JP6735535B2 - 酸化染毛剤第1剤及び酸化染毛剤組成物の色調安定化方法 - Google Patents
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Description
本発明の別の態様では、第1剤に炭酸塩を含有する酸化染毛剤組成物の色調安定化方法であって、前記酸化染毛剤組成物の第1剤中において、(A)レゾルシン及びその誘導体、並びにそれらの塩から選ばれる少なくとも1種であって、(A)成分の配合量の上限が0.2質量%以下と、(B)m−アミノフェノール、5−アミノ−o−クレゾール、及びα−ナフトールから選ばれる少なくとも1種のカプラーと、(C)p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、p−アミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン及びそれらの誘導体、並びにそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の染料中間体を0.01〜0.45質量%と、を配合し、前記(A)成分の含有量に対する前記(B)成分の含有量の質量比が0.5〜10であることを特徴とする。
本実施形態の酸化染毛剤第1剤(以下、単に「第1剤」という)は、2剤式の酸化染毛剤組成物の第1剤として構成される。2剤式の酸化染毛剤組成物は、例えば、少なくとも炭酸塩及び所定の酸化染料を含有する第1剤、少なくとも酸化剤を含有する第2剤から構成される。この酸化染毛剤組成物は、この第1剤と第2剤とが混合された混合物が調製された後、毛髪の染毛処理に使用される。
第1剤は、アルカリ剤及び染料の他に、酸化染料の安定性を向上させるために(A)レゾルシン及びその誘導体、並びにそれらの塩から選ばれる少なくとも1種を含有する。
第1剤中における総酸化染料の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.08質量%以上である。総酸化染料の含有量が0.01質量%以上であると、特に彩度を、より向上させることができる。
第2剤は、酸化剤の他、上述した可溶化剤等を配合することもできる。酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンの脱色性をより向上させる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及びピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの酸化剤の具体例の内、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。第2剤中における酸化剤の含有量は、適宜設定されるが、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは2.0質量%以上であり、さらに好ましくは3.0質量%以上である。酸化剤の含有量が0.1質量%以上の場合、メラニンの脱色性をより向上することができる。また、第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは15.0質量%以下であり、より好ましくは9.0質量%以下であり、さらに好ましくは6.0質量%以下である。酸化剤の含有量が15.0質量%以下の場合、毛髪の損傷等をより抑制することができる。
第1剤中に炭酸塩を含む構成において、特定の酸化染料を使用すると、酸化染料の安定性が低下する場合があった。特に、一般的に高い明度及び彩度が求められているファッションカラーの分野において用いられているm−アミノフェノール等の酸化染料は、炭酸塩と併用した場合、保存安定性が低下し、染毛処理後の色調が変化する場合があった。例えば、酸化染料の配合量を増加させた場合、酸化染料が安定化する場合があるが、明度が低下する方向へ変化することがあるため、所望の明度を得ながら酸化染料の安定性を向上させることは容易ではなかった。本発明は、特定量の(A)レゾルシン等の芳香族化合物をさらに添加することにより、長期保存した場合であっても、m−アミノフェノール等の酸化染料の保存安定性を向上させることができ、それにより色調の変化を抑制することができる。また、酸化染料の安定性向上のために酸化染料の配合量を調整する必要がないため、かかる観点からも色調の変化を抑制することができる。
(1)本実施形態は、第1剤中に炭酸塩を含む構成において、特定量の(A)レゾルシン等を併用した。したがって、酸化染料、より具体的には(B)m−アミノフェノール、5−アミノ−o−クレゾール、及びα−ナフトールから選ばれる少なくとも1種のカプラーの安定性を向上することができる。よって、長期保存した場合であっても、色調の変化を抑制することができる。
・上記実施形態において、上述した酸化染料以外の染料として、本発明の効果を阻害しない範囲内において、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された直接染料を適宜含有してもよい。
なお、以下実施例6〜9,11は、参考例6〜9,11に置き換えるものとする。
(処方例1)
表1,2に示す各成分を含有する、クリーム状の酸化染毛剤組成物の第1剤及び第2剤を調製した。表1,2における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である(表3以降も同じ)。そして、第1剤と第2剤とを1:1の質量比で混合して酸化染毛剤組成物を調製した。得られた酸化染毛剤組成物を、黒毛の人毛毛束(15cmのビューラックス社製)(以下、単に毛束という。)に刷毛を用いて塗布し、室温(25℃)にて30分間放置した。次に、毛束に付着した酸化染毛剤組成物を水で洗い流した後、毛束にシャンプー(ホーユー社製のビゲントリートメントシャンプー)を2回、及びリンス(ホーユー社製のビゲントリートメントリンス)を1回施した。続いて、毛束を温風で乾燥した後、一日間放置した。染毛処理が施された毛束について、下記に示す方法に従い明度及び彩度の評価を行った。また、各実施例及び比較例の第1剤を所定期間保存した後、染毛処理した際の毛束について、下記に示す方法に従い色調の変化について評価を行った。尚、表中「成分」欄における(A)〜(C)の表記は、本願請求項記載の各成分に対応する化合物を示す。
10名のパネラーが各酸化染毛剤組成物で処理した後の人毛毛束の明度を標準光源下で目視にて観察し、3点、2点、1点の3段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が2.6点以上を「◎」、1.6点以上2.6点未満を「○」、1.6点未満を「×」とし、評価結果とした。結果を表1に示す。
10名のパネラーが各酸化染毛剤組成物で処理した後の人毛毛束の彩度を標準光源下で目視にて観察し、3点、2点、1点の3段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が2.6点以上を「◎」、1.6点以上2.6点未満を「○」、1.6点未満を「×」とし、評価結果とした。結果を表1に示す。
各例の第1剤を45℃の恒温槽中で1か月保存した。所定期間保存された各例の第1剤を用いて、上記と同様に染毛処理することにより各毛束を得た。保存処理していない各例の第1剤についても、同様に染毛処理することにより各毛束を作成し、それをコントロールとした。得られた各毛束について、保存処理の有無による色調(明度及び彩度)の変化の有無を10名のパネラーが標準光源下で目視にて観察し、下記の基準に従い評価した。
処方例2では、表3に示す各成分を含有する、エアゾール缶より泡状に吐出される酸化染毛剤組成物の第1剤及び第2剤を調製した。表3に示す第1剤及び第2剤をそれぞれエアゾール缶に充填し、使用時に各剤をブラシ上に泡状に吐出した。尚、第1剤と第2剤は、1:1の質量比で吐出した。次に、処方例1と同様の毛束を使用し、ブラシで塗布しながら各剤を混合した。以降、処方例1と同様の方法を用いて染毛処理した。処方例1に示す方法に従い明度、彩度、及び色調の変化の各評価を行った。結果を表3に示す。尚、処方例2において、レゾルシンを配合しない点のみ異なる比較例も併せて実施した(データ不添付)。
処方例3では、表4に示す各成分を含有する、エアゾール缶よりクリーム状に吐出される酸化染毛剤組成物の第1剤及び第2剤を調製した。表4に示す第1剤及び第2剤をそれぞれエアゾール缶に充填し、使用時に各剤をブラシ上にクリーム状に吐出した。尚、第1剤と第2剤は、1:1の質量比で吐出した。次に、処方例1と同様の毛束を使用し、ブラシで塗布しながら各剤を混合した。以降、処方例1と同様の方法を用いて染毛処理した。処方例1に示す方法に従い明度、彩度、及び色調の変化の評価を行った。結果を表4に示す。尚、処方例3において、レゾルシンを配合しない点のみ異なる比較例も併せて実施した(データ不添付)。
処方例4では、表5に示す各成分を含有する、酸化染毛剤組成物のゲルエマルション状の第1剤及び液状の第2剤を調製した。そして、第1剤と第2剤とを1:1の質量比で混合して酸化染毛剤組成物を調製した。以降、処方例1と同様の方法を用いて染毛処理した。処方例1に示す方法に従い明度、彩度、及び色調の変化の評価を行った。結果を表5に示す。尚、処方例4において、レゾルシンを配合しない点のみ異なる比較例も併せて実施した(データ不添付)。
処方例5では、表6に示す各成分を含有する、酸化染毛剤組成物のゲル状の第1剤及び液状の第2剤を調製した。そして、第1剤と第2剤とを1:1の質量比で混合して酸化染毛剤組成物を調製した。以降、処方例1と同様の方法を用いて染毛処理した。処方例1に示す方法に従い明度、彩度、及び色調の変化の評価を行った。結果を表6に示す。尚、処方例5において、レゾルシンを配合しない点のみ異なる比較例も併せて実施した(データ不添付)。
処方例6では、表7に示す各成分を含有する、酸化染毛剤組成物の液状の第1剤及び液状の第2剤を調製した。そして、第1剤と第2剤とを1:1の質量比で混合して酸化染毛剤組成物を調製した。以降、処方例1と同様の方法を用いて染毛処理した。処方例1に示す方法に従い明度、彩度、及び色調の変化の評価を行った。結果を表7に示す。尚、処方例6において、レゾルシンを配合しない点のみ異なる比較例も併せて実施した(データ不添付)。
(イ)ファッションカラーに用いられることを特徴とする前記酸化染毛剤第1剤。本発明の酸化染毛剤第1剤は、優れた明度及び彩度を有するため、特にファッションカラーの分野に好適に用いることができる。(ロ)前記(B)成分は、2種以上含有する前記酸化染毛剤第1剤。色調のバリエーションを容易に図ることができる。
Claims (3)
- 酸化剤を含有する剤と混合して用いられ、炭酸塩を0質量%を超え且つ10質量%以下で含有する酸化染毛剤第1剤(リン酸ジアルキルを含有する第1剤を除く)において、
(A)レゾルシン、アルキル化レゾルシン、ハロゲン化レゾルシン、及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種であって、(A)成分の配合量が0.01〜0.05質量%と、
(B)m−アミノフェノール、5−アミノ−o−クレゾール、及びα−ナフトールから選ばれる少なくとも1種のカプラーを0.06〜0.2質量%であって総カプラー中において質量比として0.6以上と、
(C)p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、p−アミノフェノール及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の染料中間体を0.01〜0.45質量%と、を含有し、
前記酸化染毛剤第1剤中における前記(A)成分の含有量に対する前記(B)成分の含有量の質量比が1.2〜9.3333であることを特徴とする酸化染毛剤第1剤。 - 前記酸化染毛剤第1剤がアルカリ剤として炭酸塩を4〜10質量%含有する高明度・高彩度染毛用の第1剤である請求項1に記載の酸化染毛剤第1剤。
- 酸化剤を含有する剤と混合して用いられる第1剤(リン酸ジアルキルを含有する第1剤を除く)に炭酸塩を0質量%を超え且つ10質量%以下で含有する酸化染毛剤組成物の色調安定化方法であって、
前記酸化染毛剤組成物の第1剤中において、
(A)レゾルシン、アルキル化レゾルシン、ハロゲン化レゾルシン、及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種であって、(A)成分の含有量が0.01〜0.05質量%と、
(B)m−アミノフェノール、5−アミノ−o−クレゾール、及びα−ナフトールから選ばれる少なくとも1種のカプラーを0.06〜0.2質量%であって総カプラー中において質量比として0.6以上と、
(C)p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、p−アミノフェノール及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の染料中間体を0.01〜0.45質量%と、を配合し、
前記(A)成分の含有量に対する前記(B)成分の含有量の質量比が1.2〜9.3333であることを特徴とする酸化染毛剤組成物の色調安定化方法。
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