JP6731156B2 - 正極材料 - Google Patents

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Description

本発明は、正極材料に関する。
リチウムイオン二次電池などの二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として今後ますます普及していくことが期待されている。
二次電池、特にリチウムイオン二次電池は、その普及に伴いさらなる長寿命化(すなわち、長期にわたって容量劣化が抑制されていること)が望まれている。そのため、二次電池の長寿命化を図るための様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1では、非水電解質二次電池において、セパレータに対向する正極板の表面に、正極板からの炭酸ガスの発生を抑制する含フッ素系樹脂層を設ける技術が提案されている。特許文献1に記載の技術によれば、高温下で長時間保存した場合や高温下で充放電サイクルを繰り返した場合の炭酸ガスの発生を抑制することができ、これにより非水電解液二次電池の容量劣化を抑制することができる。
特開2008−218268号公報
しかしながら、非水電解液二次電池の容量劣化は、正極活物質と非水電解液とが酸化反応して非水電解液が分解することによっても起こり得るものである。本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の技術によれば、正極板の正極活物質層の表面では含フッ素系樹脂層の存在によって正極活物質と非水電解液との接触が妨げられて、これらの間で起こる酸化反応をある程度抑制することができるものの、正極活物質層の内部では正極活物質と非水電解液とが接触して、これらが酸化反応し得ることを見出した。すなわち、正極活物質と非水電解液との酸化反応による非水電解液の分解によって引き起こされる電池容量の低下を十分に抑制できていないことを見出した。
そこで本発明は、二次電池の容量劣化を抑制することができる正極材料を提供することを目的とする。
ここに開示される正極材料は、正極活物質と、前記正極活物質を被覆するフッ素樹脂とを含む。前記正極活物質に対する前記フッ素樹脂の被覆率は96%以上である。前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、またはポリフッ化ビニリデンである。前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンである場合には、その被覆厚さが0.009μm以上0.199μm以下であり、前記フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体である場合には、その被覆厚さが0.011μm以上0.165μm以下であり、前記フッ素樹脂がポリフッ化ビニリデンである場合には、その被覆厚さが0.01μm以上0.098μm以下である。
このような構成によれば、二次電池において、正極活物質と非水電解液の直接接触を効果的に抑制することができ、これにより正極活物質と非水電解液との間の酸化反応を抑制することができる。その結果、二次電池の容量劣化を抑制することができる。すなわち、このような構成によれば、二次電池の容量劣化を抑制することができる正極材料を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る正極材料を用いて構築されるリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る正極材料を用いて構築されるリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない正極材料の一般的な構成)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
本実施形態に係る正極材料は、正極活物質と、正極活物質を被覆するフッ素樹脂とを含む。
正極材料に用いられる正極活物質には、二次電池、特にリチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質を好適に用いることができる。リチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質の例としては、スピネル系リチウムニッケルマンガン複合酸化物、層状リチウム複合酸化物等が挙げられる。正極上限電位が高い方が非水電解液の分解を抑制して二次電池の容量劣化を抑制する効果がより高くなることから、正極活物質として好ましくは、スピネル系リチウムニッケルマンガン複合酸化物である。スピネル系リチウムニッケルマンガン複合酸化物とは、スピネル型結晶構造を有し、構成元素として、リチウム、ニッケル、マンガン、および酸素を少なくとも含有する酸化物のことをいう。スピネル系リチウムニッケルマンガン複合酸化物は、典型的には、LiNiMn(式中、1≦a≦1.3、0.40≦b≦0.56、1.44≦c≦1.60)で表されるスピネル系複合酸化物であり、当該スピネル系複合酸化物において、Ni、Mn、およびOの一部が他の元素で置換されていてもよい。スピネル系リチウムニッケルマンガン複合酸化物として好ましくは、LiNi0.5Mn1.5で表されるスピネル系複合酸化物である。
正極材料に用いられるフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)である。
本実施形態において、正極活物質に対するフッ素樹脂の被覆率は96%以上である。フッ素樹脂は撥液性を有し、リチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液に対しても大きな接触角を示す。すなわち、フッ素樹脂は、撥電解液性を有する。このような撥電解液性を有するフッ素樹脂が正極活物質の96%以上を被覆することにより、正極活物質と非水電解液の直接接触を抑制することができ、これにより正極活物質と非水電解液との間の酸化反応を抑制することができる。その結果、二次電池の容量劣化を抑制することができる。なお、正極活物質に対するフッ素樹脂の被覆率は、X線光電子分光分析法(XPS)による元素分析により、求めることができる。分析の際には、フッ素樹脂に含まれるフッ素と、正極活物質に含まれる金属元素とを利用するとよい。例えば、正極活物質がLiNi0.5Mn1.5であった場合には、正極活物質由来のMnおよびNiとフッ素樹脂由来のFとの検出比から、被覆率(%)=「F」/(「F」+「Mn」+「Ni」)×100として算出することができる。
フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンである場合には、その被覆厚さが0.009μm以上0.199μm以下である。この場合、被覆厚さは好ましくは、0.009μm以上0.151μm以下である。
フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体である場合には、その被覆厚さが0.011μm以上0.165μm以下である。この場合、被覆厚さは好ましくは、0.025μm以上0.11μm以下である。
フッ素樹脂がポリフッ化ビニリデンである場合には、その被覆厚さが0.01μm以上0.098μm以下である。この場合、被覆厚さは好ましくは、0.01μm以上0.057μm以下である。
いずれの場合においても、被覆厚さが小さ過ぎると、フッ素樹脂による撥電解液性を十分に発揮することができず、正極活物質と非水電解液との間の酸化反応を十分に抑制することができない。なお、このような被覆厚さでは、例えば、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との体積比50:50の混合溶媒に1mol/Lの濃度でLiPFを溶解させた非水電解液について、2/θ法で測定する接触角が39°以上となる。一方、被覆厚さが大き過ぎると、電荷担体となるイオン(特にリチウムイオン)を正極活物質に脱挿入することが困難になり、電池特性が悪化する。したがって、フッ素樹脂の被覆厚さが上記範囲内にあることにより、正極活物質と非水電解液の直接接触を効果的に抑制することができ、これにより正極活物質と非水電解液との間の酸化反応を効果的に抑制することができる。その結果、二次電池の容量劣化を効果的に抑制することができる。
なお、本明細書において、「フッ素樹脂の被覆厚さ」とは、正極材料を深さ方向にXPS測定した場合に、フッ素樹脂のフッ素(F)の元素比が、最表面に対して50%になる深さ(深さ方向の寸法)のことをいう。
正極材料は、フッ素樹脂の粉末を分散媒中に分散させた分散液に正極活物質を浸漬して正極活物質表面にフッ素樹脂の粉末を付着させ、フッ素樹脂の融点(ポリテトラフルオロエチレン:327℃、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体:310℃、ポリフッ化ビニリデン:177℃)よりもやや低い温度で熱処理することにより、作製することができる。なお、フッ素樹脂の被膜厚さは、分散液中のフッ素樹脂の粉末の分散量を調整するなどして正極活物質表面に付着させるフッ素樹脂の粉末の量を調節することによって、制御することができる。
本実施形態の正極材料は、二次電池の正極材料として好適に用いることができる。
そこで、以下、本実施形態に係る正極材料を用いた二次電池(非水電解液二次電池)の具体例としてのリチウムイオン二次電池100の構成を、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解質(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型のリチウムイオン二次電池100である。電池ケース30には、外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。正負極端子42,44はそれぞれ正負極集電板42a,44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質には、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回されている。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(上記長手方向に直交するシート幅方向をいう。)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54は、正極活物質を含む材料である上述の本実施形態に係る正極材料を含む。また正極活物質層54は、導電材、バインダ等をさらに含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、バインダ、増粘剤等をさらに含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様の各種微多孔質シートを用いることができ、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートが挙げられる。かかる微多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70は、耐熱層(HRL)を備えていてもよい。
非水電解質は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。或いは、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)のようなフッ素化カーボネート等のフッ素系溶媒を好ましく用いることができる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解質は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した非水溶媒、支持塩以外の成分、例えば、ガス発生剤、被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、複数個が電気的に接続された組電池の形態で使用することもできる。
以上、例として扁平形状の捲回電極体を備える角型のリチウムイオン二次電池について説明した。しかしながら、本実施形態に係る正極材料は、公知方法に従い、他の種類のリチウムイオン二次電池にも使用可能である。例えば、本実施形態に係る正極材料はを用いて、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池を構築することもできる。また、本実施形態に係る正極材料はを用いて、円筒型リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池等を構築することもできる。また、本実施形態に係る正極材料はは、公知方法に従い、リチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池にも使用可能である。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<正極材料の作製>
[PTFE被覆正極材料]
正極活物質として、スピネル型のLiNi0.5Mn1.5を用意した。これを、PTFE粉末をNMP中に分散させた分散液に浸漬し、正極活物質にPTFEを付着させた。これを、320℃で熱処理することにより、正極活物質がPTFEで被覆された正極材料(PTFE被覆正極材料)を得た。なお、分散液中のPTFE粉末の分散量を調節することにより、種々の被覆厚さのPTFE被覆正極材料を得た。
[PFA被覆正極材料]
正極活物質として、スピネル型のLiNi0.5Mn1.5を用意した。これを、PFA粉末をNMP中に分散させた分散液に浸漬し、正極活物質にPFAを付着させた。これを、300℃で熱処理することにより、正極活物質がPFAで被覆された正極材料(PFA被覆正極材料)を得た。なお、分散液中のPFA粉末の分散量を調節することにより、種々の被覆厚さのPFA被覆正極材料を得た。
[PVDF被覆正極材料]
正極活物質として、スピネル型のLiNi0.5Mn1.5を用意した。これを、PVDF粉末をNMP中に分散させた分散液に浸漬し、正極活物質にPVDFを付着させた。これを、170℃で熱処理することにより、正極活物質がPVDFで被覆された正極材料(PVDF被覆正極材料)を得た。なお、分散液中のPVDF粉末の分散量を調節することにより、種々の被覆厚さのPVDF被覆正極材料を得た。
[比較用正極材料]
スピネル型のLiNi0.5Mn1.5をフッ素樹脂で被覆することなく、そのまま正極材料として使用した。
<被覆率測定>
上記作製した正極材料について、XPS測定を行なった。正極活物質由来のMnおよびNiとフッ素樹脂由来のFの検出比から、被覆率(%)=「F」/(「F」+「Mn」+「Ni」)×100として被覆率を算出した。結果を表1に示す。
<被覆厚さ測定>
上記作製した正極材料について、XPS測定を行なった。深さ方向のXPS測定結果から、最表面に対してFの元素比が50%まで減少するところまでの深さ(最表面からFの元素比が50%まで減少するところまでの深さ方向の寸法)を求め、これを被覆厚さとした。結果を表1に「被覆厚」として示す。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
正極材料と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、正極材料:AB:PVDF=90:5:5の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、アルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより正極シートを作製した。
また、負極活物質としての平均粒子径20μmの天然黒鉛系炭素材料(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンラバー(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、銅箔の片面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより負極シートを作製した。
また、セパレータシート(多孔性ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して対向させて電極体を作製した。
作製した電極体に集電体を取り付け、非水電解液と共にラミネートケースに収容して、評価用のリチウムイオン二次電池を得た。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との体積比50:50の混合溶媒に1mol/Lの濃度でLiPFを溶解させたものを使用した。
<活性化および初期容量測定>
上記作製した各リチウムイオン二次電池を25℃の環境下に置いた。初回充電は、定電流−定電圧方式とし、1/3Cの電流値で4.9Vまで定電流充電を行った後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行い、満充電状態にした。その後1/3Cの電流値で定電流放電し、このときの放電容量を測定して、初期容量を求めた。
<高温サイクル特性評価>
各リチウムイオン二次電池を60℃の環境下に置き、2Cでの定電流充電および2Cでの定電流放電を1サイクルとする充放電を200サイクル繰り返した。
200サイクル充放電後の電池容量を、初期容量と同じ方法で求めた。
高温サイクル特性の指標として、(充放電200サイクル後の電池容量/初期容量)×100より、容量維持率(%)を求めた。
そして、フッ素樹脂で被覆しなかった比較用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池の容量維持率を1とした場合の、その他のリチウムイオン二次電池(PTFE被覆正極材料、PFA被覆正極材料、およびPVDF被覆正極材料をそれぞれ用いたリチウムイオン二次電池)の容量維持率の比を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0006731156
表1の結果によれば、正極活物質をフッ素樹脂で被覆し、その被覆率が96%以上であり、フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンである場合には、その被覆厚さが0.009μm以上0.199μm以下であり、フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体である場合には、その被覆厚さが0.011μm以上0.165μm以下であり、フッ素樹脂がポリフッ化ビニリデンである場合には、その被覆厚さが0.01μm以上0.098μm以下である場合には、容量維持率比が1を超えた。すなわち容量維持率の向上が見られた。
また、Si基板上にスピネル型のLiNi0.5Mn1.5をスパッタし、650℃で焼成して形成したLiNi0.5Mn1.5膜上に、正極材料の作製においてフッ素樹脂の被膜を作製したのと同様の方法により、フッ素樹脂膜を形成した。そして、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との体積比50:50の混合溶媒に1mol/Lの濃度でLiPFを溶解させた非水電解液との接触角を2/θ法により求めた。
Figure 0006731156
表2が示すように、膜厚の小さい領域では、膜厚が大きくなるにつれ接触角が大きくなっていることがわかる。よって、フッ素樹脂が特定の被膜厚さ以上になることにより、非水電解液と正極活物質との接触を効果的に防止できることわかる。ただし、表1および表2の結果を総括すると、容量劣化の抑制にもっとも寄与しているのはフッ素樹脂の種類と特定の被膜厚さの範囲との組み合わせであることがわかる。
したがって、本実施形態に係る正極材料を用いることにより、正極活物質と非水電解液の直接接触を効果的に抑制することができ、これにより正極活物質と非水電解液との間の酸化反応を抑制することができ、その結果、二次電池の容量劣化を抑制することができることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 正極活物質と、
    前記正極活物質を被覆するフッ素樹脂とを含み、
    前記正極活物質は、スピネル系リチウムニッケルマンガン複合酸化物であり、
    前記正極活物質に対する前記フッ素樹脂の被覆率は96%以上であり、
    前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、またはポリフッ化ビニリデンであり、
    前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンである場合には、その被覆厚さが0.009μm以上0.199μm以下であり、
    前記フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体である場合には、その被覆厚さが0.011μm以上0.165μm以下であり、
    前記フッ素樹脂がポリフッ化ビニリデンである場合には、その被覆厚さが0.01μm以上0.098μm以下である、
    ことを特徴とする、非水電解液二次電池用の正極材料。
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