JP6824104B2 - シャープペンシル - Google Patents
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Description
更に、特許文献1のシャープペンシルは、筆記芯を繰り出す芯繰出ユニットが、弾性体(スプリング)によって軸線方向前方(軸線方向における口金の前端方向)に付勢された状態で、軸筒の軸線方向に相対移動可能な状態で当該軸筒に支持されている。そして、筆記芯を含む芯繰出ユニットが軸筒の軸線方向後方に相対移動することによって、筆圧の軸線方向の成分が吸収される。この結果、口金の先端から露出される筆記芯の長さが一層減少されて、筆記芯の折損が低減されるようになっている。
「軸筒の内部に、
前方領域が前記軸筒内において撓み変形可能あるいは傾動可能であるように後方領域が前記軸筒内に支持された、筆記芯を繰り出すための芯繰出ユニットを配設し、
前記芯繰出ユニットが、筆記芯を保持する口金と、該口金が挿通されるベース部材と、前記軸筒に対して前進および回転が規制され内方に前後方向へ連続する係止溝を有した筒状の規制部材と、前記規制部材と前記ベース部材との間に配した弱コイルバネと、前記規制部材の係止溝に係止する係止突起を内方に有した筒状の内軸と、を備え、
前記規制部材と前記軸筒との間には、強コイルバネを有しており、
前記ベース部材と前記内軸との間には、該ベース部材の後方へ伸び該内軸との間に前後方向の隙間を設けた軸部を有しており、
前記ベース部材は、外周面に被押圧部を有しており、
前記軸筒は、押圧部を有しており、
前記押圧部と前記被押圧部との少なくとも一方は、軸方向後方に向かって次第に大径となるテーパ面であり、
前記芯繰出ユニットの前方領域が前記軸筒内において撓み変形あるいは傾動する前においては、前記押圧部と前記被押圧部とが互いに当接しており、
前記芯繰出ユニットの前方領域が前記軸筒内において撓み変形あるいは傾動する際には、前記軸部が前記内軸に当接するまで前記弱コイルバネを圧縮して、前記押圧部が前記被押圧部を当該軸筒に対して軸方向後方に相対移動させ、前記軸部が前記内軸に当接した後には、前記強コイルバネを圧縮して、前記押圧部が前記被押圧部を当該軸筒に対して軸方向後方に相対移動させ、
前記軸筒に設けた操作体を操作することで、前記操作体に連接された前記内軸が前後動し、該内軸の係止突起が前記規制部材の係止溝を前後動しながら係止され、前記内軸と前記軸部との前後方向の隙間が伸縮する構造を特徴としたシャープペンシル。」である。
さらには、係止溝を前後方向に螺旋が連続する雌螺子で形成し、係止突起を雄螺子で形成することにより、互いに係止される箇所が増加するので、係止状態を安定させることができる。
また、規制部材の係止溝を軸心に沿った前後方向に複数の凹部を連続させて形成し、内軸の係止突起を前記複数の連続する凹部に段階的に係止できるバネ性を有した凸部とすることも可能である。あるいは、規制部材の係止溝の内側面をエラストマなどで摩擦抵抗が生じる材質で直線状に形成し、内軸の係止突起を前記係止溝の内巾より若干大きく形成し、係止溝に対して係止突起が摩擦抵抗で係止できるようにすることも可能である。
これらの場合には、操作体の前後操作により、内軸と軸部との前後方向の隙間を伸縮させる構造にすることができる。
また、外筒45の外方にはベース部材51が摺動可能に配設され、ベース部材51の前方には口金52が摺動可能に挿着されている。
ベース部材51は、前端部に被押圧部53を有している。
弱コイルバネ60aと強コイルバネ60bとは、弱コイルバネ60aの圧縮長さを規制する円筒状の規制部材61を介して接続されている。強コイルバネ60bの後端は、後軸20の前端に当接しており、強コイルバネ60bの前端は規制部材61の後方段部61aに当接しており、規制部材61の前端は弱コイルバネ60aの後端に当接しており、弱コイルバネ60aの前端はベース部材51に形成したフランジ部45cの後端に当接している。
このような構成により、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40は、弱コイルバネ60aおよび強コイルバネ60bの付勢力に対抗して軸筒10に対して軸方向後方への相対移動が可能となっている。
本実施の形態では、弱コイルバネ60aのバネ定数は、700N/mであり、強コイルバネ60bのバネ定数は、1000N/mである。
また、芯繰出ユニット40の先端領域には、黄銅製の前記口金52が取り付けられている。本実施の形態の口金52は、芯繰出ユニット40の前端領域に固定された黄銅製の筒状のベース部材51に軸方向に相対移動可能に支持されており、当該ベース部材51と共に口金ユニット50を構成している。
口金52の後方領域52bの後端部とベース部材51の段部54との間に、伸縮可能なスプリング55が圧縮状態で配置されている。前方領域51aの内周面と芯繰出ユニット40の外周面との間には円筒状の隙間が形成されており、この隙間に、前記口金52が挿入されている。
この状態で、口金52の後方領域52bの後端部とベース部材51の段部54との間に、伸縮可能なスプリング55が圧縮状態で配置されている。このような構成により、芯繰出ユニット40が軸筒10に対して軸方向後方に相対移動された際にも、口金52と軸筒10の内鍔32との当接状態が維持されるようになっている。これにより、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40が軸筒10に対して軸方向後方に相対移動された際に、口金52の前端部から露出される筆記芯70の長さが減少されるようになっている。
また、棒状部材46aと芯パイプ41との間に形成された隙間S1は、軸筒10に対して芯繰出ユニット40が後方へ後退した際に、その移動量を吸収できるようになっている。
本実施の形態においては、隙間S1を2mmとしてある。
回転操作体24の内周面には軸方向後方に面した段部24aが形成されている。また、ホルダ部46bの外周にはフランジ部46cが形成されており、このフランジ部46cと段部24aとの間に、伸縮可能なスプリング46dが圧縮状態で配置されている。
また、第二内軸25bの前方外面には雄螺子25f(係止突起)を設けてあり、前記規制部材61に設けた雌螺子61b(係止溝)と回転可能に螺合させてある。
規制部材61は、前端が前軸30の内面に設けた段部30aに当接され、後方から前記強コイルバネ60bで弾発されていることから、前方移動と回転とが規制されている。したがって、回転操作体24を回転操作した際には、規制部材61の雌螺子61bにより第二内軸25bの雄螺子25fが回転しながら前後動し、第二内軸25bの前端が最も軸部71の後端から遠くなる図2に示した第一の状態から、第二内軸25bの前端が最も軸部71の後端から近く接触した状態となる図3に示した第二の状態へ、隙間S2を伸縮させることができる。図1の隙間S2は第一の状態と第二の状態との半分の長さである。
本実施の形態においては、隙間S2が0〜2mmの範囲で伸縮するようにしてある。
図2に示したシャープペンシル1は隙間S2が2mmの状態であり、図3に示したシャープペンシル1は隙間S2が0mmの状態であり、図1に示したシャープペンシル1は隙間S2が1mmの状態である。
これにより、棒状部材46aを介して、芯パイプ41、コネクタ49、チャック43及び締めリング42がリターンスプリング44の付勢力に対抗して前進させられる。この前進の途中で、締めリング42のみが外筒45の前筒45bに形成された当接段部45dに当接する。これにより、チャック43から締めリング42が後方に外され、当該チャック43が開放されて筆記芯70が繰り出される。押圧(ノック操作)時には、ノック部46のフランジ部46cと回転操作体24の段部24aとの間に配置されたスプリング46dの付勢力によって、適度な抵抗感がもたらされる。
本実施の形態においては、棒状部材46aと芯パイプ41との間の隙間S1の2mmと、チャック43が筆記芯70を繰り出す際の移動量4mmが必要となることから、ノック部46のノックストロークは6mmを必要とする。
シャープペンシル1は、筆圧の軸方向に垂直な成分によって芯繰出ユニット40の前方領域が傾動し、前軸30の押圧部31によってベース部材51の被押圧部53(テーパ面)が軸方向後方に押圧される。これにより、弱コイルバネ60aや強コイルバネ60bの付勢力に対抗して、筆記芯70を含む芯繰出ユニット40が軸筒10に対して軸方向後方へ相対移動される。
一方、口金52は、スプリング55の付勢力によってベース部材51に対して軸方向前方に押圧されているため、軸筒10に対して軸方向後方には相対移動されない。これらのことにより、口金52の先端から露出される筆記芯70の長さが減少される。
隙間S2を広くした場合には(図2参照)、弱コイルバネ60aが圧縮変形される距離が長くなることから、筆記芯70に比較的弱い荷重(2N)が掛かった際でも、芯折れ防止機能が働きやすくなり、隙間S2を狭くした場合には、弱コイルバネ60aが圧縮変形される距離が短くなることから、筆記芯70に比較的弱い荷重が掛かった際の芯折れ防止機能が働き難くなり、強コイルバネ60bで設定された比較的強い荷重(7N)で芯折れ防止機能を働かせることができるようになる。尚、回転操作体24を回転操作して、隙間S2を0mmにした場合には(図3参照)、弱コイルバネ60aの圧縮変形は行われないことから、比較的弱い荷重で芯折れ防止機能が働くことはなく、強コイルバネ60bで設定した比較的強い荷重(7N)の際に芯折れ防止機能が働くようにすることができる。
これにより、本実施の形態のシャープペンシル1は、使用者が、筆記芯70の強度に応じて、あるいは好みに応じて、芯折れ防止機能が作動する状況を設定することが可能である。
10…軸筒、
20…後軸、
23…頭冠、
24…回転操作体、24a…段部、24b…雌螺子、
25…内軸、25a…第一内軸、25b…第二内軸、25c…雄螺子、25d…キー溝、25e…突起、25f…雄螺子、25g…段部、
26…スプリング、
30…前軸、30a…段部、31…押圧部、32…内鍔、
40…芯繰出ユニット、
41…芯パイプ、
42…締めリング、
43…チャック、
44…リターンスプリング、
45…外筒、
45a…後筒、
45b…前筒、
45c…フランジ部、
45d…当接段部、
46…ノック部、
46a…棒状部材、
46b…ホルダ部、
46c…フランジ部、
46d…スプリング、
49…コネクタ、
50…口金ユニット、
51…ベース部材、51a…前方領域、51b…後方領域、
52…口金、52a…前方領域、52b…後方領域、
53…被押圧部、
54…段部、
55…スプリング、
60a…弱コイルバネ、
60b…強コイルバネ、
61…規制部材、61a…後方段部、61b…雌螺子、
70…筆記芯、
71…軸部、
80…消しゴム、
81…ノブ、
S1…隙間、
S2…隙間。
Claims (1)
- 軸筒の内部に、
前方領域が前記軸筒内において撓み変形可能あるいは傾動可能であるように後方領域が前記軸筒内に支持された、筆記芯を繰り出すための芯繰出ユニットを配設し、
前記芯繰出ユニットが、筆記芯を保持する口金と、該口金が挿通されるベース部材と、前記軸筒に対して前進および回転が規制され内方に前後方向へ連続する係止溝を有した筒状の規制部材と、前記規制部材と前記ベース部材との間に配した弱コイルバネと、前記規制部材の係止溝に係止する係止突起を内方に有した筒状の内軸と、を備え、
前記規制部材と前記軸筒との間には、強コイルバネを有しており、
前記ベース部材と前記内軸との間には、該ベース部材の後方へ伸び該内軸との間に前後方向の隙間を設けた軸部を有しており、
前記ベース部材は、外周面に被押圧部を有しており、
前記軸筒は、押圧部を有しており、
前記押圧部と前記被押圧部との少なくとも一方は、軸方向後方に向かって次第に大径となるテーパ面であり、
前記芯繰出ユニットの前方領域が前記軸筒内において撓み変形あるいは傾動する前においては、前記押圧部と前記被押圧部とが互いに当接しており、
前記芯繰出ユニットの前方領域が前記軸筒内において撓み変形あるいは傾動する際には、前記軸部が前記内軸に当接するまで前記弱コイルバネを圧縮して、前記押圧部が前記被押圧部を当該軸筒に対して軸方向後方に相対移動させ、前記軸部が前記内軸に当接した後には、前記強コイルバネを圧縮して、前記押圧部が前記被押圧部を当該軸筒に対して軸方向後方に相対移動させ、
前記軸筒に設けた操作体を操作することで、前記操作体に連接された前記内軸が前後動し、該内軸の係止突起が前記規制部材の係止溝を前後動しながら係止され、前記内軸と前記軸部との前後方向の隙間が伸縮する構造を特徴としたシャープペンシル。
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2017
- 2017-04-28 JP JP2017089561A patent/JP6824104B2/ja active Active
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