JP6736762B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Description
略水平に配置されるシリンダ部、及びクランクケースを有し、前記車体フレームにリンク部材を介して揺動可能に支持されるユニットスイングエンジンと、
前記ユニットスイングエンジンに接続され、排気管および該排気管の途中に配置される触媒装置を具備した排気装置と、を備える鞍乗型車両において、
前記リンク部材は、前記クランクケースの上方に配置され、
側面視で、前記触媒装置の少なくとも一部は、
前記シリンダ部よりも下方に配置され、
前記リンク部材を前記車体フレームに連結するリンク部材連結部と、前記クランクケースの前端とを結ぶ仮想線と、
前記排気管の端が接続される前記ユニットスイングエンジンの排気管接側部と、前記リンク部材連結部とを結ぶ仮想線との間の領域に位置し、
前記クランクケースと排気装置を連結する排気装置連結部が設けられたことを特徴とする鞍乗型車両である。
ることができる。
前記クランクケース側ステーと前記排気装置側ステーとを、車幅方向でオフセットするように配置し、前記クランクケース側ステーと前記排気装置側ステーとを、車幅方向に重ね合わせて連結するようにしてもよい。
前記排気管は、前記触媒装置を収容する触媒装置収容排気管を有し、
前記触媒装置収容排気管は、前記触媒装置を収容する触媒ケース部を備え、
前記触媒装置収容排気管は、排気ガス流れ方向に沿って分割される第1半体と第2半体を有し、前記第1半体と前記第2半体のそれぞれの接合縁部が合わされて一体とされる構造であり、
前記触媒装置収容排気管の触媒ケース部は、前記触媒装置を保持する縮径部を備え、
前記触媒装置収容排気管の分割方向に対して垂直に切断した場合の前記縮径部と同じ断面における前記接合縁部は、前記触媒装置の外径よりも大きい拡径部とされたことを特徴とする鞍乗型車両の排気装置である。
鞍乗型車両 前記触媒の中心軸線が、前記排気管の前記湾曲部の中心軸線に対し湾曲方向外側にオフセットされ、
前記排気管の前記中心軸線に対し湾曲方向外側、且つ、前記触媒の上流に拡散部材が配置されたことを特徴とする鞍乗型車両の排気装置である。
鞍乗型車両1は、シート10に着座した乗員が足を載せる低床のステップフロア11を有するスクータ型の自動二輪車であり、車体フレーム12の前方に前輪2を有し、駆動輪である後輪3は、車両後部に配置されるユニットスイングエンジン13に軸支されている。
鞍乗型車両1は、車体フレーム12等の車体を覆う車体カバー16を備える。
図1〜図3を参照し、車体フレーム12は、前端に設けられるヘッドパイプ17と、ヘッドパイプ17から後下方に延びるダウンフレーム18と、ダウンフレーム18の下端から後方へ略水平に延びる左右一対のロアフレーム19,19(フレーム)と、ロアフレーム19,19の後端から後上がりに延びる左右一対のシートフレーム20,20とを備える。
ロアフレーム19,19及びシートフレーム20,20は、前後方向に延びるパイプ状に形成されている。
各シートフレーム20は、各ロアフレーム19から後上がりに延びる傾斜部21と、傾斜部21の後端から略水平に車体フレーム12の後端まで延びる水平部22とを備える。
傾斜部21,21の前端部には、後方に行くに連れて互いの車幅方向の間隔が大きくなるように傾斜する拡幅部21a,21aが設けられている。
また、車体フレーム12は、傾斜部21,21の拡幅部21a,21aを車幅方向に繋ぐボックス支持フレーム26と、拡幅部21a,21aの外側面から車幅方向外側にそれぞれ延出する左右一対の支持フレーム27,27とを備える。
さらに、車体フレーム12は、シートフレーム20,20の傾斜部21,21の後面から方向に突出するエンジンブラケット28,28を左右一対備える。
シリンダ部35は、クランクケース34側から順に、シリンダブロック35a、シリンダヘッド35b及びヘッドカバー35cを備える。シリンダ部35の軸線35d、すなわちピストンが往復運動するシリンダブロック35aのシリンダボアの軸線は、やや前上がりの姿勢で略水平に延びる。シリンダ部35の軸線35dは、車両前後方向に延出する。クランクケース34は、クランクケース割面CSにて分けられた左右割のケースである。図5に示されるように、鞍乗型車両1の下面視において、クランクケース割面CSを通る線を、仮想線Cと定義する。
エアクリーナボックス40は、アーム部31に支持され、アーム部31の上方に位置する。上記スロットルボディは、エアクリーナボックス40の前方且つユニットスイングエンジン13の上方に配置され、その下流端がシリンダヘッド35bの上面の吸気ポート(不図示)に接続される。
エアクリーナボックス40から吸入された外気は、図示されない燃料噴射弁から噴霧される燃料と混合されて混合気となり、エンジン30の吸気ポートから気筒部(不図示)へと送られて燃焼され、排気ポート30cから排気装置120へと送られる
アーム部31は、クランクケース34の左後部から後方に延び、後輪3の左側方(他側側方)に位置する。後輪3は、アーム部31の後端部の後輪車軸31aに軸支され、アーム部31によって片持ちで支持される。
すなわち、マフラー37は、クランクケース割面CSを通る仮想線C(図3)上に位置する後輪3に対し、車幅方向の一側(右側)に配置され、アーム部31は、後輪3に対し、車幅方向の他側(左側)に配置される。
リンク部材38は、シートフレーム20,20のエンジンブラケット28,28を車幅方向に繋ぐピボット軸39(連結部)を介して車体フレーム12に連結される。ユニットスイングエンジン13は、ピボット軸39を中心に揺動する。
アーム部31とシートフレーム20との間には、ユニットスイングエンジン13の揺動を減衰するリアサスペンション42が掛け渡される。
また、車体カバー16は、ロアフレーム19,19を下方から覆うアンダーカバー48と、ロアフレーム19,19を上方から覆うステップフロア11と、シート10の下方でシートフレーム20,20及び収納ボックス41を側方から覆う左右一対のリアサイドバー49と、シート10の下方で収納ボックス41及びシリンダ部35を前方から覆うセンターロアカバー50とを備える。
また、鞍乗型車両1は、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー9を備える。
鞍乗型車両1を車幅方向に傾斜した状態で駐車させるサイドスタンド52は、左側(車幅方向の他側)のロアフレーム19の後部に取り付けられており、シリンダ部35の前方に位置する。サイドスタンド52は、シリンダ部35の前方でロアフレーム19に設けられたサイドスタンド回動軸52aを介して支持されており、サイドスタンド回動軸52aを中心に回動することで、格納状態または駐車状態とされる。
図4は、ユニットスイングエンジン13の周辺部の構造を示す右側面図である。図5は、ユニットスイングエンジン13の周辺部を下方から見た平面図である。図6は、ユニットスイングエンジン13の周辺部を右下方側から見た斜視図である。なお、図4〜図6では、サイドスタンド52及びセンタースタンド51等は不図示である。
図4〜図6を参照し、ユニットスイングエンジン13は、収納ボックス41の下方且つシートフレーム20,20の傾斜部21,21の後方に配置され、リンク部材38を介し、シートフレーム20,20から吊り下げられるようにして支持されている。
シリンダ部35は、クランクケース34から前方へ延び、ボックス支持フレーム26の下方でシートフレーム20,20の拡幅部21a,21aの間に位置している。詳細には、シリンダヘッド35bが拡幅部21a,21aの間に位置し、ヘッドカバー35cは拡幅部21a,21aよりも前方に延びている。ヘッドカバー35cは、クロスメンバ23よりも後方に位置する。
冷却ファン55は、クランクケース34から車幅方向の一側に突出するクランク軸33の軸端部に固定されており、エンジン30の運転時にクランク軸33と一体に回転することで、エンジン30を冷却する冷却風を送風する。
ファンカバー57は、クランクケース34の一側側面に取り付けられて冷却ファン5を覆う。ファンカバー57は、外側面に、ファンカバー57内を外側に連通させる空気取り入れ口57aを有する。
シリンダカバー58は、シリンダヘッド35bの下面を覆う下面部に、下方へ開口する排気管通し孔58aを備える。
クランクケース34の下部には、エンジン30の内部を潤滑するオイルが貯留されるオイルパン部34bが設けられており、オイルパン部34bは、ファンカバー57の下縁よりも下方に膨出している。前端34aは、オイルパン部34bの前端である。
アクチュエータ82は、感温式であり、リンク機構83に接続された駆動部が、エンジン30の熱によって膨張及び収縮する。アクチュエータ82は、エンジン30の熱を検知し易いように、オイルパン部34bの近傍に配置され、クランクケース34の下部の一側側面に位置している。
リンク機構83は、クランクケース34の一側側方且つ冷却ファン55の前方で上下に延びて配置され、可動ルーバー81とアクチュエータ82とを連結する。
開閉機構80は、例えば、エンジン30が所定の温度以下の場合には、空気取り入れ口57aを閉じて、エンジン30の暖気を促進し、エンジン30の温度が高温になった状態では、空気取り入れ口57aを開いてエンジン30の空冷を促進する。
ルーバーカバー85は、カバー本体部84に取り付けられる板状のベース部85aと、ベース部85aから車幅方向外側に延出する筒状部85bと、リンク機構83を外側方から覆うリンクカバー部85cと、アクチュエータ82を外側方から覆うアクチュエータカバー部85dとを備える。
空気取り入れ口57aは、筒状部85bの車幅方向の外端に設けられた開口である。この開口には、格子状のガード部材が設けられている。
触媒装置140を含む排気装置120は、図4に示されるように、シリンダ部35及びクランクケース34の下方の空間Rを利用して配置され、後述するようにユニットスイングエンジン13に固定されているため、ユニットスイングエンジン13と一体にピボット軸39を中心に揺動する。
触媒装置収容排気管131は、上流側排気管122に連なって、後方から左方に向かうように湾曲して形成された排気管部131aと、該排気管部131aより拡径されて内部に触媒装置140が収容される触媒ケース部131bと、排気管部131aと触媒ケース部131bとを接続し、排気管部131aから徐々に拡径する接続部131hを備えている。触媒装置収容排気管131の下流端部131dに、接続管134の上流端部134aが溶接により一体にされている。触媒ケース部131bは、図3に示されるように、エンジン30の下方に位置して、長手方向が鞍乗型車両1の車幅方向に向かうように配置されている。
触媒142は、その軸線方向に沿って延びる多数の細孔を有するハニカム状の多孔構造体であり、排気ガス成分を分解する触媒として、例えば、白金、ロジウム及びパラジウムが担持されている。
外殻部141は、触媒142よりも排気ガス流れ方向に長く形成されている外殻部141は、触媒142よりも排気ガス流れ方向に長く形成されており、外殻部141の両方の端部は、内部に触媒142が配置されていない上流側保持部141aと下流側保持部141bになっている。
図10、図11および図12に示されるように、触媒装置収容排気管131の上面には、エンジン30からの熱が触媒装置140に過剰に伝わることを防ぐ遮熱板150が取り付けられている。遮熱板150は、板状部150aが触媒装置収容排気管131の外周面に沿うように湾曲して形成されている。遮熱板150には、楕円形状の凹部150bが2つ形成されており、該凹部150bの底面150cが、触媒装置収容排気管131の上面に溶着されており、遮熱板150と触媒装置収容排気管131の接触面積が小さくなるようになっている。
図14、図19に示されるように、拡散部材209は、触媒装置収容排気管131の排気管部131aの排気管湾曲部131a1の下流端131a2の中心軸線Yに対し湾曲方向外側に、接続部131hの内周上部131h1aから内周下部131h2亘って配置されている。拡散部材209は、図19に示されるように、中心軸線Yに対し鋭角θで触媒142の中心側に向けて傾斜し、排気ガスの流れに対向し湾曲方向内側に向いた整流板209aを備えている。
すなわち、外周縁部209cは、接続部131hの内周面131h3と一致する円錐形状をなし、図14、図19に図示のように内周面131h3に溶接等で取付けられることにより、拡散部材209が触媒装置収容排気管131内に取付け固定される。
そのため、触媒装置収容排気管131の排気管部131aに接続する触媒142の上流側のスペース、すなわち触媒装置収容排気管131の接続部131hに合わせて好ましい配置に簡潔かつ容易に拡散部材209を設置でき、触媒142に対し排気ガスの拡散効果を高めることができる。
また、図21は、図14中概ねXXI矢視による、図20図示部分の一部断面とする底面斜視図である。
図20、図21に示されるように、触媒142の中心軸線、すなわち触媒装置収容排気管131の外殻部141の中心軸線Xは、排気管部131aの排気管部湾曲部131a1の下流端131a2の中心軸線Yに対し湾曲方向外側(図中矢印O)にオフセットされている。
また、拡散部材209も、中心軸線Yに対し湾曲方向外側(図中矢印O)にオフセットされている。
一方、拡散部材209の連通開口290を通った排気ガスは直進するが、触媒142の中心軸線Xは湾曲方向外側にオフセットされているので、排気ガスが湾曲方向外側の触媒142に偏って導かれることが避けられる。
排気装置側ステー137は、図10ないし図12に示されるように、触媒装置収容排気管131の下流側の後面に溶接で取り付けられている。排気装置側ステー137は、図10に示されるように、側面視略三角形の支持部材137aに円筒形状の取り付け部材137bが固着され、取付部材127bの中央には、ボルト挿通孔(不図示)が形成されている。
クランクケース側ステー136のボルト挿通孔と、排気装置側ステー137のボルト挿通孔に締結部材としてのボルト139を挿通して、螺合することで、排気装置120は、ユニットスイングエンジン13に支持される。
触媒装置140は、図4に示されるように、クランクケース34の前端34aの前方且つシリンダ部35の下方に位置する空間Rに配置されている。触媒装置140は、空間R内において、その軸線140aが車幅方向に指向する向き、すなわち下面視で軸線140aがクランクケース割面CSを通る仮想線Cに略直交する向きで、略水平に配置されている。言い換えれば、触媒装置140の軸線140aは、クランク軸33と略平行である。触媒142は、クランク軸33と平行な軸線140aと同軸上に配置される。すなわち、触媒142は、長手方向を車幅方向に向けて配置し、クランク軸33に平行な軸線140a上に配置される。
本実施の形態では、触媒装置140は、軸線140aがクランク軸33と略平行になるよう配置されていたが、軸線104aが概ね車幅方向に向くように配置されていれば、クランク軸33と完全に平行に配置されていなくともよい。例えば軸線140aが概ね車幅方向に向いていれば、軸線140aが水平とならず傾斜するように触媒装置140が配置されていてもよい。
詳細には、触媒装置140は、クランクケース34の前
端34aの前方、且つ、シリンダヘッド35bの排気管接続部35eの後方に配置されている。また、触媒装置140は、オイルパン部34bの前端部の下面の上方、且つ、シリンダブロック35a及びシリンダヘッド35bの下面の下方に位置する。さらに、触媒装置140は、シートフレーム20,20の拡幅部21a,21aの下方に位置するとともに、図5に示されるように、車幅方向において、左右の拡幅部21a,21aの車幅方向外側端部21b,21b間に位置している。また、触媒装置140は、図1に示すように、アンダーカバー48の後部に位置するアンダーカバー48の下端とユニットスイングエンジン13のクランクケース34の下端とを結ぶ直線状の仮想線U1よりも上方に配置されている。
触媒装置140は、車幅方向の一側のシートフレーム20の拡幅部21aよりも車幅方向の内側に位置する。
さらに、別の見方をすると、触媒装置140は、クランクケース34の前端34aの前方において、平面視で少なくとも一部がシリンダ部35に重なる位置に配置されている。
本第1の実施の形態では、リンク部材38がクランクケース34の上方に配置されているため、シリンダ部35の下方且つ仮想線L1と仮想線L2との間の領域に空間を確保でき、この空間に触媒装置140を配置することができる。このため、触媒装置140が触媒装置140の周辺の他の部品に当たらないように触媒装置140をコンパクトに配置できる。
また、排気装置120は、側方延出部122e及び湾曲部122fを備え、マフラー37とは反対側に車幅方向に延出してから折り返して触媒装置140に接続されるため、上流側排気管122の管長を長く確保でき、エンジン30の要求特性に応じて上流側排気管122を長くできる。
さらに、触媒装置140は、車幅方向の長手方向中心線140bが、鞍乗型車両1のクランクケース割面CSを通る仮想線C車よりもマフラー37側にオフセットされているため、上流側排気管122の管長を長く確保できる。
下流側排気管123には、排気中の酸素を検出する第2の酸素センサ65(酸素センサ、図4)が取り付けられている。このように、第2の酸素センサ65を触媒装置140の下流の下流側排気管123に設けることで、触媒装置140を通過した後の排気の酸素濃度を検出できる。
シリンダカバー58の下面部において触媒装置140に面する部分には、触媒装置140の上面を避けるように上方に凹む逃げ部58bが形成されている。逃げ部58bは排気管通し孔58aの後方に位置する。逃げ部58bによって触媒装置140とシリンダカバー58との距離を確保できるため、触媒装置140をシリンダ部35の下方に設けた構成であっても、シリンダカバー58に対する触媒装置140の熱の影響を低減できる。
図7に示すように、サイドスタンド回動軸52aを中心にサイドスタンド52を回動させてサイドスタンド52を格納状態にした場合、棒状のサイドスタンド52は前後方向に延在し、その前端部を除く大部分が、上流側排気管122及び触媒装置140に車幅方向の外側から重なる。これにより、サイドスタンド52で上流側排気管122及び触媒装置140を側方から保護できるとともに、上流側排気管122及び触媒装置収容排気管131を視認され難くでき、外観性を向上できる。
また、サイドスタンド52は、格納状態における前後の中間部から車幅方向の外側に延出する操作部52bを備える。操作部52bの車幅方向外側の端部は、屈曲して上方に延びている。操作部52bは、運転者がサイドスタンド52を操作する際に、足を引っかけて操作する部分である。格納状態では、操作部52bが上流側排気管122に外側方から重なるため、操作部52bによって、上流側排気管122を視認され難くできるとともに、上流側排気管122を保護できる。
触媒装置140は、センタースタンド51の下端51bよりも上方に配置されている。このため、触媒装置140をシリンダ部35の下方に配置した構成であっても、触媒装置140を路面に対して十分に高い位置に配置できる。
ステップフロア11の後端部は、支持フレーム27,27によって下方から支持されている。また、支持フレーム27,27は、シート10の後部に着座する同乗者用のタンデムステップ8(図1)を支持する。左右の支持フレーム27,27は、前後方向において触媒装置140に重なる位置で、触媒装置140の車幅方向の外側に位置している。このため、鞍乗型車両1を側方に倒した状態にした場合であっても、支持フレーム27,27が触媒装置140よりも先に接地するため、触媒装置140を効果的に保護できる。
図1及び図8に示すように、シート10の前端の下方のセンターロアカバー50には、センターロアカバー50を貫通する上開口86及び下開口87(開口)が形成されている。
上開口86は、車幅方向に延びるスリット状に形成されており、シリンダ部35の前方且つシリンダ部35の上方に位置する。上開口86は、その周縁部の下縁から後上がりに延びる下壁部86aを備える。
鞍乗型車両1の走行風の一部は、上開口86からセンターロアカバー50の内側に入り、下壁部86aによってガイドされて後上方に流れ、ユニットスイングエンジン13の上面に沿うように後方に流れて外部に排出される。この走行風により、ユニットスイングエンジン13の周辺部に付着した塵埃等を外部に吹き飛ばすことができる。
下開口87は、その周縁部の上縁から後下がりに延びる上壁部87aを備える。上壁部87aは、触媒装置140に指向するように後下方へ傾斜している。
鞍乗型車両1の走行風の一部は、下開口87からセンターロアカバー50の内側に入り、上壁部87aによってガイドされて後下方に流れ、ユニットスイングエンジン13の下面に沿うように後方に流れて触媒装置140の周囲を通り、その後、外部に排出される。この走行風により、触媒装置140を効果的に冷却できる。
冷却ファン55の駆動によって空気取り入れ口57a(図6)からシュラウド56内に取り込まれた冷却風は、シュラウド56を通ってシリンダ部35を冷却し、排気管通し孔58a及び導風口88から排出される。導風口88から排出される冷却風は、触媒装置140に当たり、触媒装置140を冷却する。このため、冷却ファン55の冷却風で触媒装置140を効果的に冷却できる。
図9に示すように、レッグシールド47の下端部には、レッグシールド47を前後に貫通する前側開口47aが形成されている。レッグシールド47は、シート10に着座した乗員の脚を前方から覆う。
前側開口47aは、前輪2の後方に位置するとともに、フロントフェンダー9の後端よりも下方に位置する。前側開口47aは、ステップフロア11とアンダーカバー48との間の空間(図8)を前方に開放させる。ステップフロア11は、側面視でユニットスイングエンジン13の前端に重なる位置まで後方に延びている。ステップフロア11とアンダーカバー48との間の空間の後端は、シリンダ部35の下面側に開放している。
することができる。
そのため、排気ガスを効果的に浄化できるとともに、排気ガスが湾曲方向外側に偏って流れることを防ぎ触媒142に均一に排気ガスを当てることができる。
また、ユニットスイングエンジン13に空冷用のシュラウド56が取り付けられ、シュラウド56のシリンダカバー58は、触媒装置140の後方の位置から触媒装置140に向かうに連れて上方に位置するように傾斜しているとともに、触媒装置140に面する位置に逃げ部58bを備える。これにより、シュラウド56の逃げ部58bによって、触媒装置140とシュラウド56との距離を確保でき、触媒装置140の熱がシュラウド56に影響することを抑制できる。
また、ユニットスイングエンジン13の上方に乗員用のシート10が配置され、シート10の前端の下方にセンターロアカバー50が配置され、センターロアカバー50は、ユニットスイングエンジン13の最上端よりも下方に下開口87を備え、下開口87は、触媒装置140に指向するように斜め下方に傾斜して配置される。これにより、センターロアカバー50の下開口87から走行風を触媒装置140に導くことができ、走行風を利用して触媒装置140を冷却できる。
なお、説明の便宜上、図示の実施形態の左右配置のものについて説明したが、左右配置の異なるものであっても、発明の要旨の範囲であれば本発明に含まれる。
21a…拡幅部、21b…車幅方向外側端部、23…クロスメンバ、
30…エンジン、33…クランク軸、34…クランクケース、34a…前端、35…シリンダ部、35e…排気管接続部、37…マフラー、38…リンク部材、39…ピボット軸(連結部)、
47…レッグシールド、47a…前側開口、
50…センターロアカバー、51…センタースタンド、51b…下端、52…サイドスタンド、55…冷却ファン、56…シュラウド、57…ファンカバー、58b…逃げ部、 61…リンク部材連結部、
120…排気管、121…排気管、121a…湾曲部、122e…側方延出部、122g…垂直部、131…触媒装置収容排気管、131a1…排気管湾曲部、131b…触媒ケース部、131f…縮径部、131f1…拡径部、131h…接続部、131h1…内周上部、131h2…内周下部、131h3…内周面、132…上半体、132e…接合縁部、132f…縮径部、132f1…拡径部、133…下半体、133e…接合縁部、133f…縮径部、133f1…拡径部、
135…排気装置連結部、136…クランクケース側ステー、137…排気装置側ステー、
140…触媒装置、140b…長手方向中心線、141…外殻部、141a…上流端、141b…下流端、145…隙間、146…隙間、
209…拡散部材、290…連通開口、CS…クランクケース割面、C…クランクケース割面CSを通る仮想線、CX…(触媒ケース部131b、外殻部141、触媒142の)中心軸線、Y…(排気管湾曲部131a1の)中心軸線。
Claims (15)
- 車体フレーム(12)と、
略水平に配置されるシリンダ部(35)、及びクランクケース(34)を有し、前記車体フレーム(12)にリンク部材(38)を介して揺動可能に支持されるユニットスイングエンジン(13)と、
前記ユニットスイングエンジン(13)に接続され、排気管(121)および該排気管(121)の途中に配置される触媒装置(140)を具備した排気装置(120)と、を備える鞍乗型車両において、
前記排気管(121)は、前記ユニットスイングエンジン(13)から下方に延出され、
前記排気管(121)は、内部に前記触媒装置(140)を収容する触媒装置収容排気管(131)と、前記触媒装置収容排気管(131)の上流側に配設された上流側排気管(122)と、前記触媒装置収容排気管(131)の下流側に配設された下流側排気管(123)を備え、
前記触媒装置(140)の径は、前記上流側排気管(122)の径および前記下流側排気管(123)の径よりも大きく、
前記リンク部材(38)は、前記クランクケース(34)の上方に配置され、
側面視で、前記触媒装置(140)の少なくとも一部は、
前記シリンダ部(35)よりも下方に配置され、
前記リンク部材(38)を前記車体フレーム(12)に連結するリンク部材連結部(61)と、前記クランクケース(34)の前端とを結ぶ仮想線(L1)と、
前記排気管(121)の端が接続される前記ユニットスイングエンジン(13)の排気管接続部(35e)と、前記リンク部材連結部(61)とを結ぶ仮想線(L2)との間の領域に位置し、
前記クランクケース(34)と排気装置(120)を連結する排気装置連結部(135)が設けられたことを特徴とする鞍乗型車両。 - 前記触媒装置(140)は、その長手方向が車幅方向に指向する向きで配置され、
下面視で、前記触媒装置(140)の長手方向中心線(60b)を基準として、前記排気装置連結部(135)と、前記排気管(121)と前記シリンダ部(35)を接続する前記排気管接続部(35e)とが、左右に振り分けられるよう配置することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。 - 前記排気装置連結部(135)は、クランクケース側ステー(136)と、前記クランクケース側ステー(136)に連結される排気装置側ステー(137)と、を有し、
前記クランクケース側ステー(136)と前記排気装置側ステー(137)とが、車幅方向でオフセットして配置され、
前記クランクケース側ステー(136)と前記排気装置側ステー(137)とは、車幅方向に重ね合わされて連結されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鞍乗型車両。 - 前記排気装置連結部(135)の前記排気装置側ステー(137)は、前記触媒装置(140)を収容する触媒装置収容排気管(131)に設けられることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗型車両。
- 前記クランクケース(34)は、クランクケース割面(CS)にて分けられる左右割であり、
前記排気装置(120)の前記排気管(121)は、シリンダ部(35)の排気管接続部(35e)から下方向に延出する垂直部(122g)と、前記垂直部(122g)の下流側に連続し下面視において前記クランクケース(34)のクランクケース割面(CS)を通る仮想線(C)に対し一方側に延びる側方延出部(122e)と、前記側方延出部(122e)に連続しU字状に折り返す湾曲部(121a)を有し、
クランクケース側ステー(136)は、下面視において前記クランクケース割面(CS)を通る前記仮想線(C)に対し、他方側に設けられることを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の鞍乗型車両。 - 内燃機関(30)の排気ガスを導く排気管(121)と、該排気管(121)内の途中に配置される触媒装置(140)を備えた排気装置を有する鞍乗型車両において、
前記排気管(121)は、前記触媒装置(140)を収容する触媒装置収容排気管(131)を有し、
前記触媒装置収容排気管(131)は、前記触媒装置(140)を収容する触媒ケース部(131b)を備え、
前記触媒装置収容排気管(131)は、排気ガス流れ方向に沿って分割される第1半体(132)と第2半体(133)を有し、前記第1半体(132)と前記第2半体(133)のそれぞれの接合縁部(132e,133e)が合わされて一体とされる構造であり、
前記触媒装置収容排気管(131)の触媒ケース部(131b)は、前記触媒装置(140)を保持する縮径部(131f,132f,133f)を備え、
前記触媒装置収容排気管(131)の分割方向に対して垂直に切断した場合の前記縮径部(131f,132f,133f)と同じ断面における前記接合縁部(132e,133e)は、前記触媒装置(140)の外径よりも大きい拡径部(131f1,132f1,133f1)とされたことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。 - 前記触媒装置収容排気管(131)は、前記第1半体(132)と前記第2半体(133)のそれぞれの接合縁部(132e,133e)が溶接されて、前記第1半体(132)と前記第2半体(133)が一体にされる構造であることを特徴とする請求項6に記載の鞍乗型車両。
- 前記触媒装置(140)は、外殻となる筒状の外殻部(141)と、前記外殻部(141)内に収められる触媒(142)とを備え、
前記拡径部(131f1,132f1,133f1)は、前記外殻部(141)との間に隙間(146)を存して設けられ、 前記縮径部(131f,132f,133f)は前記外殻部(141)に当接されることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の鞍乗型車両。 - 前記触媒ケース部(131b)は、前記外殻部(141)よりも径の大きいケース部(131g,132g,133g)を備え、
前記ケース部(131g,132g,133g)は、前記外殻部(141)との間に隙間(145)を存して設けられることを特徴とする請求項8に記載の鞍乗型車両。 - 前記縮径部(131f,132f,133f)は、触媒装置(140)の排気ガス流れ方向における上流側に設けられ、触媒装置(140)を保持することを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれかに記載の鞍乗型車両。
- 湾曲部(121a)を有する排気管(121)と、前記排気管(121)内において前記排気管(121)の前記湾曲部(121a)の下流に配置される触媒(142)と、を備えた排気装置を有する鞍乗型車両において、
前記触媒(142)の中心軸線(X)が、前記排気管(121)の前記湾曲部(121a)の中心軸線(Y)に対し湾曲方向外側にオフセットされ、
前記排気管(121)の前記中心軸線(Y)に対し湾曲方向外側、且つ、前記触媒(142)の上流に拡散部材(209)が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。 - 前記拡散部材(209)は、前記排気管(121)の湾曲部(121a)の下流端(121b)の中心軸線(Y)に対し鋭角(θ)で傾斜し、排気ガスの流れに対向し前記排気管(121)の前記中心軸線(Y)に対し湾曲方向内側に向いた整流板(209a)を有することを特徴とする請求項11に記載の鞍乗型車両。
- 前記整流板(209a)は、排気ガス流れの上流側と下流側とを連通する連通開口(290)を有することを特徴とする請求項12に記載の鞍乗型車両。
- 前記湾曲部(121a)の下流に、前記触媒(142)が収容された触媒装置収容排気管(131)が接続され、
前記触媒装置収容排気管(131)は、前記触媒(142)の上流側に排気ガスの流れ方向に沿って拡径する接続部(131h)を備え、
同接続部(131h)内に前記拡散部材(209)が配置されたことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の鞍乗型車両。 - 前記拡散部材(209)は、前記整流板(209a)の上流側周縁(209b)を外周側下流方向に折り返して前記触媒装置収容排気管(131)の前記接続部(131h)の内周面(131h3)に沿うように形成された外周縁部(209c)を有し、同外周縁部(209c)が前記接続部(131h)に取付けられたことを特徴とする請求項14に記載の鞍乗型車両。
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