JP6612108B2 - シャープペンシル - Google Patents
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Description
この点を考慮して特許文献1に記載のシャープペンシルでは、ノック部を小ストロークすることにより芯を軸筒先端より繰り出し、前記ノック部を大ストロークすることにより軸筒先端から突出した芯を引き戻して軸筒内に収納できる構成のシャープペンシルが開示されている。
ここで特許文献1のシャープペンシルを詳述すると、ノック部を小ストロークした際には、チャックに外嵌された第一の締具から該チャックを係脱して芯を軸筒先端より繰り出すことができ、ノック部を大ストロークした際には、前記第一の締具の前方に配した第二の締具に前記チャックを係合させ、その状態で当該チャックを後退させることによりチャックで挟持された芯を軸筒内部へ引き戻し、収納できるようにしてある。
したがって特許文献1のシャープペンシルは、芯の繰り出し及び芯の収納を、机や指に芯を触れさせることなく行うことができるが、芯の繰り出し及び芯の収納動作の切り替えには、ノック部をノック操作する際のストローク量を微調整する必要があるため、芯の繰り出しと芯の収納との誤作動を起こしてしまう可能性がある。
したがって特許文献2のシャープペンシルでは、前記特許文献1と異なり芯の繰り出しと芯の収納との誤作動を防止することはできるが、芯を繰り出す際には、両手で先軸に対して後軸を回転させる回転操作となり、芯を軸筒内に引き戻して収納する際には、ノックカバーを大ストロークさせるノック操作となり、芯の出没において異なる操作が必要で煩わしさがある。
「軸筒の内部に、筆記用の芯を収容する芯タンクと該芯を挟持するチャックと該チャックの頭部に外嵌される締具と当該チャックの後部に固着されたコネクターとを有した芯繰出ユニットを備え、前記締具の前方に前後動可能な環状体が配設されており、前記芯繰出ユニットの前進により前記芯を前記軸筒の先端より繰り出し、前記チャックの頭部が前記締具から離間し前記芯が該チャックに挟持された状態から開放され、更なる前記芯繰出ユニットの前進により、前記チャックの頭部が前記環状体に挿嵌されて前記芯が該チャックで挟持された状態とし、前記状態による前記芯繰出ユニットの後退に伴って前記芯を後退させることができるシャープペンシルであって、前記軸筒の内部に、前記コネクターに軸支され重力で軸周方向へ回動する回動体が設けられており、前記回動体は切欠部を備えたCリング部と前記Cリング部から外方へ向って突出するプレート部とを備え、前記芯繰出ユニットの外面または前記軸筒の内面に、該芯繰出ユニットが前進した際に前記回動体のプレート部と当接して当該芯繰出ユニットの前進を規制する突部が設けられていることを特徴としたシャープペンシル。」である。
また、目印を視覚だけでなく触感でも認識できるようにしたい場合には、軸筒の外面に凹凸部を設けて使用者の手に触れるようにすればよい。例えば軸筒の外面から突出するクリップの挟持片は、軸筒の長手方向に沿って設けられることから、軸筒を把持する使用者の手に対して触れる機会が多く、それを目印として設定した場合の効果が高いものである。
よって、軸筒先端から突出した芯を一度の動作で芯を大きく引き戻して軸筒内に収納したい場合は締具が前進する長さと環状体が後退する長さの差を大きく設定すればよく、軸筒先端からの芯の出長さを調整するために芯を少し戻したい場合は前記差を小さく設定すればよい。
また、後部筒部材4は、筒状の外筒部4aと、外筒部4aの側面から前方に向かって延びる挟持片4bとを備え、挟持片4bと軸部材2との間にノートや胸ポケット等を挟むことでクリップとして機能するように構成してある。
これにより、チャック7、コネクター8、芯タンク9、締具10及びチャックスプリング12により芯6を繰り出すために前後動する芯繰出ユニット30が構成されている。
尚、連結部11は、軸部材2の前端と軸部材2に螺合された先口3の第一内段部3bとで連結具11を挟むことにより軸筒20内に固定されている。
更に、先口3には芯6を適度の力で保持する合成ゴムで形成した芯ホルダー13を内蔵してある。
尚、締具10が移動可能な長さL1は環状体14が移動可能な長さL2に対して小さくしてある。本実施例ではL1とL2の差を3mmに設定してある。
回動体16と外周溝8eとの接触部の摩擦抵抗を軽減するために、本実施例では、外周溝8eに潤滑性のあるシリコンオイルを塗布したうえで回動体16のCリング部16bを外周溝8eに取り付けてある。これにより、回動体16は、コネクター8を軸にして滑らかに回動し、外方へ突出したプレート部16cがコネクター8に対して重力が働く方向Gに位置するように移動することができた。
内筒部4cの外面の対向した2カ所には、内筒部4cの内外を連通し前後に伸びるガイド孔4dを形成してある。また、内筒部4cには外方に突出する係止凸部4eを形成してあり、係止凸部4eを軸部材2に形成した係止孔2cに嵌着し、軸部材2に対して後部筒部材4が回転したり外れたりしないようにしてある。
また、ノック体17の外面に形成した係止突起17dは、後部筒部材4の内筒部4cに形成したガイド孔4dに係止されており、係止突起17dがガイド孔4dの後端に当接することで、ノック体17が後部筒部材4より抜け出さないように構成してある。
更に、ノック体17には外周上に突出したスプリング受部17eが形成されている。また、スプリング受部17eと後部筒部材4の後孔段部4fとの間にノックスプリング18を張架することでノック体17を後方へ弾発してある。
本発明のシャープペンシル1は、クリップである狭持片4bを上方側になるように軸筒20を軸周方向に回動すると、軸部材2の内面2aに形成した突部2bが狭持片4bに対して軸心を挟んで反対側となる下方側に配置され、回動体16のプレート部16cがその重さにより重力が働く方向Gである下方側に移動して図2に示した状態となる。この状態でノックスプリング18の弾発力に抗して操作体であるキャップ5を前方にノック操作すると、キャップ5と共にノック体17が前進し、ノック体17の底部17cが芯タンク9の後端に当接し、ノック体17に押されて芯タンク9、コネクター8及びチャック7がチャックスプリング12を圧縮しながら前進する。この際、チャック7に締具10が外嵌されていることから芯6も一緒に前進するが、締具10が先口3の第ニ内段部3cの後端に当接した際に、チャック7の頭部7aから締具10が離間して芯6が開放され、芯6の前進は停止する。このとき、コネクター8と共に回動体16も前方へ移動するが、図6に示すように回動体16のプレート部16cが軸部材2の突部2bに当接することで、コネクター8、チャック7、芯タンク9、ノック体17及びキャップ5の前進が規制される。
このノック操作を複数回繰り返すことで、チャック7により前方へ繰り出された芯6は先口3の先端開口部3aより突出し、筆記可能な状態となる。
図2に状態から軸筒20を回動させて狭持片4bを重力が働く方向Gである下方側にして保持すると、図7に示すように、軸部材2の内面2aに形成した突部2bは重力が働く方向Gに対して上方側に配置される。
この際、軸筒20の軸心が図2に示すように重力が働く方向Gに対して直交した状態、つまり軸筒20を地面に対して水平の状態にして軸周方向に回動させた場合には、回動体16を回動させるための錘となるプレート部16cは軸心に対して重力が働いている方向Gである下方側から動くことはない。
尚、軸筒20を地面に対して水平でない状態で軸周方向に回動させた場合には、Cリング部16dと外周溝8eとの接触抵抗により回動体16が軸筒20と一緒に回動することがある。しかしながら、軸筒20を地面に対して水平に近付けていくと、回動体16のプレート部16cはその重みによって軸心に対して重力が働いている方向Gである下方側へ移動する。
この回動体16のプレート部16cが下方側にある状態で、ノックスプリング18の弾発力に抗して操作体としてのキャップ5を前方にノック操作すると、キャップ5に押されてノック体17、芯タンク9、コネクター8及びチャック7がチャックスプリング12を圧縮しながら前進する。この際、チャック7に締具10が外嵌されていることから芯6も一緒に前進するが、締具10が先口3の第ニ内段部3cの後端に当接した際に、チャック7の頭部7aから締具10が離間して芯6が開放され、芯6の前進は停止する。このとき、コネクター8と共に回動体16も前方へ移動するが、図7に示すように回動体16のプレート部16cが軸部材2の突部2bに当接することはなく、前述したノック操作によりコネクター8、チャック7、芯タンク9、ノック体17及びキャップ5は更に前進する。チャック7が更に前進することでチャック7の頭部7aが環状体14の後端14aに当接し、環状体14がチャック7に押されて前進し、環状体14の前端14bが先口3の第三内段部3dに当接すると、環状体14にチャック7の頭部7aが挿嵌されて、再びチャック7に芯6が挟持される。尚、チャック7の前進は回動体16が連結具11の後端部11bに当接することで停止される。
本実施例では、前述したように、L2からL1引いた長さを3mmに設定してあるため、先口3の先端開口部3aからの芯6の出長さが3mmを超えなければ一度の引き戻し動作で芯6を軸筒20内に収納可能である。また、一度の動作で収納できなかったとしても、複数回の引き戻し動作を行うことで芯6を先口3内に引き戻し収納することができる。
この状態で軸筒20を前後に振ることにより、芯タンク9に遊嵌された重量体15を前進させ、重量体15がコネクター8の当接部8dに当接した際の衝撃力によりコネクター8及びチャック7が前進する。この際、チャック7に締具10が外嵌されていることから芯6も一緒に前進するが、締具10が先口3の第ニ内段部3cの後端に当接した際に、チャック7の頭部7aから締具10が離間して芯6が開放され、芯6の前進は停止する。このとき、コネクター8と共に回動体16も前方へ移動するが、図7に示すように回動体16のプレート部16cが軸部材2の突部2bに当接することはなく、前述した衝撃力によりコネクター8及びチャック7は更に前進し、環状体14にチャック7の頭部7aが挿嵌され、再びチャック7に芯6が挟持される。その後、チャックスプリング12の弾発力でコネクター8及びチャック7は後方へ移動し、環状体14に頭部7aが挿嵌したチャック7に挟持されている芯6も後方へ移動する。尚、チャック7の後退に合わせて後方へ移動する環状体14は、後端14aが先口3の第二内段部3cの前端に当接することにより、チャック7から離間して芯6を開放し、芯6の後退は停止する。その後もチャック7はチャックスプリング12の弾発力で更に後退し、チャック7に締具10が外嵌されて芯6を挟持し、コネクター8及びチャック7が図2に示した位置まで戻り芯6の引き戻しが完了する。
2…軸部材、2a…内面、2b…突部、2c…係止孔、
3…先口、3a…先端開口部、3b…第一内段部、3c…第ニ内段部、
3d…第三内段部、
4…後部筒部材、4a…外筒部、4b…狭持片、4c…内筒部、4d…ガイド孔、
4e…係止凸部、4f…後孔段部、
5…キャップ、5a…前端、
6…芯、
7…チャック、7a…頭部、
8…コネクター、8a…基部、8b…弾性片、8c…凸部、8d…当接部、
8e…外周溝、
9…芯タンク、
10…締具、
11…連結具、11a…前端部、11b…後端部、
12…チャックスプリング、
13…芯ホルダー、
14…環状体、14a…後端、14b…前端、
15…重量体、
16…回動体、16a…切欠部、16b…Cリング部、16c…プレート部、
17…ノック体、17a…消しゴム挿入部、17b…前孔、17c…底部、
17d…係止突起、17e…スプリング受部、
18…ノックスプリング、
19…消しゴム、
20…軸筒、
30…芯繰出ユニット、
G…重力が働く方向、
L1…締具が移動可能な長さ、
L2…環状体が移動可能な長さ。
Claims (1)
- 軸筒の内部に、筆記用の芯を収容する芯タンクと該芯を挟持するチャックと該チャックの頭部に外嵌される締具と当該チャックの後部に固着されたコネクターとを有した芯繰出ユニットを備え、前記締具の前方に前後動可能な環状体が配設されており、前記芯繰出ユニットの前進により前記芯を前記軸筒の先端より繰り出し、前記チャックの頭部が前記締具から離間し前記芯が該チャックに挟持された状態から開放され、更なる前記芯繰出ユニットの前進により、前記チャックの頭部が前記環状体に挿嵌されて前記芯が該チャックで挟持された状態とし、前記状態による前記芯繰出ユニットの後退に伴って前記芯を後退させることができるシャープペンシルであって、前記軸筒の内部に、前記コネクターに軸支され、重力で軸周方向へ回動する回動体が設けられており、前記回動体は切欠部を備えたCリング部と前記Cリング部から外方へ向って突出するプレート部とを備え、前記芯繰出ユニットの外面または前記軸筒の内面に、該芯繰出ユニットが前進した際に前記回動体のプレート部と当接して当該芯繰出ユニットの前進を規制する突部が設けられていることを特徴としたシャープペンシル。
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