JP6737692B2 - シャープペンシル - Google Patents

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Description

本発明は、ノック操作等により筆記芯を所定量だけ口金の先端から繰り出すことにより筆記が可能なシャープペンシルに関する。
従来より、シャープペンシルを用いて筆記を行う際に筆記芯に高い筆圧が加えられると、口金の先端から露出された筆記芯が容易に折損してしまう、という問題があった。筆記芯の折損は、筆圧が一定であれば、シャープペンシルの軸筒の軸方向と紙面とのなす角度が小さくなるほど(軸筒を寝かせるほど)、あるいは、口金の先端から露出される筆記芯の長さが長くなるほど、顕著である。
このような問題に対し、特許文献1(特開2015−123689)には、筆記芯に高い筆圧が加えられた際に、筆圧の軸方向の成分と筆圧の当該軸方向に垂直な成分とをそれぞれ異なる機構により吸収して筆記芯の折損を低減させる、というシャープペンシルが記載されている。
具体的には、特許文献1のシャープペンシルは、口金が弾性体(コイルバネ)を介して軸筒に支持されており、当該口金は、軸方向後方に向かって次第に小径となるカム斜面を有している。また、軸筒には、カム斜面を軸方向前方に押圧する押圧部が形成されている。このような構成により、筆圧の軸方向に垂直な成分(軸筒径外方向の力)に起因して、口金のカム斜面が軸筒の押圧部によって軸方向前方に押圧されて、軸筒の先端から口金が前方にスライドする(飛び出す)。これにより、口金の先端から露出される筆記芯の長さが減少されるようになっている。
更に、特許文献1のシャープペンシルは、筆記芯を繰り出す芯繰出ユニットが、弾性体(コイルバネ)によって軸方向前方(軸方向における口金の先端方向)に付勢された状態で、軸方向に相対移動可能に軸筒に支持されている。そして、筆記芯を含む芯繰出ユニットが軸筒に対して軸方向後方に相対移動することによって、筆圧の軸方向の成分が吸収される。この結果、口金の先端から露出される筆記芯の長さが一層減少されて、筆記芯の折損が低減されるようになっている。
特開2015−123689
特許文献1に記載されているシャープペンシルでは、筆記芯に高い筆圧が加えられた際に、軸筒に対して口金が前方にスライドできる最大の長さ(ストローク)に亘って当該口金が一気にスライドする(飛び出す)ようになっている。
これに対して、本件発明者は、筆記芯に高い筆圧が加えられた際に、口金に対して筆記芯が後方にスライドする構成を開発し、そのような構成の方が筆記感が滑らかであると感じる使用者が多いことを確認した。
さらに、筆記芯の折損を低減するために、一度の繰り出し操作にて繰り出される筆記芯の長さを安定させることが重要であることも確認した。これにより使用者は、筆記芯を繰り出した回数で、筆記芯が突出しているおおよその長さを認識して、筆記芯が長く突出して折れ易くなることを予防することができる。特にシャープペンシルでは、芯繰出ユニット内で筆記芯が折れた場合に使用者がメンテナンスを行う必要があるのだが、そのような際にも、芯繰出ユニットを分解した使用者が、一度の繰り出し操作にて繰り出される筆記芯の長さが分解前と同じになるように、芯繰出ユニットの組立を行えることが重要である。
本発明は、以上のような知見に基づいており、その目的は、筆記芯に高い筆圧が加えられた際に当該筆記芯の折損を回避することができると共に、筆記感が滑らかで、メンテナンス性に優れたシャープペンシルを提供することである。
本発明は、
「1.軸筒と、
前方領域が前記軸筒内において撓み変形可能あるいは傾動可能であるように後方領域が前記軸筒内に支持された、筆記芯を繰り出すための芯繰出ユニットと、
前記芯繰出ユニットの前方領域の外周面に設けられた張出部と、
前記軸筒の前記張出部よりも軸方向後方の内周面に設けられた突出部と、
前記張出部と前記突出部との間に圧縮状態で配置された伸縮可能な弾性体と、
を備え、
前記芯繰出ユニットは、
前記軸筒の内部で当該軸筒の軸方向に延在する芯パイプと、当該芯パイプの前端部に設けられたコネクタと、当該コネクタの前端部に固定されたチャックと、当該チャックの前方領域に外嵌された締めリングと、当該コネクタを軸方向後方に付勢するリターンスプリングと、外周面に被押圧部を設けた前筒部材と、前記張出部を設けた後筒部材と、
前記前筒部材に後方が収容され前記筆記芯が前後動可能に挿通する口金と、前記前筒部材に収容された筒状の保持部材と、前記口金の段部と前記保持部材の肩部との間に配されるコイルバネと、
を有しており、
前記保持部材は、当該保持部材に設けた外段が前記前筒部材に設けた内段に当接するよう、当該前筒部材に圧入固着され、
前記後筒部材は、前記保持部材の肩部の内面に当該後筒部材の前端部が当接するよう、当該後筒部材に設けた雌螺子が前記前筒部材に設けた雄螺子に螺合され、
前記締めリングは、前記保持部材の当接段部と前記後筒部材の内鍔との間で前後動し、
前記軸筒は、前方領域に押圧部を有しており、
前記押圧部と前記被押圧部との少なくとも一方は、軸方向後方に向かって次第に大径となるテーパ面であり、
前記芯繰出ユニットの前方領域が前記軸筒内において撓み変形あるいは傾動する前においては、前記押圧部と前記被押圧部とが互いに当接しており、前記芯繰出ユニットの前方領域が前記軸筒内において撓み変形あるいは傾動する際には、前記押圧部が前記被押圧部を当該軸筒に対して軸方向後方に相対移動させるようになっている
ことを特徴とするシャープペンシル。
2.前記張出部が円形状のフランジであり、当該フランジが外方及び後方が開放され放射状に複数配列した溝部を有し前記弾性体より大径であることを特徴とする前記1項に記載のシャープペンシル。」である。
本発明によれば、筆記芯に高い筆圧が加えられた際に、筆圧の軸方向に垂直な成分によって、芯繰出ユニットの前方領域が軸筒内において傾動される。これにより、筆記芯を含む芯繰出ユニットが弾性体の付勢力に対抗して軸筒に対して軸方向後方に相対移動されるため、口金の先端から露出される筆記芯の長さが減少される。更に、筆圧の軸方向の成分によって、筆記芯を含む芯繰出ユニットが弾性体の付勢力に対抗して軸筒に対して軸方向後方に更に相対移動され、口金の先端から露出される筆記芯の長さが一層減少される。これらのことにより、筆記芯に高い筆圧が加えられた際に当該筆記芯の折損が回避される。また、この時、口金が軸筒に対して軸方向前方に相対移動される(飛び出す)のではなく、筆記芯を含む芯繰出ユニットが口金に対して軸方向後方に相対移動されることによって、当該口金から露出される筆記芯の長さが減少される。このことにより、筆記感が滑らかなシャープペンシルを提供することができる。
また、口金内で筆記芯が折れた際には、芯繰出ユニットにおける前筒部材と後筒部材との螺合を外して口金内で折れた筆記芯を取り除くことができ、保持部材40bの肩部40dの内面に当該後筒部材45aの前端部が当接するよう、後筒部材45aに設けた雌螺子45hを前筒部材45bに設けた雄螺子45iに螺合させることで、締めリングが、保持部材40bの当接段部40cと後筒部材45aの内鍔45dとの間で前後動する距離を分解前と同じにすることができ、使用者が、一度の繰り出し操作にて繰り出される筆記芯の長さを分解前と同じ状態になるように芯繰出ユニットの組立を容易に行うことができる。
本発明のシャープペンシルは、前記芯繰出ユニットの先端領域に配置され、当該芯繰出ユニットに対して前記軸筒の軸方向に相対移動可能な口金を備え、前記芯繰出ユニットは、前記口金によって前端部が取り囲まれた芯繰出ユニット本体と、前記口金を当該芯繰出ユニット本体に抜け止め状態で保持する保持部材と、を有しており、シャープペンシルの組立時や分解時において、口金が不所望に芯繰出ユニットから抜け落ちることがないため、作業性が良好である。
また、更に、前記張出部を円形状のフランジとし、当該フランジに外方及び後方が開放され放射状に複数配列した溝部を形成し、前記弾性体より大径に形成することで、使用者が前筒部材と後筒部材とを螺合する場合、あるいは螺合を外す場合、使用者はフランジの後方から摘まむので、前筒部材と後筒部材とが互いに近付くように力が加えられた状態となり、この状態で回転方向の力が掛かるので、前筒部材と後筒部材との着脱がし易く、メンテナンス性が更に高いシャープペンシルを得ることができる。
尚、好ましくは、前記芯繰出ユニットの前記被押圧部が前記テーパ面であり、当該テーパ面は、前記軸筒の軸方向に対して20°〜60°の間のいずれかの角度を有しており、前記弾性体は、コイルバネであり、当該コイルバネによる付勢力に対抗して前記被押圧部を前記軸筒に対して軸方向後方に相対移動させるために必要な荷重は、0.5N〜8Nの間のいずれかの値である。
この場合、筆記芯に高い筆圧が加えられた際に、筆記芯を含む芯繰出ユニットが軸筒に対して軸方向後方に確実に相対移動され得るため、筆記芯の折損が回避される。一方、筆記芯に適正な筆圧が加えられている際に、筆記芯を含む芯繰出ユニットが軸筒に対して軸方向後方に実質的に相対移動されないため、書き味を損ねることがない。
本発明によれば、筆記芯に高い筆圧が加えられた際に当該筆記芯の折損を回避することができると共に、筆記感が滑らかで、メンテナンス性に優れたシャープペンシルを提供することができる。
本発明の実施の形態のシャープペンシルの概略縦断面図である。 筆記芯に筆圧が加えられていない場合の、図1のシャープペンシルの前方領域の概略縦断面図である。 筆記芯に筆圧が加えられている場合の、図1のシャープペンシルの前方領域の概略縦断面図である。 図1のシャープペンシルにおける芯繰出ユニットの部品の斜視図である。 図1のシャープペンシルにおける芯繰出ユニットの斜視図である。 口金内で折れた筆記芯を取り除く状態を示す芯繰出ユニットの斜視図である。 芯繰出ユニットの螺合を外した状態の斜視図である。
以下に、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態のシャープペンシル100の概略縦断面図であり、図2は、筆記芯70に筆圧が加えられていない場合の、図1のシャープペンシル100の前方領域の概略縦断面図であり、図3は、筆記芯70に筆圧が加えられている場合の、図1のシャープペンシル100の前方領域の概略縦断面図である。
本実施の形態のシャープペンシル100は、図1乃至図3に示すように、軸筒10と、軸筒10内に支持され、前方領域が当該軸筒10内において傾動可能な、筆記芯70を繰り出すための芯繰出ユニット40と、を備えている。本実施の形態の軸筒10は、ポリカーボネート製であり、後軸20と、後方領域が後軸20の前方領域に固定(螺着)された前軸30と、により構成されている。
本実施の形態の芯繰出ユニット40は、軸筒10の内部で当該軸筒10の軸方向に延在するポリプロピレン製の芯パイプ41と、芯パイプ41の前端部にコネクタ49を介して固定された黄銅製のチャック43と、チャック43の前方領域に外嵌された黄銅製の締めリング42と、チャック43を取り囲む外筒45と、外筒45に対して芯パイプ41を軸方向後方に付勢するリターンスプリング44と、を有している。
具体的には、図2及び図3に示すように、外筒45は、前方領域の内周面においてチャック43を支持すると共に後方領域の外周面に張り出したフランジ45c(張出部)を有する後筒部材45aと、後筒部材45aの前端領域に螺着されチャック43の前端部を超えて軸方向前方に延在する前筒部材45bと、を有している。また、後筒部材45aは、前端部に、内鍔45dを有しており、この内鍔45dとコネクタ49との間にリターンスプリング44が圧縮状態で配置されており、外筒45に対して芯パイプ41を軸方向後方に付勢している。この状態で、チャック43は、締めリング42によって締められて筆記芯70を後退しないように挟持している。
また、軸筒10(後軸20)は、外筒45のフランジ45cよりも軸方向後方の内周面に突出部21を有しており、この突出部21とフランジ45cとの間に、伸縮可能なコイルバネ60が圧縮状態で配置されている。このような構成により、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40は、コイルバネ60の付勢力に対抗して軸筒10に対して軸方向後方への相対移動が可能となっている。
また、フランジ45cの外径は、コイルバネ60の外径よりも大きくなっており、前軸30の後方領域の内径は、フランジ45cの外径よりも大きくなっており、前軸30の内周面とフランジ45cの外周面との間に隙間が形成されている。このことにより、軸筒10に対する芯繰出ユニット40の傾動が許容されている。フランジ45cの前端縁45eは、後筒部材45aの後端が当接しており、芯繰出ユニット40が傾動した場合には、フランジ45cの円形状の前端縁45eが前軸30の内周面に当接する。また、フランジ45cには、外方及び後方が開放された複数の放射状の溝部45fが形成されており、溝部45fはフランジ45cの前端縁45e側にないことから、前軸30の内周面に対してフランジ45cが一様に当接できるようになっている。
また、芯繰出ユニット40の先端領域には、黄銅製の口金52が取り付けられている。本実施の形態の口金52は、芯繰出ユニット40の先端領域に配置され、芯繰出ユニット40に対して軸筒10の軸方向に相対移動可能となっている。口金52は、図2及び図3に示すように、筆記芯70を案内する筒状の前方領域52aと、当該前方領域52aよりも大径のスリーブ状の後方領域52bと、によって構成されている。この後方領域52bは、前方の小径部52cと後方の拡径部52dとを有しており、小径部52cと拡径部52dとは肩部52eによって接続されている。
この口金52は、前筒部材45bと、当該前筒部材45bに内嵌固着した筒状の保持部材40bとによって抜け止め状態且つ軸筒10の軸方向にスライド可能な状態で、芯繰出ユニット本体40aの先端領域に取り付けられている。具体的には、図2及び図3に示すように、前筒部材45bは、口金52の後方領域52bを取り囲む筒状の本体部45gと、本体部45gの後端領域に形成された雌螺子部45hと、を有している。雌螺子部45hは、後筒部材45aの前端領域に形成された雄螺子部45iに螺着され、前筒部材45bと、後筒部材45aと、保持部材40bと、が一体に構成されている。保持部材40bは、締めリング42よりも軸方向前方の内周面に当該締めリング42の前進を途中で規制する当接段部40cを有している。
保持部材40bを前筒部材45bに内嵌固着する際には、保持部材40bに設けた外段45jが前筒部材45bに設けた内段45kに当接させてある。また、メンテナンス時において、後筒部材45aを前筒部材45bに螺合する際には、後筒部材45aの前端部を保持部材40bの肩部40dの内面に当接させることにより、当接段部40cと内鍔45dとの距離が一定となり、結果、締めリング42を前後動させて繰り出し操作を行うときに、メンテナンスの前後で変化することなく筆記芯を一定量ずつ繰り出すことができる。
尚、本実施例では、後筒部材45aの前端部が保持部材40bの肩部40dの内面に当接できるようにするために、フランジ45cの前端縁45eと前筒部材45bの後端との間には隙間Sを設けてある。
隙間Sを設けずに、フランジ45cの前端縁45eと前筒部材45bの後端とを当接させて、雌螺子部45hと雄螺子部45iとの螺合を完了させる構造も考えられるが、この場合には、後筒部材45aの前端部と保持部材40bの肩部40dの内面との間に隙間を設ける必要があり、口金52や保持部材40bや前筒部材45bあるいは後筒部材45aなど多くの部材の寸法精度が影響してしまうことから、好ましくない。
口金52は、後方領域52bが前筒部材45bの内部で軸方向にスライド可能に保持され、前筒部材45bからの不所望な抜け落ちが防止されている。この状態で、口金52の拡径部52dの中央部に形成した段部52fと保持部材40bの肩部40dとの間に、伸縮可能なコイルバネ55が圧縮状態で配置されている。また、軸筒10(前軸30)の前端は鍔部33を有する開口部となっており、この開口部から口金52の前方領域52aが前方へ突出している。このような構成により、芯繰出ユニット40が軸筒10に対して軸方向後方に相対移動された際にも、コイルバネ55の弾発力により、口金52と軸筒10の内鍔33との当接状態が維持されるようになっている。これにより、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40が軸筒10に対して軸方向後方に相対移動された際に、口金52の前端部から露出される筆記芯70の長さが減少されるようになっている。
前筒部材45bは、前端部に被押圧部53を有している。本実施の形態の被押圧部53は、軸筒10の軸方向に対して40°の角度を有するテーパ面として構成されている。また、軸筒10(前軸30)は、前方領域に内周面に張り出した押圧部32を有している。本実施の形態では、図2に示すように、芯繰出ユニット40が傾動する前においては、押圧部32と被押圧部53とが互いに当接している。そして、図3に示すように、芯繰出ユニット40が傾動する際に、押圧部32が被押圧部53を軸筒10に対して軸方向後方に相対移動させるようになっている。本実施の形態では、コイルバネ60のバネ定数は1600N/mであり、当該コイルバネ60による付勢力に対抗して被押圧部53(テーパ面)を軸筒10に対して軸方向後方に相対移動させるために必要な荷重は、5.0Nである。また、コイルバネ55のバネ定数は1000N/mであり、コイルバネ60の付勢力よりコイルバネ55の付勢力を小さく設定することで、図2に示す外筒45が静止した状態から、図3に示す外筒45が動き出す状態まで、口金52と軸筒10の内鍔33との当接状態が維持される。
また、図1に示すように、芯繰出ユニット40は、芯パイプ41の後端に取り付けられて芯パイプ41を外筒45に対して軸方向前方に押圧するためのノック部48を、更に有している。本実施の形態のノック部48は、軸方向前方に、芯パイプ41の後端領域に外嵌されるスリーブ部48aを有しており、軸方向後方に円柱状の消しゴム80を取外可能に保持するホルダ部48bを有している。スリーブ部48aの内部空間とホルダ部48bの内部空間とは、開口によって連通されている。このことにより、消しゴム80をホルダ部48bから取り外すことによって、当該開口から筆記芯70を芯ホルダ41内に投入できるようになっている。また、ホルダ部48bには、消しゴム80の後方を覆うドーム状のノブ81が取外可能に外嵌されている。
更に、本実施の形態では、後軸20の後端領域に頭冠23が固定されている。頭冠23の内周面には軸方向後方に面した段部23aが形成されている。また、ホルダ部48bの外周にフランジ部48cが形成されており、このフランジ部48cと段部23aとの間に、伸縮可能なスプリング48dが圧縮状態で配置されている。
次に、本発明の実施の形態のシャープペンシル100の作用について説明する。
まず、紙面に対して筆記を行うに先立ち、必要に応じて、ノブ81と消しゴム80とがホルダ部48bから取り外され、スリーブ部48aとホルダ部48bとを連通する開口を介して筆記芯70が芯パイプ41内に投入される。そして、消しゴム80とノブ81とがホルダ部48bに取り付けられ、口金52の前端が下方に向けられた状態でノック部48(ノブ81)が軸方向前方に向かって押圧(ノック)される。これにより、芯パイプ41、コネクタ49、チャック43及び締めリング42がリターンスプリング44の付勢力に対抗して前進させられる。この前進の途中で、締めリング42のみが外筒45の前筒部材45bに形成された当接段部40cに当接する。これにより、チャック43から締めリング42が後方に外され、当該チャック43が開放されて筆記芯70が繰り出される。押圧(ノック)時には、ノック部48のフランジ部48cと頭冠23の段部23aとの間に配置されたスプリング48dの付勢力によって、適度な抵抗感がもたらされる。
そして、ノック部48(ノブ81)の押圧状態が解除されると、芯パイプ41がチャック43と共にリターンスプリング44の付勢力によって後退させられる。これに伴って、締めリング42が再びチャック43の前方領域に外嵌され、チャック43が締められる。これにより、筆記芯70が後退しないように挟持され、筆記芯70が繰り出された状態が維持される。そして、この一連の押圧操作が適宜繰り返されることにより、口金52の先端から筆記芯70が所望の長さ露出される(繰り出される)(図2参照)。そして、使用者によって前軸30が把持され、紙面に対して筆記芯70を当接させつつ軸筒10を所望に移動させることによって、筆記が行われる。
筆記の際、軸筒10は、その軸方向が紙面に対して鋭角をなす(図2及び図3参照)ように把持されることが一般的である。このため、筆記芯70には、軸筒10の軸方向に垂直な成分と当該軸方向の成分とを含む筆圧が加えられる。本実施の形態のシャープペンシル100は、筆記時に筆記芯70に高い筆圧が加えられると、筆圧の軸方向に垂直な成分と軸方向の成分とをそれぞれ吸収して、口金52の先端から露出された筆記芯70の折損を回避する。
具体的には、図3に示すように、筆圧の軸方向に垂直な成分によって芯繰出ユニット40の前方領域が傾動し、前軸30の押圧部32によって前筒部材45bの被押圧部53が軸筒10の軸方向後方に押圧される。これにより、コイルバネ60の付勢力に対抗して、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40が軸筒10に対して軸方向後方に相対移動される。一方、口金52は、コイルバネ55によって保持部材40bに対して軸方向前方に付勢されているため、軸筒10に対して軸方向後方には相対移動されない。これらのことにより、口金52の先端から露出される筆記芯70の長さが減少される。
これと同時に、筆圧の軸方向の成分によって、筆記芯70が軸筒10に対して軸方向後方に押圧され得る。これにより、コイルバネ60の付勢力に対抗して、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40が軸方向後方に更に相対移動される。すなわち、口金52の先端から露出される筆記芯70の長さが一層減少され得て、当該筆記芯70の折損が回避される。
そして、筆記芯70に加えられている筆圧が弱められると、コイルバネ60の付勢力によって、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40が軸筒10に対して軸方向前方に押し戻される。これにより、初期状態(図2参照)が復元される。
以上のような本実施の形態によって、筆記芯70に高い筆圧が加えられた際に、筆圧の軸方向に垂直な成分によって、芯繰出ユニット40の前方領域が軸筒10内において傾動される。これにより、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40がコイルバネ60の付勢力に対抗して軸筒10に対して軸方向後方に相対移動されるため、口金52の先端から露出される筆記芯70の長さが減少される。更に、筆圧の軸方向の成分によって、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40がコイルバネ60の付勢力に対抗して軸筒10に対して軸方向後方に更に相対移動され、口金52の先端から露出される筆記芯70の長さが一層減少される。これらのことにより、筆記芯70に高い筆圧が加えられた際に当該筆記芯70の折損が回避される。また、この時、口金52が軸筒10に対して軸方向前方に相対移動される(飛び出す)のではなく、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40が口金52に対して軸方向後方に相対移動されることによって、口金52から露出される筆記芯70の長さが減少される。このため、口金52の先端と紙面とが当接した際には、筆圧をわずかに弱めるだけでコイルバネ60の付勢力によって口金52から露出される筆記芯70の長さが速やかに増大されるため、口金52の先端と紙面との引っ掛かりを速やかに解消することができる。
次に、本発明の実施の形態のシャープペンシル100の口金52内で折れた筆記芯70を取り除く状態について説明する。
図6及び図7に示すように、本実施の形態のシャープペンシル100は、後軸20と前軸30との螺合状態を解除することにより、芯繰出ユニット40を露出させることができる。また、図5に示すように、芯繰出ユニット40は、前筒部材45bと後筒部材45aとの螺合状態を解除することにより、口金52(保持部材40b)の内部で折れた筆記芯を取り除くことができる。本実施の形態の芯繰出ユニット40は、後筒部材45aのフランジ45cに、外方及び後方が開放された複数の放射状の溝部45fが形成されていることから、図5に示すように、前筒部材45bと後筒部材45aとを螺合する場合、あるいは螺合を外す場合、使用者はフランジ45cの後方から摘まむので、結果、図6の矢印X及び矢印−Xが示すように、前筒部材45bと後筒部材45aとが互いに近付くように力が加えられた状態となり、この状態で矢印Z及び矢印−Zが示す回転方向の力が掛かることで、前筒部材45bの雌螺子部45hと後筒部材45aの雄螺子部45iとの着脱がし易くなり、メンテナンス性が高いシャープペンシルを得ることができた。
また、メンテナンス時において、後筒部材45aを前筒部材45bに螺合する際には、後筒部材45aの前端部を保持部材40bの肩部40dの内面に当接させることで、当接段部40cと内鍔45dとの距離が一定となるため、締めリング42を前後動させて筆記芯70の繰り出し操作を行うときに、メンテナンスの前後で変化することなく筆記芯70を一定量ずつ繰り出すことができた。
10 軸筒
20 後軸
21 突出部
23 頭冠
23a 段部
30 前軸
32 押圧部
33 鍔部
40 芯繰出ユニット
40a 芯繰出ユニット本体
40b 保持部材
40c 当接段部
40d 肩部
41 芯パイプ
42 締めリング
43 チャック
44 リターンスプリング
45 外筒
45a 後筒部材
45b 前筒部材
45c フランジ
45d 内鍔
45e 前端縁
45f 溝部
45g 本体部
45h 雌螺子部
45i 雄螺子部
45j 外段
45k 内段
49 コネクタ
48 ノック部
48a スリーブ部
48b ホルダ部
48c フランジ部
48d スプリング
52 口金
52a 前方領域
52b 後方領域
52c 小径部
52d 拡径部
52e 肩部
52f 段部
53 被押圧部
55 コイルバネ
60 コイルバネ
70 筆記芯
80 消しゴム
81 ノブ
100 シャープペンシル

Claims (2)

  1. 軸筒と、
    前方領域が前記軸筒内において撓み変形可能あるいは傾動可能であるように後方領域が前記軸筒内に支持された、筆記芯を繰り出すための芯繰出ユニットと、
    前記芯繰出ユニットの前方領域の外周面に設けられた張出部と、
    前記軸筒の前記張出部よりも軸方向後方の内周面に設けられた突出部と、
    前記張出部と前記突出部との間に圧縮状態で配置された伸縮可能な弾性体と、
    を備え、
    前記芯繰出ユニットは、
    前記軸筒の内部で当該軸筒の軸方向に延在する芯パイプと、当該芯パイプの前端部に設けられたコネクタと、当該コネクタの前端部に固定されたチャックと、当該チャックの前方領域に外嵌された締めリングと、当該コネクタを軸方向後方に付勢するリターンスプリングと、外周面に被押圧部を設けた前筒部材と、前記張出部を設けた後筒部材と、
    前記前筒部材に後方が収容され前記筆記芯が前後動可能に挿通する口金と、前記前筒部材に収容された筒状の保持部材と、前記口金の段部と前記保持部材の肩部との間に配されるコイルバネと、
    を有しており、
    前記保持部材は、当該保持部材に設けた外段が前記前筒部材に設けた内段に当接するよう、当該前筒部材に圧入固着され、
    前記後筒部材は、前記保持部材の肩部の内面に当該後筒部材の前端部が当接するよう、当該後筒部材に設けた雌螺子が前記前筒部材に設けた雄螺子に螺合され、
    前記締めリングは、前記保持部材の当接段部と前記後筒部材の内鍔との間で前後動し、
    前記軸筒は、前方領域に押圧部を有しており、
    前記押圧部と前記被押圧部との少なくとも一方は、軸方向後方に向かって次第に大径となるテーパ面であり、
    前記芯繰出ユニットの前方領域が前記軸筒内において撓み変形あるいは傾動する前においては、前記押圧部と前記被押圧部とが互いに当接しており、前記芯繰出ユニットの前方領域が前記軸筒内において撓み変形あるいは傾動する際には、前記押圧部が前記被押圧部を当該軸筒に対して軸方向後方に相対移動させるようになっている
    ことを特徴とするシャープペンシル。
  2. 前記張出部が円形状のフランジであり、当該フランジが外方及び後方が開放され放射状に複数配列した溝部を有し前記弾性体より大径であることを特徴とする請求項1に記載のシャープペンシル。
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