以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
図1,図2は、本発明に係る深絞り包装機の好適な一実施形態を示している。本実施形態の深絞り包装機は、上流側に配置される下側フィルム供給装置10と、下側フィルム供給装置10から供給される下側フィルム12を水平方向に搬送するフィルム搬送装置13と、フィルム搬送装置13の搬送途中の上流側に配置した成型装置14と、その成型装置14の下流側に配置する被包装物供給部(図示省略)と、フィルム搬送装置13の上方所定位置に配置される上側フィルム供給装置15と、その上側フィルム供給装置15から供給される上側フィルム16が下側フィルム12の上に被せる被覆点より下流側に順に配置される真空チャンバー17、横カッター装置18、縦カッター装置19等を備える。
下側フィルム供給装置10は、帯状の下側フィルム12をロール状に巻き取った原反ロール20を支持する回転支持軸21と、その回転支持軸21と一体に回転する原反ロール20から引き出される下側フィルム12を所定の軌跡で繰り出してフィルム搬送装置13に供給する機構を備える。
フィルム搬送装置13は、下側フィルム12の両側縁の外側に配置された左右一対のエンドレスチェーン13aと、そのエンドレスチェーン13aに取り付けられた多数の爪部材13bとを備え、その爪部材13bにて下側フィルム12の長手方向の両側縁を掴んだ状態で間欠的に搬送する。
このフィルム搬送装置13の搬送途中の上流側には、成型装置14が配置される。この成型装置14は、下側フィルム12の所定位置に下側に突出する収納凹部12aを成型する装置である。この成型装置14は、下側フィルムを挟んで上下に配置された上側ボックス14aと下側ボックス14bを有している。そして、下側ボックス14b内に、下側フィルム12に形成する収納凹部12aの外形状に符合する内形状に加工された雌型を配置する。一方、上側ボックス14a内には、熱板が内蔵され、上側ボックス14aと下側ボックス14b間で挟み込まれた下側フィルム12のフィルム部位を加熱軟化させる。そして、係る挟み込んだ状態で、例えば下側ボックス14b内を真空吸引し、下側フィルム12の所定のフィルム部位が雌型の内周面に密着し、その内周面の形状に成型されて収納凹部12aを成型する。本形態では、下側ボックス14bは、横に2個の凹所を備え、一回の成型処理で、下側フィルム12に対して横一列に2個の収納凹部12aを成型するようにしている。
被包装物供給部は、成型装置14で形成された収納凹部12a内に被包装物を供給するエリアであり、例えば、図示省略する被包装物供給装置が配置される。この被包装物供給装置は、収納凹部12a内に被包装物を自動供給するもので、例えば、移し替えロボットから構成し、移し替えロボットのマニピュレータとして吸着手段を備える。そして、その吸着手段により、フィルム搬送装置13の横に待機する被包装物群から、所定の被包装物を吸着保持するとともに所定軌跡で移動し、被包装物を収納凹部12a内に供給する。なお、被包装物供給装置に替えて、人手による供給としても良い。さらに本実施形態では、被包装物は、例えば鮭その他の魚の切り身・半身などである。
上側フィルム供給装置15は、帯状の上側フィルム16をロール状に巻き取った原反ロール22を支持する回転支持軸23と、その回転支持軸23と一体に回転する原反ロール22から引き出される上側フィルム16を所定の軌跡で繰り出してフィルム搬送装置13で搬送される下側フィルム12上に重ね合わせるように供給するための複数のローラ24等を備える。図示省略するが、例えば、上側フィルム16の移動軌跡の途中に、印字装置が配置される。印字装置は上側フィルム16の所定位置に、被包装物の製造年月日や賞味期限などを印字するものである。
真空チャンバー17は、下側フィルム12と上側フィルム16の所定位置、つまり、収納凹部12aの周囲の両フィルム12,16の接触部位を上下から挟み込むとともに加熱して熱シールする。これにより、被包装物が収納凹部12a内に密封される。さらにこの真空チャンバー17は、収納凹部12a内の空気を吸引除去する機能を備え、両フィルム12,16を熱シールする前に収納凹部12a内の空気を吸引除去することで、被包装物が収納凹部12a内にて真空状態で密封する。この真空チャンバー17の具体的な構成は後述する。
横カッター装置18は、フィルムを挟んで上下に配置されるカッター刃18aと、受け板18bと、を備える。それらカッター刃18a,受け板18bはそれぞれに連係させたエアシリンダ18cによりタイミングを合わせて昇降移動するように構成される。この横カッター装置18は、押し切りカッターであり、カッター刃18aの刃部の形状に沿って下側,上側フィルム12,16が切断される。そして、カッター刃は、下側,上側フィルムを横方向(搬送方向に対して直交する方向)に切断するための直線状の刃部を備え、また、最終的な包装体における角に丸みを形成するためのRカット用の刃部を備えるようにしてもよい。
縦カッター装置19は、フィルムの搬送方向に対して直交する方向に回転軸を有する上下一対の円盤型のカッター19aを複数組備え、上下のカッター19aにて下側,上側フィルム12,16を挟み込むことで搬送方向に対して平行にカットする。縦カッター装置19を通過すると、収納凹部12aの周囲が縦横に切断されて、個々の包装体が製造される。また下側,上側フィルム12,16の左右両側縁は、縦カッター装置19にてカットされて分離される。そして、その分離された両側縁は、巻き取りローラ27に巻き取られるようにしている。
真空チャンバー17は、下側,上側フィルム12,16を挟んで上下に対向配置される下側ボックス31と上側ボックス32とを備え、下側ボックス31は、フィルムの搬送タイミングに合わせて昇降移動する。下側ボックス31は、上部開放した箱状のボックス本体33を備える。ボックス本体33は、成型装置14の下側ボックス14bと同様にその上面側にフィルムの搬送方向に対して直交する左右方向に2個の凹所35を備える。凹所35は、シール処理工程の際に、成型装置14で形成された下側フィルム12の収納凹部12aが挿入配置される。さらにボックス本体33の上面、すなわち、凹所35の周囲に配置される周壁36の上面には、受けゴム37を貼着する。
一方、上側ボックス32は、図示省略するが上側ボックス本体32aの下面側に凹所を有し、その凹所内に昇降可能に配置される加熱板を備える。加熱板の昇降は、例えば、シンダー等の駆動手段により上側ボックス本体32aに対して相対的に昇降する。
そして、下側ボックス31を上昇させて上側ボックス本体32aに近接させ、収納凹部12a内の空気を吸引除去したのちに加熱板を下降させることで下側,上側フィルム12,16を上下から挟み込む。より具体的には、加熱板の下面と、それに対向するボックス本体33の上面に設けた受けゴム37との間でフィルムを挟み込む。なお、上側ボックス32は、昇降する構成をとるのも良い。
加熱板は、例えばアルミ等の熱伝導性の良好な材料から構成され、内蔵するヒータにより所定の温度に加熱される。そして、上述したように上側ボックス32と下側ボックス31との間で下側,上側フィルム12,16を挟んだ状態では、下降した加熱板がフィルムに接触して当該フィルムを加熱する。特に、受けゴム37との間で挟み込んだフィルム部位は加熱・加圧されるため、下側,上側フィルム12,16の当該フィルム部位が熱シールされる。
下側ボックス31は、上面側に凹所35を備えるボックス本体33と、そのボックス本体33の下方の前後両端角部に装着した第一ブロック40,第二ブロック41を備える。具体的には、ボックス本体33の下面のフィルムの搬送方向に沿って前後両端の角部に、それぞれ第一切欠部38と第二切欠部39を設ける。第一切欠部38と第二切欠部39は、共に搬送方向に対して直交する横方向に横断するように全長に渡り矩形状に切り取られた形状となる。第一切欠部38の空間内に第一ブロック40を着脱自在に装着し、第二切欠部39の空間内に第二ブロック41を着脱自在に装着する。第一ブロック40と第二ブロック41は、共に略直方体状の外形となり、それら第一ブロック40と第二ブロック41をボックス本体33に装着した状態では、下側ボックス31の外形状は、略矩形状となる。
そして下側ボックス31は、下側フィルム12の収納凹部12a内を真空にするために脱気処理を行うための第一排気経路と、下側ボックス31の凹所35内の空気を脱気処理するための第二排気経路等を備える。具体的には、以下の通りである。
上述したごとくボックス本体33の上面は、フィルム搬送方向に沿う方向に長辺が配置される長方形状であり、中央から左右に二分割されて2つの凹所35を備える。そしてその凹所35の周囲の周壁36のうち、ボックス本体33の左右の長辺に位置する周壁36には、上下方向に延びる第一縦孔部43を複数備える。図示省略するが、各第一縦孔部43内には、スプリングの弾性復元力を利用してボックス本体33の上面よりも上方に突出可能とする吸引ノズルを備える。突出した状態の吸引ノズルが、下側フィルム12に形成した開口部内を通過し、上側フィルム16を押し上げて下側フィルム12と上側フィルム16の間に進入し、両フィルム間の空気、すなわち、収納凹部12a内の空気の吸い込み口となる。
各周壁36にそれぞれ設けた複数の第一縦孔部43は、同一直線上に配置される。第一縦孔部43の上端は、周壁36の上面に開口し、第一縦孔部43の下端は、周壁36内の所定位置にあり、ボックス本体33の下面には開口していない。さらにボックス本体33の左右両側縁付近には、搬送方向に沿って平行な方向に延びる第一貫通孔46を備える。第一貫通孔46の両端は、それぞれ第一切欠部38と第二切欠部39の垂直面に開口する。さらに、第一縦孔部43の下端は、第一貫通孔46に開口し、連通する。これにより、ボックス本体33の周壁36の上面に設けた第一縦孔部43の開口と、第一貫通孔46の両端の開口は、それら第一縦孔部43と第一貫通孔46を経由して空間的につながる。
またボックス本体33には、その凹所35の底面に開口し、上下方向に延びる第二縦孔部44を備える。本形態では、第二縦孔部44は、各凹所35に1個ずつ配置する。各第二縦孔部44は、搬送方向に沿って後側の第二切欠部39に近い位置に形成する。第二縦孔部44の下端は、ボックス本体33の下面には開口していない。一方、ボックス本体33の内部の下方所定位置には、搬送方向に沿って平行な方向に延びる第一横孔部47を備える。その第一横孔部47の一端は第二切欠部39の垂直面に開口し、他端は第二縦孔部44の下端に繋がるように形成する。これにより、ボックス本体33の凹所35に設けた第二縦孔部44の開口と、第一横孔部47の一端の開口は、それら第二縦孔部44と第一横孔部47を経由して空間的につながる。さらに本形態では、凹所35の底面に、所定パターンで形成される凹溝45を備え、第二縦孔部44の開口は、その凹溝45内に配置する。所定パターンは、搬送方向に沿って平行な部位と、搬送方向に対して直交する方向に延びる部位を有し、両部位は、交差するレイアウトをとり、各部位のどの位置も第二縦孔部44の開口に繋がるようにしている。
第一ブロック40は、中心を長手方向に延びるように第三貫通孔50を備える。この第三貫通孔50の両端は、第一ブロック40の長手方向の両側面40aに開口するが、その開口部位に蓋部材51を装着して閉塞する。さらに第一ブロック40は、第三貫通孔50と繋がる複数の配管部を備える。その複数の配管部は、第三貫通孔50と直交するとともに、水平方向に延び、ボックス本体33の第一切欠部38の垂直面に対向する面40bに開口する第一配管部52と、垂直方向に延び、第一切欠部38に対向しない面40c(下側ボックス31の底面)に開口する第二配管部53を備える。第一ブロック40を第一切欠部38に装着した状態では、第一配管部52は、第一貫通孔46に対向して連通する。そして、第一排気経路は、第一縦孔部43、第一貫通孔46、第一配管部52、第三貫通孔50並びに第二配管部53を備えて構成される。
同様に第二ブロック41は、中心を長手方向に延びるように第四貫通孔55を備える。この第四貫通孔55の両端は、第二ブロック41の長手方向の両側面41aに開口するが、その開口部位に蓋部材56を装着して閉塞する。さらに第二ブロック41は、第四貫通孔55と繋がる複数の配管部を備える。その複数の配管部は、第四貫通孔55と直交するとともに、水平方向に延び、ボックス本体33の第二切欠部39の垂直面に対向する面41bに開口する第三配管部57と、垂直方向に延び、第二切欠部39に対向しない面41d(下側ボックス31の底面)に開口する第四配管部58を備える。第二ブロック41を第二切欠部39に装着した状態では、第四配管部58は、第一横孔部47に対向して連通し、第一貫通孔46の開口部は第二ブロック41の面41bに対向し閉塞される。そして、第二排気経路は、第二縦孔部44、第一横孔部47、第三配管部57、第四貫通孔55並びに第四配管部58を備えて構成される。
第二配管部53並びに第四配管部58は、それぞれ図示省略する外部配管等を介して真空ポンプに接続される。外部配管の途中には開閉バルブ等を備え、真空ポンプを動作させるとともに開閉バルブを開くと、第一排気経路を介して、上側フィルム16と下側フィルム12の間の空気、すなわち、収納凹部12a内の空気が吸引除去され、第二排気経路を介して凹所35内の空気を吸引除去し、下側フィルム12と凹所35で囲まれる空間を脱気する。
さらに図示省略するが、本実施形態では上側ボックス32側にも当該上側ボックス32内の空気を脱気処理するための排気経路を備え、その排気経路を外部の真空ポンプに接続する。そして、上記の下側ボックス31側で吸引処理するタイミングに合わせて上側ボックス32側も吸引処理し、上側フィルム16と上側ボックスの凹所で囲まれる空間を脱気する。
これにより、下側フィルム12の収納凹部12a内の空気が除去され、被包装物・収納凹部12aが潰れること無く下側フィルム12の収納凹部12a並びに上側フィルム16が被包装物の表面に密着する。この状態で、加熱板を下降して下側フィルム12と上側フィルム16の所定部位をシールし、密封する。この密封シールした後に、真空チャンバー17内を大気開放し、下側ボックス31が下降移動して収納凹部12aよりも下方に位置させ、次の真空処理のために待機する。
ここで本形態では、下側ボックス31に大気開放用経路を備え、真空引きを停止したら、大気開放用経路を介して空気を送り、積極的に大気開放するようにしている。すなわち、従来の真空チャンバーは、本実施形態のように大気開放用経路は特に設けず、真空引きを終了したら自然に大気開放するようにした。本実施形態では、被包装物が例えば鮭の切り身のように比較的大きいために凹所35の寸法形状が比較的大きくなるとともに、高速化対応のために1回の処理にかけられる時間が短いことも相俟って、真空引きを停止して自然の大気開放では間に合わないおそれがある。そこで、大気開放用経路に例えば空気を噴射するポンプを接続し、適宜のタイミングで当該ポンプから圧縮空気等を噴射すると、大気開放用経路を経由して下側ボックス31内に空気が送り込まれ、瞬時に大気開放できるようにした。
この大気開放用経路は、第一搬送経路と第二排気経路のそれぞれに接続するように設け、周壁36の上面に設けた第一縦孔部43の開口と、凹所35に設けた第二縦孔部44の開口のいずれからも空気を噴射し、大気開放を促すようにしている。具体的には、第一搬送経路に繋がる大気開放経路は、第一ブロック40の第三貫通孔50に接続し、第一配管部52と同様に水平方向に延びてボックス本体33の第一切欠部38の垂直面に対向する面に開口する第五配管部60を備える。一方、ボックス本体33側には、第一ブロック40を装着した状態で第五配管部60に対向する位置に開口する第二横孔部61を設け、その第二横孔部61の奥側に連通し、下方に向けて延びる第三縦孔部62を設ける。第三縦孔部62の先端は、ボックス本体33の下面に開口する。この第三縦孔部62の開口部に、圧縮空気を噴射するポンプの配管を連結する。すると、当該ポンプから噴射された空気は、第三縦孔部62から第二横孔部61を介して第三貫通孔50に至り、第一排気経路を逆流して第一縦孔部43の開口から噴射される。
また第二搬送経路に繋がる大気開放経路は、第二ブロック41の第四貫通孔55に接続し、第三配管部57と同様に水平方向に延びてボックス本体33の第二切欠部39の垂直面に対向する面に開口する第六配管部65を備える。一方、ボックス本体33側には、第二ブロック41を装着した状態で第六配管部65に対向する位置に開口する第三横孔部66を設け、その第三横孔部66の奥側に連通し、下方に向けて延びる第四縦孔部67を設ける。第四縦孔部67の先端は、ボックス本体33の下面に開口する。この第四縦孔部67の開口部に、圧縮空気を噴射するポンプの配管を連結する。すると、当該ポンプから噴射された空気は、第四縦孔部67から第三横孔部66を介して第四貫通孔55に至り、第二排気経路を逆流して第二縦孔部44の開口から噴射される。
ところで、真空チャンバー17は、定期的・不定期的に清掃が必要となる。特に、本形態のように被包装物が鮭その他の魚の切り身・半身であるため、第一排気経路からの吸引により、塩分と鱗等の製品のカスが第一排気経路にたまることがあり、清掃するサイクルは短くなる傾向にある。本実施形態では、係る清掃を行う場合、以下のようにする。
まず、上述したように、第一ブロック40と第二ブロック41は、ボックス本体33に対して着脱自在に固定されている。第一ブロック40のボックス本体33への固定は、ボルトを用いて行う。すなわち、第一ブロック40には、ボルト(図示省略)を通すためのフィルムの搬送方向に沿って平行な孔部69を備える。第一ブロック40の第一切欠部38と対向しない表面の所定位置には、切欠凹部70を形成する。孔部69は、切欠凹部70の奥面に開口し、切欠凹部70の幅はボルトの頭部よりも大きくする。ボルトを孔部69内に挿入し、ボルトの先端に形成した雄ねじ部74と、ボックス本体33に形成した雌ねじ部を噛み合わせて締結することで、第一ブロック40をボックス本体33に固定する。ボルトを取り外すことで、第一ブロック40は、ボックス本体33から離脱する。
同様に、第二ブロック41のボックス本体33への固定は、ボルトを用いて行う。すなわち、第二ブロック41には、ボルト(図示省略)を通すためのフィルムの搬送方向に沿って平行な孔部72を備える。第二ブロック41の第二切欠部39と対向しない表面の所定位置には、切欠凹部73を形成する。孔部72は、切欠凹部73の奥面に開口し、切欠凹部73の幅はボルトの頭部よりも大きくする。ボルトを孔部72内に挿入し、ボルトの先端に形成した雄ねじ部と、ボックス本体33に形成した雌ねじ部75を噛み合わせて締結することで、第二ブロック41をボックス本体33に固定する。ボルトを取り外すことで、第二ブロック41は、ボックス本体33から離脱する。
そこで清掃に先立ち、各ボルト,71を取り外し、第一ブロック40と第二ブロック41をそれぞれボックス本体33から離脱させる。すると、第一貫通孔46の両端が開放した状態となる。そして、第一貫通孔46は直線状であるので、例えば、一方の開口から洗浄水を流し込むと、第一貫通孔46内にたまった製品のカス等の異物は洗浄水と共に流れ、他方の開口から排出することができ、簡単に掃除することができる。また、例えば第一縦孔部43内に製品のカス等の異物が留まったとしても、上方から洗浄水を流し込むことで、簡単に第一貫通孔46内に落とし込むことができる。そして、係る第一貫通孔46内の異物は、当該第一貫通孔46内を簡単に洗浄して除去できる。
また、本実施形態では、第一横孔部47は、第二切欠部39側にのみ開口した状態であるが、第二縦孔部44を第二切欠部39の近くに配置し、第一横孔部47の奥行きが短いため、第一横孔部47の開口側から洗浄液を吹き付けることで簡単に洗浄ができる。さらに、第一横孔部47は、凹所35に繋がるものであり、被包装物の塩分と鱗等の製品のカスが進入しないため、そもそも第一貫通孔46に比べて洗浄の必要性も低い。なお、この第一横孔部47も第一貫通孔46と同様に両端を開口させるようにしても良い。
また、各ボルト,71は、それぞれ6本ずつ用いて第一ブロック40,第二ブロック41を固定するので、従前のボックス本体の下面側にプレートを固定する構造にものに比べて本数は少なく、しかも、ボルト,71は、ボックス本体33を包装機に設置した状態のまま緩めたり、締めたりすることができるので、第一ブロック40と第二ブロック41の解除・固定作業が簡易となるので良い。
さらに、上記の洗浄は、ボックス本体33を包装機にセットした状態のまま行えるので、従来のように非常に重いボックス本体33を取り外したり、再セットしたりする作業も不要となるので、より好ましい。
また、第一ブロック40や第二ブロック41内の経路に各種の異物が留まっている場合には、当該ブロックはボックス本体33に比べると小さく、軽量であるため、取り外した状態で適宜に向きを変えるなどして水洗い等することで除去できる。そして、清掃が終了後は、第一ブロック40と第二ブロック41を、それぞれ第一切欠部38と第二切欠部39にセットした状態でボルトを用いて締結・固定する。
さらに本実施形態では、第一ブロック40と第二ブロック41の所定部位、すなわち、ボックス本体33の第一切欠部38,第二切欠部39の垂直面に配置した第一貫通孔46並びに各横孔部の開口に対向する部位には、開口の内径と同等か一回り大きい内径を有する環状のパッキン81を設けている。このパッキン81を設けることで、接続面における空気漏れを阻止し、各ブロックの配管と繋がる部分では、脱気処理や大気開放用の空気の流入を確実に行えるとともに、第一貫通孔46の第二ブロック41側の開口は、確実に閉塞することができるようにしている。
上述した実施形態では、第一貫通孔46は、搬送方向に沿って水平に形成したが、本発明はこれに限ることは無く、水平方向や垂直方向に傾斜させても良く、さらには必ずしも直線で無くても良い。第一貫通孔46の両端を開口することで、例えば一方から洗浄水を流し込むと、必ずしも直線で無くても異物を排出することができる。また、垂直方向に傾斜を設けると、高い方の開口から洗浄水を流し込むことでより効果的に洗浄できるので良い。
上述した実施形態では、第一縦孔部43内に吸引ノズルを実装したが、本発明はこれに限ることは無く、吸引ノズルを設けないようにしても良い。例えば、図8に示すように、第一縦孔部43を設ける周壁36の上面に、凹溝80を設け、第一縦孔部43の開口は、凹溝80の奥面に配置する。下側フィルム12の所定位置には、環状のスリット等が形成されており、第一縦孔部43からの吸引が行われると、環状のスリット等で囲まれるフィルム部分12bが吸い込まれて開口し、その開口した部位から収納凹部12a内の空気が吸引除去される。
実施形態のように吸引ノズルを設けた場合、当該吸引ノズルを上方に付勢するスプリングが実装されることになる。このスプリングの部分にゴミがたまると掃除がしにくくなるが、本形態のようにノズルレスにすることで、ゴミが溜まりにくく、また溜まっても簡単に流して洗浄することができるので良い。
上述した実施形態では、強制的に大気開放する機能を備えたが、本発明はこれに限ることは無く、当該機能を設けない構成としても良い。特に、凹所の寸法形状が比較的小さかったり、処理速度に高速性が要求されなかったりするような場合には、当該機能を設けずに簡単な構成とすると良い。
また、本発明は清掃の容易さを主な解決課題としたため、下側ボックスは、ボックス本体と、その前後に装着した第一ブロック40と第二ブロック41を備え、第一ブロック40と第二ブロック41を取り外した状態では、ボックス本体に設けた貫通孔の両端が開放するようにした。一方、高速性に対応することなどを主な解決課題とした発明において、強制的に大気開放する機能を備える真空チャンバーとした場合、上述した実施形態に限ることは無く、例えば従来の下側ボックスの構成を前提とするなど各種の構成に適用できる。
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。