JP6733142B2 - 薄膜形成用樹脂組成物 - Google Patents

薄膜形成用樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6733142B2
JP6733142B2 JP2015185229A JP2015185229A JP6733142B2 JP 6733142 B2 JP6733142 B2 JP 6733142B2 JP 2015185229 A JP2015185229 A JP 2015185229A JP 2015185229 A JP2015185229 A JP 2015185229A JP 6733142 B2 JP6733142 B2 JP 6733142B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
group
resin composition
formula
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015185229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017057343A (ja
Inventor
江原 和也
和也 江原
和也 進藤
和也 進藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Priority to JP2015185229A priority Critical patent/JP6733142B2/ja
Publication of JP2017057343A publication Critical patent/JP2017057343A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6733142B2 publication Critical patent/JP6733142B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、薄膜形成用樹脂組成物に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置の分野において、高精細化に加え、軽量化、フレキシブル化等に対する要求がますます高まっている。そのような事情の下、製造が容易で高い耐熱性を持つことが知られるポリイミド樹脂が、ガラスにかわるディスプレイ用基板材料として注目を集めている。
しかし、ポリイミドをディスプレイ基板の材料として用いるには、ガラスの線膨張係数(約3〜8ppm/K程度)に近い値が必要となるが、大半のポリイミドは60〜80ppm/K程度の線膨張係数を有するため、ディスプレイの基板材料に適さない。このため、線膨張係数が小さいポリイミドフィルムの開発が行われている(特許文献1)。これらのポリイミドフィルムは、通常ガラス基板上に作製され、その上にデバイスを作製後、最終工程でポリイミドフィルムをガラス基板から剥離することが知られている(特許文献2)。
一方、効率よく信頼性の高い有機ELディスプレイを生産するためには、線膨張係数に代表される膜物性のほかに、発光層を均一に作製することが重要である(特許文献3)。これは、発光層に膜厚のムラが生じることで相対的に膜厚が薄くなった部分が主に発光するようになり、猫目状の発光ムラや、この部分からの素子劣化が起こるためである。これらの要因として、発光層作製時の膜厚不均一性や基板由来の凹凸が挙げられる。一般的な有機EL素子の厚さは、200nm前後である。このため、高精細なフレキシブル有機ELディスプレイを得るためには、ポリイミドフィルム基板表面の凹凸を1nm以内に抑制することが重要になる。
また、一般的に、有機ELディスプレイを作製する際には、有機EL素子寿命の向上やITO基板の仕事関数を向上させる理由等から、基板洗浄を行う事が必須である(特許文献4)。洗浄方法としては、超音波洗浄方法等が用いられている。超音波洗浄方法によれば非常に効率的に基板表面を洗浄できるが、超音波によってポリイミドフィルムがガラス基板から剥離し、生産性が低下するおそれがある。このため、ポリイミドフィルムの密着性を改善するため、シランカップリング剤やゾル等の無機物系密着材を添加する方法が考えられる。しかし、このような樹脂組成物から得られたポリイミドフィルムの表面の凹凸は、有機ELディスプレイ基板として用いるには大きく、有機ELディスプレイ基板として用いることは困難であった。したがって、高耐熱性、高平坦性及び高密着性を有するポリイミド薄膜を製造することが、依然として求められている。
特開2010−202729号公報 特開平10−125929号公報 国際公開第2012/132292号 国際公開第2011/105140号
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高耐熱性、高平坦性及び高密着性を有するポリイミド薄膜を形成することができる薄膜形成用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリアミック酸及び溶媒を含む組成物にエポキシシクロアルキル基を含むシラン化合物を添加することで、平坦性が高く、基板に対する高い密着性を有するポリイミド薄膜を形成することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記薄膜形成用樹脂組成物を提供する。
1.ディスプレイ基板用のポリイミド薄膜を形成するための樹脂組成物であって、
(A)ポリアミック酸、(B)エポキシシクロアルキル基を含むシラン化合物、及び(C)溶媒を含み、(A)ポリアミック酸が、下記式(1)で表される繰り返し単位を全繰り返し単位中50モル%以上含むものである薄膜形成用樹脂組成物。
Figure 0006733142
[(式中、X1は、4価の芳香族基を表し、Y1は、下記式(P)で表される基を表す。)
Figure 0006733142
(式中、Rは、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基又はフェニル基を表し、mは、0〜4の整数を表し、kは、1〜3の整数を表す。)]
2.(A)ポリアミック酸が、式(1−1)で表される繰り返し単位及び式(1−2)で表される繰り返し単位を含む1の薄膜形成用樹脂組成物。
Figure 0006733142
[式中、X1は、前記と同じであり、Y2は、下記式(P1)又は(P2)で表される基を表し、Y3は、下記の式(P3)で表される基を表し、n1及びn2は、各繰り返し単位の数を表し、n1/n2=1.7〜8.2を満たす。
Figure 0006733142
(式中、R1〜R6は、それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基、又はフェニル基を表し、m1〜m6は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す)]
3.(B)成分が、下記式(2)で表される1又は2の薄膜形成用樹脂組成物。
Figure 0006733142
(式中、R7は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは、加水分解性基を表し、p及びqは、それぞれ独立に、1〜7の整数を表し、rは、0〜2の整数を表す。)
4.(B)成分が、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである3の薄膜形成用樹脂組成物。
5.(B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して0.001〜5質量部である1〜4のいずれかの薄膜形成用樹脂組成物。
6.(C)成分が、下記式(3)で表される溶媒及び/又は式(4)で表される溶媒である1〜5のいずれかの薄膜形成用樹脂組成物。
Figure 0006733142
(式中、R8は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A1及びA2は、それぞれ独立に、−CH2−、−O−又は−N(R9)−を表し、R9は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
7.1〜6のいずれかの薄膜形成用樹脂組成物を用いて作製されるポリイミド薄膜。
8.7のポリイミド薄膜を備える画像表示装置。
9.1〜6のいずれかの薄膜形成用樹脂組成物を用いる、ポリイミド薄膜の製造方法。
10.7のポリイミド薄膜を用いる、画像表示装置の製造方法。
本発明の薄膜形成用樹脂組成物から得られるポリイミド薄膜は、耐熱性や柔軟性に優れ、平坦性も高く、ガラス基板等の無機材料基板への密着性も高い。そのため、本発明の組成物を用いると、ポリイミド薄膜の生産性に優れ、得られたポリイミド薄膜は、フレキシブルディスプレイ材料、特に、フレキシブル液晶ディスプレイ用材料やフレキシブル有機ELディスプレイ用材料に適している。また、当該薄膜は、平坦化膜、絶縁膜としても用い得る。
本発明の薄膜形成用樹脂組成物は、(A)ポリアミック酸、(B)エポキシシクロアルキル基を含むシラン化合物、及び(C)溶媒を含むものである。
[(A)ポリアミック酸]
(A)成分であるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させて得られるものである。前記テトラカルボン酸二無水物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物でも脂肪族テトラカルボン酸二無水物でもよく、前記ジアミン化合物も、芳香族ジアミン化合物でも脂肪族ジアミン化合物でもよい。
(A)ポリアミック酸は、高耐熱性、適度な柔軟性及び適度な線膨張係数を有するポリイミド薄膜を再現性よく与えるという点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを含むジアミン化合物とを反応させて得られるものが好ましい。このようなポリアミック酸としては、下記式(1)で表される繰り返し単位を、全繰り返し単位中50モル%以上含むものが好ましい。
Figure 0006733142
式中、X1は、4価の芳香族基を表す。前記4価の芳香族基は、芳香族環を含む基であれば特に限定されないが、ベンゼン核を1〜5つ含む基が好ましい。このような基としては、後述する芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例に由来する基等が挙げられるが、特に下記式(X−1)〜(X−12)で表される基が好ましい。
Figure 0006733142
式中、R'は、それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基又はフェニル基を表す。前記炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基が挙げられる。
1は、0〜2の整数を表すが、0又は1が好ましく、0がより好ましい。j2は、0〜4の整数を表すが、0又は1が好ましく、0がより好ましい。j3は、それぞれ独立に、0〜3の整数を表すが、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式(1)中、Y1は、2価の芳香族基を表す。前記2価の芳香族基としては、芳香族環を含む基であれば特に限定されないが、ベンゼン核を1〜5つ含む基が好ましい。このような基としては、後述する芳香族ジアミンの具体例に由来する基等が挙げられるが、特に下記式(P)で表される基が好ましい。
Figure 0006733142
式中、Rは、それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基又はフェニル基を表す。前記炭素数1〜3のアルキル基としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
mは、0〜4の整数を表すが、0又は1が好ましく、0がより好ましい。また、kは、1〜3の整数を表す。
(A)ポリアミック酸は、下記式(1−1)で表される繰り返し単位及び式(1−2)で表される繰り返し単位を、全繰り返し単位中50モル%以上含むものがより好ましい。
Figure 0006733142
式中、X1は、前記と同じ。Y2は、下記式(P1)又は(P2)で表される基を表し、Y3は、下記式(P3)で表される基を表す。
Figure 0006733142
式(P1)〜(P3)中、R1〜R6は、それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基又はフェニル基を表す。前記炭素数1〜3のアルキル基としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
また、m1〜m6は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表すが、0又は1が好ましく、0がより好ましい。n1及びn2は、各繰り返し単位の数を表し、好ましくはn1/n2=1.7〜8.2を満たすが、より好ましくはn1/n2=2.1〜7.5、より一層好ましくはn1/n2=2.1〜6.8、更に好ましくはn1/n2=3.2〜6.0、最も好ましくはn1/n2=3.2〜5.1を満たす。
前述した繰り返し単位は、全繰り返し単位中60モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがより一層好ましく、90モル%以上であることが更に好ましい。
(A)ポリアミック酸は、前述した繰り返し単位以外にも、他の繰り返し単位を含んでもよい。このような他の繰り返し単位の含有量は、50モル%未満であるが、40モル%未満であることが好ましく、30モル%未満であることがより好ましく、20モル%未満であることがより一層好ましく、10モル%未満であることが更に好ましい。
(A)ポリアミック酸の重量平均分子量(Mw)は、耐熱性のある膜を再現性よく得る観点から、10,000以上であることが好ましく、15,000以上であることがより好ましく、20,000以上であることがより一層好ましい。また、靱性のある膜を再現性よく得る観点から、Mwは、500,000以下であることが好ましく、300,000以下であることがより好ましく、200,000以下であることがより一層好ましい。なお、本発明においてMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算測定値である。
本発明の組成物中の(A)ポリアミック酸の濃度は、作製する薄膜の厚みやワニス粘度等を勘案して適宜設定されるが、通常0.5〜30質量%程度、好ましくは5〜25質量%程度である。
式(1)で表される繰り返し単位を含むポリアミック酸は、下記式(A)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物と下記式(B)で表される芳香族ジアミンとを反応させることで合成することができる。
Figure 0006733142
(式中、X1及びY1は、前記と同じ。)
前記芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2',3,3'−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,3,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2',6,6'−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−2,3,9,10−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−3,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのうち、ピロメリット酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2',3,3'−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,3,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物等がより好ましい。
前記芳香族ジアミンの具体例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、5−トリフルオロメチルベンゼン−1,3−ジアミン、5−トリフルオロメチルベンゼン−1,2−ジアミン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン−1,2−ジアミン等のベンゼン核を1つ含むジアミン;1,2−ナフタレンジアミン、1,3−ナフタレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、1,6−ナフタレンジアミン、1,7−ナフタレンジアミン、1,8−ナフタレンジアミン、2,3−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、4,4'−ビフェニルジアミン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジカルボキシ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノベンズアニリド、3,3'−ジクロロベンジジン、3,3'−ジメチルベンジジン、2,2'−ジメチルベンジジン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4'−ジアミン、3,3',5,5'−テトラフルオロビフェニル−4,4'−ジアミン、4,4'−ジアミノオクタフルオロビフェニル、2−(3−アミノフェニル)−5−アミノベンズイミダゾール、2−(4−アミノフェニル)−5−アミノベンゾオキゾール等のベンゼン核を2つ含むジアミン;1,5−ジアミノアントラセン、2,6−ジアミノアントラセン、9,10−ジアミノアントラセン、1,8−ジアミノフェナントレン、2,7−ジアミノフェナントレン、3,6−ジアミノフェナントレン、9,10−ジアミノフェナントレン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)イソプロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(3−アミノフェニル)イソプロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)イソプロピル]ベンゼン、4,4''−ジアミノ−p−ターフェニル、4,4''−ジアミノ−m−ターフェニル等のベンゼン核を3つ含むジアミン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノビフェニル、4,4''−ジアミノ−p−ターフェニル等が好ましい。また、これらを組み合わせて用いる場合、p−フェニレンジアミン又は4,4'−ジアミノビフェニルと、4,4''−ジアミノ−p−ターフェニルとを組み合わせて使用することが好ましい。この場合、p−フェニレンジアミン又は4,4'−ジアミノビフェニルと、4,4''−ジアミノ−p−ターフェニルとの仕込み比(モル比)は、4,4''−ジアミノ−p−ターフェニルに対してp−フェニレンジアミン又は4,4'−ジアミノビフェニルを、通常1.7〜8.2程度とすることができるが、好ましくは2.1〜7.5、より好ましくは2.1〜6.8、より一層好ましくは3.2〜6.0、更に好ましくは3.2〜5.1である。
前記反応において、式(A)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物と式(B)で表される芳香族ジアミンとの仕込み比(モル比)は、所望するポリアミック酸の分子量や繰り返し単位の割合等を勘案して適宜設定することができるが、通常、芳香族ジアミンに対してテトラカルボン酸二無水物を0.7〜1.3程度とすることができ、好ましくは0.8〜1.2程度である。
前記反応は、溶媒中で行うことが好ましい。この場合、溶媒の種類は、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されない。前記溶媒の具体例としては、m−クレゾール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−プロポキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−イソプロポキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−s−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−t−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、γ−ブチロラクトン等のプロトン性溶剤等が挙げられる。これらは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
反応温度は、用いる溶媒の融点から沸点までの範囲で適宜設定すればよく、通常0〜100℃程度であるが、得られるポリアミック酸のイミド化を防いでポリアミック酸単位の高含有量を維持するためには、好ましくは0〜70℃程度であり、より好ましくは0〜60℃程度であり、より一層好ましくは0〜50℃程度である。
反応時間は、反応温度や原料物質の反応性に依存するため一概に規定できないが、通常1〜100時間程度である。
[(B)エポキシシクロアルキル基を含むシラン化合物]
(B)成分は、エポキシシクロアルキル基を含むシラン化合物である。このようなシラン化合物としては、エポキシシクロアルキル基を含むものであれば特に限定されないが、更に加水分解性基を少なくとも1つ含むものが好ましく、特に、下記式(2)で表されるものが好ましい。
Figure 0006733142
式(2)中、R7は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。前記炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状又は分岐状のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が好ましい。
Xは、加水分解性基を表す。前記加水分解性基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルコキシアルコキシ基等が挙げられる。前記ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。前記炭素数1〜3のアルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状のものが好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基及びイソプロポキシ基が挙げられる。また、前記炭素数2〜4のアルコキシアルコキシ基としては、メトキシメトキシ基、2−メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基及び2−エトキシエトキシ基が挙げられる。中でも、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
p及びqは、それぞれ独立に、1〜7の整数を表すが、pは、1〜3の整数が好ましく、2がより好ましい。qは、1〜3の整数が好ましい。rは、0〜2の整数を表すが、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
前記シラン化合物としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのうち、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が特に好ましい。
なお、前記シラン化合物としては、市販品を使用し得る。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましく、0.05〜1質量部が更に好ましい。(B)成分の含有量が前記範囲であれば、十分な密着性及び平坦性を有するポリイミド薄膜が得られる。
[(C)溶媒]
(C)成分である溶媒は、(A)成分であるポリアミック酸を溶解することができるものであれば特に限定されない。
平坦性の高いポリイミド薄膜を再現性よく得ることを考慮すると、(C)溶媒は、下記式(3)で表される溶媒及び/又は(4)で表される溶媒を含むものが好ましい。
Figure 0006733142
式中、R8は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A1及びA2は、それぞれ独立に、−CH2−、−O−又は−N(R9)−を表し、R9は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
式(3)で表される溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。式(4)で表される溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
(C)成分中、式(3)で表される溶媒及び/又は式(4)で表される溶媒の含有量は、全溶媒中、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%である。
なお、単独ではポリアミック酸を溶解させない溶媒であっても、ポリアミック酸が析出しない範囲であれば、組成物の調製に用いることができる。例えば、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソアミル等の表面張力が小さい溶媒を適量添加してもよい。
[薄膜形成用樹脂組成物の調製]
本発明の薄膜形成用樹脂組成物は、通常、(A)成分を合成した後、反応溶液をろ過し、そのろ液をそのまま又は希釈若しくは濃縮し、そこへ(B)成分を添加することで調製することができる。このようにすることで、得られるポリイミド薄膜の耐熱性、柔軟性あるいは線膨張係数特性の悪化の原因となり得る不純物の混入を低減できるだけでなく、効率よく組成物を得ることができる。この場合、前記反応に用いる溶媒は、(C)成分である溶媒として例示したものと同じものであることが好ましい。希釈に用いる溶媒としては、特に限定されず、例えば、前記反応の反応溶媒や(C)成分として例示したものが挙げられる。これらは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
または、前記反応溶液を常法に従って後処理してポリアミック酸を単離した後、単離したポリアミック酸及び(B)成分を(C)溶媒に溶解又は分散させることで、本発明の組成物を調製してもよい。この場合、平坦性の高いポリイミド薄膜を再現性よく得ることを考慮すると、ポリアミック酸は溶媒に溶解していることが好ましい。
本発明の組成物の粘度は、作製するポリイミド薄膜の厚み等勘案し適宜設定されるが、特に5〜50μm程度の厚さのポリイミド薄膜を再現性よく得ることを目的とする場合、通常、25℃で好ましくは500〜50,000mPa・s程度、より好ましくは1,000〜20,000mPa・s程度である。なお、本発明において、粘度はE型粘度計による測定値である。
[ポリイミド薄膜]
本発明の薄膜形成用樹脂組成物を基板に塗布して加熱することで、高耐熱性、適度な柔軟性、適度な線膨張係数、高平坦性及び高密着性を有するポリイミド薄膜を得ることができる。
前記基板としては、例えば、ガラス、シリコンウエハ、シリコンナイトライド、クロム基板等が挙げられる。
塗布方法は、特に限定されないが、例えば、キャストコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等が挙げられる。
また、(A)ポリアミック酸をイミド化させる方法としては、基板上に塗布した組成物をそのまま加熱する熱イミド化や、組成物中に触媒を添加し加熱する触媒イミド化が挙げられる。
ポリアミック酸の触媒イミド化は、本発明の組成物に触媒を添加し、攪拌することにより触媒添加樹脂組成物を調整した後、基板へ塗布して加熱することでポリイミド薄膜が得られる。触媒の量は、アミド酸基1モルに対して好ましくは0.1〜30モル、より好ましくは1〜20モルである。また触媒添加樹脂組成物中に脱水剤として無水酢酸等を加えることもでき、その量はアミド酸基1モルに対して好ましくは1〜50モル、より好ましくは3〜30モルである。
イミド化触媒としては三級アミンを用いることが好ましい。三級アミンとしては、ピリジン、置換ピリジン類、イミダゾール、置換イミダゾール類、ピコリン、キノリン、イソキノリン等が好ましい。
熱イミド化及び触媒イミド化時の加熱温度は、450℃以下が好ましい。450℃を超えると、得られるポリイミド薄膜が脆くなり、ディスプレイ基板用途に適したポリイミド薄膜を得ることができない場合がある。また、得られるポリイミド薄膜の耐熱性と線膨張係数特性を考慮すると、塗布した樹脂組成物を50〜100℃で5分間〜2時間加熱した後に、そのまま段階的に加熱温度を上昇させて最終的に375℃超〜450℃で30分〜4時間加熱することが望ましい。特に、塗布した組成物は、50〜100℃で5分間〜2時間加熱した後に、100℃超〜200℃で5分間〜2時間、次いで、200℃超〜375℃で5分間〜2時間、最後に375℃超〜450℃で30分〜4時間加熱することが好ましい。加熱に用いる器具は、例えば、ホットプレート、オーブン等が挙げられる。加熱雰囲気は、空気下であっても不活性ガス下であってもよく、また、常圧下であっても減圧下であってもよい。
本発明のポリイミド薄膜中のポリイミドのイミド化率は、特に限定されないが、得られるフィルムの膜物性という点から、90%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。
ポリイミド薄膜の厚さは、通常1〜60μm程度、好ましくは5〜50μm程度であり、加熱前の塗膜の厚さを調整して所望の厚さの薄膜を形成する。
このようにして得られた本発明のポリイミド薄膜は、表面ラフネスが1nm以下と平坦性が良好であり、600℃における重量減少率が10%未満と耐熱性も良好である。
以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。なお、使用した試薬、装置及び測定条件は以下のとおりである。
[1]試薬
PMDA:ピロメリット酸無水物(東京化成工業(株)製)
pPDA:p−フェニレンジアミン(東京化成工業(株)製)
TPDA:4,4''−ジアミノ−p−ターフェニル(東京化成工業(株)製)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン(東京化成工業(株)製)
KBM−303:2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)
KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)
[2]測定条件
<Mw測定>
Mwの測定は、日本分光(株)製GPC装置(カラム:昭和電工(株)製Shodex OHpak SB803-HQ及びOHpak SB804-HQ;溶離液:ジメチルホルムアミド/LiBr・H2O(29.6mM)/H3PO4(29.6mM)/THF(0.1質量%);流量:1.0mL/分;カラム温度:40℃;Mw:標準ポリスチレン換算値)を用いて行った。
<膜厚の測定>
ポリイミド薄膜の膜厚を、(株)ミツトヨ製マイクロメータを用いて測定した。
<耐熱性評価>
樹脂被膜の耐熱性評価のために、600℃での重量減少を測定した。測定は、ブルカー社製TG/DTA2000SAを用いて、空気雰囲気下で行った(昇温レート:10℃/min)。
<表面ラフネス>
AFMである(株)日立ハイテクサイエンス製L-trace(プローブ:Si-DF40)を用いて、ガラス基板上に搭載されたポリイミドフィルムの表面ラフネスを測定した(走査エリア:10×10μm、測定速度:1.0Hz)。
<密着性試験>
あらかじめ、ガラス基板に搭載されたポリイミドフィルムに、カッターにて縦20mm、横25mmの短冊を5本、作製した。次に、このガラス基板を純水入りビーカーへ投入し、更に、このビーカーをエマソン社製超音波洗浄装置2800-Jに入れた。その後、超音波洗浄装置内を40〜45℃とし、超音波をかけた。なお、密着性試験の評価基準は、以下のとおりである。
○:30分以上超音波処理しても、フィルムが剥離しなかった。
×:30分未満の超音波処理で、フィルムが剥離した。
[3]ポリアミック酸の合成
[合成例1]
pPDA7.24g(67.0mmol)及びTPDA4.36g(16.7mmol)をNMP220.5gに溶解させ、得られた溶液にPMDA17.9g(82.1mmol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させて、ポリアミック酸Aを得た。ポリアミック酸AのMwは82,600、分子量分布は9.7であった。
[4]樹脂組成物の調製
[実施例1]樹脂組成物Aの調製
ポリアミック酸A20gに、2質量%のKBM−303のNMP溶液1.18g(KBM−303として0.0236g)、及びNMP1.52gを添加し、室温にて6時間以上攪拌し、樹脂組成物Aを調製した。
[実施例2]樹脂組成物Bの調製
ポリアミック酸A20gに、2質量%のKBM−303のNMP溶液2.36g(KBM−303として0.0472g)、及びNMP0.57gを添加し、室温にて6時間以上攪拌し、樹脂組成物Bを調製した。
[比較例1]樹脂組成物Cの調製
ポリアミック酸A20gに、2質量%のKBM−403のNMP溶液1.18g(KBM−403として0.0236g)、及びNMP1.52gを添加し、室温にて6時間以上攪拌し、樹脂組成物Cを調製した。
[比較例2]樹脂組成物Dの調製
ポリアミック酸A20gに、2質量%のKBM−403のNMP溶液2.36g(KBM−403として0.0472g)、及びNMP0.57gを添加し、室温にて6時間以上攪拌し、樹脂組成物Dを調製した。
[比較例3]樹脂組成物Eの調製
ポリアミック酸A20gにNMP2.48gを添加し、室温にて6時間以上攪拌し、樹脂組成物Eを調製した。
[5]フィルムの作製と評価
<ポリイミド薄膜の作製>
樹脂組成物A〜Eを、それぞれ無アルカリガラス基板上に塗布し、バーコータ―(ギャップ厚250μm)を用いて製膜した。その後、このガラス基板をホットプレート上にて80℃30分間仮焼成を行った。更に、(株)デンケン製オーブンKFD-900GLを用いて、140℃、30分間、続いて210℃、30分間、続いて300℃、30分間、続いて450℃、60分間、ベーク(昇温速度10℃/min)を行ってフィルムを作製した。
<ポリイミド薄膜の諸物性測定>
作製した薄膜の、膜厚、600℃での重量減少、表面ラフネスの測定結果、及び密着性試験の結果を表1に示す。
Figure 0006733142
表1に示したように、本発明の組成物から得られたポリイミド薄膜は、耐熱性、表面ラフネス及び密着性に優れていた。一方、比較例1及び2は耐熱性が低く、表面ラフネスが大きく、比較例3は密着性が乏しかった。

Claims (10)

  1. ディスプレイ基板用のポリイミド薄膜を形成するための樹脂組成物であって、
    (A)ポリアミック酸、(B)エポキシシクロアルキル基を含むシラン化合物、及び(C)溶媒を含み、
    (A)ポリアミック酸が、下記式(1)で表される繰り返し単位を全繰り返し単位中50モル%以上含むものである薄膜形成用樹脂組成物。
    Figure 0006733142
    [(式中、X1は、4価の芳香族基を表し、Y1は、下記式(P)で表される基を表す。)
    Figure 0006733142
    (式中、Rは、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基又はフェニル基を表し、mは、0〜4の整数を表し、kは、1〜3の整数を表す。)]
  2. (A)ポリアミック酸が、式(1−1)で表される繰り返し単位及び式(1−2)で表される繰り返し単位を含む請求項1記載の薄膜形成用樹脂組成物。
    Figure 0006733142
    [式中、X1は、前記と同じであり、Y2は、下記式(P1)又は(P2)で表される基を表し、Y3は、下記の式(P3)で表される基を表し、n1及びn2は、各繰り返し単位の数を表し、n1/n2=1.7〜8.2を満たす。
    Figure 0006733142
    (式中、R1〜R6は、それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基、又はフェニル基を表し、m1〜m6は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す)]
  3. (B)成分が、下記式(2)で表される請求項1又は2記載の薄膜形成用樹脂組成物。
    Figure 0006733142
    (式中、R7は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは、加水分解性基を表し、p及びqは、それぞれ独立に、1〜7の整数を表し、rは、0〜2の整数を表す。)
  4. (B)成分が、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである請求項3記載の薄膜形成用樹脂組成物。
  5. (B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して0.001〜5質量部である請求項1〜4のいずれか1項記載の薄膜形成用樹脂組成物。
  6. (C)成分が、下記式(3)で表される溶媒及び/又は式(4)で表される溶媒である請求項1〜5のいずれか1項記載の薄膜形成用樹脂組成物。
    Figure 0006733142
    (式中、R8は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A1及びA2は、それぞれ独立に、−CH2−、−O−又は−N(R9)−を表し、R9は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の薄膜形成用樹脂組成物を用いて作製されるポリイミド薄膜。
  8. 請求項7記載のポリイミド薄膜を備える画像表示装置。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項記載の薄膜形成用樹脂組成物を用いる、ポリイミド薄膜の製造方法。
  10. 請求項7記載のポリイミド薄膜を用いる、画像表示装置の製造方法。
JP2015185229A 2015-09-18 2015-09-18 薄膜形成用樹脂組成物 Active JP6733142B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015185229A JP6733142B2 (ja) 2015-09-18 2015-09-18 薄膜形成用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015185229A JP6733142B2 (ja) 2015-09-18 2015-09-18 薄膜形成用樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017057343A JP2017057343A (ja) 2017-03-23
JP6733142B2 true JP6733142B2 (ja) 2020-07-29

Family

ID=58389645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015185229A Active JP6733142B2 (ja) 2015-09-18 2015-09-18 薄膜形成用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6733142B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57212230A (en) * 1981-06-24 1982-12-27 Hitachi Ltd Novel polyimide resin molded article
US4525507A (en) * 1983-12-30 1985-06-25 Mouhanad Chaker High flash point/low surface energy solvent systems for polyimide conformal coatings
JPH05112642A (ja) * 1991-06-21 1993-05-07 Hitachi Ltd ポリイミド前駆体、その硬化物及びそれらの製造法
JP3324200B2 (ja) * 1993-06-04 2002-09-17 チッソ株式会社 感光性樹脂組成物
JP5556482B2 (ja) * 2009-09-15 2014-07-23 Jnc株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
SG181979A1 (en) * 2009-12-28 2012-08-30 Toray Industries Positive-type photosensitive resin composition
WO2014199965A1 (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 日産化学工業株式会社 ディスプレイ基板用樹脂組成物、ディスプレイ基板用樹脂薄膜及びディスプレイ基板用樹脂薄膜の製造方法
JP6780500B2 (ja) * 2014-02-28 2020-11-04 日産化学株式会社 ディスプレイ基板用樹脂組成物、ディスプレイ基板用樹脂薄膜及びディスプレイ基板用樹脂薄膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017057343A (ja) 2017-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6939941B2 (ja) フレキシブル電子デバイスの製造方法
TWI770374B (zh) 聚醯胺酸、聚醯胺酸溶液、聚醯亞胺、聚醯亞胺膜、積層體及可撓性裝置、與聚醯亞胺膜之製造方法
TWI717574B (zh) 烷氧基矽烷改質聚醯胺酸溶液、使用其之積層體及可撓性裝置、與積層體之製造方法
TWI706994B (zh) 聚醯胺酸溶液組成物及聚醯亞胺膜
TWI542608B (zh) 聚醯胺酸樹脂組成物及其製造方法
JP5650458B2 (ja) 積層体の製造方法、及びフレキシブルデバイスの製造方法
TWI664212B (zh) 烷氧基矽烷改質聚醯胺酸溶液、使用其之積層體及可撓性裝置、與聚醯亞胺膜及積層體之製造方法
JP6607193B2 (ja) ポリイミド前駆体、ポリイミド、及びポリイミドフィルム
JP6950684B2 (ja) ポリイミド樹脂
TWI659064B (zh) 顯示器基板用樹脂組成物、顯示器基板用樹脂薄膜及顯示器基板用樹脂薄膜的製造方法
TWI728163B (zh) 聚醯胺酸、聚醯胺酸溶液、聚醯亞胺、聚醯亞胺膜、積層體及可撓性裝置、與聚醯亞胺膜之製造方法
WO2009107429A1 (ja) ポリイミド前駆体組成物、ポリイミドフィルム及び透明フレキシブルフィルム
JP2011111596A (ja) ポリイミドフィルムの製造方法及びポリイミドフィルム
JP2018172562A (ja) ポリイミド前駆体及びポリイミド
JP6705444B2 (ja) 剥離層
JP7069478B2 (ja) ポリイミド、ポリイミド溶液組成物、ポリイミドフィルム、及び基板
JP6733142B2 (ja) 薄膜形成用樹脂組成物
JP7184043B2 (ja) 仮接着層形成用組成物及び仮接着層
JP2018141082A (ja) 樹脂組成物、フィルム、および光デバイス
JP7063273B2 (ja) 基板保護層形成用組成物
JP6846148B2 (ja) ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法並びにポリイミドフィルムの製造方法及び積層体の製造方法
JP6897690B2 (ja) 剥離層の製造方法
WO2023063202A1 (ja) ポリアミド酸、ポリアミド酸組成物、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体、積層体の製造方法及び電子デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190618

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190816

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20191206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20191206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200622

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6733142

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151