアと、該開口部の前方に広がる荷室フロアとが備えられており、かつ、荷室フロアの上方に離間して配置されたトノカバーと、前記バックドアの開閉に連動してトノカバーの後端側を略上下方向に移動させる連動手段とが備えられた車両のトノカバー装置であって、
    前記連動手段は、荷室の左右の側面において上下に離間して設けられた一対のプーリと、
    これらのプーリ間に巻き掛けられ、前記トノカバーの後端側が連結された第1連係部材と、
    両プーリ間で該第1連係部材が巻き掛けられ、または巻き付けられた回転部材と、
    一端が前記バックドアに連結されると共に、他端側が前記回転部材に巻き付けられて係止され、前記バックドアの開閉に連動して該回転部材を回転させる第2連係部材とを有すると共に、
    前記トノカバーと第1連係部材との連結部の移動軌跡を規定するガイドレールが備えられ、
    該ガイドレールは、ピラー本体と該ピラー本体を覆うピラートリムとで構成される後部ピラーに前傾状態で設けられて、該後部ピラーの前記ピラー本体とピラートリムとの間の空間に配設されており、
    前記回転部材は、前記第1連係部材が巻き掛けられ、または巻き付けられる第1回転部材と、該第1回転部材より外径が大きく、前記第2連係部材が巻き付け係止される第2回転部材とを有し、第1回転部材と第2回転部材とが同一回転軸心上に設けられ、一体回転するように構成されて、前記ガイドレールと前記ピラートリムの後端縁との間の空間に配設されており、かつ、
    前記トノカバーの後端部に前端部が連結されると共に、前記バックドアに後端部が連結され、かつシート部材により巻取り可能に構成された第2のトノカバーが設けられていることを特徴とする車両のトノカバー装置。
  2. 前記請求項1に記載の車両のトノカバー装置において、
    前記トノカバーと前記第2のトノカバーとの少なくとも一方が、車体に対して取り外し可能に構成されていることを特徴とする車両のトノカバー装置。
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